シナリオ

メイド達のオタク狩り

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●特殊工作兵『ルドルフ・シュナイダー』の策
「なるほど。√EDENより人間を収奪したいと。ならば、私に良い策がございます」
 戦闘機械群の空中戦艦、その艦橋で、特殊工作兵『ルドルフ・シュナイダー』は恭しく頭を下げた。
「よかろう、言ってみよ」
 頭を下げられた側の相手、ルドルフの雇い主は、鷹揚に頷きながら続きを促す。
「大戦力を以て侵攻すれば、自ずと√EDEN側の星詠み共にも気取られやすくなることでしょう。
 此処は、秘密裏に事を進めて√EDENの人間達を拉致してくるのが上策かと」
「ルドルフの言や良し。貴様には、既に策があるのだろう? 必要な戦力を言うが良い」
「ありがたき幸せ。では、シュタイン・メイドとナイチンゲールをそれぞれ一部隊ずつ拝借したく」
「良かろう、連れて行け。期待しているぞ」
「ははっ! 必ずや、満足いく結果をお見せ致しましょう!」
 かくして、ルドルフはシュタインズ・メイドとナイチンゲールの隊を引き連れて意気揚々と出撃した。だが、ルドルフは未だ知らない。彼の策は、偶然にも現場を通りがかった星詠みによって察知されてしまうことを――。

●中央通りでの凶行
 その日、|九門・絢介《くもん・けんすけ》(しがないタクシー運転手・h02400)は上野で乗客を降ろし、中央通りを南下していた。
(このまま中央通りを南下し続けて、神田駅を経て日本橋に出るか。それとも、靖国通りで右折して本郷通りから日比谷通りに抜けるか……)
 この後、流し営業のルートを如何するか思案しつつ、絢介は車道の端にも目を配る。そこに行くまでの間にも、乗客がいるかも知れないからだ。
(んん……?)
 チラリ、と目をやった車道の端、その奥の歩道に違和感を感じて、絢介は営業車を端に寄せて停める。そして、違和感の原因に目を遣った。
 絢介の視線の先では、メイドが三人がかりでオタク風の男を強引に何処かに連れ込もうとしている。
(最近のメイド喫茶のメイドは、ああまで強引な客引きを……って、アイツら、簒奪者じゃねえか!)
 絢介が見たメイド達は、シュタインズ・メイドだった。
 ならば、√能力者として介入するべきか? 絢介は迷った。シュタインズ・メイドに勝てる自信はある。だが、営業車を置いて戦っている間に、運悪く駐車禁止の取締を受けてしまうリスクに躊躇した。もし取締を受けようものなら、違反点数の加算に加えて反則金を支払わねばならなくなり、会社にも迷惑がかかる。
 もっとも、絢介のこの迷いはすぐに解決した。この事件についての星を詠んでしまったからだ。こうなると、自分で介入するのではなく他の√能力者達を通じて解決するしかなくなる。
 ならばと、絢介はスーパーサインを回送に切り替えて秋葉原駅のタクシープールに向かい、休憩を装って営業車を停める。そして、インターネットを通じて√能力者達に呼びかけを行うと、反応してくれた者達をボイスチャットアプリのチャンネルに招待していった。

●メイド達のオタク狩りを阻止せよ
「今回は、私の呼びかけに応じて下さりありがとうございます」
 ボイスチャットで繋がっている√能力者達に向けて、まず絢介は礼を述べた。そして、自身が星詠みとして知った事件の内容について話していく。
 簒奪者達の狙いは、メイド喫茶のメイドを装ったシュタインズ・メイドにより秋葉原のオタク達を拉致する、いわゆるオタク狩りを秘密裏に行い、√ウォーゾーンに連行することにあると言う。
「皆さんには、まずこのシュタインズ・メイド達によるオタク狩りを止めて頂きたいのです」
 その方法として、拉致現場を直接押さえて阻止するのが順当だが、上手く偽装出来るならオタクを装って囮になるのもありだろうと絢介は語った。
「首尾良くシュタインズ・メイドを撃破したら、次は既に拉致されたオタク達を空輸しようとするナイチンゲールを追撃して、連れ去られようとしているオタク達を奪還して下さい」
 そこで一呼吸置いて、ただし、と絢介は付け加える。
「シュタインズ・メイドとの戦闘の状況次第では、向こうに介入を察知されて、特殊工作兵『ルドルフ・シュナイダー』に奪還を妨害される可能性があります」
 そうなると、拉致されたオタク達の救出は不可能となってしまう。つまり、彼等の命運は如何に上手くシュタインズ・メイドを阻止するかにかかっているのだ。
「皆さんならば、その辺りはきっと上手くやって下さると信じています。如何か、よろしくお願いします」
 そして、その結果が何れになったにせよ、事件が終わったならば平和を取り戻した秋葉原を楽しんで欲しいと、絢介は告げた。

マスターより

緑城雄山
 こんにちは、緑城雄山です。
 √EDENの5本目となるシナリオは、√EDENの秋葉原(~東京湾上)を舞台にお送りします。
 √ウォーゾーンによる資源収奪の一環として、メイド喫茶のメイドに偽装したシュタインズ・メイドによるオタク狩りが行われていますので、その阻止と、囚われたオタク達の救出をお願い致します。

●第1章
 秋葉原で行われている、シュタインズ・メイド達によるオタク狩りを阻止します。
 シュタインズ・メイドは基本的に3体1組となって、オタク狩りを行っています。つまり、リプレイの1本につき相手するシュタインズ・メイドは3体前後となります。これは、プレイングの1本につきではないことに注意して下さい(2人連携で挑んだりした場合、2対3前後となります)。
 オタク狩りの現場を探し当てて阻止するのが順当ですが、「上手くオタクに偽装出来るなら」囮となってシュタインズ・メイドを誘き寄せるのもありでしょう。
 注意点としまして、無差別攻撃系の能力を使った場合、拉致されようとしているオタクや周囲の一般人を巻き込んでしまう危険があります。その場合、プレイングを不採用でお返しするか、判定結果が悪くなるかの何れかとなりますのでご注意下さい。

