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天使たちの灯
●√汎神解剖機関・ヨーロッパ北部
緑深い森の広がるヨーロッパの片田舎。都市へと続く長い一本の道路から枝分かれした細い道を進めば、緑に囲まれた小さな集落があった。
そこは外部からの干渉も少なく、ただ静かに、ただ穏やかに。他を助け、他を敬い、他の為に生きる善良な人々が暮らす小さな小さな村であった。
だが、今その村からは炎が上がり、家は崩れ、人々は呻き苦しんでいた。
生活道路に人が一人。
ゆらりと揺れるその後姿は、まるで棒にぼろきれが絡まったかのよう。
だが、振り返った顔を見れば、|それ《・・》が人ならざる者であることを知らしめる。
――オルガノン・セラフィム。
天使になれなかった出来損ないは、善良なる天使を捕食する怪異の獣と化したのであった。
●ヨーロッパ「天使化」事変
「みんな、天使化って知ってる?」
|雨深《あまみ》・|希海《のあ》(星繋ぐ剣・h00017)が、√能力者達にそう尋ねた。
天使と聞けば所謂宗教画などに登場する羽根の生えた人のようなものを思い浮かべるが、希海の言う『天使化』とは、それとはまるで違うものなのだという。
「天使化っていうのはね……『善なる無心の心』を持つ人……要するにすごく良い人が発症する風土病らしくて、発症すると全身が不思議な金属になっちゃうんだって」
この天使化という病気は全人類が発症しうる不治の病だというが、反面、現代ではほぼ根絶されたと思われていた。
「それが、最近ヨーロッパの方で発症者が増え始めたみたいなんだ。突然変な身体になっちゃうのも困るけど、それより恐ろしいのはね――」
希海がふぅ、と息を吸って√能力者達を見る。
「天使化を発症したのに|天使になれなかった《・・・・・・・・・》人達が……怪物に変わってしまうことなんだ」
その怪物、通称『オルガノン・セラフィム』は天使化の発症と同時に、ヨーロッパで爆発的に数を増やしている。つまり、天使化を発症して無事天使になれる方が稀なのだ。
オルガノン・セラフィム達は自我も理性も持たず、本能的に天使化した人々を襲い、捕食するのだという。
残念だが、現在彼らを元の姿に戻す方法は無い。
「このままだと天使化した人達が襲われちゃう。だから皆には、天使たちを助けて欲しいんだ」
オルガノン・セラフィム達から天使を救出する――。
それだけの単純な任務かと思いきや、希海は首を横に振った。
「この事態、もっとややこしいんだよ」
「ヨーロッパの秘密組織『|羅紗《らしゃ》の魔術塔』ってところの√能力者が、このオルガノン・セラフィム達を奴隷化しようとして行動しているらしいんだ」
希海は周辺の地図をスマホに映しながら言葉を続ける。
「この辺に、今『羅紗の魔術塔』のアマランス・フューリーっていう人が来てる。奴隷化した怪異と一緒に、オルガノン・セラフィム達を捕まえようとしてるみたい」
オルガノン・セラフィムが奴隷化されてしまえば、汎神解剖機関と対立する組織がさらなる力を得てしまう。それもまた、出来ることならば阻止したい。
「現場に行けば、絶対に『羅紗の魔術塔』とは戦うことになる。予知も凄く曖昧で全然先が見えないから、みんな気を付けて欲しい」
希海はそう言って頭を下げた。
「まずは、オルガノン・セラフィムに襲われている天使さんを助けてあげて」
希海はそう言うと、天使の所在を√能力者達に伝える。
「時間はあまり無いかも。急いで倒さなきゃ、もっと多くのオルガノン・セラフィムが襲って来ると思う」
それが予知の告げた曖昧な未来なのだろう。
「それに、きっと『羅紗の魔術塔』からの横槍もあるよ」
そうなれば、彼らとの戦いも避けることは出来ないだろう。
希海はぐっと拳を握り、√能力者達に告げた。
「きっと大変な戦いになると思う。けど、みんななら、きっと天使さんを助けることが出来ると信じてる」
希海が顔を上げ、√能力者を見つめながら言う。
「だから――がんばって」
これまでのお話
マスターより

こんにちは。G.Y.です。
今回は√汎神解剖機関での重大な物語をお届けします。
舞台はヨーロッパ、天使化という病に侵され、天使となってしまった人を助けるのが主な目的です。
敵は天使になれなかった異形『オルガノン・セラフィム』と『羅紗の魔術塔』です。戦うタイミングなどは状況により大きく変化します。
第1章は集団戦です。
オルガノン・セラフィムの群れが天使を襲っていますので、救出しましょう。
現在の敵の他に、新たな群れが襲い掛かってくることが予知されており、さらに『羅紗の魔術塔』が横槍を入れてくる可能性も示唆されています。
急いで倒すことで時間的な余裕が生まれれば天使を安全な場所に匿うことも可能でしょうが、逆に同行させて護るほうが安全かもしれません。
プレイングの内容などによって第2章以降の展開が分岐します。
なお、オルガノン・セラフィムに襲われている天使をAnkerの方が担っても構いません。
場所がヨーロッパの田舎だという以外に細かな設定はありませんので、自由にご参加ください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『オルガノン・セラフィム』

POW
捕食本能
【伸び縮みする爪】による牽制、【蠢くはらわた】による捕縛、【異様な開き方をする口】による強撃の連続攻撃を与える。
【伸び縮みする爪】による牽制、【蠢くはらわた】による捕縛、【異様な開き方をする口】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD
生存本能
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【黄金の生体機械】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【虹色の燐光】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【黄金の生体機械】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【虹色の燐光】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ
聖者本能
半径レベルm内の敵以外全て(無機物含む)の【頭上に降り注がせた祝福】を増幅する。これを受けた対象は、死なない限り、外部から受けたあらゆる負傷・破壊・状態異常が、10分以内に全快する。
半径レベルm内の敵以外全て(無機物含む)の【頭上に降り注がせた祝福】を増幅する。これを受けた対象は、死なない限り、外部から受けたあらゆる負傷・破壊・状態異常が、10分以内に全快する。
√汎神解剖機関 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

【WIZ】※アドリブ・連携歓迎
「天使化…か。想像していたよりも困難な状況ね。先ずは罪無き天使の安全を確保しなきゃ!」
星詠みの話を頼りに天使が襲われる現場へ可能な限り急行、身柄を確保しつつ迫る敵を迎撃するわ。
射撃系の技能を駆使した精霊銃の銃撃と竜漿で錬成した斧槍の近接攻撃でオルガノン・セラフィムを攻撃する。
「コイツ、傷が…!?そう、これが『奇跡』って訳ね。だったら修復される前に全力で叩く!」
発動時は少し間を取って瞑想し、『瞳を開けてみる夢』を発動、大英雄の影の力を借りて一気に攻め立てる。
「『奇跡』は貴方達だけのものじゃないわ!」
救出した天使の身柄は、可能なら同行させて護りつつ…が良さそうかな。

随分残酷で質の悪い病が在ったものね
望んでない天使化、失敗すれば怪物だなんて
せめて助けられる命だけでも助けなくちゃ
【ダッシュ】【限界突破】等で天使の許へ駆け付ける
射程に入ったら√能力による斬撃を放って攻撃と同時に行動不能を狙う
凍結で動きを止めている間に天使との間に割って入り急所を狙って攻撃
元人間に攻撃するなんて、ちょっと複雑だけど…
天使に対してはきっと怯えているだろうから出来るだけ優しく、安心できるように話しかける
初めまして、天使さん。怪我はないかしら?怪しいと思うだろうけど、アナタを助けに来たの
この場に留まるのは危険だから、できれば移動したいわね
※アドリブ・連携大歓迎

