シナリオ

インシデント:筐体

#√汎神解剖機関 #王劍戦争前哨戦

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 #√汎神解剖機関
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「うなー、来てくれてありがとうなんだぜ!√汎神解剖機関での事件を予知したから、早速説明していくのぜ!」
 |鄭《チェン》・|星虎《シンフゥ》(dragon drive・h09043)は、自らの呼びかけに応じたEDENたちにそう礼を述べると、星詠みの結果を伝えるために口を開いた。
「場所は「Blitz」って名前の三階建てのゲームセンターなんだぜ。今から行けばちょうど店じまいして、店員さんも帰った時間に間に合うから、誰にも被害が出ないのぜ!」
 |星虎《シンフゥ》の言によれば、このゲームセンターの一階には怪異「群れた特異電磁体」が出没する。人で賑わっている時間帯には出てこず、監視カメラにだけ映っているが、確かにそこには怪異がおり、「群れた」とついている以上は集団であるらしい。
「こいつらの正体については色んな説があるらしいけど、みんなが行けば襲い掛かってくるのぜ。だから、倒しちゃって欲しいんだぜ!」
 このゲームセンター「Blitz」に怪異が現れるようになった理由は、このゲームセンターが入っているビルの最上階、誰も使っていないフロアーに「仔産みの女神『クヴァリフ』」が現れたことによるという。施錠され誰も踏み入ることのない最上階は粘液に覆われており、迷い込んだ者を犠牲者に変えているらしい。
「問題は、クヴァリフを倒すには、ゲームセンターの中を通っていかないといけなくて……そんで、「群れた特異電磁体」を全部倒したあとは、二つの未来のどちらかに事態が進むはずなんだぜ」
 一つ、その場でカメラやセンサー、電子受容体が次々と原因不明の故障を起こす事態だ。原因不明の故障事件は前から起こっていることだが、誰も「壊れる瞬間」を見ておらず、センサーやカメラが「何を見てしまった」のかもわかっていない。この現象の謎を解かなければ先へと進むことができない。
 もう一つは、「仔産みの女神『クヴァリフ』」に共鳴した怪異「有造無臓」との戦闘になるというものだ。「誰かの足を引っ張りたい」という負の感情の集合体からなるこの怪異は、『クヴァリフ』の元に向かうEDENたちを敵意を以て妨害する。
「どちらの未来に進むにしろ、どっちの事件を解決するにしろ、最後に待ってるのは『クヴァリフ』との戦いなんだぜ。今『クヴァリフ』を倒すことができれば、7月に起きるっていうおっきな戦いに『クヴァリフ』の干渉を起こさせないことができるかもしれないのぜ!」
 だから、
「おねがいします、がんばって、事件を解決してきてほしいんだぜ!」
 角を生やしたドラゴンプロトコルの星詠みは、そうしてEDENたちにぺこりと頭を下げるのだった。

マスターより

遊津
 遊津です。√汎神解剖機関のシナリオをお届けします。
 これは「王権戦争」前哨戦シナリオとなっており、無事月末までに「仔産みの女神『クヴァリフ』」を倒してシナリオ完結した場合、「仔産みの女神『クヴァリフ』」の撃破数が1増えます。

 「戦場について」
 とある三階建てのゲームセンター「Blitz」内部です。閉店後でゲームの電源は下りていますが、ライトはついており、視界が確保されています。
 店員や客などはおらず、避難指示などを行う必要はありません。
 戦闘に利用できそうなものはそれなりにありますので、あまりに突飛なものでなければ「何を」「どうやって」使うかをプレイングに明記くださったならそれが「あった」ことにします。(「使えるものは何でも使う」的なプレイングだと、何かを利用する描写を行わない場合があります。)
 リプレイ開始とともに敵がその場にいる状況となりますので、事前の行動を行っておくことは不可能です。(例:準備体操を行い、体の「パフォーマンス」を良くしておく、など)
 何らかの準備行動を行うには、戦闘と並行して行うことになります。

 「第一章 集団敵「群れた特異電磁体」について」
 非金属にも作用する謎の電磁力を宿す人型です。一説にはその特異電磁力に適合できなかった者のなれの果てらしく、
 身に余る雷力の影響か動作は常に大げさで躁状態、凄まじいスピードを持つが制御はほぼ不可能です。
 集団と戦うため、一本のリプレイで最低一体は倒しきるところまで描写いたします。
 基本的にはEDEN一人につき一体との戦闘になりますが、実際何体と戦うかはプレイングや使用する√能力により決定されます。ただし「○体と戦う」とプレイングに明記され、それに対策するプレイングが書かれていた場合はそのようにします。
 EDENが√能力を使わず、技能とアイテムだけで戦おうとした場合でも、雷や脚、角、腕を武器にして攻撃を行ってきますが、プレイングや√能力の内容次第では敵に攻撃させずに倒す場合もあります。

 「第二章 冒険「フレームロスト」/集団敵「有造無臓」について」
 冒険『フレームロスト』……カメラやセンサーが次々と原因不明の故障を起こしている。誰も「壊れる瞬間」は見ていない。
 だから、機械が何を見てしまったのかも分からない。それでも、何かが起きた痕跡だけが残っている。
  そんな事件の謎を解決することになります。冒険の必要成功数は7と通常より少ないので、ご注意ください。
 集団敵『有造無臓』……誰かの脚を引っ張りたい、自らより優れているものを辱めたい、輝いているものを引きずり堕として穢したい…そういった、雑魚なのに時間と手間を掛けさえすれば格上殺しも可能な、有象無象の負の感情の集合体です。
  どちらに進んだ場合でも、詳細は二章の断章で行います。

 「第三章 「仔産みの女神『クヴァリフ』」」
 「妾の『仔』となるべき汝らに、祝福を与えよう」数多の怪異の母たる『仔産みの女神』です。
 人間を取り込み、忘我のうちに彼女の『仔』とする能力は、怪異を忘却させる『クヴァリフ器官』の名の由来となっています。
 詳細は第三章の断章で行います。

 当シナリオのプレイング受付開始は、オープニングが公開され次第即時となります。
 プレイングを送ってくださる方は、諸注意はマスターページに書いてありますので、必ずマスターページの【初めていらっしゃった方へ】部分は一読した上で、プレイングを送信してください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『群れた特異電磁体』


POW サンダーアタック・エンプティ
【抉る雷】の【超速突撃】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【脚】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
SPD サンダーアタック・エンプティ
【穿つ雷】の【超速突撃】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【角】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
WIZ サンダーアタック・エンプティ
【裂く雷】の【超速突撃】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【腕】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
イラスト ひゃく
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クラーラ・ミュスティアウゲン
ゲームセンターに怪異とは、随分と騒がしい組み合わせですね
灯りだけが残る筐体の列は、どこか不気味ですね

