猫カフェキャストのピンチな日
●猫カフェ『ひだまりねこだまり』
√EDENのとある猫カフェ『ひだまりねこだまり』には様々なキャストがいる。
年嵩のあずき、落ち着きのあるきなこ、やんちゃなずんだ、ミステリアスなくろごま、お嬢様ないちご。
皆、オーナーが保護猫を引き取ったり、捨てられていたのを保護したり、その後愛に包まれ人とも仲良くできるようになった猫達である。
彼らは時にはお客を構い、時には構われ、時にはただ寄り添い、訪れた老若男女を癒やすのだ。オーナーの幸せそうな彼らを見守る優しい眼差しのもと、自由に過ごしている。
けれどその日常が脅かされようとしていた。
「すまない」
外星体『サイコブレイド』がその眼差しを猫達へ向けている。その目には何か迷いがあった。
「君達もいずれ誰かのAnkerとなる。その前に抹殺しなくては」
気が狂うほどの時間をAnkerを求め続け、探し続けたサイコブレイドだからこそ、わかるのだ。この猫カフェのキャスト達がそうだと。
サイコブレイドにも譲れない事情がある。けれどそれは命を奪われる猫達にも、彼らをAnkerとする人にも、店のオーナーにも関係ない、と言ってもいいだろう。
だから、サイコブレイドは許されざる悪を完遂しなくてはいけないのだ。彼らに申し訳無さを覚えるならば、なおさらに。
「猫、かわいいな……ごめんな」
どんなにかわいくても。
●
「Anker、もしくはAnker候補を抹殺しようとする存在、外星体『サイコブレイド』の起こす事件を詠んだよ」
猫宮・弥月(骨董品屋「猫ちぐら」店主・h01187)は降ってきた星を語りだす。
『外星体同盟』の一員、『外星体『サイコブレイド』』が誰かのAnkerやAnkerになりうる存在を抹殺しようと動いている。今回弥月が詠んだのは、猫カフェのキャストの猫達を襲う事件だ。
「まず襲撃に備えて、√EDENの猫カフェに遊びに行ってね」
猫達はいつも通り、猫カフェで悠々と愛されて過ごしている。その日常の中に溶け込むように、皆にも猫カフェで過ごしてもらいたい。
「しばらくすると、サイコブレイドの指示による何らかの事件が起こるみたいだ。これは敵が警戒するかどうかで変わりそう」
皆が猫カフェを楽しんでるよ、何も警戒されてないよ、となれば相手も少数で猫やAnkerの参加者を狙う事件を起こそうとするかもしれない。逆に√能力で周囲を警戒したり、店の外を張ってたりして、すでに警戒されていると敵が感じれば多数の戦力で攻め込んできそうだ。どういう方針でいくかは√能力者の自由である。
「事件を対応できたら、サイコブレイドが用意した戦場に皆を呼び出してくる。猫達も一緒にね。そこには歩いて√移動していくことができるよ」
彼は幾星霜を生きた極めて強力な王権執行者で戦闘能力が高い。けれどその戦いにはいささか「邪悪であろうとする迷い」が見て取れる。
「ここまで無事に猫達を守っていれば、彼らが命がけで応援してくれる。それそのものに効果はないはずだけど、サイコブレイドは明らかに苦悶の表情を浮かべて戦闘力が低下するんだ」
何故かサイコブレイド直接猫達やAnkerを狙うことはない。サイコブレイドとの決戦では後ろを気にせず戦えるだろう。
「どうか猫達を助けてあげてほしいな」
よろしくお願いします、と弥月は頭を下げるのだった。
●キャスト一同、皆様をお待ちしています
猫カフェ『ひだまりねこだまり』は古民家を改造したカフェだ。
木を基本とした佇まいで、木の板の床と、ござの感触が心地よい。下半分がガラスの障子越しに陽の光が入り、室内を柔らかな光で照らしている。キャットウォークキャットタワーで猫達が遊ぶ姿も見れるし、床の上でのんびり伸びている姿もよく見れる。カフェメニューめのお茶やコーヒー、パンケーキやクッキーは設置された机と椅子で味わうことも可能だ。猫のおもちゃも貸出もしているし、おやつもカフェから購入できる。
今日も猫達は、ゆったりと過ごしている。
マスターより

にゃんにゃんねこだまり。霧野です、よろしくお願いします。
●シナリオについて
雰囲気ゆるめのシナリオです。あんまりシリアスにはならないかもしれません。
外星体同盟の刺客、サイコブレイドに狙われたAnker候補、猫カフェキャストの猫達を守ってください。
2章は1章のプレイングの傾向で、冒険か集団戦に分岐します。
35
第1章 日常 『ようこそ、にゃんこ天国へ』

POW
猫と戯れる😺
SPD
猫に萌える😻
WIZ
猫を愛でる😽
●十人十色、猫も色々
「にゃん」
年嵩の白黒猫のあずきはこのカフェ一番の年長者。大きな体に優しい心を持っている。ひだまりの中、よく昼寝をしているけれど、琥珀色の目を細めて、そっと誰かに寄り添うことも大好きだ。
「にゃう」
金色のような茶の毛並みに縞の入った、銅色の目のきなこは落ち着きのある猫。ゆったりカフェの中や、壁につけられたキャットウォークを歩くのが好き。
「にゃー!」
ぴょんぴょんキャットタワーを駆け回る、緑の瞳を輝かせた鯖猫のずんだ。やんちゃで一番元気で、遊んでもらえるのもとても好き。
「にゃ」
金目の黒猫、くろごまはミステリアス。そっと足音気配も忍ばせて、あちらこちらに顔を出す。気づけばあなたのそばにいるかもしれない。
「にゃーん」
真っ白な毛並みに青い目のいちごはお嬢様らしくちょっとツンデレ。でも仲良くなれば、ピンクの肉球を触っていいわよ、と差し出してくれる。

月蘭(h00117)と
譲れない事情だか知らねぇが、侵略者のそれは等しく有罪だ。ましてや戦えねぇ無辜の人や動物を狙うのはクソだぜ!
奴を裁く為にも先ずは猫カフェ、堪能しねぇとなァ月蘭……!(クックックと嗤ってる)
ほーう、いっぱい居やがるぜ。
見ろよ月蘭、この三毛猫をよッ!俺様に早速すり寄ってきたぞ!
罪な可愛さだ、裁くしかねぇ……!(めっちゃ撫でる)
猫耳辺りの感触が堪らねぇぜ。狐のとも違いそうだ。(月蘭の耳を見つつ)
お、良いのか!どれ……。おお、艶々ふわふわで最高か!(モフる)
よし、珈琲も頼むとするか!
将来、白い家で猫を飼って余生を過ごすのも良いな…(次に来た白猫の頭を片手で撫でながら珈琲を飲んでる)

執行(h01820)と
全くだよ
罪無き者を手にかける所業は見過ごせないね
皆に愛される者なら尚更だ
まあ、まずは偵察も兼ねてのんびりしようじゃないか
ふーむ、実は猫カフェって初めてでさ
|他の動物《狐》が混じってても懐かれるかなって…おや
…へえ、小さい野良猫は寄り付かなかったけど
流石はプロの|キャスト《猫》って所かな
…実は気になってたんだ、こうして触れ合えるのを
僕も君達と会えて嬉しいよ
あはは、触り比べてみるかい?
毎日のケアは欠かしてないからね
この子達にだって負けてないさ
優しくしておくれよ?
僕はカフェモカにしようかな
ふふ、人間は余生を考えるのが早いなぁ
…そうだね、戦いが終わったらのんびり過ごすのも悪くない
●
ゆるりと揺蕩うような柔らかな雰囲気の猫カフェ『ひだまりねこだまり』にて。
「ほーう、いっぱい居やがるぜ」
「本当だ。どの子も幸せそうだね」
悪役嗤いをしている無法・執行(俺様も法律・h01820)と、優美な仕草で頷く黎・月蘭 (迦陵頻伽・h00117)は、そこかしこにいる猫達に視線を向ける。
そこには愛されて気ままに自由に過ごす猫達ばかり。お客が来たと気づいて視線をやる猫もいれば、くあっとあくび一つして微睡む猫、興味深げに近寄って来ようとする猫と様々だ。
大きさも毛並みも瞳の色も興味の示し方も各猫の個性によるが、皆それぞれの可愛らしさがある。けれど簒奪者やサイコブレイドに抵抗する力は全くない。空いている席へと移動しながら、執行と月蘭は小声で互いのやる気を確認し合う。
「譲れない事情だか知らねぇが、侵略者のそれは等しく有罪だ。ましてや戦えねぇ無辜の人や動物を狙うのはクソだぜ!」
「全くだよ。罪無き者を手にかける所業は見過ごせないね。皆に愛される者なら尚更だ」
その所業を止めるため、二人はここに来たのだ。やる気は十分、猫カフェを楽しむ気持ちも十分だ。
「奴を裁く為にも先ずは猫カフェ、堪能しねぇとなァ月蘭……!」
「そうだね、まずは偵察も兼ねてのんびりしようじゃないか」
怪しまれないよう、しっかりのんびりと。
「僕、実は猫カフェって初めてでさ」
「ほう。いい機会だなァ」
「他の|動物《狐》が混じってても懐かれるかなって……おや」
「お?」
二人がカフェの空いた席に腰を下ろし、メニューを眺め始めれば、早速執行と月蘭に猫が近寄ってきた。
「にゃう」
「見ろよ月蘭、この三毛猫をよッ! 俺様に早速すり寄ってきたぞ!」
「……へえ、小さい野良猫は寄り付かなかったけど、流石はプロのキャスト猫って所かな」
三毛の毛並みに榛の目、小さめの体躯のしろごまがするりと執行の手に擦り寄った。好奇心たっぷりにテーブルの上の手や腕の周りをうろついて、すりすり温かい体を寄せてくる。
月蘭の方にも近寄る猫がいた。銀の毛並みに緑の瞳のよもぎが珍しげに彼女を眺めている。テーブルの上、月蘭の手の届く範囲にちょこんと座り、ふわふわの毛並みを撫でないの、と言わんばかりにゆったりと尻尾を揺らしている。
二匹とも執行と月蘭に怯える様子もなく懐っこい。こうやれば撫でて構ってもらえると知っているのだ。
「これは罪な可愛さだ、裁くしかねぇ……! 実刑、撫で撫での刑を執行する!」
「にゃー」
執行はしろごまの頭から背中まで撫でていく。ふわふわなのに不思議と艷やかな感触が心地よい。しろごまも気持ちよさそうに目を閉じて、なされるがままである。
「……実はね、前から気になってたんだ。こうして触れ合うのを」
月蘭もそっと1本、指をよもぎに差し出した。じっとよもぎはその指に注目し、動き出すのを待っている。慣れた頃合いで月蘭がよもぎの額に指を伸ばして撫でれば、よもぎの喉がごろごろ鳴っている。
「ふふ、気持ちいいのかな」
「なーん」
「うん。僕も君達と会えて嬉しいよ」
まるで返事をするかのようなタイミングのいい鳴き声に、月蘭の顔には優しい微笑みが浮かんでいる。
しろごまの頭周りを撫でていた執行がちらりと視線を月蘭の狐耳に向けた。
「背中も顔もいいが、この耳周りの感触が堪らねぇぜ。狐のとも違いそうだ」
「あはは、触り比べてみるかい? 優しくしておくれよ?」
「お、良いのか! どれ……」
比べられた狐耳をそっと指して、月蘭は執行に笑いかける。執行が月蘭の耳へと手を伸ばせば、極上の感触が返ってきた。
「おお、艶々ふわふわで最高か!」
「毎日のケアは欠かしてないからね、この子達にだって負けてないさ」
どこに出しても恥ずかしくない自慢の毛並みである。猫を触りながら狐耳も触れる、幸せ空間がここにはあった。
ひとしきり撫でたところで飲み物を、と執行と月蘭はそれぞれ珈琲とカフェモカを注文する。ふわりと香り良く、苦味と酸味もよいバランスの一杯が運ばれてきた。
「将来、白い家で猫を飼って余生を過ごすのも良いな……」
「ふふ、人間は余生を考えるのが早いなぁ」
てってけ走り去ったしろごまの次に来た、真っ白な長毛種のめろんを撫でつつ珈琲を飲む執行がしみじみ言えば、月蘭がカフェモカの香りを味わいながらころころ笑う。
「戦いが終わったら、自由に過ごす、その計画を考えるのはいつでもいいだろう?」
「……そうだね、戦いが終わったらのんびり過ごすのも悪くない。僕も遊びにいって、猫を構おうかな?」
「おう、いつでも歓迎するぞ!」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

※桜庭・結月(h06671)とはお互いがAnkerです。
※桜庭・結月(h06671)とは肉体を共有する【二乗】人格です。
台詞例
「猫さん、かわいいね。結月ちゃん」
「こんなかわいい子をいじめたりするのは、猫好きとしては許せないよね。結月ちゃん」
猫を愛でます。
猫と仲良くする秘訣的な無理に近づいたり撫でたりしないで、ゆっくりと静かに待ちます。
目も極力合わせず、合った場合はゆっくりと瞼を閉じる猫挨拶を実施。
近づいてきてくれた子に撫でを実行。また、望むなら抱っこ。猫の希望を最優先として行動します。
主に左手を使用。

