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狙われた冒険者学校
●『冒険者学校』へようこそ
『冒険者』の素質を持つ子供たちに正規の教育を施しつつ、冒険者としての技術や知識を習得させる『冒険者学校』の出現は√ドラゴンファンタジーにおける必然であった。
ここ『ドラゴンアイ冒険王国』――他ルートにおける岩手県八幡平市――に開設された『バロウズ冒険者学校』もその一つ。現地住民にドラゴンプロトコルが多い地元事情を反映してか、ドラゴンプロトコルに特化した独自の教育カリキュラムが評判を呼び、他地域からも入学者がやってくるほどだ。
「今日は練習用ダンジョンで探索訓練を行います。」
教師が子供たちに授業を行っている。学校の敷地内に設営された練習用ダンジョンにはいくつかの種類があるが、今回はトラップの代わりにボールプールやトランポリンなどのアトラクションが設置された低学年用のものを使用することになっていた。
「オレこの授業が一番好き!」
少年のドラゴンプロトコルが訓練用の模造屠竜大剣を手にワクワクとした笑みを浮かべている。
「どっちが先にダンジョンの奥まで行けるか勝負しようぜ!」
別のドラゴンプロトコルの少年が模造自動詠唱剣を振り上げる。
「ちょっと男子ー、うるさいんだけど静かにしてくれる?」
身の丈より少し長い模造ウィザードロッドを抱えた少女のドラゴンプロトコルが2人を制止しようとする。
そんな平和な日常が、子供たちの未来が簒奪者たちによって失われようとしていた。
●『喰竜教団』なる輩について
「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。」
集まった√能力者たちを前に神部・明日未 (慈愛のファム・ファタール・h01866)が頭を下げた。
「単刀直入に言いますと、√ドラゴンファンタジーにて学校を襲撃しようとする不逞な輩から、子供たちを守って欲しいのです。」
不審者案件か。そう楽観的に考えていた√能力者たちを打ち砕くように、明日未が言葉を続ける。
「近頃ドラゴンプロトコルの肉体を狙い、跋扈する『喰竜教団』の話は皆様もご存じかと思います。」
『喰竜教団』とはドラゴンプロトコルを神の如く崇めている宗教団体なのだが、その教義というのが「か弱き姿に堕とされたドラゴンプロトコルを殺し、その遺骸を自身の肉体に移植することで、いつか『強き竜の力と姿』を取り戻させる」というはた迷惑極まりないものだ。彼らのせいで何の罪もない、一般市民として暮らしているドラゴンプロトコルが何人も犠牲になっている。
「その『喰竜教団』がドラゴンプロトコルの子供たちの通う冒険者学校に目を付けました。このままでは子供たちの未来が奪われてしまいます。」
明日未の声色に若干の怒りが籠る。
「幸いにして連中の襲撃までには若干の時間的余裕があります。そこで皆さんには冒険者学校の教員、あるいは学生として潜入していただき、敵を迎え撃ってもらいます。こちらで既に根回しをしているので、勤務や編入学についての問題はありません。」
元々政治家の妻として多忙な夫の代わりに地元回りや選挙演説をすることもあった明日未にとって、このくらいの根回しは当たり前なのだ。
「当日は子供たちと一緒に練習用ダンジョンで行われる探索訓練に参加してください。敵はこのタイミングで使役モンスターと共に襲撃してきます。子供たちは教師が練習用ダンジョンの奥へ避難させますので、足止めをお願いします。」
明日未の傍らにいるフグ型のインビジブルが2枚の写真を提示した。片方は金髪に赤い瞳の光る剣を携えた少女、もう片方は青い肌に白髪、異形然とした女だ。
「今回襲撃してくるのは『ドロシィ・ロランス』という信徒です。教祖たる『ドラゴンストーカー』は不在のようですね。」
インビジブルが金髪の少女の写真を少し高く上げた。これが『ドロシィ・ロランス』らしい。
「コイツは自分の眼をドラゴンプロトコルのものに移植していて、『竜漿魔眼』を使ってきます。こちらもそれに対する策が必要です。」
●怒れる人間厄災
ところで、ドラゴンプロトコルでもない明日未が何故『喰竜教団』に怒りと敵意を向けているのか。
「私、話し合いに応じる気のない輩がこの世で一番嫌いなの。」
何か、とても辛いことを思い出したように吐き捨てる明日未だったが、意を決して√能力者たちに道を示した。
「この道を進むと『バロウズ冒険者学校』の正門に出ます。皆様準備はよろしいでしょうか?」
覚悟を決めて、道を歩き出す√能力者たち。明日未は深々とお辞儀をしてその背中を見送るのであった。
これまでのお話
マスターより

こちらでは初めまして、武炎鉄と申します。よろしくお願いします。
●第1章では冒険者学校の教員、もしくは学生として潜入してもらいます。選択肢は参考程度にどうぞ。
●第2章は第1章の内容で敵の使役モンスターとの戦闘、もしくは『ダンジョンの仕掛けを利用して足止めする』に分岐します。詳しくは断章にて。
●ダンジョン内にはトランポリンやボールプールなどの子供向けアトラクションが設置されています。プレイングで指定できますので、有効活用してみてください。
●第3章は『喰竜教』の信徒『ドロシィ・ロランス』との戦闘です。詳しくは断章にて。
●ドロシィは既存の√能力に加え『竜漿魔眼』を使用します。
●連絡事項はタグでお知らせします。
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第1章 日常 『冒険者学校の日常』

POW
剣や槍、銃の使い方を教える
SPD
罠の見つけ方や解除方法を教える
WIZ
精霊学や竜漿の知識を教える
√ドラゴンファンタジー 普通5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
●全校集会
臨時の全校集会が開かれることになり、全校生徒――下は小学生から上は高校生まで――が講堂に集められた。
壇上に校長が登り、説明を始める。
「本校は長年ドラゴンプロトコルのみを受け入れてきましたが、近年の『HDBEC』、いわゆる種族間平等思想の推進により、別種族の生徒や教員を受け入れることになりました。では皆さん、壇上へお願いします。」
校長から教員や編入生として紹介を受ける√能力者たちと、それを物珍しそうに見つめる生徒たち。
新しい学園生活が始まろうとしていた。