戦争前の前哨戦というなら、放置はできません
この先にいる女神へ繋がる道を開くためにも、まずは目の前の電磁体を片付けましょう

相手は高速ですが、制御は甘い
進路と癖を読みましょう

感覚を研ぎ澄ませ、音、空気の震え、床を蹴る気配を拾う
筐体や柱を遮蔽物にし、突撃の直線を限定

飛燕剣を展開
「逃しません」


飛燕剣を走らせ、動きを制限して斬り払います

外れても構いません
外れた地点を中心に錬金鎖の空間を展開し、暴走する動きを縛る

脚を狙い、雷を纏う突撃の勢いを殺す
骨を砕くほど自壊する力なら、その前に床へ叩き落としましょう

「いやはや、ゲームセンターに怪異とは、随分と騒がしい組み合わせですね」
 クラーラ・ミュスティアウゲン(閉ざした瞳の武侠剣士・h12663)は、無人のゲームセンター「Blitz」の一階で、現れた怪異「群れた特異電磁体」を前に二振りの飛燕剣「宵燕」と「影燕」を抜いた。灯りだけが残る筐体の列は、どこか不気味さを感じさせる。
「これより起きる戦争、その前哨戦というなら、放置はできません。この先にいる女神へ繋がる道を開くためにも――」
 まずは、目の前のあなたたちを片づけましょう。
 剣を抜いたクラーラを敵対者と認めた特異電磁体たちは、高速で彼女を目がけて放電しながら突撃してくる。そのどれもが非常に早いが、グリモア猟兵が言った通り自身らのスピードの制御は一切できていない。クラーラは特異電磁体たちの動きから進路と癖を読まんと観察したが、殆どが直進して正面にある壁や障害物にぶつかり、時折角にぶち当たっては角度を変えてさらに直進する、程度の動きで、それはなんとなくミニゲームの駒のような動きさえ感じさせた。それでもまだ動きを止めるものと角度を変えてなおも動くものの違いを見出さんと、クラーラは感覚を研ぎ澄ます。音、空気の震え、動き出す気配を拾い、自らを囮にして動き回りながら、筐体や柱を特異電磁体の突撃の直線を限定させる。
「逃がしません――いえ、あなたたちに、逃げるというほどの能力はありませんか。ただ高速で突撃するだけ。それが自分たちの性質に振り回されているからかはわかりませんが――それでも、逃がしはしませんから」
 仙力によって二振りの飛燕剣を走らせ、自分に突進してくる特異電磁体を迎えうつように刃を向ける。しかし、細身の刃はその超速突撃をすり抜ける――否、今回はそれでいい。クラーラの【|静眼・飛燕錬鎖《ツヴァング》】は、外せばそこから半径四十九メートル内は床から伸びる鎖によって錬金空間と化す。その空間が齎すのは、クラーラ以外の全員の行動成功率の半減。即ち、元々制御できていない超スピードが、遅くなるということ。まさに暴走と呼んでいい特異電磁体の動きは、錬金鎖に縛られる。
 クラーラは二振りの飛燕剣を自在に操り、特異電磁体の脚を狙って突撃の勢いを殺す。
「自らの骨を砕くほどに自壊する能力ならば――」
 床へと叩きつけられた特異電磁体たちは、起き上がることも出来ずにバチバチと放電しながら消えていくのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

アルマ・トーレス
アドリブOK

屋内であろうと所構わず暴れるのは、単純で厄介だな。だというのに此処を通らねば上階には行けず、無視は不可能、と。……手間ではあるが、静かにさせた方が早そうだ。

五感と認知機能に影響を及ぼす香気であるLust Amberを漂わせながら、上階に続く最短距離を進む。周囲の地面に向けて、Sanctuāriumから空き瓶を取り出しては進路外に投げ割って、ガラス片を撒く。物が損壊する瞬間、ガラス片の上を通った音等で攻撃の予兆をある程度は掴める筈。敵の攻撃を私ではなく、周辺物にぶつけさせ、骨折のリスクを高め、自滅を誘う。上階への進路と敵が重なったタイミングで√能力『Thief』発動。単体狙いだが、他個体を巻き込めれば儲け物。上階に行く距離を稼ぐ事に重きを置いて、討滅開始。残党には√能力『Corner』を当て、敵自身を障害物に仕立て上げ、他個体の行動を制限。自身は隠密状態を利用して、上階へと進む。

「厄介だな」
 アルマ・トーレス(|Untouchable《触れてはならない》・h12937)は、ゲームセンターの1フロアー中に湧き出している怪異「群れた特異電磁体」の集団を見て、そう溜息をついた。
 屋内であろうとところ構わず暴れるというのは、実に単純で実に厄介だ。だというのに、このフロアーを通らなければ上のフロアーには行けないようになっているビルの構造上、無視して通ることも不可能。
「……ならば、手間ではあるが、静かにさせた方が早そうだ」
 アルマ自身の体から立ち上る、五感と認知機能に影響を及ぼす香気「|Lust Amber《禁忌》」、ブラックティーの渋みのある深みと豊潤な甘みが混ざり合った上品な香りのそれを漂わせ、彼女は上のフロアーへと続く最短距離を進む。二階ぶんがゲームセンターとなっている「Blitz」の建物は、客が通る都合上怪段も広く目立ちやすい場所に作られているが、勝手に暴走を続ける特異電磁体にはどうにも上階へと上ることが出来ないでいるらしい。超スピードを制御できていないが故に、単なる段差を上ることさえ出来ない、上れて一段か二段、という状況のようだ。それを理解したアルマは空間魔法陣の「|Sanctuārium《サンクトゥアリウム》」から空き瓶を取り出すと、自身の進路の外に投げつけて割り、ガラス片を撒き散らす。物品が損壊する瞬間の音、ガラス片の上を特異電磁体が通り過ぎていく時のパキパキという音、それらによりアルマは特異電磁体が「攻撃に移る」瞬間の予兆をある程度掴んだ。
 雷を宿した特異電磁体が上階へと向かって歩みを進めていくアルマへと超速突撃を行おうとした瞬間――そう、本来ならば速すぎる行動でも、この特異電磁体相手ならば瞬間の対処で十分だ、相手が速すぎるのだから――アルマは【|Thief《シーフ》】を発動させる。手にはめた黒革のグローブ、それに扮した影業の「|Atra Sinister《アトラ・シニステル》」による上下の殴打から、脚部へと手刀を落とす。そして殴打からの蹴りによって、特異電磁体は脚部を骨折し地面に転がる。地面に転がった一体の特異電磁体に、他の特異電磁体が脚を取られてまた転がり、自らが放つ雷により諸共に感電して怪異特有の電気的生命エネルギーをを放ちながら消滅していく。それを冷徹に眺めながら、視界の端に過剰放電している個体を捉え、アルマは【|Corner《コーナー》】の効果である跳躍能力を利用してそこまで飛んだ。上のフロアーに進むための距離を稼ぎ、仕込み靴「|Bespoke Shoes《ビスポーク・シューズ》」によって過剰放電個体を蹴り穿ち、床に転がすことによって先ほど同様に連鎖放電を起こさせると、幻影を纏い隠密状態となったアルマは、そのまま上階へと歩を進めてゆくのであった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

雪月・らぴか
うひょー!閉店後のゲーセンなんてなんかテンション上がっちゃうね!
でもでも、電気使う敵って筐体とかに悪影響でそうだよね!あとで直せるっていっても壊されるのは気分良くないし、ササッと倒しちゃいたいね!

いきなり【雪風強打サイクロンストレート】発動!でもでもすぐに攻撃しないで様子見!動き制御できてないって言ってもぶつかるとやばそうだからね!こっちにつっこんできそうな感じだったらすぐに避けないと!
敵がどこかにぶつかったりして動きが止まったらすぐに近づいてぶん殴るよ!

なんでクヴァリフはこんなとこに現れたのかなー?獲物を待つ場所としてはちょっと効率悪そうな気もするし……ひっそりやりたかったのかな?