※桜庭・陽葵(h06670)とはお互いがAnkerです。
※桜庭・陽葵(h06670)とは肉体を共有する【二乗】人格です。
台詞例
「陽葵、猫カフェの猫は人馴れしているとはいえ基本を忘れないでね」
「Ankerになりうるとはいえ、猫をヤるのはダメよ。」
猫と戯れます。
猫と仲良くする秘訣的な無理に近づいたり撫でたりしないで、ゆっくりと静かに待機。
目も極力合わせず、合った場合はゆっくりと瞼を閉じる猫挨拶を実施。
猫じゃらしを装備。遊ばせる場合は「取れそうで取れない」から「取れた!」で適度にじゃらしを猫に捕まえさせて達成感をあげます。
主に右手を使用。
好きな毛並みは茶トラ白(胸の毛がスカーフだったり靴下タイプ)
●
一人の少女が猫カフェの中、床に置かれたクッションの上に座ってゆったりと過ごしている。たっぷり人に愛されて気ままに自由に遊び回り、動き回る猫をそっと見ながら、彼らが客人である少女に慣れるのを待っているのだ。
「猫さん、かわいいね。結月ちゃん」
左手で緩んだ頬を押さえ、桜庭・陽葵(普通の超能力者・h06670)が言う。
「陽葵、猫カフェの猫は人馴れしているとはいえ基本を忘れないでね」
右手で猫じゃらしを構えながら、桜庭・結月(長巻使い・h06671)が応えた。
「うん。無理に近づかない、撫でたりしない」
「そう。ゆっくり、静かに待つ」
一人の少女から二人の言葉が交互に紡がれる。彼女達は一つの体に二つの人格が共存する【二乗】人格者なのだ。どちらも主人格だし、主導権もお互いが持っている。左右で使用する手や目などの好みはあるけれど、互いに心通わせ、時には譲り合っている。もともと一卵性双生児として生まれるはずだった彼女達だ、一つの体に共に生き続けているならば、心も行動も文字通りの以心伝心できるというものだ。
二人は猫に無理に近づかず、彼らが気ままに過ごすままに任せている。彼らの方から近づいて来るのを待っているのだ。大声を出したり、大きくいきなり動くこともしない。
「それに猫さんに目は極力合わせない」
「もしも合ったなら、ゆっくり瞼を閉じて親愛を表現する猫挨拶をする」
これら猫と仲良くなる秘訣を実践するのは、陽葵と結月が猫達を脅かす敵ではないと理解してもらうためだ。二人は猫と仲良くしたいし、もちろん猫達を守りたいのだから。
気ままに歩いたり走ったり遊具を登ったり、日向ぼっこしたり寝転がったり、座って周囲を見ていたりする猫達をゆっくりとした心持ちで二人は観察する。見ているだけでも可愛らしい。
猫達もそのうちに二人に慣れてき様子に変わっていく。そのうち二匹の猫が、陽葵と結月のことが気になったのか近づいてきた。左右対称の柄の茶トラで、胸元の毛はスカーフのようにほわほわ広がっている。足先は互い違いの白いソックスを履いたような双子猫、うぐいすといんげんだ。
うぐいすは陽葵の左手に擦り寄ってきた。ふわふわした毛並みを撫でて撫でて、と言わんばかりに擦り寄せる。いんげんは結月の持つ猫じゃらしに興味津々で、体勢を低くして今にも飛びかかりたいな、と言う雰囲気でじりじり近寄ってきた。
「よしよし。いい子だね」
「んにゃーう」
陽葵がそっと頭から背中を撫でていけば、うぐいすはごろごろ喉を鳴らし、陽葵の手へと体を擦り付ける。手から伝わる柔らかで温かな体温と筋肉、毛皮の感触が心地よい。小さな命が陽葵の手に触れて、癒やしと愛らしさを存分に伝えてくれる。
「ほら、こっち、次はそっちに」
「にゃう、にゃーんっ」
結月が振るう猫じゃらしに、いんげんは全身でぴょんぴょんと飛びかかっていく。取れそうで取れない位置で振るわれる猫じゃらしにいんげんはとてもはしゃぎ、興奮して楽しげに鳴いていた。
何とも可愛らしい姿を見せる二匹に、他の場所でも気ままに可愛らしく猫らしい姿を見せるキャスト達に、可愛いという気持ちと庇護欲がどんどん募っていく。
「ね、こんなかわいい子をいじめたりするのは、猫好きとしては許せないよね。結月ちゃん」
「そうね。Ankerになりうるとはいえ、猫もヤるのはダメよ」
ごろんととろけて寝転がるうぐいすを撫でながら陽葵は小さく呟いた。程よく遊ばせたいんげんに猫じゃらしを取らせて満足感を与えた結月も頷く。
この猫達が誰かのAnkerになりうる候補であるということは、√能力者の礎になりうるということだ。それは明確な弱点であると言える。けれどここにいる猫達は普通の猫だ、√能力者ではない。サイコブレイドや敵性インビジブルに狙われたら、身を守ることなど出来はしない。
猫達を安全に守り抜くのだ。敵に警戒されないようにしながら、陽葵と結月は猫達のそばで待っている。
「猫さん、今度はこっち?」
「次はこれで遊ぶ?」
猫達の気持ちを一番に、陽葵と結月はうぐいすといんげんを構うことにする。可愛らしい彼らが心地よく過ごせるように、楽しく遊んでくれるように。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

ふん、そんなあざとい態度をとっても……
ううっ、可愛いのじゃ(おやつをあげる)
こんなに可愛いにゃんこ共を狙うとは、まったくけしからんのじゃ
戦闘力なんて猫パンチくらいしかないというのに
さて、ここを要塞化でもしてやりたいくらいじゃが
そうなると敵も相応の戦力を集めて来るのがめんどくさいのう
ひとまずは警戒していない風を装って猫たちと遊ぶとするのじゃ
そりゃそりゃそりゃっ!(猫じゃらしぶんぶん)
●
「みゃあ」
つんと気高い表情で座るヴィルヴェ・レメゲトン(万魔を喚ぶ者・h01224)の前で、猫が彼女を見上げて甘え声で鳴く。黒と白の毛並みのはちわれ模様に青い目のかしわは、ちょこんと足を揃えて座りヴィルヴェを見ていた。
「ふん、そんなあざとい態度をとっても……」
ヴィルヴェは毅然とした態度で猫に接する。たとえどんなに可愛くてもあざとくてもヴィルヴェはゆるいだりしない。
かしわが小さな頭をこてんと首を傾げて、みゃぁんと甘えた声を上げたって、ヴィルヴェの手元のおやつをじっと見つめられたって、みじかい前脚をちたちた上下して強請ってきたって——。
「みゃあん♪」
「ううっ、可愛いのじゃ」
愛され慣れた猫の甘えた鳴き声と仕草にヴィルヴェは結構あっさり陥落した。おやつを持った手をそっと差し出し、かしわがてちてちやってくるのに顔を思いっきり緩めている。おやつを手ずから食べてくれたときには、ほんわかとした雰囲気でその様子を見つめるばかりになっていた。
小さなピンクの舌が、差し出されたおやつをすくうのをそっと見守りながら、ヴィルヴェはサイコブレイドのことを少し考える。
(こんなに可愛いにゃんこ共を狙うとは、まったくけしからんのじゃ。戦闘力なんて猫パンチくらいしかないというのに)
ぺちぺち猫に叩かれても、たとえその時に爪が出ていても簒奪者にはかすり傷一つつかないだろう。ここにいる彼らは普通の猫、か弱く愛らしい生き物達だ。
(いっそここを要塞化でもしてやりたいくらいじゃが、そうなると敵も相応の戦力を集めて来るのがめんどくさいのう)
あちらに警戒されれば、こちらの対応も厳重にしなければならない。警戒されなければ、少人数でやってくる可能性があるならば、そちらの方が安全だろうか。
(うむ。ひとまずは警戒していない風を装って猫たちと遊ぶとするのじゃ)
ヴィルヴェはちゃきっと猫じゃらしを構える。おやつを食べ終えちゃしちゃしとおいしいお口で口の周りを舐めていたかしわが、その様子に目を輝かせた。
「そりゃそりゃそりゃっ!」
「にゃぁーん♪」
ヴィルヴェがぶんぶん振り回す猫じゃらしに、かしわはぴょんぴょんと楽しげに飛びかかっていく。何とも平和な光景だった。
🔵🔵🔵 大成功

一先ずお仕事のコトは頭の隅に置いといて、猫さん達と遊びに来ました!
入店前に消毒手洗いきっちりしまして…
ああもう気ままに過ごしてる猫さん達を見てるだけで幸せです!
でも折角ですので遊びます!
お店でお借りしたおもちゃを振ってみて、反応してきた猫さんの身体に這わせたり転がしたり、色々な動きで遊んでみたく。
一番乗って下さりそうなのはずんださんでしょうか?勿論他の方でもしっかり遊びます!
ある程度遊びましたら少し休憩…
って、いつのまにかくろごまさんが!
ええと、撫でさせて頂いても良いでしょうか…?
良いなら優しく撫で撫でします!柔らかくて暖かいです…♪
こんな可愛い猫さん達、しっかりお守りしませんとね…!
●
猫のいる部屋に入る前、手洗い消毒をきちんと行ったヴァイセノイエ・メーベルナッハ (夢見る翼・h00069)はわくわくしながら部屋に入る。
そこでは猫達が気ままに過していた。うとうとする猫、寝転がったり座ったりしている猫、キャットタワーなどで遊ぶ猫、と思い思いに過ごしている。新しく訪れたお客さんであるヴァイセノイエに興味を示す猫もいた。
(ああもう、ああして気ままに過ごしてる猫さん達を見てるだけで幸せです!)
幸せのあまり叫びそうな気持ちをこらえ、ヴァイセノイエは席に座って観察を続けていく。どの猫も皆可愛らしい。
段々とヴァイセノイエに慣れてきて、大胆に近づいて来る猫もいた。くるくるヴァイセノイエの周囲をうろついてみたり、側に座って観察している気配がある。
(良い頃合いですね。折角ですので遊びます!)
これは作戦である。敵に警戒されては多数で押し寄せてくるかもしれないのだ、今は仕事のことは頭の隅に置いておき、猫と遊んで警戒してないですよ、といった姿を見せる必要があるのだ。
ヴァイセノイエは店で借りた猫じゃらしをそっと構えた。すると見つけたずんだがしゅばっと走り寄ってくる。
「えいっ」
「にゃー!」
「ふりふりー」
「にゃん♪」
ずんだに向けてふさふさの猫じゃらしを動かせば、ずんだはぴょこぴょこ跳ねたり走り寄ったりと元気にじゃれてくる。程よく遊んだあとでしゃぐっと噛みつけるよう緩めて獲物をゲットする満足感を与えるのも忘れない。
じゃらしの先端に噛み付いて満足そうなずんだを見ながら休憩していれば、ヴァイセノイエの手にふわっとした感触があった。いつのまにかくろごまが側にそっと寄り添っていたのだ。
「ええと、撫でさせて頂いても良いでしょうか……?」
「んにゃ」
そうっと手を差し出すヴァイセノイエにいいですよ、と言うようにくろごまが鳴く。優しく体に沿って撫でると、暖かく柔らかな感触が手のひらから伝わってきてヴァイセノイエの口元も一層緩むと言うものだ。
(こんな可愛い猫さん達、しっかりお守りしませんとね……!)
猫達を守らなければ、とより強く決心し、ヴァイセノイエは優しくくろごまを撫でるのだった。
🔵🔵🔵 大成功
●
イヌマル・イヌマル(|地獄の番犬《ケルベロス》・h03500)はかっこいい猟犬、バセットハウンドである。猫カフェにはそのままでは入れないだろう。
「だから、猫にへんしーん!」
くるりと白と茶のぶち猫に変身したイヌマルは、早速今の体を確認してみた。
「ふーん。猫の体ってこんな感じなんだ」
色々小さくて、柔軟性が高い。けれど鼻は少し効かない。耳も随分と薄く小さくて頼りないけれど、感度はいいようだ。
「でも収納式の爪はカッコいいかも」
爪を数回出し入れして確認を済ませたイヌマルは、そっと猫カフェへ入り込んだ。そこでは猫達が愛され自由気ままに、時にお客さんの相手をして過ごしている。
(僕もお客さんの相手をしなきゃね。でも、猫になりきるのって難しそう。だって、僕は誇り高き猟犬だし? 犬の中の犬だし? 猫じゃらしに飛びついたりとか、みっともない真似はとてもできな……)
冷静に考えていたイヌマルの目の前でそっと振られた猫じゃらしに、無意識に足が床を蹴る。
「にゃー!」
伸ばした前脚が振られた猫じゃらしに触れそうで触れず、何度も揺れるじゃらしに飛びかかり、最後にはしっと捕まえたところで我に返る。イヌマルは何でもないですよ、という顔で猫じゃらしを離し、毛並みを前脚で整えてみた。
(い、いやいや、今のは演技だし。僕は誇り高き猟犬だし。犬の中の……)
そっと差し出された猫用ささみジャーキーの香りに、イヌマルの口が勝手に開いた。
「食べる?」
「にゃー!」
食べ終わったあとは楽しそうなキャットタワーにまっしぐら。
「にゃー!」
駆け回ったあとは遊ぼー!と突進してきたずんだと取っ組み合いくるくる回ってじゃれあって。
「にゃー!」
イヌマルはかっこいい犬の中の犬である。ならば平和のため、猫達を守るため、完全に猫になって任務に当たるのも容易いのだ。決して体に意識が引っ張られたり、遊ぶのが楽しすぎたりして猫化したわけではない。
(だから思いっきり遊ぶのも大丈夫、かっこいい姿をまた見せるから!)
にゃんにゃんしつつある意識の中、イヌマルの脳裏にはきりっとハードボイルドな笑顔を決めた彼の姿が浮かんでいたのだった。
「にゃあぁぁぁーん!」

猫カフェは犬お断りかもしれないから、√能力で猫(白&茶のぶち猫)にへんしーん!
ふーん。猫の体ってこんな感じなんだ。耳がちっちゃくて頼りないなー。でも、収納式の爪はカッコいいかも。
本物の猫たちに紛れてお客さんの相手をするよ。
でも、猫になりきるのって難しそう。だって、僕は誇り高き猟犬だし? 犬の中の犬だし? 猫じゃらしに飛びついたりとか、みっともない真似はとてもできな……にゃー!(猫じゃらしに飛びつく)
い、いやいや、今のは演技だし。僕は誇り高き猟犬だし。犬の中の……にゃー!(猫用おやつに食いつく)
にゃー!(キャットタワーにまっしぐら)
にゃー!(ずんだと取っ組み合い)
にゃあぁぁぁーん!(完全猫化)
●
イヌマル・イヌマル(|地獄の番犬《ケルベロス》・h03500)はかっこいい猟犬、バセットハウンドである。猫カフェにはそのままでは入れないだろう。
「だから、猫にへんしーん!」
くるりと白と茶のぶち猫に変身したイヌマルは、早速今の体を確認してみた。
「ふーん。猫の体ってこんな感じなんだ」
色々小さくて、柔軟性が高い。けれど鼻は少し効かない。耳も随分と薄く小さくて頼りないけれど、感度はいいようだ。
「でも収納式の爪はカッコいいかも」
爪を数回出し入れして確認を済ませたイヌマルは、そっと猫カフェへ入り込んだ。そこでは猫達が愛され自由気ままに、時にお客さんの相手をして過ごしている。
(僕もお客さんの相手をしなきゃね。でも、猫になりきるのって難しそう。だって、僕は誇り高き猟犬だし? 犬の中の犬だし? 猫じゃらしに飛びついたりとか、みっともない真似はとてもできな……)
冷静に考えていたイヌマルの目の前でそっと振られた猫じゃらしに、無意識に足が床を蹴る。
「にゃー!」
伸ばした前脚が振られた猫じゃらしに触れそうで触れず、何度も揺れるじゃらしに飛びかかり、最後にはしっと捕まえたところで我に返る。イヌマルは何でもないですよ、という顔で猫じゃらしを離し、毛並みを前脚で整えてみた。
(い、いやいや、今のは演技だし。僕は誇り高き猟犬だし。犬の中の……)
そっと差し出された猫用ささみジャーキーの香りに、イヌマルの口が勝手に開いた。
「食べる?」
「にゃー!」
食べ終わったあとは楽しそうなキャットタワーにまっしぐら。
「にゃー!」
駆け回ったあとは遊ぼー!と突進してきたずんだと取っ組み合いくるくる回ってじゃれあって。
「にゃー!」
イヌマルはかっこいい犬の中の犬である。ならば平和のため、猫達を守るため、完全に猫になって任務に当たるのも容易いのだ。決して体に意識が引っ張られたり、遊ぶのが楽しすぎたりして猫化したわけではない。
(だから思いっきり遊ぶのも大丈夫、かっこいい姿をまた見せるから!)
にゃんにゃんしつつある意識の中、イヌマルの脳裏にはきりっとハードボイルドな笑顔を決めた彼の姿が浮かんでいたのだった。
「にゃあぁぁぁーん!」
🔵🔵🔵 大成功

