シナリオ

怪人は英雄の夢を見るか

#√マスクド・ヒーロー #シデレウスカード #プレイング募集中 #途中参加歓迎 #特定の章のみの参加も歓迎します! #流れてしまった方へ、再送して頂ければ優先して執筆致します #参加ありがとうございました!

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 √マスクド・ヒーロー。それは世界征服を企む悪の組織も、それに従う「怪人」も実在する現代地球。己の素性を仮面で隠したマスクド・ヒーロー達だけが、正義の為に戦い続けている世界。そして、ここにまた一人新たなるヒーローが……!?

●その正体は|英雄《ヒーロー》か|怪人《ヴィラン》か
 とある少年が、自宅で2枚のカードを並べて首を傾げていた。机の上にあるのは「射手座」のカードと「ニコラ・テスラ」のカード。どちらのカードもレアカードの様に輝いていた。全く気が付かないうちに鞄の中に入っていたそれらのカードは、不思議な魅力を持っており、普段ならすぐ捨ててしまいそうな少年も、それらのカードを捨てる気にはなれなかった。
 しかし、これらのカードは一体何のトレーディングカードなのだろう。様々なカードショップに持って行き尋ねてみたが、どの店員もこれらのカードについて知っている人は居なかった。ネットで検索しても全く情報は出てこなかったのだ。
「まあ、いいか!それよりゲームやろっと」
 最近少年が始めたVRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」。そしてお年玉を苦労して貯めたお金で買ったVRゴーグルを装着すると、少年はゲームに熱中するのだった。
 このゲームでは誰もがヒーローになれる。もちろんその少年もその一人だ。VRゴーグルを装着することでリアリティと臨場感、そして迫力のあるゲームをプレイすることができるのだ。ゲームは高価だったが、それだけの価値があると少年は考えていた。
 しかし、少年はまだ気が付いていなかった。自身が所持しているカードが少年を怪人へと変えてしまう、シデレウスカードであることに……。

●作戦内容
「√マスクド・ヒーローで、ある少年がシデレウスカードの影響で怪人になってしまうという予知を得たぜ。まだ少年は事件を起こしてしまった訳では無いので、手遅れになる前に事件を未然に防いでほしいんだぜ!」
 星詠みの堤・鼓太郎(ヴァルハラを真っ赤に染めろ!・h06478)が予知で得た情報を√能力者達に説明する。
「ところで、このゲームを知っているだろうか?」
 プロジェクターの映像が切り替わり、VRゲームの映像が表示される。「レジェンダリー・ヒーローズ」という名前のゲームらしいが……。怪訝な顔をする√能力者に対して鼓太郎は話を続ける。
「今回の事件は複雑なんだぜ。事件は現実ではなくこのゲーム内で行われるらしいぜ。このゲーム、レジェンダリー・ヒーローズ自体はなんてことはない普通のMMORPGなのだが、少年が怪人化することでゲーム内で倒した相手が、現実でも怪我をしたり最悪死亡するという事件が発生してしまうんだぜ。楽しいゲームが、恐ろしいゲームになってしまうんだぜ!」
 それは大変なんだぜ、というように鼓太郎は頭を抱える。
「残念ながら、現実世界のどこにシデレウスカードを持った少年が居るのかは予知では分からなかったんだぜ。√マスクド・ヒーローのどこかということまでしか判明していないんだぜ。」
 じゃあどうすれば、と言いたげな顔をしている者に対して問題はないと胸を張る。
「お前らもこのゲーム、レジェンダリー・ヒーローズをプレイしてその少年を探してみてほしいぜ。現実の武器を反映することが出来るから、普段の武器が使えなくなるという心配はしなくていいぜ。もちろんゲーム内で独自に武器を作り上げるのもいいと思うんだぜ!」
 随分と詳しく「レジェンダリー・ヒーローズ」について語る鼓太郎。あなた、もしかして遊んだことありますね?
 それはともかく、シデレウスカードの事件が起きているのであれば止めなければならない。√能力者達はVRゴーグルを装着し、VRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」を起動するのであった。
「事件が終わったら、ゲームの感想聞かせてくれよな!」
 最後にそう伝えて、鼓太郎は√能力者達をゲームの世界へと送り出すのであった。

マスターより

駒込樹
 こんにちは。|駒込《こまごめ》|樹《いつき》と申します。皆様を格好良く活躍させられるようなマスター目指して頑張ります!
 シナリオ3作目の舞台は√マスクド・ヒーローとなりますが、基本的にVRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」内での冒険となります。シデレウスカードに関する事件が発生しているので防ぎましょう。

●登場人物
 少年:正義感が強く、ヒーローに憧れている。誰もがヒーローになれるというVRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」が好きで、よく遊んでいる。

 1章はVRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」の世界を楽しんでください。ゲーム内で新しい武装の開発を行っても良いですし、シデレウスカードを所持している少年を探すのも良いでしょう。POW・SPD・WIZの選択肢以外の行動を行ってもOKです。
 2章は怪人となった少年との戦闘になります。詳細は断章にて記載します。もちろんゲーム内での戦闘となるので、1章で開発した武装を使うのもOKです。
 3章はボス『ドロッサス・タウラス』との戦闘になります。少年の鞄の中に、2枚のシデレウスカードを忍ばせた今回の事件の黒幕です。このボスを倒せばシナリオは成功となります。
 皆様のプレイングをお待ちしております。よろしくお願い致します!
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第1章 日常 『新しいヒーロー装備の開発』


POW 試作品を使ってみる
SPD アイディアを出してみる
WIZ 設計図に手を加える
√マスクド・ヒーロー 普通5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 VRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」にログインすると、グラフィックの美麗さに驚くことだろう。時々現れるステータスや所持アイテムを表示するテキストボックスさえなければ現実と間違えてしまうほどだ。
 君達はゲームを楽しんでも良いし、シデレウスカードを所持している少年を探しても良い。武装を開発しても良いし、もちろんそれ以外の行動を行うのもいいだろう。
 「レジェンダリー・ヒーローズ」は極めて自由度の高いゲームなのだ!
ルビナ・ローゼス
※温厚な優しい性格です。喋り方は上品なお嬢様言葉です。ゴスロリドレスを着ています。