天使に成っても、成れなくても、望まぬ現実に苛まれるのですね
せめて、それ以上の惨劇を食い止めることが救いになれば良いのですが……
現地に到着したら迅速に対処を
襲われている天使を発見したら、閃光手榴弾を投げ込み敵を撹乱
そのまま飛び込み天使を抱え、ワイヤーガンを遠方の建物や木に撃ち込んで一気に離脱します
天使を保護出来たら、敵の殲滅に専念します
攻撃型手榴弾を複数投げ込み、マシンピストルも撃ち込み続けます
敵の攻撃は俊敏さを活かして極力回避を試みますが、天使を護るためなら多少の怪我はやむをえません
また、敵がこちらの攻撃に合わせて先制攻撃を仕掛けて来たら、
それに対してさらに【機先の楔】による先制を狙います
●なりそこない
深い森の中、生い茂る木々の間を一人の天使が走っていた。
「こ、来ないで……!!」
ずるり、ずるりと怪物が迫る。
あれは隣のエミリーだったか、あっちは向かいのアルフおじさん。
皆、出来損ないのカカシのような姿に成り果て、自分のもとへと向かって来る。
――嗚呼神様。これが罰だというのなら、あまりにも惨いではありませんか。
その罰を誰かが受けねばならぬというのなら、どうして彼らではなく私に与えて下さらなかったのです。
背中から生えた翼が重い。ブリキのような手足が重い。
惨い仕打ちを受けた親しき人達のことを想うと、心までもが重くなる。
そうしているうちに怪物が腕を伸ばした。鋭く尖った爪が……振り下ろされる。
――その瞬間。
怪物の爪が吹き飛び、カッと辺り一面に閃光が走った。
「うぅっ……!?」
突然の光に視界を奪われ、天使が顔を覆う。直後、天使の身体を浮遊感が襲った。誰かが天使を抱え上げたのだ。
何者かは続けざまに前方に生えた木の枝を見据え、手にした銃を撃つ。
銃からワイヤーが伸びて木の枝に巻き付くと、フィアはそのワイヤーを勢いよくスイングさせて、その場から遠ざかってゆく。
「天使を保護いたしました」
天使を抱え上げた少女……フィア・ディーナリン(|忠実なる銃弾《トロイエクーゲル》・h01116)が、仲間たちに報告した。
「助かったわ!」
そう返したのは|矢神《やかみ》・|霊菜《れいな》(氷華・h00124)。彼女は腕輪から生み出した氷の刃を携えており、それが怪物の爪を斬り飛ばしたのだと直感させた。
そんな怪物の背後から、重い斧槍が叩きつけられた。
「天使化……か」
斧槍の主、ルクレツィア・サーゲイト(世界の果てを描く風の継承者・h01132)――ルーシィは、戦場を見渡しながら呟いた。
「想像していたよりも困難な状況ね」
ルーシィは斧槍を構えなおしてから霊菜と背中合わせになると、にじり寄る怪物たちを威嚇するのであった。
●せめて
怪物――オルガノン・セラフィム――。
天使になり損ねた出来損ない。彼らはもともと人間であったという。
「随分残酷で質の悪い病が在ったものね」
霊菜が呟いた。その声色にはやるせなさが滲む。ふと、視界の端に天使の姿が映りこんだ。
「初めまして、天使さん。怪我はないかしら?」
霊菜が優しく笑いかける。フィアのおかげで天使は安全圏にいてくれる。けれども、震える身体からは、怯えの感情がひしひしと伝わってくる。
「怪しいと思うだろうけど、アナタを助けに来たの」
そう言うと、天使の表情がやや和らいだ。
予兆で見ていた通り、彼らの姿は今までに知っているどの種族ともまるで違う。目の前の天使もまた、ほんの少し前までは目の前の天使もきっとただの人間だったのだろう。
「天使に成っても、成れなくても、望まぬ現実に苛まれるのですね……」
痛ましいことだ、と、フィアが表情を変えずに呟いた。マシンピストルを構え、天使の壁になるように立つ。
「せめて、それ以上の惨劇を食い止めることが救いになれば良いのですが……」
フィアがそう言うと、霊菜とルーシィも頷いて、再び目線はオルガノン・セラフィムへと向けられた。
「元人間に攻撃するなんて、ちょっと複雑だけど……」
霊菜が苦虫を嚙みつぶしたような表情で斬撃を飛ばす。
「助けられる命だけでも助けなくちゃ」
彼らはもう、助けることが出来ないのだから。
●護るもの
「先ずは罪無き天使の安全を確保しなきゃ!」
ルーシィが精霊銃のトリガーを弾きながら、オルガノン・セラフィム達を牽制する。
天使は現在安全圏とはいえ、敵の数は多い。いつまた囲まれて、再び危険に晒されるか分かったものではない。
それでも√能力者達が皆天使のことを第一に考えて行動していたおかげで、状況はかなり良い。このまま戦えば、少なくとも天使の安全は保障されたようなものだろう。
ならば後は敵を一掃すれば良いだけだ。と、フィアが手榴弾のピンを抜いた瞬間、ギリリ、と機械がきしむような音とともに、オルガノン・セラフィムが跳躍した。
「させません」
フィアが咄嗟に反応し、手榴弾を投げ捨てる。瞬時にマシンピストルを構えると、ステップとともに迫るオルガノン・セラフィムに銃撃を撃ち込んだ。
オルガノン・セラフィムが蜂の巣になり、地面にべしゃりと倒れこむ。さらに流れるようにスタングレネードを放り投げると、閃光が再び戦場に炸裂する。
怯んだオルガノン・セラフィムに向け、間髪入れずに、霊菜による凍結の斬撃飛び込んだ。
「舞い散れ」
刃はオルガノン・セラフィムの身体を凍結させ、自由を奪ってゆく、が。
ぼぅ、とオルガノン・セラフィムの頭上から何かが降り注ぎ始めた。
「コイツ、傷が……!?」
いち早く気付いたのはルーシィであった。降り注ぐもの……『祝福』が、フィアが穿った弾痕も、霊菜による凍結も、全て癒し始めたのである。
「そう、これが『奇跡』って訳ね」
ルーシィはなるほどと頷いたあと、ふぅーっと息を吐く。
「二人とも、10秒だけ時間を頂戴」
ルーシィの言葉に、霊菜とフィアが頷いた。それを確認して、ルーシィが瞳を閉じる。
「だったら……」
ルーシィの動きがピタリと止まる。無防備な彼女の前に立ち、霊菜とフィアがオルガノン・セラフィムの注意を引いた。
10秒――。短いようで長い時間を越えて、ルーシィは目を見開く。
「修復される前に全力で叩く!」
ルーシィの傍らに、大英雄の影が姿を現した。
かつて、未だ見ぬ世界の果てへと至ったとされる大英雄。その影が斧槍を振りかぶり、オルガノン・セラフィム達を薙ぎ払う。
「『奇跡』は貴方達だけのものじゃないわ!」
ルーシィが大英雄の動きに合わせて斧槍を振るう。暴風のような二人の連撃に、オルガノン・セラフィム達は傷を癒す暇もなく次々と倒れてゆくのであった。
天使を囲んでいたオルガノン・セラフィム達は、√能力者達の活躍により、着実に数を減らしていた。未だその場からの脱出には至れないが、徐々にその後のことを考える余裕も生まれ始める。
「可能なら同行してもらいましょう」
「少なくとも、この場にとどまるのは危険ね」
ルーシィと霊菜が互いに頷きあう。それを実現するためには、この場を切り抜けなければ。
三人は再び武器を構え、戦場を駆け巡る。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功

初ヨーロッパだし、観光してみたい気持ちもある……けど、今はとにかく天使を助けないとな。ヒーローとして。
変身アイテムのフィルムはベルトにセット済。「現像」の掛け声と共に、緑色の装甲を纏った『フィルム・アクセプターポライズ √汎神解剖機関フォーム』へ[変身]。
空撮爆弾・ハイアングルボマーに、敵集団へ無差別に[乱れ撃ち]するよう念じて指示。隠密状態の敵にも当たれば儲けものだ。
俺自身は天使を守るように立ち回りつつ、ハイアングルボマーへ先制攻撃を仕掛けようと跳躍する敵に対し、イチGUNで[援護射撃]を行おう。
近づいてくる敵がいれば、[零距離射撃]で迎撃。[第六感]を研ぎ澄まして、隠密状態にも対応したい。
√汎神解剖機関、ヨーロッパ。
都市部から離れれば、緑の生い茂った深い森が迎えてくれる。やはり日本とはどこか違った趣を感じられた。
そんな森の中を、|空地《そらち》・|海人《かいと》(フィルム・アクセプター ポライズ・h00953)が急ぐ。
「初ヨーロッパだし、観光してみたい気持ちもある……けど」
周囲に潜むおぞましい気配。それらに囲まれた先で涙を零す人がいる。
「今はとにかく天使を助けないとな、ヒーローとして!」
走りながら、海人が腰のバックルに手をかざす。
「現像!」
そう叫ぶと、バックルのレンズがきらめいた。
フィルムの中の記憶が海人を包み、フラッシュの如く輝く閃光の奥から、緑の鎧を纏った戦士が現れる。
『フィルム・アクセプター ポライズ √汎神解剖機関フォーム』である。
ポライズにこの√フォーム専用ドローン『空撮爆弾・ハイアングルボマー』が追随する。
「行けっ!」
ポライズの指示に従い、ハイアングルボマーが空を切った。
「み、皆……!」
森の中、天使が嗚咽を漏らした。
変わり果てた金属のような身体がきしむ。生えた翼が重い。
だが、目の前に迫る彼らはもっと苦しいはずで、それが悲しかった。
棒切れのような脚に絡みついた襤褸切れ。露出した内臓。天使のなりそこない『オルガノン・セラフィム』もまた、人間の成れの果てだったからである。
助からないのならば、せめて一思いに……。
――そう思った瞬間であった。
オルガノン・セラフィムの周辺で爆発が起こったのだ。
「大丈夫か!」
爆炎の中から、一人の戦士が駆けつける。天使を護るように立ち、背中で語る。
「ここは俺達に任せるんだ!」
空中ではハイアングルボマーが旋回し、オルガノン・セラフィムに絨毯爆撃を仕掛けている。
その爆撃を逃れたオルガノン・セラフィムに向け、ポライズはパンチとキックのコンビネーションを繰り出すと、手にイチGUNを構えて至近距離で発射する。
「……!!」
気配を感じた。直後、オルガノン・セラフィム達がハイアングルボマーへ向けて跳躍していたのだ。
「させるかよっ!」
ポライズはイチGUNを発射し、空中のオルガノン・セラフィムを撃ち落とす。ハイアングルボマーが追撃とばかりに弾丸を撃ち込めば、オルガノン・セラフィム達は次々と爆発してゆくのであった。
「あいつらの相手は俺達がする。だから安心するんだ」
ポライズが天使に向けて告げる。仮面の下からその表情は伺えないが、天使には笑っているように思えた。
🔵🔵🔵 大成功

