シナリオ

⑨こんにちは、またきてどうぞ

#√汎神解剖機関 #ゾディアック継承戦争 #ゾディアック継承戦争⑨

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 #ゾディアック継承戦争
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⚔️王劍戦争:ゾディアック継承戦争

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

●九州産業大学にて
 『こんにちはこんにちはこんにちはこんにちはこんにちはこんにちはこんにちはこんにちは』

 延々と繰り返される挨拶。
 それはまるで、洗脳のように思考を侵す。

 巨大な顔から垂れ流されるその言葉は、やがて呪詛へと変わり。
 無辜の人々を、死に至らしめるだろう。

●星詠み
「みんなはもう見たかしら?」

 |矢神・霊菜《やかみ・れいな》(氷華・h00124)が、集まったEDENの顔を見渡し言う。

 第二戦線が始まると同時に、九州産業大学のキャンパス内に現れた存在。
 人類が行う、最も基本的なコミュニケーションの『挨拶』という概念を齎したとされる怪異『こんにちは』。

 通常の姿から大きく膨張した存在は、ひたすらに挨拶を繰り返している。

「どうやらこの挨拶を聞き続けると遅かれ早かれ何らかの『不可解かつ致命的な災厄』によって無惨に死んでしまうらしいの」

 随分と迷惑よねぇ、と霊菜は続ける。

「この怪異をみんなには何とかして退けて欲しいのよ」

 しかも何故か、戦場には先程まで敵対していた聖ポメラニアンが来ているという。
 とはいえ、彼女と交戦するわけではなく。

「どうやら彼女も『こんにちは』を何とかしようとしているみたいでね。なんなら協力をしてくれるみたい」

 人手は多いに越したことはない。
 協力してくれるというなら、素直にその力を借りてもいいだろう。

「大学の人たちもこんなのがずっと居たら困るだろうし、対応をお願いするわ」

 そう言って、霊菜は手を振るのだった。

マスターより

月代
 こんばんは、月代です。
 こんな愉快な存在やらないはずがありませんね。
 とはいえ、内容は真面目な戦闘ですのでご安心を。

 プレイングボーナス:聖ポメラニアンと共闘する/「致命的な災厄」が発生する前に『こんにちは』を退散させる。

 やることは至ってシンプルです。
 聖ポメラニアンの力を借りつつ戦ってください。

●その他
 プレイング受付開始は別途ご案内となります。
 お知らせはタグとMSページの一言雑談で行いますのでお待ちください。

 お連れ様はグループ名の明記をお忘れなく。
 連撃数は合わせてください。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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よろしいですか?

第1章 ボス戦 『『こんにちは』膨張体』


POW こんにちは
60秒間【こんにちは】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【こんにちは】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
SPD こんにちは
「【こんにちは】」と叫び、視界内の全対象を麻痺させ続ける。毎秒体力を消耗し、目を閉じると効果終了。再使用まで「前回の麻痺時間×2倍」の休息が必要。
WIZ こんにちは
【こんにちは】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
イラスト 塩さば
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

太曜・なのか
アドリブ連携可

・心情
「太陽…なんだか親近感感じちゃうな。ってか挨拶の概念!?じゃあこの世のあらゆる概念にあんな化け物が潜んでるかもしれないってこと!?」
まあ、今は杞憂しても仕方ない
概念存在だろうとやれるだけの事はやってやる!

・行動
太陽に対抗するなら雨
風雨を司るレイニーフレームに変身
《Whethelier, it's going to be Rainy》

白南風を纏って自身の耐性や防御力を高めつつ接近
「さっきぶりだねポメちゃん!手を貸すよ!こんな時は手はいくつあってもいいもんね」

私が『こんにちは』に向けてする行動はシンプル
「さようなら!またいつか!」
挨拶の概念体なら私の挨拶に応じてくれるかもしれない
そしてその挨拶に伴った行動、つまりは一時撤退をとってくれるかも
それでなくても動きが鈍れば良し
隙が出来たならポメちゃんや他の仲間に声を掛けて同時攻撃を仕掛けるよ
「本日の福岡のお天気は雨。強い俄雨が太陽を覆い隠すでしょう!」
風雨属性の弾丸で遠距離から弾幕を貼りつつ、追い風でポメちゃんと仲間をサポート

