シナリオ

⑦割れた卵の行き先は?

#√ウォーゾーン #ゾディアック継承戦争 #ゾディアック継承戦争⑦

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⚔️王劍戦争:ゾディアック継承戦争

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

 塀に座った?落っこちた?
 いいえ。卵はあなたで、あなたは卵。卵は落とさず上手に割って、美味しく素敵にお料理しましょう。
 そうして──元には戻らない。

「こんにちは、卵さん! あなたはどんな卵料理になりたいですか?」
 卵型の家庭用ロボットは、道行く『卵』たちへ軽快に言葉を告げている。まるでそれが当たり前であるかのような問いかけには、違和感を感じて、つい足を止めてしまうこともあるだろう。だが何かが間違っていようとも──それを正すことなど、できはしない。
 だって彼らの狂った真っ赤なモノアイに、『卵』は『卵』であるとしか、映らないのだから。

 ●

「こんにちは!ねえねえ、皆は卵料理は好き?
 でもそんなの、どっちでもいーよね!好きでも嫌いでも、卵料理にされたい人はいないもんね?」
 √能力者へ問いかけた言葉をすぐさま翻し混ぜっ返して、悪戯っ子のような笑顔を浮かべるのはバロニール・アポカリッツァだ。

「さあさあ、ゾディアック継承戦争がはじまってるよ。
 戦争をはじめたのはゾーク12神『星神ドロッサス・タウラス』って人だとか…それも、今はいっか!
 今回皆が戦わなきゃいけないのは、新たに王権執行者に選ばれた、全自動卵調理機『ハンプティ』の群れだからね」
 か細い体を揺らしながら、バロニールはどこか楽しげに言葉を広げる。

「皆に向かってもらう場所は、櫛田神社だよ。『サマータイム・モルガーナ』によって、ハンプティの群れはもう櫛田神社に導かれてて、もー大変!
 ハンプティはあらゆる生命体を『卵』だと思い込んでる暴走した殺戮マシンだから、片っ端から『卵』をお料理しようとしてくるんだって。
 今の時期は博多祇園山笠のお祭りで賑わっているから、『卵』のストックがいーっぱいに見えてるのかもね?」
 暴走した家庭用ロボットが、道行く卵と鉢合わせる事になれば──碌でもない殺戮は、朝食が食卓に並ぶように行われるだろう。バロニールはぬいぐるみを抱きしめ、わざとらしく身震いしてから、口元を隠して笑顔を浮かべる。

「暴走してるキッチン用品なんていらないし、卵を使わない卵料理なんてのもいらないよ。
 ハンプティたちが卵をたくさんお料理する前に、ぜーんぶ壊して捨てちゃってほしいな。
 でも気を付けてね。武器は調理器具でも攻撃手段はいっぱいあるみたいだし、王権執行者に選ばれているんだから」
 ホットプレート、電熱鍋、給水タンク、簡易冷蔵庫など、卵の見た目に隠されている調理器具と手段は多彩なものであり、それらがそのまま攻撃手段となってくる。だがあくまでもそれらは調理器具。壊す手段は多岐にわたるだろう。どう殲滅するのかは自由だ。

「それじゃー、伝えたいことはそんなところかな。
 ゆで卵は茹でる前には戻れないだろうし、気をつけて頑張ってね〜!」
 バロニールは最後に笑顔を浮かべ応援を口にすると、戦場へ向かう姿をぬいぐるみの手を振り見送った。

マスターより

後ノ塵
 後ノ塵です。はじめまして、あるいはこんにちは。
 ルートエデンでははじめてのシナリオ執筆となります。よろしくお願いします。
 オープニング公開時からプレイングを受け付け、順次執筆させていただきます。

 難易度は普通、一章構成の戦争シナリオです。
 全自動卵調理機『ハンプティ』の群れとの集団戦となります。このシナリオでサマータイム・モルガーナは出ません。

 プレイングボーナス:ハンプティによる殺戮を阻止する。
 制圧効果:⑫の戦力を半減する。

 皆様のプレイングお待ちしております。奮ってご参加のほど、どうぞよろしくお願いします。
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よろしいですか?

