手作りチョコレートを守れ!
●良い思い付き
「またこの時期が来たわね。毎年、毎年、チョコを贈り合って飽きないのかしら?」
柔らかなソファーに座りながら『朧魔妲姫』は気だるげに足を組み替えた。何が楽しいのか毎年2月になると人々は感謝や愛情を込めてお世話になった人や大切な相手にチョコレートを贈る。勿論、チョコレート以外のお菓子や装飾品等を贈る事もあるがやはり昔からの定番だけあってチョコレートを渡す人が多い。
「この時期だけの限定チョコに心を込めた手作りチョコ? 本当に良くやるわよね~」
はぁ……。と艶のある吐息を一つ吐きだして思わずふふふ、と『朧魔妲姫』は笑う。
「心を込めて作ったチョコレート。それを目の前でめちゃくちゃにしたら作った者はどんな表情を見せてくれるのかしら?」
その手作りチョコレートは意中の相手へ思いを告げる為に作ったのかもしれない。あるいはお世話になった人への感謝の気持ちを形にしたものかもしれない。どちらにしろ作り手の気持ちのこもった力作には違いない。それを作り手の前でめちゃくちゃにした時、きっと|絶望の表情《良い表情》を見せてくれるだろう。
「想像するだけでも興奮してきちゃうわ。早速、実行に移さないとね」
自らの妄想にうっとりとしながら『朧魔妲姫』は部下を呼び出すのだった。
「作り手の気持ちがこもった手作りチョコレートをめちゃくしゃにしようと怪人が狙っています」
集まった√能力者達に挨拶をするなり|十二宮・乙女《じゅうにみや・おとめ》(泡沫の娘・h00494)は説明を始める。√マスクド・ヒーローに存在する悪の組織の一つ、そこに所属する怪人が手作りチョコレートをめちゃくちゃにしようとしているらしい。
乙女が詠み取った所。怪人が現れるのはバレンタインデーに向けて行われている手作りチョコレート教室の一つだ。
「皆さんにはその手作りチョコレート教室に参加して怪人の待ち伏せをお願いします。怪人が来る前に何かしようとすれば相手側の星詠みに察知され、他の場所で事件を起こされる可能性がありますので、折角ですし怪人が来るまでチョコレートを作るのはどうでしょう?」
親愛、友愛、様々な思いを込めながら作られるチョコレート。意中のあの人に、大切なあの人に、お世話になったあの人に、感謝の気持ちとして渡されるチョコレート。それが作り手の目の前でめちゃくちゃに破壊されるなどあってはならないのだ。
「チョコレートを作った後にはその手作りチョコレートを壊そうと怪人が襲ってきます。作り手の気持ちを踏みにじろうとする怪人を思いっきり叩きのめして下さい!」
いつになく力のこもった乙女の言葉に見送られながら√能力者達は√マスクド・ヒーローへ向かって一歩を踏み出した。
マスターより

閲覧ありがとうございます。望月朔夜です。
●第一章:日常
チョコレート作りです。
シンプルなチョコレートからフォンダンショコラ、
チョコレートケーキなどお好きなチョコレート菓子を作れます。
●第二章:???
集団戦、あるいはボス戦。
チョコレートの出来によって分岐します。
凝ったチョコレートを沢山作ると強い人が興味を持つかも?
第一章でサポートを採用した時は、
チョコレートの出来をダイスで決めます。
●第三章:ボス戦
事の発端である『朧魔妲姫』との戦闘です。
●その他
各章、断章投稿後からプレイングの受付を開始します。
お連れ様と一緒に参加される場合はお互いに名前とIDの記載か、
チーム名の記載を願いします。
称号と苗字は無くても構いません。
リプレイはアドリブ多めになります。
4
第1章 日常 『無限の愛を込めて』

POW
可愛らしく作る
SPD
綺麗に作る
WIZ
シンプルに作る
√マスクド・ヒーロー 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●思いを込めたチョコレート作り
シャカシャカとクリームを泡立てる泡立て器の音。ブーンと低温を響かせながらオーブンが温まる音。ザクザクとチョコレートを切る包丁の音。何処か楽し気に聞こえる音に囲まれてお菓子作りは進んで行く。
手作りチョコレート教室は上級と初級に分かれており、同じ空間のキッチンを半分ずつ使っている。初級に参加する者は簡単に作れるチョコレートから少し背伸びをした難しいチョコレートを作っており、望めばチョコレートの手作りキットを購入して作業する事が出来る。
上級ではオリジナルレシピでチョコレートを作ったり、チョコレート細工に挑戦する事もでき、どちらもお菓子作りの先生が数人付いているので余程の事が無い限り失敗する事は無い。
生チョコレートにトリュフ、チョコレートケーキにチョコレートクッキー。チョコレートシューにチョコレートのマドレーヌ、フィナンシェ。チョコレートムースにオペラにザッハトルテにフォンダンショコラ。
和気あいあいとした雰囲気の中、完成を楽しみにしながら様々なチョコレート菓子が作られていくのであった。

WIZ選択肢アドリブや連携は大歓迎
お世話になっている人たちへの感謝の気持ちを込めつつシンプルだけれど変わった物を作ろうとミカンあんを混ぜ込んだ粉なしのガトーショコラを作ります。
「さて、必要なのは愛情と良く聞くからな…気合を入れて作らなければいけないね。」
「レシピは単純なものにしたし後は分量や時間を間違えなければ問題ない…はずだ。」
(レシピはチョコレート100g、無塩バター50g、全卵2つ、ミカンあん50g、みかんピール大さじ2杯、全部溶かして混ぜてオーブン170℃25分程焼くだけ。)

