シナリオ

⑯見果てぬ先の浪漫

#√ウォーゾーン #ゾディアック継承戦争 #ゾディアック継承戦争⑯

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√ウォーゾーン
 #ゾディアック継承戦争
 #ゾディアック継承戦争⑯

※あなたはタグを編集できません。

⚔️王劍戦争:ゾディアック継承戦争

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

●√EDEN:みずほPayPayドーム
「じゃあ聞くけどさあ!!」
 福岡の空に響く怒声。
 それはEDENの猛攻によって陥落寸前まで追い込まれた、グロンバインの嘆き。
「このドーム球場よりもオレにぴったりなボディユニットなんてあるのかなあ!?」
 知らんがな。
 そう言いたいだろう。
 しかし、グロンバインくんの身にもなってほしい。
 せっかく良さげな身体を手に入れたのに、それはお前のものじゃないだの、人質を返せだのなんだのと、文句を浴びせられながら滅多打ちにされて、敗北は必至。
「このボディユニットとお別れするの……やだなあ……」
 心なしか、ヘッドユニットのアイセンサーも悲しげに傾いでいる。
 いや、もう巨躯そのものが倒れるのではないかと思うほど、傾いている――。

●星詠みの語るところによれば
「まあグロンバインの気持ちなんて知ったこっちゃねえんだけどな」
 |獺越《おそごえ》・|雨瀬《あませ》(行雲流水・h05081)は語り、頭しかないブリキのロボットの前に様々なおもちゃを並べては、その上に頭をくっつけた。
「それはともかくとして、合体ってのは浪漫ではある。ボロボロになっても未だにPayPayドームを手放そうとしないグロンバインに、ボディユニットとしておすすめのものを勧めてやってみてほしい。そうすると善いと、星が報せてるんでな」
 ――本当か?
 訝しんでもおかしくはない。だが、|星の報せ《ゾディアック・サイン》は軽視できない。
「いつまでもPayPayドームにこだわられて、人質ごと爆散とかされても困るだろ? もっと魅力的なものがあると知れば、ドームも返してくれるだうし、それに……」
 ――それに?
「真実を教える必要なんてないんだ。もちろん本当にあるものを教えてやってもいいが、如何にも実在しそうな巨大構造物なんかをでっちあげたって、大戦の最中にあるグロンバインには分かりっこねえ。ついでに必殺技でも考えてやれば、喜んで妄想に浸ってくれる……と、星が報せてる」
 ――何もかも星の報せで済ませようとしてない?
「報されちまったんだからしょうがねえだろ。ま、グロンバインが敵であることは何ら変わりのない事実だし、話に付き合ってやる気なんかねえってんなら、頭まで駆け上ってぶっ叩いてやればいい。もう碌な反撃も出来ないほど弱ってるはずだからな」
 雨瀬はブリキの頭を転がして、説明を終えた。

マスターより

天枷由良
 あまかせです。よろしくお願いします。

 当シナリオは『王劍戦争:ゾディアック継承戦争』の戦争シナリオです。
 1章で完結します。また、プレイングボーナスが存在します。

●1章:👿『合体ロボット『グロンバインPD』』
 ……プレイングボーナス:みずほPayPayドームを駆け上がる/グロンバインに振り落とされない/囚われた人々を傷つけない。
 追加プレイングボーナス:ボディユニットによさそうな巨大構造物のプレゼンをする。

 プレイングはいつでも受け付けております。
 ご参加お待ちしております。
64

閉じる

マスターより・プレイング・フラグメントの詳細・成功度を閉じて「読み物モード」にします。
よろしいですか?