MMORPG、初めてプレイしますけど、面白そうですわね。ターゲットの男の子を探しながら、ゆっくり遊んでみましょう!
まずは、√能力「姿なき目撃者」を使って、インビジブルを妖精さんの形で呼び出し、少年の特徴と様子がおかしいプレイヤーについて聞きますわ。
聞いた情報は、メール機能を使って仲間に共有しますわ。
最後は武器のハチェットの刃を液体金属で強化して、大剣(某ロボットの参式斬○刀)みたいに変形出来るように改造しますわ!こういう凝った武器も良いですわね~。事件が終わっても、続けようかしら?
雨宮・静(サポート)
【一人称】しずく
【ちょっと面倒な設定】四神の一柱である玄武の現人神で、常に周りに雨が降っている。
【キャラロール】
しずくは基本的に面倒くさがりだよ。
でも自分の責務も理解しているから、やるときはちゃんとやるよ。
内気な言動とは裏腹に、自身に宿る力に絶対の自信があるから基本的に脳筋だよ。何かあったら忘却の雨で殴るね。
基本的に雨の中なら戦闘、索敵、なんでもできるよ。万能だよ。
忘却の雨でどうにもならなかったり、いよいよめんどうになったら自分の身体をインビジブルである玄武に食べさせて、四神降誕・玄武を使うよ。あとはよろしくね、玄武。
玄武はおっきな亀さんと蛇さんだけど、分類的には古龍らしいよ。
複雑だね。
柊・冬臣(サポート)
人間(√EDEN)の|古代語魔術師《ブラックウィザード》×雷の|精霊銃士《エレメンタルガンナー》、33歳の男です。
普段の口調は「穏やか(僕、~さん、だね、だよ、~かい?)」、偉い人には「丁寧(僕、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」

√能力は指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
己に対する防衛本能や危機意識のようなものが欠如しており、やや無茶をしやすい性質です。(他人が絡む場合を除く)
黒統・陽彩
WIZ
アドリブ歓迎

「レジェンダリー・ヒーローズか。
随分とレトロなゲームが流行って…。
いや、此処は過去の世界だったな。」
未来人的なリアクションをしながらログイン
「さて、俺は私、ライズ・ブラックで行こう。
装備についても問題ない。作成はスキップして少年を探しに…。
いや、後で合流する戦友のために一つ作っておくか。
確か、彼は運が良いんだったか?
ゲームにおいてはクリティカルの発生確率を上げられるだろう。」
√能力も使用して所有者の幸運を超強化する装備『ラックアッパー』を作成

「これで準備は良し。早速探そう!」
ラックアッパーを装備し、[第六感]の導くままにクウソウ・ブースターで
空を超高速[空中ダッシュ]して探す

●初めてのMMORPG
「MMORPG、初めてプレイしますけど、面白そうですわね。ターゲットの男の子を探しながら、ゆっくり遊んでみましょう!」
 VRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」に一人の少女がログインする。ゴスロリドレスを纏ったアバターで現れたのはルビナ・ローゼス(黒薔薇の吸血姫・h06457)だ。彼女はMMORPGを遊ぶのが今回が初めてであった。是非とも楽しんでプレイしてほしいものである。
「皆さんが見た真実を教えて下さいませ」
 ルビナは√能力【|姿なき目撃者《シンジツヲシルモノ》】を発動すると、インビジブルが妖精の姿となって現れた。現れた妖精は全部で3体だ。ゲーム内でも√能力は問題なく使えるらしい。
「そういう訳で、男の子を探しているのよ」
 少年の特徴と情報を妖精達に伝えるルビナ。それに対して
『昨日、熱心にモンスターを倒していた少年を見掛けたよ』
『それならボクも見たけど、その程度やり込んでいるのはこのゲームだと普通じゃないのかなあ』
『男の子だからって、男性のアバターを使っているとは限らないよ』
 妖精達から得られた情報は三者三様であり、参考にはなるが少年を特定する決定打としては欠けるものであった。
 とはいえ、僅かな情報でも欲しかったところである。むしろ妖精達が現れてくれなかったかもしれないことを考えると上出来と言ってもいいくらいだろう。
 ルビナは慣れない手付きでゲーム画面の|UI《ユーザーインターフェース》を操作し、メール画面を開くと情報を入力して送信した。
「送信完了ですわ!それにしても、本当に現実感があるゲームですのね。」
 物は試しで√能力を使ってみたら、すんなりと成功してしまった。テキストボックスやゲーム画面のUIが無かったら現実と間違えそうになるほどである。

 ――それから数時間後。
「次は武器を強化してみましょう」
 ゲーム内で冒険を行い、アイテムの採取を行って手に入れた液体金属。素材と武器を合成することで強化できるという情報を得た彼女は、ハチェットの刀を強化しようと考えた。少しずつではあるものの、ルビナは「レジェンダリー・ヒーローズ」にも慣れてきたようだ。

          『|強化成功!《Congratulations!》』

 大々的に武器の強化が成功したカットインが入る。そして、ハチェットは無事に強化され、大振りの大剣へと進化した。
「こういう凝った武器も良いですわね~。事件が終わっても、続けようかしら?」
 新しく手に入れた武器はすぐにルビナの手に馴染んだ。初めてのMMORPGでの冒険は、楽しいものになりそうだ。

●古のレトロゲーム
「レジェンダリー・ヒーローズか。随分とレトロなゲームが流行って……。
いや、此処は過去の世界だったな。」
 空想未来人である|黒統・陽彩《こくとう・ひいろ》(ライズ・ブラック・h00685)にとって、「レジェンダリー・ヒーローズ」は最新の技術を反映したVRゲームではなく、むしろレトロゲームに近いものだった。そのため、陽彩はこのゲームについても熟知していた。
 ログイン名は陽彩のヒーロー名でもあるライズ・ブラックを用いることにした。実現戦隊リアライザーのコスチュームを身に纏った姿でゲームにログイン。装備の作成についてもスキップして少年を探しに行こうと考えたが……。
「いや、後で他の√能力者と合流するかもしれないな。その時は共闘することもあるだろうし、武装を開発してからの方がいいだろう。」
 備えあれば患いなし。まずは装備を整えることにした。

 装備を作成するための素材集めには、それほど時間は掛からなかった。空想未来人である陽彩――ライズ・ブラックからすれば、このゲームの攻略法はかなり一般的にも知られているものなのだ。元からある設計図に手を加えて、未来の情報から得た知識を駆使することで最短でアイテムを生成することができる攻略チャートを作り上げた。
「完成だ。ゲームにおいてはクリティカルの発生確率を上げられるだろう。」
 ゲーム内の装備錬成システムと√能力【サプライズ・フューチャー】を組み合わせることで、所有者の幸運を超強化する装備『ラックアッパー』を作成することに成功した。
「これで準備は良し。早速探そう!」
 ラックアッパーを装備したライズ・ブラックは、ジェットパック【クウソウ・ブースター】のスイッチをONにすると空を舞い、第六感と空中ダッシュの技能を用いて少年を探すため韋駄天の様に走り去っていくのであった。

