Vivere est militare!
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どれだけ苦しくて、どれだけもがいたんだろう
どれだけ悲しくて、どれだけ泣いたんだろう
何度も、何度も
苦しむ度に、悲しむ度に
空はずっと、涙を流すんだ
苦しんだ先に何がある?
悲しんだ先に何がある?
その答えが見つからなくて
どれだけ悩み、叫んだんだろう
涙を流したままじゃ、進めない
苦しんでも、泣いていても、何も変わらない
涙を拭いて、雨の中走り出すんだ
生きて、抗い、戦うんだ
沈黙したままでは、空に羽ばたく翼は得られない
力強く、空高く飛ぶために
例え躓いたとしても、転びそうになっても
心のままに、全力で走り続けるから
空は晴れやかに輝く、明るい未来を照らすために
生きることは戦いだ
生きるために、僕は翼を大きく広げて飛び立つんだ
▽
人のために歌うのは楽しい。
歌うことに誇りを抱く大海原・藍生の歌声は子供とは思えないくらいに力強く、聴いた人全てがその懸命さと力強さに惹かれて息を飲む。
歌い終わると、響き渡るのは拍手ばかり。
「すごく良かった!」「カッコよかった!」「元気になった!」そんな声が嬉しくて、感謝の言葉と共に深々と頭を下げた。
「聴いてくれて、ありがとうございます!」
(喜んでもらえて良かった……)
人のために歌いたいけれど、完璧を求められる事には息苦しさを感じてしまう。藍生の母は元歌手というのもあり、歌に関しての師匠でもあった。だが、そんな母の教育の厳しさが、いつしか完璧に対するプレッシャーになっていた。
(こうやって歌うのは楽しいのに、どうしても──)
オーディションを受けても落選が続いた。自分よりも才能に秀でた妹なら、きっともっと──そう思う日は何度あっただろう。その妹も、三年前に病気でこの世を去ってしまった。あの日の出来事で受けた心の傷は、あまりにも大きかった。
心配してくれる。けれど、期待に応えられない。自分がいなくなればと思わずにいられなかった。
でも、父と話したふたりきりの夜──
当たり前だった両親からの愛情に改めて気付いた。自分がいなくなればという言葉を口にした時、あんなに悲しそうな顔をするなんて思わなかった。
厳しくも、確かに込められた愛情を胸に宿し、藍生は改めて決意する。
「よしっ、もっと頑張らないと」
すぐに無意識の息苦しさは消えないかもしれない。この先も“自分を責める罪悪感が消えず”抱えたまま、立ち止まる日もあるかもしれない。
だとしても、支えてくれる仲間もいる。
歌を聴いて喜んでくれる人がいる。
愛情を注いでくれる家族がいる。
生きるということは、簡単じゃないけれど。
妹みたいに、優れた才能を持っていなかったとしても。
がむしゃらに、一生懸命──未来へ飛び立つための翼を広げて進むと決めたから。
だから、今日も歌う。
いきることは、たたかいだ!
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功