大切なチョコを台無しにするなんて、悪逆!非道!絶許ですわ〜!
ぜってェにとっちめてやりますわよ!
さて、お料理教室は初級コースに参加してオランジェットを作ってみたいと思いますの。
待ち伏せですからね、お相手に気取られないよう手袋とタイツで義体を隠して、エプロンと三角巾もばっちしですわ。どっからど〜見てもバレンタインな女のコですわね!
オレンジを薄切りにし砂糖水で煮詰めて、オーブンで焼く。その後チョコにくぐらせて乾燥……これなら初心者のわたくしでもイケそうですの。
味見も大事ですわね、出来上がりを1枚…個体差があるといけませんのでもう2、3枚頂いておきましょう。け、決して食い意地ではありませんことよ!
●
湯煎で溶けたチョコレートの良い匂いが広がる手作りチョコレート教室内で性別関係なく各々気持ちを伝えたい相手の為にと参加者達はチョコレートを作り上げていく。楽しくも穏やかな時間。そんな中でオレンジを奇麗に洗いながらルベリッタ・ベルフラワー(ピジョンブラッド・h01680)は内心憤慨していた。
(大切なチョコを台無しにするなんて、悪逆! 非道! 絶許ですわ〜!)
恋する乙女の顔で不慣れな手つきながらもチョコレートクリームを泡立てる参加者や自信満々に手早くチョコレート飾りを作っていく参加者。薄力粉とバターを混ぜ合わせる参加者にメレンゲ作りに奮闘する参加者。作るチョコレート菓子は違うけれど贈る相手を思いながら作っている所は同じだ。そんな参加者達が一生懸命作ったチョコレートをめちゃくちゃにする怪人が居るだなんて放って置けるものか。
(ぜってェにとっちめてやりますわよ!)
思わずオレンジを持つ手に力が入ってしまい、ルベリッタは慌てて力を抜く。今のルベリッタは怪人を待ち伏せするべく手袋とタイツで義肢を隠し、エプロンと三角巾を付けたどっからど〜見てもバレンタインな女のコなのだ。目立つ行動は厳禁である。それはルベリッタと同じ作業台を使う|敷石隠・船光《しきいしがくれふなみつ》(徒手空拳の影の太刀・h04570)も同じで船光は憤るルベリッタの心情を察しながらも静かに計量をしていた。
「さて、必要なのは愛情と良く聞くからな……気合を入れて作らなければいけないね」
お世話になっている人達への感謝の気持ちを込めつつシンプルだけれど変わった物を作ろう。そう考えて船光はミカンあんを混ぜ込んだ粉なしのガトーショコラを作る事にしたのだ。
(レシピはチョコレート100g、無塩バター50g、全卵2つ、ミカンあん50g、みかんピール大さじ2杯、全部溶かして混ぜてオーブン170℃25分程焼くだけ)
「レシピは単純なものにしたし後は分量や時間を間違えなければ問題ない……はずだ」
「あら、船光様もですの? わたくしも作りやすいレシピにしましたわ」
まずは無塩バターとチョコレートを溶かす為に湯煎の準備をする船光が零した言葉をルベリッタが拾い上げる。
「差し障りがなければ、何をお作りになるのかお伺いしてもよろしいかしら?」
「構わないよ。ミカンあんを混ぜ込んだ粉なしのガトーショコラを作るつもりなんだ」
船光の言葉にルベリッタは大きく目を見開いた。
「あんこの入ったガトーショコラなら聞いた事はありますが、ミカンあんとはまた珍しいですわね」
「ああ、シンプルだけど変わった物を作ろうと思ってね」
素敵ですわね。と続けるルベリッタに君は? と、船光が問えばオランジェットを作るのだと奇麗に洗い終えたオレンジが入ったボウルを見せて笑顔で答えるルベリッタ。
「お互いに美味しく作れると良いね」
「勿論ですわ。最高に美味しい物を作りますの」
ルベリッタの答えに船光も笑みを返し、二人は作業に集中し始めた。
船光は温度計で温度を確認しながら溶けやすいように砕いたチョコレートと無塩バターを湯煎にかけてゴムベラで奇麗に混ぜ合わせる。チョコレートが全て溶けたのを確認したら湯煎から引き揚げて作業台の上に敷いた布巾の上にチョコレートと無塩バターが入っているボウルを乗せてミカンあんを混ぜ合わせ、卵を加えて滑らかになるまで更に混ぜたらオレンジピールを加えて軽く混ぜて型に流し込み170℃に予熱したオーブンで25分焼く。
船光が作業している向かいではルベリッタが奇麗に洗ったオレンジの皮に竹串で数ヵ所穴をあけて一度茹でて冷水にとって冷ます。オレンジが冷えたら薄切りにして砂糖水で煮詰め、オレンジが透き通ったらシロップを切って網に乗せて予熱したオーブンに入れて途中でオレンジを裏返しながら乾燥させる。オレンジが乾燥したら溶かしたチョコレートをくぐらせて乾燥。チョコレートが固まったら完成だ。
「まぁ、とっても良い香りですわね。まずはお一つ失礼して……」
味見も大事ですわよね。と、チョコレートが奇麗にコーティングされたオランジェットを一つ摘まんで食べるルベリッタ。
「……! 個体差があるといけませんわね。全部美味しく出来ているか、あと2、3枚頂いておきましょう」
口の中で弾けるオレンジの爽やかさとチョコレートの甘さに目を輝かせたルベリッタは再度オランジェットに手を伸ばす。そう、これは味見なのだ。オーブンで焼き過ぎて乾燥し過ぎたオレンジは無いか、砂糖水で煮詰めた時に偏りが出来ていないか、そういった事の確認で決して食い意地では無い。
「どうやら美味しく出来たみたいだね」
「勿論、最高に美味しいですわ!」
オーブンから取り出したミカンあんのガトーショコラの粗熱を冷ましながら船光は問う。まぁ、ルベリッタの輝いている瞳を見れば答えずとも結果は分かると言うもの。
「それは良かった。それじゃ……」
「ええ、|おもてなし《・・・・》の準備をしなくてはいけませんわね」
船光とルベリッタのチョコレート菓子は無事に完成し、他の参加者達のチョコレート菓子も次々と完成していく。ならば後は完成したチョコレート菓子を作り手の前でめちゃくちゃにしようと目論む怪人を叩きのめすのみ。出来ればラッピングが終わるまで大人しくしていて欲しい所だがこればかりは分からない。周囲を注意深く、かつさり気なく伺いながら2人はラッピング用の箱を取りに行くのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

【トワイライト】
(よろしくお願い致します。アドリブ・野良連携も歓迎いたします)
バレンタインを台無しにしようなんて……お灸を据えないと
せっかくだし私もチョコ作らせて貰おう
私物のエプロンを持ち込んで参加するよ
月魅お姉ちゃん(h02867)、惺奈さん(h04064)、千早さん(h00951)に贈るチョコを作ろうかな
種類はオーソドックスなトリュフチョコがいいかも
多少もたつくかもだけど、出来はそれなり
月魅お姉ちゃんの手つきが怪しいから、つきっきりで教えるために初級で参加するね
ほら、変な物入れない! レシピ通りに作って! 分量も目分量はダメだよ!
お姉ちゃんのデコチューには無言で赤面しつつチョップを返します

【トワイライト】
アドリブ歓迎。
一見ゆるふわ女子高生。中身は迷惑魅了洗脳お姉さん。
【傭兵少女分隊(非武装オフモード)】の子らを連れて、職場(トワイライト)の皆と初級に参加。
「私が愛嬌だけじゃないと証明する時が来ましたねえ」
フリフリエプロンで気合十分に、生チョコを作ります。
「湯銭と言うのはチョコにお湯をぶっかければ良いんですかあ?」
POWの可愛らしくを目指すも、料理は残念でした。
「仕方ありませんね。ねえ。あなた。私の目を見て下さいな?」
こっそりと誰か(セナちゃんかヌルちゃんか別の方か…)を魅了して手伝って貰おうとし、千早君あたりに怒られてシュン。
結果、ヌルちゃんが教えてくれるそうなので、頑張った結果。
「愛情特盛ですよお!」
調理工程で魅了フェロモンでも混入したのか、嫌な気配の生チョコが。
「ヌルちゃん、ありがそう。好きですよ」
ちゃっかりデコチュー狙います。
「食べる呪物?これは大好きなみんなへのチョコですよお?」
「「「出来ました!」」」
その頃、傭兵ちゃんズは離れた場所で普通に作っておりました。

【トワイライト】
錬金術士のお嬢様です。今日は月魅さんとヌルさん、千早さんの為にチョコレートを作ります!
「チョコレートを作れば良いんですよね!任せて下さい!こう言うのは得意なんです!」
そう言って向かった先にあるのは錬金釜。錬金術ならチョコレートだって作れちゃいます。
釜に厳選した材料を入れてグルグルと…と言う訳で特製の錬金術製チョコレートの完成です!
そうじゃないと言われ、この後は普通にチョコレートを作る事に。錬金術を使って作るのとはまた違う感覚で苦戦しつつも頑張って作り上げます!
正直に言って品質は錬金術製の方が高いですが、それでも手作りチョコレートの方も喜んで貰えたらいいですね。
アドリブ歓迎です!

