古き妖、怒りに滾る
●山奥にて。
『此処は|楽園《√EDEN》、か……?
吾は、吾等は封印されていた筈……よもや封印と此処が繋がったのか?』
そう言って古めかしい着物を着た男は周囲を見渡す。
其処は人里から遠く離れた山の中、本来であれば木々に覆われ人工物などなかった場所であろうが……其処は違った。
『……人間がゴミを捨てる場所か。
封印が外と繋がったのは幸運だが、よりによって此の様な場所に繋がるとは……』
其処は違法業者による不法投棄が行われていた場所であった。
ゴミが多く積み重なり周囲に漂う臭気も凄まじいその状況に嘗て妖に成り果てる前、打ち捨てられ百足の住まいになる程に朽ち果てた嘗ての自分の境遇を思い返したのもあって男は顔を顰めつつ周囲を見渡す。
『……恐らく山を犯す毒も廃棄されておるな、此れは。
よもや吾が封じられてる間に更に人間が愚かになっておるとは……む?
あれは……!』
そして、そうして男が見渡しているとゴミに埋もれた古い祠が目に入る。
『此れは……嘗ての吾と同じく人に忘れ去られ、斯様な有り様になるとは……哀れなものよ』
其の余りの酷い有り様に男は何時の間にか呼びよせていたクラゲに似たインビジブルの群れに指示し祠の周囲のごみを撤去させていく。
そして、其の祠の中に祀られていた古びた仏像を見つけた男は其れを手に取る。
『このゴミの状態からして定期的に捨てているのであろう。
ならば、我が百足経典に再び血経を書き記す第一歩として貴様を斯様な目に合わせた輩に貴様の怒りを叩きつけてやるのも一興という物よな!』
仏像についた汚れを拭きながら男はそう怒りの声を挙げるのであった。
●そして星詠みは説明する。
「うん、まあ、そう言う訳で皆には此の古妖のおっさんを倒して欲しいんだよね」
そんな風に集まった√能力者達に言うと星読みの少女は細かい内容について説明を開始する。
「先ず状況だけど簡単に言うと√妖怪百鬼夜行の古妖の封印に√EDENへと続く入口が繫がっちゃって出てきちゃったって感じかな?」
幸い其処は人里離れた山奥で二時間したらやってくる不法投棄業者以外には全く人は来ないのだという。
「ついでに言うと不法投棄されてゴミだらけだったんだけど古妖が配下のインビジブルに命じて清掃してるから皆が行く頃には匂いもマシになってる様だしね」
古妖なのに何で清掃してるんだって思うかもしれないが其れはまあ、古妖の生まれが影響しての事だと言う。
「大昔に人に打ち捨てられて百足が住処にする程朽ち果てた恵比寿像が妖に変じた存在、『七禍神ヶ壱』百足恵比寿。
其れが皆が戦う相手だよ」
其の境遇から人間を憎み嘗ては6体の仲間と共に数多の√を荒らし回ったのだとか。
「他にも百足が変じた経典、百足経典に八百万の人の血で経を書くと誓ったりしたヤバい奴だから説得とかはしないでね?」
同情する人も居るかもだけど、相手はあくまで敵だからとは星詠みの談。
「因みに依頼の流れとしては配下のインビジブルを倒して邪魔者を排除。
百足恵比寿本体と戦って未だ繋がってる√妖怪百鬼夜行への入口から叩き返す。
其の後は元々封じられてた祠の前で奥の手をだした百足恵比寿と戦って封印って流れかな?」
基本的には戦闘のみになるだろうとの事である。
「ま、皆なら問題なくやってけるっしょ、イケるイケる」
そう太鼓判を押して星詠みは√能力者達を送り出したのであった。
第1章 集団戦 『インビジブル・クローク』

POW
クロークテンタクル
半径レベルm内にレベル体の【クラゲ型インビジブル】を放ち、【接触】による索敵か、【痛みをもたらす触手】による弱い攻撃を行う。
半径レベルm内にレベル体の【クラゲ型インビジブル】を放ち、【接触】による索敵か、【痛みをもたらす触手】による弱い攻撃を行う。
SPD
溶解針
自身の【触手】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【溶解毒】を付与する【毒針】に変形する。
自身の【触手】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【溶解毒】を付与する【毒針】に変形する。
WIZ
ライフスクイーズ
敵に攻撃されてから3秒以内に【触手】による反撃を命中させると、反撃ダメージを与えたうえで、敵から先程受けたダメージ等の効果を全回復する。
敵に攻撃されてから3秒以内に【触手】による反撃を命中させると、反撃ダメージを与えたうえで、敵から先程受けたダメージ等の効果を全回復する。

(……やっぱり、同情はしてしまうな)
説得をするつもりは無いし倒すことに迷い無い
だけど、捨てられた物が怒る気持ちはちょっと理解できる気がする
あと、ゴミ掃除をしてくれたのは普通にありがたいな……
周囲を気にしなくていいなら派手にやろうか
現場に到着して敵の姿を捉えたら決戦気象兵器「レイン」を起動し、遠距離からレーザーで攻撃
以降はダッシュで触手の反撃を受けないように距離を取りながら、レイン砲台でのレーザー射撃やライフルでの狙撃で数を減らしていく
逃げ切れずに接近されたらスタンロッドでぶちのめそう
こいつらはまだ配下だし、本番はこれからだ
有利に進んでも気は抜かずに次に備えよう
※アドリブ、連携歓迎です
〇堅実に仕留め倒す。
(……やっぱり、同情はしてしまうな)
戦場に赴きながらクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)はそんな風に此れから戦う相手について想いを馳せた。
勿論、クラウスにしても説得をするつもりは無いし倒す事に迷いはない。
そもそも百足恵比寿が説得に応じるとは思えないし、何より百足恵比寿の行いはクラウスからすれば決して看過出来るものではない。
ただそう、捨てられた物が怒る気持ちはちょっと理解出来る気がするのだ。
だから、どうしても同情はしてしまうのだ。
其れに……。
「あと、ゴミ掃除をしてくれたのは普通にありがたいな……」
本来ならゴミが多く散乱してる場所で戦っていただろう事を考えると其処を奇麗にしてくれるのには感謝の気持ちも抱くという物。
そもそも其の敵が居なかったら行かずに済んだ話ではあるが簒奪者自身が望んで其処に来た訳でもなく簒奪者自身が汚した訳でもないのだから猶更に。
そんな風に思索を巡らしていたクラウスは漸く戦場へと到着する。
(……思った以上に奇麗になってるな)
其処に広がっていたのはゴミはなく、朽ちかけた神社の手前で今回の主敵と其れに付き従う赤いクラゲ型インビジブルの群れ、インビジブルクロークが陣取る光景であった。
「中々厄介そうな布陣だな。
まあ周囲を気にしなくて良いなら派手にやろうか」
そう嘯くとクラウスは決戦気象兵器「レイン」の端末たるレイン砲台を展開。
先ずは挨拶代わりにと無数のレーザーをインビジブルクロークへ叩き込む先制攻撃。
数体のインビジブルクロークを撃破する。
『―――――っ!?』
『―――――――――っっ!!』
『……むっ!此れは……どうやら来たようだな√能力者。
お前達、半分は吾の周囲で他の敵を警戒、残りは迎え撃て!』
此れに対し百足恵比寿は慌てる事なく対処。
インビジブルクロークを二つに分けるとレーザーの出元、クラウスの処へと向かわせる。
「おっと、捕まってはやらないよ。
其の触手も3秒以内に当たらなければ意味はないだろう?」
『―――――っ!!』
其れを見たクラウスは即座に駆けて後退。
インビジブルクロークから距離を取りつつライフルによる狙撃で敵が自身に近付けない様に牽制、銃弾から身を護る為に動きが鈍った敵にレーザーを叩き込んで撃墜。
そうこうしていくと狙撃は牽制と判断。
ライフルからの銃弾は敢えて受けレーザー回避に専念し此方に突っ込んでくる敵も現れたりするが、そう言う敵にはライフルからの狙撃を本命に代え銃弾を数発一気に叩き込んで撃ち落とす。
そうやって手を変え品を変えクラウスは堅実に自身に迫る敵を仕留めていく。
しかも、此処迄戦いが有利に進めば多少は緩みも出るものなのにクラウスには其れもない。
(こいつらはまだ配下だし本番はこれからだ。
有利に進んでも気は抜かずに次に備えよう)
そう心の中で考えながら彼は冷静に戦い続けていく。
そして、そんな戦場の様子を見て百足恵比寿はインビジブルクロークへと指示。
『このままでは無駄死にさせるだけか。
余りこういう戦い方は好きではないが……お前達、先ずは足を止めるのが先だ。
盾と矛に分かれよ!』
『『『『―――――!!』』』』
するとインビジブルクロークの一部が味方の盾になりはじめ、其の間に残りのインビジブルクロークがクラウスへ向かって詰め寄っていく。
「成程、確実に俺に当てて動きを止める気か」
そして、遂に一体、インビジブルクロークがクラウスへ触手を叩き込もうと迫るが……。
『――――っっ!!』
「けど……」
『―――――っっ!!!』
クラウスはスタンロッドで此れを殴打しインビジブルクロークをぶちのめす。
「別に俺は接近戦が出来ない訳じゃないんでね」
そう嘯くとクラウスは己に迫る残りの敵も堅実に倒し続けたのであった。
🔵🔵🔵 大成功