「うひょー!閉店後のゲーセンなんて!なんかテンション、上がっちゃうねー!」
 |雪月《ゆきづき》・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)はゲームセンター「Blitz」の店内で高揚して声を上げる。フロアーのライトこそ点いているものの、客も店員も誰もおらず、電源の落とされた筐体が静かに並んでいるさまは、どこか夜の学校に忍び込んだのと同じようなワクワク感を覚える。そこに水を差しているのが、フロアー中を走り回っている怪異「群れた特異電磁体」たちだ。
「でもでも、電気使う敵って筐体とかに悪影響出そうだよね!」
 例え√能力【忘れようとする力】などによって後で直せる、とわかっていても、壊されるのは気分がよくない。
「よーし!ササっと倒しちゃいたいね!」
 そう言うとらぴかは【|雪風強打《せっぷうきょうだ》サイクロンストレート】を発動させ、左拳に吹雪を纏って自身の移動力を三倍にする。すぐに攻撃には移らず超スピードで動き回るが故にその動きを微塵も制御できていない特異電磁体たちの様子を見ながら、自分の方にぶつかってこないかどうか、突っ込んで来たならすぐに避けられるかどうかを見定める。
 特異電磁体たちの動きは傍から見ればどこかコミカルにも見える。途中で止まることが出来ないからこそ動き回っている個体は壁や柱、筐体へとぶつかり、そこからまだ動ける猶予があればまた超高速で動き出す。それはその大きさと「実在している」ことを除けば、ミニゲームのコマのようにも見える。
「……ひょいっ」
 ふと思い立ってらぴかは対戦ゲームの筐体の前に据えられていた椅子を移動してみる。幾つか場所を変えてそのまま待っていると、超スピードで動き回って角を曲がっていた特異電磁体が椅子と椅子との間に挟まって移動できなくなり、そこで高速でブルブルと振動していた。バグのようで少し面白いが、怪異は怪異。移動力三倍の速度で追いかけ、万が一にも抜けだされてしまわぬうちに近付いて左拳によるサイクロンストレートでぶん殴れば、バチバチと放電しながらその特異電磁体は消えていった。
「なーるほどー!」
 これだな、とらぴかは特異電磁体からの突撃攻撃を躱しながら、椅子や筐体、柱を利用して特異電磁体を突き当りに「ハメ」ていき、そこから雪風強打サイクロンストレートで消滅させていく。
 ちょっとしたゲーム感覚に慣れだして、らぴかは左拳を振るいながら呟いた。
「にしても、なんでクヴァリフはこんなとこに現れたのかなー? 得物を待つ場所としてはちょっと効率悪そうな気もするし……ひっそりやりたかったのかな?」
 その疑問が解決されるときは、果たしてくるのか否か。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

シャルマ・トレベル
こちらの√は初ですけれど怪異の相手というのも面白そうですわね。
舞台はどうも私の遊び場ではありませんが…相手の仕方は合わせてくれているようで何よりよ。

雷素忍獣.exeを起動し透明化した忍獣たちと連携しましょう。
私自身はある程度の距離は保ちつつ、増えた五感で超速突撃の軌道を逸早く読み対抗していけるよう動きますわ。
同時に忍獣達は盾であり、足場。
相手はそこまで細やかな動きは出来そうには見えませんし、突撃後の隙に雷鳴刀と動力偃月刀を差し込んでまた離れましょう。
速さだけで私を捉えられまして?

「こちらの√は初ですけれど……怪異の相手というのも、面白そうですわね」
 シャルマ・トレベル(野良猫の仙術武侠・h12870)は野良|猫《エジプシャンマウ》だ。白い滑らかな毛並みの背中をすぅ、と伸ばし、|緑の目《グリーンアイ》を細めて目の前で動き回っている怪異を前にぺろりと舌を出す。
「舞台はどうも私の遊び場ではありませんが……相手の仕方は合わせてくれているようで、何よりよ」
 灯りだけの点いた、人間のいないゲームセンター。筐体の電源が落とされて音や光がないのは猫の耳目には心地良く、そして目の前で走り回る怪異「群れた特異電磁体」は……シャルマにとって、猫の闘争本能をちょうどいい感じに刺激する。
 【雷素忍獣.exe】を発動し、透明化した体高十センチの忍獣九体を呼び出し使役する。シャルマ自身は特異電磁体からある程度の距離を保ちつつ、忍獣と共有することによって増えた五感によって特異電磁体の軌道を読めるように動いていく。シャルマがこの場で優位を取れるのは、何よりもシャルマ自身が猫だということ。人型ではできない、狭い筐体の上をも軽々と動き回れることだ。無論、忍獣たちを盾にも足場にも使うこともできるし、体高十センチの忍獣たちのサイズはシャルマにとって非常に連携が取りやすい。
 特異電磁体は電気を纏いながら超スピードの動きを繰り返している。一度動き出したならばその速度故に制御がきかないこの怪異は、突撃するしかできないが、それでもまだ√能力と呼べるほどの雷を発さない。自在に動けているわけではないから、ここぞというときにしか発せないのだ、とシャルマは推測し、そしてそれが間違っていないことを確認して、にんまりと目を三日月にして笑った。
 忍獣たちを囮に、特異電磁体の動きをより狭めていく。シャルマが筐体から突然に床に飛び降りて場を乱し、特異電磁体に彼女を「敵」だと認識させることによって、彼らの動きは激しくなる。雷をによって突撃してきたところをひょいと飛び上がって避け、忍獣を盾にしてその攻撃を「命中」させれば、ぱきりと特異電磁体の角が折れる。そこで「障害物」に当たって動きを止めた電磁体に、後ろから雷鳴刀と動力偃月刀でシャルマが攻撃し、また高いところに上がってしまえば、彼らはシャルマには手を出せない。
「速さだけで、私を捉えられまして?」
 鈴を転がすような声でそう挑発しながら、シャルマは忍獣たちを指揮して特異電磁体から戦う術を徐々に奪い、追い詰め、二振りの刀で確実に仕留めていく。
 シャルマの狩猟本能が満たされた時には、特異電磁体はもはや一体もいなくなっていた。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『有造無臓』


POW 逆襲
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【粘液の腕や蔦の触手】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【蝶の鱗粉】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
SPD 復讐
敵に攻撃されてから3秒以内に【鋭利な牙】による反撃を命中させると、反撃ダメージを与えたうえで、敵から先程受けたダメージ等の効果を全回復する。
WIZ 叛逆
移動せず3秒詠唱する毎に、1回攻撃or反射or目潰しor物品修理して消える【彷徨える目玉】をひとつ創造する。移動すると、現在召喚中の[彷徨える目玉]は全て消える。
イラスト 成千佳
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 EDENたちは一階に蔓延っていた怪異「群れた特異電磁体」を倒し尽くし、三階建てのゲームセンター「Blitz」の上階フロアーへと辿り着いた。
 一階もそうであったが、「Blitz」には防犯カメラが仕掛けられている。そして、店員たちがカメラの様子を確認できるバックヤードは二階にある。まずはカメラの様子を確認してみようかと誰かが奥へ進んだ時だった。
 そのフロアーにある、リズムゲームなのであろうと思しきひときわ大きな筐体の、大きな液晶画面が、ぼんやりと光を放ち出す。ただ事ではないと構えたEDENたちの前で、光は無数の羽虫となり、あるいは亡霊のような姿となり、次々と筐体から現れ出でた。
 ――これが、怪異「有造無臓」。
 有象無象の負の感情の集合体からなる、雑魚でありながら|格上殺し《ジャイアントキリング》が可能なもの。
 「誰かの脚を引っ張りたい」「自らより優れているものを辱めたい」「輝いているものを引きずり堕として穢したい」――騒がしくてけれど暗い側面をも持ちがちな「ゲームセンター」という場所に、女神クヴァリフに呼び寄せられて集まった、怪異の集団。
 |EDEN《あなた》たちは戦闘態勢をとる。相手は不定形と呼んでもいい集合体の集団。
 彼らを無視して、先に進むことはできないと、|EDEN《あなた》たちは理解していた――。
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 第二章 集団戦 「有造無臓」 が 現れました。