●第2章
 第1章にて獲得した🔴の数によって、戦況が変化します。
 🔴が少なかった場合、東京湾上空にいる空中戦艦に拉致したオタク達を輸送しようとしているナイチンゲールへの追撃戦となります。オタク達はコンテナに詰め込まれていますので、撃破時に地面に落下するのを阻止する工夫が必要となるでしょう。
 また、無差別攻撃系の能力を使った場合、コンテナの中のオタク達が巻き込まれる可能性があることに注意して下さい。
 🔴が多かった場合、|殿《しんがり》を受け持ったルドルフ・シュナイダーとの戦闘となります。この場合、戦闘に関する注意点はありませんが、拉致されたオタク達の救出は不可能となります。

●第3章
 第2章での結果如何を問わず、平和を取り戻した秋葉原の街を楽しんで下さい。

 それでは、皆さんのプレイングを、楽しみにお待ちしています。
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第1章 集団戦 『シュタインズ・メイド』


POW 超完全機構の片鱗
【近未来ウォーゾーン化ビーム】を放ち、視界内の対象1体の装備ひとつに「レベル年分の技術革新」を与える。
SPD メイド喫茶『シュタイン』
予め、レベル坪までの【様々な事情通が集まるメイド喫茶】を建築しておく。【メイド喫茶の前に営業中看板】を出している間、[様々な事情通が集まるメイド喫茶]内部に【おねだり上手なメイドさん】を召喚し、内部にある書籍等を調べ念話で報告させたり、好きな物を自身の手元に転送させたりできる。
WIZ √相対性エフェクト
他√を「自身の現在地と同じ場所」から観察し、視界内の1体に【伝言を送る。その結果、なんやかんやで敵に】ダメージを与える。
イラスト あさぎあきら
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

【MSより補足】
シュタインズ・メイドの攻撃手段と√能力に関して、このシナリオにおいては以下のように扱います。
以下を踏まえまして、プレイングをお願い致します。

攻撃手段:隠し持っている銃器で攻撃してきます。
POW:所持している銃器の命中率とダメージが上がる運用となります。
SPD:メイド喫茶は、既に構えているものとします(そして、そこに既に拉致されたオタク達が集められていますが、彼等の奪還は第2章で行います。第1章では行えないことに注意して下さい)。ただし、この√能力は戦闘では影響を及ぼさないものとします。
WIZ:シュタインズ・メイドがいるのは√EDENであるため、発動条件を満たせず√能力を使用出来ないものとします。
心光・七七三
アドリブ歓迎
判定:WIZ
オタクを無理やり連れ去ってあれこれしようなんてメイドの風上にもおけないやつらデスね!正義のメイド怪人ななみちゃんが成敗してさしあげマス!

さて、というわけで行ってらっしゃいパンジャンドラム達!街中、特に路地裏とか細い道なんかを重点的に索敵デス!自爆は厳禁ですよ!
悪のメイドチームを見つけ次第現場に急行し、積極的に≪グラップル≫を仕掛けにいきマス!相手は3人一組、まずは一人を≪グラップル≫で拘束し、銃器に対する盾にしながら近づいて鉄拳をねじ込んでいきまショウ!

「オタクの呼ぶ声に導かれ、正義のメイド怪人ただいま参上!悪のメイドを成敗しマス!」

●秋葉原を飛び回るパンジャンドラム
「オタクを無理やり連れ去ってあれこれしようなんて、メイドの風上にもおけないやつらデスね!」
 シュタインズ・メイド達のオタク狩りに対して、|心光・七七三《こころみ・ななみ》(メイド怪人ちゃんが来た!・h03460)は心の底から憤っていた。正義のメイド怪人ななみちゃんとしては、このような輩は何としても成敗せねばならない。
「――というわけで、行ってらっしゃい。|本場英国仕込みのトンデモご奉仕兵器《パンジャンドラム》達! 自爆は厳禁デスよ!」
 すかさず、七七三は√能力『メイドクロス・ヴィクトリアン』を発動し、自身の周囲に十体の噴進式飛翔自立兵器≪パンジャンドラム≫を出現させた。……飛翔?
 そう、何とこのパンジャンドラム達、パンジャンドラムとしてあろうことか飛行するのである。しかも、四方八方を飛び回ることで索敵まで行うのだ。
 パンジャンドラムとは一体、と言いたくなるが、そう言う√能力であるのだから仕方がない。
 さて、パンジャンドラム達は秋葉原中を飛び回り、昌平橋近くの細い一方通行の路地で、シュタインズ・メイド達がオタクの男を強引に拉致しようとしているのを発見した。
「オタクの呼ぶ声に導かれ、正義のメイド怪人ただいま参上! 悪のメイドを成敗しマス!」
 早速現場に急行した七七三は、高らかにそう宣言。
(いや、別に呼んでないし、正義のメイド怪人って如何ツッコんだらいいかわからないけど――助かった!)
 オタクの男は内心でツッコミを入れつつも、どうやらこれが助けであるらしいことは本能的に察知。
「く――」
「遅いデス!」
 シュタインズ・メイド達が隠し持っていた銃を構えようとする前に、七七三はそのうちの一体に急接近して頭をアイアンクローで掴んだ。そして、残るシュタインズ・メイドに対する盾とする。
 残るシュタインズ・メイド達は同士討ちお構いなしで撃ってきたが、|肉盾《シュタインズ・メイド》を構えている七七三に有効なダメージは与えられない。
 ドカッ! バキッ!
 銃撃虚しく七七三の接近を許してしまったシュタインズ・メイド達は、七七三の鉄拳によってすぐさま戦闘不能に陥った。
 こうして、シュタインズ・メイド達は撃破され、狩られようとしていたオタクの男は七七三に丁寧に礼を述べるとこの場を去って行った。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