●春時雨
「ゲームの中でも√能力が使えるっていうのは本当みたいだね」
「そうみたいですね」
 雨が降り続けているエリアの建物で雨宿りをしている|雨宮・静《あめみや・しずく》(玄武・h05799)と|柊・冬臣《ひいらぎ・ふゆおみ》(壊れた器・h00432)はゲームのメールボックスに送られてきた手紙を読みながら呟いた。ルビナから送られてきたメールが届いたのだろう。
 そう、静は既に√能力を発動していた。この雨は静自身の√能力【|忘却の雨《ダレモアナタヲオボエラレナイ》】によって降らせたものであり、この雨の中では静は戦闘だけでなく索敵も、それ以外のこともできるという。
「それじゃ、面倒くさいけど仕事だし頑張るよー」
「まだ事件は起きていませんが、怪我人が出たら大変ですからね。急ぐに越したことはないでしょう。」
 傘を差して建物から出て歩き出す静と冬臣。すると、銀髪の少女が走っていくのが見えた。
 ルビナだ。
「さっきはメールありがとう」
「……どこかに急いでいるようですが」
「ええ。あなた達にメールを送った後に再び妖精に話し掛けられて……。」

――数時間前。
「あら? まだ居たの?」
『はい。これは話しておかなきゃいけない気がして』
「さっき聞いた時に教えてくれればよかったのですわ」
 妖精は首を軽く横に振る。
『この話を聞いたら他の妖精が怖がってしまうかもしれないと思って』
「そう。優しいんですのね。」
『他のプレイヤーと明らかに違う雰囲気の人間を見たんだ。他のプレイヤーよりも明らかに自分がヒーローであることを意識していた。最初はそういう人もいるだろうなと気にも留めなかったんだけど、どんどんエスカレートしていって……。』

――そして今に至る。
「そのプレイヤーがよく出現するエリアに地図で印を付けてあるんだね。」
「そういうことですわ。とは言っても本当に居るかどうかは分かりませんわ。」
「恐らくその場所で合っていると思うぞ。」
 不意に声が聞こえた。上空からだ。
 ジェットパックで空中を移動していた陽彩が地上へと降りてきた。
「俺もその場所に向かっている所だったからな。」
「あなたも少年の捜索を行っていたのですか?」
「ああ。このラックアッパーで運のパラメーターを上昇させたんだ。今の俺は運が良い状態だ。だから俺と同じ方向に移動している君達は正解の場所に辿り着けるのではないかという推測さ。」
 陽彩の説明に、そういう探し方もあるのかと感心するルビナと冬臣。
 そして、静が声を出さないようにと仲間にジェスチャーを送る。
「キミの言う通り、当たりかもしれないよ。誰か居る。」
 √能力を発動したことで、玄武の現人神である静にはそのプレイヤーが見えていた。
 プレイヤーというにはあまりにポーズに拘りを見せて、身のこなしなども明らかにヒーローを意識しているのが一目瞭然であった。
 そして、そこに居たのは自称ヒーローの少年だけではなかった。
「大丈夫ですか……!」
 少年の傍に倒れている一人のアバターを発見した冬臣は自称ヒーローには目もくれずに駆け寄った。√能力【忘れようとする力】と救助活動と医術の技能で回復を試みると、倒れていたアバターのキャラクターは意識を取り戻した。
「あ、ありがとうございます……。」
「応急処置は施したから、ここをログアウトしたら念の為に病院へ行ってください」
「モンスターみたいな恰好をしている方が悪い。それにここはゲームだぞ? 死ぬわけじゃないんだ。大袈裟だな。」
 確かに自称ヒーローの言う通り、倒れていたアバターのキャラクターはモンスターのような外見をしていた。「レジェンダリー・ヒーローズ」は極めて自由度の高いゲームだ。つまりヒーローのようなプレイを楽しむプレイヤーも居れば、キャラメイクでアバターをモンスターのような見た目にしてゲームを楽しむプレイヤーも居るのだ。
 そして、自称ヒーローの言葉から、彼はまだ自身が怪人化してしまっていることに気が付いていないのだろうということも分かった。実際、他のプレイヤーを攻撃するまでは過激な振る舞いこそあったものの彼の外見はそこまでおかしなものではなかった。それに自称ヒーローの少年が怪人化していなければゲーム内で怪我をしても現実でも同様に怪我をしたり最悪死亡するなんてことはあり得ないのだ。
 怪我をしていたプレイヤーが安全にログアウトしたのを見送ると、√能力者達は自称ヒーローの少年――シデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』と対峙するのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

第2章 冒険 『シデレウスカードの所有者を追え』


POW 戦いを挑み、シデレウス化した人物を無力化させる
SPD 他の民間人が事件に巻き込まれないよう立ち回る
WIZ シデレウス化した人物の説得を試みる
イラスト yakiNAShU
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 ニコラ・テスラは19世紀~20世紀に活躍した発明家である。発明家以外にも電気技師、機械技師としても知られている。彼の発明として有名なのは交流電気とテスラコイルだろう。その生涯で約300件の特許を取得した、まさに天才肌の発明家である。
 今回の事件で「ニコラ・テスラ」のカードが用いられたのは、電気を発明した偉人としてVRゲーム「レジェンダリー・ヒーローズ」の電脳世界との相性が良かったからだろう。

「ところで君達、何しにここまで来たんだい?」
 ビシッとポーズを決めながら自称ヒーローの少年――シデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』は√能力者達へ話し掛ける。
「もしかして、この僕のファンだったりする?参ったなあ!」
 やはり、この少年は自身が怪人と化していることに気が付いていないようだった。怪人化しているといっても、外見は人間と全く同じなのだから無理もないだろう。何度もポーズを変えながら、シデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』は良いことを思い付いたと言わんばかりの笑顔で√能力者達に答えた。
「そうだ!僕と勝負して君達が勝ったら、僕のサインをあげよう!」

 2章は怪人となった少年――シデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』との戦闘になります。使用する能力については以下の通りです。

●シデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』の使用する√能力
 POW:ヒーローズ・ラッシュ
 【クロスボウ】による牽制、【テイムに成功したスライム】による捕縛、【バトルアックス】による強撃の連続攻撃を与える。

 SPD:ヒーローズ・ブレイド
 60秒間【ジャスティス・ゲージ】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【強化された勇者の剣による一撃】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。

 WIZ:ウォーデンクリフ・タワー
 半径レベルmの指定した全対象に【テスラコイル】から創造した【世界無線システム】を放つ。命中した対象は行動不能・防御力10倍・毎秒負傷回復状態になる。
ルビナ・ローゼス
※温厚な優しい性格です。喋り方は上品なお嬢様言葉です。

相手の見た目だけで判断して、間違えても謝らない。ずいぶんと独善的な「ヒーロー」さんですこと。...少し、頭を冷やしてあげますわ。

√能力「月乙女装甲騎形態」を使って、強化したハチェットとディアナセイバーの二刀流で戦いますわ。怪力があるし、大丈夫でしょう。幻影を生み出しながらジグザグに突進して、フェイントをかけながら二回攻撃を仕掛けてあげますわ。
敵の攻撃は、強化されたジャンプ力と技能を使って回避を行いますわ。

自分の行いを振り返りなさい。あなたがあこがれる「ヒーロー」は、自分のエゴで人を傷つけるものでしたの?今のあなたは、怪人のようですわよ。
シンシア・ウォーカー
[アドリブ/連携歓迎][WIZ]
なにぶんVR?のゲームが初めてでして。ログインに手間取ってしまいましたが!