> アドリブ・連携歓迎
こんなに沢山いるんだ。√能力で【きらめき】をけしかけるにしても、数が少ないとすぐ押しきられてしまいそうです。
まずはすでに片付けられたあとのごみの山など、見つかりにくそうな場所を探してそこで詠唱。とはいえ詠唱の間ずっと隠れて敵の様子を見ているだけだと、少し気が引けますね。場合によってはいくつかの【きらめき】をサポートに回してもいいかもしれません。
数が用意できたら一気に攻撃をけしかけて、そのあとは自分も剣で応戦します。
〇煌めきと共に攻め立てる。
√能力者と百足恵比寿の配下との戦いが始まった其の頃、其の光景を別方向から伺っていた者が一人。
「……こんなに沢山いるんだ。
√能力で【きらめき】をけしかけるにしても数が少ないとすぐ押し切られてしまいそうだね」
アルカウィケ・アーカイック(虚像の追憶・h05390)は敵の数、そして敵の戦い方を見て先に数を用意してから攻めないと押し切られると判断。
其の侭、暫く隠れる場所がないかと戦場を見渡していく。
「あれは……恐らく、元々此処に捨てられてたゴミ、かな?
インビジブルの攻撃で破砕されて小さくなってるけど完全には破壊しきれなかったのかな?」
そうしていくとアルカウィケはインビジブルが片づけたゴミを纏めたゴミ山を発見。
多少マシになってるものの匂いもするからか敵のインビジブルも数体しかいない様であった。
「敵の首魁も他の√能力者へ対処していて意識はあちらに向けてない、か。
なら……!」
アルカウィケは或る程度其の場に近付くと細身の剣を振るいインビジブルを討ち取っていく。
『?!』
『?!!』
其の侭ゴミ山周辺を警戒していたインビジブルを声すら出させず排除すると即座に百足恵比寿たちに気取られない様にゴミ山の影へと移動。
「其れじゃあ準備を始めましょうか。
|Révèle la lumière de la omniprésente《あまねく光を示せ》」
そしてアルカウィケは詠唱と共に【|きらめき《プリズムストーン》】を生み出していく。
「|Révèle la lumière de la omniprésente《あまねく光を示せ》……未だもう少しいた方が良さそうですね。
とはいえ詠唱の間、ずっと隠れて敵の様子を見ているだけだと少し気が引けますね」
そして、詠唱を続けていく内に【|きらめき《プリズムストーン》】も増えていくが未だ未だ数は足りない状態。
「そうですね。幾つかの【|きらめき《プリズムストーン》】を援護に回しましょう」
其の為、数体の【|きらめき《プリズムストーン》】を此方から向かって来てると気取られない様に迂回させながら味方の援護に向かわせる。
「其れじゃあ僕は準備を続けましょうか。
|Révèle la lumière de la omniprésente《あまねく光を示せ》」
そして、其れを見送るとアルカウィケは【|きらめき《プリズムストーン》】の創造を再開。
其のまま十分な数を揃え切ると遂に攻勢開始。
『……成程、先程から奴等を援護していた輩が居たが本命は此れか!
お前達、奴等は攻撃すると同時に消える。
守りよりも回避を優先し攻撃する前に攻め立てるのだ!』
『―――――!』
『――――!!』
そして、本格攻勢を開始した【|きらめき《プリズムストーン》】に対し百足恵比寿はインビジブル達に対処を指示。
其の侭なら敵側の数もあって【|きらめき《プリズムストーン》】も殲滅されてたかもしれない。
だが……。
「成程、冷静な敵の様ですね。
……だからこそ、温存した甲斐がありますが」
『なっ!そうか、反射か!』
「ええ、自分の攻撃なら回復も出来ないでしょう?」
此れに対しアルカウィケは【|きらめき《プリズムストーン》】の半数に密かに反射を指示。
敵の攻撃を敢えて受け敵の攻撃を反射。
逆に大量の敵を負傷させる事に成功する。
「勿論、此れだけじゃ済みませんよ」
『くっ!お前達、無傷の者は負傷した味方の盾となれ!』
『――――――!!』
『―――――――――――――!!』
当然、此処で終わる筈もなくアルカウィケは残りの【|きらめき《プリズムストーン》】に指示。
【|きらめき《プリズムストーン》】達は間髪入れず負傷した敵へ攻撃を仕掛けていく。
此れに百足恵比寿は無傷の者を盾になる様に指示するが、其れでも防ぎきる事等出来ずかなりの数の敵が打ち倒されていく。
『……っ!せめて、他の√能力者が居なければ如何にか出来た物を……反射される事を考えれば攻め切れぬ!』
「寧ろ此のまま此方が攻め切らせて貰いますよ。
|Révèle la lumière de la omniprésente《あまねく光を示せ》」
歯噛みする百足恵比寿を尻目にアルカウィケは冷静に詠唱を続け【|きらめき《プリズムストーン》】を補充。
味方への援護にも追加で向かわせつつ更に敵群を攻め立てていくのであった。
🔵🔵🔵 大成功