【トワイライト】
アドリブ、連携歓迎
大柄な男性です。
料理教室……であれば、今はただの人間、峰千早とお呼び下さい。
料理の腕は人並みですね。
十六夜さんが『また』惺奈さんをを魅了してズルしようとするので、
頭に軽くチョップして叱ります。
「てい。十六夜さん、誰かにプレゼントする物は自分の心をこめなくては!」
この時は、まさかあんなチョコになってしまうとは……!
【コミュ力】で傭兵少女達を手伝う傍ら、自分は一口ずつのチョコバナナを作ります。
切ったバナナにピックを刺しチョコをつけてカラーチョコやココナッツをまぶしてたくさん作ります。
情熱には欠けますが、皆さんで食べられたら楽しいなと。
●
時期が時期だからか手作りチョコレート教室は大盛況しており個人からグループ参加まで様々な人達がチョコレート作りを学びにやって来ている。そんな中に賑やかな一団の姿が有った。
(バレンタインを台無しにしようなんて……お灸を据えないと)
楽しそうに友人達と話しながらチョコレートを作っていく参加者達を眺めて|白籍・ヌル《しろせき ぬる》(まだ無名・h05334)は参加者達の思いの結晶とも言える手作りチョコレートをめちゃくちゃにしようと目論む怪人に憤りを覚える。けれども怪人が来るのはもう少し先の事。
「せっかくだし私もチョコ作らせて貰おう」
持参した私物のエプロンを身に着けてヌルは作業台へと向かう。
「私が愛嬌だけじゃないと証明する時が来ましたねえ」
フリフリエプロンを身に着け気合十分でチョコレートを手にしたのは|十六夜・月魅《いざよい・つきみ》(たぶんゆるふわ系・h02867)。今日は|職場《トワイライト》の仲間、そして武装解除した|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》と共に初級への参加である。作るのは生チョコレートだ。
「チョコレートを作れば良いんですよね! 任せて下さい! こう言うのは得意なんです!」
月魅に続き気合十分で錬金釜に向かうのは|望月・惺奈《もちづき・せな》(存在証明の令嬢錬金術士・h04064)。最新の設備の中にぽつんと錬金釜が一つ。何処から現れた? 何故、錬金釜? 等々、見た人の疑問を尽きさせないが他の参加者達は自分の作業に集中していて錬金釜に気付いていないようだ。
「錬金術ならチョコレートだって作れちゃいます」
導かれるように錬金釜に辿り着いた惺奈はためらいも無く厳選した素材を錬金釜に入れてグルグルとかき混ぜ――。
「特製の錬金術製チョコレートの完成です!」
色々な法則を無視してチョコレートが完成した。
「セナちゃん、すごーい」
パチパチと笑顔で手を叩く月魅。これで良いのかな? と、悩むヌル。
「惺奈さん、錬金術で作るのも良いですがここはチョコレート作りを学ぶための教室ですし、普通に作ってみるのはどうですか?」
そして|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》の手伝いをしていた|峰・千早《みねちはや》(ヒーロー「ウラノアール」/獣妖「巨猴」・h00951)が惺奈に提案する。錬金術で作ったチョコレートも広義で見れば手作りチョコレートだが折角皆で手作りチョコレート教室に来たのだし、場に合わせた方法でチョコレートを作るのも悪くないだろう。
「そうですね。ではこの後は普通にチョコレートを作ってみます」
「はい、何かあれば言って下さい。手伝います」
和気あいあいとチョコレート作りに戻る千早と惺奈をうんうんと頷きながら眺めて月魅はチョコレートを手に取り……。
「湯銭と言うのはチョコにお湯をぶっかければ良いんですかあ?」
「チョコにお湯をかけちゃダメ!」
突然の爆弾発言に思わず月魅の手からチョコレートを取り上げるヌル。
「仕方ありませんね」
作るなら可愛らしくと考えていたのだが初っ端から頓挫した月魅はヌルが湯煎用にと鍋に水を入れている隙にスススとチョコレート作りに苦戦気味の惺奈へと近づく。1人でダメなら誰かに手伝って貰えば良いのだ。
「ねえ。あなた。私の目を見て下さいな?」
「えっ?」
「てい」
月魅に声をかけられて顔を上げる惺奈。月魅の|精神干渉フェロモン《セイシンカンショウフェロモン》により頭がぼーとして来た所へ千早のチョップが月魅の頭へと落ちる。
「六夜さん、『また』惺奈さんをを魅了してズルしようとするの駄目ですよ。誰かにプレゼントする物は自分の心をこめなくては!」
「そうよね。ごめんなさい」
千早の力の入ってない軽いチョップとその言葉にハッとして状況を良く分かっていない惺奈に謝りながら落ち込む月魅に湯煎の準備を終えたヌルが声をかける。
「もう、何をしてるのお姉ちゃん。私が教えるからこっちに来て」
「ありがとうヌルちゃん」
ヌルと共に作業台に戻る月魅を見送って千早は|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》の手伝いと自分のチョコレート作りに戻り、月魅の謝罪を受けた惺奈も疑問符を飛ばしながら錬金術を使って作るのとは違う感覚に苦戦しつつチョコレート作りを進めて行った。
「でっ、出来た……」
多少もたつきはしたものの、それなりの出来に仕上げたトリュフチョコレートを前にヌルは安堵の息を吐く。手付きの怪しい月魅につきっきりで生チョコレートの作り方を教えていたので自分の分は時間がかかってしまった。
(うん、良い出来だよね)
バレンタインを台無しにする怪人を倒すのが目的ではあるが折角手作りチョコレート教室に参加したのだ。チョコレートを作るのならここにいる月魅お姉ちゃん、惺奈さん、千早さん。皆に贈りたかったのだ。
「こんな感じでしょうか?」
ヌルの向かいで出来たチョコレートをラッピングしながら惺奈は思う。
(正直に言って品質は錬金術製の方が高いですが、それでも手作りチョコレートの方も喜んで貰えたらいいですね)
千早の言う通りに錬金術を使った方法では無く、文字通りの手作りチョコレート。錬金術を使えば簡単に作れる物も手作業となれば作るのも一苦労だがその分、思いもこもっている。
「こちらもあと少しで完成ですね」
千早の前にはピックに刺さった一口大のチョコレートバナナがあり、カラーチョコレートやココナッツをまぶされてその身を飾っている。作るのに然程の苦労は無かったが皆で食べられるようにとたくさん作ったので完成が遅れていた。
「情熱には欠けますが、皆さんで食べられたら楽しいでしょうね」
「愛情特盛ですよお!」
思わず零れた千早の言葉に月魅の声がかぶさる。見れば何やら嫌な気配がする生チョコレートが乗ったお皿を持つ月魅の姿があった。
「魅了フェロモンでしょうか」
生チョコレートから届く甘い香りに混ざって別の甘い香りが届く。もしかしたら調理工程で魅了フェロモンでも混入したのかもれない。
「ほら、変な物入れない! レシピ通りに作って! 分量も目分量はダメだよ!」
そう言って月魅の生チョコレート作りを手伝ったヌルの頬が千早の言葉に引きつる。ちゃんと見ていたのにどうしてこうも嫌な気配のする生チョコレートが出来上がってしまったのか。フェロモンなんて目に見えない物の混入など防ぎようがないではないか。
「ヌルちゃん、ありがそう。好きですよ」
「……!」
あのチョコレートどうしようと思案するヌルに笑顔の月魅の顔が迫り、おでこに柔らかい感触を感じたヌルは一気に顔を真っ赤に染めて月魅へとチョップを返した。力の入っていないチョップを返すヌルに微笑んで月魅は千早と惺奈に振り返り、2人に生チョコレートを勧めるも2人に断られてしまう。
「食べる呪物? これは大好きなみんなへのチョコですよお?」
そう言って魅了フェロモン漂う生チョコレートを作業台に置いて是非食べてくれと勧める月魅に対峙する3人から離れた作業台で、
「「「出来ました!」」」
と、マイペースにチョコレート作りを終わらせた|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》が声を上げるのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 集団戦 『戦闘員』

POW
戦闘員連携戦闘
半径レベルm内の味方全員に【悪の組織製の通信装置】を接続する。接続された味方は、切断されるまで命中率と反応速度が1.5倍になる。
半径レベルm内の味方全員に【悪の組織製の通信装置】を接続する。接続された味方は、切断されるまで命中率と反応速度が1.5倍になる。
SPD
新規戦闘員部隊
事前に招集しておいた12体の【新たな戦闘員の部隊】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[新たな戦闘員の部隊]全員の反応速度が半減する。
事前に招集しておいた12体の【新たな戦闘員の部隊】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[新たな戦闘員の部隊]全員の反応速度が半減する。
WIZ
戦闘員特攻モード
自身の【戦闘服】を【危険な蛍光色】に輝く【特攻モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
自身の【戦闘服】を【危険な蛍光色】に輝く【特攻モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
●思いを踏みにじる者達に制裁を
しっとりとしたガトーショコラ。チョコレートのコーティングが美しいオランジェット。綺麗に丸まったトリュフチョコレート。何やら怪しい気配の漂う生チョコレート。少々不格好だがシンプルで滑らかなチョコレート。何か特別な作り方をしたのか品質の高いチョコレート。可愛らしくチョコレートを纏った一口大のチョコレートバナナ。様々なチョコレート菓子が出来上がっていく。
「ねぇ、どんな感じになった?」
「あっ、ちょっと焦げてる……」
「結構、上手く出来たと思わない?」
「ここの飾りを、こうして」
思い通りのチョコレートを作れた者。少し不格好な出来のチョコレートになった者。想像以上のチョコレートが作れた者。チョコレートの形や味は作った者により様々だが思いがこもっている所は皆同じだ。出来上がったチョコレート菓子を前に瞳を輝かせる参加者達。そしてそんな参加者達を見つめる影が複数。
「くくく、楽しんでいられるのも今の内だ」
「我々の手でチョコレートをめちゃくちゃにした時、どのような表情をするのか今から楽しみですね」
テンプレートな悪役ムーブをしながら彼、あるいは彼女達はほくそ笑む。全ては偉大なる『朧魔妲姫』様の為! 我らが組織の為! けしてチョコレートをが貰えないから『朧魔妲姫』様の作戦に便乗してめちゃくちゃにしてやろうとか。手作りチョコってリア充ぶるなよとかの嫉妬からではない。我々は忠実な組織の一員なのだ。作戦に私情を挟むなんてとんでもない。
「健闘を祈る」
「お前もな」
ニヒルにフッと笑いながら彼ら、彼女らは行動を開始する。自分達の作戦が成功すると疑わず、失敗する事など頭にない。自信満々に向かう先で√能力達が自分達を待ち構えているとも知らずに――。