第1章 集団戦 『全自動卵調理機『ハンプティ』』


POW オーバーハード
命中する限り「【灼熱のホットプレート、鋭利な鋼製ターナー】による攻撃→技能攻撃→[灼熱のホットプレート、鋭利な鋼製ターナー]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
SPD ポーチドエッグ
【レードルの殴打】による牽制、【複数体の組み付き】による捕縛、【熱湯の一斉放水】による強撃の連続攻撃を与える。
WIZ スイスメレンゲ
【過負荷状態となり、高温の水蒸気噴流】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【超速回転ハンドミキサー】」が使用可能になる。
イラスト ひろん
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

羽柴・カレナ
【とかねずみ】
夜巡(h13090)さんと共闘!

人は卵じゃないし、料理をするものじゃないんだよ!
私も負けずに頑張るよ!夜巡さん!

【どろん煙幕】をハンプティ達に投げて目くらまし!
その間に大声で「ここは危ないから向こうへ逃げて!」とハンプティ達のいない方向を指さし、皆に逃げてもらうよ
ハンプティと皆の間に入ることを意識しながら【ドキドキなアーム】でハンプティ達を攻撃
卵みたいなボディをかち割っちゃうよ
護霊のふくすけは【しっぽ☆アタック】で逃げてる人をおそおうとしているハンプティを攻撃してね
調理器具もたたき落とすようにね!

お料理するのは私達だよ、料理されるのはキミ達の方かな
悪い卵は叩き割っちゃうんだから!
黄・夜巡
【とかねずみ】
カレナ(h13109)と共闘

卵は卵であって、人間はタマゴじゃねーっ!
オレが全自動卵調理機調理機になってやる!行くぞカレナ!ふくすけ!

戦場に人がいるなら避難させる
カレナのどろん煙幕が展開されたら「グッドぉ!」
煙に飲まれるハンプティの群れへ牽制射撃を行いつつ「みんな、オレらの後ろへ逃げろ!」と人々に声を掛ける

距離を取って戦い熱湯の放水を誘う
放水してきそうだな?と動作で察したら、すかさずそこへ【霊弾『雷公夜行』】をぶっ放す!
水には雷をお見舞いしてやる!
機械のボディをビリッビリに感電させてやるぜ
マシンのお前らとオレは相性がいいのかもな
今のオレは、まさしく全自動卵調理機調理機ってワケだ…!

 卵型の家庭用ロボットは快活な挨拶を口にして問いかける。『それ』が卵か否かに関わらず──いいえ!
 コロコロ並ぶ『それ』は、とっても素敵で美味しそうで、好きな卵でしかないのです。

「卵であるあなた達には様々な選択肢が存在します!」
 語る『ハンプティ』たちは殻を割るように手足を開き、揃って調理器具であったはずの凶器を掲げた。そのまま、それは呆気にとられる人々へ振り下ろされる──その刹那、群れの中へ直撃したのはどろん煙幕だ。
 広がる煙はハンプティの群れを一瞬で飲み込み、卵を吟味するモノアイを瞬く間に影らせる。

「グッドぉ!」
 そして次の瞬間、煙幕の外側から力強い言葉が響いたかと思えば、調理に浮足立つハンプティたちの足を止めるのは、黄・夜巡が霊銃『雷精九鼠』から放つ牽制射撃の雷鳴のような炸裂音だ。

「ここは危ないから向こうへ逃げて!」
 間髪入れずに羽柴・カレナが夜巡へ続く。周囲へ警告の声を張り上げ敵の居ない方向を指差すと、躊躇なく煙幕の中へと飛び込み、人々とハンプティの間に割り込み拳を振った。気合を込めた『ドキドキなアーム』の一撃から爬虫類の幻影が飛び出し、外殻にヒビを入れるとハンプティの群れを吹き飛ばし後退させる。