スクレンマンデ・サーク
「オタク狩り……許せないっすね……」

そのような生活に憧れて人化けの術を必死に覚えた身なので、
他人事ではいられません。

昨今はメイド喫茶も女性客が多いようですから、
『いかにも』な格好をしていれば釣れるでしょうか。
普段からいわゆるオタクの生態をしているので、
はたから見れば自然な所作……であればいいな。

首尾よくシュタインズ・メイド達と遭遇できたら、
スキを見てまず一人に√能力の三連重撃を行って数の不利を少しでも減らすことを狙いましょう。

そのあとは周囲の人を銃撃に巻き込まないように立ち回りに気をつけつつ、
メイド達の制圧に尽力します。

●これは紛う事なき|インドア派《オタク》の姿
 かつて獣妖であったアイアン・ワームは、ある時に目の当たりにした色鮮やかな廃棄物の――いわゆるアニメ関連の――色彩に心を奪われ、必死になって人化けの術を会得した。
 それだけに、今回の事件に対してスクレンマンデ・サーク(食べるの大好きアイアン・ワーム!・h03192)は他人事ではいられないし、その胸中には怒りの炎が渦巻いている。
「オタク狩り……許せないっすね……」
 ポツリと、それだけを漏らすスクレンマンデ。その静けさが、むしろ彼女の憤りの激しさを示していた。
(昨今はメイド喫茶も女性客が多いと聞くっす。それなら、『いかにも』な格好をしていれば釣れるっすかね……?)
 そう考えて囮になることに決めたスクレンマンデは、秋葉原駅の電気街口を出ると中央通りの方へと歩き出した。その格好は、Tシャツにジーンズのオーバーオール、スニーカーにバックパック、そして黒の丸縁メガネと言う、まさに「いかにも」なものだ。
「お嬢様、私達のお店にいらっしゃいませんか?」
(ここだと、人が多すぎっすね。仕方ないっす。もう少し、人のいないところへ……)
 早速誘いをかけてきたシュタインズ・メイド達に対し、スクレンマンデは此処を戦場には出来ないと判断して、誘われるままについていく。
 そして、人気のない場所に連れ込まれたところで、スクレンマンデは動いた。
「どおりゃああああああっす!!!」
 √能力『|三連重撃《トリプルコンボ》』、発動。
 此処まで難無くスクレンマンデを伴ってくる事が出来た故に油断しきっている、シュタインズ・メイドの一体に対して後ろから足払いをかけた。モロに足を払われてバランスを崩したシュタインズ・メイドを特別製ロープで捕縛した上で、頑丈なカバンを大きく振り上げてから勢い良く叩き付ける。
 ゴスッ! 小気味よい音が響くと同時に、三連重撃を受けたシュタインズ・メイドは昏倒した。
 あとはもう、スクレンマンデのペースだった。完全に油断しきっていたシュタインズ・メイド達が慌てて隠し持っている銃器を取り出すより早く、一人、また一人と三連重撃によって制圧する。
 かくして、スクレンマンデと言う囮に引っかかったシュタインズ・メイド達は全滅した。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

黄羽・瑠美奈
「とりまメイドの不始末はメイドがつけるってことで、オタク君達を助けてあげないとね〜」
そんな感じで秋葉原にメイドさん降臨だよ
まずは強引な客引きメイドの情報を集めるかなー。メイド服で行えば『同業者』って見られて詳しく教えてくれたりとかないかなー?
出現場所とか絞れたら、味方と情報共有して探すよ

「そのオタク君をどこへ連れてくつもりかなー?」
客引きの奪い合いか何かと油断させつつ、こちらも隠し持ってたウイングシューターで襲撃するよ。射撃モードは周囲へ被害を出しづらいタイプに変えておく。オタク君を逃す事を最優先にしつつ、無事に逃がせたら威力高めのモードに変えて応戦

戦況で次章総帥(能力者)の助けが必要か判断

●メイド達への聞き込み
 秋葉原に、新たに一人のメイドが降臨した。|黄羽・瑠美奈《きば・るみな》(メイドイエロー・h05439)だ。
「とりまメイドの不始末はメイドがつけるってことで、オタク君達を助けてあげないとね〜」
 そのために瑠美奈が採った手法は、外で声かけを行っているメイド喫茶のメイド達からの情報収集だ。
「ウチ、強引にご主人様を店に連れてくメイド達を探してるんだけど、何か知らないかなー?」
「そのメイド達なら、見たよ。何処の店のメイドなのかなぁ。あんな強引なことをするなんて」
 程なくして、瑠美奈が探しているメイド達、シュタインズ・メイドの目撃情報は得られた。
 真っ当なメイド喫茶の呼び込みは持ち場から動く事はなく、そこから声をかけてくるだけだ。それだけに、付きまとってくるような客引きをしているだけでも目立つ。オタクを強引に連れて行くような事をしていれば、なおさらだ。
「でも、そんなメイド達を追ってどうするの? 反社かもよ。危なくない?」
「心配してくれて、ありがと。でも、大丈夫だよ☆ ウチには、頼れる仲間がいるんだから!」
「そう、それならいいんだけど……」
 メイドの心配には感謝を示しつつ、瑠美奈は自信満々に大丈夫だと宣言した。こうなると、メイドもそれ以上は強くは言えない。
 ともあれ、目撃情報によって手がかりは得られたので、瑠美奈は闘志戦隊ファンダーズの仲間達と共にシュタインズ・メイドの捜索にかかった。そして、気弱そうなオタク男性を取り囲んで強引に連行しているメイド達を発見する。
「そのオタク君を、どこへ連れてくつもりかなー?」
 瑠美奈はそう声をかけると、隠し持っていたレーザー銃「ウィングシューター」でシュタインズ・メイドに急襲をかけた。まだ近くにオタク男性がいるので、出力と範囲は絞ってある。
 一方、シュタインズ・メイドも隠し持っていた銃器を抜いて応戦に出た。
「ひ、ひいっ!」
「今のうちに逃げて! 早く!」
 目の前でいきなり銃撃戦が始まったことに怯えるオタク男性に対し、瑠美奈は逃げるように叱咤。それで我に返ったオタク男性がその場から逃れたら、瑠美奈はウィングシューターの出力を上げ、攻撃範囲を拡げて銃撃戦を戦った。
 その結果、数の不利もあり無傷とは行かなかったものの、瑠美奈はシュタインズ・メイド達の殲滅に成功した。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