悪いやつらのお出ましですわ!
さあ、チョコを守りますわよ。
わたくしの得意はレーザー攻撃ですが、一般の方々を巻き込みかねないので…今回は慎みますわ。
ラッピングしたオランジェットをエプロンのポケットに隠して。一般の参加者の皆様(とチョコ)に近付いて来た敵を迎え撃つことに徹します。
「不審者ですわ〜!男の人呼んで〜!」
大きい声で叫んでわたくしに注意を集めながら、湯煎に使っていた片手鍋を右手に持って敵をぶん殴りますわ。
これはどっからど〜みても正当防衛ですわね!
うち漏らしがありそうなら、『黒鉄散花』で超加速して叩きに行きますわ。まだ本命がいるかもしれませんし、自己部位破壊による2撃目は温存いたします。
●
「楽しい時間もここまでだ!」
「大人しく作ったチョコを出すんだな!」
なんの前触れも無く現れた頭まで覆う全身スーツを着た変質者、もとい『戦闘員』達に楽し気な雰囲気に包まれていた手作りチョコレート教室は一気に混乱へと叩き落された。
(悪いやつらのお出ましですわ! さあ、チョコを守りますわよ)
待ってましたとばかりにルベリッタ・ベルフラワー(ピジョンブラッド・h01680)はラッピングしたオランジェットをエプロンに隠して大きく息を吸う。
「不審者ですわ〜! 男の人呼んで〜!」
「誰が不審者だ! 我々は偉大なっ……!」
叫ぶルベリッタの近くに居た『戦闘員』の一人がルベリッタを大人しくさせようと掴みかかるが片手鍋による反撃を受けて沈黙する。傍目からは突然掴みかかろうとする『戦闘員』に恐怖したルベリッタが己の身を守ろうと近くにあった湯煎用の片手鍋を掴んで『戦闘員』を殴ったように見えるだろう。
(これはどっからど〜みても正当防衛ですわね!)
恐怖した乙女のふりで近くに居る『戦闘員』を殴り倒しながら参加者達から『戦闘員』達を遠ざけてルベリッタは薄くほくそ笑む。全ては計画通り。この手作りチョコレート教室に参加したのもチョコレートをめちゃくちゃにしようとする『戦闘員』を誘き出す為のもの。
「きゃぁ~! 来ないで下さいまし~!」
「人の話をっ! グハッ!!」
「いや~! 怖いですわ~!!」
「何を言って……。グフッ!!」
ルベリッタの声と共に響く鈍い打撃音と呻き声。悲鳴を上げながら片手鍋で『戦闘員』を殴り倒すその姿に迷いは無く。狙いも的確だ。傍目から見れば恐怖のあまりめちゃくちゃに振った片手鍋が偶然にも『戦闘員』に当たったかのようにしか見えない。
「くそっ、あの女は放っておけ! 我々の狙いはチョコレートだ!」
「させませんわよ~!!」
「!!」
傍目から見ればめちゃくちゃなのに片手鍋による攻撃を的確に当てるルベリッタを避けながら他の『戦闘員』達はチョコレートの乗っているテーブルへと向かう。そう、彼らの目的は手作りチョコレートをめちゃくちゃにする事であってご令嬢のサンドバッグになる事では無い。手作りチョコレートを視界に捉えてロックオン。あとはそれをめちゃくちゃにするだけ。そうして伸ばした手は|黒鉄散花《フィオーレ・カデーレ》で超加速したルベリッタの一撃に防がれてしまうのだった。
🔵🔵🔵 大成功

POW選択肢、アドリブ、連携大歓迎。
アイテムの妖筒からカマイタチや人工知能でバイクのカゼキリ、そして御霊カマエタチノヤシャを呼び出し対処させます。
「こちらは調理中だ、バタバタと暴れるのはやめてもらうよ。」
「君たちには家族や普段世話になっている存在は居ないのか?埃を立てて人の邪魔をする前に寒中見舞い代わりにチョコでも作れば良い物を…。」
●
「さぁ、楽しいショーの時間ですわね」
「ええ、是非とも素晴らしいリアクションで我々を楽しませて下さい」
突如手作りチョコレート教室に乱入して来た全身スーツの変質者。もとい素顔を隠していかにも組織の『戦闘員』ですと主張するような姿の『戦闘員』達に|敷石隠・船光《しきいしがくれふなみつ》(徒手空拳の影の太刀・h04570)は溜息を吐く。どのような形で現れるのかと思えばこうも堂々と現れるとは。まぁ、『戦闘員』である彼、彼女達はその道のプロだ。一般人では敵わないから堂々と姿を見せられるのだろう。けれども今回は『戦闘員』に対抗出来る√能力者の船光が居る。
「行くぞ! チョコレートをめちゃくちゃにしろっ!」
何処かノリノリな『戦闘員』の言葉に他の『戦闘員』達が作業台に乗ったチョコレートへ群がるが室内なのに一陣の風が吹いたかと思えば体の何処かをスパっと切られて思わず動きを止めてしまう『戦闘員』達。
「こちらは調理中だ、バタバタと暴れるのはやめてもらうよ」
「何奴!!」
聞こえてきた声に『戦闘員』達が視線を向ければ小さな三つの筒を手にした船光の姿があり、思わず『戦闘員』の一人が声を上げる。
「何奴ってただの手作りチョコレート教室の参加者だよ」
「ただの参加者がなんで攻撃してくるの!?」
「なんでってさっきも言ったようにこちらは調理中だ。バタバタと暴れるのはやめて欲しい」
船光の言葉に思わず声を上げる『戦闘員』。こいつ絶対ただの参加者じゃない。そう『戦闘員』達の心は一つになった。そのおかげか、ただの偶然か。『戦闘員』達の意識は船光に向いており参加者達からは離れている。じんわりと浮かぶ汗。出方の見えない相手。自分達と同等。否、それ以上の相手に『戦闘員』達は動く事が出来ない。そんな緊張感に満ちた空気の中、船光の口が言葉を紡ぎ――。
「君たちには家族や普段世話になっている存在は居ないのか? 埃を立てて人の邪魔をする前に寒中見舞い代わりにチョコでも作れば良い物を……」
何気ない船光の言葉が『戦闘員』達を傷付けた! クリティカルヒットである。次々に膝をつく『戦闘員』達。中には泣き出す者までいた。
「とーちゃん、かーちゃん……」
「……チョコを渡す勇気があれば俺だって」
「それが出来たらこんな事には……」
その道のプロである彼、彼女とて心に刺さる言葉と言うものがあるのだ。
「くっ、なんとも痛い言葉……。だが、全ては我らが組織の為! あの方の為に!!」
船光の言葉に膝をついた『戦闘員』達だったが根性のある『戦闘員』の言葉に他の『戦闘員』も涙を拭いて、そうだ組織の為に。あの方の為に。と次々と立ち上がっていく。(自称)ただの参加者の言葉に一度膝をついたが目的を忘れた訳では無い。全ては我らの組織の為に! 麗しきあの方の為に!
「行くぞ、お前ら!!」
「おおー!!」
「だからバタバタと暴れるなと言ってるだろ」
謎のやる気に満ち、一致団結した『戦闘員』達。一糸乱れぬ動きで作業台の上にあるチョコレートに群がる彼らに船光の【|護霊乱舞太刀風語《ゴリョウランブタチカゼガタリ》】による攻撃が炸裂した。
🔵🔵🔵 大成功

【トワイライト】
アドリブ歓迎。
一見ゆるふわ女子高生。中身は魅了と言う名の愛に生きる迷惑さん。
皆と一緒に頑張ります。
「戦闘員のみなさん。こんにちわあ」
「「「早速ぶち転がします!」」」
【傭兵少女分隊】は支給装備を身に着け既に戦闘態勢。
半数は一般の方の避難誘導と護衛、残りで『一斉発射』『鉄壁』『集団戦術』で足止め。
月魅は戦闘力が低いので、セナちゃんとヌルちゃんと千早君が頼り。
しかし迂闊にも【精神干渉フェロモン】の影響下に入った戦闘員さんを、妖香、桃色吐息、魔眼(月)、甘き声、生体紋章の全身セットで『魅了』します。
「チョコレートが貰えず。渡せずだったのですねえ。その寂しさを埋めてあげますねえ」
動きが悪くなった戦闘員さんにすっと接近し、前回作ったチョコレート(フェロモン混入)を手に…。
「私からのチョコレートですよお」
男性戦闘員さん、はい。あーん。
女性戦闘員さん、口移し(背景百合の花)
「やんちゃする子も好きですよお?」
傭兵ズ「「「何やってんの十六夜様ー!?」」」
強制バレンタインチョコの魅了で無害に!