そりゃ、ドラゴンプロトコルが集まっているなら絶好の機会よね
むしろ狙わない方がおかしいというもの
それと、私子供が狙われるのは心底腹が立つのよ
しっかりと、お灸を据えてあげなくちゃね?
潜入方法は教師一択よね
みんな初めまして。今日の探索訓練で教師を務める1人、矢神・霊菜よ
これでも20年近く冒険者をやっているから、聞きたい事があったら遠慮なく聞いてね
あ、先に言っておくけど愛する旦那様と愛娘が居るからソッチ系の話には乗らないわよ?
(茶目っ気たっぷりにウインクしながら)
子供達の質問に答えたり武器の扱いについてレクチャーしながら周囲を警戒
氷鷹を飛ばし周囲の索敵をしつつ行動する
※アドリブ・連携大歓迎
●ようこそ先生
探索訓練用の模擬ダンジョンに、生徒たちと教師2人の姿があった。片方は新任らしく、今回が初めての授業だ。さて、その新任教師こと矢神・霊菜(氷華・h00124)は授業に入る前に、軽く自己紹介をすることにした。
「みんな初めまして。今日の探索訓練で教師を務める1人、矢神・霊菜よ。これでも20年近く冒険者をやっているから、聞きたい事があったら遠慮なく聞いてね。
あ、先に言っておくけど愛する旦那様と愛娘が居るからソッチ系の話には乗らないわよ?」
子供たちの元気な笑い声が響く。子供たちの後ろで様子を見守る先輩教師も『これなら大丈夫そうだ』と安心した顔をしている。
「じゃあ今日は、ダンジョン内での立ち回りについてやってみよう。」
模擬ダンジョン内部には、モンスターに見立てた的がいくつか設置されている。固定されているものから、上下や左右などに簡単な動きを見せるもの、ドローンタイプの浮遊型など種類は様々だ。
「とりあえず今回は近接武器……詠唱錬成剣や自動詠唱剣辺りを想定してもらえるといいかな。まずはお手本を見せるよ。」
霊菜は身に着けている腕輪『融成流転』を氷の刃を持つ詠唱錬成剣に錬成しすると、ダッシュで一気に的に近づき、斬撃と突きの連続攻撃を繰り出した。その目にも止まらぬ速さに、生徒たちから感嘆の声が上がる。
「とまぁこんな感じなんだけど、今回はダッシュからの攻撃を重点的に行うよ。最初の一撃が大事だからね。」
模造武器を手にした生徒が一列に並び、ダッシュして的に近づき攻撃を与える練習を行う。
「センセー、オレは突きと斬るの、どっちがいい?」
男子生徒が質問してくる。彼が手にしているのはダガー型の模造自動詠唱剣だ。形状から推測するに、二振りで1対なのだろう。
「うーん、これだと斬る方がいいかな。で、斬るにしても一撃で急所を仕留めるようにしないと、仲間と一緒にいるならともかく、一人だと後が大変よ。」
「なるほどー。」
納得した顔の男子生徒。その後も霊菜は生徒たちの質問に答えたり、アドバイスを送ったりしたのだった。
学校の敷地内を氷で出来た鷹が飛ぶ。それも1羽2羽どころではない。全て合わせて25羽もいる。これらは全て霊菜が使役する神霊『氷翼漣璃』の分身体である。霊菜は氷の鷹と視覚を共有し、不審な点は無いか校内を見張っているのだ。
(敵はまだ動いていないようね。)
とはいえ油断は禁物。引き続き氷の鷹による監視を続けながら、霊菜は教員としての務めを果たすのであった。
🔵🔵🔴 成功

「あー、新しく教員となるわしの名は無砂糖じゃ。みんなよろしくのう。ああ、気軽にジジイて呼んでくれても構わんよ」
生徒になれ親しく手を振ってご挨拶からスタートじゃ
「わしの様な老いぼれ知識が役立てればいいんじゃがのう?」
罠の見つけかたや解除方法……ダンジョンを先回りして道行く先の安全を調べる斥候の役割は意外と重要じゃ
「よく最新の地図と照らし合わせたり長い得物で床を叩いたり、ツールを駆使して罠の解除したり…」
言葉だけでは全ては伝わりはせぬからのう
地味じゃけど、わし自身お手本となって見せようかのう
そうじゃな……あえて、ドジして罠に全て引っ掛かって生徒達の笑いを取るのもいいかもしれんのう。
●亀の甲より年の劫
校舎内の教室では座学の授業が行われようとしていた。
「今日新しい先生来るってよ。」
「マジで?どんな先生かな?」
「美人だといいなー。」
思い思いに騒がしい教室に、ドアの引かれる音が響く。と同時に、騒がしくしていた生徒たちも慌ただしく正面に向き直り、授業を受ける体勢に切り替わり、視線がドアに注がれる。
教室に入ってきたのは矍鑠とした老人であった。所なく体が透けているが、それ以上に尻に挟まった剣に目が行く。生徒たちの心は「何で尻に?」とクエスチョンマークで埋め尽くされた。
「あー、新しく教員となるわしの名は中村・無砂糖(自称仙人・h05327)じゃ。みんなよろしくのう。ああ、気軽にジジイて呼んでくれても構わんよ。」
生徒たちの気持ちを知ってか知らずか、無砂糖は馴れ馴れしく手を振った。
「わしの様な老いぼれ知識が役立てればいいんじゃがのう?」
とはいえ、ベテランの知識と経験というのは決して馬鹿にできたものではない。無砂糖は黒板に『斥候の役割』と書くと、教科書を手に話を始めた。
「罠の見つけかたや解除方法……ダンジョンを先回りして道行く先の安全を調べる斥候の役割は意外と重要じゃ。よく最新の地図と照らし合わせたり長い得物で床を叩いたり、ツールを駆使して罠の解除したり……。」
見た目はアレだが、言っていることは至極全うな無砂糖。生徒たちも真剣な顔でノートを取る。そして無砂糖が教卓の下から取り出したのは、ダンジョンでよくトラップとして仕掛けられている対人地雷だ。
「例えばこの地雷。何も知らずに踏んでしまうと大ダメージを負うことになる。しかし、探査と解除自体は簡単にできるからの。今からちょっと解除をやってみせよう。」
そう言うなり工具を取り出し、解除の実践を始める無砂糖。しかし手元が狂い、派手な爆発音と共に煙に包まれると、顔面は煤で真っ黒け、髭はちりぢりのコント風味になっていた。
生徒たちの笑いに包まれる教室。しかし実は無砂糖はここまで計算づくでやっていたのだ。
「とまぁ、こうならんようにも罠の解除技術は重要じゃな。」
きっちりオチを付け、授業は次の内容へと入っていくのだった。
🔵🔵🔴 成功