※√能力は詠唱無し、技というよりフィジカル頼みで矢継ぎ早に暴れる感じです。
村のあちこちを壊して燃やして許せねぇ、そっちも助けたいけどまずはアイツらをぶちのめさないと!
天使を爪が襲う所で√能力発動、手近なレンガをぶん投げて阻止、ダッシュしてスライディングで天使を抱えて捕縛を回避、開いた口にビックリしながらサマーソルトキックで迎撃。
「もう大丈夫だ!守りに来たぜ!」
天使を後ろに下がらせて敵と相対。爪は蹴り上げて、はらわたは怪力で掴んで寧ろ引き寄せ、開いた口に石頭の頭突き、よろめいた所で貫通攻撃でぶっ飛ばす
「行こうぜ、アンタ(年下ならお前)の家族もみんなも守りに!」
天使を守りながら人々を救助に向かう
ヨーロッパの空の下、深い森の間から黒い煙が立ち上る。
「くそ、村のあちこちを壊して燃やして許せねぇ!」
その光景に、真月・真守(誰かを守るワンパク少年・h00766)が怒りを露わにする。
きっと、村には逃げ遅れた人々や、天使化してしまった人……そして、今まさにオルガノン・セラフィムになろうとしている人達で混乱しているはずだ。
「そっちも助けたいけど、まずは……」
真守は前方を見据える。怪物と化してしまったオルガノン・セラフィムが今まさに天使を襲おうとしている。
「アイツらをぶちのめさないと!」
「う、うぅ……」
天使から一筋の涙が零れた。変わり果てた我が身も、怪物に追われていることも大した問題ではない。
それよりも、その怪物……かつての親しかった者達が変わり果ててしまったことが、たまらなく悲しかった。
彼らを助けることが出来ないのならば、せめて……。
そう思って怪物達に立ち向かっても、重苦しい心が天使の手を止めてしまう。
対して、オルガノン・セラフィムは本能のままに動く。天使に向かって大きく口を開き、伸縮する爪を振り上げた。
その時、オルガノン・セラフィムの頭がぐわんと揺れた。それは崩れたレンガの破片であった。レンガは強い衝撃で砕け、土煙となって周囲に散る。
「たぁぁっ!!」
その足元を、影が走った。レンガを投げつけた張本人、真守であった。
真守は地面を滑って天使を抱えると、そのまま地面を強く蹴って宙返り。大きく開いたオルガノン・セラフィムの顎に蹴りを叩き込んだ。
「もう大丈夫だ! 守りに来たぜ!」
真守は天使に向かって元気に笑うと、少し離れて天使を降ろす。
天使から背を向けて、真守が腰を落とした。
「行くぞ!」
ダッと大地を蹴って、真守がオルガノン・セラフィムに肉薄した。勢いのまま爪を蹴り上げると、右手を伸ばしてはらわたを掴む。それを引きずり出してオルガノン・セラフィムの体勢を崩させると、その頭めがけて頭突きを見舞う。
「うわっ」
異常なまでに大きく開いたオルガノン・セラフィムの口に、真守が小さな声で驚いた。
彼らがもともと人間だったとは到底思えないほど。
そして善良な人であった、ということも……。
「おりゃああっ!」
真守が貫通攻撃を放つと、よろけたオルガノン・セラフィムは衝撃をまともに受けて、吹き飛ばされてゆく。
動かなくなったオルガノン・セラフィムの姿を見届けて、真守が天使に振り向いた。
「まだきっと大丈夫だ」
今目の前で涙を流す天使に、これ以上の不幸なんてあってはいけない。
真守が手を差し伸べた。
「行こうぜ、アンタの家族もみんなも守りに!」
その言葉に、天使は救われたような顔で手を伸ばすのであった。
🔵🔵🔵 大成功

いい人、善人。天使になった人も、そうならなかった人も、皆そういう人なんだ。
とても理不尽だと思うし、悔しさすら感じる。
せめて、この滅茶苦茶な事態から、天使になった人が落ち着けるまで、護りたい。
「損丸、行こう」
護霊とともに、天使にオルガノン・セラフィム達を近づけさせないことを目指す。
きっと、目の前で人だった怪物達が倒れるのも、気持ちのいいものでは無いはず。
護霊は大太刀、憂太郎は木刀で、それぞれ連携しながら打ち払ってゆく。
魔術塔のこともある。今はとにかく数を減らすのがいいはずだ。
アドリブ連携等、全ておまかせいたします。
ヨーロッパの片田舎に冷たい風が吹く。
まだまだ春は遠く、どこか色褪せたような風景が続くように感じられたのは、その心が重苦しいからだろうか。
(「いい人、善人。天使になった人も、そうならなかった人も、皆そういう人なんだ」)
|雨森《あめのもり》・|憂太郎《ゆうたろう》(人間(√EDEN)と護霊「|損丸《そこねまる》」・h02153)が、今回の事件を思う。
ただ善人であったものが、突如として怪物へと変化する病。それを逃れたとしても、異形の姿へと変わってしまう。
それは、ただただ理不尽であった。憂太郎は悔しさを滲ませながら、想いを新たにする。
(「せめて、この滅茶苦茶な事態から、天使になった人が落ち着けるまで、護りたい」)
木刀を手にして、傍らに立つ護霊に呼びかける。
「損丸、行こう」
そうして、憂太郎はまっすぐに歩き始めた。
天使たちを狙うオルガノン・セラフィムは本能で天使たちを追う。そのせいか、彼らは示し合わせるでもないながらに、一様に天使たちの元へと向かっていた。
「ここから先は行かせない」
そんな怪物達の一団の前に、憂太郎が立ちはだかった。
背後に天使の姿は無い。今はずっと遠くで仲間の√能力者達が護ってくれているはずだ。
それならば、憂太郎はオルガノン・セラフィムがこれ以上天使に近づかないように計らうことを目標としていたのだ。
羅紗の魔術塔の横槍が予想される現状、天使を護ることに徹する者とは別に、数を減らすことを第一優先にする者がいるのも、戦況を良いものにする得策になるだろう。
だが、憂太郎がこの選択をしたことには、もう一つの理由があった。
(「きっと、目の前で人だった怪物達が倒れるのも、気持ちのいいものでは無いはず」)
それは、憂太郎の優しさであった。
だが、当の怪物達は憂太郎のことを無視して、脇を通り抜けようとする。それを憂太郎は木刀を構えて制止する。そして。
「打ち払え、損丸」
直後、背後より護霊『損丸』が現れ、大太刀を振るった。オルガノン・セラフィム達はその大太刀に薙ぎ払われ、その場に崩れてゆく。
ここでようやく憂太郎はオルガノン・セラフィムに敵だと認識されたらしい。爪を振り上げ、口を異常なまでに開いて憂太郎を威嚇する。
「……」
彼が人であった時は、どんな姿だったのだろうか。
その手は誰かを助ける為の物であったはずだ。その口は笑顔を浮かべていたはずだ。
やるせない気持ちを込めて、憂太郎は木刀を握りなおす。
「すみません……!!」
オルガノン・セラフィムを木刀で強く打ち据える。
損丸と憂太郎。二人の連携は、天使と、天使を護る√能力者達の大きな助けになった。
それはこれからの戦いを大きく変える結果に繋がるかもしれない。
🔵🔵🔴 成功