第1章 ボス戦 『合体ロボット『グロンバインPD』』


POW DX合体変形グロンバイン!
【paypayドーム分断変形】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【地揺らし】に対する抵抗力を10分の1にする。
SPD 光って唸る!DXグロンバインキャノン
自身の【合体ボディ】に刻まれた【カプセルに囚われた人間達】と融合し、【レーザー砲塔大量出現モード】に変身する。レベル秒の間、自身の現在地周辺に24時間以内に存在した全対象の√能力が使用可能になる。
WIZ 飛び出す!DXミニミニグロンバイン
半径レベルm内にレベル体の【ミニミニグロンバイン】を放ち、【頭部アイセンサー】による索敵か、【腹部ヘッドかみつき】による弱い攻撃を行う。
イラスト 落葉
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エアリィ・ウィンディア
…えーと?
ドームを無傷で取り返すためにってことだよね。

同じくらいの広さの建物かぁ…。
ね、グロンバインさん。
ドームのどの辺が気に入ったの?まん丸な感じとか?
ということは、横幅が必要なのかなぁ~。

あ、それならね。
この世界じゃないけど、あたしの世界にあるものがあるよ。
えっとね、ダンジョンっていうんだけど、いろいろな性質を持っているから、多種多様なボディユニットになると思うのっ♪

ダンジョンだけど、このドームより大きなものとか、背の高い塔みたいなダンジョンとかっ!
そういうものもあるからね。

えーと、「預言者の塔」とかいいかも?背が高くなるし。
簡易予知で先制とかしやすくなるかもしれないよ?

とか言ってみる。

 みずほPayPayドームがあるはずの場所で、巨大ロボが体育座りをしていた。
(「……えーと?」)
 エアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)が小首を傾げたのは、その姿が悲しげだからというだけではない。
 星詠みからの報せをまだ充分に飲み込めていなかったのである。
 無理もない。√EDENを侵略し、みずほPayPayドームを一方的に“合体”させた簒奪者相手に、何故新たなボディユニット候補の紹介などしなければならないのか。
 ともすれば、新たな犠牲を生む契機になりかねないような気さえするのだが――。
(「ドームを無傷で取り返すために、ってことだよね」)
 エアリィは素直で物わかりの良い娘であった。
 そして同時に、√ドラゴンファンタジーの冒険者としても優秀な力を発揮できるだけの度胸を秘めた娘でもある。身動ぎひとつで圧し潰されてしまいそうな巨大ロボにも物怖じせずに近づいて、そっと様子を窺うように尋ねた。
「ね、グロンバインさん」
「……ん? なんだ? 呼んだか?」
「ドームのどの辺が気に入ったの? まん丸な感じとか?」
「……そうだなあ……フィット感、とか」
「フィット感?」
「うん。こう、すぽっと受け止めてくれるというか、無理なく嵌ってるというか……」
「うーん……」
 エアリィは改めて合体シーンを想像してみる。
 数万人規模を収容する巨大な円蓋。その中心に降り立つヘッドユニット。
(「……卵を網でキャッチするみたいな……ということは、横幅が必要なのかなぁ~」)
「こんなに馴染むボディなんてそうそう見つかるはずないのに……」
 くすん、と涙するような音が聞こえてきた。
 よほど気に入っているらしい。
 だが、このままPayPayドームを持って帰られても困る。

「……あ、それならね」
 ぽん、と軽く手を叩いたエアリィを、グロンバインはじっと見やる。
 ハの字になっていたアイセンサーも平行線。
 そんな相手にエアリィが提案するのは――。
「この世界じゃないけど、あたしの世界にあるものがあるよ。えっとね、ダンジョンっていうんだけど」
「だんじょん?」
「うん。いろいろな性質を持っているから、多種多様なボディユニットになると思うのっ♪」

 ダンジョン。
 それは√ドラゴンファンタジーにおいて、世界各地にばら撒かれた天上界の遺産が作り出す、疑似異世界。
 遺産の数だけダンジョンはあり、その特性もまた様々。
 常識では考えられないようなものや、未だ誰の踏破も許していないものさえあるだろう。
「このドームより大きなものとか、背の高い塔みたいなダンジョンとかっ! そういうものもあるからね」
「……そんなのがあるのか?」
「うん。えーっと……たとえば……そうだなぁ……“預言者の塔”とかいいかも? 背が高くなるし。簡易予知で先制とかしやすくなるかもしれないよ?」
「……背が高くなる……」
「うん、そうだよ。ほら、やっぱりバランスって大事だと思うし」
 エアリィは自らの言葉を肯定するように何度も頷く。