サインではなくシデレウスカードについてお伺いしたいのです、それは怪人を生む危険なカードで……ううむ、こちらの話を冷静に聞いて貰える状況ではなさそう。提案通り今は一旦戦って、彼を落ち着かせます。話はそれから。

現実のダンジョン攻略でやり慣れた戦闘スタイルでいけるでしょうか。相手との距離を保ちつつ、魔導書を開き【高速詠唱】の魔法攻撃を……わ、本当にリアル!
攻撃を食らっても【激痛耐性】でどうにか。
仮に相手が世界無線システムに籠った場合も√能力は詠唱継続。攻撃が来ない分、動かずに炎を増やせますから。
黒統・陽彩
【正義VS悪】
ナマエハ・マダナイ(h04923)と連携
POW

「マダナイ!これはキミ用に作っておいたラックアッパーという
幸運値を上昇させるアイテムだ。有効活用してくれたまえ!」
ライズ・ブラックとして正式に動き出すので口調が変わる
「少年!私の戦友が話があるそうだ。」
マダナイが説得している間、マダナイと自分に降りかかる
√能力を『ルートブレイカー』で無効化していく
説得がある程度済んだら、声をかける
「この世界はゲームだ。
だが、同じヒーローとして只いたずらに力を振るうのはもったいない。
その心に燃える想いがあるのなら、私に見せてくれ!
私もそれに応えよう!」
拳にオーラを纏わせてテスラを全力で殴り抜く
ナマエハ・マダナイ
いや、サインはいらないかな。君をね。説得しにきたんだよ。
その、ちょっと言いにくいんだけどね?力に酔って力を振るうなら、それは君の憧れた正義のヒーローじゃなく、僕と同じ悪の怪人なんじゃない?ねぇ、どう思う?黒統さん
ん?黒統さんは正真正銘の正義のヒーローだよ?簒奪者がいなくなるまで共闘する約束、いなくなったら敵になる間柄。だから、僕は友達と思っていないよ。友情は持ってるけどね。黒統さんや彼の仲間に助けが必要なら、すぐに駆けつけるくらいにはね。
さて、君は悪の怪人は嫌いなの?僕は正義のヒーローが好きなんだ。だから、悪の怪人がいなくなって、救ったり守ったりしたはずの人間から力を恐れられて怖がられたりしないように引退するまで悪の怪人やるつもりだよ。黒統さんと友達になるのは引退してからかな。
思い出して欲しい。君はどんな正義のヒーローに憧れていたの?教えて欲しい。今の君は悪の怪人のようだ。本当にそれが君が望んだ正義のヒーローなのかい?

僕は正義のヒーローのサインが欲しいんだよね。君がなりたいヒーローのさ。

●二刀流のワルキューレ
「相手の見た目だけで判断して、間違えても謝らない。ずいぶんと独善的な『ヒーロー』さんですこと。……少し、頭を冷やしてあげますわ。」
 ルビナ・ローゼス(黒薔薇の吸血姫・h06457)は先程までMMORPGを笑顔で楽しく遊んでいたが、今は不機嫌そうな顔をしている。無理もないだろう。結果的に襲われたプレイヤーは助かったから良いものの、大怪我をしたり最悪死亡する可能性だってあり得ない話では無かったのだ。
「まずは君が僕の相手をするのかな?
女の子だからって手加減はしないけど、大丈夫かい?」
 シデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』――長いので以後はテスラと呼ぶことにする――はルビナを見て揶揄う様に笑う。
「見た目で人を判断してはいけないと、言ったばかりですわ。」
 たった今、相手に伝えた言葉すら届いてはいなかった事実に呆れながらも、ルビナは自身の√能力【|月乙女装甲騎形態《ルナヴァルキリーフォーム》】を発動した。
「月の力よ、聖なる鎧を今ここに!!」
 ルビナは勇ましく叫ぶと、月の聖なる鎧を纏った強化形態に変身した。そして、その両手には先程まで装備していた大剣へと強化したハチェットの他に、新たなる武器【ディアナセイバー】も握られ、二刀流の構えとなっていた。これだけ大きな武器を二刀流で扱うのは通常の人間ではあり得ないことだが、ルビナの怪力と根性の技能がそれを可能にしていたのだ。
 次の瞬間、ルビナの姿が消えていた――物凄い速さでテスラへと肉薄し、斬りかかっていたのだ。対するテスラはバトルアックスでルビナの斬撃を受け止めた。
「(今の攻撃を防ぐとは……ヒーローを自称するだけの強さはあるようですわね)」
 しかし、今のテスラには強さしかないとルビナは考える。ヒーローを自称するのであれば、強さだけではなく優しさも兼ね備えて居なければならないのだと。
 一度距離を取り、再度攻撃を行うルビナ。今度は幻影を生み出しながらジグザグに突進して、更にフェイントをかけながら二回攻撃を仕掛けてみせる。
 驚くべきことに、テスラは攻撃を避けようとはしなかった。テスラの装備している武器やテイムに成功したのであろうスライムでガードを行ってはいたものの、両方の攻撃を完全に防ぐことは出来なかったらしく負傷していた。冷静に考えてみれば、最初の一撃も速度こそ凄まじいものではあったがテスラにとっては避けるのは難しくない攻撃だったはずだ。違和感を覚えたルビナは咄嗟にジャンプを行い、次の攻撃を避けた。

 ――√能力【ヒーローズ・ブレイド】。
 60秒間【ジャスティス・ゲージ】をチャージした直後に威力18倍の【強化された勇者の剣による一撃】を放つテスラの√能力だ。
 ルビナの√能力の効果で跳躍力が2倍になっていなかったら、今の攻撃を回避することは出来なかったであろう。幸いにもルビナは掠り傷で済んだようだ。
 テスラがルビナの攻撃を避けようとしなかったのはジャスティス・ゲージを貯める必要があったからである。更に√能力の効果でダメージはチャージ後までは適用されないため、負傷していてもテスラは痛みを感じなかったのだ。……最も、ジャスティス・ゲージを使い切った今はダメージを負っていたが。苦痛を堪えながらテスラが口を開く。
「なかなかやるねえ。僕の【ヒーローズ・ブレイド】を見切ったのは君が初めてだよ。確かに、見た目で人を判断してはいけないというのは本当のようだ。」
 それに対して、ルビナは強さだけがヒーローの証ではないと伝える。
「自分の行いを振り返りなさい。あなたがあこがれる『ヒーロー』は、自分のエゴで人を傷つけるものでしたの?今のあなたは、怪人のようですわよ。」
 緊迫した雰囲気の中で、怪人テスラと√能力者達の戦いが幕を開けた。