世渡・鋼牙
 メイドさんが趣味、ってわけじゃあないが俺は|最初《ハナ》っからオタクだからな。ちょいと服装をそれっぽくするだけで現場に違和感なく紛れ込めるだろうぜ。そうして囮になって現場を押さえる。そう都合よくは使えないだろうが、状況を観察して行けそうな状況であれば回転も加えるぜ。ダメならダメで普通に1体ずつ蹴り倒していくだけだ。
「メイドさんを倒すってのは、見た目も悪いしちょっとばかし気が引けるが、やらないわけにもいかないんでな」
『実際ちょっと可愛いんだよなー』とか『ロボメイドは鉄板の属性だよな』なんてことは考えるが1体くらい貰ってもバレないだろう、ってわけにはいかないからな。そのくらいの分別はあるさ。

●世界を渡り、人々を守る鋼の牙
 世渡・鋼牙(人間(√マスクド・ヒーロー)のヴィークル・ライダー・h02786)は、ヒーロー好きが高じて重甲着装者となるにまで至った、ある意味で突き抜けたオタクである。当然、ヒーローとして人々を護る決意を宿している。
 それだけに、罪なきオタク達が拉致されていると聞かされた鋼牙が、動かない理由はなかった。
(メイドさんが趣味、ってわけじゃあないが、俺は|最初《ハナ》っからオタクだからな)
 そう自認する鋼牙としては、少々服装をそれらしくするだけで囮として通用するだろうと言う読みがあった。だが、ここで一つ問題が発生する。
(ライダー・ヴィークル、如何しよう……)
 オタクとして囮になるなら、ライダー・ヴィークルには乗らずに徒歩で動くのが自然だ。だが、鋼牙の√能力『ライダー・キック』は乗っているライダー・ヴィークルから跳躍する必要があるため、徒歩で動くならこの√能力は使用不可となる。
 しばし悩んだ結果、鋼牙は囮になることを諦め、シュタインズ・メイドによるオタク狩りの現場をライダー・ヴィークルで探し回ることにした。
 そうして秋葉原中を走り回った結果、鋼牙は今まさにシュタインズ・メイド達がオタク男性を拉致せんとしている現場に遭遇する。
 ライダー・ヴィークルを走らせながら、鋼牙は瞬時に重甲を装着。
「世界を渡り、人々を守る鋼の牙! 参上!
 メイドさんを倒すってのは、見た目も悪いしちょっとばかし気が引けるが、やらないわけにもいかないんでな!」
 そしてシュタインズ・メイド達に叫びながら、√能力『ライダー・キック』を発動した。
 瞬く間にライダー・ヴィークルのシート上に直立すると、すかさずそこから空高く跳躍。脚に炎を纏い、空中できりもみ回転を加えながら、シュタインズ・メイド達めがけて蹴撃を放った。
 ズドォン! 鋼牙のライダー・キックは、シュタインズ・メイドの一体に直撃し、戦闘不能に陥らせた。さらに、インパクトの瞬間に周囲へと拡がった炎熱を纏った衝撃波が、残る二体も戦闘不能にさせる。なおこの衝撃波は、オタク男性は素通りしていた。
(実際、ちょっと可愛いんだよなー。ロボメイドは鉄板の属性だし)
 もったいなさそうにシュタインズ・メイドの残骸を見遣る鋼牙だったが、さすがに分別が働いてか持ち帰るようなことはなかった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第2章 集団戦 『ナイチンゲール』


POW ナイチンゲールドライブ
【超高速飛翔突撃】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【背骨】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
SPD オプショナルメカニック
移動せず3秒詠唱する毎に、1回攻撃or反射or目潰しor物品修理して消える【小夜啼鳥型ロボット】をひとつ創造する。移動すると、現在召喚中の[小夜啼鳥型ロボット]は全て消える。
WIZ ナイチンゲールライド
事前に招集しておいた12体の【ナイチンゲール部隊】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[ナイチンゲール部隊]全員の反応速度が半減する。
イラスト 稲咲
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●拉致されたオタク達を救出せよ
 シュタインズ・メイド達が拉致してきたオタク達をコンテナに詰め込んで空輸せんとしていたナイチンゲール達は、騒然としていた。
 あまりにも早すぎるタイミングで、√能力者が現れたからだ。
 本来なら、ナイチンゲール達が東京湾に向けて出発した後、ルドルフ・シュナイダーが殿となって邪魔者の足止めをする手筈だった。だが、そのルドルフは今、此処にいない。
 やむを得ず、ナイチンゲール達は一部をコンテナの空輸に充て、残りは全て√能力者を迎撃することにする。
 迎撃に出た個体を残らず撃破した上で、最終的にコンテナの空輸を担う個体も撃破しなければ、オタク達はコンテナごと連れ去られてしまうだろう。
 コンテナのオタク達の命運は、√能力者達の働きにかかっていた。

【MSより補足】
 マスターコメントにも記載してますが、改めて。
 この章においても無差別攻撃系の能力を使用した場合、無差別攻撃系の能力を使った場合、コンテナの中のオタク達が巻き込まれる可能性があります。ご注意下さい。