【トワイライト】
(※アドリブ、野良連携歓迎致します)
トワイライトの皆と協力して依頼に臨むよ
特に私は月魅お姉ちゃんの護衛役として動こうかな
残像や空中移動を駆使して立体移動しつつ、居合い攻撃を中心に戦闘員たちの無力化を試みるよ
お姉ちゃんが戦闘員さんにチョコを口移ししようとしてる!?
べ、別にお姉ちゃんが誰と何しようと知らないけど……。
あ、でも、舌を噛まれたりするかもしれないし!
うん、これは予防処置です
はい、お姉ちゃん、ストップ
そして回収したチョコは戦闘員さんのお口へシュート!
依頼後はお姉ちゃんに何となくチョップをします
全くもう……

【トワイライト】で参加
アドリブやチーム外との連携も歓迎
救い難い戦闘員の行動で温和な男が怒りのゴリラと化す。
「やめなさい! チョコバナナ作りは楽しいぞ、悪の心も消えます」
【コミュ力】と【言いくるめ】で戦闘員を説得するが
「貰うよりも渡しあって喜ばれる方が楽しいですし」
と、無自覚ノンデリリア充ド正論で戦闘員の心の【傷口を抉る】かもしれない。
差し出したチョコバナナをぺいって払われるかもしれない。
「……」
【元面変化】でジャンボゴリラになる。
散らかった調理道具や落ちた自分のチョコを悲しく見つめてから
白籍ヌルさんが移動しやすいよう
バナナの皮を投げて【罠使い】として味方を支援する。
「ウホ……」

【トワイライト】
トワイライトの皆さんと一緒に事態の解決に向けて頑張ります!
「ええと…戦闘員さんそれはつまり、チョコレートが欲しいという事ですか?それならそうと言ってくださいよ!」
そう言うと同時に錬金術でチョコレートを大量に量産して配ります!
いらないって言われたら…流石にちょっと悲しいです…
私のチョコレートでは納得しない人達が止まらずに他の方々のチョコレートを無茶苦茶にしようとするのであれば仕方ありませんね、相手になりましょう…
ハイパー惺奈ちゃんパンチで正気に戻るように思いっきりパンチを叩き込みます。
…間違ってもこの技名自分では絶対言いませんからね!恥ずかしいですから!
アドリブ歓迎です!
●
「浮かれた気持ちもここまで! そのチョコめちゃくちゃにしてやろう!」
「とびっきりの素敵な表情を見せてよね♪」
かっこかわいいポーズで最低な事を言いながら手作りチョコレート教室に乱入した『戦闘員』達。けれどそこに参加者の姿は無く、代わりに――。
「戦闘員のみなさん。こんにちわあ」
「「「早速ぶち転がします!」」」
|十六夜・月魅《いざよい・つきみ》と武装した【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】が『戦闘員』達を出迎えて挨拶だとばかりに【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の銃口が『戦闘員』達目掛けて火を噴く。
「くっ、待ち伏せとは……」
【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の一斉射撃に倒れ伏す『戦闘員』達を見ながら冷や汗を流す銃弾を逃れた『戦闘員』。このままでは不利だと分かっているが迂闊に動けない。
「お姉ちゃん、私の後ろに。あまり前に出ないで」
「ありがとう、ヌルちゃん」
撃ち漏らした幾人かの『戦闘員』を切り捨てながら壁を蹴って月魅の前に降りる|白籍・ヌル《しろせき ぬる》(まだ無名・h05334)は日本刀を構え直す。今ヌル達の前で銃口を構えながら盾になっている【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の人数は半数にも満たない。もう半数は月魅が参加者達の避難誘導と護衛に回したからだ。護りの薄くなった月魅の護衛役としてヌルは目を光らせている。
「やめなさい! チョコバナナ作りは楽しいぞ、悪の心も消えます」
「何がチョコバナナ作りだ! チョコは貰ってこそだろ!」
お互いに牽制し合い動けない中、峰・千早《みねちはや》(ヒーロー「ウラノアール」/獣妖「巨猴」・h00951)が持ち前のコミュ力と言いくるめで『戦闘員』達の説得に入るもすげなくされる。
「ええと……戦闘員さんそれはつまり、チョコレートが欲しいという事ですか? それならそうと言ってくださいよ!」
『戦闘員』の言葉にピンと来た|望月・惺奈《もちづき・せな》はやはり最新設備の中にぽつんとある錬金釜で早速大量のチョコレートを作り始めた。
「えっ、あれって錬金釜?」「なんで錬金釜?」「ってかなんで錬金釜があるの?」
ざわ……。ざわ……。と小声で囁く『戦闘員』達。その声に大きな戸惑いが含まれていたがにっこにこ、ぺっかぺかな笑顔でチョコレートを|錬成している《作っている》惺奈の耳には届かない。
「はい、私からのチョコレートです」
輝かんばかりの笑顔で大量に|錬成した《作った》チョコレートを配る惺奈。惺奈に手を出したら即、抜刀できるよう構えるヌル。セナちゃん楽しそうね。と微笑ましく見守る月魅。惺奈を見習って自分もとチョコバナナを取りに行く千早。
「貴方が女神か……!!」
女神だ。女神が居ると泣き崩れる男性『戦闘員』達。たとえそれが|錬金術《得体のしれない物》で作られていたとしてもチョコレートには変わらないのである。
「なにアレー。良い子ちゃんぶってさー」
泣き崩れる男性『戦闘員』達と違って敵愾心丸出しの女性『戦闘員』達。
「なんだか良い感じに終われそうね。ヌルちゃん」
「そうかな?」
まるで青春の一ページのような光景を微笑ましく見つめる月魅と苦笑いするヌル。このまま一部不穏だが穏やかに終われば良い。けれど事件と言うのはいつも唐突に起きるもので……。
「貰うよりも渡しあって喜ばれる方が楽しいですし」
「リア充の作ったもんなか食えるか!!」
話の流れは分からない。分からないが、ただ一つ。千早の無自覚ノンデリリア充ド正論発言で戦闘員の心を抉ったのは分かった。千早の差し出したチョコバナナは払われて無慈悲にも冷たい床へと落ちる。
「……」
沈黙が場を支配した。トワイライトの仲間達も敵である『戦闘員』達も誰もしゃべらない。
「俺は悪くねーか……、グハッ!」
沈黙に耐えかねたのか、千早が差し出したチョコバナナを払った事が気まずかったのか『戦闘員』が口を開いた瞬間。その体は天井に叩きつけられてべちゃりと床に落ちた。|元面変化《アーキチェンジ》でジャンボゴリラに変身した千早による重い一撃が決まったのだ。
「なんて酷い事を……。許せません!」
落ちたチョコバナナを悲しい目で見つめる千早。肩は下がっており、その背中には哀愁が漂っている。その姿に憤りを感じた惺奈が拳を握る。自分の作ったチョコレートをいらないと言われたら悲しい。それなのに頑張って作ったチョコレートを床に落とされるのはどれ程悲しい事か。
「これが私の……全身全霊を込めた一撃です!」
惺奈の恥ずかしくて技名の叫べない【|ハイパー惺奈ちゃんパンチ《タダノゼンリョクパンチ》】が近くに居た『戦闘員』の急所に決まる。
「人が一生懸命作ったチョコを払うなんて最低」
月魅の護衛役をしていたヌルが仲間への仕打ちに許せないと月魅の了承を得て傍を離れ空中移動からの立体移動で縦横無尽に駆け回り、【|秘伝・新月《ヒデン・シンゲツ》】の一閃が煌めく。
「くっ、小癪な!」
「我々も対抗するぞ! 行けー!」
「ウホ……」
これ以上の被害は許さないとばかりに『戦闘員』達も応戦するが千早がバナナの皮を投げて『戦闘員』達の動きを妨害する。そして――。
「チョコレートが貰えず。渡せずだったのですねえ。その寂しさを埋めてあげますねえ」
月魅の戦闘能力は低い。ゆえにヌルが護衛し、戦闘はヌルと惺奈と千早頼り。けれども相手が|精神干渉フェロモン《セイシンカンショウフェロモン》の影響下に来たならば別だ。何人たりとも月魅の【魅了】からは逃げられない。
「私からのチョコレートですよお」
結局、トワイライトの皆に食べて貰えなかった何やら嫌な気配のする生チョコレート(フェロモン入り)を動きの鈍い男性『戦闘員』に近づいて、はい。あーん。と食べさせる。
「やんちゃする子も好きですよお?」
ぐったりと床に倒れ込む男性『戦闘員』の次は女性『戦闘員』だ。生チョコレートを歯に挟んで顔を近づけ、そっと唇部分の布を咲く。そして徐々に顔を近づけて……。
「「「何やってんの十六夜様ー!?」」」
(お姉ちゃんが戦闘員さんにチョコを口移ししようとしてる!?)
【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の叫び声に何かあったのかと月魅に視線を向けたヌルは固まった。何故か白百合の花をバックに月魅が女性『戦闘員』にチョコレートを口移ししようとしている。
(べ、別にお姉ちゃんが誰と何しようと知らないけど……。あ、でも、舌を噛まれたりするかもしれないし! うん、これは予防処置です)
「はい、お姉ちゃん、ストップ」
「ヌルちゃん?」
√能力で強化された移動速度で素早く月魅と女性『戦闘員』の元まで来たヌルは二人を引きはがして月魅の口元にあった生チョコレートを回収してぽーとしている女性『戦闘員』の口の中へ投げ込む。
「お二人ともー。こちらも片付きましたよ」
「ウホッ」
【|ハイパー惺奈ちゃんパンチ《タダノゼンリョクパンチ》】で無双していた惺奈とバナナの皮で惺奈のサポートをしていた千早が二人の元へ駆け寄って来る。辺りを見回せば床に倒れ込んでいる『戦闘員』達の姿が有り、とりあえずはチョコレートを守れた事に一安心する。あとは手作りチョコレートをめちゃくちゃにしようと考えた諸悪の根源を倒すのみ。
「終わったら皆でチョコ食べましょう」
柔らかい笑みを浮かべて依頼完了後の事を話す月魅にそっと近づいてチョップするヌル。ヌルちゃん? と困惑を浮かべる月魅を置いて惺奈と千早に合流し、全くもう……。と呟くヌルだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『朧魔妲姫』