「そっかあ……もっと背が伸ばせるなら……悪くないかもなあ」
 思春期の少年じみた呟きを溢しながら、グロンバインは空を仰いだ。
「じゃあ、このボディは置いてって……ダンジョン、いってみようかなあ」
「絶対その方がいいよ」
「見つかるかなあ、ちょうどいいの」
「見つかるよ、ちょうどいいの」
 もちろん根拠などない。
 だが、エアリィはグロンバインに寄り添うかの如く答えた。
 そうして一言一言でダンジョンへの興味を促すたび、グロンバインとPayPayドームの“合体”は、解消に向かって緩やかに進んでいくのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

チェルシー・ハートサイス
★心情
全てを取り込み、強大な存在へと昇華する。その貪欲さは嫌いではないわ。
同じように強きを喰らってきたわたくしの力。その体躯で耐えて御覧なさい。
★行動
【空中ダッシュ】で接近、【空中浮遊】を使い空から核となる頭部ユニットを狙うわ。
変形することで震動への耐性を減ずる能力も、空中にあっては響かないでしょう。
空より放つは、同じく震動の力。【天地震冥】の【衝撃波】を浴びせ、震動の裡へ。
もとより震動は巨大なもの、接合するものに効果的であるけれど、自ら脆弱性を晒した状態でどこまで耐えられるかしら?
震動に晒したら接合部を探し、見つけたら降下しながら【怪力】を込めたハートサイスの【重量攻撃】で斬りつけるわ。

 軋む巨躯。
 半ば傾いだグロンバインPDの装甲が割れて、ボディユニットたる“みずほPayPayドーム”が分断変形を始める。
「まだだ! オレとドームの合体は――!」
 足元を伝う振動への抵抗を奪う切り札、“DX合体変形グロンバイン!”。
 だが――それを放った時、既に金色の髪は空高く翻っていた。
 地に足など、これっぽっちもつけてはいない。
 接していなければ揺らしようもない。

「全てを取り込み、より強大な存在へと昇華する――その貪欲さは嫌いではないわ」
 チェルシー・ハートサイス(強者たれ・h08836)が赤い瞳を細める。
 同じように強きを求め、強きを喰らってきた者なればこそ。
「その体躯で耐えて御覧なさい」
 振り抜かれる|一族の家宝《ハートサイス》。
 繰り出すは“|天地震冥《クエイクオブハーデス》”。
 衝撃波が空から叩きつけられた刹那、グロンバインPDの巨体を凄絶な震動が駆け巡った。
「お、オレの分断変形が――あああああ!?」
 変形は諸刃の剣。
 己を脆くしたのは、己の技。
 巨大な構造物を継ぎ合わせた身体には、激震から逃れる術などない。
 鋼材が唸り、装甲の継ぎ目が軋み、接合部という接合部が悲鳴を上げる。

 そして、チェルシーは見逃さない。
 震動によって僅かに開いた、頭部ユニット直下の継ぎ目。

 急降下。
 小さな身体に似つかわしくない膂力を大鎌に乗せ、落下の勢いさえ重量へと変えて。
 一閃。
 ハートサイスの刃が接合部へ深々と食い込み、歪んだ鋼をバッサリと裂く。
「オ、オレの……最高のボディユニットがぁ……!」
 火花が散り、巨体が大きく傾いだ。
 宝石が埋め込まれた豪華な大鎌による一撃は、グロンバインPDが強引に結んだみずほPayPayドームとの縁を、完全に断ち斬る間際まで追い詰めてみせた。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

空地・海人
※アドリブ、連携歓迎

そんなふうにしょんぼりされると、問答無用でぶっ倒す気も薄れてくぜ……。
多くの人々を取り込むとか、やってることはえげつないのに、妙に愛嬌あるんだよな、コイツ。
しょうがない。ちょっと発破をかけてやって、PayPayドームからお引き取り願うか。

随分とPayPayドームを気に入ってるようだけど、他のドームとの合体も試してみたのか?
日本には同じ規模のドーム球場が、ここ以外に5つもあるんだぜ。
まさか、そこまで考えないで選んでたりしないよな?

そもそも、ボディがドームである必要もない。お前ほどの巨大ロボなら、宇宙の果てまで、理想のボディを探しに行くべきだ!
夢はでっかく持った方がいいからな!