 また、第1章での🔴が0であったため、状況はコンテナ離陸前となります。そのため、マスターコメントに記載している「撃破時に地面に落下するのを阻止する工夫」は不要となります。
世渡・鋼牙
 囮作戦では不覚を取ったが、今回はちゃんとヴィークルに乗っていても大丈夫だぜ! 前回の失敗は、ここできっちり取り返すぜ。
 基本的な戦術としては範囲攻撃と単体攻撃を使い分けられるライダー・キックを適宜使い分けてナイチンゲールを撃破していく。あと、有効そうなら試してみたい戦術として、ヴィークルの活用がある。ヴィークルで駆け抜けざまにナイチンゲールの体を引っ掴んだり、ヴィークルでひき逃げアタックしたら強制的に移動させられるんじゃないか? 成功したら、キックよりも無駄が少ないし新しい手札として積極的に活用する。
「確か、移動すると創造物は消えるんだったよな? あっちでデートと行こうか、お嬢ちゃん」

●ライダー無双
「前回の失敗は、ここできっちり取り返すぜ」
 捕えたオタク達を空輸しようとするナイチンゲールを前にして、世渡・鋼牙(人間(√マスクド・ヒーロー)のヴィークル・ライダー・h02786)はそう意気込んだ。
 先刻、ライダー・ヴィークルの事を失念していたために、シュタインズ・メイド達を相手に鋼牙が試みた囮作戦は不発に終わってしまった。鋼牙の言う失敗とはその事だが、その代わりにライダー・ヴィークルで秋葉原を走り回ってシュタインズ・メイドを発見・撃破したのだから、実際の戦果としては失敗どころか成功であった。
 ただ、自身の目論見が不発に終わったのは不満に思うところがあり、その雪辱に鋼牙は燃えていた。
「まとめて、蹴散らしてやる!」
 鋼牙の足止めに集まってきたナイチンゲールの先頭集団を相手に、鋼牙は√能力『ライダー・キック』を発動。
 ライダー・ヴィークルから高く跳躍し、空中でグルグルと錐揉み回転して急降下。炎を纏わせた鋼牙の脚の先にいたナイチンゲールが、胴部を貫かれて瞬く間に爆発炎上した。
 さらに、そこから拡がる爆風が周囲のナイチンゲール三体を巻き込んで、直撃を受けた個体と同様に爆発炎上させていく。
 爆風に巻き込まれなかったナイチンゲール達は、√能力を発動して小夜啼鳥の姿をしたロボットを創造し、鋼牙への反撃を試みる。だが。
「確か、移動するとその小夜啼鳥は消えるんだったよな? あっちでデートと行こうか、お嬢ちゃん」
 ライダー・ヴィークルに乗り直した鋼牙が、ナイチンゲールを轢いて弾き飛ばし、別のナイチンゲールを引っ掴んで引きずり回す。さらに、慣性の付いたそのナイチンゲールを、また別のナイチンゲールへと放り投げた。
「ぐっ! ……ああっ!」
 鋼牙の狙いどおり、轢かれた個体も、引きずり回された個体も、その個体をぶつけられて体勢を崩しよろけた個体も、小夜啼鳥型ロボットをその場に留めておく事は出来なかった。鋼牙によって、見事に√能力の弱点を衝かれてしまったのだ。
 かくして、鋼牙はライダー・ヴィークルを活用してナイチンゲール達の√能力を封じつつ、好機を見出してはライダー・キックで次々とナイチンゲール達を撃破していった。
 もしコンテナの中のオタク達がこの光景を目の当たりにしていれば、特撮ヒーローのようなライダーが無双している、とその戦いぶりを讃えていたであろう。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

スクレンマンデ・サーク
「さて、見つけたっす……よし。
 同志達のことは解放してもらうっすよ……!」

事件概要からして連れ去られた方達を助けるところまでが仕事で、
当然この女も最後まで遂行するつもりです。

幸いにも他の能力者達も頑張ってくれたのか、
離陸する前に発見することができたようなので、ためらうことはないでしょう。
√能力『人化解除・鉄蟲起動』を使い、ワーム型になってナイチンゲール達に切り込みます。

乱戦になりそうな上に、護るべきものもあるので、
全長は控えめに、硬度と重量重視の変化を用い、
コンテナの保護を最優先に、他の能力者に危険が及んでいればそれもカバーするように、
人々の保護を優先しながら戦います。
心光・七七三
アドリブ·絡み歓迎
判定:SPD
悪のメイドの上位機種が相手デスね!正義のメイド怪人の鉄槌を下してやりマスよ!

まずは体力を減らしてやりまショウ。こちらは飛行出来まセンから、突っ込んで来たらグラップルで逆に掴み上げて攻撃して、立ち止まってロボットを創造するのであれば『メイドクロス・アキバネコ』で攻撃デス!
…とはいえ、『メイドクロス・アキバネコ』は適当に撃っても有効打にはなりまセン。充分にダメージを与えてから撃ち込むことにいたしまショウ。
「くらえ必殺!目からビィィィィムッ!にゃっ!」

