あの笑顔を救いたい
●√ウォーゾーン、とある戦闘機械都市の一角
「クソッ! 戦闘機械どもめ、あちこちにいやがる!」
小銃を構えた男が舌打ちし、唾を吐いた。建物の陰から様子をうかがうと、超小型ドローン『レギオン』の群れが見える。
戦闘機械どもから奪取したこの都市だが、敵もそれを見過ごしてはおらず、再奪取の兵を差し向けてきた。抵抗したものの戦力の差はいかんともしがたく、彼、カイトを始めとする面々は都市の一角にある地下街に逼塞し、発見されぬよう息を潜めている……というのが現状である。
ときおりこのように地上に偵察に出てみるのだが、敵はなかなかしつこく、いまだ人間を殺戮すべく都市を哨戒し、立ち去ろうとしない。
「クソッ!」
男がもう一度、唾を吐く。
「これじゃあ、ハルトに太陽を見せてやれる日が、いつになるのか……」
男は先日、息子が生まれたばかりであった。妻とともに地下へと逃げ込めたのはいいが、このまま地上を知らぬまま成長することになるのだろうか?
いや、地下に逼塞する生活は、そう長くは続かない。
ありあわせのもので地下街を一応の居住空間にはしたものの、設備は劣悪で物資は乏しい。50人ほどの食を満たすのは、十分ではない。
まして、赤ん坊のミルクなど。食料も切り詰めているせいか母乳の出も悪く、このままでは……と焦ったカイト以下の数人が、偵察ついでに物資の探索に出てきたのである。
敵の破壊活動により、都市は大きく様変わりしてしまった。瓦礫の中から物資を探さねばならないが。
「……やっと行きやがった。進むぞ!」
安堵の息を漏らし、仲間たちを振り返った瞬間。
その後ろに、レギオンどもが迫っていたのであった。
「うわぁ!」
逃げ惑うカイトたち。地下に潜れば敵の目から逃れられるかもしれないが……。
「いや! このまま逃げ込んだら、地下街が奴らに知られちまう!」
銃を構え、ハルユキは路上へと飛び出した。少しでも地下街への入口から離れるように。
「あぁハルト、ハルカ! すまん、もう会えそうにない……ッ!」
●作戦会議室(ブリーフィングルーム)
「……子供というのは、可愛いものだな」
どこか緊張感のない顔で、綾咲・アンジェリカ(誇り高きWZ搭乗者・h02516)は呟いた。
皆が怪訝そうな顔をすると、
「私がこんなことを言うのは、変か?
いや、なに。ここに来る途中、ベビーカーを押している御婦人に出会ったのだ。御婦人が小物を落として注意がそれたとき、よそ見をしていた男がぶつかってしまってな。ベビーカーが倒れそうになったのだ。
男もけしからんが、それよりも赤ん坊だ。とっさに手を伸ばして掴んだのでベビーカーは無事だったのだが……泣くかと思った赤ん坊が私を見て、手を伸ばしながらニッコリと笑ってな。
……子供というのは、可愛いものだな」
隠しきれない笑みを浮かべながら「ほぅ」と息を吐くアンジェリカ。
いや、それはそれとして、事件は。
「そうだった! 子供といえば、だ。
赤ん坊を含む√ウォーゾーンの住人が、戦闘機械群の攻撃を受けて窮地に陥っている。なんとか抵抗しつつ隠れることはできたようだが、敵は未だ都市を哨戒し、脱出することができない。このままではやがて物資も尽き、飢えるか危険を承知で外に出るしかなくなってしまうだろう。
急ぎ駆けつけて、彼らをすくってもらいたい」
そう言って、表情を引き締めたアンジェリカは一同を見渡す。
「さぁ、栄光ある戦いを始めようではないか!」
マスターより

こんにちは、一条です。
とある戦闘機械都市が戦闘機械群によって制圧されてしまいました。住民の一部は地下に潜んでいるようですが、もともと居住空間として作られている一角ではないため、お世辞にも良い環境とはいえません。なによりまずいのが、食料を始めとする物資の不足です。
「第1章👾『レギオン』」
急いで駆けつければ、地上を偵察していた住民たちがレギオンに襲われているところに遭遇するはずです。彼らを救い、敵戦闘機械を撃破してください。
「第2章A👾『暴走した運送用ドローン』」
「第2章B🏠『資源調達紀行』」
レギオンが壊滅したことが悟られると、敵はすぐさま運送用ドローンを差し向けてきます。これを放置するとやがて、地下街への入口を発見されてしまうでしょう。
選ばれたのがAならば事件が解決するまで物資不足に耐えつつ……となるでしょうし、Bならばレギオンがいなくなった隙に物資の調達を優先することになります。やがて現れるドローン群の目を盗み、無人となった市街にて調達を行いましょう。
『鐵浮屠』が破壊されればドローン群も撤退しますので、ここで撃破していなくても町に危険はありません。
第1章のプレイングに書いておいてください。
「第3章👿『鐵浮屠』」
この攻撃の指揮を取っている巨大な戦闘機械です。これを撃破し、人々を地下から救い出しましょう。
では、皆さんの燃えるプレイングをお待ちしています。感想なども、よろしければぜひ!
23
第1章 集団戦 『レギオン』

POW
レギオンスウォーム
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
SPD
レギオンスウォーム
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
WIZ
レギオンスウォーム
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
半径レベルm内にレベル体の【小型無人兵器「レギオン」】を放ち、【超感覚センサー】による索敵か、【レギオンミサイル】による弱い攻撃を行う。
√ウォーゾーン 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