「今日は皆に爪の使い方を教えてやるであります」
冒険者の組合だったりから依頼を受けて来たという現役冒険者の特別講師という体で潜入します。
教える授業は素手、特に自身の爪を用いて戦う生徒たちに向けた内容です。
ドラゴンプロトコルでもない、それもウサギの獣人に教えられることがあるのか~みたいなことを言われたら爪で軽く岩でも切り裂いて見せて納得させます。
教えるのは指や爪の鍛え方、どういう力の入れ方をすれば如何に切り裂けるか、さらに格闘術を組み合わせた闘い方などを教えます。
「ボクの教えで、一人でも多く立派な冒険者になってくれたら嬉しいでありますよ」
●兎といって侮るなかれ
岩場の多いダンジョンが再現された、高学年用模擬ダンジョンに生徒たちが集まっていた。これから模擬戦闘の授業があるのだ。
「冒険者組合から特別講師として派遣されてきた、現役冒険者の猫屋敷・レオ
(首喰い千切りウサギ・h00688)であります。みんなよろしくなのであります。」
生徒たちの前に現れたのは、明らかに自分たちと同じくらいか、それより年下の兎獣人であった。
「今日は皆に爪の使い方を教えてやるであります。」
「おいおい、こんなガキが俺たちの先生だって?」
レオに負けず劣らず大柄な、見るからに不良めいた男子生徒が侮るように口を挟む。
「それに『爪』っつたってアンタ兎だろ?ホントに教えられんのかよ?」
その言葉に少し苛立ちを覚えたレオは、近くの大きな岩を鉄爪で切り裂いてみせた。岩がまるで豆腐のように切断されていく。
「先生、申し訳ございませんでした。」
力の差を見せつけられた不良が土下座した。
爪をメインに戦う冒険者にとって、『手』と『指』の鍛錬は重要かつ不可欠だ。その鍛錬に最も手っ取り早く、かつ実践的な効果を上げられるのがボルダリングである。この高学年用模擬ダンジョンにも崖を模した設備があり、早速特訓が始まった。
「まずは横移動5往復、やってみるのであります!」
すいすいと慣れた様子で崖を横に移動するレオに対し、不慣れなボルダリングに悪戦苦闘する生徒たち。中には何度も落ちる者もいる。
「終わったら、次は縦移動5往復であります!」
あちこちから悲鳴が上がったのは言うまでもない。
次は格闘術の練習だ。
「重要なのは速度であります。相手より早く動き、その懐に潜り込むことで攻撃の成功率を上げるのであります。」
レオはお手本を見せる為、スパーリング相手に不良を指名した。
「いくでありますよ!」
その言葉と同時に、影の如き素早さで飛び回るレオ。不良は目で追いかけるのもやっとという状態だ。彼が不意に背後から気配を感じ、振り返ったその一瞬の合間、その合間に不良の懐へと飛び込んだレオはその鉄爪を首筋に寸止めした。
「こんな感じでありますね。」
「先生すげぇ!」
感嘆の声がそこかしこから上がる。
「俺たちも頑張れば先生みたいになれるのかな?」
いい笑顔でサムズアップするレオ。その顔を見た生徒たちはやる気を出したように、スパーリングに取り組みだした。
「ボクの教えで、一人でも多く立派な冒険者になってくれたら嬉しいでありますよ。」
レオもまた、その様子を嬉しげに見守るのであった。
🔵🔵🔴 成功

【SPD】
一生徒として、罠の見つけ方や解除方法をより深く学んでいきます(使用技能:変装)。
ただ、こちらも狙撃手として生活していたせいか、罠の見つけ方やその解除方法を逆に教える事もあるかもしれません。
その裏側で、学校の高い位置か周囲から見えにくい位置に√能力『狙撃用簡易結界』を発動しておき、来たる戦いのときに備えます(使用技能:弾道計算)。
「罠の解除方法?あー、このタイプなら……。」
「さて、この辺りに『あれ』を準備しておくか。」
●ドラゴンプロトコル百花繚乱
一口に『ドラゴンプロトコル』と言っても、その見た目は限りなく人間に近いものから『二足歩行する竜』に近いものまで多種多様である。それ故か、東雲・グレイ(酷薄なる灰の狙撃手・h01625)の変装に気付く者はいなかった。
「グレイちゃん、一緒にお昼食べよう!」
同じクラスとなった少女が話しかけてきた。名前は『敦子』。青い髪に一本角が生えたタイプのドラゴンプロトコルだ。
「私も入れてもらっていい?」
赤い髪に所々赤い鱗が浮かぶ少女、『美和』も声を掛けてきた。グレイ自身特に断る理由も思いつかなかったので、3人で食堂へ向かうことにした。
昼食時の食堂は生徒や教職員で混みあっていた。運良く3人分の席を確保できたグレイたちはさっさと座ると、昼食を取ることにした。
「午後の授業は確か探索訓練だっけ。」
美和がナポリタンをフォークに巻きつけつつ話す。
「うん。場所が遠いから早めに出ないとヤバいかも。」
敦子が弁当の蓋を開け、箸を取り出した。
「確かグレイちゃんは初めて行く場所だよね。一緒に行こう?」
「あ、うん。でも私は職員室に用事があるから大丈夫。」
『職員室に用事がある』というのは、詮索されたくないというグレイなりの嘘である。彼女はこの後『狙撃用簡易結界』を学校の屋上に設置するつもりでいたのだ。
他愛のない会話が弾む。それは見た目で迫害を受け『友』と呼べる存在が無かったグレイにとって新鮮な体験だった。
午後の授業が始まった。皆開始までに間に合ったようだ。今回は3人一組で班を作り、罠が仕掛けられた模擬ダンジョンの中を踏破するというものだ。グレイは敦子、美和と組み、早速模擬ダンジョンへと足を踏み入れた。
「ストップ。」
グレイが歩いていた2人を制止する。
「ここ、落とし穴が仕掛けられてる。」
落ちていた石を床に投げつけると、床がパカリと割れて奈落の闇が見えた。
「グレイちゃん凄い!どうして分かったの?」
「よく見るとね、床の色が微妙に違うんだよ。」
なるほどと納得した顔の敦子と美和。多少の知識はあるとはいえ、素人に近い彼女らに対し、グレイは狙撃手として活動している期間が長く、その間に身に着けた罠の知識は相当なものであった。
この後も順当に罠を解除していくグレイ。時には解除方法を敦子と美和に教えながら、3人は模擬ダンジョンの奥へと進んでいくのであった。
🔵🔵🔴 成功
第2章 集団戦 『エンジェル・フラットワーム』