「みんな、こっちだ!オレらの後ろへ逃げろ!」
 重ねられる警告に人々は我先にと駆け出した。──それはハンプティにとっては、転がり逃げ出す卵の姿だろう。揺れ動く煙を察知して、ハンプティはモノアイを更に真っ赤に染め上げると、アームが掲げるのは灼熱のホットプレートと鋭利な鋼製ターナーだ。

「とても新鮮な卵ですね。卵かけご飯や、半熟の卵料理がおすすめです」
「人は卵じゃないし、料理をするものじゃないんだよ!いっけぇー!ふくすけ!」
 曇りのない言葉は逃げる人々の背中へ追いすがるも、カレナの護霊『ふくすけ』の青く輝く尻尾がすぐさま調理器具を叩き落としてゆく。牽制射撃に足を取られ、調理器具を叩かれ攻撃が次々に不発で終わってゆけば、周囲の『卵』はカレナと夜巡の二つのみとなった。人々が逃げおおせた今からが、二人が攻勢をかける時だ。

「ガ…ガガ…邪魔をしないでください。わたし達には、好きな卵を好きなだけ調理する権限があります」
「はっ!お前らがその気なら、オレは全自動卵調理機調理機になってやる!行くぞカレナ!ふくすけ!」
「うん、任せて!私も負けずに頑張るよ!夜巡さん!」
 変わらず胡乱な言葉を吐き出すハンプティたちから、二人はあえて距離を取るように動く。レードルの殴打が寄ればカレナの拳が幻影を放ち殻を割り怯ませて、複数体が組み付こうとしようものなら夜巡の射撃が捕縛を牽制する。
 手段を制限し誘えば、ハンプティたちはその場に足を止め、殻の隙間から湯気を吹くと二人へノズルを向けた。

「ガガ…ピーッ!わたし達は権限を、権利を行使します。新鮮な二つの卵を調理します!」
「卵は卵であって、人間は、俺たちはタマゴじゃねーっ!」
 熱湯の一斉放水のその直前、夜巡はそのノズルへ向かって雷属性の弾丸を射出する。王権執行者といえどその身は機械──9体の『雷素トビネズミ』を霊弾に変えたその銃弾は一体のノズルへ命中すると、轟く雷鳴となって周囲半径55mを巻き込み爆発し、ハンプティたちを見事に感電させる。
 そして更に、殻を割られていた個体は次々にその場で熱湯を飛び散らせ、感電はさらに連鎖する。

「お料理するのは私達だよ、料理されるのはキミ達の方かな。…悪い卵は叩き割っちゃうんだから!」
 感電し身動きの取れない『卵』となったハンプティたちを、カレナの拳とふくすけの尾が叩き割れば、パーツと殻をあちこちに飛び散らせて、見るも無残なハンプティたちの姿はまるでスクランブルエッグ。
 ──まさしく全自動卵調理機『調理機』となった二人は、次々にハンプティを殲滅していった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

凍雲・灰那
割れて砕けたハンプティダンプティ!
誰も元には戻せない!
零れて潰れたハンプティダンプティ!
後の末路はスクラップ!

――――くだらねェ。さっさと片づけるぞ。
民間人を襲おうとしている個体を優先して攻撃。
爆破の衝撃でハンプティを吹き飛ばし、距離を取らせつつ注意を集めるぜ。
ドッカンドッカン、自分から爆発する危ない卵だ。優先順位は高くなるのが道理だろ?
さっさと料理しちまわねェとなァ!!