怒りのままに行動する、それを自分に赦せるのは悪いことではないと、わたくしは思う。不条理を甘受するだけでは、わたくしのように死んでしまうからな……幽霊なりのブラックジョークのつもりだったが、面白くないか、そうか。
つまり、邪魔するのはこちらの都合に過ぎないということだ。存分に怒り、怨めばいい。
わたくしも存分に揮わせていただこう。
|比叡颪《カゼ》。きちんと読むならば、|比叡颪《ヒエイオロシ》。
比叡山から都に吹き降りてくる、冬の北風に着想を得た技だ。最近はめっぽう春めいてきたが、季節外れの寒風が吹くことなど、珍しくもないだろう?
このインビンシブル・クローク、綻び始めた山花ごと、吹き散らしてしまおう。
〇血華裂かせて舞い踊る。
「怒りのままに行動する、其れを自分に赦せるのは悪いことではないと、わたくしは思う。
不条理を甘受するだけでは、わたくしの様に死んでしまうからな……」
戦場に降り立った磐代・真鍮(軀の底・h06067)は人間への怒りを抱く百足恵比寿に向かってそう言い放つ。
其の表情は真剣そのもので傍から見れば本気で言ってるようにしか思えないし、百足恵比寿もそう受け取ったが……。
『……貴様、人ではなく霊の類いか。
其れも√能力者の。
ならば、其の様な言い様をしておろうと吾の邪魔をするつもりなのは変わりあるまい。
行けお前達!』
百足恵比寿は此れに怒りを抱き己に付き従うインビジブルの群れへと攻勢を指示。
血の様に紅く、宙を漂うクラゲに似た眷属たちは其の触手を伸ばし真鍮へと襲い掛かる。
「む、幽霊なりのブラックジョークのつもりだったが面白くないか、そうか……」
こうして百足恵比寿が動かすインビジブルクロークの群れとの戦の火ぶたが切って降ろされたが真鍮は此れに長刀を構え迎撃の構えを取りつつ密かにショックを受けていた。
何せ真鍮からすれば少し場を和ますためのブラックジョークのつもりだったのだ。
其れが笑う処かブラックジョークとすら思われなかったのは以前、エイプリルフールに他愛もない嘘を信じ込まれた過去も思い返されてしまって堪えてしまうのも仕方ないだろう。
とは言え此処は戦場、其れを引きずってばかりもいられない。
「まあ、邪魔するのはこちらの都合に過ぎないということだ。
存分に怒り、怨めば良い。
わたくしも存分に揮わせていただこう」
『……っ!よもや此れだけの武を有しているとは……!』
真鍮はそう宣言すると同時に長刀を振るい、花を拭き散らす嵐の如くインビジブル達の命を刈り取っていき其の姿に百足恵比寿は驚愕の声をあげる。
何故なら其の業は歴戦の武人が如きもので見事としか言いようがなく、今若の面に能装束に幽遠なる佇まいの真鍮との落差が余りにもあったからだ。
「|比叡颪《カゼ》。きちんと読むならば、|比叡颪《ヒエイオロシ》。
比叡山から都に吹き降りてくる、冬の北風に着想を得た技だ。
最近はめっぽう春めいてきたが、季節外れの寒風が吹くことなど、珍しくもないだろう?」
そう戦場に似合わぬ艶を含んだ物憂げな声色で真鍮は百足恵比寿に声をかける。
当然の如く、己の周囲を漂い伺うインビジブルへの警戒は決して怠らず長刀を構えながら、だ。
『……此れで調子に乗っておればまだ可愛げがあるものを……』
「まさか。
わたくしからすれば油断など出来んよ。
味方の半分がもう半分の盾となり、確実に攻撃を当てる事を狙っている様な相手に」
『抜かせ。
貴様は其れを理解し敵全てを薙ぎ払っているであろうが!』
真鍮の言葉に百足恵比寿は怒りの声をあげるが決して逆上せずインビジブルクローク達を長刀の間合いから離れた距離で囲むように指示。
暫くにらみ合いの膠着状態になるかと思われたが、そんな事は決してなく……。
「このインビンシブル・クローク、綻び始めた山花ごと、吹き散らしてしまおう」
『……っ!今度は其方から攻めて来たか!
お前達、味方の盾となりながら敵の間合いの中に踏み込め!
一撃でも当たれば此方のものだ……』
此方側に踏み込んできた真鍮に対し百足恵比寿は迎撃の構えを取って対応。
だが、真鍮は捨て身の勢いで迫るインビジブルクロークをものともせず、花々を吹き飛ばす嵐と化して自身に迫る敵全てを敵を血華へ変えていくのであった。
🔵🔵🔵 大成功

野良豆柴の豆柴パンチ|格闘者《エアガイツ》×汚職警官、男です。
普段の口調は「「丁寧(自分、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
真面目な相手には真面目に戦いますが、しょうもない相手には相応の戦い方をします。
防御はオーラで受けるか野生の感で回避します。
√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
〇人々を護る為に野良警官として。
「ふむ、野良の身としては捨てられた怒りというのは多少は判らなくはないですな。
とは言え、人に害を為すのならば止めるしかありませんが」
百足恵比寿の怒りを聞いた安藤・ポチ(野良豆柴の豆柴パンチ格闘者・h02478)は其れに多少の理解を示しつつ其れでも止める為にと戦闘の構えを取る。
此れがしょうもない理由からの行いであれば此方も相応の戦いをするのだが今回の相手は過激だがそうなった理由は未だ理解出来なくもないもの。
「ならば此方も真面目にいかねばいけませんしね。
問題と言えば見た目的にインビジブルクロークに目があるかどうか判らない事位でしょうか?」
そう言いつつポチは長距離狩猟の体勢に移行。
そのまま敵の意識外から一気に懐迄踏み込み突貫。
前足から放たれる強力な一撃を二連続でぶちかまし先ずは一体倒していく。
『むっ!又新手か!
人間ではないようだが邪魔する様なら打ち倒すのみよ!
お前達行くが良い!』
『『『―――――――!!』』』
そんなポチの登場に対し百足恵比寿はポチが人ではなく怒りの対象外なのもあってか冷静に対処。
それに従いインビジブルクロークは自信の触手を毒針に変えながらポチに襲い掛かる。
「成程、此方の位置を把握はできてる様ですね。
となると其の見た目で肉眼が何処かにあるのか或いは主と視界をリアルタイムで共有してるかの何方かでしょうか?
対処法は……現状ではなさそうですね」
肉眼以外のあらゆる探知を無効化する状態にある今のポチの位置をインビジブルクロークが把握し襲い掛かって来ている事からポチは敵が何らかの手段で此方の位置を把握していると分析。
一瞬、対処できないかと思ったりもしたが肉眼が何処かにあるなら其れが何処にあるか判らなければ潰せないし敵の首魁、百足恵比寿は自分達から離れた場所に居るので推測通りなら其の目を塞ぐのも難しいと判断。
故にハンティングチェイスの大きな利点、敵の意識外からの襲撃は出来そうにないだろう。
だが……。
「まあでも、其れでも問題はありませんね」
『――――っっ!!』
だが、其れなら其れでやるべき事をやるだけだ。
そう言わんばかりにポチは敵の触手の軌道を其の優れた野生の勘で察知し回避。
お返しとばかりに其の前足で殴り倒していく。
其処に攻撃に意識が向いた今がチャンスとばかりに他のインビジブルクロークが襲い掛かるも気の障壁を以て此れを防ぎ、警棒で殴り殺す。
『ぬぅ……こ奴、中々の手練れであったか。
厄介な!』
「百足恵比寿さん、あなたの気持ちは判らなくもないですが幾ら打ち捨てられた復讐とは言えやりすぎです。
なのであなたを止めさせて貰います!」
思わぬ強敵に歯噛みする百足恵比寿に対しポチは彼を止める事を宣言。
其のままポチは自分に迫る大量のインビジブルクロークを打ち倒していくのであった。
🔵🔵🔴 成功
第2章 ボス戦 『『七禍神ヶ壱』百足恵比寿』

POW
骸恵比寿
【百足経典】と完全融合し、【自身を食らって生み出てくる無数の百足達】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
【百足経典】と完全融合し、【自身を食らって生み出てくる無数の百足達】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
SPD
経典連撃
【毒爪】による牽制、【百足経典】による捕縛、【百足経典から這い出る無数の百足達】による強撃の連続攻撃を与える。
【毒爪】による牽制、【百足経典】による捕縛、【百足経典から這い出る無数の百足達】による強撃の連続攻撃を与える。
WIZ
百足蹂躙
半径レベルm内にレベル体の【巨大百足】を放ち、【鋭敏な触覚】による索敵か、【巻き付きと毒を伴う喰らいつき】による弱い攻撃を行う。
半径レベルm内にレベル体の【巨大百足】を放ち、【鋭敏な触覚】による索敵か、【巻き付きと毒を伴う喰らいつき】による弱い攻撃を行う。
〇そして古妖は足掻き戦う。
『……インビジブルクロークは倒れたか……』
そう言って自分に付き従っていた者達の残骸を骸恵比寿は見渡す。
其の表情は動かず判らないが其の声色から何処か悲し気な物が感じられたのは√能力者達の勘違いだろうか、そうでないのか。
『……いや、感傷に浸る等愚かな事よ。
其れよりも今は貴様等を打ち倒し、先ずは斯様な惨状を起こした者を殺め、そして物を大事にせぬ者達を殺め、吾の存在を以て古き物を省みず踏み躙る行いの愚を叩き込むのみ!』
そんな事を宣いながら百足恵比寿は胸を抑えつつ構えを取る。
『この感覚、本体がトドメを刺されたか……ならば残る欠片は吾のみであろう。
だが、それでも吾は諦めぬ!貴様等人に物を打ち捨て踏み躙る行いの愚を血を以て叩き込む迄はな!」
其の為に勝って見せると言いながら百足恵比寿は足掻く為に√能力者に戦いを挑んできたのであった。