●ようこそVRゲームへ
「なにぶんVR?のゲームが初めてでして。ログインに手間取ってしまいましたが!」
 そこへ颯爽と登場したのはシンシア・ウォーカー(放浪淑女・h01919)だった。温厚で天真爛漫な性格の彼女が登場したことにより、図らずも緊迫した雰囲気が少しだけ和むこととなった。この機会に是非ともVRゲームを楽しんでほしいものである。
「サインではなくシデレウスカードについてお伺いしたいのです、それは怪人を生む危険なカードで……。」
「ま、待て待て! 今は戦闘中なの!」
 何事も無かったかのように質問をするシンシアに対して、テスラは思わずツッコミを入れるのであった。自称ヒーローのテスラにとって、戦闘の雰囲気が損なわれるのは望ましくないことらしい。
「(ううむ、こちらの話を冷静に聞いて貰える状況ではなさそう。提案通り今は一旦戦って、彼を落ち着かせます。話はそれから。)」
 セレスティアルのシンシアはダンジョン攻略に長けていた。当然、ダンジョン内でモンスター等と戦闘した経験だって何度もあるのだ。戦う覚悟を決めたシンシアはテスラと距離を保ちながら魔導書を開き、高速詠唱で攻撃魔法を放つ。シンシアの√能力【ウィザード・フレイム】を発動し、炎の攻撃魔法が次から次へとテスラに襲い掛かる。
「わ、本当にリアル! VRゲームって凄いんですね!」
 魔法すら再現してしまうほどのリアリティ。そして現実と間違えてしまいそうになるほどの迫力と臨場感。どうやらシンシアにも「レジェンダリー・ヒーローズ」の魅力は伝わったようである。
「手数で攻めてくるなら……これでどうだ!」
 テスラもただ黙って攻撃を受けているだけではない。√能力【ウォーデンクリフ・タワー】を発動し、|電波塔《ウォーデンクリフ・タワー》の中に入ることで回復することにした。電波塔の内部では行動不能になるという|制限《デメリット》が存在するが、防御力10倍と毎秒負傷回復状態になるという|恩恵《メリット》も受けられるようになる。先程のルビナとの戦闘で受けたダメージも含めて回復してしまおうという心算なのだろう。
「そうはさせないですよ。……えいっ!」
 シンシアが詠唱を一部変更すると、今度はテスラが入っている電波塔が分解されていくではないか。シンシアの【ウィザード・フレイム】は攻撃するだけではなく物品修理を行うこともできる。電波塔【ウォーデンクリフ・タワー】を構成している部品に対して「電波塔として組み立てられる前の一つの部品」に修理するように命令し、それを何度も繰り返した結果、電波塔が分解されることになったのだ。
「これでもう逃げられないですよー!」
 電波塔という盾を失ったテスラに対して、シンシアは容赦なくウィザード・フレイムの魔法を詠唱し続けるのであった。

●英雄は誰が為に闘う
「マダナイ!これはキミ用に作っておいたラックアッパーという
幸運値を上昇させるアイテムだ。有効活用してくれたまえ!」
 |黒統・陽彩《こくとう・ひいろ》(ライズ・ブラック・h00685)は戦友のナマエハ・マダナイ(強化型試作怪人の戦線工兵・・・戦闘員だよね・h04923)が「レジェンダリー・ヒーローズ」にログインしたのを確認すると、声を掛けた。ゲーム内で予め作成しておいた幸運を強化する装備『ラックアッパー』をマダナイに渡すと、装備はマダナイのアバターに最適化される形で馴染むのが分かった。
「ありがとう。まるで本物みたいに存在感があるけど、最近のゲームは凄いんだね」
「√能力も使用して作ったからな!戦友の為ならお安い御用さ!」
 ナマエハ・マダナイと合流し、戦闘も始まったため陽彩は正式に実現戦隊リアライザーのヒーロー、ライズ・ブラックとして動き出した。
 それを不思議そうに眺めていたのはテスラだ。
「君達は戦隊ヒーローと怪人に見えるのだが……。何故協力しているのだ?」
 ヒーローを自称するテスラにとって、ヒーローと怪人の共闘というのは理解が及ばないどころか異常事態のようにさえ思えるのだろう。
「少年!私の戦友が話があるそうだ。」
 陽彩――ライズ・ブラックは前に進むとテスラに呼び掛けた。これから戦いを始めようとしていたテスラは面食らうが、冷静に言葉を返す。
「今は戦闘中だ。話なら僕に勝ってからにしたらどうだい?」
 テスラは無防備に近付いてきた陽彩に対して√能力【ヒーローズ・ラッシュ】を使用しようと試みる。マダナイに『ラックアッパー』を渡した今、幸運の強化状態が消滅した陽彩から倒そうと考えたのだろう。しかし、その思惑は外れることになる。クロスボウを構えようとした腕を陽彩に掴まれたからだ。
 ――陽彩の√能力【ルートブレイカー】。右掌で触れた√能力を無効化する√能力だ。これによりテスラの【ヒーローズ・ラッシュ】は封じられた。
「まあいいじゃないか少年!戦いだけがヒーローの仕事ではないさ!」
 そのまま反撃することもできただろうに、爽やかに笑う陽彩を不可解に思いながらも、テスラは陽彩の戦友――ナマエハ・マダナイの話を聞くことにした。