・連携アドリブOK
ね、猫ちゃんを抹殺…ここ、これは絶対に許してはおけません
何がなんでも守らなければ…といっても能力者でない普通の猫ちゃんだったら普通の手段じゃ何かあったときに意思疎通出来ないでしょうから、ちゃんと仲良くなりませんとねぇ…えへへ…
などと自分に言い訳しつつキャットタワーを駆け巡る猫ちゃんをほのぼのと眺めて…るだけじゃだめでした、一休みみしてるところにカリカリをあげて興味を持ってくれたらネズミのおもちゃを動かしていっしょに遊びましょうねぇ…こういうのも猟師としての技術の応用なんです、そうですこれはお仕事なんです…かわいいなぁ…もっと食べたいですか…、はっ仕事…!
●
その話を聞いたとき、魔花伏木・斑猫(ネコソギスクラッパー・h00651)はそっと拳を握ったものだ。
(ね、猫ちゃんを抹殺……ここ、これは絶対に許してはおけません)
とても可愛らしい生き物である猫を何がなんでも守らねば、と斑猫は固く決意し猫カフェへと赴く。彼らは普通の猫だ、何かあったときのために事前に準備する必要があるためだ。
「だから、ちゃんと仲良くなりませんとねぇ……えへへ……」
斑猫はふにゃんと緩んだ笑顔で、キャットタワーを駆け回る猫達をほのぼの眺めていた。身軽くぴょんぴょん飛んでいく猫もいれば、ずっしりゆったりと跳ねる猫、ちょこちょこてやーっと元気よく行く猫もいて見ていて飽きることがない。
(かわいいなぁ……ずっと見て……)
ほんわかしながら見ている斑猫は、そこではっとなる。
「……るだけじゃだめでした。仲良くならなくちゃ」
はしゃいだあとに一息ついた猫に狙いを定め、斑猫はカリカリをそっと差し出した。気を引かれたキジトラの猫、こむぎがふすふすと鼻を動かして匂いを確認し、かりぽりと齧り始める。ちょこちょこ触る鼻や舌の感触がこそばゆい。
ほわんと眦を下げたあと、食べ終えたのを確認した斑猫はおずおずと紐のついたネズミのおもちゃを取り出した。ゆらゆらと小さく揺らしてこむぎの視線を誘ってから、しゅっとネズミの方を軽く投げる。こむぎが追いかけるのにあわせて、紐を引く速度を早くしたりゆっくりにしたりして飽きさせない動きだ。
(……こういうのも猟師としての技術の応用なんです、そうですこれはお仕事なんです)
猟師ならではの動物らしい動きで遊び、程よいところでキャッチさせればこむぎはあぐあぐ齧りだす。その様を見て斑猫は一層顔を緩めた。
「……かわいいなぁ」
「うにゃ、なーん」
ぱっとネズミのおもちゃを離したこむぎが甘え声で鳴くのに斑猫はカリカリをまた手に出した。
「あ、もっと食べたいですか……」
「うにゃ」
再びかりぽりと齧る様をうっとり眺める斑猫は再び我に返った。
「はっ仕事……! あ、また遊びます……?」
そしておもちゃを運んできたこむぎに再度仕事を忘れるのだった。
🔵🔵🔵 大成功

ましろ(h02900)といっしょに猫カフェです
むむ、猫という種族の生存競争において圧倒的なる優位性を誇るそのおそるべき可愛らしさ、やはりサイコブレイドに狙われたのですね
偉大なる種族を見倣うことはやつでにとっても価値あること
仕事の前にその戦力を十分に研究するのです
そんな気持ちで猫たちに挑んだら、ましろがめっさ自由にふれあいはじめる始末。研究どころではありません。
あっ、ましろ、ダメなのですよ、そんなに上に引っ張っては!
おお……伸びる、めっさ伸びるのです
これが猫の自由さ……
ちん……!?!? ましろーーーッ!!?
突然の性別確認というおそるべき暴挙に猫の機嫌伺いなどしてしまうのでした
※アドリブ連携大歓迎

やつでお嬢様(h02043)と猫カフェっす!
ましろちゃんもネコと和解するっすよ♪
ふむふむ、ここのネコ達がだれかのAnker候補なんすね。
まぁ、ネコは確かにかわいいっすからね。とりあえず、サイコブレイドおじさんが来るまで楽しむ方向で行くっすよ!
にゃーんと近づいてきたネコをうにょーんと抱えて伸ばしてみる。
大丈夫っす! 最近の研究でネコは液体って報告が出てるっすよ♪
おっ、こいつ股間にタマタマがあるから雄っすね♪
やつでお嬢様やましろちゃんの可愛さに釣られてよってきたみたいっすよ!
って、ぎゃー! マッハネコキックは反則っすーーー(ネコキックで撃退されるましろちゃんなのであった)
※アドリブ連携大歓迎
●
『ひだまりねこだまり』には様々な猫達がいる。ころんと転がり気ままな猫、ぴょんぴょんてちてちキャットウォークを歩く猫、くぁっとあくびして昼寝する猫、と愛されて悠々と過ごす猫達その個性を可愛らしさを存分に見せてくれるのだ。
それを黒後家蜘蛛・やつで(|畏き蜘蛛の仔《スペリアー・スパイダー》・h02043)と白兎束・ましろ(きらーん♪と|爆破《どっかーん》系メイド・h02900)は二人でほんわかと眺めていた。
「ここのネコ達がだれかのAnker候補なんすね。誰かの大事なものを狙うとは、許せないっすね」
「むむ、猫という種族の生存競争において圧倒的なる優位性を誇るそのおそるべき可愛らしさ、やはりサイコブレイドに狙われたのですね」
「まぁ、ネコは確かにかわいいっすからね。とりあえず、サイコブレイドおじさんが来るまで楽しむ方向で行くっすよ!」
「はい、偉大なる種族を見倣うことはやつでにとっても価値あること。仕事の前に仲良くし、その戦力を、魅力を十分に研究するのです」
「ましろちゃんもネコと和解するつもりできたっすよ♪」
サイコブレイドやその配下になったであろう敵性インビジブル達に警戒されるのもよろしくはない。彼らの狙いに気づいているとばれないよう、猫カフェを楽しんでいる振りを、もしくは心から楽しまなくては。なのでやつでもましろもちゃんと理由を考えてきているのだ。
今回は猫の生存戦略を学ぶべく気合もやる気もいっぱいのやつでに、無邪気に猫と遊ぶ気満々のましろである。新たな発見や学びを得ようと、やつではきゅっと拳を握って猫達の様子を見守っている。ましろはどこか悪戯な輝きを瞳に宿し、猫達をじっくり見て笑みを浮かべていた。
「にゃーん」
「お、早速来たっすね」
「まずは観察を……ましろ?」
さて早速可愛いという存在を賢く学んで取り入れるため猫を観察しようとしたやつでだが、ましろが二人の側に近寄ってきた黒猫、もなかの脇の下を柔らかく、しかししっかりと掴んだことに目を丸くする。
「うにょーんすよー」
「うにゃー」
「あっ、あっ、ましろ、ダメなのですよ、そんなに上に引っ張っては!」
「大丈夫っす! 最近の研究でネコは液体って報告が出てるっすよ♪」
「うにゅん」
ましろはそのままもなかの体を上に持ち上げる。温く柔らかい体がにゅーんと柔らかく縦に長く伸びる様子に、やつでの目はまたまあるく大きく広がった。小さな器にみっちり体を柔らかく動かして入れる猫である、縦に伸びることも割と簡単であった。
「ほらほらお嬢様、伸びるでしょー?」
「おお……伸びる、めっさ伸びるのです。なるほど液体……これが猫の自由さ……」
2倍くらい縦に長く伸びるような風情に、やつでは感心しきりだ。猫は気性だけでなく体も自由なのか、これも愛らしさの秘訣だろうか、と新たな知見にやつでの脳内は忙しくメモを取っている。一方のましろは伸ばされても案外おとなしくぶらーんとしたままのもなかの後ろ足の間をのぞき込んだ。
「おっ、こいつ股間にタマタマがあるから雄っすね♪」
「たま……!?」
「やつでお嬢様やましろちゃんの可愛さに釣られてよってきたみたいっすよ! えーっとちん」
「ぶにゃっ!」
「ぎゃー!」
「ちん……!?!? ましろーーーッ!!?」
それまでおとなしくしていたもなかだが、それ以上はいけないと言わんばかりに唐突にびゅんと下半身を一気に持ち上げ、ましろの頬に高速ひねり猫キックを炸裂する。しぱぱぱっと繰り返し蹴られたましろがたまらず手を離せば、もなかは宙返りして着地したあと追撃の飛び蹴りネコキックをお見舞いしてきた。
この状況ではやつでの望む研究どころではない。猫だって多少の無体を許すこともあるが、我慢の限度というものもあるのだ。もなかに弄ばれるましろを助けようと、やつではおもちゃやおやつを持ってくる。
「ぎゃー! マッハネコキックは反則っすーーー! あ、飛び蹴りまで、ああっ髪はだめっす、じゃれたらだめっすよー!」
「あー! 猫さん、すみませんましろがすみません! おもちゃはどうですか、おやつがいいですか!?」
「悪かったっすよ、和解させてほしいっす! あ、猫パンチは勘弁してほしいっす!」
「んにゃあ、にゃう、にゃー」
「うう、デリカシーは大事っすね……」
「んなぁん」
「やつでも気をつけますので、ましろを許してあげてください」
「にゃあ」
あわあわともなかの機嫌を取るやつでに、まるで説教されているかのようなましろ、と、何とも賑やかな空気になったのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

まあああネコちゃんと遊ぶだけでいいお仕事ですの!?
もちろんお引き受けいたしますわ!
どうせならネコちゃんに愛されたく存じます。
怪談「猫又」でネコちゃん大活躍なお話を語り、主人公となったワタクシは森の動物たちに囲まれた白雪姫のようにネコちゃん達に愛され至福のひとときを過ごしましょう。
ワタクシの美しい髪にじゃれて下さっても構いませんし、お膝で眠って頂いてもよろしいのですわ。
ワタクシ!!猫王国のプリンセス!として猫ちゃんオヤツをふるまって差し上げますわ~!
●
ヤルキーヌ・オレワヤルゼ(万里鵬翼!・h06429)は話を聞いたとき、つい声を上げてしまった。
「まあああ、最初はネコちゃんと遊ぶだけでいいお仕事ですの!?」
その後で猫を狙う存在や、最後にはサイコブレイドを撃退することもあるが、まずは敵の目をくらませるためにも猫カフェで遊んで欲しいという話にヤルキーヌに否やはない。
「もちろんお引き受けいたしますわ! 全力で遊んでみせましょう!」
そうして意気揚々やる気に満ち満ちた状態で、彼女は猫カフェ『ひだまりねこだまり』にやってきたのだ。
店内ではひだまりの中、ゆっくりうとうとする猫、おやつをもらい美味しい顔をする猫、走り回る猫にじゃれ合う猫、と愛された猫達が自由に気ままな姿を見せてくれる。
床に座ったヤルキーヌは黄金のタブレットを取り出し、猫をスケッチしようとしたところで我に返りタブレットを仕舞う。
「今日はネコちゃんと遊ぶのですわ! どうせならネコちゃんに愛されたく存じますわ」
ヤルキーヌが猫用のおかしを手に、小声で語るはアレンジされた怪談「猫又」だ。猫又な猫ちゃんが悪者相手に空中回転キックにパンチに大活躍なお話である。
おかしに釣られたか話に釣られたか、はたまたヤルキーヌの存在に興味を持ったのか、猫が数匹ヤルキーヌの周囲へと集まってきた。くるくる巻かれた美しい髪にじゃれついたり、膝の上でごろんとへそ天でうたた寝を始める猫もいれば、にゃーなーとおしゃべりするように鳴きかけてくる猫もいる。それはまるで、白雪姫が森の動物達に愛され、穏やかに囲まれているかのような光景だ。
「至福のひとときですわ〜」
今のヤルキーヌは猫王国のプリンセスだ。にっこりと輝く微笑みを浮かべ、ヤルキーヌはおやつの封を切る。「ワタクシ!! 猫王国のプリンセス! として皆さんにオヤツをふるまって差し上げますわ~! さあどうぞ、召し上がれ!」
脅かさないように小声で、勢いがあるように見えて実はゆっくりめにヤルキーヌがおやつを差し出せば、猫達横に行儀良く並んでおやつを食べていく。
その光景を慈しみを込めた目で見つめ、ヤルキーヌはいっそう満足気な微笑みを浮かべるのだった。
🔵🔵🔵 大成功
第2章 冒険 『その人を離せ!』

POW
人質が抵抗した隙に間合いを詰めて、勢いで奪還する。
SPD
人質に当てないように、正確に敵の凶器を攻撃して破壊する。
WIZ
こんなこともあろうかと、人質を偽物とすり替えておいた。
√マスクド・ヒーロー 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
●サイコブレイドは観察する
√能力者達が素敵に素直に遊んで見せた結果、サイコブレイドは別段警戒されていないと判断する。外から伺う様子では繁盛し賑やかなようではあるが、待ち伏せや罠などはないのだから。
「ならば、少数でいいだろう」
彼は配下の怪人を猫カフェへと送り込んだ。
●そして彼らは現れた
中性的で男女がわかりにくい人間の見た目に、どこかに海洋生物の特徴を残した十人程度の下っ端怪人達は、そっと猫カフェにお客のように振る舞いながら入り込み、猫達をそれぞれ抱え上げた。手には猫ちゃんの体に安心安全なメーカー品のおやつがある。
「人質……猫質は預かったー。あ、ネコキック結構痛い痛い」
ちたぱた猫キックをかまされながらお客やスタッフに声をかけ。
「彼らはこのままサイコブレイド様のもとに連れて行く……あ、尻尾を齧らないで」
後ろに生えてる魚の尻尾を齧られて涙目になり。
「皆さん怪我したくなければ、おとなしく見送って下さーい。やーん耳ヒレひっかかないでー」
ばりばり爪で引っかかれていやいやしたりする配下の怪人達。
彼らから猫達を安全に保護しなくてはいけないだろう。
====
・配下の怪人達は一般人のお客さんやスタッフさんに手を出すことはありません。彼らを気にする必要はありません。今回は猫達を攫うのが目的です。
・配下の怪人達は一般人よりは強いですが能力者よりは弱いです。