 傾いたグロンバインPDを見上げて、|空地《そらち》・|海人《かいと》(フィルム・アクセプターポライズ・h00953)は何とも言えない顔で頭を掻いた。
 √ウォーゾーンからの侵略者がやったことは、大量の人質を伴うドーム球場の強奪。
 |完全機械《インテグラル・アニムス》への到達という、極めて利己的な目的の為に起こされた卑劣な行いには、情状酌量の余地など全くない――ないのだが、しかし敵とはいえ、あまりに露骨なしょんぼり具合を見せられると、拳を振り上げる気も失せる。
「なあグロンバイン。お前、随分とPayPayドームを気に入ってるようだけど、他のドームとの合体も試してみたのか?」
「……え?」
 アイセンサーが瞬く。
 その反応は、間違いなく無知を表している。
「日本には同じくらい大きなドーム球場が、ここ以外にも五つもあるんだぜ」
「五つも!?」
 食いついた。
 猛烈に食いついた。
「そ、そんな……こんなに最高なボディユニットと同じものが、あと五つも……」
「まさか、そんなことも知らないで合体してたのか?」
 巨大な機体が緩やかに頷く。
 そこに、海人はさらにもう一押し。
「そもそもボディがドームである必要だってないだろ。お前ほどの巨大ロボなら、宇宙の果てまで理想のボディを探しに行くくらい、夢はでっかく持った方がいいぜ!」
「宇宙の果てまで……理想のボディ……!」
 その言葉は、今まで浴びた如何なる攻撃よりも深々と、グロンバインの中枢へ突き刺さった――のだと思われる。
 暫しの沈黙。
 そして。
「そうか……そうだよ!! オレ、こんなところで満足してる場合じゃない!!」
 悲しげに傾いでいたアイセンサーが、俄然として輝きを取り戻す。
「待ってろ宇宙! 待ってろ未知なるボディユニット! 完全機械への道は、こんなところで終わらないんだ!!」

 かくしてグロンバインPDは、惜しみながらもPayPayドームへの執着を手放した。
「ありがとう! オレ、もっとでっかいロボになってくるよ!」
「お、おお……」
 でっかくならなくていいし、できれば市民を巻き込むような形で現れないでほしい。
 苦笑いを浮かべて手を振る海人の前で、グロンバインPDはポーズをとって叫ぶ。
「次回、合体ロボットグロンバイン『新たなるボディユニット』!」

 ――君のハートに、グロンバイン!

 …………。
 ……。

「……あ、あれ、うまく外れない……」
「何やってんだ……」
「結構がっちり合体してるから……あれ、あれれ……」

 グロンバインPDがPayPayドームを手放すには、あと少しだけかかりそうであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

不忍・ちるは
世の中こだわりの強いかたはたくさんいて
グロンバインさんがおすきなフォルムきっとあると思います

まずご希望ヒアリングします
大きいのがいいです?まるいの?三角形は如何ですか?
長いとか高いとか?開閉など可動部が多いほうがよいですか?
あと光るとか…そもそも√EDEN産の素体がお好みで?
私からすると確かに幣√産に自信はありますが
やはり√WZ産本体のほうが接着面が合う気もしますし

タブレットに情報を入れてすすす
もちろん住所は言いませんし敵にデータを売るわけではありません
あくまで気を惹くため…こころの中でごめんなさいして
仲良し博士の聖樹要塞画像をグロンバインさんにチラ見せします

こちら如何ですか?
まずいちばんてっぺんにおかおがつけやすいです
星はこのまま後頭部に付ければ後光になります
そしてなにより見た目がアガります

ええとですね、多分あっちのほう?(適当)にあります
『お帰りください』を込めて嬉々としたグロンバインを見送ります
技術の熱意が伝わってにグロンバインさんの興味を惹いたこと
今度博士に嬉しい報告したいですね