●アイアン・ワームとメイド怪人の共闘
「さて、見つけたっす……よし。同志達のことは解放してもらうっすよ……!」
 今まさに離陸せんとしているコンテナを遠目に発見したスクレンマンデ・サーク(食べるの大好きアイアン・ワーム!・h03192)は、そう意気込んで見せた。あのコンテナの中に囚われている|同士《オタク》達を救出するまでが仕事であり、スクレンマンデとしても最後までその仕事を遂行するつもりだった。
「悪のメイドの上位機種が相手デスね! 正義のメイド怪人の鉄槌を下してやりマスよ!」
 |心光・七七三《こころみ・ななみ》(メイド怪人ちゃんが来た!・h03460)もまた、そう意気込んでみせる。厳密に言えば、シュタインズ・メイドとナイチンゲールのどちらが上位とか言う事はないのだが、それはともかく。
「まずワタシが切り込むっす。続いてもらっていいっすか?」
「任せるデス!」
 √能力『|人化解除・鉄蟲起動《アイアン・ワーム・アッセンブル》』を早速発動し、本来のアイアン・ワームの姿に戻ったスクレンマンデの言葉に、七七三はコクリと頷いた。
 コンテナを輸送する要員を護らんと迎撃に出てきたナイチンゲール達に向かって、スクレンマンデが突撃する。今回、乱戦になりそうなこともあってスクレンマンデは全長を抑えた上で、硬度と重量を重視した姿となっている。
 となれば、その突撃はナイチンゲール達を蹂躙するのに十分なものであった。次々と、ナイチンゲール達はスクレンマンデの突進の前に弾き飛ばされていく。
「くらえ必殺! 目からビィィィィムッ! にゃっ!」
 その弾き飛ばされたナイチンゲール達に対し、七七三は√能力『|メイドクロス・アキバネコ《メイドクロス・アキバキャット》』を発動して追撃を仕掛けた。スクレンマンデの突撃を受けてダメージを負っていたナイチンゲール達は、七七三の目から放たれるビームに耐えられずに爆発していく。
 ナイチンゲール達は反撃に出ようと、小夜啼鳥型のロボットを創り出して七七三を攻撃しようとする。だが。
「やらせないっすよ」
 それを察したスクレンマンデがナイチンゲール達に突進して弾き飛ばすことで、小夜啼鳥型のロボットを消滅させた。
「ありがとうございマス!」
 七七三はスクレンマンデに礼を述べつつ、目からビームを放ってスクレンマンデに弾き飛ばされたナイチンゲール達を攻撃する。次々と、ナイチンゲール達は爆発していった。
「くっ! しかし、それなら……!」
 ならばと、ナイチンゲール達は超高速で飛翔してから、スクレンマンデに突撃せんとする。
「今度は、わたしがスクレンマンデ様を助ける番デス!」
 そのナイチンゲール達を、七七三は目からのビームで牽制。これにより、ナイチンゲール達の突撃は威力を殺がれてしまった。
「ぐっ……! 同士達を助けるためなら、このぐらいは平気っす……!」
 それでも、ナイチンゲール達の突撃の威力は高く、スクレンマンデの受けた傷はその言葉とは裏腹に浅からぬものではあった。だが、それでもスクレンマンデが戦闘不能に陥るほどのダメージを受けなかったのは、一つには七七三の牽制で突撃の威力が殺がれていたこと、もう一つにはスクレンマンデ自身が硬度を重視した姿になっていたことがあった。
 このどちらかが欠けていても、スクレンマンデは戦闘不能に追い込まれていただろう。その事実は、スクレンマンデ自身がよく理解している。
「ワタシの方こそ、ありがとうっす!」
 故にスクレンマンデが礼を述べる間にも、七七三は突撃してきたナイチンゲール達の身体を次々と掴んでは地面に叩き付けている。スクレンマンデに対してこれ以上の突撃をさせる気は、七七三にはなかった。
 スクレンマンデもその意図を察して、地面に叩き付けられたナイチンゲール達にのしかかり、あるいは弾き飛ばし、ダメージを負わせていく。そうなれば、ナイチンゲール達を待つ運命は、七七三の目から放たれるビームによる爆発であった。
 ――かくして、スクレンマンデと七七三のコンビは、次々とナイチンゲール達を撃破してその数を削っていった。スクレンマンデの受けた傷が深くなり撤退を余儀なくされた時点で未だ生存しているナイチンゲールの数は、当初の四分の一にまで減少していた。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

赤龍院・嵐土
瑠美奈君(h05439)から要請を受けて応援に来たぞ
「このまま攫わせる訳にはいかんな」
ドラゴンズケインでナイチンゲール部隊を相手するぞ。近距離の敵を殴打したり、離れた相手にはレーザー射撃。向こうの攻撃は武器受けで防いだり。で、こっちに注目が行ったところで
「未だ瑠美奈君!」
【隊員召喚】で瑠美奈君に自身の鳥型マシン『ファンダーフェニックス』に搭乗した状態で搭乗してもらい、オタク達が捕まっているコンテナを掴んで安全地点へ運んでもらう
「はっはっは!反応が遅い!」
コンテナの方に対応しようとした奴から順に、その隙を突いて倒してゆく。ファンダフェニックスからもレーザーを放ったりして迎撃だ

●救出、完了!
「瑠美奈君から要請を受けて応援に来たが……ふむ」
 戦隊『闘志戦隊ファンダーズ』のリーダーである|赤龍院・嵐土《せきりゅういん・らんど》(プレジデントレッド・h05092)は、コンテナの周囲にいるナイチンゲール達の数を見て、これまでの戦闘で戦況が相当優位に進んだのだろうと察した。この分ならば、ナイチンゲール達を完全に殲滅出来るとも判断している。そして、コンテナの中にいるオタク達の救出については、嵐土には秘策があった。
「闘志戦隊ファンダーズ、プレジデントレッドだ! その中にいる人々を、そのまま攫わせたりはしない!」
 龍をモチーフとしたバトルスーツを身に纏うと、嵐土はナイチンゲール達に向かって高らかに叫んだ。
「おのれ! 邪魔はさせない!」
「ほう、まだ予備戦力を残していたか。だが!」
 √能力によって予め用意しておいた戦力を展開したナイチンゲールの数が、十三倍に膨れ上がる。しかし、嵐土は不敵に笑いながら竜頭の装飾が施された杖「ドラゴンズケイン」を構えた。
 レーザー射撃で牽制してから切り込み、手近なナイチンゲールを殴打する。ナイチンゲールからの攻撃は、ドラゴンズケインで受けて防いだ。
 ナイチンゲールの数は多いが、代償として反応速度が半減している。故に、数の差はほとんど問題にはならず、ナイチンゲール達が輸送要員さえも投入してきても、嵐土は互角に戦えていた。
「今だ! 瑠美奈君!」
 そして、ナイチンゲール達の注意が完全に自身に集中しきったと判断したタイミングで、嵐土は√能力『隊員召喚』を発動し、闘志戦隊ファンダーズの一員、|黄羽・瑠美奈《きば・るみな》(メイドイエロー・h05439)を鳥型ヴィークル「ファンダーフェニックス」ごと喚んだ。
 瑠美奈の駆るファンダーフェニックスは、オタク達のいるコンテナを掴むと戦場を急速離脱。そのまま、安全圏へと退避した。
「しま――」
「はっはっは! 反応が遅い!」
 ナイチンゲール達が動揺し、コンテナに意識を向けたところで、嵐土はその隙を衝いて一気呵成に攻撃を仕掛け、次々とナイチンゲールを撃破。
 それが決定打となって、戦況はますます嵐土の優位へと傾いていった。ナイチンゲール達が動揺から立ち直っても時は既に遅しで、戦況を覆せずにそのまま全滅した。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 日常 『今日は街に出かけよう♪』