POW
捕らえる
【口を大きく開いて】から【、敵を捕らえて胃袋へ放り込むための触手】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【フラットワームに丸呑みにされ、全身が溶解】して死亡する。
【口を大きく開いて】から【、敵を捕らえて胃袋へ放り込むための触手】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【フラットワームに丸呑みにされ、全身が溶解】して死亡する。
SPD
毒を撒き散らす
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【有毒の粘液】で300回攻撃する。
指定地点から半径レベルm内を、威力100分の1の【有毒の粘液】で300回攻撃する。
WIZ
這い寄る
【薄っぺらい半透明の体を活かした襲撃】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
【薄っぺらい半透明の体を活かした襲撃】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
●運命の日
学校生活を過ごすうちに、予知にあった『喰竜教団』による襲撃の日がやって来た。訓練用ダンジョンで生徒たちを守るように待機する√能力者たちの前に現れたのは、ピンク色の薄い体をした『エンジェル・フラットワーム』だ。おそらく『喰竜教団』の信徒が放った使役モンスターだろう。
教師が生徒たちを訓練用ダンジョンの奥へと避難させる。それを追いかける『エンジェル・フラットワーム』を足止めするかのように、√能力者たちはモンスターへと立ち向かっていくのであった。

生徒達の所へ行かせるわけないでしょ
子供は未来の宝物、手出しはさせないわ
有毒の粘液を撒かれるより先、【先制攻撃】で斬撃を飛ばす
粘液ごと凍ってしまいなさい
斬撃で凍りつかなかった個体が居たら各個撃破していくわ
その時は【第六感】や【見切り】を使って回避するか、受けるダメージは最小限に
毒もそうだけど、触手も厄介そうだから注意しないとね
こいつらの使役者も近くにいるのでしょうし、手こずってるわけにはいかないわ
※アドリブ・連携大歓迎

「生徒のみなは下がってよく見ておれ、実戦モンスター退治のお手本を見せてやるわい!」
仮初とはいえわしは生徒の先生じゃ
先生ならば、生徒を護る責任があって当然じゃろう
「ならば、ちぃとマジ本気だしてお手本にならなばのう」
相手を見逃さない為に全て目視でなければならぬ
なら久々に尻ではなく手を扱おう…。
悉鏖決戦大霊剣を手に持ち構え『仙術、居合いじゃ』!
【仙術・流水撃】の居合いによる範囲斬撃で目視外も複数体纏めて斬り倒してやるのじゃ
「わしの目の黒いうちは生徒に手出しさせんぞい」
幽霊ではあるけれどもそれはさておき生徒を守りに奮闘じゃー!
(アドリブ・連携OKじゃ)