「……物を大切にしたい気持ちは、わかるよ」
俺だって物資が乏しい世界の出身だ
物はできるだけ大切にするし、雑に扱う人を見ると悲しくなる気持ちも理解できる
だけど、暴力に訴える手段を許す訳にはいかないから
「わかるけど、許すことはできないよ」
ダッシュで懐に踏み込み、フェイントや牽制攻撃を交えつつ居合で攻撃
無数の百足はファミリアセントリーでの制圧射撃で動きを制し、隙を見てルートブレイカーで蘇生能力を無効化する
敵からの攻撃は受け流しや霊的防護で凌ぐ
気持ちが理解できるだけに心苦しいけど、人々に害を為そうとするなら討伐することに躊躇いはないよ
※アドリブ、連携歓迎です
〇暴力の連鎖を止める為に。
『この感覚、本体がトドメを刺されたか……ならば残る欠片は吾のみであろう。
だが、それでも吾は諦めぬ!貴様等人に物を打ち捨て踏み躙る行いの愚を血を以て叩き込む迄はな!』
恐らく何処かで百足恵比寿の本体が倒されたのであろう。
激昂しながら其れでも足掻かんとする彼を見据えながらクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は静かに構える。
「……物を大切にしたい気持ちは、わかるよ。
俺だって物資が乏しい世界の出身だしさ」
『……なっ!速……っ!』
そして、クラウスは百足恵比寿の怒りの言葉に穏やかに語り掛けながらも駆け出し瞬時に肉薄。
居合の如き動きで抜き放った柄のトリガーを引き、生成された光の刃で百足恵比寿の腕を斬り飛ばす。
『……っ!此の斬撃、虚実織り交ぜた軌道で判り辛いにも程が或る……っ!』
「まあ、素直な動きじゃ当たるとは思えないしね」
百足恵比寿が言う通り、クラウスの剣の冴えは見事なもので上と思えば右、右からの斬撃と思えば突きと本命にフェイントや牽制を上手く入り交ぜた攻撃は的確に百足恵比寿を斬り裂いていく。
「物は出来るだけ大切にするし、雑に扱う人を見ると悲しくなる気持ちも理解できる。
だけど、暴力に訴える手段を許す訳にはいかないから……」
『……っ!
打ち捨てておきながら……自分達が先にしておきながら、吾等が反撃する事を許さぬと抜かすか!!
百足たちよ吾を喰らい尽くせ!
奴を殺せ!』
そして、そんな苛烈な攻めを行いながらもクラウスの百足恵比寿に語り掛ける言葉は穏やかな物。
何処か悲しそうに百足恵比寿を見るが此れに対し百足恵比寿は激昂。
怒りながらも此の間合いは不利と判断し距離を取ろうと己の躰を餌に無数の百足を生み出し彼に差し向ける。
そんな百足恵比寿の言葉に対しクラウスが思い浮かべるのは幼い頃に喪った家族や学生時代の戦いで喪った親友の姿。
「……気持ちは判るよ。
判るけど、許す事は……出来ない」
『……っ!吾の百足達を!』
クラウスは過去を思い返しながらも冷静に状況を分析。
自身に迫る百足たちの動きを的確に予測し自身の周囲に浮遊する半自立浮遊砲台、ファミリアセントリーによる制圧射撃で素早く征していく。
そして、其のまま百足たちの骸の上を駆け抜けながら百足恵比寿に肉薄。
「気持ちが理解出来るだけに心苦しいけど、人々に害を為そうとするなら討伐する事に躊躇いはないよ」
『ぐが……っ!ぎ…さま……ぁっ!!』
あらゆる√能力を無効化する、最強の√能力。
其れを込めた右拳で以てクラウスは百足恵比寿を殴りつけ彼の身に宿した不死性ごと吹き飛ばしたのであった。
🔵🔵🔵 大成功

容赦ないですね……怨みと、この戦いに賭ける気迫がこちらにまで伝わってきます
その怨みを晴らすことは、僕にはできませんが
精一杯受け止めて、|ぶつかっていく《戦う》ことなら
まだ、僕にもできるはずです
防御に使っていた電子傘をそっと|置いて《・・・》、攻勢に転じていきましょう
【万華転變】を使用、人間の姿と小鳥さんの姿を切り替えて、狙いを絞らせないように接近
そのままユニコーンに変身して体当たりします!
おりゃー!!
〇憤怒の象徴を以て憤怒を討つ。
『……未だだ、未だ吾は倒れる訳には……貴様等人間に吾等捨てられし者の怒りを思い知らせる為に……っ!』
己の身体を百足達に喰らわせ穴だらけの状態で其れでも倒れず呪詛の言葉を漏らしながら自分達を睨みつける百足恵比寿。
其の怒りに満ちた眼差しにアルカウィケ・アーカイック(虚像の追憶・h05390)は気圧される事無く見つめ返す。
「僕達を打ち倒す。
其の為なら貴方はどんな傷も厭わないんですね……怨みと、この戦いに賭ける気迫がこちらにまで伝わってきます。
その怨みを晴らすことは僕にはできませんが……精一杯受け止めて、ぶつかっていく戦うことなら、未だ僕にもできるはずです」
其の怒りと怨嗟に囚われた姿に少し悲し気な表情を浮かべながらも少年はそう嘯くと手にした電子傘をそっと地面に置く。
『護りの要を手放すか。
……だが、其の目、戦いを止めた訳でもあるまい!』
そして、其の姿を見て一瞬百足恵比寿は訝し気に表情を歪めるが直ぐに油断せず構えなおす。
「ええ、攻勢に転じていきましょう。
……どうか忘れないで。
僕がキミの|虚像《かげ》であること──キミも、なんにだってなれるんだってこと」
そんな警戒する百足恵比寿を一瞥するとアルカウィケ、ウィケは彼に向かって駆けだしながら詠唱。
√能力【万華転變】を用い、其の姿を小鳥へと変え百足恵比寿が手裏剣の様に投擲した毒爪を回避し其のまま飛翔。
『変身能力か!
面倒な使い方をする……っ!』
此れに対し百足恵比寿は続けて百足経典をまるで生きた百足の様に動かしながら空中のウィケへ襲い掛からせる。
「此処で元に戻れば……っ!」
『人間の姿に戻って自由落下で回避したか……っ!
狙いが絞り難い変化の使い方をするものだな……っ!』
だが、其れも人間の姿に戻り其のまま空から自由落下する事で回避。
其処に百足経典から這い出た無数の百足達が追撃にかかるが此れに対しウィケは地面に着地する直前に今度はユニコーンへと変身。
其のまま己を追撃する百足達を振り切って百足恵比寿へと駆けだすと……。
「おりゃー!!」
『ぐっ……!き……さ…ま……っ!』
駆け出す速度を其のままに百足恵比寿へ向かって一直線。
額の角を百足恵比寿のどてっ腹へとぶちかます。
其の凄まじい勢いからなる突貫は百足恵比寿の腹を貫通し……其のまま周辺にあった岸壁に貼り付けに。
当然の如く百足恵比寿は怒りの眼差しを向け反撃をしようとするがウィケは其れを許さない。
「未だ未だです!
おりゃ―――!!」
『ぐっ……!がぁ……っ!!』
人間の姿に戻る事で角を離さず逃がすまいとした百足恵比寿の目論見を回避しすると同時に後退
再度ユニコーンの姿へと変化しての追撃を続行!
容赦なく百足恵比寿を打ち倒していくのであった。
🔵🔵🔵 大成功