生憎様、|熱いのも痛いのも慣れてるんでね!《火炎耐性10 覚悟5 根性5》
ハンプティの攻撃を|片っ端から相殺、更にぶち壊すぜ!!!《弾道計算5 喧嘩殺法4  継戦能力15》

 目の前に在るのは卵である。問いかけに惑うも、調理器具に怯え逃げるも、『それ』らはすべて卵なのだ。

「ふんわりとしたオムレツ、半熟の目玉焼き、だしの豊かな卵焼き、卵かけご飯。あなたはどれがお好きですか?」
 だから『ハンプティ』たちは『卵』に選択の機会を提示する。卵料理は種類が豊富。好きな卵で好きなだけ、素敵な卵料理を作りましょう!
 転がる卵を追いかけて、調理に凶器を振り上げて──上空から|降ってきた卵《・・・・・・》の爆発に吹き飛ばされると、ハンプティたちはそのまま殻を割って砕けた。

 割れて砕けたハンプティダンプティ!
 誰も元には戻せない!
 零れて潰れたハンプティダンプティ!
 後の末路はスクラップ!

 四肢を赤熱色に輝かせた卵は、スクラップたちに向かって口元を歪ませ歌い哄笑する──かと思えば、その表情はすぐさま北極のように冷めきった。

「くだらねェ。さっさと片づけるぞ」
 凍雲・灰那は吐き捨てる。民間人を狙う狂った卵になんの躊躇も興味もない。卵は所詮、狂った殺戮機械でしかないのだから。
 襲炎形態の足が地を駆ければ、灰那の体は炎の爆発に加速する。それは卵を付け狙うハンプティたちを素早く追いかけ吹き飛ばす事にも、まだ戦場に気付かぬ卵たちへ危険を知らせる警告にもなるもの。
 そして灰那は、自ら爆発する興味深い卵でもあった。

「バター多めでフチはカリカリ、オーバーハードがお好みですか?」
「ああ、いいぜ。さっさと料理しちまわねェとなァ!!」
 灰那の元へ集まるハンプティの群れが見せるのは、朝食のメニューのような問いかけと、灼熱のホットプレートと鋭利な鋼製ターナーだ。調理に振り上げられた凶器に向かって灰那は拳を振り抜き、着弾地点の爆発によって攻撃を相殺する。
 爆風にたたらを踏む卵へ更に踏み込み殻を更に割り砕き、巻き起こる爆発と爆風を加速の薪に、止まらぬ襲炎はハンプティの群れを駆け巡る。

「ガ、ガガ…たっぷりの油で揚げる、スコッチエッグはいかがですか?」
「生憎様、熱いのも痛いのも慣れてるんでね!」
 いくら煮えた油を用意しようとも、灰那は既に燃えて焼けている。熱も痛みも灰那を止めることは無く──災厄の炎はハンプティたちを爆発に飲み込んでいった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

ヨシマサ・リヴィングストン
へ〜、童話イメージなんて洒落た機械ですね〜。どこの機械かな〜?
さて、機械の扱いは得意中の得意ですのでお任せ下さいな〜。まず『電霆』で相手の動きを鈍らせてショートさせるところからですね〜。
ショートさせた後は動きの鈍いうちに少しずつ素早い動きで解体していきましょうか。【マルチツールガン】【メカニック】【武器改造】の腕を発揮してアームの部分をどんどん切除していきましょう〜。だってせっかくの調理器具、破壊するのは勿体無いですからね。
…本体?本体はきっとお強い√能力者の方がカタをつけてくれるはず…と言ってもいられない感じですかね〜?しょうがないな〜。トドメは手持ちのレギオンで迎撃させましょう〜。
ヴェル・メル・ミルクレープ
お前を卵料理にしてやんよ!って、
設計者の趣味がヤバいですね~
いくら食に貧しても人肉だけはご勘弁!

人命第一!って事でラピで戦場スキャン
人が多い範囲が入るように無限綾取り発動
皆さんが逃げる時間を稼ぎます
以降は拘束漏れ&人を狙う個体を標的にしますよ!