う~~~わ、キッショ。……っと、言ってる場合じゃないねえ。
希海ちゃんからお願いされたんだから、ちゃんと天使も助けないと…ね!
襲撃を受けている天使との間に[ダッシュ]で割り込み、攻撃を[受け流し]ながら[高速詠唱]した[爆破]で距離を取らせる。その隙に天使を戦場から離脱させ、安全圏へと退避させる。
退避を確認したら、あえて爆破の構えを見せ敵を[挑発]、牽制攻撃を誘発する。次いで、捕縛攻撃の発動直前にNoctis Veilを発動、魔術迷彩服の効果で肉眼での探知すら困難にし、捕縛を回避する。
このままもう少し、狼狽する様子を眺めていたいけれども…あんまり遊んでちゃいけないみたいだしねえ。サクッと|ヤ《壊》っちゃおうか。
Nexus Gravitorの発動と同時に潜影を解き、敵の頭部を重力で地面に叩きつける。そのまま倒れ込んだ相手の四肢を亜空間へ転移させ、完全に行動不能へと追い込む。
詠唱錬成剣の形状を[武器改造]でウォーハンマーへと変え、動けぬ相手に[怪力]の一撃を振り下ろし、機械の身体を粉々に粉砕。
天使化。善良なる人間が患うという、全身がまったく別の物へと変わってしまう奇病。
だが、全身が変わるだけならばまだ救いはある。天使になれなかったものは、天使を喰らう怪異と化すからだ。
「う~~わ、キッショ」
そのなりそこない『オルガノン・セラフィム』の群れを見て、ルメル・グリザイユ(半人半妖の|古代語魔術師《ブラックウィザード》・h01485)は思わず顔をしかめた。
棒きれのような身体。羽毛とも肉ともとれぬものがそれに絡みつき、内臓はむき出しである。
理性は失われ、ただ天使を喰らうためだけに動くその怪異は、無残なものであった。
「……っと、言ってる場合じゃないねえ」
星詠みから託された『天使を助ける』という願い。それを果たすために、ルメルは走り出した。
「こ、こんなにまで数が……」
周囲に蠢くオルガノン・セラフィムの気配に天使が嘆く。これまでの長い時間、√能力者達に護られたことで、幸い無傷である。
だが、いくら退けてもオルガノン・セラフィムは迫ってくる。そして、何度でも天使に襲い掛かろうというのだ。このままでは……。
そんな時、突如背後に悪寒が走った。天使が咄嗟に振り向くと、そこには間近に迫ったオルガノン・セラフィムの姿があった。
「……っ!!」
声の無い悲鳴を前に、爪が振り下ろされようとした、その瞬間であった。
オルガノン・セラフィムが爆発した。黒い煙を上げて、二、三歩後ずさる。
「やあ、お邪魔するよ」
気付けば、天使の眼前にはルメルの姿があった。
「さあ、早く逃げちゃいな」
ルメルが天使に笑ってみせると、天使は頷いて距離を取る。
天使がオルガノン・セラフィム達から十分に離れたことを認めると、ルメルは気怠げな眼差しをオルガノン・セラフィム達に向けて魔導書を開く。
「もう一回いっとく?」
ルメルが挑発するように問いながら魔力を集中させる。オルガノン・セラフィム達は本能で危機を察知すると、半ば反射的に内臓を蠢かせた。
だがそんな行動を取るのは予測済み。ルメルは嘲笑するようにくすりと笑って、その姿を戦場に溶かしてゆく。
夜のヴェールに包まれたルメルは、あらゆる探知を無効にする。頼れるのは視界だけだが、それも魔術迷彩服によって簡単には見つけられないだろう。ましてや、本能のみで動くオルガノン・セラフィムならばなおさらだ。
突如消えた気配に、オルガノン・セラフィム達がピタリと動きを止める。目の前の敵が消えたことで狼狽えているのだろうか。
(「このままもう少し見てたいけれども……」)
闇の中でルメルはそんなことを考える。だが、まだ敵の数は多く、ぐずぐずしてはいられない。
それに、ほんの少しの間を空けた後、オルガノン・セラフィム達は天使の逃げた方へと顔を向けた。ルメルのことなど無視して、天使を襲おうというのだ。
(「となれば、あんまり遊んでちゃいけないねえ」)
オルガノン・セラフィム達がルメルの脇を抜け、背を曝け出した瞬間。
「逃がさないよお」
背後から、ルメルが姿を現した。突如として生まれた殺気に、オルガノン・セラフィム達が一斉にルメルへと向く。
だが、もう遅い。オルガノン・セラフィム達は突如として膝を曲げ、頭を地面へと叩きつけた。
ルメルの魔術によって、重力が操作されたのだ。頭部に過剰な重力を受けて、オルガノン・セラフィム達は身動きが取れなくなる。
「駄目押しだよ」
ルメルがそう言うや、オルガノン・セラフィム達の四肢が消えた。手足を亜空間へと吹き飛ばしたのだ。これでもはや敵は何の抵抗もできなくなった。
そうやって地面に転がる姿はどこか滑稽だ。ルメルは悠然とした足取りでオルガノン・セラフィム達へと近付くと、手にした詠唱錬成剣に念じる。
現れたのは無骨なウォーハンマー。
「さあて、サクッと|ヤ《壊》っちゃおうか」
それを振り上げ、容赦なく叩きつけた。
激しい衝撃とともに、ぐしゃぐしゃと金属の砕ける音が響く。
身体を粉々に砕かれて、オルガノン・セラフィムは完全に動きを止めた。
残骸を見下ろして、ルメルは飄々と笑う。
「全部ヤるのは骨が折れそうだねえ」
地面に転がる奴らはまだまだ多い。ルメルはそれらを一つ一つ砕き、壊してゆく。
「お願いされたんだから、ね」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

善なる人々への試練
それにしてはあまりにも…
何度見ても慣れぬ惨状に思わず口を引き結び
天使さん
どんなに辛い思いをされているでしょう
愛する人々がオルガノン・セラフィムになって
身体も望まない変化してしまうだなんて
もしも許してもらえるなら抱きしめたいわ
天使さんの安全確保を最優先
なるべく相手の攻撃を受け流したり
ディヴァインブレイドの自動攻撃で応戦
もし天使さんに危険が及んだら身を呈してかばうわ
わたしに出来るのは
|天使さん《えらばれたひと》を護り
|残酷な悲劇に終焉を齎す《ただこわすこと》だけ
なんて無力なのかしら
√能力で大勢のオルガノン・セラフィムを狙う
…ごめんね
光の雨と共に
溢れた言葉は何に対してだったのだろう
「善なる人々への試練、それにしては、あまりにも……」
ライラ・カメリア(白椿・h06574)が、ぽつりと呟いた。
ヨーロッパで発生した天使化事変。善良なる心を持つ人々が次々と天使化という病に見舞われるという事件だ。
既に別の事件にも力を尽くしたライラは、この惨い光景を知っている。だが、何度見ても慣れることなどない。出来るはずなどない。
ライラは口を引き結び、瞼を伏せた。
村が燃えている。
住み慣れた場所が、怪物達に蹂躙されている。
その怪物達は、どれも親しい人々だった――。
√能力者の力によって、天使は窮地を逃れてきた。だが心は晴れない。
自身の身体の変化などよりも、あの怪物達がもう元には戻れないこと。彼らを殺すことが救いだとして、割り切りたくても割り切れるものではなかった。
「……!!」
眼前に、ゆらりと新たなオルガノン・セラフィムが現れて、天使は目を見開いた。
「あぁ……!」
貴方も、と、小さく漏らして、足を止めてしまう。だが、オルガノン・セラフィムには『過去』などもはや無いようなもの。この怪物にとって眼前の天使は、自身の本能を満たすための餌でしかない。
――だからこそ。
ひゅん、と鋭く輝くものが宙を駆けた。
それは剣。美しき戦乙女を思わせる、祈りの剣であった。
「お待たせしましたわ」
剣とともに現れたライラは、優雅に、しかし天使を護るという厳然たる意志で前に立った。
ライラが意識を向ければ、飛翔する剣はオルガノン・セラフィムに切っ先を向けて牽制する。
その隙に、ライラはちらりと天使を見る。
(「……なんていう悲しい目」)
オルガノン・セラフィムに向けて揺れる瞳の意味を、ライラは察する。
「……なんて無力なのかしら」
思わず、ライラは嘆く。すると、周囲から戦闘音を聞きつけたか、新たなオルガノン・セラフィムが現れる。
「……天使さん!」
ライラが叫ぶ。オルガノン・セラフィムの爪が天使を抉らんと振り下ろされたからだ。
咄嗟に、ライラは天使に覆いかぶさるように抱きしめた。
「あぁっ!!」
背に激痛が走る。苦悶の表情を一瞬浮かべるが、天使を悲しませまいと笑顔を作った。
「そ、そんな、私のために……!」
「わたしに出来るのは、これくらいだもの」
涙を零す天使に笑いかけて、ライラは再び立ち上がる。その背中に、天使が願った。
――だからこそ、天に還してあげなくては。
「……あの人たちを、お願いします」
その言葉に、ライラは頷いた。
手を広げ、ライラが天を仰ぐ。
(「私に出来るのは|天使さん《えらばれたひと》を護り|残酷な悲劇に終焉を齎す《ただこわすこと》だけ」)
だけれど、そうして進まなくてはならないのだから。
「せめて最期に祝福を──!」
空より、光が降り注いだ。それは光の雨。オルガノン・セラフィム達を貫く力。
「……ごめんね」
その言葉は何に対してのものだったか。無数の光に貫かれ、オルガノン・セラフィム達が倒れてゆく。その中心に立つライラの、その頬から一筋、雨が零れた。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 ボス戦 『孫破』