 おめでとうございます。EDENたちの奮闘により、ゲームセンター「Blitz」の一階フロアーに出現した怪異「群れた特異電磁体」はすべて倒されました。
 この戦いの結果、新たな敵が出現しました。
 「仔産みの女神「クヴァリフ」」に共鳴して現れた怪異「有造無臓」。
 彼らとの戦いを避けることは、次の「クヴァリフ」戦において敵に背中を晒すも同然の行為です。この章で倒し尽くすことを推奨します。
 以下に、詳細を記します。

 「戦場について」
 √汎神解剖機関のゲームセンター「Blitz」、その二階です。リズムゲームやクレーンゲームなどが主体に置かれています。
 第一章に引き続き、閉店後でゲームの電源は下りていますが、ライトはついており、視界が確保されています。
 店員や客などはおらず、避難指示などを行う必要はありません。
 戦闘に利用できそうなものはそれなりにありますので、あまりに突飛なものでなければ「何を」「どうやって」使うかをプレイングに明記くださったならそれが「あった」ことにします。(「使えるものは何でも使う」的なプレイングだと、何かを利用する描写を行わない場合があります。)
 この第二章では、場所は「ゲームセンター」と「バックヤード」の二つに分かれています。
 敵はゲームセンター側から湧き出たので、バックヤードに一時避難することで戦闘前に軽い準備行動を行うことが可能です。(持参している食事系のアイテムを食べることで体のパフォーマンスを良くしておくなど。ただし、ゲームセンターから出ることが前提の事前行動は取れません。)また、バックヤードを戦闘に利用することも可能です。
 
 「第二章 集団敵 「有造無臓」 について」
 誰かの脚を引っ張りたい、自らより優れているものを辱めたい、輝いているものを引きずり堕として穢したい…そういった、雑魚なのに時間と手間を掛けさえすれば格上殺しも可能な、有象無象の負の感情の集合体です。
 集団戦のため、一本のリプレイで最低一体は倒しきるところまで描写いたします。
 基本的にはEDEN一人につき一体との戦闘になりますが、実際何体と戦うかはプレイングや使用する√能力により決定されます。ただし「○体と戦う」とプレイングに明記され、それに対策するプレイングが書かれていた場合はそのようにします。
 EDENが√能力を使わず、技能とアイテムだけで戦おうとした場合でも、牙や粘液の腕や蔦の触手などを武器にして攻撃を行ってきますが、プレイングや√能力の内容次第では敵に攻撃させずに倒す場合もあります。

 第二章のプレイング受付開始時刻は、この断章が投稿され次第即時となります。
 プレイングを送ってくださる方は、諸注意はマスターページに書いてありますので、必ずマスターページの【初めていらっしゃった方へ】部分は一読した上で、プレイングを送信してください。

 それでは、ゲームセンターの「闇」の部分に誘導された集合体を、後顧の憂いが無いよう倒し尽くしてください。
クラーラ・ミュスティアウゲン
ゲームセンターの闇、ですか
足を引き、貶め、引きずり落とす負の感情
澱みの様に溜まるそれらが形を持つのはまあ、良くある事でしょう
この手合いは、細かく斬り結ぶより、群れそのものを呑み込む
宵燕と影燕、二振りの飛燕剣を、空を泳ぐ二頭の鯱へと変じさせます

有象無象など、巨なる一にはかなわぬものです

宙を泳がせて鯱を走らせ、羽虫も亡霊もまとめて喰い千切らせます
この手の相手に時間を与える方が厄介です

私自身は藍月を抜き、鯱の牙を逃れたものを斬り払います
粘液の腕や蔦が絡もうとすれば、根元を断ち、踏み込みを止めない

引きずり落としたいなら、まず届く場所まで上がってきなさい

後顧の憂いを残さぬよう、この場でまとめて蹂躙します

「成程。ゲームセンターの闇、ですか」
 今では家族連れや幼い子供、女性が一人で来ることも珍しくなくなったゲームセンターだが、かつてはそうでなかった時代がある。今でも立ち入ることを校則で禁止している学校が存在するのもその名残であろう。遊ぶために金を使う場所として、自分や親戚、近所の子どもなどがそこに行くことに良い顔をしない大人もいる。
 「いる」ということが、ゲームセンターという場所が「負」の感情を呼び寄せやすい側面を持つということの証でもある。
「足を引き、貶め、引きずり落とす負の感情。澱みのように溜まるそれらが形を持つのはまあ、良くある事でしょう」
 クラーラは冷静にその事実のみを述べ、咀嚼する。怪異「有造無臓」――負の感情の集合体は、うぞうぞと空中を蠢き合い獲物を狙っている。
 このような手合いには細かく斬り結ぶのは意味がない、そうクラーラは判断する。最適なのは、「群れそのものを呑み込む」ことだと。
 飛燕剣「宵燕」「影燕」。仙力で操作する二振りのそれを、クラーラは【|静眼・双牙《オルカ》】によって空を泳ぐ二頭の|鯱《シャチ》へと変じさせる。
 大洋を泳ぐ大魚が悠々と海原を征くように、宙を泳ぐ二頭の鯱は有造無臓へと悠々と音もなく近づき、羽虫も亡霊もまとめて食い千切らせんとする。しかし、一寸の蟲にも五分の魂だと言うように、有造無臓はギュンとスピードを速めた。粘液の腕で|自分を喰らおうとするもの《・・・・・・・・・・・・》を攻撃し。蝶の鱗粉を纏って隠密状態になる。
 そう、「自分を喰らおうとするもの」を。――つまりは、クラーラではなく、空を泳ぐ飛燕剣たる鯱だ。剣であるところのこの鯱たちは攻撃されても余程のことがなければ壊れるようには出来ていない。このような低級怪異の集団の攻撃などが「余程のこと」に当てはまらないのは当然で――だから、クラーラには痛みひとつなく、鯱はそして目を潰されようと関係ない。海を泳ぐ大魚が小魚を食べるのに、わざわざ骨を抜いたり寄り分けたりしないでそこの水ごと大口を開けて吸い込むのと同じように、その空間ごと喰らいとる。怪異はギャアと暗く陰鬱な絶叫を上げた。その牙を逃れたものを、クラーラは錬成剣「藍月」を抜き放って斬り払う。
 仲間が食われたのを知った怪異が、クラーラに向かってくる。絡みついて来ようとする粘液の腕、蔦の触手を根元から断ち、踏み込みを止めずに鯱へと喰らわせる。
 この手の相手に時間など与える方が厄介になる、クラーラはそう考えて行動した。後顧の憂いを残さぬよう、この場でまとめて蹂躙するのみだ。
「有象無象など、巨なる一にはかなわぬものです」
 ――引きずり落としたいなら、まず届く場所まで上がってきなさい。
 そう言うと、クラーラは鯱に宙を泳がせ、蹂躙を続けていくのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