 今にも泣き出しそうな様子でPayPayドームとの別離を嘆くグロンバインPD。
 その様子を暫し見上げていた|不忍《shinobazu》・|ちるは《chiruha》(ちるあうと・h01839)は、ふむ、と小さく首を傾げた。
「グロンバインさんは、どんなかたちがお好きなんでしょう」
「……え?」
 予想していなかった問いだったらしい。
 アイセンサーが僅かに揺れ、ちるははさらに問う。
「大きいのがいいです? まるいの? 三角形は如何ですか? 長いとか高いとか。開閉したり、動くところがたくさんあるほうがお好きですか?」
「え、ええと……」
 まさかのヒアリング開始。
 ちるはは取り出したタブレットに、すすす、と指を滑らせていく。
「光るのがお好きとか……そもそも√EDEN産の素体がお好みなのでしょうか。私としては幣√にも満足していただける自信がありますが、やはり√ウォーゾーン産のほうが、グロンバインさんとは接着面が合う気もしますし」
「接着面……!」
 そんなことまでは考えていなかった。
 目から鱗のグロンバイン。足元の娘が工学部マテリアル科学科の学生だなんてことは知る由もないが、しかし普段の勉学の賜物か、すらすらと真面目な顔であれこれ口にするものだから、ちるはの言葉には妙な説得力がある。
 もっとも、ちるはとて√EDENの巨大構造物情報を敵に売り渡すつもりはない。
(「ごめんなさい」)
 彼方に向けて、心の中だけで謝って。
 画面を切り替え、ちらり。
「こちら、如何ですか?」
「――なにこれ!?」
 映し出されたのは、ちるはが冬の√ウォーゾーンで出会った対戦闘機械群用決戦兵器。ニコラウス博士なる人物が建造していた、その名も聖樹要塞。
 即ち、巨大なクリスマスツリーである。
「まず、いちばんてっぺんにおかおがつけやすいです」
「つけやすい!! 確かに!!」
「星はこのまま後頭部に付ければ、後光になります」
「後光!!! すごい光るんだな!!!」
 いちいち反応がよい。おもちゃを前にした子供のようだ。
「そしてなにより――見た目がアガります」
「アガる!!!!」
 それは以前、聖樹要塞を前にして博士へ贈った言葉でもあった。
 強さは正義。しかしKawaiiも正義。ならば外観による士気高揚もまた立派な性能のひとつ――そんな博士の技術思想、その熱意は、どうやらひとつの|派閥《レリギオス》を統治する戦闘機械にも、見事に刺さったらしい。
「そいつは……そいつは、ビーム出すのか!?」
「出しますね。凄いのを」
「うおーーー!! なんだそれ!! |完全機械《インテグラル・アニムス》に近づける気がする!!」
「そうですか」
 ちるはもそこまでは知らない。
「これ! これどこにあるの!?」
「ええとですね」
 ちるはは空を仰ぎ、考える。
 そして、おおよそ何の根拠もなく、適当に彼方を指差した。
「多分、あっちのほう?」
「あっちだな!! 分かった!!」
 分かられてしまった。
 途端、グロンバインPDは未練が嘘であったかのようにPayPayドームとの合体を解除していく。
 拘束されていた人々も次々と無事に解放され、ほどなくグロンバインはヘッドユニットのみの姿となった。
「待ってろよ新しいボディユニット! 次回、合体ロボットグロンバイン『聖なる樹との超合体』!」

 ――君のハートに、グロンバイン!!

 意気揚々。
 嬉々として新天地を目指すヘッドユニットを、ちるはは静かに見送った。
 世の中には彼の博士のように、様々なこだわりを持つ者が多くいる。
 そうした者が作り上げたもののなかに、きっと、グロンバインのセンスにピンとくるものがあるだろうし、たとえなかったところでちるはの知るところではない。
「お気をつけて」
 言葉に込めるは、どうかそのままお帰りください、の意。
 正確な所在地など教えていないのだし、グロンバインが博士のもとに辿り着くことなど万に一つもあるまい。
 ……万が一辿り着いたら?
 うーん、修繕済みの聖樹要塞対合体ロボ、怪獣大決戦的なイベント勃発……?

 ともかく、巨大ロボによる√EDEN侵略危機は去った。
 ひとりの博士の熱意が、世界を越えてひとつの機械を退けたのだ。
 今度会った時に事の顛末を伝えれば、きっと喜んでくれるだろう。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

挿絵申請がありました! 承認/却下を選んでください。

挿絵イラスト

閉じる

マスターより・プレイング・フラグメントの詳細・成功度を閉じて「読み物モード」にします。
よろしいですか?