POW
大炎轟滅
【鮮やかに燃え盛る火炎玉】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【火炎地帯】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
【鮮やかに燃え盛る火炎玉】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【火炎地帯】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
SPD
嗤爪
【炎を纏った爪】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
【炎を纏った爪】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
WIZ
罪尾
【炎を纏った尾】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
【炎を纏った尾】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
√汎神解剖機関 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
オルガノン・セラフィムの群れを退けた√能力者は、天使をそのまま保護しながら行動することを選んだ。
村の中、生存者の救出などを行う中で、√能力者達は村が不自然なまでに燃えていることに気が付く。
全焼している建物は勿論、火の気のないような広場にすら火の手が上がっている。
オルガノン・セラフィム達が突如として発生した混乱があったとして、ここまでになるだろうか。
「おぉっとお。こいつはまた良いモンに巡り合ったなァ」
その答えは、眼前に現れた怪異によってはっきりすることとなる。
怪異『孫破』。自己が燃やす炎を最も美しいものとし、燃やすことを『芸術』とする怪異である。
「アマランス・フューリーの奴、欲張りだよなぁ。オルガノン・セラフィムの他に、万が一にでも天使がいたら連れてこいってよ」
孫破がにやにやと笑う。孫破はアマランス・フューリーと契約し、天使を奪いにきたのだ。
「その万が一があったってわけだ」
√能力者達に守られている天使に向けられる視線。
孫破は天使を優先して狙うつもりのようだ。
「大人しくしてろよ……邪魔するなら、心置きなくアンタらを俺様の作品にしてやるぜ!!」

【WIZ】※アドリブ・連携歓迎
「な~にが『芸術』何が『俺様の作品』よ。そんな周りを顧みない放火なんてただの迷惑行為、芸術家の端くれとして処断するわ!」
久々にムカッ腹が立ったけど身体は熱く頭は冷静に、ね。
奴の狙いは私達が保護している天使、仲間達と連携して攻勢に出る人と天使を護衛する人のバランスが崩れないように声をかけつつ戦うわ。
他の誰かが攻める間に天使を護衛しつつ次の攻勢に備えて10秒間の瞑想を行い、完了後は大英雄の影を召喚して一転攻勢。斧槍型の竜漿兵器と精霊銃を構え、他の味方や大英雄の影と連携して一気に攻める。
「本物の芸術は人を幸せにするモノよ!創造なき破壊に芸術を名乗る資格はないわ!!」

そう言えば昔に何処かの誰かが芸術は爆発だ、とか言ってたわねぇ
とはいえこっちは実害が出てる分質が悪いけど
天使は渡さないし、アナタの作品になるつもりもないわ
【先制攻撃】で√能力を使用する
氷雪の温度を絶対零度まで近づけて…凍りなさい
氷雪の範囲は【限界突破】で出来るだけ広範囲に広げるわ
凍結で熱量を奪い原子運動を停止、敵の捕縛と合わせて周囲の鎮火もしちゃいましょう
敵が凍結している間に【ダッシュ】で一気に近付き攻撃するわ
敵からの攻撃は【第六感】も使って回避、あるいは武器で往なす
魔術塔の横やりがこれだけなはず無いだろうし、悠長にはしていられないかしら
※アドリブ・連携大歓迎
「なるほどね……」
炎が上がる広場を眺め、霊菜は合点がいったという風に呟いた。
「そういえば昔に何処かの誰かが……『芸術は爆発だ』、とか言ってたわねぇ。とはいえ、こっちは実害が出ている分質が悪いけど」
霊菜の言葉を孫破が鼻で笑う。
「ハッ、そんなのが芸術か。見てみろよ、この俺様の作品を!!」
そう言うと、孫破の背後の家から炎が上がった。炎はみるみるうちに全体に家屋全体に広がってゆき、周囲に熱波をまき散らす。
その光景に怒りを露わにしたのはルーシィであった。
「な~にが『芸術』、何が『俺様の作品』よ」
天使の前に立ち、斧槍を構える。
「そんな周りを顧みない放火なんてただの迷惑行為……芸術家の端くれとして処断するわ!」
「残念だなぁ、この芸術が分からねぇとは」
孫破はへらへらと笑いながら首を振る。
「それなら俺様の作品になったほうが幸せってもんだろう」
孫破の掌から火の玉が浮かび上がる。その火の玉はみるみる大きくなり、強い熱を放つ。が。
その炎が急激に消えた。
「あ?」
「天使は渡さないし、アナタの作品になるつもりもないわ」
突如、びゅお、と周辺に冷気が走った。気付けば周囲には雪が舞い氷が散りっていた。そして孫破を中心に視界が白く染まってゆく。
「テメ……ッ」
「凍りなさい」
氷雪が周辺で燃え上がっていた炎を消してゆく。そればかりか、冷気は孫破の身体までも凍らせてゆく。それは何物をも停止させる絶対零度。だが。
「舐めんなァ!」
孫破の尻尾が燃え上がる。身体の底から湧き上がる熱を用いて身体を無理やり動かし、再び火炎玉を生成すると、天使に迫る。
「させない!」
孫破の前にルーシィが立ちはだかった。斧槍を振って孫破を牽制すると、精霊銃で火炎玉を狙い撃つ。
「チッ……!」
孫破は一瞬怯むが、それでも止まらない。一人程度の護衛なら強引にでも天使から引きはがせると判断したのだろう。だが。
「……!?」
孫破の前に新たな影が立ちはだかった。それはルーシィの召喚した大英雄。霊菜の先制攻撃の隙に10秒の瞑想を終え、天使の護衛をさせていたのだ。
斧槍を突き出しながらルーシィが吼える。
「本物の芸術は人を幸せにするモノよ!」
さらに、大英雄が追撃をかける。たまらず孫破は距離を取ろうとステップを踏むが、その背後には霊菜の姿があった。
「くぅっ!」
燃える尻尾を振り、霊菜を牽制する。だが、霊菜はそれをかいくぐり孫破に肉薄、腕輪から錬成した氷柱のような刺突剣を突き刺す。
「ぐっ、あぁあっ!!?」
孫破の身体が凍ってゆく。急激な温度変化は孫破の体組織を粉砕する。
「お、俺様の身体がっ!!」
さらに、ルーシィが追撃をかける。
「創造なき破壊に芸術を名乗る資格は無いわ!」
斧槍を振り下ろし、霊菜の凍結させた部位に強烈な一撃を叩き込んだのだ。
「ぐっ、あぁあぁあっ!!」
孫破が悲鳴をあげ、距離を取る。致命傷とまではいかずとも、孫破は大きなダメージを負っているようであった。
「魔術塔の横槍がこれだけなはず無いだろうし、悠長にはしてられないかしら」
霊菜の言葉にルーシィも頷き、二人は再び武器を取る。
天使はその二人の背中を見つめ、彼女らの勝利を願うのであった。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

思わぬ伏兵が居たようですね
ですが、成すべきことは変わりません
障害は排除するまでです
それぞれの手にマシンピストルとナイフを握り、機動力を活かしつつ積極的に接近戦を仕掛けます
敵に張り付きその動きを阻害・牽制して、天使の方に手出しする暇は与えません
同時に【致命の刃】のチャージを開始
敵の観察と分析を行いつつ、敵の攻撃を躱し切れずとも怯まず足止めし続けます
こちらから繰り出すマシンピストルとナイフを躱そうとする挙動、早さ、癖を
敵が繰り出す攻撃の予兆、軌道、速度、癖、そして隙を
十分に分析した後、最も的確で精密な一撃をお見舞いします
少なからぬ負傷は避けられないかもしれませんが、作戦遂行のためなら安いものです
孫破の姿を前にして、フィアは静かに呟いた。
「思わぬ伏兵が居たようですね」
オルガノン・セラフィムと天使の捕獲。それをアマランス・フューリーがたった一人で行うのか、と考えれば、協力者の存在も不思議ではない。とはいえ、新たな敵が増えたことに動揺するフィアでもなく。
「成すべきことは変わりません。障害を排除するまでです」
そう言い、マシンピストルとナイフを握る。
「ヒャハッ、その冷てぇ顔を今に歪ませてやるよ。芸術的にな!」
孫破の指先に炎が宿り、それが鋭く伸びてゆく。まるで炎の爪といったそれを振るって、孫破が駆けると、同時にフィアも大地を蹴った。
互いに急接近、だが二人の軌道にはややズレがあった。孫破の狙いはあくまでも天使だったからだ。
当然それはフィアにも理解できている。フィアは孫破に接近しながら、マシンピストルで牽制弾を撃つ。
「チッ」
孫破は身体を捻って弾丸を避ける。その隙にフィアはさらに一歩、強く跳ねて孫破へと肉薄し、ナイフを振るった。
「手出しする暇は与えません」
「貰う気はねーんだっ、よ!」
孫破も炎の爪を振るってナイフを受け止めた。間髪入れずにフィアはマシンピストルのトリガーを弾き、孫破に銃弾を撃ち込んでゆく。
「はぁあっ!!」
炎の爪を振って、銃弾を弾く。が、それでも避けきれない。無数の銃弾が、孫破の片腕を貫いた。
しかし。
「軽くなったぜェ!」
孫破は全く怯む様子もなく、即座にもう一方の爪を振るったのだ。
「……!!」
爪がフィアの肌を裂き、炎が肉を焼く。
「ははははは……はっ?」
孫破がその違和感に首を捻った。鋭い一撃を浴びせたのにも関わらず、フィアが涼しい顔をしていたからだ。
「ここまでです」
フィアがナイフを突き出した。その一突きは決して速いものでも、虚を突かれたものでもない、はずだった。
なのに、その一撃はするりと、まるで導かれるかのように孫破へと突き刺さる。
「な、なにぃ……!?」
その一撃に、孫破がその炎に揺れる顔を歪めた。何のこともない一撃のはずだというのに、孫破の弱点を的確に突いていたからである。
「ぐ、うううっ……」
想定外のダメージに孫破が距離を取る。
これまでフィアは孫破と戦いながら、相手の癖、動き、早さ……様々な情報を分析していた。それが的確に孫破の弱点を突く致命の刃となったのであった。
だが突如、フィアが顔をしかめた。
先程孫破に切り裂かれた爪のダメージが、今になってフィアに襲い掛かったのである。それでも、表情の変化は僅かなもの。
「……作戦遂行の為ならば安いもの」
再びの静かな表情を向け、フィアは天使を護るように立つのであった。
🔵🔵🔵 大成功