アルマ・トーレス
アドリブOK

勝敗にリスクと代償は付き物なのだが。まぁ、言っても栓無き事か。負の感情が生まれたのは、此処にある筐体が要因の一つだろう。では、紐付けられた物が消えたらどうなる?存在理由を失い、消え去るのか。弱体化だけに留まるか。何れにせよ、道を阻む者は排除あるのみだ。

Sanctuāriumからチャフ手榴弾を取り出し、怪異が出現した筐体を狙って爆破。爆発による損壊よりも電子機器の妨害または無力化、ハッキングを試みる。単なる物体と化した筐体は邪魔なので怪力を以て、敵、他の筐体へ投げる等して上階への進路確保に努める。

敵の攻撃は落ち着きを以て見切り、√能力で迎撃。隠密状態を利用して上階へ。

「勝敗にリスクと代償は付きものなのだが……まぁ、言っても詮無き事か」
 元より、このような輩にその真っ当な理論が通じるとは思っていない。有象無象の負の感情から生まれた怪異。それは、汚い言葉を使えば「便所の落書き」、そう例えられたかつての匿名のネット掲示板や今では誰もがアクセスできる匿名のSNS、そんなものにあるに書き込まれた不平不満と同じものだ。そんな「ウゾウムゾウ」の彼らは、顔と本名を晒してリスクと代償を払いたくないからそんなことをしていて、そこから生まれた怪異だって同じだ。
 ――そして、そんな彼らに対し。その行動に見合うだけの、受け取るべき代償を叩きつけてやるのがアルマ・トーレス、人間災厄「不可触碰的」だ。
 アルマは|Sanctuārium《サンクトゥアリウム》からチャフ|手榴弾《グレネード》を取り出した。怪異たちがここに集まったのは、彼らがたった今這い出てきた此処にある筐体が要因の一つだろうとアルマは考える。――では、紐付けられた物が消えたらどうなるのか? 次に浮かんだのが、その疑問であった。
(存在理由を失い、消え去るのか。弱体化だけに留まるか)
「何れにせよ、道を阻む者は排除あるのみだ」
 フロアーの中でもひときわ大きなリズムゲームの筐体、それを爆破する。通常の爆弾でなくチャフ・グレネードを選んだのは、それが電子機器を妨害するための兵器であるからだ。例えまだ実用化に至っていないような架空の兵器であっても、概念を転用した|Sanctuārium《サンクトゥアリウム》からであれば取り出すことも容易である。
 ゴァン、という重く大きな音の後、筐体は弾けとんだ。どうやら「この筐体だけが特別に」怪異にとって重要だったわけではないらしく、底に残っていた怪異の残り滓のような物を吐き出し、そこらを彷徨いている怪異には異変は見られない。だが、それでもかまわない。この筐体が特別でないのならば、周囲に存在する筐体も条件は同じということ。チャフ・グレネードの効果により、このフロアーの筐体はその電子的な働きを妨害され、怪異の動きを僅かながらにも鈍くしている。それを確認すると、爆破して鉄やらプラスチックの塊と化した筐体をアルマは器用に丸めて投げ、上階への進路確保を行った。
 派手な破壊活動を行ったアルマを敵として見定めた怪異はアルマの元に集まってくる。蟲の牙や蔦の触手が自身の体に触れる前に、アルマは【|Switch《スイッチ》】を発動させて跳躍し。右手に宿る影業、黒革のグローブ「|Noctes Atrae《ノクテス・アートラエ》」でもって先制して殴りつけると、その一撃で怪異は雲散霧消する。あとは透明化の幻影を纏って隠密状態のまま、アルマは進路上に在る怪異を同じ要領で消し去りながら上階へと向かうのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

雪月・らぴか
うひょー!虫や幽霊が飛び出す筐体とかホラー的にはいいけど、普通のプレイヤー視点だとドン引きだよ!

何となく物理より特殊のほうが効きそうな気がするし、今回は遠距離からの撃ちあいでいこー!
私の下半身くらいの高さの筐体とかのそばに陣取って【雪霊幽玉ゴーストオーブ】の詠唱開始!これで雪の玉を作っていくよ!
敵には[霊雪元気らぴかれいき]を飛ばして雪の玉は温存!
敵の目玉とかが飛んで来たらしゃがんで筐体を盾にしたり、雪の玉の反射で対処するよ!こっちの攻撃が反射された時も反射し返しちゃおう!これで移動しなくてもなんとかなるんじゃないかな?
戦闘終わったら、雪の玉で壊れちゃったものも直しておかないとね!

「うひょー!蟲とか幽霊が飛び出す筐体とか!ホラー的にはいいけど、普通のプレイヤー視点だとドン引きだよー!」
 らぴかは声を上げる。おっしゃるとおりである。しかも怪異が飛び出したのは、「そういうゲーム」ではなくてリズムゲームなのだ。誰もそんなもの望んでない。
 そう声を上げても怪異が聞いてくれるワケもない。というか出て来てしまったのでもう倒すしかない。大概のゲームだってそういうものである。
 まんべんなくどんよりとしたこの怪異たちが纏う空気に、らぴかはピンとくる。あ、これ、物理より特殊攻撃の方が効きそうな気がする!と。見るからにあく・ゴーストタイプって感じの形状してるし。
 そう判断したが早いか、らぴかは自身の下半身が隠れる程度の筐体、座ってやれるタイプのリズムゲームのそばに陣取り、【|雪霊幽玉《セツレイユウギョク》ゴーストオーブ】の詠唱を開始する。移動せず三秒詠唱するたびに、霊的な雪の玉がひとつずつ現れる√能力。数に限りがある、というか使用用途がそれなりに多岐にわたる分コストもそれなりにかかる√能力だ。何せ動いたら全部消えるし。そこを自陣と定めたらぴかは生み出す雪玉を温存し、シューティングゲームの要領で「霊雪元気らぴかれいき」によって怪異たちへと氷雪の気を撃ち出していく。
 そしてそれは怪異のほうも同じである。らぴかの周りに漂っていた「有造無臓」たちは、ある程度のところで動くのをやめた。こちらは雪玉ならぬ目玉を生み出し、前衛のものたちは目玉をゆっくりと動かし、後衛のものたちは広範囲の弾幕を作る。「奇しくも同じ構え」という奴だが、それを使いこなす力はらぴかの方に分があった。
 移動させてしまえば、お互いが生み出した「玉」は消える。ゆえにらぴかはらぴかれいきによって怪異たちを少しでも後退させながら、飛んできた目玉からはしゃがむことで筐体を盾にして防ぐ。それも難しいと判断したなら、今度こそ温存していた雪玉の出番だ。目玉を反射することで怪異に当てる。らぴかれいきを目玉が反射した際も、雪玉によって反射し返す。構造的に、その場にしゃがむということが「移動」にあたらないらぴかの方が、この撃ちあいには有利を取れている。攻撃を受けて移動してしまい持ち玉がなくなった怪異から、的にされて撃破されていく。
(戦闘終わったら、壊れちゃったものも雪の玉で直しておかないとね……!)
 そう考えながら、らぴかはまたひとつ雪の玉をその場に生み出すのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

シャルマ・トレベル
有造無臓ども。なるほど、群れて初めてといったところですわね。
腸もなければ満たされもしませんでしょうに。

あまり相手をする気にもなりませんが、本命の前に綺麗にしておく必要があるなら仕方ありませんわね。
動き自体は先の敵程でもなさそうですし、【稲引く回り道】で雷素の刃を直接生むか雷鳴刀に纏わせて仕留めに参りましょう。
どこを狙ってもよろしいでしょうけれど、牙ごときっちり叩いてあげます。
反撃の隙など与えず華麗に制圧いたしますわ。