 巨大な顔が空を埋め尽くす。
 九州産業大学を覆うように、その巨体は鎮座していた。

『こんにちはこんにちはこんにちは』

 ただ繰り返されるだけの挨拶。
 それだけのはずなのに、耳に届くたび、頭の奥へ染み込むような不快感が胸をざわつかせる。

「太陽……なんだか親近感感じちゃうな」

 その異様な姿を見上げながら、|太曜・なのか《たいよう なのか》(七曜天騎ウェザリエ・h02984)は小さく苦笑した。
 彼女が引き連れてきた晴れやかな南風が、太陽を思わせる鮮やかなオレンジの髪を揺らす。

「ってか挨拶の概念!? じゃあこの世のあらゆる概念に、あんな化け物が潜んでるかもしれないってこと!?」

 一瞬、背筋を冷たいものが走る。
 もしそうなら、世界はまだ知られていないだけでどれほどの怪異が潜んでいるのか。

 だが――。

「……まあ、今は杞憂しても仕方ないか」

 なのかは両手を軽く叩き、意識を切り替える。

「概念存在だろうと、やれるだけのことはやってやる!」

 掲げたデバイスが、青白い輝きを放った。

「《Whethelier, it's going to be Rainy》!」

 雨を象ったバッジが輝き、なのかを包み込む。
 風と雨が渦を巻き、霧散した時に現れたのは。
 青いスーツとテンガロンハットに身を包んだヒーローの姿。

 風雨を司る七曜天騎――レイニーフレーム。

 白南風が優しく身体を撫でていく。雨粒が光を反射し、装甲を煌めかせる。
 吹き抜ける風はなのかを祝福するように柔らかく、それでいて彼女を守る堅牢な盾とでもいうかのように力を貸す。

 なのかは地を蹴り、一気に前線へ踊り出る。
 その先には見覚えのある姿があった。

「さっきぶりだね、ポメちゃん!」

 聖ポメラニアンへ軽く手を振る。

「手を貸すよ! こんな時は手はいくつあってもいいもんね!」

 敵同士だったはずの相手。
 けれど今は『こんにちは』という共通の脅威を前にした、一時的な共闘関係だ。
 手を取り合うことに迷う理由はない。

 なのかは巨大な顔を真正面から見据える。
 あれは『挨拶』という概念。
 ならば――。

「さようなら! またいつか!」

 精いっぱいの笑顔で告げる。
 始まりを意味する言葉なら、終わりを告げる言葉にも意味があるはずだ。

 別れの挨拶。
 また会う日までの一時撤退。
 概念そのものなら、その意味を理解してくれないだろうか。

 一瞬。

 巨大な顔がぴたりと動きを止めた。

『こんにちは……?』

 繰り返されていた声が僅かに乱れ、途切れる。
 まるで、なにかに疑問を持つかのように。

「今だよ!」

 なのかの声が戦場へ響いた。

 その一瞬の迷いを見逃す者はいない。
 聖ポメラニアンが駆ける。

 手に持ったリボルバーの銃身が怪しく光る。
 放たれたのは水銀の弾丸。

 弾丸は逸れることなく『こんにちは』の右目を穿った。

「こんにちはあああああああああ!!」

 絶叫。
 しかし、痛みからかその目は閉じている。
 
 水銀弾が刻んだ傷口から、聖痕が浮かび上がる。
 通常以上のダメージを与えられた右目はもはや使えないだろう。

 同時に、なのかの足元に祝福刻印が現れた。
 文字通り祝福を与えるその印は、彼女へ更なる力を与える。

 なのかが得物――フォースキャスターを構えた。

「本日の福岡のお天気は雨!」

 刀身が組換わる。
 曲線を描く刃から、無骨な銃身へと。
 後部に接続されたボトルの中の液体が、昇る気泡でコポリと音を立てた。

「強い俄雨が、太陽を覆い隠すでしょう!」

 放たれた風雨属性の弾丸が、水流を纏い空を切り裂く。

「ところにより局地的突風、ダウンバーストにご注意ください!」

 雲が渦を巻き。
 吹き抜ける風が湿気を運ぶ。

 風速30m/s以上の強風と打ち付ける雨の弾幕が巨大な顔へ降り注ぐ。
 仮面のようなその顔に、いくつもの小さな亀裂が走った。

 追い風が味方の背中を押し、その身を軽くする。

「行っけー!」

 聖ポメラニアンが加速する。
 彼女の一撃もまた、風に乗って鋭さを増していた。

 飛び上がり、いくつもの触手を足場に駆ける。
 迫る触手を手にした斧が切り裂き、進む。

 局所的豪雨は止まらない。
 時に触手を打ち抜き、聖ポメラニアンの活路を開く。

『こんにちは、こんにちは……』

 声はなお止まらない。
 それでも先ほどまでの一方的な響きとは違う。

 雨音にかき消され。
 攻撃に遮られ。

 二人の猛攻によって、その呪詛は僅かにだが確実に勢いを失っている。

「『挨拶』が人を呪っちゃだめだよね」

 ましてや、概念を教えた怪異が死への呪いに転じさせるなんて。
 人を呪い、死へ誘うだけの『太陽』など、天気予報には載せられない。

 『|太陽《こんにちは》』はまだ沈まない。
 挨拶は繰り返されるのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