POW
朧魔解放
【朧魔鬼神から与えられた邪悪な闘気 】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【朧魔狐爪撃】」が使用可能になる。
【朧魔鬼神から与えられた邪悪な闘気 】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【朧魔狐爪撃】」が使用可能になる。
SPD
狐妖尾乱舞
【鞭のように伸縮する狐の尻尾 】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
【鞭のように伸縮する狐の尻尾 】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
WIZ
朧魔覇獣:災餓天金狐
【邪悪な力を纏った焔 】のブレスを放つ無敵の【災餓天金狐】に変身する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化するが、その度に体内の【朧魔鬼神から与えられた邪悪な闘気】を大量消費し、枯渇すると気絶。
【邪悪な力を纏った焔 】のブレスを放つ無敵の【災餓天金狐】に変身する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化するが、その度に体内の【朧魔鬼神から与えられた邪悪な闘気】を大量消費し、枯渇すると気絶。
●幸せなバレンタインデーの為に
『戦闘員』達を倒して手作りチョコレートをめちゃくちゃにする事を阻止し、参加者達と完成したチョコレートを別室に避難させた√能力者達の耳にカツンとヒールの音が届く。
「この程度の任務も出来ないなんて、うちの|『戦闘員』《こ》達にはもう一度教育を施すべきかしら?」
聞く者の耳をとろかせるような甘く妖艶な声。毛並みの良い尾を揺らしながら艶やかな笑みを浮かべるのは今回の黒幕である『朧魔妲姫』。
「でも、まぁ。|√能力者《貴方》達と戦えるっていうのも刺激的で良いわね」
嗜虐の色が滲んだ瞳が舐るように女性√能力者達を見つめる。
「こちらの計画を邪魔されたんですもの。良い声で|悲鳴を上げて《ないて》くれないと困るわ。貴方達と楽しんだ後は私自らの手で計画を完了してあげる。その時にちょっと遊んでも良いわよね?」
言って真っ赤な舌で艶やかな唇をなめる『朧魔妲姫』。この場で彼女を倒せなければ手作りチョコレートと共に女性参加者が酷い目にあう事になるのが容易に想像できてしまう。
「奇麗な子。可愛い子程、虐めたくなっちゃうわ。さぁ、楽しく|戦い《踊り》ましょう!」
弾む声で告げる『朧魔妲姫』は大きく尾を膨らませて武器を構える√能力者達に微笑んだ。

POW選択肢アドリブ連携大歓迎
ルート能力を活かし巨大さを活かして相手を手早く処理する事に注力します。
「親玉か?遊びの趣味が合わなそうだな…。」
「合わない遊びに長々と付き合うつもりはない!夜叉よ!!我らの力のそのすべてを見せて幕引きを速めてやろう!!」
●
「あら、最初のお相手は貴方かしら? 素敵な軍人さん」
傾国の笑みを浮かべながら瞳に嘲りの色を浮かべた『朧魔妲姫』に|敷石隠・船光《しきいしがくれふなみつ》は軍帽の下で目を細める。
「親玉か? 遊びの趣味が合わなそうだな……」
「そうかしら? 案外趣味が合うかもしれないわよ?」
「戯言だね」
言葉の応酬をかわしながら相手の出方を伺う二人。片や美しく磨き上げられた爪を鋭く伸ばし、片やいつでも抜刀出来るように刀に手をかける。ピリッとした緊張感が場を支配するのを肌で感じながらお互いに次はどう動くのかを察した。
「言葉遊びは結構だよ。ここでケリをつけようか」
「……つれない人」
船光の言葉にクスリと笑みを零して『朧魔妲姫』は邪悪な闘気を纏って禍々しい気配のする爪で鋭く切りつけてくる。
(速い!!)
咄嗟に刀で攻撃を防ごうとしたが何やら嫌かな予感がして攻撃を避ける事にしたが『朧魔妲姫』の動きは予想以上に早く、着物の一部が裂かれてしまう。
「あら、残念」
口ではそう言いつつも少しも残念がる素振りを見せない『朧魔妲姫』。
(これは早めに処理しないといけないね)
『朧魔妲姫』の数度の攻撃を避けて船光は思う。邪悪な闘気を纏った『朧魔妲姫』の攻撃は早くて鋭い。攻撃を避けたと言っても船光にかすり傷一つ無い上で着物の一部が裂かれている現状は遊ばれているにすぎない。否、獲物を甚振る事を楽しんでいるのだろう。ならば『朧魔妲姫』の悪趣味に付き合う事は無い。早々に決着をつけるまでだ。
「九十九繋ぎの密儀のその神髄」
船光の言葉と共に構えている刀から眩いばかりの緑色の光が溢れ出す。
「なんてこと……」
突然の光に警戒して距離を取った『朧魔妲姫』は思わず絶句する。刀から光が消えたかと思えばライムグリーンに輝く巨大機械神像がその巨体で『朧魔妲姫』を見下ろしていた。
「合わない遊びに長々と付き合うつもりはない! 夜叉よ!! 我らの力のそのすべてを見せて幕引きを速めてやろう!!」
「くっ……!」
船光の言葉に従い【|機動夜叉・風斬大権現《キドウヤシャ・カゼキリダイゴンゲン》】は『朧魔妲姫』へと攻撃を仕掛ける。攻撃を避けようと動く『朧魔妲姫』だったが【|機動夜叉・風斬大権現《キドウヤシャ・カゼキリダイゴンゲン》】の速さは『朧魔妲姫』を完全に上回っており、避けきれない。
「全然楽しくないわぁ」
【|機動夜叉・風斬大権現《キドウヤシャ・カゼキリダイゴンゲン》】が『朧魔妲姫』を上回っているのは速さだけでなく攻撃の威力もだ。避けきれない攻撃を受けて『朧魔妲姫』は笑う。まさか嬲るつもりでいたのに逆に嬲られるとは。
「貴方の言うと通り、遊びの趣味……。合わなかったわね。残念だわ」
「そう言ったはずだよ」
「本当に、つれない人……」
震える足を叱咤して『朧魔妲姫』は【|機動夜叉・風斬大権現《キドウヤシャ・カゼキリダイゴンゲン》】へ【朧魔狐爪撃】を放つ、敵わないと分かって攻撃を放ったのは彼女の悪あがきか幹部としてのプライドか。反撃する【|機動夜叉・風斬大権現《キドウヤシャ・カゼキリダイゴンゲン》】を見届けて船光は静かに目を閉じた。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・連携歓迎ですの。
サディスティックなモフモフですわね。
チョコだけでなくレディにも悪さをするおつもりですの?
「泣いちゃうのは貴方でしてよ。コンコンお鳴きになっても許してあげませんわ!」
敵と距離を取り、『決戦気象兵器「レイン」』を起動。300発のレーザーを放ちますわ。
ただし一気には撃ちませんわよ。密度を低くして、複数方向から長時間の攻撃を狙います。
一発の威力は低くとも、ちくちく気が散るのではありませんこと?
わたくしに狙いが向くなら、それは他の皆様にとって絶好の隙にもなるでしょう。
バレンタインを邪魔するなんてオトメの風上にも置けない方ですわ。二度とそんな気が起こらないようにしなくては。
●
「あら、可愛らしいお嬢さんだこと。遊びがいがあるわね」
「サディスティックなモフモフですわね。チョコだけでなくレディにも悪さをするおつもりですの?」
自分を見て舌なめずりをする『朧魔妲姫』にルベリッタ・ベルフラワー(ピジョンブラッド・h01680)は警戒心を高めた。『朧魔妲姫』の言う遊びがただの遊びでは無い事は嗜虐の色が浮かぶ瞳を見れば分かる。遊びとのたまってこちらを嬲る気なのだろう。
「まぁ、気の強いお嬢さんね。嫌いじゃないわ。気の強い子を屈服させるのも大好きなの」
「!!」
言い終わると同時に『朧魔妲姫』は攻撃を仕掛けるがルベリッタが避けた事により顔に近い髪を数本切られるに止まった。
「ごめんなさい。手元が狂ったみたい」
(わざとですわね)
ちらりと切られた髪を見た後、ルベリッタはわざとらしく謝る『朧魔妲姫』に視線を戻す。手元が狂うも何も最初から『朧魔妲姫』はルベリッタの顔を狙って攻撃をして来た。今まで『朧魔妲姫』はこうして相手に少しずつ傷を負わせて怯える顔を見て楽しんでいたのかもしれない。明らかに『朧魔妲姫』から遊ばれている。そう感じながらルベリッタは攻撃のチャンスを伺いつつ『朧魔妲姫』から距離を取ろうとするが直ぐに距離を詰められてしまう。
「ちょこまかと逃げ回って可愛らしいこと。ダンスも楽しいけれど泣き声の一つも無いのは寂しいわ。我慢しなくても良いのよ?」
「全力でお断りいたしますわ。それに」
『朧魔妲姫』の言葉にルベリッタは不敵な笑みを浮かべて攻撃して来た『朧魔妲姫』のすれ違いざまに反撃を仕掛けて距離を取る。
「泣いちゃうのは貴方でしてよ。コンコンお鳴きになっても許してあげませんわ!」
「なにをっ……!」
ルベリッタの言葉と共に何処からともなくレーザーが放たれて『朧魔妲姫』の首のすぐ横を打ち抜く。
「貴方のおっしゃる通り、ダンスは楽しいですわよね。でしたらもっと踊ってくださいな」
にっこりと笑ってルベリッタが指を振ればいつの間にか展開された【決戦気象兵器「レイン」】のレーザーが複数方向から『朧魔妲姫』を狙い撃ちする。一発の威力は低くとも複数方向から放たれるレーザーは厄介で避けようと思えば別方向から狙われてちくちくとと『朧魔妲姫』の集中力を削っていく。今や複数方向から放たれる【決戦気象兵器「レイン」】のレーザーの包囲網から『朧魔妲姫』は抜け出す事は出来ない。
「バレンタインを邪魔するなんてオトメの風上にも置けない方ですわ。二度とそんな気が起こらないようにしてさしあげます」
レーザーの包囲網の下、|踊る《避ける》事しか出来ない『朧魔妲姫』へと攻撃を集中させるべくルベリッタは指を振った。
🔵🔵🔵 大成功