にゃんこたちがめっちゃ嫌がっているじゃろうが
さっさとその生臭い手を離すのじゃ!
『楽園顕現』で怪人どもを拘束じゃ!
拘束中は倒せなくとも、猫質さえ取り戻せばこっちのものじゃ
おーよしよし(にゃんこを取り返して抱く)
安全なところに逃がしておくのじゃ
さーて覚悟はできたかのう?
√能力を解除したら怪人どもをボコボコにするのじゃ!
こいつらを倒したら、黒幕のサイコブレイドの番じゃ
連れていこうとしていたなら居場所は知っているじゃろ
怪人どもから情報収集もしておくのじゃ
●
「にゃんこたちがめっちゃ嫌がっているじゃろうが、さっさとその生臭い手を離すのじゃ!」
「お魚っぽいですが生臭くは……あーれー」
ネコキックやネコパンチ、ネコファングで抵抗する猫達を開放するべく、ヴィルヴェは『楽園顕現』を発動する。
するとカフェ内の鉢植えからくるくると葉や蔦が伸びてきて檻を作り出した。その中に蔦で巻かれて閉じ込められた怪人は、守られ癒やされつつも何も行動ができなくなる。
「さて、猫質は返してもらうぞ。おーよしよし」
「にゃー」
「ああー猫さんー」
なのでヴィルヴェが怪人の腕から猫を保護するのも容易いこと。ごろごろ喉を鳴らして安心する猫をそっと一撫でし、床へと優しく下ろして猫を後方の安全地帯へと逃しておく。
「さて」
びゅっとダッシュで駆け抜ける猫が十分に距離を取ってから、ヴィルヴェは閉じ込めた怪人を振り返った。
「あれ、なんだかお嬢さんのお目々が怖いなー」
「ふん、今の状態では倒せないが」
「そうですね、なんだか丈夫ですし癒やされてます」
「猫質がいなければせばこっちのものじゃ。さーて覚悟はできたかのう?」
Lesser Keyを構えたヴィルヴェはそっと楽園を解除する。
「成敗なのじゃ! サイコブレイドの居場所も吐くのじゃ!」
「あーやめてー! いたいいたいー」
ぽこぽこ魔杖でしばけば、怪人は頭を抱えて悲鳴を上げ始める。
「やめてほしくば情報をよこすのじゃ。でなくばまた殴るぞ」
「何も知らないんですよう。私らそこらにいた元邪悪なインビジブルですし」
素直に話しだした怪人に、ヴィルヴェはLesser Keyを振り上げたまま話を聞くことにした。
「サイコブレイドの元に猫達を連れて行くと言ってたではないか」
「タイミング見てサイコブレイド様が、不思議パワーでぱって連れてってくれるってなってたんですよ。でも格好つかないから連れて行くから見送れって……」
「紛らわしいのじゃ!」
「ぎゃー!」
ヴィルヴェの思いっきり振り下ろした一撃で、邪悪と言いつつ何ともゆるい怪人は無害なインビジブルへと戻っていったのだった。
🔵🔵🔵 大成功

ましろ(h02900)と猫様レスキューです
猫を猫質にとるとはなんという恐れ多きもの!
猫を殺せば七代祟る、古い警告の言葉を知らぬのでしょうか?
みんなの人気者を敵に回す恐ろしさ、SNSでの炎上まったなし!
これはどうしたものかと様子を見てたら、ましろが鋭い人格分析!
なるほどそういうことならばと、やつでの影から蜘蛛たちに命じます
蜘蛛たちの糸で猫様を包んで保護!
ふわふわのボールとなった猫様に手出しはできません
さぁ、不届き者の怪人にましろが爆弾をお見舞いするのです
無事に終わったら猫様を包んだ糸を開いて解放しましょう
ましろのおしおきを猫様といっしょに見物です。これで反省することでしょう!
※アドリブ連携大歓迎

やつでお嬢様(h02043)とネコレスキュー!
うぅぅ、なんとかネコ様には許せてもらえたっす。
ここでレスキューしてさらに好感度を取り戻すっすよ!
むむむっ、あの猫質をとってる一人、なんか態度がおかしいっすね。
ましろちゃんの分析だとアレはネコ好きの反応っすよ!
お嬢様がネコ様を保護したところに「正直病」の【愉快犯爆弾魔】を発動。
さぁ、本当はネコ様を襲いたくなかったと正直になるっすよ♪
まぁ、猫質もいなくなって、泣いて悔やんているところにうさぐるみファミリアセントリーからの集中砲火を浴びせるんっすけどね♪
※アドリブ連携大歓迎
●
そっと猫を抱え上げながらも誘拐宣言をする怪人に、彼らの様子を観察しながらやつではきりっと言い返す。
「猫を猫質にとるとはなんという恐れ多きもの! あなた方は猫を殺せば七代祟る、古い警告の言葉を知らぬのでしょうか?」
「え、それほんと?」
「ええ、本当ですとも! さらにはみんなの人気者を敵に回す恐ろしさ、SNSでの炎上まったなし!」
「炎上はやばいなぁ」
にゃあにゃあと先程まで猫に諭されていたましろも、名誉挽回汚名返上、ここがチャンスと奮起した。
「うぅぅ、なんとかネコ様には許せてもらえたっす。ここでレスキューしてさらに好感度を取り戻すっすよ!」
やつでの横に並んで怪人を観察していたましろは、怪人の一人を見てにまりと笑う。何とも大事大事に抱え上げ、齧られるとも引っかかれるとも顔を緩めておやつを差し出そうとしているのだ。
「むむむっ、あの猫質をとってる一人、なんか態度がおかしいっすね」
「そうなのです?」
「はいお嬢様。ましろちゃんの分析だとアレはネコ好きの反応っすよ!」
「まあ!」
やつでもましろがぴしっと指差す怪人を見れば、猫にふしゃみしゃ威嚇される度に顔をとろけさせるではないか。鋭い人格分析に納得しきりである。
「なるほどそういうことならば。蜘蛛たち、お願いしますね。猫様をふわっふわの糸でくるんで差し上げてください!」
やつでがひらりと手を翻すと、彼女の小さな影から小さな蜘蛛達がひょこんと顔を出す。ぴょこぴょこおしりを揺らし、くるくる手を動かせば、おくるみのように怪人の腕の中の猫が糸で包まれた。
「うにゃー」
「ああっ猫さんがふわふわボールに!」
「極上のふわふわボールになった猫様にはもう手出しはできません。さぁましろ、爆弾をお見舞いするのです」
「承知しましたお嬢様!」
やつでがむふんと胸を張り、ぴしっと指を突き付ければましろが可愛くお辞儀をする。体を起こしたその時には、すでに爆弾が怪人にプレゼントされていた。
「素敵に無敵な正直病の爆弾っす♪」
「ぎゃー!」
ぼわんと爆発すれば不届き者な怪人は後ろに倒れ込み、ふわふわ猫ボールはぽんっとやつでの方に飛んできた。キャッチしたやつでが糸をとけば、にゃーんとやつでとましろに礼を言うように鳴いている。
「どういたしましてっすよ。さぁ、本当はネコ様を襲いたくなかったと正直になるっすよ♪」
「ううっ、私達は元邪悪なインビジブルですが、猫さんには弱くてぇ……正直、襲いたくなかったんですぅ……」
さめざめと泣きながら、正直病にかかった怪人は猫へと手を伸ばすように腕を持ち上げた。
「でもサイコブレイド様も困ってたし、協力したくて……いっとき、かわいい猫さんとも触れ合えるならって。悪者でも触れるかなって」
「なるほど、でも無理矢理は良くないっすよ。ネコ様も自由な一動物っす。攫って痛めつけるとか残酷っすよ」
「ですよねぇ。でも邪悪なんで……ちょっとくらいはって思っちゃったんです。猫さんごめんねぇ」
「ふしゃー!!」
「お猫様はお怒りのようです」
先程、猫の我慢を超えてお仕置きされたましろだからこそ、ぞの言葉には重みがある。怪人は泣いて己の所業を悔やんでいるようだ。やつでと一緒に見学している猫がしゃーっと威嚇すれば、ますます滝のように涙を流す。
「反省したっすか? でもこれでおしまいじゃないっすよ?」
「え」
「にゃんにゃんにゃー」
「ましろ、お猫様もやっちゃいな、と言っておられます。やつでも賛成です!」
猫と並んだやつでの頷きに応えるように、ましろはうさぐるみファミリアセントリーを展開する。
「うさぐるみ展開! ファイアー!!」
「ぎゃー!!」
因果応報、猫に手を出すものには相応の罰がくだされる。うさぐるみなファミリア達の集中砲火に怪人は断末魔の悲鳴を上げて、再びインビジブルとなって世界に戻っていった。
「きっとこれで反省することでしょう!」
「ですね、お嬢様。きっと反省したっす♪」
次があれは猫好きで、協力的なインビジブルになってくれることだろう。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

月蘭(h00117)と
(六法全書を開く)
出やがったな。お猫様相手に丁寧な扱いなのは結構だが、誘拐は頂けねぇ。
そんなに欲しけりゃ俺様達に相談すべきだったなァ?幾らでも持って行けよ!(「小生物氾濫」の刑を発動し、猫型の刑罰霊群を怪人達に群がらせてドサクサで猫質を保護していく)
ハハハハッ!猫が随分と凶暴で大変だなァ!それとも可愛くて動けねぇかッ!(麻痺付きの引っ掻きや噛み付きしまくってるせいなのを分かってる顔)
ハッハァー!ここの猫カフェが俺様の想像力を上げてくれたからな!
月蘭、お膳立ては済んだぜ。やっちまえ!
ヒュー!月蘭もいい断罪の力持ってるじゃねぇの!最高だぜ!
(魚っぽいが食欲湧くかァ?って顔)

執行(h01820)と
おや、お出ましだ
とは言え、元凶はまだみたいだけど
嫌がってる子達を無理やり拐かそうなんて見逃せないね
うわー、執行割と可愛らし…こほん、えげつない事するなぁ(棒読み)
ま、目には目を歯には歯を、猫には猫をってところかな
さあ、僕も語ろうか
執行、君に丁度ぴったりの能力があるんだ
それではご拝聴…の前に、スタッフや猫達に当たらないよう気を付けて
今宵語るは罪無き猫達を狙う、君達の罪のノンフィクション
裁きの光を受けるといい
…どうだい、君にぴったりな能力だろう?
しかし何というか…。
こうも猫達に振り回されてるのを見てると興が削がれるなぁ
ま、容赦はしないけど
いくら美味しそ…こほん、凶暴な輩でもね
●
「おや、お出ましだ」
「出やがったな」
執行と月蘭の視線の先は、猫に噛まれ、引っかかれ、蹴られても決して落とすことなく、おやつを差し出しそっと抱き上げ、なんだか丁重に扱う怪人達である。
「とは言え、元凶はまだみたいだけど」
「ああ、だがこれを見過ごすのももちろんナシだ」
「うん、嫌がってる子達を無理やり拐かそうなんて見逃せないね」
サイコブレイドが来る前に、にゃあにゃあ抵抗している猫達を助け出さねばなるまい。
「お猫様相手に丁寧な扱いなのは結構だが、誘拐は頂けねぇ」
執行はぱらりと六法全書を開いた。
「今ここで俺様が裁く! 判決有罪、「小生物氾濫」の刑とする!」
「即断即決!?」
「そんなに欲しけりゃ俺様達に相談すべきだったなァ? ほら猫だ、幾らでも持って行けよ!」
「んにゃー!」
「にゃー!」
ぶわりと怪人達の周囲に猫の群霊がわき起こり、爪を出し、大きく口を開けて怪人に群がってくる。あぐあぐ噛み付いたり、ばりばり爪を立てて引っ掻いたりとやりたい放題だ。もちろん怪人が抱えた猫には手を出さない。
「あー猫さんやめーっ!」
「ハハハハッ!猫が随分と凶暴で大変だなァ!それとも可愛くて動けねぇかッ!」
「うわー、執行割と可愛らし……こほん、えげつない事するなぁ」
麻痺付きの引っ掻きや噛み付きの効果で動けないのをわかっている顔で高笑いする執行に、月蘭は棒読みで感想を述べる。
「ハッハァー! ここの猫カフェが俺様の想像力を上げてくれたからな! 猫の刑罰霊群もいい動きをするだろォ?」
「そうだね、かわいい。とっても猫らしいよ。ま、目には目を歯には歯を、猫には猫をってところかな」
「しゃぎゃー!」
「ふにゃあ!」
「ああっ確かにとてもねこっぽーい!」
「ぎゃー、尻尾かじんないでー! 鱗、爪ではがないでー!」
動けずされるがままの怪人から、猫霊と一緒にかじりついていた猫質を執行は保護しておく。
「月蘭、お膳立ては済んだぜ。やっちまえ!」
「ありがとう。さあ、僕も語ろうか。執行、君に丁度ぴったりの能力があるんだ」
執行へとふわりと笑いかけてから、月蘭はちらりと周囲に視線を配り、語りの方向を調整する。奥で猫を守るスタッフや避難した猫達に当たらないように心も配り。
「それではご拝聴。今宵語るは罪無き猫達を狙う、君達の罪のノンフィクション」
優雅に謳い上げるように言葉を紡ぎ、月蘭はその細い指先で痺れた怪人達を指し示す。
「それは未然に防がれたとて、罪は罪。正しく裁きの光を受けるといい。罪の重さに応じて降り注ぐ、光をね」
言葉が終わると同時、示された怪人達に降り注ぐのは裁きの光。痺れた彼らが避けられるはずもなく、猫を攫うとは不届き千万とばかりに裁きの光が降ってきては怪人を打ち据えていく。
「あー! やめてー!!」
「……どうだい執行、君にぴったりな能力だろう?」
「ヒュー! 月蘭もいい断罪の力持ってるじゃねぇの! 最高だぜ!」
猫を撫でながら褒める執行に笑い返したあと、月蘭は今も猫霊にかじられ引っかかれ、光に打ち据えられている怪人達を再び見る。少し魚の尻尾も焦げ始め、猫霊の齧り付きにも熱が入っているようですらあった。
「しかし何というか……こうも猫達に振り回されてるのを見てると興が削がれるなぁ」
罪無きAnkerを狙う事件だ、どんな極悪で酷薄な配下がやってくるかと思えばおとぼけな配下であった。何とも言えない心地になっても仕方がないだろう。
特にその海洋生物っぽい見た目の部分がよろしくない。のんびり楽しんだあとのアトラクションで少しばかりお腹も空いてきたところに大変よろしくない。猫霊達が景気良く齧り付くのも拍車をかけてくる。
「ま、容赦はしないけど。いくら美味しそ……こほん、凶暴な輩でもね」
「そうかぁ?」
「そうだとも。別に魚が食べたいなぁとか思ってないからね? わかってるよね?」
「お、おう」
確かに怪人の一部分は魚っぽいが食欲湧くかァ?という顔をする執行を、月蘭は有無を言わせぬ笑みで黙らせたのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

……うーん、なんだか怪人さん達も猫さん好きそうな雰囲気があるんだけど。
猫さんに酷い事するより愛でる方が良くない?
というか、猫さんに酷い事するのって気分も悪いでしょ。
【精神干渉】による精神攻撃として酷い目に合う猫さんの様子を想像させ、説得を試してみるよ。お話で終わるならそれが一番だよね
それでも猫の解放に応じない場合、【念動防壁】によるバリアで猫の安全を確保だね。
【念動防壁】は怪人の移動阻害や行動阻害にも使うよ(踏み出した瞬間に脚を引っかけたり、行動の起こり際に展開して動きを封じたり)
怪人が何らかの要因で猫さんを手放した場合【念力操作】で回収して床に降ろすよ
実際の奪還行動は結月ちゃんに任せるよ。