「俺達が相手だ」
バイクを走らせて急いで駆け付け、住民達とレギオンの間に割り込む
初手で決戦気象兵器「レイン」を起動
弾道計算を合わせ、レギオンの一体一体にレーザーを命中させて撃ち落としていく
人々を背に庇いつつ戦って、彼らの方に向かうレギオンを優先的に狙う
自分の傍を抜けていくレギオンには斧を叩き付けて破壊する
敵からの攻撃は見切りで回避、躱し切れない時はエネルギーバリアで防御
余裕があればハッキングでシステムに介入して同士討ちさせる
住民が攻撃されたら庇うよ
幾ら敵を倒しても、物資が尽きてしまっては人は生きていけない
できれば物資の調達も手伝いたいな(次章B希望)
※アドリブ、連携歓迎です

地上を偵察していた住民たちをレギオンからかばうように
ウィザードロッドによる風魔法のつむじ風と共に颯爽と現れ
広範囲にスペードのスート全て13枚のプレイングカードを早業で投げ
√能力【ワイルドカード】で先制攻撃
次はダイヤのスートを全て投げてレギオンを切断して撃破したり
センサーを破壊したり呪符の効果もあるカードでバリヤーを張り2回攻撃
ミサイル攻撃から皆を守って彼らを救い信用を得る
「…ふう、何とか間に合いましたね。皆さんお怪我はありませんか?」
補給物資や食料を沢山詰めたバッグも用意してきましたので
戦闘後に落ち着いたらお渡ししましょう

■意気込み
(ひどい、ところです。でも、ここが、√ウォーゾーンが私の故郷。
故郷のため。同朋のため。私が、戦わないと)
「この敵は私が引き付けます! 退避を!」
■行動
SPDで攻略。
√能力「天神ロマンチカ」を発動させて、巡航単車イロタマガキ(ヴィークル)で現地に突入。
空中移動+空中ダッシュで追撃、テンジンリボルバーの一斉射撃でレギオンを撃墜。住人が襲われそうになったら割り込みをかけて、エネルギーバリアで盾となり庇う。
撃墜したレギオンに、メカニック+ハッキング+ドローン操縦で干渉。
戦闘機械群本隊への報告を偽装することで、運送ドローンの派遣の阻止を試みる。
(※第2章Bへの分岐させるための行動です)。
戦闘機械群によって制圧された都市は、あちこちが破壊されて崩れ落ちていた。
「ひどい、ところです……」
ベニイ・飛梅(超天神マシーン・h03450)が顔をしかめて呟く。
しかし、これが√ウォーゾーンの日常。私の故郷。故郷のため、同胞のため。
「私が、戦わないと」
『巡航単車イロタマガキ』にまたがり、現場へと急ぐベニイ。
「うわあッ!」
悲鳴と銃撃音が聞こえてきたのは、その時だった。バイクを加速させたベニイは白梅の香りを漂わせながら、戦闘機械と男たちとの間に割って入った。
「東風になります!」
ベニイが展開した【エネルギーバリア】を、放たれた無数のミサイル群が襲う。それらはすべてバリアに阻まれて弾けた。すかさずコイルガンを構えるベニイ。宙に浮き、まるで瞳にも見えるカメラをこちらに向けるレギオンどもに狙いをつける。
高速射出された金属片が、そのカメラごと敵を貫通した。
「あんたは……?」
男……おそらく、仲間を逃がそうと殿を引き受けていた彼が、一行のリーダー格であるカイトなのだろう。彼は突如として現れたベニイの正体を問おうとしたが。
答える間もなく、レギオンどもは次々と襲いかかってくる。
「心配はいりません。私がいますからね」
「そうとも。俺たちが相手だ!」
つむじ風を纏い、アダムス・オールナイター(愛の薬・h06030)が残骸の陰から姿を表した。その手にあるのはウィザードロッド『カルタムンディ』。その魔法が生み出す風が、彼のウェーブの掛かった髪を揺らす。
懐に手を差し込んで取り出したのはプレイングカードで、アダムスは鮮やかにそれをシャッフルしてみせた。
クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)はバイクを走らせて、住民たちとレギオンとの間に割って入る。
「『レイン』、起動!」
決戦気象兵器の端末が敵群に狙いを付ける。簡素な設計の敵機体だが、それでも戦闘能力は相応に備わっているようで、それぞれに回避起動を取ろうとした。しかしクラウスは巧みな弾道計算と射撃で狙いをつけ、なによりも300発にもおよぶレーザー光線が敵に回避を許さなかった。
「私は、ちょっとした手品をお見せしましょう」
呪符が描かれたプレイングカードを投じるアダムス。放たれたカードは13枚。そのすべてがスペードで、次々とレギオンどもに襲いかかっていく。
カードは球状の機体に深々と食い込み、あるいは斬り裂いた。浮遊機構を破壊されたのか、落下してバタバタと転がるしかできなくなる機体がいる。あるいは、ミサイルの格納部分を破壊されて大爆発を起こす機体もあった。
「す、すごい……」
あんぐりと口を開けるカイトたち。
しかし、敵は個々の性能よりは数で圧倒する類の戦闘機械である。いくつもの端末が地に落下しようと、残る機体が襲いかかってきた。
「ずいぶんと観客が多い。タネが品切れになる前に、迷惑なお客はお帰りいただければいいんだがね」
アダムスが口の端を持ち上げると、それに合わせて整った口ひげも持ち上がる。
続いて放ったダイヤのスートは【エネルギーバリア】を生み出し、ミサイルを防ぐ。
ミサイルの1発がアスファルトで弾け、飛び散った瓦礫がクラウスのバイクに傷をつけた。
無数に傷ついた跡があるバイクである。あるいはこれも、人々を救った勲章のひとつとなるのであろうか。
「町の人たちを、傷つけさせはしないよ」
展開し、すり抜けていこうとするレギオン。それに気づいたクラウスは『バトルアックス』を握りしめ、渾身の力で叩きつけた。レギオンはひしゃげつつ真ッ二つに裂かれ、地面に転がった。
僚機がクラウスを囲まんとするも、【ジャミング】されて動きを阻まれた。その間に、次々と斧を叩きつける。
「……ふぅ。これくらい片付ければ、大丈夫ですか。なんとか間に合いましたね」
スーツの襟を正したアダムスが、カイトたちに向き直った。
「皆さん、怪我はありませんか?」
「あぁ、おかげで。しかしまだ、他の奴らが……!」
バラバラになってしまった者たちがいるのだ。
「大丈夫です。そちらにも、仲間が向かっています。それはそれとして……」
ベニイが、ジタバタと地面を転がるレギオンに近づいた。外装を引っ剥がしてケーブルを接続し、その通信に割り込んで機体を支配していく。
「報告を偽装すれば、運送用ドローンが派遣されてくるのを阻止できるかもしれないから」
と、怪訝そうに見つめてくる仲間たちやカイトらに説明するベニイ。
「なるほど。いくら敵を倒しても、物資が尽きてしまっては人は生きていけないからね」
できれば物資の調達も手伝いたいなと、クラウスは辺りを見渡した。
「当座の足しになるかと思い、いくらか持って来てはいるのですがね」
アダムスが、食料の詰まったバッグを手渡す。「助かる」とカイトは笑顔を見せたが、地下街に潜む人々の胃袋を満たすには、これだけではまだ不足であった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