常にアクセルシューズでダッシュ移動
攻撃されそうな人はルミナスヴェールのバリア展開で守る
高齢の方はスカイラビット(スクーター型)に乗って貰いましょう!

ラピから高温情報を受けたら全力で回避
むっ、背後からも殺気?!(第六感)
雲綾使って縦方向にも回避します
反撃はレイン砲台で範囲攻撃
破壊の炎を纏った鉄拳でコアっぽい所を破壊!

うーん、卵料理、食べたくなってきました…

 卵を求めハンプティたちは闊歩する。好きな卵で好きなだけ、卵料理が作れたら──王様の馬と家来の全てをかけても、もう元には戻らない。

「美味しい卵料理を作りましょう!」
 軽快な機械音声が『卵』へ調理器具を振り下ろす、その寸前。つんざく悲鳴の中を、幾つもの銀糸が張り廻った。

「させませんよ!いくら食に貧しても人肉だけはご勘弁!」
 銀糸は一瞬でハンプティたちを絡め取り拘束すると、ヴェル・メル・ミルクレープは鋭い言葉と共に、勢いをつけて銀糸を操作する。ハンプティの群れはまるで投網にかかった魚のように跳ねまわり、そこに訪れるのは漏電したジャンクパーツだ。

「こっちこっち〜。ちょーっと、ビリビリするかもっすよ~」
「ガガガッ!」
 ヨシマサ・リヴィングストンの放ったジャンクパーツに耐性を下げられ火花を散らしショートすると、ハンプティたちは殻の隙間から煙をあげその動きを著しく鈍らせる。だがひと息つくにはまだ早い。ヴェルのウサ耳型レーダーが偵察ドローンのラピから受け取るのは、逸れた個体と逃げ損ねた人々の位置情報だ。

「人命第一!逃げ遅れた皆さんが逃げる時間を稼ぎますので、少しお任せします!」
「は〜い。機械の扱いは得意中の得意ですのでお任せ下さいな〜」
 アクセルシューズで加速するヴェルの背中を、ヨシマサは間延びした返事で見送るが、のんびりとした様子とは裏腹に手際よくマルチツールガンのアタッチメントを切り替える。

「いや〜、童話イメージなんて洒落た機械ですね〜。どこの機械かな〜?」
「ガ…ガガ…目玉焼きは、サ、ニー…サイド、アップ…それも、オー、バー、ハード?」
 灼熱のホットプレートと鋭利な鋼製ターナーがどれほど迫れど──アームから外してしまえば、それらは品の良い調理器具だ。噛み合わない会話を並べて、ヨシマサは素早くアームを解体する。

「ふふ〜。せっかくの調理器具、破壊するのは勿体無いですからね〜」
 音を立てて外れたターナーを拾い上げて、凄腕のメカニックは笑みを浮かべる。動きが鈍っていう内に、着実に少しずつ。調子の外れた調理機に攻撃の機会すら与える事なく、ヨシマサは瞬く間に幾つものアームを解体し武器を切除していった──。


「バリア展開!」
 ハンプティはただ卵を求めるもの。迫る凶器に間一髪で間に合えば、ルミナスヴェールは光彩色に火花を散らした。

「今のうちです!高齢の方はスカイラビットにお乗りください!」
「おぉ…お洒落なスクーターだねぇ…」
 そうして蜘蛛の子を散らすように逃げて行く人々を見送る間にも、バリアの耐久値は徐々に限界へ近付く。

「マカロンはお好きですか?スイスメレンゲを作りましょう!」
 更に鳴り響くアラートが伝えるのは高温の警告。足を収納し殻を真っ赤に染め上げて、過負荷状態になったハンプティは水蒸気噴流を纏い、超速回転するハンドミキサーがバリアを貫通する。