「いや、サインはいらないかな。君をね。説得しにきたんだよ。」
 思いがけない言葉だった。怪人であるマダナイからそのような言葉が出てくるとは。
「僕はヒーローだ。怪人に寝返るつもりは無いぞ。」
 自分を怪人へと勧誘しようとしているのかと考えたテスラは答える。もう既に怪人になってしまっているのだけどね……という言葉は飲み込み、マダナイは続ける。
「その、ちょっと言いにくいんだけどね?力に酔って力を振るうなら、それは君の憧れた正義のヒーローじゃなく、僕と同じ悪の怪人なんじゃない? ねぇ、どう思う?黒統さん」
「なんだと!?」
 まさか怪人に同族扱いされるとは。テスラにとってこれ以上ないほどの屈辱だった。話を振られた陽彩の方へ振り返ると、陽彩はただ黙って肩を竦めた。
「ん?黒統さんは正真正銘の正義のヒーローだよ?簒奪者がいなくなるまで共闘する約束、いなくなったら敵になる間柄。だから、僕は友達と思っていないよ。友情は持ってるけどね。黒統さんや彼の仲間に助けが必要なら、すぐに駆けつけるくらいにはね。
さて、君は悪の怪人は嫌いなの?僕は正義のヒーローが好きなんだ。だから、悪の怪人がいなくなって、救ったり守ったりしたはずの人間から力を恐れられて怖がられたりしないように引退するまで悪の怪人やるつもりだよ。黒統さんと友達になるのは引退してからかな。」
「正義のヒーローが好きなのに怪人になるなんてどうかしている!」
「そうかもね。ただ……思い出して欲しい。君はどんな正義のヒーローに憧れていたの?教えて欲しい。今の君は悪の怪人のようだ。本当にそれが君が望んだ正義のヒーローなのかい?」
 自分が……悪の怪人だと!?信じられなかった。いや、信じたくはなかったのだ。しかし、先程の自分の行いを再認識する。相手がモンスターのようなアバターを使っていたからというだけで一方的に攻撃していたことを。力を持たない無辜の民を容赦なく痛め付けたのは他でもない自分だったではないか。
「僕は正義のヒーローのサインが欲しいんだよね。君がなりたいヒーローのさ。」
 テスラは、何も言えなかった。
 説得がある程度済んだと判断した陽彩が、テスラに声を掛ける。
「この世界はゲームだ。だが、同じヒーローとして只いたずらに力を振るうのはもったいない。その心に燃える想いがあるのなら、私に見せてくれ!私もそれに応えよう!」
 そう言うと、陽彩は掴んでいたテスラの腕を離した。ルートブレイカーを解除したのだ。それが何を意味するのかはテスラにもよく理解できた。同じ正義のヒーローとして、正々堂々と戦おうではないかと。
 テスラは黙って剣を構え、陽彩と対峙する。その瞳には、確かに正義の炎が燃えていた。対する陽彩も拳にオーラを纏わせて構える。
 そして――お互いに全力の攻撃でぶつかり合うのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

第3章 ボス戦 『『ドロッサス・タウラス』』


POW タウラスクラッシャー
【星界の力に満ちた堅固な肉体】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【一等星の如き光に満ちた世界】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
SPD ドロッサス・スマッシュ
【星界金棒】で近接攻撃し、4倍のダメージを与える。ただし命中すると自身の【腕】が骨折し、2回骨折すると近接攻撃不能。
WIZ アクチュアル・タウラス
【星炎】のブレスを放つ無敵の【金属の牡牛】に変身する。攻撃・回復問わず外部からのあらゆる干渉を完全無効化するが、その度に体内の【星界の力】を大量消費し、枯渇すると気絶。
イラスト nitaka
√マスクド・ヒーロー 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 √能力者達とシデレウス怪人『|射手座《サジタリアス》・テスラ』の戦いは、テスラが説得に応じるという意外な形で幕を閉じた。
 しかし、全ての事件がこれで終わる訳では無かった。

「折角、シデレウス怪人にしてやったというのに。あっさり懐柔されるとはな。使えない子供だ。所詮は無力な人間か。」
 周囲に響き渡るような低い声がしたかと思うと、目の前に巨体の敵『ドロッサス・タウラス』が現れていた。
 ドロッサス・タウラスは失望したような目でテスラを見下している。
 この事件における黒幕、ドロッサス・タウラスを倒して「レジェンダリー・ヒーローズ」に平和を取り戻すのだ!

●補足
 第2章にてテスラへの説得が成功した為、第3章ではテスラが共闘してくれます。
 しかし、√能力者達との戦いで力を使っており弱っているため重要な役目を担うことは出来ないでしょう。戦闘のサポート程度なら行うことができると考えてください。テスラの使用する√能力は第2章と同じものを使用できます。
シンシア・ウォーカー
[アドリブ/連携歓迎][WIZ]
流石最新ゲーム。ドスの効いた声も、グラフィックも、上から目線の語り口もタウラスそっくりで――本物では?

向こうは攻撃を無効化してきますが、使用するリソースは有限のようなので。こちらがやるべきはひたすらな攻撃。

このレイピア片手に単身突っ込んでいく……のもよいのですが。
テスラ少年!ちょっとお願いが。あなたがお持ちのアイテムのなかで一番|痛そうな《殺傷力高そうな》ものを少しの間お借りしたいのです。あなたを利用したあの怪人を退治するため、ご協力頂けないでしょうか?

√能力を発動。【鎧無視攻撃】も活用しつつ、"最も殺傷力の高い物体"で攻撃!ゲームの中でも、痛いものは痛いはず!
八神・英守
SPD
アドリブ連携歓迎

お待たせ、アームドライダー・ウルペース、見参だぜ
ちょっとだけ遅れたが、最後の最後でヒーローが登場するのもまだ、王道だろ?
「残念だが、お前の計画はここまでだ、リアルでもバーチャルでも関係ない、人を助けたい、守りたい思いがある限り、奴らは既にヒーローなんだ。」
さって話はコレくらいにして、ここで一気にケリを付ける、必殺技で行くぜ。
正面からの全力の一撃で、こいつを倒す!
必殺カードを取り出して、ベルトに差す!
「さぁ、ここからがクライマックスだ。」

●新たなるヒーロー誕生の時
 薄々おかしいとは思っていた。
 何故、彼らは僕が攻撃したプレイヤーに対してあそこまで必死になって応急処置を施したのか。どうして彼らは先程の戦いの中で僕に対して説得を続けていたのか。彼らにとっては、自分の身が危険に晒される可能性だってあっただろうに。
 嫌な予感はしていた。だが認めたくはなかった。
 しかし――

『折角、シデレウス怪人にしてやったというのに。』
 その言葉で、テスラは確信してしまった。自分は正義のヒーローなどではなかった。この巨体の敵『ドロッサス・タウラス』によって、悪の怪人に改造されていただけだったということを。
 悲しくないと言えば嘘になるだろう。今までのテスラだったら、立ち直れない程のショックを受けていたはずだ。

 だが、先程の戦いにおいての√能力者達の言葉がテスラを冷静に落ち着かせていた。
『あなたがあこがれる『ヒーロー』は、自分のエゴで人を傷つけるものでしたの?』
『シデレウスカードについてお伺いしたいのです、それは怪人を生む危険なカードで』
『僕は正義のヒーローのサインが欲しいんだよね。君がなりたいヒーローのさ。』
『その心に燃える想いがあるのなら、私に見せてくれ!私もそれに応えよう!』
 √能力者である彼らがテスラを倒そうと思えば簡単に倒せたであろう。にも拘らず、彼らはテスラを倒すことよりも説得することを選んだ。
 ヒーローとは形から入るものではなく、その意思――正義の心こそがヒーローの証なのだとテスラは理解したのだ。先程の戦いはそれほど時間が掛かったものではなかったが、テスラがヒーローとして成長するには充分な経験だった。