こいつら「いあいあ」とかは言わないわよね?
「いあいあ」だった場合、背後にいるのがヤバい相手ではあるんだけど……どっちかっていうと気の抜けるタイプみたいね。
地域差もあるけど日本だと猫の好物は魚になってるから、それに合わせたのかしら。
私は奪還に動くわ。
【長巻野太刀】は屋内戦闘向かないから使うのは【守刀】ね。
とはいえ、私の技能は基本的には戦闘に特化してるのよね
腕に斬りつけたりすれば、猫を取り落とすかしら。
「切断」すれば確実ではあるんだけど、怪人の様子からそこまでする気になれないのよね。無関係の人にグロい光景をみせるのもアレだし。
取り逃がしそうなら、そうも言ってられないんだけど。
●
猫を抱えて堂々と攫う宣言をした怪人を前に、結月はその背後を想像して若干警戒している。
(こいつら「いあいあ」とかは言わないわよね?)
外星体、海洋生物というキーワードの組み合わせで某コズミックな邪神神話を思い浮かべたのだ。あれは触れるも起こすもやばい存在のオンパレードである。
「あ~ねこさんだめですよー、ヒレは美味しくないですって」
「鱗カリカリしないでくださいー」
しかしどうにもこうにもシリアスからは程遠い言動をしている怪人達であった。想像する神話体系のあれとはだいぶ雰囲気が異なっている。
「……どっちかっていうと気の抜けるタイプみたいね。地域差もあるけど日本だと猫の好物は魚になってるから、それに合わせたのかしら」
背後にいるのは神格でも何でもなさそうである。もしかしなくても、単純にインビジブルが海洋生物の見た目なものが多いからそこが残っただけのようだった。
取り回しやすい守刀を手にしながら、結月は怪人達の様子を見守っている。
「……うーん、なんだか怪人さん達も猫さん好きそうな雰囲気があるんだけど」
一方の陽葵は、怪人の様子にその首を傾げそうになっていた。
猫達に噛まれてひっかかれて蹴られても彼らを落とさず、おやつを持ってそっと抱き上げているあたり怪人達も随分と猫好きであるように陽葵には見えたのだ。
「ねえねえ、猫さんに酷い事するより愛でる方が良くない?」
「え、えーと」
「というか、猫さんに酷い事するのって気分も悪いでしょ。考えてみてよ、痛いことも苦しいこともよくないよ」
陽葵はそっと怪人の精神へと干渉する。酷いことされてにゃあにゃあ鳴いている様子、少しぐったりしている様子、うるうるした目で見つめられる様子を送り込み、怪人の心を揺るがせるのだ。
「そんなことしないでさ、一緒に過ごしたり、様子を見たりして、時々遊んでもらったほうが幸せだよ?」
同時に猫に優しくした時の様子を送り込む。可愛くて自由で、温かい猫の姿を思い起こさせ、そこで踏みとどまってくれるのが一番だったから。
陽葵説得に、怪人は視線をうろつかせ、少し揺らいだ様子だった。
「たしかに可哀想だけど、これも役目だし……自分、元は邪悪なインビジブルなんで、ちょっとしか心は痛まないというか。ごめんなぁ猫さん……ううっ、こんなにかわいいのに……」
「んにゃ!」
「離せって、うん、そうだよねぇ……ああっ、暴れないでー」
しょんぼり肩を落とした怪人の腕で猫は大いに暴れている。気落ちして緩んだその腕から、猫が液体のようにするりと抜け出した。慌てて追いすがり、伸びた怪人の腕を、結月の鞘に入れたままの守刀が払い落とす。前のめりになった怪人のたたら踏む足を、陽葵が念動防壁で引っ掛けて転ばせた。
「ひーん! 猫さーん……」
「はい、確保。陽葵」
「うん、結月ちゃん」
安全に逃げられるよう猫にバリアを張ったあと、体を起こす怪人へと二人の意識は向けられる。暴れたり猫をまた狙ったり、万が一猫を新たに捕まえた途端逃げ出すようならば今度は容赦はしない、説得のせの字もなく、立ち上がるならその頭を念動力で押さえ込み、伸ばした腕を切ってでも止めてみせると臨戦態勢だ。スプラッタな惨状を一般人のスタッフや猫達に見せるのは忍びないが、覚悟自体はできている。
しかし怪人は起こした体を再び床へと突っ伏した。
「ううっ、猫さん……あんなに温かくて柔らかくて……幸せの塊……なのに酷いことするなんて…なんて私は邪悪なんだぁ……」
先程の精神攻撃が今更効果を発揮したのか、戦う気も抗う気もなくなったようにさめざめと涙を流して後悔しているようだ。
「……どうしよっか結月ちゃん」
「どうするったって……」
今はこのような態度でも相手は簒奪者、倒さなくてはいけないことはわかっている。
「こうなったら、猫さんを攫って私も一緒に」
「だめに決まってるでしょ」
「だめだよ、酷いことしちゃ」
「ぎゃん!」
何か勢い付けて悪い方向に走り出そうとした怪人を、陽葵は念動防壁で押さえ込み、結月は守刀で強かに打ち据え、怪人をインビジブルへと戻すのだった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

わ、いつの間に!うっかりしてました…!
猫さん達をお助けしませんと!
とは言え怪人さん達も猫さんを傷つけるつもりは無い様子。
でしたら、猫さんの扱いについてダメ出しをしに行きましょう!
そんな抱き方じゃ猫さんが嫌がりますとか、そもそもいきなり抱き上げるとか失礼ですとか。
手取り足取り正しい抱き方をご指導し、「そもそもボク達は猫さん達を抱っこしてあげるんじゃないんです、抱っこさせてもらうんです!」とか言って解放するよう仕向けます。
聞き分けが無いようならトンカチ型に【武器改造】したクリーク・グランツでしばき倒しちゃいます。
基本的に猫さんの安全確保を最優先に行動、もし危なそうなら楽園顕現でお守りします!
●
「わ、いつの間に!」
すすっと入ってすすっと猫達を抱え上げた怪人に、ヴァイセノイエは目を丸くして少しだけ慌てていた。やってくる猫達を順番に、うっかり夢中になって撫でていたら怪人が現れて誘拐宣言をしだしたのだから。
「猫さん達をお助けしませんと!」
心を決めて怪人の様子を覗えば、さらっていくぞ、何もするな、と口で言う割に手にした猫を脅す様子はない。むしろ噛まれたり蹴られたりしても取り落とすこともなく大事に抱えておやつを差し出しているようだった。
(怪人さん達も猫さんを傷つけるつもりは無い様子。ですがあの扱いはダメでしょう)
ヴァイセノイエは近くにいた怪人の側にすっと近づいてぴしっと言ってやることにした。
「そんな抱き方じゃ猫さんがいやがります! ちゃんと腕で体を支えてあげませんと」
「え、えーとこうです?」
「そう、良くなりました。そもそもいきなり抱き上げるとか失礼です、猫さんにちゃんと伺いを立てなくては。びっくりさせてしまうでしょう?」
ヴァイセノイエは怪人に手取り足取り正しい抱き方を指導する。心がけるべきことも同時に伝え、猫の様子も確認しながら諭していくのだ。
「そもそもボク達は猫さん達を抱っこしてあげるんじゃないんです、抱っこさせてもらうんです!」
「抱っこさせてもらう……」
「はい。猫さん達の意思がまず大事です。猫さん達が抱っこしてもいいよ、と許してくださるから抱っこできるんですよ」
「そっか、そうだよな……」
猫さんファーストの精神が何より大事なのだ、猫だって急に抱き上げられれば暴れだすというもの。今だって不満げに抱きかかえる怪人の腕をあぶあぶ噛んでいるのは、抱かれたくないのに抱っこされているという状況が不満なのだから。
「さ、猫さんを解放して上げてください」
「でもなぁ、せっかく猫ちゃん抱っこできるし……もうちょっとだけ」
しかしこの元邪悪なインビジブルな怪人はちょっとだけ聞き分けが悪いようで。
「ますます嫌われてしまいますよ?」
けれどヴァイセノイエのトドメの一個に、血の涙を流す勢いで、でも動きだけはそっと丁寧に、怪人は猫を下ろすのだった。
🔵🔵🔵 大成功

猫に化けてた僕も猫質にされちゃった。でも、却って好都合。ゼロ距離から攻撃できちゃうもんね。
変身を解除して、相手の腕にガブリと一噛み!
√能力じゃない普通の噛み噛み攻撃だから、物理的なダメージは小さめだろうけど、精神的なショックは大きいはず。なにせ、可愛い猫だと思っていたいた相手が見るからに凶暴で獰猛(異論は認めない)な猟犬に変わったんだから。
怪人の手から逃れたら、ミニマル軍団を召喚。猫質を取ってる他の怪人たちめがけて突撃させるよ。
怪人たちが驚きや痛みのあまりに猫を離しちゃったら、すぐさま猫たちに避難を呼びかけよう。
「にゃおーん!(安全なところまで逃げてー)」
なんだか、猫語が板についてきたなあ。
●
猫になって跳ねまわっていたイヌマルは、今や怪人の腕に抱かれていた。
(猫質にされちゃった)
一応抱き方は丁寧だし、猫おやつで丁重に扱おうとしている怪人だが、それでイヌマルがおとなしくなるわけではないのだ。
今は猫の姿をしているが、イヌマルは誇り高き猟犬である。今だって訪れた好機にふふりとワイルドな笑みを内心浮かべてみせたものだ。
(これは却って好都合。ゼロ距離から攻撃できちゃうもんね)
イヌマルは変身を解除して、目の前の腕にガブリと噛み付いた。がじがじと気持ちは腕を食いちぎるつもりで思いっきり齧っている。
「ぎゃー! いたいいたいー! あれ、猫さんじゃない!? わんちゃん?」
「ぐるる」
「え、痛い痛い、かわいいわんちゃん離してー」
怪人はイヌマルをかわいいというが、何とも侮ったセリフである。イヌマルは見るからに凶暴で獰猛な猟犬なのだ。それを噛む力でも見せつけてやろう、と彼はいっそう口に力を込めた。
「わーん!」
怪人がイヌマルを抱えた腕を離した。ただの噛みつきでしかないので大したダメージではなさそうだが、精神的なショックの大きさのあまり離したのだろう、とイヌマルは推測する。なにせ可愛い猫から凶暴な猟犬に変わったのだから。それにこの機を逃すことはない。
「にゃにゃにゃ!(ミニマル軍団、出動! 噛んで引っかいてボコボコにしちゃえ!)」
「ぎゃー!」
イヌマルを模した小型ロボット、ミニマルの軍団が猫質を取った怪人へと雪崩れていく。イヌマルと同じ鋭い牙や爪が怪人達へと食い込み、切り裂いていく。ダメージのあまり猫を抱えている腕を緩める怪人もいた。するりと猫はその隙間から抜け出していく。
「にゃおーん!(安全なところまで逃げてー)」
「にゃーん!」
イヌマルの猫語に応え、猫は怪人からしゅぱっと距離を取って逃げていく。
「ああっ猫ちゃーん!」
「にゃーう!!(ダメだよ!)」
怪人の伸ばした手はミニマルにかぶりと噛まれて阻止される。命令を下すイヌマルのすっかり板についた猫語に、猫達もウンウン頷きやっちゃえとにゃあにゃあ応援してくれるのだった。
🔵🔵🔵 大成功

はっ!?か、怪人がお客に紛れ込んでいました……!?
しかも猫質とは……これは許せる所業ではありません……!珍しく敵に怯えず奮起。
あ、猫ちゃんその人たち噛んでもいいですよ。
猫ちゃんに危害が咥えられぬよう、取り回しのいいネイルガンを取り出し猫ちゃんに手間取ってる怪人を狙って、気が逸れたところを「マヒ攻撃」のマヒ弾で足を撃ちます。しびれてるところにすかさず猫ちゃんを奪い返して保護。隠れててくださいね
うまくいったら√能力で追撃をかけて、猫ちゃんの楽しい時間を脅かした報いを受けて貰います…!
●
「はっ!? か、怪人がお客に紛れ込んでいました……!?」
斑猫は驚きやすく怯えやすい性質だ。普段の彼女であれば今の状況は敵に驚き、様々な事態に怯えてしまう場面だ。しかし今回は違う、驚きはすれど怯えはない。
「しかも猫質とは……これは許せる所業ではありません……!」
可愛くて柔らかで、自由気ままな姿も愛らしい猫を猫質にするとは全くもって許せない所業である。斑猫も普段の引っ込み思案はどこへやら、奮起してネイルガンを取り出し立ち向かう姿勢だ。
「あっ、えっと、やる気ですか? こっちには猫さんがいるんですよー?」
斑猫のやる気を感じ取り、警戒するように言う怪人の手は猫におやつをあげようとしていたり、にゃあにゃあ不満を鳴く猫をなんとか宥めようとしていたりと危害を加える様子がない。
「いい子なのでおとなしくしててくだだいねー、こほん。邪魔をすれば猫さんが危なくなりますよーサイコブレイド様の元に行く前に危険になっちゃいますよー」
「あ、猫ちゃんその人たち噛んでもいいですよ」
「にゃん!」
「あぎゃー!」
脅しているようなそうでもないような怪人の言葉は気にせず、斑猫は猫に噛んじゃえとエールを送る。猫はもちろんです、とばかりに思いっきり怪人の腕に噛み付いた。取り落とさず振り回さず耐える怪人に斑猫は一気に距離を詰め、怪人の脚にマヒのネイルを打ち込んだ。
「ぎゃー! いたーい!」
「猫ちゃん、こっちです」
「にゃっ」
「頑張りましたね……よしよし」
猫はマヒした怪人の腕からするりと抜け出て、斑猫差し出した腕へと飛び移る。どこにも怪我は無いようで、そのぬくもりが斑猫の行いを応援してくれるようだった。
「さ、隠れててくださいね」
「にゃーん」
怪人から離れるように猫を離し、斑猫は改めて怪人に向き直る。解放したところで怪人を許すことなどできようはずもない。
「猫ちゃんの楽しい時間を脅かした報いを受けて貰います……!」
斑猫はふわりと蜻蛉の外套を纏い、鬼蜻蛉斬りでもって怪人をインビジブルに戻すのだった。
🔵🔵🔵 大成功

アドリブ、絡み大歓迎ですわ!
縦巻きロールはお嬢様の証し!!!!スクエアの爪先は可愛いの正義!!純白のドレスは乙女のロマン!!黄金の液タブで世界の平和を守る正義の魔法少女!!ヤルキーヌ参上!!
そのネコチャン達を離しなさいませ!!
でないとお魚の部分を引きちぎってネコチャンのゴハンに加工致しますわよ?!
護霊を飛ばして怯んだ隙に突っ込んで殴り飛ばし、ネコチャン確保ですわ!
きっとネコも協力してキックとかパンチで素早く逃げてくださると思いますし!
●
ヤルキーヌはキラキラと光を纏い、怪人の前に躍り出た。
「縦巻きロールはお嬢様の証し!!!!」
綺麗に巻いた、猫も喜び飛びつく縦ロールをくるりと揺らし。
「スクエアの爪先は可愛いの正義!!」
ダンスのステップのような優雅な足取りで、上品な白いパンプスのスクエアトゥを示してみせ。
「純白のドレスは乙女のロマン!!」
可愛らしくも上品なAラインのドレスの裾をひらりと棚引かせ。
「黄金の液タブで世界の平和を守る正義の魔法少女!! ヤルキーヌ参上!!」
輝く黄金の液タブを片手に構え、ぴしっとタブレット用ペンを怪人に突きつけた。
「そのネコチャン達を離しなさいませ!! でないとお魚の部分を引きちぎってネコチャンのゴハンに加工致しますわよ?!」
「いやーご飯は嫌ですー!」
「んにゃー!」
堂々と朗々と宣言したヤルキーヌの勢いに怪人は恐れ慄き、しかし猫を抱く手は離さずに器用に震え上がっていた。ブルブルのバイブレーションに抱かれた猫は不満を顕に猫キックをかましている。
「サイコブレイド様のところに連れて行かなきゃですし、猫ちゃん抱っこできるなんてそうそう機会ないですし……離すのはちょっと……」
「言い訳はそこまでになさいませ! いかなる理由があろうとも、嫌がるネコチャンに無理強いはいけませんわ! いきなさい、タイリョーク!」
ごうっとヤルキーヌの後ろから護霊「タイリョーク」が勢い良く怪人へと迫っていく。
「うわー!」
びっくりして猫ごと下がろうとする怪人へ、タイリョークの後ろから追いかけてきたヤルキーヌが迫る。腰を落として一点を見据え、猫をそっと避けた黄金のペンが怪人の腕を殴り飛ばす。
あまりの痛みに怪人の腕は緩む。後ろへと飛んでいくその腕からキックとパンチを決めて抜け出す猫を、ヤルキーヌの腕がそっと受け止めた。
「ネコチャン確保ですわ! タイリョーク、やっておしまいなさい!」
「んにゃ!」
「ぎゃーー!!」
まるでお嬢様のご命令とあらばというように張り切るタイリョークは、猫の声援を背中に受けて、怪人をインビジブルへと戻していくのだった。
🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『外星体『サイコブレイド』』