POW 体力の続く限り回りたいお店や場所を見て回り遊び尽くす。
SPD 時間まで手早く移動して目的のお店や場所を見て回る。
WIZ 人気スポットを予め調べて、最適なルートを考えてから効率的に見て回る。
√EDEN 普通5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●平和な秋葉原を楽しもう
 ルドルフ・シュナイダーの策は、√能力者達の活躍により失敗に終わった。
 √ウォーゾーンの手先はいなくなり、平和な秋葉原が戻ってきたのだ。
 もしかしたら、再び√ウォーゾーンの、あるいはそれ以外の√からの侵略があるかも知れない。
 だが、仮に束の間のものだとしても、自分達が護った平穏を満喫するのは悪いことではないだろう。
 秋葉原と言う街は、きっと訪れる者に様々な楽しみを与えてくれるはずだ。
スクレンマンデ・サーク
「いやあ……日常っていいもんすねえ……」

√能力者として事件を解決した後の雰囲気というか、
そういう一段落した空気はいつも好きなのですが……
今回は舞台が秋葉原ということもあって、
感慨もひとしおです。

「さて、せっかくだからどこかへ……」

どこへ行っても楽しい街であるけれど、
だからこそ向かう先には迷うもの。

と、ここでピンと来るものがありました。
向かおうと考えた先は……メイド喫茶です。
メイド喫茶から始まった事件なのだから、これも縁。
せっかくだから、メイド喫茶でもてなされちゃお~っと!……といった塩梅です。

●クラシカルな正統派メイドに導かれ
「いやあ……日常っていいもんすねえ……」
 秋葉原駅の電気街口で行き交う人々の様子を眺めながら、スクレンマンデ・サーク(食べるの大好きアイアン・ワーム!・h03192)はその光景を堪能していた。
 簒奪者達の侵略を√能力者として退けた後の、事件が終結して非日常から日常に戻ってきたと感じる現場の空気を、スクレンマンデはいつも好ましく感じている。
ましてや、今回の現場はオタク達にとって「聖地」とも言える秋葉原だ。それもあってか、スクレンマンデの感慨もひとしお強い。
「さて、せっかくだからどこかへ……」
 平和な秋葉原の空気を存分に堪能したスクレンマンデは、何処かの店によって楽しもうと、中央通りの方へ出ていく。通り沿いにずらりと並ぶ、あるいは路地の中にある、様々な店舗の何れに行っても、きっと楽しめるはずだ。だが、それだけにかえってスクレンマンデにとっては悩ましい。
 とりあえず中央通りを北上しながら考えることにしたスクレンマンデは、歩道で呼び込みに立つメイド達の姿を見てピンと来るものを感じた。
(そうっすね。メイド喫茶に行くっすよ。
 せっかくだから、メイド喫茶でもてなされちゃお~っと!)
 今回の事件は、メイドから始まった。ならば、これも縁とスクレンマンデは考えたのだ。
 では何処のメイド喫茶に行こうかと、スクレンマンデは呼び込みのメイドを何人か見比べる。そして、一人のクラシカルな正統派スタイルのメイドに目を止めた。
 ストレートロングの黒髪に化粧っ気の薄いそのメイドは、何よりも立ち姿が美しく何処か気品が感じられた。このメイドならば間違いないと、スクレンマンデの本能と直感が訴える。
「あの……あなたに、おもてなしされたいっす。お店に案内してもらっていいっずか?」
「ええ、もちろんですわ。お嬢様」
 おずおずと話しかけ、メイド喫茶への案内を頼んだスクレンマンデに、そのメイドは嬉しそうにニコリと微笑んで応えた。
 案内されたメイド喫茶『メイドの園』の店内に入っていけば、すぐさま「お帰りなさいませ、お嬢様」と店内全てのメイドが、スクレンマンデに頭を下げながら気持ちよく挨拶する。
 そしてケチャップでハートマークが描かれたオムライスを作ってもらったり、ミニゲームを一緒に楽しんだりとたっぷりとおもてなしされえたスクレンマンデは、改めて思うのだった。
(やっぱり、秋葉原は最高っす!)
🔵​🔵​🔵​ 大成功

黄羽・瑠美奈
「秋葉原〜⭐︎さぁて、どこに遊びに行こうかな〜」
メイド服のままだと、お店の人と勘違いされちゃうからね。カジュアルな格好で回ってくよ〜
行き先はメイドカフェ
「メイドカフェのメイドさんってメイドであってメイドでないような〜例えるならカップ焼きそば?」
普段は赤龍院家のメイドとして働いている身だけど、こう言うところのメイドさんのおもてなしを受けてみようって思った次第なワケ
「とりあえず、何頼もうかな〜?」
メニュー食べて、メイドさんとゲームして、チェキも撮って堪能するよ〜