●その力の正体は魔術か物理か
「流石最新ゲームです。ドスの効いた声も、グラフィックも、上から目線の語り口もタウラスそっくりで――本物では?」
 シンシア・ウォーカー(放浪淑女・h01919)は真剣な表情でドロッサス・タウラスを睨んでいたと思ったら、あまりにも本物そっくりのグラフィックに目が離せなかったのが原因だったらしい。
 実際、ドロッサス・タウラスが律儀に自分の姿をキャラメイクしたアバターを作成してログインする場面を想像するとシュールである。
「このレジェンダリー・ヒーローズってのはとても良いゲームだ。√能力も自由に使えるんだからな。……こんな風に。」
 そう言うと、ドロッサス・タウラスの体が変化していくのが分かった。√能力【アクチュアル・タウラス】、星炎のブレスを放つ無敵の金属の牡牛に変身するドロッサス・タウラスの√能力だ。
 星炎のブレス攻撃を行う上に無敵状態となる非常に危険な√能力。しかし、シンシアはこの√能力の弱点を知っている。それは外部からの攻撃を無効化する際に大量の星界の力を消費する必要があり、その使用する|星界の力《リソース》が有限であることだ。そのため、星界の力が尽きるまでひたすら攻撃してやればいい。
「(このレイピアを片手に単身突っ込んでいく……のもよいのですが。もっと効率の良い方法で攻撃したいところですね。)」
 見切りと幸運の技能でブレス攻撃を回避しながらシンシアは思案する。物陰に移動するとテスラも同じ場所に避難していた。
「そうだわ!テスラ少年!ちょっとお願いが。」
「なんでしょう」
「あなたがお持ちのアイテムのなかで一番|痛そうな《殺傷力高そうな》ものを少しの間お借りしたいのです。あなたを利用したあの怪人を退治するため、ご協力頂けないでしょうか?」
 テスラは|アイテム一覧表《インベントリ》を開くと、少し考えてからバトルアックスを取り出してシンシアに渡した。
「このバトルアックスが僕の武器で一番攻撃力が高いはずです。ですが……今の状態で戦うのは危険かと思います……。」
 心配そうな顔をするテスラにシンシアは笑う。
「大丈夫です!私の強さは、あなたもよく知っているでしょう?」
「た、確かに……。」
 つい先程、ウィザード・フレイムでこんがりと焼き上げられた記憶が蘇るテスラ。
「気を付けてください……!」
 テスラの声を背に走り出すシンシア。
 金属の牡牛と化したドロッサス・タウラスから放たれる星炎のブレスを幾度も避けながらも、√能力【|マニュアルは血で出来ている《クリムゾンレッド・メモリア》】を発動するシンシア。何度か星炎のブレスに焼かれた痛みは激痛耐性の技能で堪えて金属の牡牛へと辿り着くと、思い切りバトルアックスを振り下ろした。
「喰らいなさい!」
 辺りに響き渡る鈍い金属音。しかし、金属の牡牛の外見に変化は現れない。やはり駄目だったのだろうか……。そう思われた時、今度は別の音が響いた。
「い、痛い……。何故だ!金属の牡牛はあらゆる攻撃を無効化するはず……!」
 響いたのは激痛に苦しむドロッサス・タウラスの低い声だった。
 確かにアクチュアル・タウラスの金属の牡牛は外部からの攻撃を無効化する。しかし、シンシアの√能力はダメージだけでなくそれ以上の激痛を与えるという状態異常の追加効果を持っていた。
 容赦なくバトルアックスで何度も追撃を行うシンシア。ドロッサス・タウラスの声は次第に悲鳴へと変わっていく。鎧無視攻撃も合わせて敵の有する星界の力が枯渇するまで攻撃を行う予定であったが、それより先にドロッサス・タウラスの方が耐えられなくなったのだろう。√能力を解除して金属の牡牛から元の巨体へと戻っていた。

●ヒーローは遅れてやってくる
 どこからかバイクのエンジン音が鳴り響く。その音の正体は紅白の狐を模した対怪人用ライダー・ヴィークル【マグナムストライカーQB9】だった。
 現れたバイクは戦闘区域まで走ってくると華麗にドリフトを決めて停止した。未だに激痛に耐えていたドロッサス・タウラスは突然の参戦者の存在に戸惑う。
「だ、誰だッ!」
「お待たせ、アームドライダー・ウルペース、見参だぜ」
 搭乗者の|八神・英守《やがみ・えーす》(|不屈の白狐《アームドライダー・ウルペース》・h01046)は|仲間達《√能力者達》に答えた。
「ちょっとだけ遅れたが、最後の最後でヒーローが登場するのもまた、王道だろ?」
 それにしても、アバターだけでなくマグナムストライカーQB9まで完全に再現できるとはな……。レジェンダリー・ヒーローズとかいったか。流石は最新のVRゲームだな。
 そう思いながら英守はドロッサス・タウラスの方へと向き直った。
「残念だが、お前の計画はここまでだ。リアルでもバーチャルでも関係ない。人を助けたい、守りたい思いがある限り、奴らは既にヒーローなんだ。」
 自身もヒーローであり、過去に仲間を喪った経験がある英守にとって|子供《テスラ》を利用したドロッサス・タウラスのことは許せない存在だったのだろう。もしかしたら、ヒーローを目指すテスラに対して何処か親近感を覚えていたのかもしれない。
「さて、話はコレくらいにして、ここで一気にケリを付ける。必殺技で行くぜ。」
『はい、マスター。戦闘をサポート致します。』
 ディードドライバー搭載AI『エリシア』が英守に対して呼応する。
 英守は必殺カードを取り出してベルトに差し込み、不屈の白狐【アームドライダー・ウルペース】へと変身したのだ!
 再びバイクを走らせると、ドロッサス・タウラスへと正面から突進していく。

『FINAL BOOST!VULPES GRAND FINALE』

 ――英守の√能力【|白狐蹴烈弾《ウルペースグランドフィナーレ》】。
 騎乗する【ライダー・ヴィークル】から跳躍し、全身を炎に纏いながら放つキックによる威力3倍攻撃を放つ必殺技だ。攻撃を喰らったドロッサス・タウラスは大ダメージを受けると共に激しく燃え上がった!
「ぐ……ぐわあーーーッ!!!」
「さぁ、ここからがクライマックスだ。」
 その言葉は誰に向けたものだったのだろうか。ひとつだけ分かることは、正義のヒーロー【|不屈の白狐《アームドライダー・ウルペース》】の姿は少年テスラに勇気と希望を与えるものだったであろうということだ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

ナマエハ・マダナイ
無力だって?自分の間違いに気づいて、自分が悪いと素直に認めるのは本当に強い人にしかできないことだよ。
よーし、少年!一緒にあいつに思い知らせてやろうよ。ビシッとね!ラックアッパーで幸運を強化させてもらってる今なら君があいつに一撃を決められるように後押しできそうだ。
黒総さんが前に出てくれているから機を見て「怪人大作戦・改」を仕掛けるよ。
こういうこともあろうかとハッキングツールをかましていました!ってなるのかな?
少年には√能力【ヒーローズ・ブレイド】のチャージの準備をしておいてねとあらかじめ伝えて、頃合いを見計らってから行動に移すよ。
先の戦いで消耗した少年の力をもう少し僕の方で後押しさせてもらおうかな。勇者の剣を「ぼくのかんがえたさいきょうの秘密道具」で強化してあげよう。
少年が安心して技を放てるようにラックアッパーを少年に託す。正義のヒーローになりたいのなら正義の系譜もあれば道を外すことはもうないだろうからね。
この子に言った言葉を全部取り消してもらうよ!