POW
ハンターズ・ロウ
【暗殺】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
【暗殺】の体勢を取る。移動力と戦闘力を3分の1にする事で、肉眼以外のあらゆる探知を無効にする。嗅覚・聴覚・カメラ・魔術等、あらゆる探知が通用しない。
SPD
サイコストライク
【装備中の「サイコブレイド」】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
【装備中の「サイコブレイド」】による高命中率の近接攻撃を行う。攻撃後に「片目・片腕・片脚・腹部・背中・皮膚」のうち一部位を破壊すれば、即座に再行動できる。
WIZ
ギャラクティックバースト
60秒間【サイコブレイドに宇宙エネルギー】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【外宇宙の閃光】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
60秒間【サイコブレイドに宇宙エネルギー】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【外宇宙の閃光】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
●そして彼は躊躇いながらも、戦う
配下の怪人の魔の手から、猫達は無事に護られた。あとはサイコブレイドを倒せば万事解決、というところだった。
「まさかこれを使うことになるとは」
男の声が突如猫カフェに響く。すると空間が歪むような感覚のあと、気づけば猫達がいなくなっていた。
彼らはサイコブレイドのいる、√マスクドヒーローのどこかの石切場へと転移させられていたのだ。
「この転移装置は条件が煩雑すぎて毎回使えるわけではない。今回は、使えたが……すまないな、猫達。これも俺の役割だ」
「にゃー!」
「ふぎゃー!!」
Anker候補を前に、サイコブレイドは悲しげな、苦しげな表情を浮かべていた。
けれどサイコブレイドの、彼らに伸ばそうとした手が止まる。
「……想像より早かったな」
√能力者達が、すぐに追いついたのだ。
====
・サイコブレイドのいる石切場まで、√能力者は徒歩で√移動してやってこれます。
・戦闘中、猫達にサイコブレイドが手を出すことはありません。気にせず全力で戦ってください。
・1章でふれあい、2章で助けられた猫達は命がけで√能力者を応援してくれます。その応援に特殊な効果はありませんが、何故かサイコブレイドは苦悶の表情を浮かべ、戦闘力が低下します。

アドリブ・連携大歓迎ですわ!
と言うか盛れるだけ盛って頂けるとありがたいですわ!!
ドレスのスカートを翻らせてヤルキーヌ再び参上ですわー!!!
どかーん!と背後に爆発が欲しいですわ!!
なにやらご事情があるご様子!!
ワタクシよく存じております!そういうタイプの敵キャラは後程仲間になるものですわ!!!
貴方!その時に後悔しないために猫ちゃんを離してこの場は立ち去りなさいませ!!
でないとワタクシ本気で闘わせていただきますわよ?!!
まだまだ非力ではありますが、ネチネチ攻撃当て続けてうんざりさせて差し上げますわ!!!
●
ドレスのスカートを翻し、ヤルキーヌが空中から現れた。軽やかな着地を決め、ピンクダイヤモンドの瞳をサイコブレイドへと向ける。
「ドレスの純白は清らかさ、液タブの黄金は誇り高さ現れ! 愛と決意を持って魔法少女ヤルキーヌ、参りましたわ!! さあお覚悟なさいませ!」
口上を述べるヤルキーヌの後ろには、ホワイトゴールドの煙たなびく爆発が起こっていた。ヤルキーヌ・オレワヤルゼ、堂々の登場である。
「来たか」
サイコブレイドは堂々としたヤルキーヌに臆することはなく、剣を肩に携えたまま彼女に向き直る。淡々とした態度のサイコブレイドに、ヤルキーヌは凛と声を張った。
「貴方にもなにやらご事情があるご様子!! ワタクシよく存じております! そういうタイプの敵キャラは後程仲間になるものですわ!!!」
「仲間? 何を言っている」
朗々と語りだすヤルキーヌにサイコブレイドはやや困惑していた。彼はそれでも戦う構えを崩さず、剣に宇宙エネルギーをチャージし始める。
「貴方! いずれ仲間となるその時に後悔しないために猫ちゃんを離してこの場は立ち去りなさいませ!! きっと良いようになりますわ!!」
なんと言ってもヤルキーヌがここに来た、彼女はそれを実現できると信じているのだ。それでも戦うならば、と黄金のペンと液タブを構えヤルキーヌは言う。その顔には僅かな悲しみと、大きな決意があった。
「でないとワタクシ本気で闘わせていただきますわよ?!!」
「本気で来るといい。こちらも退けない理由がある」
「そう。でしたら、参りますわ! 食らいなさいませ!」
一気に距離を詰めたヤルキーヌの黄金のペンが唸りを上げる。真っ直ぐに突き出されたそれはサイコブレイドの卓越した身のこなしから見れば稚拙なものだ、ただ愚直なほどに真っ直ぐに突き出されたそれを避けることなど造作もないことだった。
確かに避けたはずのそれは、今、サイコブレイドの右腕に突き刺さって抜けていく。
「まだまだ行きますわよ!」
サイコブレイドは回避行動を再び行う。ソシテペンを確実に回避したはずだった。それなのにペンはサイコブレイドを打ち据え、突き刺し、繰り返し当たってくる。
ヤルキーヌは既に√能力を発動していたのだ、登場時の口上から語る物語こそ彼女を主人公とするものである。中心とする半径十九mの中であれば、射程が届きさえすれば攻撃が必ず当たる空間になっている。
「私はまだまだ非力ではありますが、何度でも攻撃を当てて差し上げますわ! ネチネチうんざりするほどに!」
「そうなる前に倒すとしよう」
六十秒はすでに経過した。サイコブレイドは肩に担いだ剣を自然な動作で前へと突き出す。おそらく大きな攻撃が来ると予見したヤルキーヌが黄金の液タブを盾のように構えた。そして、その剣先から閃光が放たれようとしたその時、声がする。
「にゃー!」
「ふしゃーー!」
ヤルキーヌと共に遊び、助けられた猫がサイコブレイドへと噛みつき、猫キックや猫パンチをかましたのだ。
「くっ……」
途端、サイコブレイドは苦悶の表情をして、剣を下ろす。そして暴れる猫達をそっと優しく引き剥がし、向こうに行くように静かに手で追いやった。
ヤルキーヌはその間、じっと待つ。そして彼が向き直った時に言ったのだ。
「やはり貴方は、何か理由があるのですわね」
「それは戦いをやめる理由にはならない」
AnkerとAnker候補は抹殺しなくてはいけない。どんなに苦しくとも、それがサイコブレイドに課せられた任務なのだから。
「そうですの。ですが、今は無理でも! いつかきっと仲間にしてみせますわ!!」
サイコブレイドが再び剣を構える前に、飛び込んだヤルキーヌの拳がまっすぐ突き刺さり。
サイコブレイドは勢いよく地面へと飛ばされたのだった。
🔵🔵🔵 大成功

※桜庭結月(h06671)とは肉体を共有しています。
※お互いが主人格の乗人格となります。
かわいいと思うのにどーしてAnkerになり得るからって酷い事しようとするのかな?
あたしと結月ちゃんはお互いAnkerで√能力者ってヤツだよ。
あたしは基本的には結月ちゃんをサポートするよ。【発火能力】や【念動力】【念力操作】でポーチから鉄球を飛ばしたり【念動防壁】でバリアを張ったり、だね。
バリアは攻撃を防ぐ兼敵の移動を阻害する為にも使うよ。
【精神干渉】はかわいい猫ちゃんのイメージを送り込んで敵の集中力を阻害するよ。
【治癒因子解放】は結月ちゃんの√能力のダメージを治したりだね。治ったら解除して再行動。

※桜庭陽毬(h06670)とは肉体を共有しています。
※お互いが主人格の二乗人格となります。
猫に手を出すってだけでもアウトなのに……食べる為(生きる為)に必要って事ならギリ許せてもAnkerになり得るからっていうのはちょっとね。
基本は【長巻野太刀】を使った剣撃戦ね。創作でも使い手が滅多にいないマイナーな武器だけど、戦国時代では広く使われた戦場武器よ。
【桜庭抜刀術・終の型【無尽閃】】で自分の「腹部→背中→片腕→皮膚→片腕→片脚」の順に部位破壊を受けての連続攻撃ね。
攻撃後は陽葵√能力で回復してからの再攻撃よ。
敵の攻撃は【武器受け】【受け流し】を行いつつ陽葵との連携で対処するわ
l●
サイコブレイドは、現れた一人の少女へと剣を構え直して向き直る。
「かわいいと思うのにどーしてAnkerになり得るからって酷い事しようとするのかな?」
そんな彼に、陽葵は行いを非難し。
「猫に手を出すってだけでもアウトなのに……|食べる《生きる》為に必要って事ならギリ許せてもAnkerになり得るからっていうのはちょっとね」
結月は長巻野太刀を構え、その尖先をサイコブレイドへと向ける。
一人なのに二人で喋っているような印象を与えてくる少女に、サイコブレイドは淡々とした態度を崩さないまま問いかけた。
「√能力者か」
「そう。あたしと結月ちゃんはお互いAnkerで√能力者ってヤツだよ」
「一人に見えても二人よ」
一人の少女の体に二人の主人格が宿る存在、それが陽葵と結月だ。互いがAnkerであれば、狙いになるかと言うような二人の問いかけにサイコブレイドは答えを返す。
「今回の狙いは君達ではない。だが邪魔をすると言うなら容赦はしない」
「そう。こちらも容赦する気はないわ……陽葵」
「うん、結月ちゃん」
陽葵は念動力と発火能力で、炎をまとった鉄球を飛ばす。勢い良く飛んできたそれを、サイコブレイドは僅かに体をずらして避けた。けれどその分陽葵へと距離を詰めることはできない。陽葵は念動力を駆使して鉄球を操り、彼が距離を詰められないようにしていく。
その間に、結月は長巻の長い柄を逆手に持って自身の腹部を切り裂いた。
続いて流れるように背中を削ぎ、右腕を切り落とし、皮膚を割いて左腕を切り、最後に刀の自重で右脚を貫いた。
その一連の行動はサイコブレイドには阻止できない。陽葵に邪魔されているというのもあるが、結月のこの行動は√能力で部位破壊後の再行動で新たな部位破壊を行っているのだから。片脚の破壊後の最後の再行動は待機し、結月は霞む視界を堪えて陽葵の回復を待つ。
いきなり連続で自傷を始め、自身を破壊していく少女の行動に、サイコブレイドは手に持つ剣にチャージを始めた。行動理由は謎だが、その刃がこちらに向かう前に倒せばいい。鉄球が派手に当たってサイコブレイドにわずかにダメージを与えるが、それでもチャージをやめることはない。
「万全の状態にすぐに戻るよ!」
その間に、陽葵は行動できなくなる回復能力を使い、結月、つまり自分を回復する。回復を終えたらこれは解除する予定だ。
そう、自身の体を|行動不能《・・・・》になる回復能力で。
陽葵は回避行動ができない。そもそも体は破壊され、回復能力で行動不能、結月が長巻を持つための腕も支えるための脚も回復途中、まだ動けない。
サイコブレイドが、今まさにチャージを終えた剣を突き出しても動けないのだ。高威力の攻撃を回避できず、剣先を逸らすための行動ができない。バリアを張り、念動力で鉄球を嗾けるけれど、チャージを終えたサイコブレイドは傷を気にせずにその尖先を二人に向けた。
陽葵が防御にバリアを張って、備えていたその時。
「ふにゃーー!!」
「きしゃあ!」
猫カフェの猫、うぐいすといんげんがサイコブレイドへと飛びかかった。小さな牙で噛みつき、猫パンチや猫キックを繰り出して必死に陽葵と結月を応援しようと戦っている。
「ぐっ……」
サイコブレイドは尖先をおろし、攻撃をやめた。猫達を優しく引き剥がし、そっと下ろして彼らを遠く、危なくないようにそっと追いやった。猫達は一旦は遠くへと逃げていく。
その間に、回復は終わる。猫達が安全な距離に行ってから、陽葵も結月もサイコブレイドが構えるより先に動けるようになる。
結月は完全に治った腕で柄を持ち直し、刀の間合いより遠くから攻撃を振るう。√能力で行われた再行動の最後の一撃は、確かにサイコブレイドの腕を切り裂いていた。
けれどサイコブレイドもただではやられなかった。彼も不完全な体勢ながらもその剣を振るい、結月の右目を狙っていた。
「くっ」
「結月ちゃん!」
結月が咄嗟に振るった長巻が、陽葵が張ったバリアがサイコブレイドの太刀筋をそらす。右目を破壊されることは避けれたが、左腕に傷を負ってしまった。破壊されたというほどではないが、ダメージを負ってしまっている。
「陽葵、サポートお願い」
「うん。結月ちゃん、無理しないでね」
サイコブレイドは強い。結月が自分を傷つけ、再行動を行うような戦い方ではダメージが蓄積していくだけかもしれない。陽葵の援護があるならば、正道で戦う方が勝率がある。
陽葵の鉄球がサイコブレイドへ襲いかかる。合間に発火能力で炎をいくつも飛ばし、鉄球を包んだ炎と炎のみのものを作り、牽制に使用していく。威力は殆ど無いかもしれないが、サイコブレイドの意識を僅かでもそちらに向けられればいいのだ。
間隙を縫って結月が縮地で一気に距離を詰める。長巻を鞘より引き抜き、その勢いと重さを存分に乗せてサイコブレイドの剣を持つ腕を狙うつもりだ。
相手も同様に結月の体を破壊しようとしてくるだろう。それは陽葵と連携し、武器で受けたり受け流したりしてダメージをこれ以上負わないようにする。
鉄球を操作しながら、陽葵はサイコブレイドへの精神干渉も試みるつもりだ。猫達の可愛い様子を送り込み、少しでも動揺を誘えればいい。
戦いはまだ続く。左腕の痛みは堪えながら、陽葵と結月は再びサイコブレイドへと向かっていった。
🔵🔵🔴🔴🔴🔴 苦戦

執行(h01820)と
さて、諸悪の根源登場って所かな
物語もいよいよクライマックスだ
結末?
そんなの|悪《君》が成敗されて猫達は無事
大団円のハッピーエンドに決まってるじゃないか
おや、今度は本当に物騒な能力で来たね
僕達が救った猫達が力になってくれるのもいい展開じゃないか
ところでサイコブレイド、君は猫好きなのかい?
好きでも嫌いでも、とっておきの話を語ってあげよう
さあ母なる女神西王母、出番だよ
猫が好きなら…そうだね、虎に甘噛みされるのはどう?
ちょっと大きいだけで虎だって一応ネコ科だ、変わりないだろ?
おっと間違えた、この虎はちょっと噛み癖が悪くてね
うっかり君を噛み砕いてしまっても…悪く思わないでおくれよ?