お止めなさいな、その身の程知らずな牙を剝くのは。

「『有造無臓』ども。……うふふ、なるほど、群れて初めて、といったところですわね」
 シャルマは筐体の上で優雅に伸びをすると、蠢く怪異たちを目を細めて見遣る。
「腸も無ければ、満たされもしませんでしょうに」
 ――そう。このような|負《マイナス》の感情だけで構築された怪異に、「満足」などといった|正《プラス》のものがあるわけもない。だからこの怪異は、ただ知性ある生命体の不満、不服、妬みのような感情を溜め込み、増殖し続ける。そのように出来ている、社会の中の廃棄孔、そこに溜まった澱みだ。
「あまり相手をする気にもなりませんが、本命の前に綺麗にしておく必要があるなら……」
 仕方ありませんわね。
 そう言ってシャルマは鮮やかに椅子の上に下りる。柔らかな感触が、シャルマの体を受け止めた。
 シャルマの動きに伴い、怪異は彼女を敵と見做してゆっくりと近づいてくる。動き自体は一階にいた怪異と比べものにもならないほど重鈍だ。あちらがスピードに特化しすぎていた、ということもあるが。
 雷鳴刀を銜え、シャルマは【|稲引く回り道《グラウル・シール》】を発動させる。雷素の刃を雷鳴刀に纏わせて怪異へと躍りかかる。どこを狙ってもよかったが、偶々突出していた亡霊の如きその顔面に斬りつけてやると、ギィィと陰鬱な叫び声が上がり、敵が反撃の√能力を使おうとする。その√能力の効果時間は三秒。そんな時間はシャルマにはあまりにも長すぎて、とても待ってなどやれないし最初からそのつもりもない。
「お止めなさいな、その身の程知らずな牙を剝くのは」
 今度は【|稲引く回り道《グラウル・シール》】から直接生み出した雷素の刃で反撃用の牙を叩き折り、そしてもう一度雷鳴刀を振るってやれば、回復する事も出来なかった低級怪異は陰鬱な呻き声を上げながら小さくなっていって、そして消えた。
 他のEDENたちの働きもあって、もうこの低級怪異が出てきた大きな筐体は破壊されているし。それ以外の筐体も電子回路を|妨害《ハッキング》されていて、新たな怪異が吐き出される兆しもない。ならば、シャルマがやるべきは、簡単にして簡潔。
「華麗に制圧いたしますわ」
 雷素の刃がバチバチと光る。シャルマは雷鳴刀を銜えたまま二階のフロアーを縦横無尽に駆け回り、綺麗に低級怪異どもを一体残らず掃討して回る。
「さて、ここからが本命、ですわね」
 シャルマは敵の一体もいなくなったゲームセンターから、バックヤードに目を向けた。
 この奥から繋がる最上階に、今までの怪異を呼び寄せてきた邪神がいる――。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『仔産みの女神『クヴァリフ』』


POW クヴァリフの御手
【無数の眼球】による牽制、【女神の抱擁】による捕縛、【触手】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD クヴァリフの仔『無生』
【その場で産んだ『仔』】と完全融合し、【『未知なる生命』の誕生】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
WIZ クヴァリフの肚
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【クヴァリフの肚】」から【最も強き『仔』】を1体召喚する。[最も強き『仔』]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
イラスト hina
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

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 ゲームセンター「Blitz」の二階、バックヤードの奥にあるスチール製の扉。どうやらそこを通らなければ、最上階にはたどり着けないらしい。
 キーボックスから簡単に見つけ出せた鍵を使って扉を開け放ち、怪段を上がっていったその先には、日常と隣り合わせの異界が広がっていた。
 グリモア猟兵曰く、普段は施錠され誰も使っていない、踏み入ることがないというフロア。粘液に覆われ、迷い込んだモノを犠牲者に変える「仔産みの女神『クヴァリフ』」の巣。
 怪異たちの母たるクヴァリフは、EDENたちを見て笑みを浮かべた、それは慈母のそれではなく、どこか淫蕩な捕食者の笑みであった。
 一体いつから、この「Blitz」の中に彼女は巣食っていたのであろうか。最初からではあるまい。
 ここに足を踏み入れてしまった哀れな犠牲者を取り込み、忘我のうちに「仔」に変える――
 それも、今日で終わりだ。
 この女神を殺すために、今、|EDEN《あなた》たちが来たのだから!
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 第三章 「ボス戦 「仔産みの女神『クヴァリフ』」が現れました。

 おめでとうございます。EDENたちの奮闘により、低級怪異「有造無臓」たちはすべて制圧されました。
 これにより、「仔産みの女神『クヴァリフ』」が巣食っている最上階へ到達することが可能になりました。
 以下に詳細を記します。

 戦場について
 二章までとは違い、粘液に覆われたビルの1フロアーが戦場となります。
 時刻は夜ですが暗闇ではなく、二階のバックヤードで照明のスイッチを入れたため、ライトによって昼間同様に視界が利いています。
 店員や客などはおらず、避難指示などを行う必要はありません。
 戦闘に利用できそうなものはそれなりにありますので、あまりに突飛なものでなければ「何を」「どうやって」使うかをプレイングに明記くださったならそれが「あった」ことにします。(「使えるものは何でも使う」的なプレイングだと、何かを利用する描写を行わない場合があります。)
 リプレイ開始とともに敵がその場にいる状況となりますので、事前の行動を行っておくことは不可能です。(例:準備体操を行い、体の「パフォーマンス」を良くしておく、など)
 何らかの準備行動を行うには、戦闘と並行して行うことになります。

 「第三章 ボス 「仔産みの女神『クヴァリフ』 について」」
 「妾の『仔』となるべき汝らに、祝福を与えよう」
 数多の怪異の母たる『仔産みの女神』です。
 人間を取り込み、忘我のうちに彼女の『仔』とする能力は、怪異を忘却させる『クヴァリフ器官』の名の由来となっています。
  ボス戦であるため、ひとつのリプレイごとに敵にダメージを与えていく形となります。最後のリプレイでなければ、敵に止めを刺すことは出来ませんので、あらかじめご了承ください(どのプレイングを「最後のリプレイ」として採用するかは、送られてきたプレイングの締め切りおよびプレイングの内容によって決定します)
 「後続者の役に立てるために情報などを残しておく」プレイングも可能です。(ただし、√能力に関する情報は、後続者が選んだ√能力次第では役立てる機会が訪れない可能性もあります。ご留意ください。)
  EDENが√能力を使わず、技能とアイテムだけで戦おうとした場合でも、触手などによって戦いますが、プレイングや√能力の内容次第では敵に攻撃させないリプレイになる可能性があります。

  第三章のプレイング受付開始日時は、この断章が公開され次第即時となります。
 このシナリオは前哨戦シナリオのため、7/3(金)16時までの完結を目指しております。(期日までに完結出来なかった場合でも、プレイングは完結まで常に受け付けます)
 プレイングを送ってくださる方は、諸注意はマスターページに書いてありますので、必ずマスターページの【初めていらっしゃった方へ】部分は一読した上で、プレイングを送信してください。

 それでは、ゲームセンターに巣食った邪神を、ここで殺してしまってください。
クラーラ・ミュスティアウゲン
随分と悪趣味な巣を作るものですね

二体を相手取るなら、三刀だけでは手が足りないでしょう
ですが、傷を負うこともまた戦いの内です

藍月を抜き、宵燕と影燕を展開して戦闘
痛みで足を止めず、傷が刻まれるたびに集中して
傷を認めるたび、剣仙の腕が一つ、また一つと生やし
三刀は四刀へ、五刀へ、やがて数える意味も薄れるほどに