表情なんて見えないのに、天使に対してどんな顔で迫っているのか、良く解る。
絶対に、これ以上傷つけさせたりしない。
「させないッ!」
技能【義侠心】、【かばう】、【オーラ防御】で孫破と天使の間に割り込み、木刀を構える。
天使に被害の無いように霊力を全開にして火炎玉を受け止める。
不知火青眼で隙を探ることにより、攻撃を軽減して反撃できれば上々。無理でも火炎地帯が広がるのを防いで他の仲間のサポートになれればそれで良し。
アドリブ、連携等全ておまかせします。
「いただきぃ!!」
孫破が天使に向かって叫んだ。アマランス・フューリーと契約し、オルガノン・セラフィムと天使を捕獲しに現れたこの怪異にとって、√能力者は障害に過ぎない。
天使を護る√能力者達のほんの僅かな隙をついて、しなやかな身体を跳ねさせて天使へと迫る。
「させないッ!!」
その間に、憂太郎が割って入った。構えた木刀から広がるオーラの波は孫破の身体を拒絶し、弾き返す。
「ヒヒっ……よっぽど作品になりてェらしいな」
孫破が距離を取りながら言う。木刀を構えた憂太郎は、その顔を見て呟いた。
「表情なんて見えないのに……どんな顔で迫っているのか、良く解る」
不遜で傲慢な笑み。それが炎の奥から浮かびあがってくるよう。だからこそ憂太郎は決意し、木刀を構えなおす。
「絶対に、これ以上傷つけさせたりしない」
憂太郎の左目に炎が宿る。ぼぅと燃え上がった瞳で孫破を見据え、力を籠める。
「ハハハッ、そんな言葉も聞けなくしてやるよ!」
孫破が掌を掲げると、その上から炎が生まれ出る。炎はみるみる大きくなって、巨大な球体となった。
「燃えろやっ!!」
孫破が駆ける。先程よりも数倍速い。だが。
「そこっ!!」
「ぁあっ!?」
孫破の腕を木刀が一撃打ち据えた。掲げた炎が揺れて不安定になる。
「俺様の動きを捉えたァ!?」
だが孫破も木刀のたった一撃で怯む男ではない。すかさず拳を握り、憂太郎に殴り掛かる――が。
その拳も木刀で受け止められはじき返されてしまう。
「んなぁっ……!?」
「見落とさない……! 絶対に!」
憂太郎が繰り出した続けざまの連撃が、次々と孫破を打ち据えてゆく。
「あぁっ、何でだよ、何でだァっ!?」
孫破が苛ついて声を荒げた。木刀の連撃を何故か避けることが出来ないのだ。
それは、憂太郎の左目の力であった。憂太郎の霊力を集中佐s手激しく燃えあがった炎が、孫破の隙を伝えてくれる。憂太郎はそれをなぞるように木刀を滑らせ、次々と打ち込んでいったのだ。
(「見える……」)
隙を突けば突くほど隙は生まれてゆく。憂太郎はその隙を狙いすませ、木刀を振り上げた。
「はぁっ!!」
「ぎゃああっ!」
孫破の火炎球が霧散し、たまらず孫破が距離を取る。
「ち、畜生……よくも俺様をコケにしやがって!」
怒る孫破に、憂太郎は告げた。
「これ以上はさせません。炎もこれ以上広げさせはしません!」
木刀を構えなおし、憂太郎は宣言する。その左目に宿る炎は、孫破のそれとはまるで違って、青く輝いていた。
🔵🔵🔴 成功

まあ……賑やかな方ですこと
言葉から察するにアマランス・フューリーの仲間なのかしら
眉を顰めて天使さんを視線から守るように立ちはだかり
残念ながら、わたしはあなたの作品になる程アーティスティックではないし
天使さんはあなたが焚べて良いお方ではなくってよ
天使さんに向き合って視線を合わせ
怖いわよね
でも、大丈夫
どうかわたしのそばにいて下さらないかしら?
必ずお護りいたしますわ
√能力を発動、祈りを捧げる
──お願い、助けて
神聖竜が顕現したら強く願うわ
『必ず天使さんを守り抜いて、窮地を救ってほしいの』
願いが発動したら戦闘体制へ
Larmesで集中的に攻撃を
炎には水を
火事には雨を
ねえ、炎が消え去る時も美しいと思わない?
「あぁ、イラつくぜ! テメェらは大人しく俺様の作品になってればいいんだよ!」
天使を護る√能力者に痛めつけられ、孫破は苛立ちを隠さずにいた。
「まあ……賑やかな方ですこと」
そんな孫破の姿をライラは冷ややかな目で見つめる。
その背後には天使の姿。孫破から隠すように立ちはだかっている。
「残念ながら、わたしはあなたの作品になる程アーティスティックではないし、天使さんはあなたが焚べて良いお方ではなくってよ」
そうきっぱりと告げてやれば、孫破の苛立ちは最高潮に達する。
「アァ!? それを決めるのは俺様だ!!」
ぶん、と炎を纏った尾を振って風を切ると、ライラをギロリと睨む。
その時、ライラの背後で感じた気配に、ライラは振り返った。
「……天使さん」
背後では、孫破の苛立ちを感じて天使が怯えていた。
「怖いわよね」
ライラはそう言って天使と視線を合わせる。すると、天使の緊張がやや和らいだように感じて、優しく微笑む。
「でも、大丈夫」
ライラは天使の手を握る。鉄のように固い肌だが、感じるぬくもりはまさしく人間だと思えた。
「どうかわたしのそばにいて下さらないかしら?」
そう言って改めて孫破に向き直ると、ライラの周辺がキラキラと輝き始めた。
「必ずお護りいたしますわ」
瞳を閉じてライラは指を組む。天を仰ぎ、願う。
(「――お願い、助けて」)
すると空から一筋の光が差した。その光のヴェールの内に|神聖竜《ホーリー・ホワイト・ドラゴン》が顕現する。
「チンタラ祈ってる場合かよ!」
そんなライラを尻目に、孫破が跳ねる。炎を纏った尾を鞭のようにしならせ、天使を狙う。
その尾の一撃が天使に触れようとしたのと同時。
「アァっ!?」
孫破の尾が何かに弾き飛ばされる。それは天使を包み込むように広がる優しい光であった。
『必ず天使さんを守り抜いて、窮地を救ってほしいの』
そのライラの願いが神聖竜に届き、天使を光で包み込んだのである。
願いによって生まれる神聖竜の力は、決して誰も傷つけない。つまり、天使は何者をも寄せ付けない結界に護られたのである。
「バカバカしい! ならお前を殺せばァ!」
孫破が即座にライラに目標を変えた。しなる尾はびゅんと勢いよく風を切る。しかし。
それが届く前に閃光が瞬き、孫破が退いた。
「何っ……だァ!?」
気付けば、孫破の身体に小さな穴が開いていた。
その様子を認めて、ライラは告げる。
「炎には水を、火事には雨を」
周辺の光が再び瞬いた。その度に孫破の身体には無数の穴が開いてゆく。
それは粒子状のレーザー発生装置|Larmes《ラルム》による光の雨であった。
ライラは孫破に向き直り、問う。
「ねえ、炎が消える時も美しいと思わない?」
「ぐ、あああっ!!」
孫破は答えず叫びをあげるばかり。
ともあれ答えたところできっと相容れはしないだろう。認めもしないだろう。
だが、孫破の炎は、彼の芸術観を否定するかのように、徐々に消えつつあった。
🔵🔵🔵 大成功