(連携・アドリブOK・第2章はAで考えてます)
【心情】
民間人の救出作戦ですね。差し向けられた再奪取の兵がまだいるということは、生命攻撃機能はまだ活性化していないとみていいのでしょう。つまり、今いる敵を倒しきれれば勝利です。…一時的なモノでしょうがね。
【行動・WIZ】
レギオンの目をひきつけること、数を減らすことを最優先に行動します。少女分隊を乗せ兵員輸送車で現場に急行、引き付けつつ敵をライフルで撃ち落としていきます。逃げている民間人が輸送車に入れられる数なら一時的に入ってもらって安全を確保したのち敵をひきつけつつ戦いを挑みます。
戦闘が落ち着いたならば民間人に手持ちの糧食を分けて撤退を促します。

都市の中心部は制圧状態、潜伏した生存者をレギオンに捜索させる段階まで侵攻が進んでいるようですね
……ですが、まだ間に合います。可及的速やかに処理しましょう
標的は小型かつ無数の浮遊攻撃端末。一つ一つ撃破していては埒があきません
≪オーバークロックモード≫で演算能力を向上させ、機械化された眼が精密分析した映像に映る敵全てをロックオン
『複数目標追尾システム』を起動し≪神経接続型浮遊砲台≫による[レーザー射撃]を開始します
[乱れ撃ち]のように次々と放たれる光線の一つ一つが、その実、正確に敵を撃ち抜く放たれているのです
ミサイルには砲台からのレーザーを浴びせて命中前に誘爆させて、敵群撃破の助けとして逆用します

「任務了解」
最大速度でかっ飛ばすね! でも、地表付近に降下するとベビーカーとかも一緒に吹っ飛ばしちゃうよね?
「標的捕捉」
そういう時にはこの雷撃の雷撃の出番なのです。高高度からでもピンポイントにターゲットだけを射抜ける誘導電撃を光の速さでお届けするよ。
「捕捉継続」
一度に最大16発。最大チャージ時の話だからやろうと思えば何発でも連射する事も出来るよ。一度に撃つ数は減るけどね。なりふり構わず対地攻撃する時は連射しちゃった方が楽かなぁ。
雷撃は横方向にはある程度まで接近する必要はあるけど、下方向にはほぼ無制限でどこまででも届くから高度高めを維持してればいいかな。
「都市の中心部は制圧状態、潜伏した生存者をレギオンに捜索させる段階まで侵攻が進んでいるようですね……」
深雪・モルゲンシュテルン(明星、白く燃えて・h02863)は、あくまで冷静に都市の現状を述べる。
その呟きを捉えたスミカ・スカーフ(FNSCARの少女人形レプリノイド・h00964)は、
「しかし、差し向けられた再奪取の兵がまだいるということは、生命攻撃機能はまだ活性化していないと見ていいのでしょう。
つまり、今いる敵を倒しきれば勝利です」
と、アサルトライフルを構えながら頷いてみせた。
希望はある。たとえ、この勝利が一時的なモノであろうと。
「……えぇ。まだ間に合います。可及的速やかに処理しましょう」
√ウォーゾーンの戦いを知るふたりである。これが決定的勝利にはならないとわかっていても、それで得られる平穏がひとときでもあるのなら。
「任務了解」
そのやり取りを傍らで「聞いて」いた神威・参号機(元人類殲滅用神双槍・h00553)は淡々とした声を発すると、決戦型WZ『神威』の速度を上げた。
――最大速度でかッ飛ばすね! でもブースター全開のままで降下したら、もしベビーカーがいたら一緒に吹っ飛ばしちゃうかも?
などという、ベルセルクマシンの制御チップとなった少女の、実に少女らしい内心は仲間たちにも伝わらない。
「標的捕捉」
参号機から通信が入る。ふたりも、そちらに急ぐ。カイトたちとは別れて逃げていた者たちも、レギオンに補足されてしまったようだった。
深雪とスミカの到着を待っているゆとりはない。
――そういうときには、この雷撃の出番なのです。『神威』の下を取ったこと、後悔させるよ!
高高度から急降下しつつ、参号機は誘導電撃光線を立て続けに16発、放つ。それは正確無比な狙いで、男たちに襲いかからんとしていたレギオンどもを貫いた。
「標的は小型かつ、無数の浮遊攻撃端末。ひとつひとつ撃破していては、埒があきません」
「了解」
深雪の言葉に、参号機は短く応答する。
「捕捉継続」
――もちろん! 最大16発はフルチャージの話だから、やろうと思えば何発からでも連射できるよ!
無数に放たれたレギオンどもは次々とミサイルを撃ってくるが、参号機は巧みにそれを避けつつ、撃てる限りの『雷撃』で敵を撃破していく。
――対地攻撃するときは、連射しちゃった方が楽かなぁ。
「ひ、ひぃッ!」
突然の爆発に、腰を抜かして後じさりする男たち。
「安心して。味方です! 少女分隊、撃てーッ!」
瓦礫を乗り越え、スミカがハンドルを握る兵員輸送車が飛び込んできた。その指令とともに上部ハッチが開く。姿を見せた【バックアップ素体】は据え付けられた機関砲に取り付き、レギオンどもに向けて射撃を開始する。輸送車には窓も備え付けられており、そこからの射撃も敵戦闘機械群を撃ち落としていった。
戦況を見渡す深雪。仲間たちは奮闘しているが、レギオンどもはまだ数多く、男たちからこちらへと目標を変えて襲いかかってくる。
「当然、そうすべきでしょうね」
深雪は電脳化神経のリミッターを一時的に解除する。こちらに飛来するミサイルの軌道が、はっきりと見える。
「乗ってください!」
その間にスミカは、男たちの傍らに兵員輸送車を停車させ、乗車を促した。多少窮屈ではあるが、全員が乗車できた。
「全ターゲットロックオン。射線クリア」
深雪の機械化された目が、「キュイッ」というかすかな音とともにレギオンどもを捉えた。
傍らに浮遊する『神経接続型浮遊砲台』は、深雪自身と情報を共有している。
「掃射を開始します」
その宣言とともに砲台はレーザー射撃を開始する。飛来するミサイルのことごとくは撃墜され、危険を察知して展開しようとしたレギオンどもを逃がすことなく貫いた。
こうなるともはや、敵の抵抗は足掻きと言うに等しい。スミカたちは兵員輸送車の装甲にミサイルが爆ぜることを恐れもせず射撃を続け、深雪は立て続けにレーザーを放つ。乱れ撃ちのように見える光線だが、その1本1本は正確に球体の中心を貫いていた。
「目標、沈黙。この場にいる敵は、これで全滅させられたでしょう。
都市全体では、どうか知りませんが」
飛行する参号機を見上げた深雪は、リミッターを解除した事による疲労感で目を瞑る。
「増援が現れる前に、撤退しましょう」
車を発進させつつ、後ろを振り返るスミカ。増援が現れるなら、迎え撃つ覚悟であるが……。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 日常 『資源調達紀行』