「むっ、背後からも殺気?!」
 挟撃狙いの攻撃だが、どんなに恐ろしい攻撃も感知できていれば、全力の回避が間に合うもの。ヴェルは第六感で察知すると雲綾を足場に蹴り上がりピンチを切り抜ける。三倍の速度にも翻弄されることなく縦横無尽に回避すると、残りのハンプティを誘導しながらヨシマサの元へ合流する。

「お待たせしました。民間人の避難完了です!」
「良かった〜。本体、どうしようかと思ってたっすよ〜」
「お任せください!レイン砲台、照射します!」
 戦場に残るは凶器を失った卵の群れと幾つかの真っ赤な卵。空中へ高く蹴り上がったヴェルの手元のコントローラーはハンプティへレインを降り注ぐ。粒子状レーザー光の雨は卵の殻を砕き割り、電流を散らし煙を上げるハンプティたちは、黄身のように橙のコアを露出した。
 半壊状態のハンプティの群れを前に、ヨシマサは頬をかく。最後のトドメもヴェル任せるのは…この数では流石に気が引けるだろう。破壊の炎を纏ったヴェルの鉄拳が次々にコアを破壊する隣で、ヨシマサもまた小型ドローン兵器レギオンでコアを破壊してゆく。

「うーん、卵料理、食べたくなってきました…」
 戦場に散らばる残骸の目玉焼きを連想させるコントラストに、ヴェルはなんとなく食欲を唆られながら、二人の√能力者はハンプティの群れを殲滅していった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

神隠祇・境華
【月境】
料理の支援機械……では、なさそうですね
はい、シンシアさん
私も卵ではありませんし、卵料理になる予定もありません
認識を改めました

私は後方から援護します
亀裂や損傷を与えた箇所へ雷を通せば、動作不良も起こしやすいでしょう
羅紗銃から嵐の弾丸を撃ち込み、ハンプティの群れをまとめて雷鳴で攻撃します

狙うのは、シンシアさんがレイピアで傷を付けた個体や危険な調理器具を展開しようとする個体

着弾地点から広がる雷鳴で複数のハンプティをまとめて破壊
同時に、疾走する風でシンシアさんの動きを後押しします
彼女が踏み込む道を開き、囲まれないよう弾幕で援護射撃
ここは食卓ではありません
貴方たちの調理場にも、させません
シンシア・ウォーカー
【月境】
わ、私は卵じゃないです料理されるのも嫌です人違いです……と理屈が通じる相手ではなさそうですね!?
なんですかあのやばそうな調理器具の数々!境華さん、気をつけてくださいね!

時に家電製品というものは亀裂が入ったりすると漏電や発火の恐れがあり大変危険と聞きます。
ならレイピア片手に突っ込んで、相手の武器の深いところにまでとかく傷を付けてショートさせていきたいところです!
√能力で腕力を強化し、レイピアの一撃で小さな範囲でもいいので深く貫きます!
境華さんからの疾走する風の効果をありがたく受けつつ、彼女の身与える雷鳴と合わせてハンプティの調理器具をとかく破壊していきましょう……!

 卵はコロコロ、あっちへこっちへ逃げ惑う。物陰に隠れて息を潜めて、手当たり次第に物を投げて、調理を拒む姿はまるで|卵ではない《・・・・・》かのよう。──いいえ、『卵』は『卵』です。

「こんにちは、卵さん!美味しい卵料理になりましょう!」
 卵たちが逃げてもハンプティたちは止まらない。だって道行く卵が逃げるなら、追いかけて『調理』をする権利があるのだから!
 ハンプティが調理器具を振り上げたその瞬間、飛び込んできたのは一つの卵。卵の片手はハンプティの凶器へ迷いなく向かい──レイピアの鋭い一閃が金属音を響かせた。

「わ、私は卵じゃないです料理されるのも嫌です人違いです……と理屈が通じる相手ではなさそうですね!?」
「料理の支援機械……では、なさそうですね」
 ハンプティの攻撃を弾いたシンシア・ウォーカーはレイピアを構えながら驚愕へ染め、後ろから駆け寄る神隠祇・境華もまた眉を寄せて苦虫を噛み潰した。
 卵型の家庭用ロボットの常軌を逸した言動は、どうみても対話の見込めない暴走機械だろう。