とても目立ちたがり屋ですが隠れる時は我慢します!
最初に以下の名乗りをしてください!
『私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 不快な悪事の邪魔をする汚職警官ダーティとは私のことです!』
敵から目的を尋ねられたら以下の回答をしてください!
『あなたの○○はとても不快です! よって全身全霊で邪魔させていただきます!』
↑○○は悪事の内容
喋る時の末尾は「!」か「?」で!
アイテム、√能力は装備(活性化)されているものならどれでも使ってOKです!
多少の怪我は厭わず積極的に行動します!
他の√能力者に迷惑をかける行為はしません!
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません!
〇境遇がどうであれ罪は罪。
『……っ!未だだ……吾は……吾は……っ!
吾等を捨てた者達への復讐を……っ!』
「いえ。其の復讐は許しません!」
『……っ!誰だ……っ!』
深い傷を負い其れでも強い憎悪に突き動かされて立ち上がらんとする百足恵比寿に掛けられた声。
其れに百足恵比寿が周囲を見渡すと森の中でも一際巨大な木の上に一人の女性の姿があった。
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 不快な悪事の邪魔をする汚職警官ダーティとは私のことです!
とぅっ!」
そう名乗りを上げたダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・h00394)は木から跳躍。
百足恵比寿から少し離れた場所に降り立つと流れる様な動きで胸を揺らし胸に挟んでたと思しき銃、ダーティリボルバーを構える。
『……貴様等は、本当にわらわらと吾の邪魔を……っ!』
「其れはそうでしょうとも!
あなたのしようとしている虐殺行為はとても不快です。
よって全身全霊で邪魔させていただきます!」
『……っ!ならば貴様も吾ごと百足に食われるが良い!』
百足恵比寿の怒りの念も受け流し颯爽と返されたダーティの言葉に百足恵比寿は激昂。
己の身体を百足経典と融合させ自身の身体を餌に生み出した大量の百足をダーティへと襲い掛からせる!
「おっと、此れは又大量ですね。
ですが……!」
『……っ!吾の百足を銃で撃ち落とすか!
ならば百足達よ、負傷した者や死した者を盾に……っ!』
だが、そんな百足達をダーティはダーティリボルバーから放つ弾幕で一掃。
其れに対し百足恵比寿は倒れ伏した百足達を盾に迫る様に指示するが……。
「させませんよ!」
『……っ!此れは鎖、か!動きが取れぬぞ!』
「勿論、捕らえるだけじゃ終わりませんよ?」
そうして迫った百足達もダーティが視線を向けた途端、突然現れた鎖によって拘束され……。
「んー、砕く所を気を付けないと汚れかねませんね、此れは!」
『……っ!一撃で殴り飛ばすか、我の百足達を!』
一瞬で拘束された百足達に肉薄。
ダーティガントレットによって守られた両腕で砕き殺していく。
「当然ですが……あなたも逃がすつもりはありませんので!」
『……っ!吾を護らせていた百足達も一瞬で!』
そして、更にダーティリボルバーから放つ弾幕で百足恵比寿の傍にいた百足達も一掃。
逃げれぬ様に鎖で拘束すると……。
「何度も蘇るみたいですからね。
可能な限り削っていきますよ!」
『ぐっ!がぁぁぁぁっっ!!』
其のままダーティガントレットによって百足恵比寿を幾度となく殴り殺していくのであった。
🔵🔵🔴 成功

平穏な暮らしを維持するために戦いに赴くことが多いです。見知らぬ他人でも、誰かが傷つくのは嫌ですから。ただ、悲しみが欠落しているため、あまり同情的にはなれないかもしれません。
パソコンの付喪神のため、機械のように精密な動き・効率的な行動を得意としていますが、状況に応じて臨機応変に対応できます。
手順やレシピに従った行動は得意ですが、センスを問われるアレンジや芸術性の高い行為は苦手としています。
事件では味方とも連携し、役割分担して行動します。俺自身よりも一般人や味方の安全を優先し、効率の良い方法を選択しましょう。
多少の怪我は問題ありませんし、必要であれば囮や詐術もこなします。
アドリブ・アレンジ歓迎です
〇如何なるものも利用方法次第。
「さて、此処なら其の侭参考に出来るし大丈夫ですね」
√ドラゴンファンタジーのダンジョン近く、其処でスマートグラスをかけた青年、青木・緋翠(ほんわかパソコン・h00827)はモンスターのデータを収集しながら静かにそう嘯いた。
本来の戦場は√エデンなのだが彼は或る目的の為にモンスターのデータを必要としており、其の為にダンジョン近くの此処に訪れていたのだという。
「とはいえデータもほぼ集め終わりましたし始めましょうか」
そう言うと彼はかけていたスマートグラスのディスプレイに此処とは異なる√、本来の戦場である√エデの山中の光景を表示させる。
「成程、此れが……話には聞いてましたが整理されてるとは言え酷い量のゴミですね。
けど、此れは使えそうです」
そして緋翠は先ず√エデン側の光景を確認。
星詠みが事前に説明した通り、其の戦場は山中で一か所に不法廃棄された大量のごみが纏められているのが見て取れる。
そして、其処から多少離れた場所には他の√能力者の攻撃によって傷つきながらも未だ倒れずに憤怒の表情を浮かべる敵、百足恵比寿の姿もあった。
『……未だだ未だ吾は……倒れる…訳には……っ!吾を、吾らを捨て置いた者達を!人間達を……っ!』
「……あんなにボロボロになっても目が未だ戦意を喪っていないとは彼は余程強い怒りと……恐らく深い悲しみを抱いている様ですね。
でも、其の感情を人間達にぶつけさせる訳にはいかないんです」
あの敵、百足恵比寿は人間に捨てられ朽ち果てた恵比寿像が妖に転じ物を粗末にする人間達へ復讐せんとし虐殺を始め封印された存在なのだという。
そんな百足恵比寿からすれば目覚めたと思えば其処に在ったのは自分と同じように打ち捨てられ放棄されたゴミの山だ。
其れはもう怒り心頭であろうし自分達と同じ様な境遇になった物達の境遇に悲しみもするだろう。
其処に√能力者達に追い詰められ、ゴミを捨てた物達へ報いを受けさせることも出来ないかもしれないとなれば……百足恵比寿がどう思うか等、悲しみが欠落した緋翠であっても容易に想像できるというものであった。
「けど、廃棄業者も一般人。
罪は償わせるにしても命を奪わせる訳にはいかない以上、其の怒りも悲しみも今晴らさせる訳にはいきませんから」
更に言えば百足恵比寿は廃棄業者を害した後は其のまま罪もない一般人にまで手を出すであろうことは容易に想像がつく。
ならば此処で斃さねばならない。
「其の為に捨てられていたゴミたちが役に立つって言うのは何というか皮肉ですね。
其れじゃあ行きますよ。
>|起動《start》、古代語魔法 "リモート接続"」
そう詠唱すると同時に緋翠は|現実《メタデータ》の書き換えを開始。
まとめられていたゴミの一部をモンスター、多頭の大蛇へと変貌させ百足恵比寿に襲い掛からせたのだ。
「シャ―――――!!」
『なっ!此れはドラゴンファンタジーのモンスターだと?!
状況は掴めぬが百足達で迎え撃つのみよ!』
そして当然突如現れたモンスターの姿に百足恵比寿は困惑。
其れでも巨大百足達を使役し迎え撃とうと動くが……。
「ヒュドラだけな訳ないですよね」
『……っ!大蟹に獅子にキマイラだと?!
か、数が多すぎる……っ!』
緋翠は残ったゴミもモンスターに書き換え。
産み出されたモンスターたちは百足恵比寿の放つ巨大百足ごと百足恵比寿を喰らわんと襲い掛かっていき……。
「平穏な暮らしを維持していく為に、君には此の侭倒されて貰います」
『ぐっ!がああああああああああああああああああ!!』
巨大百足と共に百足恵比寿は足掻き、幾つかのモンスターは倒すものの多勢に無勢。
其のまま百足恵比寿は貪られていくのであった。
🔵🔵🔴 成功
〇そして、古妖は封印されていた地へ戻る。
『未だだ……未だ吾は……』
「此処迄負傷しながらも未だ復讐へ執着されますか。
ですが、だからこそ其れ程の怒りを利用させて貰いましょう」
フォー・フルード(理由なき友好者・h01293)は戦場を一瞥。
インビジブルは十分に居り、百足恵比寿を叩き返すの先も確認し準備は完了。
「逆行演算開始、状況再現を始めます」
そう詠唱し事象再現演算をフォーは発動。
其れと同時に周囲のインビジブルが大量の何かを積んだ車と其れに乗る人間達の姿に変化していく。
「本来は情報収集に使う事が多い√能力ですが、此の状況でしたら別の使い方も出来ますね。
其れじゃあ作戦通りにお願いしますね?」
『おう、任せてくれよ兄ちゃん!』
そう、フォーの使う事象再現演算は周辺のインビジブルを変化させ周辺の過去を再現するシミュレーターの如き√能力。
故に本来なら情報収集や何某かの追跡に用いられ、今回の様な戦闘に使うには一工夫が必要であるが……フォーがいう様に今回は別の形で役立たせる事が出来る。
『……?あれはゴミ……か?
そうか!貴様が……貴様等が……!』
『ひっ!な、何だよあれ……!
に、逃げるぞ……っ!』
そして、フォーの指示通りにインビジブル達は戦場へ向かい、フォーの指示通りに百足恵比寿の姿を見て怯える姿を演じていく。
「百足恵比寿。
彼は打ち捨てられた恵比寿像が変じた妖であり物を粗末にし捨てる人間に怒りを抱いていると聞きます。
そして、此の森に不法投棄した者達へも強い怒りを抱いている、とも」
更に言えば√能力者達に追い詰められ最早その命は風前の灯火な状態。
そんな状態で己の狙いと思しき人間達が現れればどうなるか?
『百足達よ、奴等を襲え!喰らえ!
斯様に悍ましき行いで吾等を虐げた奴等を殺すのだ!』
『ひっ!ひぃ!!』
「被害を出さない様に自分達√能力者達が動いているのだから業者も来ない様にしている筈じゃないか。
そんな簡単な事にも気付けずに頭に血が昇り追い立てる事になる、と」
そう、フォーの目論見通りに百足恵比寿は激昂。
巨大百足の群れを一般人に化けたインビジブル達をけしかけていく。
当然、人間に化けた状態のインビジブルが逃げられる訳もなく、捕らえられ喰らわれ嬲られる事となるが……。
『はー、痛かった……』
『……っ!此れはインビジブル……だと?!』
少し嬲られた後にインビジブル達は元の姿に戻り消滅。
百足恵比寿は謀られた事に気付くも既に遅く……。
「誘導お疲れ様です。
では、仕上げといきましょう」
『なっ!離せ!吾は……っ!』
フォーが放ったフックが嬲られていたインビジブルを更に苦しめる為に近付いた百足恵比寿に巻き付けられると同時にフックと繋がったロープを巻き取り。
そして、其のまま……。
「貴方が封印されていた場所に戻って貰いますね?」
『……っ!吾は……吾は……っ!!』
インビジブルが誘導した場所の近くにある√妖怪百鬼夜行への入口へと叩き込まれたのであった。
🔵🔵🔴 成功
第3章 ボス戦 『シーワイバーン』