POW
険しい旅路をガッツで乗り切る
SPD
気の持ちようだと楽しんでみる
WIZ
移動が楽しくなる遊びを提案する
√ウォーゾーン 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

予めカイト達から食糧がありそうな区域を聞いておく
「食べ物、取ってくるから。待っていてね」
少しでも早く、彼らのお腹を満たしてあげたいな
隠密用の布を被って隠の徒を起動し、ドローン達から隠れて探索
近くに情報端末があればハッキングでシステムに介入し、情報を抜き出して倉庫など食糧が保管されてそうな場所を探す
首尾よく発見できたらドローンの目を盗んで運び出して、バイクに乗せて地下へ持っていこう
ドローンに見つかりそうになったら自分の小型ドローンを飛ばして囮にして逃れる
どうしようもない時はスナイパーライフルで撃墜
絶対に地下への入口が見つからないように注意して行動するよ
※アドリブ、連携歓迎です

(連携・アドリブOK)
【心情】
レギオンを倒しきれたかは不明ですが、この隙に物資調達をしましょうか。できれば先ほど助けた方々に協力いただきたいところですが、無理はさせられませんか。ただ、危険を冒してまで外に出てきたということは、かなり切羽詰まっている状況なのでしょう。助けられる範囲の命は助けますとも。
【行動・WIZ】
前章で助けられた方々に声をかけ、必要物資と回収場所を聞き取ります。わかれば優先的に回収します。不明な場合、少女人形隊を率いて近場から円周的に捜索していきます。移動が楽しくなる遊びはあまり浮かびませんが、発見した物資によってポイントを決めて競いましょうか。ただ探すよりはましなのでは?