深見・音夢
何かこう、ひたすら得体が知れない相手っすねー……実害がある以上どうにかしないとっすけど。
さて、聖ポメ、ポメ……ポメラニアン殿でしたっけ? 事情はこの際後回し、アレの撃退が最優先で!
共闘の意思を示すのと火力の底上げのために、ポメラニアン殿を巻き込む範囲で自分の脚元に向けて【雷霆万鈞】を撃ち込むっす。
即興の共闘は行動で示すに限るっすよ。

で、ここからは速攻っす。厄災とやらが起きる前に叩くためにも同時に麻痺を喰らうのは避けたいところ。
最低限どちらか片方が視界の外になるよう、敵を挟んで反対側を維持するように位置取りしつつどんどん撃っていくっす。
これだけデカい相手なら狙いが大雑把でも当たるっすよ!

 空を覆う巨大な顔が、不気味な笑みを浮かべている。

『こんにちはこんにちは、こんにちは』

 延々と繰り返される挨拶は、耳ではなく脳へ直接流し込まれるようだった。

「何かこう、ひたすら得体が知れない相手っすねー……」

 |深見・音夢《ふかみ・ねむ》(星灯りに手が届かなくても・h00525)は眉をひそめる。

 姿形が異様だからではない。
 『挨拶』という概念そのものが怪異となり、人を死へ追いやる――その在り方が理解の埒外だった。

「……実害がある以上、どうにかしないとっすけど」

 視線を横へ向ける。
 そこには先ほどまで敵として剣を交えていた聖ポメラニアンの姿があった。

「さて、聖ポメ、ポメ……ポメラニアン殿でしたっけ?」

 名前を確認しながらも、その口元には苦笑が浮かぶ。
 あまり自己肯定感の高くない彼女は、横にいる人物の名前があっているのかも自信が無かった。

「はい」

 聖ポメラニアンが返事をしたことで合っていたのだと胸を撫で下ろす。
 だが、安堵もつかの間。すぐに戦場へ意識を戻す。

「事情はこの際後回し! アレの撃退が最優先で!」

 返事を待つことなく、音夢は銃を構えた。

「行くっす!」

 狙いは『こんにちは』ではない。
 自らの足元。

 鋭い一発の銃声。
 同時に雷が炸裂する。

 閃光が迸り、稲妻が周囲へ散った。

 ――エレメンタルバレット『雷霆万鈞』。

 隣にいた聖ポメラニアンをも巻き込むその雷は、害を与えるものではない。
 雷光を浴びた聖ポメラニアンの身体へ力が満ち、動きが研ぎ澄まされていく。

「即興の共闘は、行動で示すに限るっすよ」

 驚いた表情を浮かべる聖ポメラニアンへ、音夢はニカリと笑う。

 互いに言葉を尽くす時間などない。
 ならば背中を預けられるだけの働きを見せれば十分だ。

『こんにちは、こんにちは』

 巨大な顔が二人を捉え、呪詛を吐き出す。
 聞き続ければ致命的な災厄が訪れる。

「速攻で行くっす!」

 音夢と聖ポメラニアンが駆け出す。
 互いに反対側へ回り込み、巨大な怪異を挟むように位置を取る。
 どちらか一方が視界から外れれば、同時に麻痺へ巻き込まれる危険も減らせる。

 右目の潰されている『こんにちは』は、分散した対象に視線を彷徨わせた。

 「これだけデカい相手なら――!」

 銃口を持ち上げる。

「狙いが大雑把でも当たるっすよ!」

 乾いた銃声。
 続けざまに放たれる弾丸が巨大な顔へ吸い込まれていく。
 避けるという概念すら不要な巨体。

 命中した弾丸は顔の表面を削り、ひび割れを刻み、怪異の動きを確かに鈍らせていく。

 その隙を逃さず、聖ポメラニアンが鋭く踏み込む。
 雷光の祝福を帯びた一撃が、『こんにちは』へ深々と突き刺さった。

 即席の連携。

 だが、それは十分に脅威となって、概念の怪異を追い詰めていくのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