文字通りの火事場泥棒かよ……。悪いけど、天使は奪わせないぜ。
それに――作品になるのはお前の方だ。これから俺の|フィルム《記憶》に、お前の敗北を焼き付けるんだからな! ……現像!
ベルト内のルートフィルムを入れ替え、青い装甲の『√ 妖怪百鬼夜行フォーム』にフォームチェンジ。天使を狙われるよりも早く、強化された移動速度で[ダッシュ]。孫破へ一気に接近し、右腕の透鏡籠手・焦点覇迅甲で[属性攻撃]を狙う。雷属性を纏わせ、近接攻撃「ポライズ穿孔パンチ・雷」を叩き込む。
炎を纏った尾が迫るなら、フォトシューティングバックルのシャッターボタンを押し、√能力『妖力撃・乱翔合焦の型』を発動。氷属性を纏わせた焦点覇迅甲を相手に向けて構えた瞬間、先端に巨大な氷塊が生成される。生成した氷塊を炎の尻尾にぶつけて攻撃を相殺しよう。
これ以上、天使の記憶に悲しみを植え付けさせる訳にはいかない。
さあ、消火活動の開始だ!
「文字通りの火事場泥棒かよ……」
燃える村に立つ孫破の姿に、海人は呆れたように呟いた。
オルガノン・セラフィムを捕らえるために現れた怪異は炎を纏い、どさくさ紛れに自身の作品と称して村を燃やしていたのだ。
そんな怪異に対して怒りを燃やした海人は、天使を護るように立つ。
「悪いけど、天使は奪わせないぜ」
そう言うと、海人は『フォトシューティングバックル』を手に宣言する。
「それに――作品になるのはお前の方だ」
その言葉に孫破が苛立たし気に反応する。
「何だとぉ?」
「これから俺の|フィルム《記憶》に、お前の敗北を焼き付けるんだからな!」
海人がバックルを腰に装着し、叫ぶ。
「……現像!」
その掛け声とともに、バックルがフラッシュの如く輝くと、その輝きの中心に立つ海人の姿が変わってゆく。
その戦士の名は『フィルム・アクセプター ポライズ』。赤い装甲が勇ましくきらめくのであった。
「ははは! 俺を作品にするぅ?」
現れたポライズに臆することなく、孫破が笑った。
「その言葉……そっくりそのまま返してやるぜ!」
孫破の背から伸びた尾に炎が宿る。孫破はそれを振り回し、ポライズへ向かって駆ける。
対するポライズは、落ち着いた動作で一つのフィルムを手に取った。
「ルートフィルム、チェンジ!」
バックルを操作し、ルートフィルムを入れ替える。すると、ポライズの赤い装甲がみるみる青くなり、右腕に巨大な籠手『透鏡籠手・焦点覇迅甲』が装着された。
その姿は『√妖怪百鬼夜行フォーム』。移動速度が格段に上昇し、近接戦闘を得意としたフォームである。
「はぁっ!!」
孫破がポライズに向かって一気に駆ける。その速度のまま右腕を振りかぶると、籠手より電撃が走る。
「たぁーっ!!」
「うおおおっ!」
繰り出されるは『ポライズ穿孔パンチ・雷』。孫破のしなる尾が纏う炎とぶつかり合い、衝撃で爆発が巻き起こる。
「うわあっ!」
「ちぃっ!」
強い衝撃に、互いに距離を取り合ったポライズと孫破。ポライズは体勢を整え直すと、孫破の尾を見つめる。
「あの炎が厄介だな」
孫破のしなる鞭のような尾は俊敏で、連続攻撃を得意とする。炎の影響もあって攻撃範囲も広がっており、下手な位置取りをしてしまえば背で護る天使にまで巻き込まれかねない。
「なら……! 妖力撃・乱翔合焦!」
ポライズがフォトシューティングバックルのシャッターボタンを押した。すると、右腕の籠手が唸りを上げる。
「はん! こけおどしが!」
孫破が尻尾をしならせて駆ける。その動きに合わせ、ポライズも籠手を振りかぶりながら跳ねる。
「はあぁーっ!!」
再び、尻尾と籠手が激突する。だが、ふたつの攻撃がぶつかりあうその瞬間、孫破が驚愕した。
「な、にぃっ!?」
ポライズの籠手の先端に巨大な氷塊が生まれていたのだ。
「これが乱翔合焦の型だっ!!」
先程までと違って、焦点覇迅甲に氷の力が宿っていたのである。
尻尾に宿った炎と氷が互いを相殺しあってゆく。水蒸気が吹き荒れ、二人を中心に熱波が渦を巻いた。
「うおおおおおっ!!」
勢いのまま、ポライズの拳が突き出される。氷は消え、なんの力も宿っていないただのパンチだ。だが、それは孫破とて同じ。となれば、雌雄を決するのは単純な力のみ。
「……ぐっ!」
籠手の一撃が孫破の尻尾を弾き飛ばし、腹にまで穿たれた。
「うわあああっ!!」
激しい衝撃とともに、孫破が吹き飛んで行く。ポライズの一撃が、孫破を上回ったのであった。
孫破を吹き飛ばしたポライズは、燃える村を見渡した。
(「これ以上、天使の記憶に悲しみを植え付けさせる訳にはいかない」)
なら、ヒーローとして。やることは怪異との戦いだけではない。
「さぁ、消火活動の開始だ!」
籠手に氷を纏わせ、ポライズは新たな『戦場』へと向かうのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

安心してよお、僕は避けたりしないから~。
さあ…思う存分、その|芸術《炎》で燃やし尽くしてみなよ。
レーテの霊薬を飲み激痛に備え、ヘルメスの霊薬を飲み連撃の補正を。
敵の火炎玉は避けずにあえて正面から受け止め、続くデバフゾーンの発生を阻止。
ダメージはナイフ攻撃時の[生命力吸収]でリカバリーし、燃え盛る身体も敵の攻撃も無視して連撃を優先。天使達に近付く隙を与えない。
引き寄せた敵をナイフで突き刺し[貫通攻撃]、そのまま内部で刃を捻り[傷口をえぐる]、抉った箇所に詠唱錬成剣を滑らせ[武器改造]で刃先をスパイク状に変化させ傷口を広げる、広げた傷口に素手を突っ込み[爆破]魔術で内側から炸裂。
以降はナイフで攻撃と回復を行いながら、[怪力]で殴り飛ばし、ヒールで[踏みつけ]、脆くなった箇所を[切断]し、ナイフで[2回攻撃]、勢いのままに[なぎ払い]、最後には懐に潜り込み[捨て身の一撃]。
ふう…、ッた…くはないけど、身体がバキバキだあ…。全部終わったら、猫耳メイドさんを眺めて癒やされよ~…っと。
「畜生、畜生! どいつもこいつも……!!」
怪異『孫破』は度重なる√能力者の攻撃に翻弄され、悪態をついた。
それはもともとの傲慢な性格も災いしていだろう。思い通りにならないことが孫破を苛立たせ、度重なる攻撃で受けた負傷が冷静な判断力さえも奪おうとしていた。
そんな時、ルメルがひょっこりと、飄々とした笑みを浮かべながら現れた。
「安心してよお、僕は避けたりしないから~」
手を振り、安全さをアピールするルメル。
そんな姿に孫破は訝しむが、ルメルは構わず、挑発するように目を細めて告げる。
「さあ……思う存分、その|芸術《炎》で燃やし尽くしてみなよ」
その言葉に、孫破が『ヒヒッ』と小さく笑った。
罠かどうかなんて、どうでもいい。
「そうまで言うなら、俺の芸術の礎になってもらうぜぇ!!」
孫破が掌に炎の球を生み出した。炎はどんどん大きくなり、孫破はその球体を掴むとルメルに向かって駆ける。
「喰らえぇぇっ!!」
叫ぶ孫破。対するルメルは――言葉通り、まったく動かなかった。
笑顔を浮かべながら、鋭い目つきで孫破を見据えたまま、火炎球の直撃を受ける。
「はははっ、ははははっ!!」
炎に包まれるルメルを見て、孫破が笑う。
見事なまでの火だるまだ。この炎は骨まで燃やし尽くしてくれるだろう。まさしく孫破にとって、傑作と言うにふさわしい出来栄えだと、自画自賛する。が。
「――掴まえた」
「……は?」
ぐん、と孫破の身体が引き寄せられ、ずぶり、と鋭い痛みが走った。
「なっ……!?」
炎の奥から孫破に向かってナイフが突き立てられたのだ。
「そんなに驚くことかなあ?」
炎の隙間から鋭い視線が孫破を貫いた。その視線の主は間違いなくルメル。
「がぁっ……!!」
ぐり、とナイフを捻って傷口を抉れば、孫破が鈍い痛みに呻き声をあげる。
「自分の傑作に囲まれて死ねるなんて……嬉しいでしょ?」
「コイツ……!!」
炎の中、ルメルは孫破を見て笑っていた。その表情に孫破の背筋が凍るのを感じ、孫破は半ば反射的にナイフを引き抜き、距離を取ろうとする。
「逃がさないよお」
「うおっ……!!」
孫破の身体が再び引き寄せられる。ルメルが空間圧縮の力を用いて孫破を引き寄せているのだ。
「もう一度」
「うぐっ……!!」
再び孫破にナイフが突き立てられる。さらにナイフが体内でスパイク状に突き立って、孫破の体内がズタズタになってゆく。
「て、テメェ……!!」
容赦のない連撃を受けながら、孫破がルメルを睨む。
そもそも何故、ルメルは全身を炎に見舞われて涼しい顔をしているのだ。
そんな疑問を向けられたと感じたか、ルメルはにこりと笑って見せた。
実は戦闘前に、ルメルは二つの霊薬を飲んでいた。
それは『レーテの霊薬』と『ヘルメスの霊薬』。
レーテの霊薬はあらゆる激痛を一時的に遮断する効果を持ち、ヘルメスの霊薬は身体能力の底上げを行える。
この二つによって、孫破の攻撃を受けてもなお何事もなかったかのように戦うことが出来ているのだ。
とはいえ、それだけでは十分とは言えない。孫破はそこでハッと気付く。ナイフの攻撃がただ『突かれた』だけではないことを。
(「俺の、生命力が奪われてやがる……!!」)
ナイフを伝って、ルメルが生命力を吸収しているのだ。
「ほらほらどうしたの?」
広がった傷口に、ルメルが腕を突っ込んだ。そのまま魔力を集中させ、体内を爆破。
「ぐぅうっ!!」
怯んだ孫破に再びナイフを刺して、殴り、刺して、踏みつけ、刺して、切断……。ルメルは容赦なく、次々と連撃を叩き込んでゆく。
「この野郎……!!」
孫破は『騙したな』とでも言いたげな様子でルメルを見る。その顔にルメルは思い切り近付いて、飄々と笑った。
「嘘は言ってないでしょお?」
「……!!」
拳が孫破の腹を抉った。孫破は勢いよく吹き飛ばされてゆく。
同時にルメルを覆っていた炎が消えてゆく。煤だらけの肌をパンパンと払い、ルメルはふぅ、とため息をついた。
「……ッた……くはないけど、身体がバキバキだあ……」
霊薬の効果や、生命力の吸収があったとはいえ、ダメージが無いわけではない。身体をぐ、ぐっと伸ばしながら、ゆっくり歩き出す。
「全部終わったら、猫耳メイドさんを眺めて癒やされよ~……っと」
ふふ、と笑って、ルメルは孫破追撃に向かうのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