【トワイライト】
アドリブ歓迎。
一見ゆるふわ女子高生。中身は朧魔妲姫と同類。
支給装備で武装した【傭兵少女分隊】と共に【愛と戦の女神(嘘)】と【精神干渉フェロモン】にて魅了特化状態。
「お綺麗な貴女。お名前を伺ってもよろしいですかあ」
前回魅了で配下にした戦闘員さん何人か侍らせてます(1人は椅子)
「この子たちは私の愛を受け入れてくれたんですよお」
「さあみんな。罪を償って来て下さいねえ。また今度遊びましょう」
戦闘員さんを自首にGOし朧魔妲姫さんにNTR系精神攻撃。
「朧魔妲姫さま、良い顔で蕩けて下さいねえ」
「「「もう十六夜様の方が悪役だよ!」」」※傭兵ちゃん
と言いながら、月魅はやぱり戦闘が苦手、トワイライトの仲間頼り。
「みんな、頑張って下さい。後でご褒美ですよお」
傭兵ズは集団戦術で陣形を組み鉄壁で防御、一斉射撃で攻撃。
月魅は後方で魔眼などの魅了で朧魔妲姫さんの戦闘思考をかく乱。
「いやですわ。そんなことをしないでくださいねえ」
追い詰めて災餓天金狐に変身前、接近してチョコ(フェロモン混入)を朧魔妲姫さんに口移し。
精神干渉フェロモンと混入チョコと『魅了支配』の口づけトリプルコンボ。
魅了支配で変身阻止を狙います。
「ハッピーバレンタイン♪」
変身しちゃったら守って貰いなんとか凌ぎ、災餓天金狐さんが気絶した後に魅了支配。
上の存在など情報を引き出した後、仲間に任せます。
「美しい方、またお会いしましょうねえ」

【トワイライト】
アドリブ歓迎です!
貴方もチョコレートが欲しい…と言う訳ではありませんか…残念ですね…
錬金術は誰かを幸せにする為に使いたいのですが…こういう使い方だって出来るんですよ!
ええっと、まさか…私は好みのタイプではありませんよね…?普通の錬金術士ですからね。…ね?
錬金術製の銃火器を使って頑張って戦います!
相手が他の方を狙えない位の弾幕でこちらに釘付けにします!
武器なら沢山ありますから!継戦しつつ頑張りますよ!
最後は勝利へ導く旗幟の錬金による砲撃でとどめです!
えっ、バレンタインデーとは…チョコレートを大量に作っ(錬金し)て、皆にプレゼントして回るイベントではなかったんですか!?

【トワイライト】
(アドリブ・野良連携歓迎致します)
さて、親玉さんか
全く……せっかくのバレンタインが台無しだよ
これはきつくお灸を据える必要があるね
……あれ? でも、この敵さんが乱入してなかったら、お姉ちゃんの魅了チョコで大変なことになってたような気もする……?
私は仲間を守るように動こうかな
特にお姉ちゃんはチートじみた能力を持ってるけど、本人は戦闘不得意だし
秘伝・新月も使いつつ、居合い術を駆使して切り結ぶよ
っていうか、なーんかこの敵さん憎めないんだよね
ニチアサ幹部的っていうか……ちょっぴりポンコツっていうか
ん、なに、お姉ちゃん?
失礼ですよって?
えー……それ親近感だったりしない?