「今日だけとはいえ、先生なら生徒は守るべきでありますからね」
先生として生徒たちを守るという正義感が2割、自分を前にして捕食攻撃をしようだなんてふざけた奴らだという思い8割で迎撃に当たります。
使う能力は仏千切ブレイカー、外せば味方にも悪影響を及ぼす地帯を展開してしまう為、確実に当てる様に意識します。
相手がこちらを胃袋に放り込もうと口を開けた瞬間に、あえて口の中に飛び込むぐらいの勢いで突っ込み、カウンター気味に卒塔婆で殴りつけます。
●教員勢集合
訓練用ダンジョンの奥へ逃げる生徒たちを追いかける『エンジェル・フラットワーム』の群れ。だが、その前に霊菜、無砂糖、レオの3人が立ちはだかる。
「子供は未来の宝物、手出しはさせないわ。」
霊菜が『融成流転』を氷の刀身を持つ詠唱錬成剣へと変形させる。
「生徒のみなは下がってよく見ておれ、実戦モンスター退治のお手本を見せてやるわい!」
いつものおちゃらけた雰囲気とは違う、『悉鏖決戦大霊剣』を尻ではなく手に構え真面目かつ真剣な無砂糖。
「今日だけとはいえ、先生なら生徒は守るべきでありますからね。」
正義感2割、自分の前で捕食攻撃を行うとはふざけた連中だという憤りが8割のレオが『超すごい卒塔婆』を手に構えを取る。
『エンジェル・フラットワーム』が有毒の粘液を吐き出すよりも早く、霊菜が氷の刀身から強い冷気を帯びた斬撃を放った。斬撃に触れた粘液は瞬く間に凍り付き『エンジェル・フラットワーム』の動きを封じる。
運よく氷漬けから逃れられた『エンジェル・フラットワーム』も無砂糖が放つ『仙術・流水撃』によって膾のように切り刻まれていく。
1体の『エンジェル・フラットワーム』が霊菜の背後に忍び寄り、触手を猛烈な速度で伸ばした。だが、霊菜は気配を察知すると振り向きざまに触手の動きを見切り、『融成流転』で切り伏せた。
「毒もそうだけど、触手も厄介だから注意しないとね。」
霊菜は確認するように呟いた。
「ならば、ちぃとマジ本気だしてお手本にならなばのう。」
背中を預けるように無砂糖も呟いた。
一部の『エンジェル・フラットワーム』が2人を取り囲む。生徒たちを追うより√能力者を倒すことを優先させたようだ。
「合わせられますか?」
「任せとけ。」
目で合図し合う霊菜と無砂糖。『エンジェル・フラットワーム』の群れが一斉に2人に襲い掛かったその瞬間、強烈な冷気を纏った4つの斬撃波が『エンジェル・フラットワーム』の群れを一網打尽に切り裂いた。
「わしの目の黒いうちは生徒に手出しさせんぞい。」
「こいつらの使役者も近くにいるのでしょうし、手こずってるわけにはいかないわね。」
その場のモンスターを粗方片付けた2人は、生徒たちの元へと向かっていくのだった。
一方その頃、ダンジョンの奥へと逃げ込んだ生徒たちに危機が訪れていた。
「クソッ、あそこにもいた!」
「ど、どうしよう!?あっちにもいたよ!」
「みんなゴメン、ボクが転ばなかったら……。」
逃げる途中に転んで足を捻った男子生徒を助けるために、数人の生徒が逃げ遅れたのだ。その中にはあの大柄な不良もいた。
(ここはオレが出て行ってアレを引き付けるか?でもコイツを背負ってられるのはオレしかいない。先生なら、先生ならどうする?)
背中に感じる重みが一層強くなる。迷う暇はない。腹を括り、口を開く。
「ここは強行突破だ。みんなオレに付いてきてくれ。」
不良を先頭に隙を見て走り出す生徒たち。あと少し、あと少しで最奥にある校舎への移動用ワープゲートへ辿り着こうという矢先に天上から大きく口を開けた『エンジェル・フラットワーム』が舞い降りるように急襲してきた。
もうダメだ。誰もが諦めたその時、聞き覚えのある声が響いた。
「無謀と勇気は紙一重であります。でも、時には無謀が必要なこともあるのであります。」
『エンジェル・フラットワーム』の薄い体が一瞬のうちに細切れに引き裂かれる。
「先生!」
「みんな、よく頑張ったのであります。あとは先生に任せるのであります。」
レオは大胆不敵な笑みを浮かべてみせると、ワラワラと湧いて出てきた『エンジェル・フラットワーム』の群れを自身に引き付けさせる。
「みんな行ったでありますね。」
生徒たちが奥へと逃げたことを確認し、改めて『超すごい卒塔婆』を構えるレオ。この攻撃は外せない、外すわけにはいかないのだ。
限界まで攻撃を引き付ける。そして『超すごい卒塔婆』に力を籠める。『超すごい卒塔婆』が呼応するように光を放つ。
「神も仏も常識も、ボクの邪魔をするなら全部纏めて叩き割ってやるでありますよ!」
ダンジョンの床ごと『エンジェル・フラットワーム』の群れに『超すごい卒塔婆』を叩きつけ、破壊する必殺の一撃。それがレオの√能力『仏千切ブレイカー』だ。
「レオさん!」
「おーい、無事かの?」
遠くから霊菜と無砂糖が駆け寄ってきた。
「無事なのであります!」
「良かった、生徒たちも無事?」
「逃げ遅れた子たちがいましたが、先程奥へと避難したのであります。」
「わしらもここに来るまで確認したが、みんな無事に逃げた様じゃ。」
「では残りのモンスターを駆逐しましょう。」
3人は武器を取ると、そのままダンジョン内を逆方向に駆けだした。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功

戦闘開始時にスナイプスポッターを数十機展開しつつ、前章であらかじめ学校の屋上に仕掛けておいた「狙撃用簡易結界」から√能力「死刻冰弾」による大ダメージを狙います。
相手が能力を使用してもその位置を悟られないよう、あらかじめ「使い捨てステルス迷彩」を使い隠れつつ(使用技能:迷彩)技能「クイックドロウ」による速射や跳弾技能を駆使して弾丸の発射位置を悟らせないようにしながら狙撃します。(使用技能:スナイパー、弾道計算、クイックドロウ、跳弾)
必要とあれば、仲間の攻撃を支援することもあります。
※アドリブ・支援歓迎
●灰色の狙撃手
一方その頃、校舎の屋上ではグレイが事前に設置していた『狙撃用簡易結界』の確認を行っていた。上空では彼女が放った小型ドローン『スナイプスポッター』が校舎敷地内に出現した『エンジェル・フラットワーム』の群れを捉えている。
「これでよし、と。」
『パワードシャープシューター』を設置し、後は発射するばかりのタイミングで大きな音を立て、後ろの扉が開いた。敵襲か?直感的に振り向いたグレイは思いもかけないものを見た。
「グレイちゃんここにいたんだ!」
「早く逃げよう!クラスのみんなはもう逃げたよ!」
そこには敦子と美和が立っていた。2人とも危険を承知の上でグレイを探しに来たのだ。
「ゴメン、私は今ここでどうしてもやらないといけないことがあるんだ。それが終わるまでは、どうか。」
グレイはバッグの中から『使い捨てステルス迷彩』を取り出し、2人に手渡した。
「これ、使うと少しの間姿を消せるから逃げる時に使って。私も後から行くから。」
敦子と美和を見送ったグレイは改めて『狙撃観測型スマートフォン』から『エンジェル・フラットワーム』の群れを確認した。『狙撃用簡易結界』の上に『使い捨てステルス迷彩』をセットし、敵に場所を察知されないよう念には念を入れる。
『エンジェル・フラットワーム』が密集した一瞬を狙う。その為に弾道計算を駆使し、弾丸を跳ね、1か所に敵を追い詰めていく。そしてその瞬間がやって来た。
「――凍てつけ、凍てつけ、凍てつけ。この世全ては雪の中、凍る世界でさようなら。」
氷の力が込められた弾丸が1体の『エンジェル・フラットワーム』を撃ち抜く。着弾点を起点に分子凍結崩壊が発生し、次から次へと連鎖的に『エンジェル・フラットワーム』の体が裂けるように崩れ落ちていく。
『スナイプスポッター』からの映像で殲滅を確認したグレイは、次の群れを叩くべく別の『狙撃用簡易結界』へと移動するのだった。
🔵🔵🔵 大成功