クラウス・イーザリー
(延々と同じことを言われたら頭がおかしくなりそうだ……)
こんな奴に挨拶を授けられたとは思いたくない気もする

「残ってくれてありがとう」
ポメラニアンさんには感謝を伝える
ここは彼女の√じゃないのに残ってくれたんだ、どんな意図であろうとありがたいよ
協力しながら戦おう

蒼月投射を使用
体内の魔力で錬成した5本の大剣を全力で投射して相手の破壊を試みる
あの大きさなら、多少命中が落ちてもきっと当たるだろう

相手の攻撃は見切りや魔力防御で凌ぎ、チャージは終わる前に全力で離れて近接範囲から逃れる
挨拶だけであんな力を放てるの、普通にヤバい存在だね……
できるだけ早く倒すなり力を削ぐなりして退散させて致命的な災厄を防ぎたい
エキドナ・デ・イリオス
アドリブアレンジOKです
√EDENを守る事以外は、整合性なくてOKな狂人

●心情
ポメ氏の不自然な蘇生は許されません
しかし、彼女は楽園のために戦っています
故に今回は信仰や教義は横に置きましょう
災厄は防がねばなりませんから

●戦闘
災厄を防ぐことを最優先とし協力体制

なるべく早く倒すため、困難を除いていきましょう
まずは「自分と味方が震動の対象外となる」という誰も傷つかない願いを神聖竜詠唱で叶えます
そのあとは必要に応じて味方を上空まで怪力で飛ばしたりして移動の補助も
自分の攻撃は、自律兵器を飛ばして顔を切るか接近できた時に怪力任せの鉄拳を叩き込む

 九州産業大学に出現した巨大な顔は、ただひとつの言葉だけを繰り返していた。

『こんにちは、こんにちは、こんにちは』

 耳に届くたび、思考の奥を掻き回されるような不快感が走る。
 クラウス・イーザリー(太陽を想う月・h05015)は小さく眉をひそめた。

(延々と同じことを言われたら頭がおかしくなりそうだ……)

 人類へ挨拶という概念を齎した怪異。
 そう語られてはいたが、死という呪を振り撒く目の前の異形を見れば素直に納得などできない。

(こんな奴に挨拶を授けられたとは思いたくない気もする)