藍月で正面を裂き、飛燕剣で左右を削る
さらに増えた腕から、濁流のごとき剣の嵐を叩き込む
仔が割り込むなら影縫いで動きを縫い止め、本体ごと刃の流れへ巻き込む

「取り込むのが母の業なら、斬り開くのが私の業です」

苦戦は織り込み済み
血を流し、傷を増やし、それでも剣は増える
剣撃そのものの嵐となって、肚を削ります

「……随分と、悪趣味な巣を作るものですね」
 触手から分泌された粘液によってねばついたその空間の中で、クラーラは苦々しげにそう呟いた。その言の葉を浴びせられた仔産みの女神『クヴァリフ』は、恍惚としたように息を吐き出す。そして、その場で女神の胎が柘榴のように裂け――「封帯「静夜」」で視界を封じているクラーラがそれを「視」ることはなかったが、気配によって確かに理解した――そこから十秒間かけて、青い粘液に塗れた「仔」が産み落とされる。
 錬成剣「藍月」を抜いたクラーラは、二振りの飛燕剣「宵燕」「影燕」を展開する。飛燕剣は「仔」に向かい、クラーラ自身はクヴァリフへと斬りかかるが、藍月の一太刀はクヴァリフの弾力のある触手によって弾き返され、そして力強い丸太のような触手がよこから鞭のように撓り、クラーラの足を掬って壁へと叩きつけた。飛燕剣二振りもまた、「仔」の触手によって弾かれ、思うようにダメージを与えられていない様子がうかがえる。勝機はこちらにありと見たのであろうか、「仔」はクラーラの体を押さえつけ、甚振るように傷をつける。
「ぐっ、う、ぐぅッ――……!!」
 歯を食いしばり、意識を持って行かれないように集中するクラーラ。否。その集中は、自身に刻まれる傷を傷として認めるためのものである。
 【|静眼・剣仙合一《イーゲル》】――クラーラの肉体が変異する。肩の骨の形が変わり。新たな腕、剣仙の腕が生える。それはクラーラが傷をつけられた分だけ、外つ国の神話の神のようにその手に剣を握った腕が生えてくる。藍月と宵燕、影燕の三振りが四振りに、五振りに、そして、やがて数える意味も薄れるほどに――。
 もう一度、クラーラは藍月を握って吶喊する。同時、二振りの飛燕剣は左右を削る。更に増えた剣仙の腕が、濁流の如き剣の嵐を叩きこみ――クヴァリフの触手による防御を突破した。「仔」は母を守るかのように割り込んでくるが、一瞬動きを止めたあと、その体はただの肉の塊となってその場に崩れ落ちる。そう、クヴァリフがその√能力によって産み落とした「最も強き『仔』」が動いていられるのは、五十秒間のみ。クラーラを甚振る時間を作ったことにより、その僅かな時間の多くが消費された。そして、女神クヴァリフが次に「仔」を産むための瞑想時間の十秒の暇を、今度はクラーラは与えはしない!
 血を流し、傷を増やし、そうして剣は増えていく。
 クラーラは剣撃そのものの嵐と化して、クヴァリフの肉体を今度こそ削り取っていくのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

アルマ・トーレス
アドリブOK

此処が最上階?如何なる歓迎があるかと思えば……期待値が高かった分、肩透かしを食らった気分だ。その上、今度はこの徒労感を抱えて降りなくてはならない。折り返し地点と考えれば妥当か。さて、片付けを始めよう。シンデレラ気分は充分に味わっただろう?

扉を通りがてら引き剥がし、敵方の攻撃を瞬間的に反らす為の盾に、薙ぎ払いの道具に。壊れても気にしない。粘液に覆われたフロアを認識汚染で己に対して無害な場所に変容させながら、歩法、走法、滑り具合の確認、会話等をしながら接近。徐々に歩行速度を上げ、最速一歩手前、Sanctuāriumから閃光手榴弾と破片手榴弾を取り出して放り投げ、一拍後に『Thief』。この勢いを殺さずに本体&仔を重量級の怪力で殴打と蹴撃の嵐に巻き込む。暴力的に歩みを進めて速度が落ちる前に『Nihil』。逃げの選択を潰して、削り取りに行く。

「此処が最上階? 如何なる歓迎があるかと思えば……」
 期待値が高かった分、肩透かしを食らった気分だ。その上、今度はこの徒労感を抱えて降りなくてはならない。折り返し地点と考えれば妥当かと、アルマはその失望に折り合いをつけた。
「さて、片付けを始めよう。シンデレラ気分は充分に味わっただろう?」
 触手が分泌する粘液に塗れた巣の中央の女神『クヴァリフ』は、恋に高揚する乙女のように、けれど猥らな笑みを浮かべた。クヴァリフの腹部に一直線の切れ目が入ったかと思えば、がぱりとその場所が開き、『仔』が這い出てくる。それはかつてクヴァリフが喰らった哀れな犠牲者、なにものかのナレノハテの、未知なる生命。自ら産み落とした『仔』と融合したクヴァリフはぐぅっと空間を引き寄せてアルマをも喰らい尽くさんとする。アルマは通りすがり様にスチール製の扉の蝶番を蹴って壊し。そこから引き剝がす。その鉄扉が今回のアルマの武器だ。即席の武器としては使い勝手がいい。何より、壊れたところで心は痛まない。粘液に覆われたフロアーを、人間災厄はその認識ごと汚染し、その場所をアルマ自身にとって無害な場所へと変容させる。クヴァリフが己を引き寄せる力に極力逆らわず、自分から歩き、そして走り出し、速度を上げて最速の一歩手前でクヴァリフの攻撃を鉄扉にて受け止めると同時に空間魔法陣「|Sanctuārium《サンクトゥアリウム》」から|閃光手榴弾《フラッシュバン》と|破片手榴弾《パイナップル》を取り出して放り投げる。その閃光と破片から自分は鉄扉の防御によって逃れ、逆にそれらを直に浴びたクヴァリフを影のグローブ「|Atra Sinister《アトラ・シニステル》」と「|Noctes Atrae《ノクテス・アートラエ》」を嵌めた両手で上下に殴打する。|閃光手榴弾《フラッシュバン》によって視界を潰されたクヴァリフはその殴打を躱すことも防ぐことも、そして次の一手を繰り出すことも叶わない。そこから流れるように切り目の入ったままの腹部に鉄扉を押し込むと、それごと蹴り飛ばすように蹴撃をブチ込んだ。そのまま暴力的な、余りに暴力的な殴打と蹴りの嵐に巻き込み、クヴァリフが行動を起こす前に【|Nihil《ニヒィル》】によって認識災害をもたらす虚無の魔人と融合したアルマは、古今東西のあらゆる殺人格闘技をベースに用いた八卦気功によってクヴァリフを自分の方へと引き寄せ、更に打ち付ける。皮肉にも両者が使った、或いは使おうとしていた√能力の根底にある神秘は似た者同士だ。しかしクヴァリフがそれを十分に発揮できていないのは明らかで、対してアルマは己のそれを十全に使い熟している。
 ふぅ、と拳法のそれによく似た呼吸で息を吐き出すと、女神に向かって暴力を行使しながらアルマは言った。
「これから私はここから帰らなければならないんだ。これ以上疲れさせないでくれよ」
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