食料があればいいんだよね? 着陸してナノクラフトバインダーを広げるよ。
「損傷チェック。問題無し」
ついでに損傷確認。元々の用途はコレだから癖でね。
「不用品の譲渡を要求。種別は問わない」
ナノテクノロジーでどんな素材からでも何でも作れるよ! とは言っても、組み立てられる物は私のライブラリーにある物になるから……味はあんまり保証しないかなぁ。
「生成物の選択を要求」
パンとかカレーとかラーメンとかならそれなりに作れるかな。まあ、食べられればいいよね!
……一応、元々栄養価の高い材料使った方が美味しくはなるみたいだよ。私食べられないから分からないけど。
「……敵の姿は、見えませんね」
彼方を見やるスミカ・スカーフ(FNSCARの少女人形レプリノイド・h00964)はそれを確認し、小さく安堵の息を吐いた。
「そのようですね。……うまく時間稼ぎができたようだ」
応えるクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)も辺りを窺いつつ、最後は独り言のように呟く。
「損傷チェック、問題なし」
神威・参号機(元人類殲滅用神双槍・h00553)が降りてくる。レギオンどものミサイルを浴びたが、直撃はなく目立った損傷はない。
ついでに、
「上空より敵影、視認できず」
と、報告も行なった。
欺瞞工作が功を奏したか、ドローンどもはここが√能力者たちによって制圧されたと気づいてはいないらしく、まだその影は見えない。
頷いたスミカであったが、
「とはいえ、ゆとりがあるわけではありません。急ぎましょう」
と、仲間たちを促す。
「そうですね」
クラウスは、無事に合流を果たしたカイトたちを、
「食べ物、取ってくるから。待っていてね」
と、振り返ったが。
「俺たちも連れて行ってくれ」
カイトたちはそう申し出た。
「無理をしてはいませんか?」
問うスミカであったが、危険を冒してまで彼らが外に出てきたということは、かなり切羽詰まっているということでもある。様子を窺って、本当に無理をしているわけではないと思ったスミカは、同行を了承した。
「……助けられる範囲の命は、助けますとも」
「とにかく必要なのは食料ですね。特に赤ちゃんの。それに、燃料や毛布などもできれば、か」
クラウスは『隠密用の布』をかぶって先頭に立ち、先を急ぐ。
カイトたちが目標としていたのは、近くのスーパーマーケットである。これまでは遊弋するレギオンどもを恐れて近づけなかったが、今ならば。
「せっかくですから、発見した物資によってポイントを競ってみましょうか」
「ははは、それはいいな」
気が楽になったのか、スミカの提案にカイトたちが笑った。
――食料があればいいんだよね?
「不用品の譲渡を要求、種別は問わない」
参号機は一応の断りをいれるように告げ、WZの腕を伸ばしてスーパーマーケットのシャッターをこじ開けた。戦闘機械群の襲撃によってねじ曲がっていたシャッターは易々と裂けて、入口が開く。
その隙間から参号機は店内へと滑り込む。クラウスとスミカ、そしてカイトたちも次々と店内へと潜り込んだ。周辺で行われた戦闘の余波か、天井のあちこちが剥がれ落ち、半ば崩れているところもある。非常灯だけが灯る薄暗さであったが、一行は急いで加工食品の棚に向かった。
「そんな……」
カイトが絶句する。襲撃された際、町から逃げ出す人々によって持ち出されたものか、ほとんどの食料が残っていなかったのである。
彼を安心させるように、参号機は残っていた枯れかかった生花や溶けて色の変わった冷凍食品などを手に取り、
「生成物の選択を要求」
と、迫る。『万能製作機』があれば、参号機のライブラリにあるものならナノテクノロジーによって組成を組み替え、どんなものでも作れる……と、思う。
――パンとかカレーとかラーメンとかなら、それなりに作れるかな? まぁ、食べられればいいよね。味はあんまり保証できないけど!
「う、ん……」
しかし、カイトの反応は鈍い。そりゃあたしかに、いざとなれば何でも食べるしかないが。
「待って。電源は生きてるようだから……」
クラウスがそれを押し留めた。
「できれば、美味しいに越したことはないからね」
バックヤードがあるはずである。苦笑しつつ、クラウスは【ハッキング】して、電子的に施錠されていた扉を開いた。
――そう? 私、食べられないからよくわからないけど。
「そういうものだよ」
「不味いレーションは、やる気が萎えますからね。あ、いや。参号機さんの作るものが不味いというわけではなく」
苦笑したスミカが、慌てて手を振った。
「了解」
参号機とて、栄養価の高い食材から生成したほうが味も良いものが作れることは確かなので、物資が見つかるに越したことはない。
果たして、人々も施錠されたバックヤードには入ってこられなかったらしく、多くの物資が残されていた。
「やった!」
「さぁ、運び出しましょう。『少女分隊』!」
カイトたちが歓声を上げる。スミカはバックアップ素体を動かして、物資を運ばせた。彼女らは次々と、店の外に止めた兵員輸送車に物資を積み込んでいく。そしてクラウスは、バイクの後部シートに箱をくくりつけた。
しかし、
「粉ミルクがない……」
カイトが恨めしそうに瓦礫の山を見やった。鉄骨が崩落して押しつぶされている棚があった。それが、粉ミルクなどの棚だったらしい。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

■意気込み
※√能力・検索天神のVR空間内にて
(タマ。「赤ちゃんに必要そうなもの」が入手可能な地点をピックアップ……。
いやうん。抗議はもっともです。でも私も赤ちゃんのこととか全然わかんないから……
……お願い! ASAPで!)
(ぱちり)
「……ダイブ完了。候補地点をマークしました」
■行動
SPDで攻略。
√能力「検索天神」を使用。周囲の市街地を分析し、特に赤ちゃんに必要な物資が入手できそうな地点を推定。
ナデウシ型輸送車両に住人を乗せ、案内も受けつつ物資を捜索。
運搬と団体行動で積めるだけ積み込む。そりゃあもうぱんぱんに。
赤ちゃんの写真とか見せてもらえないかな、とうずうずしつつ。
「可愛いいい……!」