(問題なければ一章で助けた天使と、家族や知り合いを何人か助けられた事にしてください)
「テメェ、許さねぇ!!」
自分たちの家や村が燃え落ちていく様にショックを受ける人々を見て、敵の炎よりも燃え盛るような怒りと共に殴り掛かる
「離れてろよ!」
生存者たちが攻撃範囲外になるように離れるように促しつつ敵を殴りって蹴って足止めするが、尾の一撃を喰らって炎に飲まれる
「何がゲージュツだ……ふざけんじゃねぇ……みんな、力ぁ貸してくれ!」
√能力発動。簒奪への怒り、まだ生き残ってる人たちを守りたい願い、周囲のインビジブル、特に村の犠牲者たちのそれが応えてくれる。中には凶行を止められた一章のオルガンン・セラフィムの魂も。
「テメェの|炎《ゲージュツ》なんざ全部吹っ飛ばしてやんよ!」
叩きつけられた尾越しに貫通する全力パンチを放った後で、3倍の移動速度で走り加速付けて燃やされた教会とかの高い建物の壁を駆けあがり、蹴って勢いをつけた落下キック、ダメージと共に衝撃と風圧で周囲の炎を吹き飛ばす
炎の上がる家屋を見上げ、呆然とする人々。
互いに肩を寄せ合い、今まで平和に暮らしていた象徴が焼け落ちてゆく。
その傍らに立つ真守は、わなわなと拳を震わせた。
「はぁっ、畜生……!!」
√能力者からの攻撃を受け、満身創痍の孫破が忌々し気に吐き捨てた。
このままでは自らの命も危うい。天使どころか、オルガノン・セラフィムの捕獲すら危うい。
ここは逃げるが得策か……そんなことが脳裏をよぎった瞬間。
「テメェ、許さねぇ!!」
そんな怒声とともに、真守が飛び掛かってきた。
「うぉっ!」
咄嗟にそれを受け止め、いなす孫破。だが真守は怒りのままに再び殴り掛かる。
「くそ、まだいやがったか……!!」
真守の攻撃を受け止めながら、孫破は新たな√能力者の出現に焦りを感じていた。
「何にもない村を! 罪もない人の家を!」
真守の拳が孫破を打ち据え、続けて蹴りを入れる。その怒りは孫破の炎をも上回るほどに燃え盛り、怒涛の勢いで孫破に殴り掛かる。
「ちっ……調子に乗るなァっ!」
ぶん、と尻尾を振って、孫破が真守を引きはがす。その時孫破は気付く。
「ははぁーん……?」
真守の背後、戦闘範囲からはかなり離れているが、村人たちの姿が見える。
天使の家族や、知り合い達だろう。
「なるほど、ガキには俺の芸術が分からなかったってことか」
ニヤニヤとした態度で、孫破が真守を煽る。
「しかし俺様としても、全部燃やしたつもりだったんでなぁ……ありゃ失敗作だ」
ブチブチと真守の怒りの緒が切れてゆくのがわかる。
「テメェぇっ!!」
ほぼ反射的に真守が飛び掛かった。直情的で一直線。まるで当ててくれと言わんばかり。
孫破の尻尾に炎が宿り、真守めがけて勢いよく振り上げられ、真守も腹を強かに打ち付ける。
「ぐぅっ……!!」
呻き声をあげる真守。尻尾の炎が回り、全身が炎に飲まれてゆく。
「あの失敗作もテメェみてえな芸術品に作り替えてやるから、感謝しとけよ?」
そう告げる孫破を、真守が睨む。
「何がゲージュツだ……ふざけんじゃねぇ……」
「こいつ……!」
炎に全身が蝕まれていることなど意にも介さないように、真守が叫んだ。
「みんな、力ぁ貸してくれ!!」
そう叫んだ瞬間。真守の周囲にインビジブルが集まってゆく。
「……なんだ、インビジブルども!」
孫破の声を無視し、インビジブル達は真守の四肢に入り込んでゆく。
真守が秘めた簒奪者への怒り、人々を護りたいという願いに、インビジブル達が応えたのだ。
集まったのは孫破の犠牲になった人達、そして、この事件でオルガノン・セラフィムとなってしまった者達の魂。
それらの魂が、真守に力を与えてくれる。
「テメェの|炎《ゲージュツ》なんざ全部吹っ飛ばしてやんよ!」
咆哮。そしてその勢いをすべて乗せて拳を振り上げる。
「くっ……舐めるなぁぁ!!」
孫破が尻尾をしならせてそれを受け止めようとする。だが。
「がぁあっ!!」
そんな尾など無かったかのように、拳が孫破へと沈み込んだ。激しい衝撃とともに、孫破が吹き飛ばされてゆく。
「うおおおおおっ!!」
それを追うように真守が駆ける。凄まじい勢いのまま孫破を追い抜き、この村でも一番高い場所……教会へ一気に駆け上げる。
そして、真守が跳ねた。
「くらええええ!!!!」
孫破から受けた炎を吹き飛ばしながら、真守は孫破へ向かって脚を突き出す。
超高速での移動と落下の勢いが重なり合って、凄まじい威力のキックが孫破へと放たれた。
「う、おおおおっ!!」
どぉん、と大地を震わせる衝撃が走る。その衝撃が風圧となり、孫破と、その周辺の炎を一気に吹き飛ばしてゆく。
「はぁ、はぁ……」
真守が立ち上がる。その足元には、既に力尽きた孫破の姿があった。
人々を悲しみに陥れた怪異は、今ここに討ち果たされたのである。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功
第3章 ボス戦 『羅紗の魔術士『アマランス・フューリー』』

POW
純白の騒霊の招来
【奴隷怪異「レムレース・アルブス」】を召喚し、攻撃技「【嘆きの光ラメントゥム】」か回復技「【聖者の涙ラクリマ・サンクティ】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[奴隷怪異「レムレース・アルブス」]と共に消滅死亡する。
【奴隷怪異「レムレース・アルブス」】を召喚し、攻撃技「【嘆きの光ラメントゥム】」か回復技「【聖者の涙ラクリマ・サンクティ】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[奴隷怪異「レムレース・アルブス」]と共に消滅死亡する。
SPD
輝ける深淵への誘い
【羅紗】から【輝く文字列】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【頭部が破裂】して死亡する。
【羅紗】から【輝く文字列】を放ち、命中した敵に微弱ダメージを与える。ただし、命中した敵の耐久力が3割以下の場合、敵は【頭部が破裂】して死亡する。
WIZ
記憶の海の撹拌
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【羅紗の記憶海】」から【知られざる古代の怪異】を1体召喚する。[知られざる古代の怪異]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【羅紗の記憶海】」から【知られざる古代の怪異】を1体召喚する。[知られざる古代の怪異]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
√汎神解剖機関 普通11
「孫破がやられたか」
そう言いながら、羅紗を身に纏った女性が現れた。
「オルガノン・セラフィムの捕獲には痛手だが……天使までもが誕生していたことを知れたのは僥倖だった」
そう言い、√能力者達の護る天使を見据えて告げる。
「その天使は我ら『羅紗の魔術塔』が連れ帰る。邪魔をするならば、容赦はしない」
その女……アマランス・フューリーは、√能力者に対し強い殺気を向けた。
アマランス・フューリーを倒したところで『天使化事変』は収まらない。だが、このまま羅紗の魔術塔に天使たちを奪わせるわけにもいかない。
アマランス・フューリーを退けるべく、√能力者達は再び戦闘態勢を取るのであった。