POW
高速突貫
【高速飛行形態から放つ吻を用いた刺突 】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
【高速飛行形態から放つ吻を用いた刺突 】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
SPD
高速振動撃
自身の【有する鋭い吻 】を【金色】に輝く【高周波振動刃】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
自身の【有する鋭い吻 】を【金色】に輝く【高周波振動刃】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
WIZ
超音波振動波
【口から超音波の刃 】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
【口から超音波の刃 】を放ち、半径レベルm内の指定した全対象にのみ、最大で震度7相当の震動を与え続ける(生物、非生物問わず/震度は対象ごとに変更可能)。
●そして、古妖は喰らわれる。
百足恵比寿は怒りを迸らせていた。
己を打ち捨てた人間達、己の邪魔をする√能力者、己の無力さ……そして、何も出来ず消え去るしかない現状……。
全てに嘆き、怒り、其れでも尚最後まで諦めまいとした彼は奥の手を出す事を選択する。
『……せめて……せめて……貴様等は……っ!
異国の竜よ……っ!……目覚めよ……目覚めよっ!』
其れは己の魂を生贄としての強引な封印の破壊。
自身は最早本体、核が破壊された以上は絶対に蘇りはしないと判っていて、其れでもせめて√能力者達に報復してやらんと。
そして、其れは目覚める事となる。
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』
『そうだ、異国の竜よ、吾を喰らえ!
そして、完全に目覚めて奴等を殺せええええええええ』
バキボキゴキグキャ!等と大きな音を立てながら目覚めた其れに喰らわれながら百足恵比寿は只々笑う。
そして、百足恵比寿を食い終わると目覚めた竜、シーワイバーンは√能力者達を一瞥する。
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
そして、其のまま咆哮をあげ襲い掛かって来たのだ!