レギオンがいなくなった隙に物資の調達を行いましょう
やがて現れるドローン群の目を盗み、私も無人となった市街にて調達に奔走します
風魔法で高所にある物資の残っていそうな建物、
今まで敵が多く警備していて入れなかった建物を
皆さんに伺って地図を作成してあたりをつけて効率的に回ります
空間に収納する魔法で大人数人分ほどの量の物資を次々に皆さんの元へ
お渡ししましょう
可能であれば赤子や子供には粉ミルクや紙おむつに
オモチャやぬいぐるみに本などもついでに持って来てあげましょうか
「私たちがいますから何も心配することはありません。もう少しだけご辛抱くださいね」
と優しく紳士的に住民たちへと声をかけましょう
「粉ミルクがない?」
スーパーマーケットを捜索した仲間から知らせを受けたベニイ・飛梅(超天神マシーン・h03450)が、頓狂な声を上げた。傍らのアダムス・オールナイター(愛の薬・h06030)が、ピクリと眉を動かす。
考え込んだベニイは『検索天神』で、あらかじめ構築していたデータセンターとVR空間に潜り込んだ。『支援AIイロタマガキ』を呼ぶ。
「タマ。『赤ちゃんが必要そうなもの』が必要そうなものが入手可能な地点をピックアップして」
支援AIの感情の色に気付いたベニイは唇を尖らせる。
「いやうん、抗議はもっともです。
でも私も、赤ちゃんのこととか全然わかんないから……! お願い、ASAPで!」
まもなく、無防備な寝顔をアダムスに晒していたベニイはパチリと目を開いた。
「お目覚めですか」
「はわ!」
つむじ風を纏ったアダムスが飛び降りてきた。彼は屋上に飛び上がって、周囲を窺っていたらしい。慌てたベニイはよだれなど垂らしていないかと口元を拭いつつ、取り繕うように表情を引き締め、
「ダイブ完了、候補地点をマークしました」
と、地図を示した。そこにはベビー用品店「赤ちゃん本望」と表示がある。
「あぁ、上から見えたあの建物ですね」
アダムスは頷き、「急ぎましょう」と皆を促した。
スーパーマーケットと同じく、ここもシャッターは降ろされ店内は薄暗かった。しかしあらかたの物資は残っており、
「粉ミルク、粉ミルク……」
と、ベニイとカイトは粉ミルクの缶を運び出していく。
「粉だけでなく、液体ミルクも持っていきましょう。湯を沸かさなくてすみます」
アダムスが、小さな缶を手に取る。
「それに紙おむつと、おしりふき。あぁ、哺乳瓶の消毒液もあるといいですね」
「……詳しいですね、アダムスさん」
「まぁ。オジサンみたいにね、長く生きてるといろいろと詳しくもなるんですよ」
アダムスは笑ったが、
「いやぁ」
カイトがピシャリと首の後ろを叩いた。ため息をつく。
「駄目だな、俺は。知らないことばかりだ」
「これからですよ、これから」
「そうそう。
あ! 赤ちゃんの写真、見せてもらいませんか?」
慰めるアダムスとベニイ。ベニイは目を輝かせ、カイトに詰め寄った。カイトも表情を一変させ、
「おう、見てくれ見てくれ! ハルトって言うんだ。可愛いだろう?」
と、嬉々として写真を見せてきた。
「可愛いいいいい……ッ!」
画面に映る赤ん坊は顔をしかめ、今にも泣き出しそうである。しかし、それもまた愛くるしい。ベニイが歓声を上げると、カイトは満足そうに笑った。
「そうだろう、そうだろう?」
「愛らしいのは確かですが、そろそろ移動しましょう」
ありったけの物資を収納したアダムスが、「可愛い」と連呼するふたりに声を掛ける。
物資を満載した『ナデウシ型輸送車両』と一行は、何者にも見咎められることなく、住民が隠れ住む地下街へと帰還した。
「帰ったぞ!」
カイトの声に歓声が上がる。カイトは彼らをかき分け、妻子のもとへ至った。
「ハルト、ハルカ……!」
「カイト……!」
抱き合う3人。
ところがその時、地面が大きく揺れた。地震……ではない。なにか巨大なものが近づいてくる、そんな連続した揺れだ。
母親……ハルカに、自分が持ってきたぬいぐるみや読み聞かせの絵本を手渡していたアダムスが、住民たちを見渡して微笑む。
「私たちがいますから、なにも心配することはありません。もう少しだけ、ご辛抱くださいね」
仲間たちを振り返れば、彼らもまた力強い笑みを見せて、アダムスを見返していた。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『鐵浮屠』

POW
対√能力反応装甲
自身が受けた武器や√能力を複製した【攻撃の威力を相殺する増加装甲】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
自身が受けた武器や√能力を複製した【攻撃の威力を相殺する増加装甲】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
SPD
重騎兵衝鋒
【エネルギーバリア】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【動能重撃(運動エネルギーを籠めた一撃)】」が使用可能になる。
【エネルギーバリア】を纏う。自身の移動速度が3倍になり、装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【動能重撃(運動エネルギーを籠めた一撃)】」が使用可能になる。
WIZ
堵牆而進陣
事前に招集しておいた12体の【量産型鐵浮屠】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[量産型鐵浮屠]全員の反応速度が半減する。
事前に招集しておいた12体の【量産型鐵浮屠】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[量産型鐵浮屠]全員の反応速度が半減する。
√ウォーゾーン 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

「こいつを倒せば、彼らが地下から出られるんだね」
彼らの未来のためにも負ける訳にはいかないな
蒼月に乗り込み限界突破を使用して戦闘
質量に押し潰されないように距離を取りつつ、機体からの弾幕とグレネード発射による爆破で攻撃する
追加装甲が創造されたら限界突破で増やした攻撃回数を活用し、追加装甲を破壊してから本体に攻撃する
突進されたら盾で受け流して直撃を避け、光刃剣を抜いて居合で反撃する
この世界の未来はまだまだ厳しいけど、こういう戦いを積み重ねていくしかない
一つ一つの勝利が、ハルトのような生まれたばかりの生命を未来に繋ぐことになるんだと信じて
※アドリブ、連携歓迎です