※アドリブ・連携歓迎 チョイ役・苦戦描写OK
南蛮渡来のハイカラ妖怪を自称する女の子です。
子供っぽい明るく元気な口調で(自称:ワタシ、他称:~さん、二人称:アナタ、口調:ね、わ、~よ、~の?)を使用します。
行動指針は、直積的ながら善性と倫理観を重視したもので、子供らしくひねった行動や頭の良い行動はあまりしません。
戦闘では素手やバス停で戦い、
『怪力』を活かして、殴ったり・掴んだり・投げたり・踏みつけたり・なぎ払ったりします。
以上、どうぞよろしくお願いいたします。
●自称平凡な学生
人気のないがらんとした中庭に『エンジェル・フラットワーム』の群れが蠢く。そこに現れたのは1人の少女。只者ならぬ気配を纏った彼女――アリス・グラブズ(平凡な自称妖怪(悪の怪人見習い)・h03259)は周囲を一瞥すると、手にしたバス停を握りしめた。
「まったく、楽しい学校生活が台無しね。」
アリスもまた、生徒の一人として潜入していたのだが、当初の想定以上に学校生活をエンジョイしていたのだった。
『エンジェル・フラットワーム』の群れが一斉に口を大きく開け、アリスに向けて触手を放つ。しかしアリスは慌てない。バス停で触手をなぎ払うと、返す刀で謎の液体を放った。謎の液体に触れた『エンジェル・フラットワーム』の肉体が固まり、そして酸を浴びたように溶けだす。
乱戦の中で中庭のあちこちで謎の液体による水たまりが生じる。アリスはその上に乗り、スイスイと高速移動をしながら身動きのできない『エンジェル・フラットワーム』を各個撃破していく。
折角なので『エンジェル・フラットワーム』を1体捕食してみると、口の中にほんのりとした甘さがパッと広がり、スッキリとした後味を残して消えた。
「ん、ちょっと甘いわね。イチゴみたい。」
バス停で引き裂きつつ、疲れたら捕食して体力回復を繰り返すうちに、中庭の『エンジェル・フラットワーム』の群れは消滅し、謎の液体だけが残されていた。それも太陽に照らされ、じわじわと蒸発を始めている。このままなら30分もあれば全ての水たまりも乾くだろう。
アリスは他にもモンスターの群れがいないか確認すべく駆けだしていったのだった。
🔵🔵🔴 成功
第3章 ボス戦 『ドロシィ・ロランス』

POW
サンダーアイアン・verトワイライト
命中する限り「【明雷のメイスと追尾する夕雷剣 】による攻撃→技能攻撃→[明雷のメイスと追尾する夕雷剣 ]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
命中する限り「【明雷のメイスと追尾する夕雷剣 】による攻撃→技能攻撃→[明雷のメイスと追尾する夕雷剣 ]攻撃→技能攻撃」を何度でも繰り返せる。技能攻撃の成功率は技能レベルに依存し、同じ技能は一度しか使えない。
SPD
サンダーソード・verトワイライト
【2つの武器を合体させて】【夕雷強化状態 】に変身する。自身の【総合速度】【雷の出力】【斬撃の威力】が2倍になり、新武器【夕雷轟刃剣】を入手する。
【2つの武器を合体させて】【夕雷強化状態 】に変身する。自身の【総合速度】【雷の出力】【斬撃の威力】が2倍になり、新武器【夕雷轟刃剣】を入手する。
WIZ
サンダーエッジ・verトワイライト
【宵雷のサーベル】で戦いながら【夕雷 】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【電磁力】で追尾する【夕雷剣】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【電磁加速】と【夕雷剣の守護】による戦闘力強化を与える。
【宵雷のサーベル】で戦いながら【夕雷 】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【電磁力】で追尾する【夕雷剣】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【電磁加速】と【夕雷剣の守護】による戦闘力強化を与える。
√ドラゴンファンタジー 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
●雷たる信徒
√能力者たちの活躍により、学校敷地内に入り込んでいた使役モンスターの群れはすべて排除された。
同じ頃、訓練用ダンジョン入り口には忌々し気な表情を浮かべた金髪の少女が立っていた。彼女とダンジョン内部から出てきた√能力者たちが対峙する。
「貴様らが噂の√能力者か。教祖様より話を聞いていたとはいえ、あれだけのモンスターを倒すとは、その実力本物のようね。」
少女が黒い稲妻を身に纏う。
「我が名は喰竜教団が信徒、ドロシィ・ロランス!我らの行く手を阻むものは全て、この雷で打ち砕いてやる!」

「若者の将来の芽を潰そうとする不届き者はおぬしじゃな?」
狂信者を説くなんて無理な話じゃが
「悪いことは言わぬ。早う襲った事を謝ったほうがよいぞ」
前置きはこれぐらいにして
仙術手榴弾を転がしいざ『仙術、リアルタイム変身変化』じゃ!
UMAのスカイフィッシュに変身して回避に専念して鬱陶しく動き回り相手の隙を伺うのじゃ
執拗に「謝ったほうがええぞー?」
間合いと方向性と相手の動きの確認をしたら
瞬時に光の巨人に変身して両腕の巨腕で連続往復ビンタじゃー!
「やっぱり行き過ぎた若人にはこうしたオシオキが必要なようじゃな!」
ああ、ビンタが外れたら巨体のままダイビングしてボディプレスじゃ
(アドリブ/連携OKじゃ!)