【トワイライト】
アドリブ、野良連携歓迎。
「狙いは女性か。厄介な相手ですが、ウチの十六夜さんもけっこう厄介ですよ!」
ゴリラ状態のまま、又は素の人間姿のまま腕組み後方親戚面です。
「鎧闇よ、癒しの力を!」
お宮様のお札に祈り、地母神縁起によって負傷した味方を回復します。特に接近戦を得意とする白籍さんへ。
吹き飛び耐性と激痛耐性もありますし、十六夜さんの傭兵さんに攻撃が及ぶ場合は、矢面に立ちたいですね。
継戦能力を発揮して倒れず踏ん張りましょう。
戦闘が終わっていい雰囲気になりそうになっても私がさせない
「十六夜さん、嫁入り前の子女が少々やりすぎではないでしょうか!」
腕組み正面説教親戚と化します。
●
「お綺麗な貴女。お名前を伺ってもよろしいですかあ」
「あら、素敵なお出迎えね」
カツンとヒールの音と共に現れた『朧魔妲姫』に気後れするでも畏怖するでも無くお伺いを立てる|十六夜・月魅《いざよい・つきみ》(たぶんゆるふわ系・h02867)の姿に『朧魔妲姫』はゆるりと目を細める。
「素敵な椅子ね。座り心地はどうかしら?」
「たまに動くのが少し残念ですが座り心地はまぁまぁですよお」
「それは良かったわね」
にっこりと微笑み合う美女達。2人が浮かべる笑みだけを見れば眼福ものの光景だが月魅が腰掛けている椅子と月魅の足に縋りついている存在がノイズだった。
「酷い子達ね。あんなに可愛がってあげたのに」
悲し気な声音で零す『朧魔妲姫』の視線の先には呼吸を荒くして四つん這いになり月魅の椅子と化した『戦闘員』。更にはマタタビを嗅いだ猫のようにぐにゃりと月魅の足に縋りつく他の『戦闘員』達。先の戦闘で月魅のフェロモンにやられたまま正気に戻っていないようだ。
「この子たちは私の愛を受け入れてくれたんですよお」
「あら、あらあらあら」
足に縋りついている『戦闘員』達から適当な1人の顎をクイっと持ち上げてにっこりと微笑めば『戦闘員』は声にならない声を上げて崩れ落ち、『朧魔妲姫』の形の良い眉がピクリと動く。
「狙いは女性か。厄介な相手ですね」
「ええっと、まさか……私は好みのタイプではありませんよね……? 普通の錬金術士ですからね。……ね?」
「おっ、お姉ちゃん……」
そんな美女2人のやり取りを本来の姿に戻り後方で見ていた|峰・千早《みねちはや》(ヒーロー「ウラノアール」/獣妖「巨猴」・h00951)が呟けば傍らに居た|望月・惺奈《もちづき・せな》(存在証明の令嬢錬金術士・h04064)が青ざめ、月魅の大胆な行動に|白籍・ヌル《しろせき ぬる》(まだ無名・h05334)が動揺する。『朧魔妲姫』の狙いは女性で間違いないだろう。それは月魅を見る彼女の瞳に浮かぶ嗜虐の色が物語っている。【トワイライト】のメンバーは千早を除けば女性ばかり。あまり相性の良い相手とは言い難いが、しかし――。
「相手の好みのタイプは分かりませんが惺奈さんが対象に入っている可能性は十分にあると思います」
「そっ、そんな……」
「大丈夫です。朧魔妲姫は厄介な相手ではありますが」
一旦言葉を切り、腕を組んで千早は口を開く。
「ウチの十六夜さんもけっこう厄介ですよ!」
後方腕組親戚面で放たれた千早の言葉に惺奈とヌルの動きが暫しの間止まると当時に対峙していた美女達にも動きがあった。目障りになったのか、はたまた気に障ったのか『朧魔妲姫』が月魅に縋りついている『戦闘員』達を薙ぎ払おうとしたのを月魅が腕を掴んで止める。
「乱暴はダメですよお。さあみんな。罪を償って来て下さいねえ。また今度遊びましょう」
月魅の言葉にふらふらと歩いて行く『戦闘員』達を見送って月魅は掴んでいた『朧魔妲姫』の腕を引き寄せて顔を近づける。
「朧魔妲姫さま」
「!!」
顔を近づけた事で自然と体も近づき2人の豊満な胸が重なり合って押され形を変える。唇が触れるかと思うほどに近づき、なにやら2人の背景に白百合の花が咲き乱れる光景が見えた気がして千早は目を擦り、惺奈は2人のやり取りに両手で口を覆って頬を赤らめ、あまりな展開にヌルは冷や汗をかきながら今にも飛び出そうとしていた。
「良い顔で蕩けて下さいねえ」
「お姉ちゃん!!」
毒を含んだような甘やかな声音で『朧魔妲姫』に告げた月魅に『朧魔妲姫』が反応するよりも早く、我慢の出来なくなったヌルが月魅を横抱きにして『朧魔妲姫』から引き離して後方へと下がり。
「「「もう十六夜様の方が悪役だよ!!」」」
いつでも攻撃を仕掛けられるよう武装して一連の流れを見ていた【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の叫びが戦闘開始の合図となった。
「良い声を聞かせてちょうだい!」
「そこっ!」
「続きます!」
『朧魔妲姫』の放つ【狐妖尾乱舞】を尾の動きに合わせて受け流したヌルが居合術で攻撃をしかけるも鋭い爪に防がれるが『朧魔妲姫』が防御する事で出来た隙を突いて錬金術で錬成した重火器で惺奈が狙い撃ち、月魅の前で陣形を組んでいる【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】が惺奈を援護するように一斉射撃を開始する。
「先ほどから煩わしいわね」
言葉とは裏腹に楽し気に笑った『朧魔妲姫』が尻尾を鞭のようにしならせて【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】へと攻撃を放つ。少女と言えども女性である。一体どんな声を上げてくれるのかと『朧魔妲姫』が愉悦に背筋を震わせるが。
「させませんよ」
「残念だわ」
【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の前に躍り出た千早に攻撃を防がれてしまう。
「よそ見しないで」
「熱烈ね。嫌いじゃないわ」
千早に意識を取られていた『朧魔妲姫』へヌルの白刃が迫るが迎え撃つような形で【朧魔狐爪撃】を放たれ『朧魔妲姫』から距離を取る。
「みんな、頑張って下さい。後でご褒美ですよお」
入れ替わり立ち代わりに『朧魔妲姫』へと攻撃を仕掛ける【トワイライト】の面々を【|傭兵少女分隊《レプリノイド・スクワッド・マーセナリー》】の後ろで鼓舞する月魅。戦闘が苦手な月魅なので『朧魔妲姫』の相手は【トワイライト】の仲間頼りとなってしまうが月魅だって何もしていない訳では無い。『朧魔妲姫』とのやり取りの最中に【|精神干渉フェロモン《セイシンカンショウフェロモン》】で魅了に対する耐性を下げ、魔眼の魅了で思考をかく乱し仲間達が攻撃する隙を作り出しているのだ。
「母よ、鎧闇よ、力をお貸し下さい」
千早が【|地母神縁起《ディティ・コンプレクス》】で【護霊「闇峰の鎧闇」】を召喚する。
「鎧闇よ、癒しの力を!」
癒しの力が仲間を回復していく。『朧魔妲姫』との戦闘が長引けば無傷とはいかない。特に仲間を守るように動き縦横無尽に前衛で『朧魔妲姫』に張り付いているヌルはなおさらだ。傷を癒し、ここで一気に決着をつけたい。
「貴方もチョコレートが欲しい……と言う訳ではありませんか……残念ですね……」
錬金式百花繚乱砲で『朧魔妲姫』に狙いをつける惺奈が残念そうに言う。バレンタインデーとはチョコレートを大量に|作って《錬成して》、皆にプレゼントして回るイベント。それなのに『朧魔妲姫』はチョコレートを欲しがる所かめちゃくちゃにしようとしていた。
「錬金術は誰かを幸せにする為に使いたいのですが……こういう使い方だって出来るんですよ!」
錬金式百花繚乱砲が錬金式必滅兵装『星火燎原砲』に変形する。
「これが、皆を守り戦う為の錬金術です」
「くっ……」
【|勝利へ導く旗幟の錬金《ヴィクトワール》】から放たれた攻撃が『朧魔妲姫』へと命中し、浄化の光が降り注ぐ。
「全く……せっかくのバレンタインが台無しだよ。これはきつくお灸を据える必要があるね」
刀を鞘に戻して一呼吸し、ヌルは惺奈の攻撃に動きを止めた『朧魔妲姫』を見据えて体の重心を落とす。
(……あれ? でも、この敵さんが乱入してなかったら、お姉ちゃんの魅了チョコで大変なことになってたような気もする……?)
浮かんだ考えを一度目を閉じる事で振り払って集中する。この一撃で決着をつけるのだ。
「其は邪を断つ一刃。光なき夜闇の如く、尽く全き虚ろへと還れ」
地を蹴り、一気に『朧魔妲姫』へと近づく。【|秘伝・新月《ヒデン・シンゲツ》】の鋭い一閃が『朧魔妲姫』を捉えてその身を切り伏せる。
「ああ……、なんて事かしら。甚振るはずの獲物に甚振られるなんて」
怒涛の攻撃に『朧魔妲姫』が足を震わせながらも立ち上がりその美しい顔を歪ませて言葉を放つ。
「けれど、これで終わりだなんて思わないでちょうだい。私にはまだ――」
「いやですわ。そんなことをしないでくださいねえ」
まだ奥の手があるのだと【朧魔覇獣:災餓天金狐】に変身しようとした『朧魔妲姫』は気配を消して近づいた月魅によって口を閉ざし、変身の為に集めた力を霧散させる。くちゅり、と粘ついた水音が静まり返った空間に響く。千早は頭が痛いとばかりに手で頭を押さえ、惺奈は目の前の光景に目を丸くし、ヌルは呆然と目の前の光景を見ている事しか出来なかった。何故なら月魅が手作りチョコレート教室で作った生チョコレート(フェロモン混入品)を『朧魔妲姫』に口移ししていたからだ。
「ハッピーバレンタイン♪」
「……あっ」
小さく漏れた声は誰のものか。透明な糸を引いて唇を離した月魅と『朧魔妲姫』は暫し見つめ合った後、『朧魔妲姫』はゆっくりと意識を失った。流石に月魅の【|精神干渉フェロモン《セイシンカンショウフェロモン》】で魅了耐性が下がっている所への魔眼による攻撃やフェロモン入りの生チョコレート。更には止めとばかりに【|愛と戦の女神(嘘)《アスタルトミタイナモノ》】とくれば意識を失うのも当然の結果である。
「美しい方、またお会いしましょうねえ」
色々と聞きたい事があったのだが相手が意識を失っているのでは仕方ない。そう割り切り月魅は仲間を呼んだ。
「っていうか、なーんかこの敵さん憎めないんだよね。ニチアサ幹部的っていうか……ちょっぴりポンコツっていうか。ん、なに、お姉ちゃん?」
「ヌルちゃん。そんな事を言っては相手に失礼ですよお」
「失礼ですよって? えー……それ親近感だったりしない?」
「えっ、バレンタインデーとは……チョコレートを大量に|作って《錬成して》、皆にプレゼントして回るイベントではなかったんですか!?」
「なにやら誤解があるようですね、惺奈さん」
無事に『朧魔妲姫』との戦闘を終えて暫しの休憩を取る【トワイライト】の面々。あとは帰るだけの穏やかな時間。さぁ、帰ろうと声を上げようとした月魅の後ろにヌッと現れる影が一つ。
「十六夜さん、嫁入り前の子女が少々やりすぎではないでしょうか!」
それは、戦闘が終わっていい雰囲気になりそうになっても私がさせない。と腕組み正面説教親戚と化した千早だった。思わず助けを求めて視線を彷徨わせる月魅だったが惺奈は困ったように微笑み。ヌルは月魅と目を合わせない。どうやら千早以外の面々もやり過ぎだと思っているようだ。
「聞いていますか十六夜さん。今回の事ですが……」
雲一つない綺麗な青空が夕日の光を浴びて橙色に染まっていく中、腕組み正面説教親戚と化した千早のお説教がこんこんと続くのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功