アドリブ連携歓迎
SPD
敵の
【エネルギーバリア】を纏い
自身の移動速度が3倍になり、
装甲を貫通する威力2倍の近接攻撃「【動能重撃(運動エネルギーを
籠めた一撃)】」
に対して
風魔法で皆に被害が及ばない位置の空中で待ち構え
指をクイクイして挑発
おびき寄せて全てのトランプを
√能力で操作して目隠しや死角を
フェイントに作って仲間や自分の
動きや位置を分かりにくくする
1分時間を稼ぎ
霊剣を静かに構えて
致命傷になる直撃だけは
避け不可避な時又は
仲間がピンチな時はかばって
ルートブレイカーで無効化して鼓舞
60秒間
【6つの破壊の炎】をチャージした
直後に近接範囲の敵に
威力18倍の【破壊の炎を纏った
霊剣による高速斬撃】を放つ。
自身がチャージ中に受けた
ダメージは全てチャージ後に
適用。でカウンター。
その大きな身体では私の
斬撃は避けられませんね。
終わりにしましょう!
地下街に、鈍い震動が伝わってきた。これまでの……レギオンどもの発する甲高い飛行音とは違う。重く、低い音である。
怯える住民たちを励ましながら階段を駆け上がったクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)とアダムス・オールナイター(愛の薬・h06030)は、噴射炎も鮮やかに空を飛ぶ鐵浮屠の姿を認めた。
その巨体たるや、全高約20m。小さなビルを上回る。クラウスは身体が傾くほどに上を向いて、その巨体を見上げた。
「こいつを倒せば、彼らが地下から出られるんだね」
「えぇ。物資は届けたとはいえ、住民の我慢も限界に近いでしょう。早めに片をつけなければ」
「もちろんだ」
クラウスは決戦型ウォーゾーン『蒼月』の操縦桿を握りしめ、一気に出力を上げた。決戦モードへと変形した愛機は蒼白の輝きを発し、敵へと迫る。
「彼らの未来のためにも、こいつに負けるわけにはいかないな」
敵がこちらに気づいたと同時に、クラウスはグレネードを放っている。激しい爆発と突風が巻き起こされる……が、敵は増加装甲を創造し、それを食い止めていた。
ゴゴゴゴッ!
敵は半壊した増加装甲を叩きつけるように、WZに迫る。その突進をまともに受けては……。
「ひとたまりもありませんからね」
アダムスが横合いから飛び出し、その右の掌で増加装甲に触れた。するとその装甲は消え失せ、その隙をついてクラウスは難を避ける。
「さぁ、かかってきなさい」
アダムスは指をクイクイと曲げて敵を誘う。挑発に乗ったわけでもあるまいが、敵機はアダムスを叩き潰さんと、エネルギーバリアを纏って襲いかかってきた。
「おっと」
アダムスの手から、『プレイングカード』が放たれる。カードはあちこちを舞って敵を幻惑し、その隙にアダムスは位置を変えた。
「クラウスくん。1分です。時間をください」
「……なるほど。わかりました」
片目をつぶり、人差し指を立てるアダムス。空振りした敵の拳が、ビルの壁面を易々と貫通する。わずかに目を細めたクラウスは頷いて、再びWZを突進させた。
敵はまたしても増加装甲で防ごうとするが、
「手数を増やせば、同じことだ」
限界を超えた勢いのまま、クラウスは突撃する。至近距離から放たれた『WZ用プリズムランチャー』が、鐵浮屠の装甲を貫通して粉砕する。
その光線砲を投げ捨てたクラウスは地を蹴りつつ『光刃剣』を抜いて、トリガーを引いた。
「この世界の未来はまだまだ厳しいけど、こういう戦いを積み重ねていくしかない」
そのひとつひとつが、ハルトのような生まれたばかりの命を未来に繋いでいくのだ。
生み出された光の刃が、鐵浮屠の腰部を捉えた。バチバチという激しい音と、直視できない眩い光。
刃は敵の装甲を斬り裂いて内部にまで及び、漏れ出た機械油が発火した。
「えぇ、同感です」
時間だ。アダムスは霊剣『海闊天空』を構え、敵を見据えていた。浄化の霊気を宿す刃は、いまや6つの破壊の炎を纏っていた。
「すぐに……終わらせてやろう……!」
目を細め、地を蹴るアダムス。
ゴゴゴゴッ!
駆動音なのか叫び声なのかわからぬ音を上げながら、鐵浮屠もまた襲いかかってくる。
敵の動きがさらに加速した。エネルギーバリアを纏った敵はさらに速く、さらに力強く、拳を叩きつけてくる。
が。大きく凹んだアスファルトに、アダムスの姿はない。
「その大きな身体では、私の斬撃は避けられませんね!」
肩越しに後ろを振り返る鐵浮屠。敵の死角から、破壊の炎を纏った刃が振り下ろされた。肩に命中した刃が下まで振り下ろされる。敵の左腕は肩から斬り落とされ、下に乗り捨てられていた車を押し潰した。
「……これでもまだ、終わりではありませんか」
敵はなかなかにしぶとい。
アダムスのスーツの肩がパッと裂け、血が滲む。アダムスはそれを一顧だにせず、振り返った。
頼もしき仲間たちが、後には続く。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

「ヴァルゴコア、覚醒値13%に上昇」
なんか、ヴァルゴちゃんがちょっとやる気みたいだね? ほら、緑の光翼が二枚生えて来たよ。うん、本当にちょっとだね。
「出力レベル300%」
そのちょっとだけで3倍になるんだから本気出したらどうなっちゃうのかな? まあ、上がった出力で雷撃を高高度から落としまくって量産機はぶっ壊しちゃおうか。
「敵本体排除開始」
敵の攻撃はS.S.S.で弾きながら急降下突撃!
「雷刀展開、排除実行」
装甲展開して一気に排熱しながら三倍の威力になった雷刀を真上から近距離でお見舞いしてやるよ!
雷刀落とした後は半人型で地面スレスレを滑空しながら離脱するよ。

(連携・アドリブ歓迎)
【心情】
一定の食糧を確保、ひとまず急場をしのぐことはできそうですね。民間人の方には一度避難していただき、敵指揮官を討伐しましょう。
デカいのでどこにいるかはよーくわかります、暴れられたときに建造物の破壊によって攻撃されると厄介ですが…こちらの身を隠すのにも役立ちそうです。まずは奇襲、ですね。
【行動・WIZ】
少女分隊を呼び出し5人を引き連れ背後から攻撃、一定距離を保ちつつ後退する。目標ポイントまで引き込んだのち、残りの分隊員を用いて左右から挟撃しましょう。ひるんだところにダメ押しの攻撃を加えていきましょう。
味方の攻撃に合わせて動けそうならば、敵の目線をひきつける動きをします。