(自分を喰わせるなんて……)
奥の手を隠し持っているのは予知で聞いていたけど、まさかそんな手段だとは思わなかった
……わかり合えないことを理解していても、悲しい結末だと思う
フレイムガンナーを起動
ライフルを火炎弾発射形態に変形させ、弾道計算を合わせて火炎弾を放つ
一度撃った後はダッシュで位置を変え、逃げ回りながら狙撃
4倍の速度からは逃げ切れないだろうし、接近されたら見切りやエネルギーバリアで攻撃を凌ぎながら拳銃を抜いてクイックドロウ
怯ませて狙撃に適した距離を取る
どうしても振り切れない場合は光刃剣を抜いて居合で応戦する
ここでこいつを倒さなければ、周りの人達が無差別に殺されるだろう
それだけは避けないとな
〇憤怒に狂いし者の遺した災厄。
(自分を食わせるなんて……)
√能力者達によって打ち倒され自身が封印されていた√妖怪百鬼夜行に叩き返された百足恵比寿。
彼が他の古妖、シーワイバーンを復活させ自らの身を食わせた其の光景を見てクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)は思わず絶句してしまっていた。
「奥の手を隠し持っているのは予知で聞いていたけど、まさかそんな手段だなんて……」
クラウスとて百足恵比寿と自身の立場の違いからわかり合えない事は理解していた。
けれど、己を食わせて迄、人間へ復讐しようと、自分達を倒そうとする程とは流石に思っていなかったのだ。
其処までの執念を抱き、最期には嗤いながら食われていった百足恵比寿。
その末路にクラウスは一抹の悲しさを感じていた。
『GAAAAAAAAAAAAッ!!!』
だが、そんなクラウスの想い等気にも留めず百足恵比寿を喰らったシーワイバーンは咆哮をあげる。
其の瞳には百足恵比寿を喰らった事による影響か、彼の様な狂気と殺意が宿っているのが見て取れた。
「……此処でこいつを倒さなければ周りの人達が無差別に殺されるだろう。
其れだけは避けないとな」
故にシーワイバーンは絶対に此処で倒さないといけない。
そう決意しクラウスはライフルを火炎弾発射形態に変形させると静かに構え、照準越しにシーワイバーンを見据える。
(少し風が強いな……なら角度は少し下げて……)
「今だ……っ!」
『?ッ!?ッッ?!!』
そして、放たれた火炎弾は飛び立とうとしていたシーワイバーンに命中。
彼の全身は炎に包まれ痛みに叫びをあげ倒れ伏す。
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
だが、其れもつかの間の事。
シーワイバーンは己を燃やした犯人であるクラウスの存在に気付き飛翔。
其の瞳に強い怒りを宿しながら己の鋭い吻を金色に輝かせ先程迄クラウスが隠れていた巨岩へ向かい突貫。
一瞬で巨岩へ肉薄すると怒りの侭に吻を振るい、其のままスパッと音を立て真っ二つに切り裂いていく。
「何て速さと鋭さだ。
此れは厄介だね……」
幸いにしてクラウスは火炎弾を撃って直ぐに其の場を離れ別の岩陰に移動していたので被害はない。
だが少しでも離れるのが遅ければ彼自身も真っ二つにされていただろう事は容易に想像がつく程の速度と切れ味に流石のクラウスも思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「けど、だからと言って負ける訳にはいかないさ」
『GAA?!』
そう嘯くと同時にクラウスは火炎弾を再度発射。
再び其の場を離れ別の岩陰に向かって行く。
そうやってクラウスは何度か火炎弾による狙撃を繰り返していったが流石に暫くすればシーワイバーンも適応したのか徐々にクラウスも捕捉されかかる事が増えていく。
『GAAAAAAAAAAAAA!!』
「……っ!流石にっ!素早いっ!ねっ!!」
その度にクラウスは時に動きを見切って避け、時にエネルギーバリアによって受け流しながら凌いでいき、更にはシーワイバーンの眼球等に銃弾をお見舞いし痛みによって怯ませた隙に距離をとっていく。
そうして距離を取ると同時にクラウスは火炎弾をシーワイバーンにお見舞いしていくし、そうする事でシーワイバーンの全身は炎上。
其の肉体は酷く焼け爛れていくのだが其の戦意は少しも収まる様子は感じられない。
そして、遂にシーワイバーンの執念が実ったのか金色に輝く吻がクラウスを捕らえたが……。
『GAAAAAAAAAAA!!!』
「其の目貰っていくよ」
クラウスは吻で切り裂かれるも同時に光刃を一閃。
シーワイバーンの片目を容赦なく奪っていったのだった。
🔵🔵🔵 大成功

わあ、壮絶
百足の毒に興味があって来たんだけど、一足遅かったか
喚ばれたのは、海のいきものかな……ここ、山だけど
√能力により【大致命者】に変身し、ボクを守るように22本の|針剣《boni》を展開
陸上でも驚異的な機動能力を有しているようだけれど、もしもその金の吻でボクに直接攻撃してくる気なら、やめた方がいいよ
動き回るキミを狙うのは難しいけれど、動かないボクに向かってくるならば、待ち構えて、串刺しにすればいいだけだからね
シーワイバーンが針剣とボクを避けるなら、速度が落ちたタイミングで針剣を飛ばし、追撃を加えよう
キミのことも、骨も残さず有効活用してあげるよ……ゴミになる部分なんてないから、安心してね
〇蟻は小さくとも集えば象をも倒す。
「わあ、壮絶。
百足の毒に興味があって来たんだけど、一足遅かったかあ」
己を食わせて迄、人間達への復讐を行わんとした百足恵比寿を見たからだろう。
ル・ヴェルドール(青き黄金・h07900)はあっけらかんとした口調でそう宣う。
実際、通常の古妖ならば封印されてる別の自分が未だいるからと此の様な己の命を省みない行為をする事もあるが百足恵比寿は目覚めて直ぐに別所で核が打倒済み。
今自身が死ねば其のまま自身が死んでしまうというのに其れでも構わず自身を贄に別の古妖の封を解き、自分達を襲わせるとは其の憎悪の根深さが感じ取れるという物である。
とはいえ、ヴェルドールからすればそんなものに付き合ってやる筋合いはない。
「呼ばれたのは、海のいきものかな……ここ、山だけど」
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
他の√能力者に片目をやられ怒りに吠え滾るシーワイバーンを冷静に観察しつつヴェルドールは静かに戦いの準備を行う。
「一度目は母。二度目は神父。三度目は──」
詠唱と共にヴェルドールの雰囲気は変化し周囲には22本の爪よりも小さな剣、|針剣《boni》が出現。
信仰の立証者として全生命を代償に与えた者、致命者の中でも大きく長く苦しんだ者、大致命者の如き聖者と化した彼は冷然とした眼差しでシーワイバーンを見据え、そんなヴェルドールにシーワイバーンも漸く気付く様になる。
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
「へえ、海のいきものなのに陸上でも驚異的な機動力だね。
でも、やめた方がいいよ?」
そして、シーワイバーンは怒りの侭に己の吻を金色に輝かせヴェルドールへ突貫してくるが彼は其れに冷静に対応。
何故なら……。
『GA?!A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”A”!!』
「ほら、こうなっちゃうからさ」
怒りを滾らせる余りにヴェルドールの周囲の針剣に気付けなかったのだろう。
シーワイバーンはヴェルドールの元へ無警戒に突貫した結果、全身をまるで仙人掌の様に針剣に刺されていき、痛みにのたうち回る事となる。
『Gwuu……』
「んー、君、何だかアレみたいだね。
ほら日本の昔話の瓢箪に入った針で死んじゃったって言う」
そして、痛みに漸く慣れてきて残った目で怒りの眼差しを向けるシーワイバーンだがヴェルドールはどこ吹く風で其の怒りを受け流す。
『……』
「おや、逃げるのかい?」
そして、シーワイバーンはヴェルドールへの怒りを抑え込み飛翔。
揶揄する言葉も無視し一旦ヴェルドールから離れようとするが、当然ヴェルドールは此れを逃しはしない。
シーワイバーンの速度はかなりのもので本来の状態ならば逃れる事も出来ただろうが……。
「どれだけ速くとも其の痛みでは動きが鈍り速度が僅かに落ちるタイミングも出てくるものだよ?」
『GAAAAっっ?!』
ヴェルドールの言葉通り、未だに残る痛みにシーワイバーンの動きが僅かに鈍ったタイミングでヴェルドールは針剣の追撃を実行。
更なる激しい痛みにシーワイバーンは墜落する。
「キミのことも、骨も残さず有効活用してあげるよ……ゴミになる部分なんてないから、安心してね」
墜落したシーワイバーンにヴェルドールはそう嘯き更なる追撃を加えていったのであった。
🔵🔵🔵 大成功