さて、少年。良かったらサインをくれる?
黒統・陽彩
【正義VS悪】
ナマエハ・マダナイ(h04923)と連携
POW

「やるぞ!マダナイ!テスラ!
奴こそが黒幕『ドロッサス・タウラス』!
我らが討つべき巨悪である!!」
[集団戦術]によって鼓舞し、戦略を練って二人に連携する
「前衛はこの私が務める!テスラ、キミは隙をみて攻撃したまえ。
安心しろ。キミの腕は確かだ。私もフォローする!
マダナイ!援護を任せるぞ!」

ライズ・ブラックは[学習能力]によってこの瞬間にも強くなる
振るわれるタウラスクラッシャーをザンバの[重量攻撃]で相殺
光に満ちた世界にはさせない

ザンバで隙を作った瞬間√能力発動!
リアライズ・ガンの[制圧射撃]で無数の黒枝を作る
それで奴の体を固定して叩き切る!

●少年の勇気
「無力だって?自分の間違いに気づいて、自分が悪いと素直に認めるのは本当に強い人にしかできないことだよ。」
 ナマエハ・マダナイ(強化型試作怪人の戦線工兵・・・戦闘員だよね・h04923)は、自分の考えを改めるのはとても勇気が必要なことだと語る。
「よーし、少年!一緒にあいつに思い知らせてやろうよ。ビシッとね!ラックアッパーで幸運を強化させてもらってる今なら君があいつに一撃を決められるように後押しできそうだ。」
「やるぞ!マダナイ!テスラ!奴こそが黒幕『ドロッサス・タウラス』!我らが討つべき巨悪である!!」
 他の√能力者の協力もあり、ドロッサス・タウラスはダメージを受けている。倒すならこの機を逃す訳にはいかないと、|黒統・陽彩《こくとう・ひいろ》(ライズ・ブラック・h00685)は二人に声を掛ける。
「話は済んだか?こちらから攻撃させてもらう!」
 星界金棒を振り上げると、ドロッサス・タウラスはこちらへと走り出してきた。
 ――【ドロッサス・スマッシュ】。星界金棒で近接攻撃し、4倍のダメージを与える√能力だ。まともに食らえば、陽彩やマダナイも無事では済まないかもしれない。
 そう二人に伝えるテスラだったが、マダナイは大丈夫と笑いながら返す。
 突如、ドロッサス・タウラスの姿が消える――よく見ると、地面に大きな穴が開いているのが分かった。
「VRゲームの中でも落とし穴を掘ることも可能みたいだね。こういうこともあろうかとハッキングツールをかましていました!ってなるのかな?」
 |怪人大作戦・改《カイジンダイサクセン・カイ》、【頑張って落とし穴の穴掘り&下準備】作戦を行うことで敵1体の行動を一度だけ必ず失敗させるマダナイの√能力だ。
「考えがあるんだ。協力してくれるかい?」
「は、はい!」
 ドロッサス・タウラスが落とし穴に落ちている隙にテスラに作戦を伝える。

「調子に……乗るな!」
 落とし穴の深さは思ったより深かったものらしい。ドロッサス・タウラスが地上に戻ってくるまで数分掛かった。
 そこに立ち向かったのは陽彩だった。√能力【|連黒撃《ブラック・コンボ》】を使用し、リアライズ・ガンによる牽制、弾丸が変質した黒枝による捕縛、ブラック・ザンバ・ブレードによる強撃の連続攻撃を与える。
「前衛はこの私が務める!テスラ、キミは隙をみて攻撃したまえ。安心しろ。キミの腕は確かだ。私もフォローする!マダナイ!援護を任せるぞ!」
 一通り時間は稼いだだろうか。テスラから声が掛かる。
「【ジャスティス・ゲージ】のチャージ、完了しました!」
「よし、少年よ。後は任せた!」
 なんと、陽彩はテスラとドロッサス・タウラスとの戦闘を交代したのだ。
 テスラが取り出したのは勇者の剣。
「お前は先程の戦いで力を使い果たしたはずだ。俺を倒す力も残っていないだろう。」
「先程までならそうだろう。だが、我々も無策で彼に決着を託したりはしない。」
 陽彩は自信を持ってその言葉に答えた。

――話は数分前に遡る。
「少年。君の√能力【ヒーローズ・ブレイド】を使って、勇者の剣でドロッサス・タウラスを倒してほしいんだ。黒統さんには前衛と、時間稼ぎをお願いしたいかな。」
「OKだ。前衛なら任せたまえ!」
 陽彩は前線へと駆け出していく。
「すみません。先程の戦いで力を使い果たしているので、今はもう……。」
「大丈夫、大丈夫。僕も力を貸すからさ。」
 自身が無さそうなテスラに対して、マダナイは√能力【|ぼくのつくったさいきょうの秘密道具《ボクノツクッタサイキョウノヒミツドウグ》】を発動する。強制進歩ビームでテスラの勇者の剣を強化し、19年分の技術革新を与えた。
 更に、陽彩から譲り受けた装備『ラックアッパー』をテスラに渡す。
「これなら、あいつを倒すこともできるんじゃないかな。」
「……やってみます!」

 先程まで知らず知らずのうちに怪人として活動し、力を使い果たしていた少年が強大な敵に立ち向かうのはとても勇気が要ることだったであろう。
 少年が敵に立ち向かう覚悟が出来たのは、正義感からだろうか。それとも贖罪のためだろうか。どちらも違うと、少年は話す。
「あなた達に勇気をもらったからだと思います。」
「なんだか照れ臭いな。だが、とても良いことだ!」
「そうだね。……ドロッサス・タウラス、この子に言った言葉を全部取り消してもらうよ!」
「ふざけ――」
 ドロッサス・タウラスがその言葉を最後まで発することはなかった。
 ヒーローの心を取り戻した一人の少年がドロッサス・タウラスへと走り出し、手にした勇者の剣でドロッサス・タウラスを一刀両断したからだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

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