月蘭(h00117)と
おいおいおい、何しようってんだァ?
手間取らすんじゃねぇよ。今からお前を裁こうってんだからよ!
さぁ無法な裁判の開廷だ!異議を唱えられるかはお前次第だ被告人ッ!
俺様の裁判はどこでも即開廷、即判決、即断罪が売りでなァ?
「可愛い猫誘拐教唆」及び「誘拐殺猫未遂」!判決は当然有罪!
「悪霊看守長の監獄」の刑に処す!(電流有刺鉄線で暗殺行動を牽制・制限し、現れりゃ檻と手錠で捕縛後、召喚した刑罰霊に警棒で殴らせるぜ!)
傍聴席の猫達の応援が効くぜぇ~!
月蘭!奴に敗訴を与える為にもうひと裁き加えてやれ!
ハハハハッ!虎もネコ科だし、可愛がってやれよ被告人!
しかし成程、虎の刑罰王と契約もアリだな!
●
「さて、諸悪の根源登場って所かな」
「おう。現行犯だなァ?」
石切場にて、月蘭と執行もサイコブレイドと相対する。サイコブレイドが猫に伸ばそうとした手に、執行は凶暴な笑みを浮かべてみせた。
「おいおいおい、何しようってんだァ?」
「Anker、ないしはAnker候補は抹殺する。邪魔をするなら容赦はしない」
サイコブレイドは剣を肩に預けたまま、月蘭と執行の二人に向き直る。抗う姿勢を見せる彼にころころと月蘭は笑ってみせた。
「うん、定番だ。この物語もいよいよクライマックスだね。裁判の判決の後の結末はもちろん、|悪《彼》が成敗されて猫達は無事。大団円のハッピーエンドに決まってるよね、執行」
「おう。おい、手間取らすんじゃねぇぞ。今からお前を裁こうってんだからよ!」
月蘭が優雅に微笑むその横で、執行はいっそう悪そうな笑みを浮かべ、六法全書を突きつける。
「さぁ無法な裁判の開廷だ! 異議を唱えられるかはお前次第だ被告人ッ!」
ただの石切り場だが、ここに執行がいるならば裁判の場として成立する。そう執行が定めたなら、それが絶対だ。判決はとうに決まっていた。
「俺様の裁判はどこでも即開廷、即判決、即断罪が売りでなァ?」
高らかに執行は、サイコブレイドの罪状と判決、罰を宣言する。
「「可愛い猫誘拐教唆」及び「誘拐殺猫未遂」! 判決は当然有罪! 「悪霊看守長の監獄」の刑に処す!」
執行の宣言と同時、体勢を変えようとしたサイコブレイドを取り囲むように有刺鉄線が現れる。彼の動きはこれで牽制された、もし無理矢理でも突破しようと言うならば電流流れる棘がその体を貫くだろう。
更にはできるだけダメージの少ないルートを探るサイコブレイドに、大きな手錠が嵌められる。有刺鉄線と彼を囲むように、監獄も現れた。
一時に√能力の使用を封じる檻の中、それでも抗おうとするサイコブレイドに、凶悪な顔つきで笑みを浮かべた巨躯の悪霊看守長が大きな警棒を振り下ろした。避ければ有刺鉄線に触れてしまうが故に、サイコブレイドはぎりぎりの小さい動きで避けようとするが、手を拘束され、√能力も使用できない状況では限度がある。
轟音をさせて振り下ろされた警棒が強かにサイコブレイドを打ち据え、床へとなぎ倒した。嵐のような笑い声をさせて看守長は消え、鉄線と監獄も消え去る。
「はっはぁ、どうだ? 少しは己の罪の重さを思いしれたかァ?」
「……どれほどの罪であろうとも、俺はこの作戦をやめることはない」
確かにダメージを受けてはいるけれどサイコブレイドはまだ健在、そのサングラスの奥の目も諦めてはいなかった。彼は目の前の障害を取り除くべく体勢を変えようとする。もしもそのまま放っておけば、月蘭も執行も姿を隠したサイコブレイドを見つけるのに労力を使い、見つけるまでの間に強力な一撃を食らっていたかもしれない。
けれど、体勢を変えきるその前に、猫が、よもぎにしろごま、いんげんが月蘭と執行を応援する。
「にゃー!」
「ふしゃーー!」
「にゃぐー!」
彼らは二人を応援すべく、サイコブレイドに噛みつき、引っかき、猫キックを食らわせたのだ。もちろん√能力者でも何でもないただの猫だ、その一撃がサイコブレイドにダメージとして入ることはない。もしかすると掻痒すら感じないはずだった。
「くっ……」
けれどサイコブレイド苦しげな顔をして、体を起こす。それから猫達を優しく外し、離れるようそっと下ろして遠ざけるのだ。
「おや、今度は本当に物騒な能力で来たね。そこを僕達が救った猫達が力になってくれるのもいい展開じゃないか」
「傍聴席の猫達の応援が効くぜぇ~! 月蘭!奴に敗訴を与える為にもうひと裁き加えてやれ!」
「もちろん。ところでサイコブレイド、君は猫好きなのかい?」
月蘭の問いかけに、サイコブレイド表情を変えないままで口を開く。
「……どちらでもいいだろう。彼らはいずれ誰かのAnkerになる。そうならないよう俺は彼らを殺すだけだ」
はっきりとした答えを返さないサイコブレイドに、月蘭はそれでも構わない、と緩やかに首を縦に振る。
「まあ好きでも嫌いでも、とっておきの話を語ってあげよう。さあ聞いておくれ」
御伽使いが語りだす。それは女仙を統べるという、偉大なる女神の話だ。
「さあ母なる女神西王母、出番だよ」
蓬髻長髪の美しい、慈母のような女仙にして女神、西王母の幻影が現れた。彼女は優しげに微笑み、月蘭の側で浮かんでいる。
「猫が好きなら……そうだね、虎に甘噛みされるのはどう? ちょっと大きいだけで虎だって一応ネコ科だ、変わりないだろ? お願いだよ西王母、ちょっと遊んであげてくれ」
月蘭の語りに合わせて西王母が口を開けて笑えば、そこには虎の牙が生えていた。そして瞬時に西王母は虎へと姿を変え、サイコブレイドへと躍りかかる。大きく口を開き、腕や脚、首すら噛みちぎろうという勢いだ。
「おっと間違えた、噛まないように、というのを忘れてしまったよ。この虎はちょっと噛み癖が悪くてね。うっかり君を噛み砕いてしまっても……悪く思わないでおくれよ?」
「ハハハハッ! 虎もネコ科だし、可愛がってやれよ被告人!」
可愛がられる気のない虎に追いかけられ、噛み砕かれるのを避けるサイコブレイドに、もう一度罰則を食らわす機会をうがいながら執行は高笑いする。
「しかし成程、虎の刑罰王と契約もアリだな! 罪人への罰には良さそうだ!」
「ふふ、きっと執行の力になってくれるよ」
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

転移じゃと!? それはちょっとズルいじゃろ
急いで石切り場へと向かうのじゃ
しかし、これがあるなら配下は必要ないような……
配下の全滅も条件だったりするのかのう
『ギャラクティックバースト』で60秒チャージするなら
『ゴーレムメーカー』のゴーレムはその間に20体作れるのじゃ
先に完成した10体はそのままサイコブレイドを攻撃させて
後半の10体は反射で作って敵の周りに並べておくのじゃ
『外宇宙の閃光』は近接範囲じゃからこれで封じ込めれば安全じゃろう
敵がゴーレムを倒すために外宇宙の閃光を放てば
それは全て反射して敵に返るのじゃ!
威力の高さが仇となったのう
にゃんこ共を虐めるやつにはいい気味じゃ!
●
「転移じゃと!? それはちょっとズルいじゃろ」
目の前で猫達が転移させられるのを見たヴィルヴェは目を丸くした。そして急いでサイコブレイドの元へと向かう。猫達を助けなくてはいけないと、重なる√の道を潜り抜け、短い時間で√マスクドヒーローに、更にサイコブレイドのいる石切場へと向かう。
急ぎながらも考えるのはサイコブレイドの使った転移の技術だ。
(しかし、あれがあるなら配下は必要ないような……配下の全滅も条件だったりするのかのう)
おそらく簡単に使えるものではないのだろう。この戦いで逃げたり攻撃したりするのに使用されることはなさそうだ。自由自在に動き回る敵を叩くのは中々に難しい。相手の技量も高いとなればなおさらに。
いっそう気を引き締めて到着した石切り場では、サイコブレイドの姿が見える。ヴィルヴェの訪れにも気づいた彼は、剣を携え直して彼女にも向き直った。
「来たか。Anker抹殺計劃の邪魔をすると言うならば、容赦はしない」
「こっちとて容赦はせぬのじゃ」
サイコブレイドが剣へとエネルギーをチャージするのに合わせ、ヴィルヴェもゴーレムを作り出し始める。三秒ごとに一体が生まれ、チャージをするサイコブレイドへと向かっていく。
作り出している間は動けないが、数は力だ。サイコブレイドチャージ中は、他の√能力を使ってこないだろう。
そうして三十秒経過する頃には述べ十体がサイコブレイドを取り囲むように攻撃し、彼にダメージを与えたあと消えていった。
無論、サイコブレイドもただゴーレムに殴られていたわけではない。チャージしながらも回避や防御でいなしつつ、ヴィルヴェに近づこうとしていたのだ。ゴーレムの攻撃を受けながらも消えたタイミングで距離を詰め、ヴィルヴェへとじりじりと距離を詰めてきている。
ヴィルヴェはゴーレムの設定を変える。今度は攻撃させず、ただサイコブレイドの側に並べるように配置した。避けて近づくサイコブレイドと動けないヴィルヴェの間を遮るようにしながら、ゴーレムはずらりと並んでいく。
「にゃー!」
「にゃにゃん!」
「くっ……」
至近距離までゴーレムを押しのけ、進んできたサイコブレイドを止めようと、猫達が必死に彼に追いすがる。小さな歯で懸命に噛みつき、一生懸命猫キックやパンチをしてきたのだ。
√能力でもない、ただの小動物の攻撃だ。けれどサイコブレイドは苦悶の表情を浮かべている。そしてtヴィルヴェに近づくのやめ、猫達を優しく剥がしたあと、そっと離れるように追いやった。
ヴィルヴェはその間に攻撃用のゴーレムを作り出す。
反射ゴーレムは残してそのままにしておいて、猫達が離れてから改めて攻撃ゴーレムをけしかけた。
「ほれほれ、まだまだおるぞ! 増え続けるゴーレム、お主にさばききれるかの?」
再度攻撃をチャージし始めるサイコブレイドとの間には反射ゴーレムが、チャージを終えるまでは生み出された攻撃ゴーレムが攻撃し続けていく。そうそう簡単に突破もできないだろう。
(もしあやつがゴーレムを倒すために外宇宙の閃光を放てば、それは全て反射して敵に返るのじゃ!)
そうなれば、威力の高い攻撃ほど相手がダメージを負う。先程のようにヴィルヴェを直接狙ってくるかもしれないが、できる限り反射ゴーレムの位置取りを調整しておくこととする。
そうしたら、こう言ってやるのだ。
「威力の高さが仇となったのう、にゃんこ共を虐めるやつにはいい気味じゃ!」
🔵🔵🔴 成功

猫ちゃんたちを人気のいない場所まで連れて…私たちを倒すまでは手を出す事はない。やはりあの人は根っからの悪人ではないようです。かといって手加減もできない、私たちに出来るのは彼の働きを阻止すること。
そして猫ちゃんにふたたびおいしいごはんと遊び場を取り戻してあげることです……お覚悟を……!
猫ちゃんたちの応援に癒されそうになるのを堪え、相手の近接攻撃の範囲に入らないよう「スナイパー」でつかず離れずのヒットアンドアウェイを狙います。追い込みには√能力を使用し…回復能力といいますか、応援のお返しを猫ちゃんに…!ね、猫ちゃんたちはちゃんと守ってみせますから…ご容赦を…!
●
サイコブレイドのいる石切場に斑猫が着いたとき、サイコブレイドは猫に伸ばした手を戻して斑猫へと向き直る。斑猫はびくっと体を震わせながらも、彼から目を離すことはない。
(猫ちゃんたちを人気のいない場所まで連れてきても、すぐには殺さず……それに、私たちを倒すまでは手を出す事はないみたいです)
猫達を見る彼の態度にはどこか苦しげな様子すら見て取れるようですらある。斑猫はそこに少しだけ胸を撫で下ろした。
(やはりあの人は根っからの悪人ではないようです)
だからといって彼を見逃すことも、手加減をすることもできない。そんなことをすれば斑猫のほうが倒されてしまうだけだ。
(私たちに出来るのは彼の働きを阻止すること)
斑猫は怯え、驚きに跳ねる胸をそっと宥め、彼女の、この場にやってきた√能力者皆の目的に集中する。いつだって心は揺さぶられるけれど、それでも今までと同じようにやっていけばいいのだ。
すでに覚悟は決まっていた。斑猫も多機能式改造型ライフルを構えてサイコブレイドに狙いを定めている。
サイコブレイドはそんな彼女に冷徹に言い放つ。
「邪魔をするなら容赦はしない」
「ううっ……で、でも私も容赦しません……! 猫ちゃんにふたたびおいしいごはんと遊び場を取り戻してあげます……お覚悟を……!」
「にゃん!」
「にゃーん!」
「あっ、猫ちゃん……」
先程猫カフェで戯れた猫、こむぎが斑猫の隣にぴょんとやってきて並び立つ。がんばれ、と言うように斑猫を見上げ、可愛らしく鳴いてみせた。
「くっ……」
「は、わわ……が、頑張ります!」
苦悶の表情を浮かべるサイコブレイドから距離を取るため、斑猫は地を蹴って一気に後退した。こむぎがたーっとその場から離れるのに顔が緩みそうになるのを堪え、サイコブレイドに近づかないというのを頭の片隅に常に置きながらスコープを覗き込む。
サイコブレイドを中心に捉え、即座に引き金を弾けば可燃性鱗粉の弾丸が彼へと飛び出していく。
一発目は避けられたが、着弾した地点から吹き上がった爆炎がサイコブレイドを包み込む。同時に発生した温風はこむぎに、他の猫達にも届いて包み込み、彼らの体と心を解していった。
「うにゃん」
「にゃーん」
「えへへ……どういたしまして」
猫達のお礼と応援にほっこりしながらも、斑猫はスコープから目を話さない。付かず離れずを意識して、彼の姿が見えた途端再度引き金を弾いた。
「あの、ね、猫ちゃんたちはちゃんと守ってみせますから……ご容赦を……!」
彼にも何らかの事情はあるのかもしれないし、本当に猫が好きなのかもしれない。けれどAnkerを、Ankerk候補になり得る存在であれば抹殺するという行為を許すことも見逃すこともできないのだ。
斑猫は弾丸を補充しつつ、サイコブレイドが近づいてくる前に移動する。
「猫ちゃん達、頑張りますね……!」
「にゃーん!」
🔵🔵🔴 成功