ようやくお目当ての登場ね
子供達を狙った事、しっかり反省してもらうわよ
たしか、竜漿魔眼が使えるのだっけ
なら、こちらから動いて下手に隙を作らない方が良いかしら
【第六感】で敵の動きを常に警戒しておきましょう
敵が攻撃モーションに入ったらすかさず√能力を使用する
反撃は氷翼漣璃、あなた達に任せるわ
その隙に私自身は氷の粒を纏い隠密状態になって敵へと接近
【フェイント】と【部位破壊】で厄介なその目を潰させてもらうわ
相手も実力者、無理は禁物ね
目を狙うのが難しそうなら素直に標的を変えて鎧に守られていない部位を狙うわ
※アドリブ・連携大歓迎
●竜喰らう雷
「ようやくお目当ての登場ね。」
霊菜の目が怒りに満ちている。
「若者の将来の芽を潰そうとする不届き者はおぬしじゃな?」
無砂糖の問いに「違う」と言わんばかりに首を横に振るドロシィ。
「『不届き者』とは人聞きが悪いわね。私は早いうちにドラゴンプロトコル様をヒトの身からお救いしようとしているだけよ。」
対話の余地もない発言に、霊菜の怒りが頂点に達する。
「子供達を狙った事、しっかり反省してもらうわよ。」
霊菜がドロシィに『融成流転』を突き付けた。
「悪いことは言わぬ。早う襲った事を謝ったほうがよいぞ。」
無理だと分かってはいる。だがほんの少しでも頭が回るのならそれが最良である。無砂糖もドロシィが説得に応じてくれるとは思っていない。それでもポーズだけは示しておきたいのだ。
「だから、何故私が誤る必要があるのかと。」
ああ、やはり無理だったか。無砂糖は力なく、首を小さく横に振った。
星詠みの言葉が正しければ、ドロシィの眼はドラゴンプロトコルのものが移植されている。それ故に彼女は√能力の一つ『竜漿魔眼』を使用してくる。この√能力はこちらの隙を視認できるようにするもので、ドロシィはこの力を本来持つ雷の力と併用してくる。
「こちらから動いて下手に隙を作らない方が良いかしら。」
「なら、わしに一つ策がある。」
無砂糖が霊菜に耳打ちをした。策を聞かされた霊菜が小さく頷いた。
「こちらから行くわよ!」
ドロシィが手にした2振りの武器――『宵雷のサーベル』と『夕雷剣』を合体させ、一振りの巨大な剣『夕雷轟刃剣』を生み出す。心なしか、彼女が身に纏う黒い雷の出力も上がっているようだ。
「随分とご立派な剣じゃの。だがこれはどうかな?」
無砂糖が『仙術手榴弾』を投げつける。『夕雷轟刃剣』の斬撃が『仙術手榴弾』を豆腐のように切り裂いた。だがそれは無砂糖の罠。煙幕と閃光がダンジョンを包む。
「しまった!何も見えない!」
無砂糖の策というのは、要するにドロシィの視界を潰すことで『竜漿魔眼』の発動を阻止するというシンプルかつ的確なものだった。
「謝ったほうがええぞー?」
スカイフィッシュに変身した無砂糖がドロシィの周囲を飛び回る。ドロシィも無砂糖を斬ろうと『夕雷轟刃剣』を振り回すのだが、何せ小型かつ高速で飛び回る無砂糖を斬るには『夕雷轟刃剣』は大きすぎたのである。
第六感にてドロシィの攻撃を読んだ霊菜が『氷翼漣璃』の射程距離まで跳躍する。彼女から放たれた2体1対の氷の鷹がドロシィに飛びかかると同時に、霊菜の体が氷の粒子に包まれる。氷の粒子は光を乱反射させ、光学迷彩の如く彼女の体を覆い隠した。
無砂糖が『氷翼漣璃』と入れ替わるようにドロシィから離れ、間合いを取る。
「シュワッチ!」
どこかから怒られそうな掛け声と共に『光の巨人』へと変化する無砂糖。その巨大な両腕から繰り出される往復ビンタはドロシィの体を空中に放つのには十分な威力だった。
「やっぱり行き過ぎた若人にはこうしたオシオキが必要なようじゃな!」
宙に投げ出されたドロシィの眼を貫こうと、氷のダガーに変形した『融成流転』を手に霊菜が舞い上がる。彼女が身に纏う光学迷彩と化した氷の粒子により、ドロシィの回避が少し遅れた。
ドロシィの左眼を氷の刃が貫く。
「くっ、ドラゴンプロトコル様の眼が!」
「本来なら両目を潰すつもりだったけど、流石の回避ね。」
敵ながら感心したように霊菜が呟いた。
戦いはまだ、始まったばかりだ。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