■意気込み
「重装甲、バリア、加えて高機動。分析するまでもない強敵。
でも、明日がここにあるんです。無理を通します!」
■行動
SPDで攻略。
巡航単車イロタマガキ(ヴィークル)で空中戦を敢行。
√能力・超天神応報を当てる事に専念。攻撃を控えてチャージしつつ、相手の攻撃を凌ぐ。
基本的には空中ダッシュで攻撃回避に専念するが、味方が狙われた場合等は、割り込んでブロック。両腕とヘルメットのエネルギーバリアで威力を逸らそうとする。
チャージ完了し次第、ヴィークルから跳び空中ダッシュで組み討ち。
装甲の隙間に無理やり腕を突っ込み、√能力『超天神応報』を放つ。
「踏みつぶさせない! そのための私達!」
※アレンジ歓迎です!
「少女分隊!」
スミカ・スカーフ(FNSCARの少女人形レプリノイド・h00964)が率いる【バックアップ素体】が、不意をついて一斉に射撃を開始した。アサルトライフルの弾丸が鐵浮屠の装甲で爆ぜ、それを捻じ曲げていく。スミカが放った1発が貫通し、敵はのけぞった。
いったん射撃をやめ、敵を窺うスミカ。片腕を失い腰部を破壊された敵機はバランスが悪くなっている。たまらずビルにもたれかかる鐵浮屠。
一定の食料は確保でき、当座の物資不足は解消された。あとはこの指揮官を討伐するのみ。
「デカいので、どこにいるかもよーくわかりましたし」
「とは言っても、重装甲、バリア、加えて高機動。分析するまでもない強敵です」
ベニイ・飛梅(超天神マシーン・h03450)は厳しい表情で敵を見つめている。現に敵は、激しい噴射炎を上げながら身を起こし、その大出力によって無理やり巨体を持ち上げて欠損したバランスを補っている。
それを見た神威・参号機(元人類殲滅用神双槍・h00553)が声を発した。
「ヴァルゴコア、覚醒値13%に上昇」
――なんかヴァルゴちゃん、ちょっとやる気みたいだね? うん、本当にちょっとだけど。
平坦な音声とは裏腹に、参号機の内心は愉しげである。Ankerであり動力源でもある『ゾディアックコア・ヴァルゴ』が、出力を上げていた。
「住民の人たちは?」
ベニイが声を掛ける。もちろんここで負けるつもりはないが、なにしろ敵は巨体である。なにかの拍子に巻き込まれないとも限らない。
「民間人の皆さんには、避難していただきました。
……と言っても、地下街のできるだけ向こうにというだけですが」
「それを聞いて安心しました。
絶対に踏み潰させない! そのための私たち!」
『巡航単車イロタマガキ』に跨ったベニイは空中へと躍り上がって、敵を窺う。
ゴゴゴゴッ!
エネルギーバリアを纏った敵は、耳をつんざく爆発的な噴射炎を上げながら襲いかかってきた。ベニイは慌ててスロットルを開いて急加速する。敵の巨体が、そのわずか後ろを通り抜ける。
「あぶな……ッ!」
ゴゴゴッ!
街の各所からも、鐵浮屠に似た駆動音が上がる。量産型鐵浮屠だ。それらは拳を振り上げて襲いかかってきた。
しかし、飛来するそれらよりも上空を飛んでいるのが参号機である。
「出力レベル300%」
相変わらずの平坦な音声。しかし。
――そのちょっとのやる気だけで3倍の出力になるんだから……本気出したら、どうなっちゃうのかな? ほら、緑の光翼も生えてきたよ。
参号機の内心は変わらず愉しげで、背部にある補助動力炉に格納されたブラックボックスの挙動を感じていた。
――上がった出力で『雷撃』を落としまくって、量産型はぶッ壊しちゃおうか。
『広域自動照準誘導電撃光線”雷撃”』。機体の中央部に取り付けられたそれから、6本の稲妻が放たれた。いや、それは誘導レーザーである。それに貫かれ、擱座する量産型ども。
一気に仕留めようとした参号機であったが、鐵浮屠も残った量産型も迎え撃たんと拳を振り上げながら襲いかかってくる。迂闊には飛び込めない。
「参号機さん、ベニイさん……!」
スミカが声を上げ、そして後方へと視線を巡らせる。
「なるほど」
ベニイは意図を察して頷いた。自分の意図とも合致する。
敵は嵩にかかって突進してくる。スミカの5体の少女分隊も応戦するが、その圧力には耐えかねてジリジリと後退した。
5体?
そう。敵の前に出された5体は囮であった。不意に、路地に潜んでいた残り7体の少女分隊が側面から一斉に射撃を開始した。スラスターを破壊され無惨に墜落する量産型、あるいは頭部を吹き飛ばされる機体もある。スミカの放った弾丸は、鐵浮屠の眉間を抉った。
「今です、ダメ押しを!」
「了解。敵本体排除開始」
――急降下突撃ッ!
「明日がここにあるんです。無理を通します!」
急降下した『脳融合式戦闘機型WZ”神威”』は半人間形態へと変形しつつ、『前方広域一掃双槍剣”雷刃”』を構える。繰り出された敵の拳を、刃は押し潰しながら斬り裂いた。
たとえ両腕を失っても、その巨体が突進してくるだけでも脅威である。
しかしベニイは空を駆けるヴィークルから跳躍し、敵の頭部へと着地した。
「超天神! 応! 報ッ!」
破損した敵の頭部。その隙間に無理やり腕をねじ込んだベニイは、チャージした渾身の電撃エネルギーを叩き込んだ。
鐵浮屠の全身からブスブスと煙が上がり、巨体は地に墜ちて地下街の天井を突き破った。
「助かった、ありがとう!」
崩落した地下街よりも奥に、住民たちは避難していた。彼らは地上に出てくるや眩しげに、久方ぶりの太陽を見上げる。
「だぁ……」
赤子の小さな手が、空に伸ばされた。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功