 肩を竦め、息を吐く。
 考えても答えは出ない。
 ならば、今やるべきことはひとつだった。

 一方、その隣ではエキドナ・デ・イリオス(狂信の|神聖祈祷師《ホワイトクレリック》・h02615)が静かに聖ポメラニアンを見つめていた。

「ポメ氏の不自然な蘇生は許されません」
「また貴女ですか」

 幾度と顔を合わせたエキドナに、聖ポメラニアンは嘆息する。

 生死の超越は世界の理を乱す。神聖竜の使途たる彼女にとって、主の許可なく蘇生を繰り返す聖ポメラニアンの在り方は信念に反するものだった。

 しかし。

「貴女は今、楽園のために戦っています。故に今回は信仰や教義は横に置きましょう」

 静かな声音には、一切の迷いがない。

「災厄は防がねばなりませんから」

 優先すべきは√EDENを守ること。
 それだけだった。

「俺は残ってくれてありがとうって思うよ」

 クラウスもまた、聖ポメラニアンへ視線を向ける。

「ここは君の√じゃない。それでも残ってくれたんだ。どんな意図であろうとありがたいよ」

 敵味方という垣根は、この場には無い。
 互いに災厄を退けるという目的だけが一致していた。

「協力しながら戦おう」

 エキドナが静かに神聖竜への祈りを捧げる。

「神聖竜さま、私の願いをお聞きください。願わくば、我らを震えより遠ざけ給え」

 彼女の願いに応え、戦場に白竜が顕現した。
 エキドナを中心とした周囲に淡い光が降り注ぐ。

「これで足は止まりません」

 彼女の願いによって『こんにちは』から放たれる震動は届かず。
 仲間の障害になるものは取り除かれた。

 クラウスと聖ポメラニアンが一斉に駆け出していく。

『こんにちは、こんにちはこんにちは』

 『こんにちは』の行動は止まらない。
 繰り返される言葉が徐々に力強くなる。

「止めないと」

 クラウスが魔力を解放する。
 練り上げられた魔力により、彼の周囲に五本の大剣が錬成された。

 人の腕では振るうのが困難なほどの大きな剣。

「――|蒼月投射《ツラヌケ》」

 全力で放たれた五振りの剣が流星のように空を駆ける。
 これほど巨大な相手ならば、多少狙いがぶれても問題はない。

 五本の大剣は頬を裂き、額を穿ち、怪異の表面へ深い傷跡を刻み込んでいく。

『こんにちはあああああッ!』

 怒号にも似た挨拶が響き渡る。

 怪異の周囲へ莫大な力が収束していく様子を見て、クラウスは即座に危険を察知した。

「来る!」

 クラウスは魔力障壁を展開しながら全力で後退する。
 攻撃を見切ろうとするが、このままでは『こんにちは』の攻撃から逃れるのは困難か。

 その時。

「掴まってください!」

 響いたのはエキドナの声。
 クラウスと聖ポメラニアンが反応する前に、グンッと身体が引かれた。

 そのまま二人の身体が上空へと投げ出される。

 下を見れば腕を振り上げたエキドナの姿。
 彼女が怪力でもって二人を『こんにちは』の射程圏から逃がした。

 二人を上空へと投げた後、エキドナはディヴァインブレイドに掴まりその場から退避した。

 直後にエキドナたちのいた場所に高威力の『こんにちは』が放たれた。
 衝撃波が地面を抉る。
 『こんにちは』をチャージする間に受けたダメージは回復していた。

「挨拶だけであんな力を放てるなんて……普通にヤバい存在だね」

 魔力障壁により余波を回避したクラウスが苦笑する。
 だが、その視線は逸らさない。

 災厄を防ぐには、一瞬たりとも攻撃の手を緩めるわけにはいかなかった。

「押し込みます」

 エキドナの声と共に自律兵器が再び舞い上がる。
 その斬撃が怪異の注意を引いた隙を逃さず、聖ポメラニアンが手に持った香炉からの香りを無機物へと注ぐ。

 ――|聖香浄天《トゥリブルム・プルガティオ》。

 |審判天使《アンゲルス・ユディキイ》と化したそれが、神聖光線を放つ。
 連続で放たれた光線が弾幕となって『こんにちは』の顔を襲う。

 クラウスの大剣が再び宙を舞い、仲間の攻撃と重なる。

 人を繋ぐはずの挨拶を、死を招く呪詛へ変えた怪異。

 その災厄を退けるため、二人は互いの役割を果たしながら、巨大な『こんにちは』を着実に追い詰めていくのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

空地・海人
※アドリブ、連携歓迎

あのポメラニアンが一時的でも味方になってくれるってんなら心強いぜ!

変身ベルトを腰に巻き、「現像」の掛け声と共に、灰白の装甲を纏う【フィルム・アクセプターポライズ √ウォーゾーンフォーム】へ[変身]。少しでも早く撃退するために、「現在最も必要な能力ひとつ」として速度を強化だ。

『不可解かつ致命的な災厄』が出る前に、さっさと方を付けないとな!
まずはネガマズルからの[牽制射撃]だ。ポメラニアンの持つ拳銃と一緒に『こんにちは』へ銃弾の嵐を浴びせるぜ。

っと、どうもダメージが入ってないみたいだな。『こんにちは』の√能力の効果か。だったら……!
左手に金色のルートフィルムを握りながら接近し、右掌で『こんにちは』へ触れて、【ルートブレイカー】を発動。√能力を使えなくして、こっちの攻撃を通るようにしてやるぜ!

さあ、今のうちに畳みかけてやろうぜ、ポメラニアン!
ポメラニアンに誤射しないよう注意しつつ、ネガミサイルランチャーから[誘導弾]を一斉発射!
『こんにちは』へ着実にダメージを重ねていくぜ。

 九州産業大学の空を覆う巨大な顔は、ボロボロになりながらも、なお笑みを崩さなかった。
 その口はいまだ挨拶を繰り返している。

「こんにちは……こんにちは……」

 耳に届くたび、思考を侵す呪詛。
 その呪詛は『こんにちは』が弱っていてもなお衰える気配がない。

「あのポメラニアンが、一時的でも味方になってくれるってんなら心強いぜ!」

 |空地・海人《そらち・かいと》(フィルム・アクセプターポライズ・h00953)は口元を吊り上げる。

 隣には、聖ポメラニアン。
 先ほどまで敵として戦っていた相手ではあるが、今は『こんにちは』という共通の脅威へ立ち向かう仲間だ。

「行くぜ!」

 腰へ変身ベルトを巻く。

「――現像!」

 掛け声と同時に灰白の光が弾けた。

 幾枚ものフィルムが身体へ巻き付き、灰白の装甲を形成していく。
 身体をカメラの機構を思わせる灰白の装甲が覆い、頭部には巨大なレンズ状の意匠が現れる。

 現れたのは【フィルム・アクセプターポライズ √ウォーゾーンフォーム】。

 本人も知らない、暴走の危険を孕んだアクセプト。
 しかし海人はその危険な√ウォーゾーンフォームを制御し、使いこなす。

 変身直後、彼は能力をひとつだけ選び取り、己へ上書きする。

(今、一番必要なのは――)