※アドリブ・連携歓迎
ふー、なかなか楽しいレジャーランドだったわ!
十分堪能したし、そろそろ何か食べに行こうかな!
某教団の信徒とか!
という事でとつげきー!
メイスとか追尾する剣とかビリビリして強そうだけど、結局本数以上の攻撃はできないよね!
攻撃は『ワタシ』で受け止めて群れで敵を押し込むよ!
敵に近づけたらみんなでガジガジ齧っちゃおう!
ワタシは両手に『ワタシ』を持って飛んできた攻撃を受け止めるわ!
駄目になった個体は適当に捨てて新品を再装備!
敵が射程に入ったら手に持った『ワタシ』を叩きつけて吹き飛ばすわよ!
●楽しいメインディッシュ
「ふー、なかなか楽しいレジャーランドだったわ!」
満足げな顔のアリスが校舎の敷地内を歩く。彼女は『エンジェル・フラットワーム』をいたくお気に召したらしく、イチゴ狩りの要領で狩って校内中の『エンジェル・フラットワーム』を捕食していたのだった。
だが、まだ食べ足りない。まだメインディッシュにありついていない。この学校に現れるはずの狂信者を探そうと訓練用ダンジョンのある方向へと歩を進める。
ああ、いた。片眼は既に潰されているけれど、まだまだ健在だ。アリスは笑顔を浮かべると別個体たる『ワタシ』の群れを召喚した。
「モンスターの群れだと!?」
驚きを隠せぬドロシィだが、自身の周囲に大量の『夕雷剣』を召喚し『明雷のメイス』を握りしめると、本体たるアリスへと向かっていった。
『夕雷剣』が別個体の群れに向かい、ミサイルの如く飛翔する。アリスの別個体は特に防御行動をとるわけでもなく『夕雷剣』に貫かれる。しかしこの別個体、とにかく数が多い。倒しても倒しても次から次へと湧いて出てくるのだ。
「このっ!」
『明雷のメイス』をアリスに振り下ろすドロシィ。だがアリスは慌てるそぶりもなく、近くにいた『ワタシ』を掴むとそのまま『ワタシ』で受け止めた。ちなみにこの『ワタシ』、目視で体長2m近くある。そんなものを軽々と振り回すのだから、アリスの小柄な体に秘められた怪力は凄まじい。
「数は力よ!」
アリスの言葉通り、次第にドロシィが押されるようになってきた。あれだけあった『夕雷剣』が数を減らし、それでいてアリスの別個体はむしろ数を増やしている。
「それじゃ、いただきまーす。」
捕食行動に移ろうとしたアリスの口に思わず『明雷のメイス』を突っ込んだドロシィ。
「あ、パチパチしてる!レモンの飴みたい!」
慌てることなく、棒付きのキャンディを舐めるように『明雷のメイス』を食するアリス。その隙を突いてドロシィは逃げることにした。
「何なのアイツは!」
それは天の星に聞くべき案件だろう。
🔵🔵🔵 大成功

「やっぱり教祖は来ないんでありますね」
予め聞いていたとはいえ、本命が来ない事に少しがっかりしつつも今回の事件を起こした張本人という事で気を引き締め直します。
「隙が見えたぐらいで捉えられると良いでありますね」
戦闘が始まるや否や神千切・カゲトビを発動、空間を飛び越えいきなり背後から強襲、そのまま腕を喰い千切りに行きます。
反応され反撃をされそうになった場合は神千切・カゲウチの自動先制で先に喰い千切り阻止します。
上手く両腕を喰い千切る事が出来れば、もう獲物としての価値は無いと興味を無くし、とりあえず煽るだけ煽って他の人にトドメを譲ります。
「お前達の教祖には会った事があるであります、真竜になる為に優秀なドラゴンプロトコル達の身体を集めてるらしいでありますね」
「でもそんな教祖が他人にドラゴンプロトコルの身体を渡している辺り、さしずめ気に入らなかった部位の処分を兼ねているんでありましょう」
「救うと言っておきながら殺すだけ殺して気に入らない部位は信者に渡して処分…本当に救えないやつらであります」
他にトドメを刺す人が居なければ神千切・カゲヌイを発動、首を狙ってトドメを狙います。
●稲妻よりも速く
ドロシィが逃げた先は体育館裏であった。古来より体育館裏と言えば喧嘩の舞台であったが、それはこの√ドラゴンファンタジーにおいても変わらないらしい。
「やっぱり教祖は来ないんでありますね。」
頭上から残念そうなトーンを帯びた声が降る。
「何者!?」
「ここですよ。」
レオが高所から降りてきた。彼女はドロシィを確実に仕留めるべく、狩人の如く追跡していたのだ。
「貴様も√能力者か。」
『宵雷のサーベル』を構え、自身の周囲には大量の『夕雷剣』を召喚するドロシィ。
「隙が見えたぐらいで捉えられると良いでありますね。」
だがそれよりも早く、影を纏ったレオが両腕を狙い噛みちぎろうと一撃を放つ。ドロシィは咄嗟の身かわしで致命傷こそ回避したが、左腕は暫く使い物になりそうにない。
ドロシィが返す刀でレオに向かい夕雷の弾丸を放つ。レオもまた跳躍し回避するものの、着弾地点には弾痕と強力な電磁波が残されている。電磁波はドロシィの動きを加速させ、『夕雷剣』の追尾能力を強化させる。
「行けっ!」
ミサイルの如き『夕雷剣』の雨がレオに襲い掛かる。レオは回避しながらも時に足で蹴り落とし、時に『超すごい卒塔婆』を振り回してなぎ払い、時に鉄爪で斬り捨てた。
「お前達の教祖には会った事があるであります。」
「何?ドラゴンストーカー様にお会いしたことがあると?」
レオが切り出した話に反応するドロシィ。それはとあるドラゴンプロトコルの少年を助ける為、レオが仲間と共にダンジョンに向かった時の話であった。
「真竜になる為に優秀なドラゴンプロトコル達の身体を集めてるらしいでありますね?」
「よく知っているわね。まぁドラゴンストーカー様が我らの教義を語られたのでしょう。」
ドロシィが武器を『夕雷轟刃剣』へと組み替える。本来なら両腕で構えるものだが、左腕が使えない現在では右手だけで扱う必要がある。本来の攻撃力を生かしきれないとはいえ、それでも一撃は侮れない。
「でもそんな教祖が他人にドラゴンプロトコルの身体を渡している辺り、さしずめ気に入らなかった部位の処分を兼ねているんでありましょう。」
ブラフを掛けるレオであったが、ドロシィの表情に変化はない。
「はっ、あなたはドラゴンストーカー様の御心が分かってないわね。これもまた慈悲なのよ。あのお方一人の身では全てのドラゴンプロトコル様をお救いすることができない。だから我々信徒にお体を下賜くださるのよ。」
ダメだこの狂信者、話が通じない。いや、話が通じないから狂信者なのか。
「救うと言っておきながら殺すだけ殺して気に入らない部位は信者に渡して処分……。本当に救えないやつらであります。」
ポツリと吐き捨てると、レオは影を纏いドロシィの首を狙う。ドロシィもまた『夕雷轟刃剣』を振るい、迎撃しようとする。果たして、レオの鉄爪は確かにドロシィの首筋に触れたが、ドロシィの『夕雷轟刃剣』もまた、レオの胴を打ったのであった。
ドロシィの首筋から赤い血が流れる。彼女の肉体はもう、長く持たない。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功