シャルマ・トレベル
漸くご対面ね。
この世界の大物枠で良いのかしら。
1階のより2階の寄りなのは趣味が合わなそうですけれども、いいわ。
こちらの女神様にご挨拶させていただきましょう。

寄り、だからというわけでもありませんが【稲引く回り道】で攻めます。
後の方も少しは楽になるように、触手でも産み落とす場所でも、切り裂いてあげましょう。
…なんとなくどこからでも生み出しそうですけれど、敵の定石や慣れた動きを封じていくのもまた定石ですもの。
勿論、切断しようとこんなお腹を壊しそうなものは口にしませんわよ。

空間引き寄せからの攻撃には見切りやフェイント、空中移動・空中ダッシュを駆使して回避優先でいきますわ。

「漸くご対面ね。……この世界の大物枠、で良いのかしら」
 触手から分泌された粘液でそこら中に糸を引く部屋の中、シャルマは蜘蛛の巣をくぐり抜けるように僅かに残る綺麗な場所へと移動する。
「一階のより二階のよりなのは趣味が合わなそうですけれども、いいわ。こちらの女神様にご挨拶させていただきましょう」
 淫蕩に笑った女神「クヴァリフ」はシャルマへと触手を伸ばす。シャルマが【|稲引く回り道《グラウル・シール》】で生み出した雷素の刃でびちびちと鮮魚のように跳ねまわる青い触手を黙らせている間に、クヴァリフは己の腹部を指一本で撫でるようにつぅと撫で、そこから己の『仔』を取り出して、未知なる生命と完全融合する。クヴァリフの周囲の触手が更に動きを激しくし、シャルマを手元に引き寄せようと暴れ回る。
 その全てを見切り、何もない虚空に足場があるように俊敏に、そして優雅に飛び回ってシャルマは避けて回りながら、触手を出来る限り根元から雷素の刃で斬り裂いていく。そうして自らの力だけでクヴァリフへと肉薄したシャルマは、クヴァリフの腹部へと雷素の刃を叩きこむ。ギャア、と女神はけだものの叫びをあげた。
 自分の後にクヴァリフと戦う者が少しは楽になるように、との配慮だったが、この女神であればどこからでも「仔」を生み出しそうだとも思う。それでも、敵の定石や慣れた動きを封じていくのもまた定石だ。【|稲引く回り道《グラウル・シール》】で切断した触手は、喰らえば負傷を回復できるが、現時点でシャルマは無傷であり、そして何よりこんな腹を壊しそうなものを空気など寸毫ほどもない。
 クヴァリフの苦痛を反映してか、周囲の触手がさざなみをうつようにのたうち回る。それらを避けるのは今のシャルマには児戯に等しく、そしてこれらの青い触手は一本一本が太いが故に、それそのものの弾力も相まって――クヴァリフのすぐ近くまで辿り着いたシャルマの、その猫の小柄な体を打ち据えることが出来ない。つまり、間合のうちに入ったということだ。クヴァリフ自身もまたその己の肉体を使ってシャルマを捕えようとするが、空間引き寄せの√能力を躱してしまえば、ヒトの身を模したその肉体で猫であるシャルマを捕まえようなどと出来るはずがない!こと身軽さで言えば、猫がヒトに負ける道理などどこにもないのであるから!
 シャルマはそのまま、触手の届かない圧倒的有利な位置を確保したまま、女神クヴァリフへと雷素の刃を叩きこみ続けるのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

雪月・らぴか
おおお、なんか前の王劍戦争で大学取り込んだ時みたいになってるね!
今回は範囲狭くして一点集中って感じなのかな?いつまでも居座られるのも迷惑だし、ササッとどいてもらわないとね!
で、その王劍戦争の時にめっちゃ戦ってるからお互い手の内わかってるじゃんどうしよ!それでもやるしかないよね!

[霊雪元気らぴかれいき]を連射して牽制しつつ、[桃炎霊燭ピンクブレイズ]で強めの炎だして触手を焼きながら近づくよ!ある程度近づいたられいきの狙いを眼球に変えて、√能力の妨害を狙うよ!
こっちの間合いまで近づいたら【砲撃霊杖キャノンバッシュ】をぶち込むよ!この技は見せたことなかったからね!

「ふおおお!なんか前の王劍戦争で大学取り込んだ時みたいになってるねー!今回は範囲狭くして一点集中って感じなのかな?でもいつまでも居座られるのも迷惑だし、ササッとどいてもらわないとねー!」
 らぴかの思考は忙しい。なんなら半分口から出ている。他の猟兵との戦いで腹部に大きな傷を負ったらしい女神クヴァリフは、らぴかを喰らって新たに強力な「仔」を生み出そうと画策しているのか。召喚された無数の眼球と触手とがらぴかを囲んでいる。
「あ、その王劍戦争の時にめっちゃ戦ってるからお互い手の内わかってるじゃんどうしよ!それでもやるしかないよね!」
 そう、らぴかは昨年の王劍戦争でそこそこの数のクヴァリフと戦った。√能力者は簒奪者であろうとも「死からの蘇生」であって、それぞれ別個体ではない。だから、クヴァリフもまたらぴかのやり方を覚えている。だが、らぴかもまた戦った分だけクヴァリフの戦い方を覚えているのだ。
 まずは「霊雪元気らぴかれいき」の連射によって、びちびちと跳ねる青い触手と無数の眼球を低温凍結させる。常温状態では破壊しにくいものも凍らせれば壊せるのは、以前の戦いでも理解しているところだ。そして「桃炎霊燭ピンクブレイズ」から強火力の炎を噴射して焼き切る。ちょっとおしょうゆをつけたらおいしそうな匂いが周囲に広がるが、さすがにこの場で食欲をそそられたりはしない。青いし。あんまり衛生状態よくないし。
 眼球を凍らせ破壊したことによって、そこから繋がるクヴァリフの√能力を妨害する。ピンクブレイズの出力を火炎放射レベルに上げ、指向性を持たせて触手を一気に焼き焦がしながら床を蹴る。クヴァリフの表情が余裕のそれから、判断を迷っているものに変わるのがわかった。十分に近づいたところで、らぴかは√能力を発動させる!
「さあ、この技は見せたことなかったよね!!」
 【|砲撃霊杖《ほうげきれいじょう》キャノンバッシュ】。攻撃が外れるまで、変形した杖についた砲門から放たれる霊冷の砲撃と、霊杖砲撃形態での殴り攻撃を交互に撃ち出す技だ。ラピカ的には砲撃が短いと感じているが、これは恐らくショットガンと同じ効果である。即ち、近付いて撃てば撃つほど効果が上がる!
 殴り、撃ち、また|打《ぶ》ち、再びぶん殴っては砲撃。触手は焼かれ、今のクヴァリフには「仔」を産む力もない。いくどクヴァリフをぶん殴ったか、最初かららぴかは数えることもしていなかったが――。
 気づけば、クヴァリフは死んでいた。人間の女に殴り殺された女神は、その権能を失ったことで触手と粘液ごと消滅していく。

 果たしてこの戦いが、次なる大きな戦争――博多で行われるという「王劍戦争」にどう関わってくるのかはわからないが――
 犠牲者を出し続けていたゲームセンターの怪異はすべて取り除かれた。戦いで破壊された器物は、修復の効果を持つ√能力によって元の姿に戻っている。
 EDENたちは今度こそ誰もいなくなった、静まり返ったゲームセンターを後にするのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

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