「速度だ!」

 全身へ力が駆け巡る。
 景色がゆっくり流れるほどの加速。
 これなら『不可解かつ致命的な災厄』が発動する前に勝負を決められる。

「さっさと片を付けるぞ!」

 ネガマズルを構え、引き金を引く。

 乾いた銃声。 
 灰色の弾丸が雨のように降り注ぐ。

 それに呼応するように、聖ポメラニアンもリボルバーを抜き放った。

 二挺の銃撃が交差し、『こんにちは』へ絶え間なく叩き込まれていく。

 だが。

「……?」

 海人は目を細めた。

 確かに命中している。
 それなのに、怪異の様子はほとんど変わらない。

『こんにちは、こんにちは、こんにちは』

 まるで意にも介さず、挨拶だけを繰り返している。

「どうもダメージが入ってないみたいだな」

 弾丸が通らない。
 否。

「これが『こんにちは』の√能力の効果か!」

 『こんにちは』の声が一段と大きく響く。
 その√能力の効果により、弾幕による攻撃が通っていなかった。

「だったら……!」

 海人は一気に地を蹴った。
 速度強化された身体は風となり、一瞬で巨顔へ肉薄する。

 左手には、黄金色に輝くルートフィルム。
 伸ばした右手が怪異へ届く。

「その力、剥がさせてもらうぜ!」

 掌が巨大な顔へ触れた。

「――ルートブレイカー!」

 黄金の光が怪異全体を駆け巡る。
 攻撃を防いでいた力が剥がされていく。

『……こ、んにちは?』

 初めて。
 怪異の声が揺らいだ。

 その瞬間だった。

「今だ!」

 聖ポメラニアンが踏み込む。

 神聖なる銃弾が右目を撃ち抜く。
 続いて銀斧が裂き、十字を模した棍棒が亀裂を打ち据え、罅をさらに深めた。

 今まで弾かれていた攻撃が、今度は確かな傷となって刻まれていく。

 ひび割れが広がる。
 巨大な顔が苦悶に歪んだ。

『こん、にちはあああ!?』

 戸惑い、悲鳴。

「さあ、今のうちに畳みかけようぜ、ポメラニアン!」

 海人は後方へ跳び退きながら武装を切り替える。
 肩部の装甲からネガミサイルランチャーが展開した。

 照準は『こんにちは』のみ。
 味方を巻き込むことはない。

「全部持っていけ!」

 無数の誘導弾が一斉に空へ飛び立つ。
 幾筋もの白煙を引きながら旋回し、逃げ場を塞ぐように巨大な顔へ殺到した。

 続く爆発。
 また爆発。
 さらに爆発。

 衝撃が空を震わせ、灰色の煙が怪異を覆い隠す。

『こんにちは……こんにちは……』

 その声は、先ほどまでの力強さを失っていた。

 剥がされた力。
 仲間たちの猛攻。
 そして聖ポメラニアンとの連携。

 すべてが積み重なり、怪異はもはや戦場へ留まる力を維持できない。

 巨大な顔へ無数の亀裂が走る。
 その裂け目から、黒い靄が噴き出した。

『……こんにちは』

 最後の挨拶は、どこか寂しげだった。
 巨体はゆっくりと輪郭を失い、霧散していく。

 呪詛は止み。
 大学を覆っていた圧迫感も消えていく。

 『こんにちは』は、この場での存在を維持できず撤退したのだ。

 静寂が戻った空を見上げ、海人は大きく息を吐く。

「これで一件落着……ってわけには、まだいかないか」

 世界には、まだ数多の怪異が残っている。
 だが少なくとも、人々を死へ導く挨拶は退けた。
 それだけで十分な戦果だった。

 海人は変身を解き、隣に立つ聖ポメラニアンへ軽く拳を突き出す。

「助かったぜ。また組むことがあったら、その時もよろしくな」

 共闘は一時だけ。
 それでも確かに、その勝利は二人の手で掴み取ったものだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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