NG描写無し
自身の犠牲を厭わないその精神、それは素晴らしいものかと思われます。
しかし申し訳ありませんが目的が人間を害することである以上、妨害せざるを得ません。
【戦闘】
「EOCマント」を起動。「迷彩」を稼働させながらスナイパー技能により相手の移動を加速込みで予測。偏差射撃により確実に当てていきます。
基本的に距離を取り、近付かせない様に「制圧射撃」を行います。しかし相手の√能力により接近を許した場合はこちらも√能力を発動。フックショットで避けつつ「ククリナイフ」による反撃を試みます。
ゴミ捨て場もその役割果たしている以上、自分としては好ましい場なのですが。ルールを破る方がいるのは如何ともし難いですね
〇付け焼刃は歴戦の戦士には通用しない。
「自分の犠牲を厭わないその精神、其れは素晴らしいものかと思われます。
しかし申し訳ありませんが目的が人間を害する事である以上、妨害せざるを得ません」
百足恵比寿の行いに対しフォー・フルード(理由なき友好者・h01293)はそう嘯くと同時に|EOC《電磁的光学迷彩》マントを起動。
其の全身に迷彩が施され背景と同化した彼は木々を背にゆっくりと己が愛用する狙撃銃、「WM-02」を構える。
『GAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
「貴方も急に封印を解かれ巻き込まれた事には同情はしますが……人に害を為す以上は排除させて貰います」
フォーの気配を感じたのか√能力者に潰されてないもう片方の目で周囲を警戒するシーワイバーン。
此れに対しフォーは冷静に其の動きを観察し敵の速度、風向き、動き、あらゆるデータを基にフォーはシーワイバーンの軌道を予測していき……。
「此処ですね」
『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA?!』
狙撃銃から放たれた弾丸が容赦なくシーワイバーンの残った最後の目を貫き、痛みの余りシーワイバーンは絶叫する。
「目を潰し視界を奪えたのは僥倖でしたね。
此のまま畳みかけて……いや、此れは……そうか拙い!」
『GAA……GAaaaaaaaaaaaaaaaaaaa――――ッ!!』
其のまま容赦なく畳みかけようとしたフォーであったがシーワイバーンは叫びを止めると空中で静止し周囲を見渡す。
目を喪ったのにそんな行動をとったシーワイバーンに違和感を抱いたフォーは其の場を全速力で離脱。
そんな彼が離脱して間もなくシーワイバーンはフォーの背後にあった木々を金色に輝く吻で切断した。
「そうか……そうですよね、あなたは海のいきものだ。
ましてあなたは振動波を操る能力も持っている。
ならば音響定位、其れに類する能力を持っていても可笑しくない」
目を潰されているのに何故自分の居る場所を補足出来たのか。
歴戦の√能力者であるフォーは即座にその理由に思い至る。
恐らくは攻撃にならない程の微弱な振動波を放ち自分の位置を特定したのだ、と。
其れは迷彩によって姿を隠し移動を繰り返しながら敵を撃つフォーにとってはかなり厄介なやり口であった。
『Gaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!』
「ですが、どうとでもやり様はあります。
欠点も見えましたしね」
己に迫るシーワイバーンを見据えながら其れでもフォーは冷静に状況を分析していく。
先ず第一の欠点は……。
「音響定位の精度の関係で攻撃速度に比べ此方の補足が間に合ってません。
ですから、此方が動けば狙いがぶれる事となる。
緊急対応、開始スタート」
『Gaaaaaaaaaa!!?』
フォーは逆にシーワイバーンへ向かって跳躍。
フックショット「KV-55」からフックを放つとシーワイバーンに巻き付け敵の態勢を崩し、其のままフックに付いたロープを巻き取り。
そしてフォーは其の勢いのまま敵に向かって突貫。
すれ違いざまにシーワイバーンにククリナイフで斬りつけた後、即座に距離を取っていく。
『Gaaaaaaaaaaaaaa!!!』
「第二の欠点ですが……口から超音波を放つからでしょうか。
少しだけですが動きが止まりますね。
そんな事したら攻撃のタイミングが丸わかりですよ」
『Gha―――?!』
更にフォーは己へ迫るシーワイバーンの攻撃を予測し僅かな動きで回避。
シーワイバーンはフォーが先程迄居た岩盤に激突し僅かに動きが止まり、其の隙にフォーはサブマシンガン「Iris」をシーワイバーンの傷口に突っ込むと……。
「霊力が付与された弾丸ですので効果は覿面かと」
『Ghaaaaaaaaaaaaaaaaa?!!』
体内に弾丸の嵐を叩き込まれたシーワイバーンは痛みの余り絶叫を挙げたのであった。
🔵🔵🔵 大成功

破滅的な戦い方
まるで百足恵比寿の執念が乗り移ったかのようです
あのとき、止めるべきだったでしょうか……迷っている場合ではありませんね
竜漿を燃やして、シーワイバーンの隙を探りながら動きましょう
吻をレイピアの刃先でいなせば、直撃は避けられるはずです
あとは吹き飛び耐性とオーラ防御で耐えつつ、見えた隙をねらって攻撃します
召喚されたドラゴンさんには申し訳ありませんが、手加減はしません
百足恵比寿の恨み、憎しみは、ここで終わらせましょう
いえ、終わりにします
〇そして海飛竜は討ち取られる。
「壊滅的な戦い方……。
まるで百足恵比寿の執念が乗り移ったかの様です……」
アルカウィケ・アーカイック(虚像の追憶・h05390)が知る限り眼前のシーワイバーンは今回の事件には本来無関係。
最後の奥の手として無理矢理百足恵比寿に目覚めさせられただけの存在だ。
なのに全身を切り刻まれ燃やされ体内に弾丸を撃ちこまれ……挙句の果てに両目迄奪われながら尚其の戦意は喪われず、其れ処か己の傷を気にも留めず只ひたすら苛烈に攻め立てる。
其の余りの異常さを目にしたウィケは思わずそう独り言ちた。
「あのとき、止めるべきだったのでしょうか……いえ、迷っている場合ではありませんね」
自分が百足恵比寿がシーワイバーンを目覚めさせるのを、せめて食われるのを止めていれば……そんな栓ない考えを一瞬抱くがウィケは直ぐに其れを振り払う。
そして、戦いへの決意を固めた彼は透き通った赤い刀身を持つレイピア、薄紅の秘奥を手に前に一歩足を踏み出す。
そして、シーワイバーンはそんなウィケの足音に敵の到来を悟る。
『……GAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
「無理矢理起こされたドラゴンさんには申し訳ありませんが手加減はしません。
百足恵比寿の恨み、憎しみは、此処で終わらせましょう」
怒りの叫びをあげ己に高速で迫ってくるシーワイバーンを静かに見据えながらウィケは己の右目に竜漿を集中。
其の右目を激しく燃え上がらせていく。
『GAAAAAAAA!!』
「いえ、終わりにします」
『Gaat!?』
そして、迫りくるシーワイバーンの動きを見抜いたウィケは僅かな動きで其れを回避。
返す刀で其の吻を切断。
己の武器を喪い流石にシーワイバーンも戦意が薄れるかと思えたが……。
『GAAAAAAAAA!!』
「其れでも向かってくるんですね。
百足恵比寿の人への憎しみは此処迄……」
シーワイバーンは断ち切られた吻に構わず高速で突進し、其れをウィケは悲し気に見つめ返す。
最早完全に殺意と怒りに囚われた状態のシーワイバーンの動きは粗雑なもので√能力を使わずともウィケならば予測出来たかもしれない程。
まして竜漿魔眼を用いシーワイバーンの隙を完全に把握したウィケならば其の動きは完全に把握しきれており、当たる事等あり得ない。
だが……。
『Grrr……Gaaaaaaaaaaa!!!』
「ドラゴンさん……君の攻撃は当たらないって判ってる筈なのに……」
だからこそ穏やかで優しいウィケにとっては或る意味辛い戦いであったかもしれない。
此れが自らの行いによって墜ちた者ならば未だ良い。
だが、眼前の敵は古妖とはいえ百足恵比寿の、自分の物ではない殺意に突き動かされ最早勝てぬと判る筈なのに動き続けている。
其の姿は最早哀れとしか言えない物であった。
『GAAAAAAAA!!』
「ごめんねドラゴンさん」
『――――!』
故に直ぐにトドメを刺してやるのが慈悲と判断したウィケは薄紅の秘奥によってシーワイバーンの首を一閃。
シーワイバーンの首は断ち切られ、其の身体は崩れ落ちる。
『ァァ……』
其の一瞬、僅かの間だがシーワイバーンの瞳からは殺意が消え、漸く解放されたと安堵するかのような表情を浮かべたのをウィケは見る。
「……良かった。
此れで戦いは終わりですね」
最後にシーワイバーンも百足恵比寿の殺意から開放できた事に安堵しつつウィケは安堵の笑みを浮かべる。
「百足恵比寿、死後の安寧が貴方に或る事を……」
そして、完全に打破され蘇る事のない百足恵比寿が最早憎悪に囚われる事のない事を祈りつつ彼は帰路に就いたのであった。
🔵🔵🔵 大成功