どうやら、芯からハードボイルドな僕と違って、サイコブレイドは心のどころに甘さがあるみたいだね。
だったら、その甘さに付け込んでやる。そう、無害で可愛い犬の振りをして油断させるんだ。
見るからに獰猛な猟犬である僕が可愛い犬になりすますのはかなり無理があるけれど、猫を演じていた時(演じてない。本能のままに振る舞っていただけ)の経験を活かせば、上手くいくはず。
くーんくーんと鼻を鳴らしながら、じゃれついてー。
うるうるお目々で見上げてー。
……からの、肉球パーンチ! どかーん!
これはおまえに狙われて怖い思いをした猫たちの分だー!
まあ、ざっとこんなもんだよ。(応援してくれている猫たちにドヤ顔)
●
猫達を案外丁寧に扱い、優しげに追いやるサイコブレイドを、彼らを手荒に扱わず殺すことに躊躇を見せる彼を、イヌマルは冷静に見ていた。
(どうやら僕と違って、サイコブレイドは心のどころに甘さがあるみたいだね)
イヌマルならば必要であれば容赦はしないだろう。芯からハードボイルドなイヌマルである、たとえ仲良くなった猫であっても必要であればその鋭い牙で毛皮を咥え、少々乱暴に遠くに追いやることすら容易いだろう。彼らがにゃうにゃう鳴いて不満を言っても冷徹に取り合わないことだってできるはずだ。
仮に猫を助けたとして、猫がにゃんと「どうかお礼を」と鳴いても、不要とばかりにクールに立ち去ることもできる。お礼が美味しいジャーキーだったら心動くかもしれないが、イヌマルならば耐えられるはずだ。多分。
それはさておき、サイコブレイドが甘さを持っていると言うならばそれを利用しない手はない。
(その甘さに付け込んでやる。そう、無害で可愛い犬の振りをして油断させるんだ)
井沼ならばきっとできる。
(まあ見るからに獰猛な猟犬である僕が可愛い犬になりすますのはかなり無理があるけれど、猫を演じていた時の経験を活かせば、上手くいくはず。愛されて気ままに可愛い振る舞いを意識するんだ)
なお、猫のときの振る舞いは演じていたわけではなく本能のままの振る舞いであったし、イヌマルを見れば獰猛な猟犬というよりも可愛くてお茶目な愛されわんちゃんと言う人もいる。本犬の認識と他者ないしは本能の認識は違うことがあるというだけで。
そんなことは露知らず、イヌマルはそっとサイコブレイドへと近づいていく。
「……迷い犬か? いや……まあいい、邪魔をしないならお前に手を出すことはない。今回の標的はあの猫達だ」
AnkerやAnker候補を見分けられるサイコブレイドだが、イヌマルを見て口ごもりつつ、諭すように話しかけてきた。
もしかしたら獰猛な猟犬に見えて警戒しているのかもしれない、と考えたイヌマルは早速作戦を開始することにする。くーん、くーんと鼻を鳴らし、サイコブレイドの足元にじゃれついたのだ。
(僕は可愛くて愛らしい犬だよ。怖くないよ、かまって遊んで?)
サイコブレイドの周囲をくるくる周り、尻尾を振って見せてうるうるの大きなお目々で見上げてみせた。ちょこんと小首をかしげて見せて、おとなしくお座りだってしてみせる。
「にゃん」
ずんだもイヌマルとじゃれあう様にくるくるサイコブレイドの周りを回ってみせた。イヌマルの行動を応援しているかのように、怖くない良い犬だよ、楽しくて素敵な猫にもなれるんだよと言っている。
「くっ……」
「今だー! これはおまえに狙われて怖い思いをした猫たちの分だー!」
「にゃー!」
何故か苦悶の表情を浮かべたサイコブレイド。きっと二匹の可愛らしさに顔を覆ったに違いない。そうイヌマルは確信していた。そして、それは好機でもある。
ずんだの声援を背中に受け止め、イヌマルは巌のように硬質化させた肉球を、サイコブレイドに思いっきり叩きつけた。不意を付かれたサイコブレイドは、肉球に押されるままに吹き飛ばされ、顎を上にして宙へ飛んでいく。
「まあ、ざっとこんなもんだよ」
にゃんにゃんにゃあにゃあ、見ていた猫達からのかっこいいという声援にイヌマルは可愛らしくもどやっとした顔を決めてみせたのだった。本犬の脳内ではややニヒルにクールな笑みを決めていたのは、言うまでもない。
🔵🔵🔵 大成功

ましろ(h02900)と悪をやっつけます
とうっとジャンプして着地すると、すでに現場は石切り場!
ましろとスチャっと並び立ちサイコブレイドをビシッと指さします
猫様の可愛さは確かに兵器、お前が感じた恐怖はやつでも理解しましょう。しかし、真にお猫様の可愛さの脅威の前に立つならば、武器ではなく可愛さで立ち向かうべきでした。武器を手にしたその弱さ、やつでが折ってやるのです!
いきますよましろ!
やつでたちを黒猫のもなか様が!おそらく!応援してくれるはず!!
これが……可愛さの力です!
おしゃべりの間にしれっとクモ糸をくっつけておいた石切り場にいっぱいある石をぶつけます!
※アドリブ連携大歓迎

やつでお嬢様(h02043)とネコ様の敵を退治っすよ!
まずは追いかけるっすけど、√マスクド・ヒーローではジャンプすれば石切場に移動するのは常識っすよね♪
うんうん、お嬢様の言う通りっすよ。サイコブレイドおじさんも可愛さで立ち向かうべきだったっすね。
うーん、サイコブレイドおじさんの可愛さといえば……ひげとかっすかね?
あっ、ネコ様のひげの可愛さにはやっぱり勝てないっすね。
許されたもなか様からの応援をもらってどかーんと攻撃するっすよ。
お嬢様が石をぽいぽい投げているうちに【爆弾兎の大花火】をチャージ。
石切場のお約束の大爆発っすよ♪ 余った火薬も全部使っちゃえっす!
※アドリブ連携大歓迎
●
「ましろ、行きますよ!」
「はいやつでお嬢様、準備万端っす。とうっ!」
「とうっ」
やつでとましろがとうっとジャンプして着地したそのときには、そこはサイコブレイドのいる石切場だった。
「来たか」
「ふふん、√マスクド・ヒーローではジャンプすれば石切場に移動するのは常識っすよね♪」
「ええ、もちろんです」
やつでとましろはスチャッとポーズを決めて並び立つ。
「猫様の可愛さは確かに兵器、お前が感じた恐怖はやつでも理解しましょう」
「恐怖?」
何故か戸惑うサイコブレイドに、朗々と語るやつでは理解できると同意しながらもきっと眦を鋭くし、まだまだ成長中な細い指をビシッと突きつけた。
「しかし、真にお猫様の可愛さの脅威の前に立つならば、武器ではなく可愛さで立ち向かうべきでした。武器を手にしたその弱さ、やつでが折ってやるのです!」
隣に並んだましろはやつでの言にこくこくと頷いている。
「うんうん、お嬢様の言う通りっすよ。サイコブレイドおじさんも可愛さで立ち向かうべきだったっすね」
「可愛さ……?」
そのままじっとサイコブレイドの佇まいを観察するましろ。しばし見つめたあとふむんと小さく首を傾げてみせた。
「うーん、サイコブレイドおじさんの可愛さといえば……ひげとかっすかね?」
「髭」
成人男性風で三つ目に怪しく発光するライン、異形の手に触手にサングラス、剣に髭とどう見ても不審者や異星人めいた出で立ちのサイコブレイドだ。敢えて可愛い要素を見出すならば、髭というところだろう、とましろは一人で再び頷いた。髭はチャームポイントだと言う人もいるし、リボンを結ぶのもいいかもしれない。
「あっ、ネコ様のひげの可愛さにはやっぱり勝てないっすね」
「にゃーん」
しかしその可愛さは猫のちょんと鎮座する紛れもないチャームポイントのひげには敵うべくもない。ましろの言葉に黒猫のもなかが、猫達がどにゃっと合唱していた。
さて、サイコブレイドの可愛さを見出したとて、、今は猫様達を守らねばならない。やつでもましろも、サイコブレイドと戦う決意はとうに済ませている。
「いきますよましろ! やつでたちをもなか様が! おそらく! 応援してくれるはず!!」
「にゃん!」
任せて、二人ともがんばれーと言うように、もなかはやつでとましろの隣にスチャッと並び、果敢にもサイコブレイドにシャーッと威嚇のポーズを取ってみせた。やんのかやんのか、やるならこの人たちと一緒にもなかもやるぞ、と言わんばかりのステップも踏んでいる。
「くっ」
何故かその応援にサイコブレイドは苦悶の表情を浮かべて剣を持つ手からも力を抜いていた。
やつでもましろもその隙を見逃さない。苦悶の表情を浮かべているのは気になれど、今はもなか達、猫を守ることが一番重要である。もなかのやる気いっぱいの応援に応えるためにも、ぐっと我慢してサイコブレイドを撃退しなくてはいけないのだ。
「これが……可愛さの力です! とーっ!」
猫は可愛い。可愛さを語る時間も彼らの可愛さによってもたらされたものである。故にその間に整えられた攻撃手段だって可愛さの力によるものであると言えよう。
先程から可愛さを語り、可愛さを見出している間にやつでは蜘蛛糸を、彼女から見える範囲で鋭く尖っていたり大きくて重そうだったりする石切場の石にしれっとくっつけていたのだ。それを掛け声と共にぽいぽいサイコブレイドへと投げつけ、ついでに彼を蜘蛛糸で巻いてその動きを阻害してみせる。
その間にましろはうさぐるみ爆弾にインビジブルを詰め込んでいた。
「石切場のお約束の大爆発っすよ♪ 派手に決めてやりますよ、もなか様♪」
「にゃん」
やっちまえ、がんばれ、というようなもなかの応援を受け、ましろはサイコブレイドに近寄ってチャージを終えたうさぐるみ爆弾を投げつけた。
どかーんちゅどーんと盛大な爆発に巻き込まれたサイコブレイドに、ましろは追加の火薬を取り出し投擲する。
「余った火薬も全部使っちゃえっす! ……ぎゃー!?」
「ましろーっ!?」
「にゃーん」
景気良く盛大に連鎖する火薬によって起こった爆風を至近距離で受けてふっとばされ、思わずよろめいて悲鳴を上げるましろに、石切場にやつでの心配げな声、ともなかの大丈夫?という響きの鳴き声が木霊したのだった。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

見つけました!猫さん達を手にかけようなんて許さないんですから!
猫さん達、すぐにお助けしますのでもう暫くの辛抱ですよ!
というか、あなたも本当はこんな事したくないのでは?辛そうなご様子ですし。
事情によってはボク達も其方の解決のお手伝いができれば、と思いますが…
いずれにせよ、ここは戦って決着をつけるしかなさそうですね…!
クリーク・グランツを拳銃の形にし【レーザー射撃】で攻撃します。
攻撃の合間の隙を補う形でベシュス・クーゲルの砲撃で【範囲攻撃】、接近を牽制できればと。
それでも近づかれるなら変幻・不縛の舞を発動、近接攻撃の間合いを外れた上で攻撃を。
光学迷彩は気休め、此方の間合いを保つ立ち回りを徹底です。
●
サイコブレイドを見つけ出したヴァイセノイエは猫達に手を伸ばそうとしている彼に声を上げる。
「見つけました!」
にゃー、みゃー、と威嚇する猫、怯えてぐるぐる威嚇する猫、わかっていなそうな猫様々だけれども、彼らを励ますようにヴァイセノイエは猫達のそばに駆け寄っていく。もちろんサイコブレイドもそばにはいるが、躊躇はせずむしろ猫を庇えるように一気に詰める。そして拳銃の形に変えたクリーク・グランツをサイコブレイドに向けながら、猫達に声をかけた。
「安心してください猫さん達、すぐにお助けしますのでもう暫くの辛抱ですよ!」
「にゃー」
「うみゃん」
ヴァイセノイエに応えるように、助けるという彼女を応援するようにずんだやくろごま、猫達が鳴けばサイコブレイドの顔が苦悶に歪む。それでも彼は退くことなく、ヴァイセノイエへと向き直った。
「邪魔をするなら容赦はしない」
「いいえ、猫さん達を手にかけようなんて許さないんですから!」
そう言いながらもヴァイセノイエは少しだけ、戸惑った様子でサイコブレイドに問いかける。
「というか、あなたも本当はこんな事したくないのでは? 辛そうなご様子ですし」
抹殺すると言う割に猫達への態度はどこか優しい。今だってよもぎがサイコブレイドのブーツを蹴ったりパンチしたりしても優しく手で引き剥がし、そっと追いやるだけなのだ。くろごまがにゃあとヴァイセノイエを応援すれば、ぐっと苦しげな顔をする。
「事情によってはボク達も其方の解決のお手伝いができれば、と思いますが……」
「無理だ」
サイコブレイドは優しさから出たであろうヴァイセノイエの言葉をぴしゃりと跳ね除けた。どんなに言葉を尽くそうともサイコブレイドはヴァイセノイエの提案に乗ることはなく、戦わずして彼を退けることもできないと言うのが伝わってくる硬質な声音だった。
今は、どうあっても無理なのだろう。
「わかりました。未来はわかりませんが……いずれにせよ、ここは戦って決着をつけるしかなさそうですね……!」
ヴァイセノイエは一度後ろへと距離を取り、クリーク・グランツの引き金を弾く。銃口から出たレーザーは一直線にサイコブレイドに向かっていくが、彼はそれを易易と避けてみせた。
彼から距離を離しつつ、ヴァイセノイエはレーザーを撃つ。更にはサイコブレイドを牽制しようとベシュス・クーゲルの魔力砲撃で周囲に牽制を行うが、サイコブレイドの進みは止まらない。少しずつダメージは負っているようだが、ヴァイセノイエへと近づく速度が落ちることはない。その速度は、ヴァイセノイエが離れるよりも速いのだ。
見る間に迫ったサイコブレイドが肩に担いだ剣を下ろして、ヴァイセノイエへの目をその尖先で狙いすます。そのままでは確実に切られていたが、間一髪、変幻・不縛の舞の発動が間に合った。
一気にサイコブレイドの剣の間合いを離れ、クリーク・グランツのレーザーがサイコブレイドを貫いた。そして彼が一瞬目を逸らしたときには、既にヴァイセノイエの姿は消えていたのだ。
ヴァイセノイエは油断なく距離を維持したまま、クリーク・グランツの引き金を弾く。即座にベシュス・クーゲルへと思念を伝え、辺り一帯を砲撃してヴァイセノイエの位置を曖昧にしていく。光学迷彩は気休めだ。
(猫さん達を絶対、連れて帰ります!)
ヴァイセノイエは手を緩めず、最後まで攻撃を続けるのだった。
🔵🔵🔴 成功