「今度、このノリで総帥に給仕してみっか」
実際にメイドカフェ風に給仕をやったら総帥の受けは良かったけど、執事にむっちゃ怒られた

●メイドによるメイドカフェ体験
「秋葉原〜☆ さぁて、どこに遊びに行こうかな〜」
 イエローを主体とした、カジュアルな服装に着替えた|黄羽・瑠美奈《きば・るみな》(メイドイエロー・h05439)は、事件が解決した後の秋葉原を訪て、周囲を見回す。
 そうして秋葉原を散策するうちに、瑠美奈はあるメイドカフェの前で足を止めた。そのメイドカフェの名は、『マジカル☆カフェ』と言った。
「お帰りなさいませ、お嬢様♪」
 瑠美奈が店内に入ると、メイド達からの挨拶が飛んできた。そのノリは、何処かきゃぴっとしたものを感じさせる。
 彼女達のメイド服はと言えば、クラシカルなスタイルとは違った、スカート丈が短くなっていて様々なカラーバリエーションがある、客からのウケを意識したものだ。瑠美奈が普段着用しているメイド服も、この系統に近い。
(メイドカフェのメイドさんって、メイドであってメイドでないような〜?)
 普段、赤龍院家で本職のメイドとして働いている瑠美奈が、メイドカフェのメイド達のおもてなしを受けてそう感じたのは無理からぬところであろう。ともあれ、瑠美奈は最初の目的どおり、メイド達のおもてなしがどんなものかを堪能しながら確かめていく。
 まず、メニューから定番のオムライスを注文。
「美味しくなあれ~♪ きゅん♡」
 瑠美奈の前に置かれたオムライスに、メイドが手でハートを作ってオムライスに向けて、「魔法」をかけた。
(今度、このノリで総帥に給仕してみっか)
 それを見た瑠美奈は、赤龍院家の主である|嵐土《らんど》にそうしてみようと決める。
 オムライスを食べた後は、ミニゲームで遊んだり、チェキも撮ってと、瑠美奈はすっかりメイドカフェを堪能した。

 所は変わって、赤龍院家。
「お帰りなさいませ、ご主人様♪」
「あ、ああ」
 帰宅してきた嵐土を、瑠美奈はメイドカフェ風の挨拶で出迎える。普段と違う瑠美奈のノリに戸惑いつつも、嵐土は食卓に夕食を運ぶよう指示する。それに従い、瑠美奈は夕食の給仕を務めるのだが。
「今、美味しくなる魔法をかけるね」
「……魔法?」
「美味しくなあれ~♪ きゅん♡」
 メイドカフェのメイドの真似をして、瑠美奈は手でハートマークを作り、「魔法」をかける。
「あっはっは! 何だね、それは!」
 嵐土はこのメイドカフェ風の給仕を大層面白がったが、瑠美奈は後で執事の|青亀・良助 《あおき・りょうすけ》に、滅茶苦茶怒られることになるのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

世渡・鋼牙
 平和になって万々歳……と言いたいところなんだが、ここから先もある意味戦いなんだよなぁ。ソフビにトレカに漫画、買いたいものがわんさかだからな! 一定額以上の買い物とか条件ある特典もあるし、早めに行かないと入手できるかわからない限定品なんかもある……こいつは流石に手当たり次第じゃ効率悪すぎるぜ。移動しながらでも回り方を考えないとな。ある程度回ったら、休憩でメイド喫茶とか寄ってみるか。
「普段はこういう所は来ないんだけど今回は事件の内容が内容だし、ちょっとした気分転換だな」
 アドリブ、絡み、連携歓迎。

●多々買いの果てに
「平和になって万々歳……と言いたいところなんだが、ここから先もある意味戦いなんだよなぁ」
 √ウォーゾーンからの簒奪者達を撃破し、平穏が戻ってきた秋葉原で世渡・鋼牙(人間(√マスクド・ヒーロー)のヴィークル・ライダー・h02786)は独り言ちた。何故ならば。
「ソフビにトレカに漫画、買いたいものがわんさかだからな!」
 そう。今までの戦いは√能力者として簒奪者を退けるための戦いであったが、此処からはオタクとして種々のグッズを入手出来るかの戦いなのだ。
 わずかの出遅れが致命的になりかねない、数量限定の品。一定額以上の購入を条件とする特典。さすがに、手当たり次第でこれらの品々を入手しようとするのは効率が悪すぎた。
(此処から、如何回っていく……?)
 会計前の待ち時間、あるいはショップの入っているビルを昇降する時間など、わずかな時間さえも活用して、鋼牙は頭をフル回転させる。負けられない戦いが、そこにはあった。
 結果、鋼牙は今日購入するべきグッズを全て押さえることに成功する。だが、日が傾くまで秋葉原中を駆けずり回っていたこともあり、その肉体は疲労困憊だった。
 そんな中、とあるメイド喫茶が鋼牙の視界に入ってきた。店名は、『けもの☆めいど』と言う。
(今回は事件の内容が内容だったし、此処で気分転換してみるか)
 休息を求める身体の求めに応じて、鋼牙は店内へと入っていった。
「お帰りなさいませ。ご主人様♪」
 そう鋼牙に挨拶するメイド達の頭には、犬や猫、狐、兎などの獣耳があった。そして、メイド服のスカートの後ろには、尻尾まで生えている。どうやらこの店は、その名のとおりに獣人娘をコンセプトとしているようだった。
「さぁさぁ、ご主人様。こっちへどうぞにゃん♪」
 猫耳メイドに案内されて席に着いた鋼牙は、オムライスとエスプレッソコーヒーを注文。そして、ケチャップでオムライスに、エスプレッソにミルクで、可愛らしい猫の絵を描いてもらう。もちろん、「美味しくなあれ♪」の魔法も欠かさない。
 食事が終わった後は、鋼牙の「戦利品」に目を留めた猫耳メイドとの、オタク語りの時間となった。猫耳メイドもなかなかのオタクであるらしく、鋼牙はその時間を存分に堪能する。
(普段はこう言う店には来ないんだけど、また来てみるのもありかも知れないな)
 そう思いながら、秋葉原からの帰途に着く鋼牙だった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

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