「調理の邪魔をしないでください、卵さんたち!わたし達には好きなだけ調理する権限があります!」
 真っ赤に染まったモノアイは、まるでブーイングのように数々の調理器具を掲げる。日常生活で見慣れている筈のそれらは、それでいて酷く見慣れない凶悪さ。シンシアは思わず空いていた片手で口元を覆い喉を引き攣らせた。

「なんですかあのやばそうな調理器具の数々!境華さん、気をつけてくださいね!」
「はい、シンシアさん。私も卵ではありませんし、卵料理になる予定もありません」
 それら凶器による調理工程は、想像するまでもないだろう。碌でもない『卵料理』など、ひとつたりとも作らせるわけにはいかない。

「わたし達は権利を行使します。どんな卵料理になりたいですか!」
 噛み合わない言葉を並べ、ハンプティたちは殻を割るようにアームを開くとレードルを取り出し迫り寄る。だがそんな暴走機械の群れに、シンシアは臆することなく再び飛び込み、境華は小型の拳銃の銃口を殻のひとつへ向ける。

「物語を我が手に、雲海を統べし嵐神よ、その雷霆の一撃を、いま我が手に宿したまえ」
 羅紗銃『綴り』が撃ち出すのは嵐の弾丸。暴風の渦巻く弾が殻へ命中すれば、それは瞬く間に雷雲を呼び寄せ、周囲を巻き込み吹き荒ぶ。
 暴風の中で、シンシアの体は疾走する風を受け止め加速する。群れの中へと踏み込む足は重みを忘れ、レードルの殴打を軽やかに回避し舞い上がる。ハンプティたちは組み付く為に手足を広げ捕縛を狙うも、すぐさま境華の援護射撃による弾幕がその足並みを崩し、シンシアの踏み込む道を開きゆく。

「腕力もまた淑女の嗜み!深く、貫きます!」
 可憐なスカートの裾を踊るように翻し、シンシアが群れへと繰り出すのは強化した腕力による深く鋭いレイピアの刺突。アームに、胴体に、モノアイに…骨すら貫くその刺突の一撃は小さくとも、与える傷はひとつで充分。まるで料理の下拵えのように次々に手早く貫いてゆけば、ハンプティたちは命中箇所にエラーを吐いて、その動きを留まらせる。

「ガ、ガ…ピーッ!ポーチドエッグを作りましょう!」
 しかしハンプティたちの攻撃はまだ終わってはいない。エラー音が響く中でも動ける個体は脚部を開き、殻の隙間から熱い湯気を噴き出した。熱湯の一斉放水が二人を狙うその直前──境華の指先が振り下ろされる。時に──家電製品というものは、亀裂ひとつで漏電や発火の恐れがあるものだ。
 刹那、視界を染めるのは雷光と轟く雷鳴。大きな音に境華は少しだけ肩を揺らして眉をしかめた。

「ここは食卓ではありません。貴方たちの調理場にも、させません」
 二人の視界が開けた時、そこに並ぶのは殻の隙間からあちこちに火花を散らし、ショートして動けなくなったハンプティたちの無残な姿。

「ガ、ガガ…あ、なたは…どんな卵料理が、お好きですか?」
 ひとつの卵が崩れかけた殻を揺らす。真っ赤なモノアイを点滅させて脚部をグラつかせて、不安定に立ち上がる。それはすぐさま、レイピアの一撃で崩れ落ちた。
 √能力者によってハンプティの殲滅は果たされ、無事にこの地は守られた。暴走した家庭用ロボットの食卓に、卵料理が並ぶ事はないだろう。
 ──割れた卵は、そうして元には戻らなかった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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