因習村に舞い降りた汎神
●女神は舞い降りる
とある、村がある。
「どうか救いを!」
高齢化の進む、とある村だ。
「我らにどうか救いを!」
彼らは土着の神を信仰し、高齢化の進み、もはや先行きのないこの村を案じてただ祈っていた。
失伝し、姿も既に忘れ去られた神。
故に。
「よかろう。妾の『仔』となるべき汝らに、祝福を与えよう」
そう言って舞い降りた異|世界《√》の神を、彼らは己の信奉する神であると、認識し、ついに祈りが届いたのだと喜んだ。
「おぉ、女神様! どうか我らに救いを!」
●因習村に舞い降りた汎神
「大変、大変だよー」
そう言って、√能力者達に語りかけるのは、星詠みの一人、ヨーキィ・バージニア(|ワルツを踊るマチルダ《ワルチング・マチルダ》・h01869)だ。
「また、ゾディアック・サインから導きを得たの」
星詠みは、ゾディアック・サインから予知を受け取る力がある。此度もまた、何かしらの事件の予兆を掴んだようだ。
「√EDENに、√汎神解剖機関から怪異が侵入してきてるみたいなんだよ!」
√EDENは豊富なインビジブルを持つ。それを狙って他の√から√能力者が侵入してくることは多い。
「怪異の名前は『仔産みの女神『クヴァリフ』』。√汎神解剖機関で怪異を忘却させる『クヴァリフ器官』の名の由来になった、強力な怪異だよ」
その怪異が、√EDENに現れているという。
「それどころか、もう土着の神と習合されて定着しかけちゃってるの!!」
ヨーキィの語るところによると、人口が減る続けている高齢化の進んだとある村で、土着の神を信仰する人々の前に姿を現し、その土着の神『うねうね様』と勘違いされて信仰されてしまっている状況らしい。勿論、『クヴァリフ』は意図的に誤認させている。
「『クヴァリフ』は村人を少しずつ仔にして村を侵食してるんだけど、√EDENの人達は忘れる力が強すぎてそれを認識できないみたい」
このままでは、村一つが滅び、そのまま周辺地域へ侵食が進んでいくことになるだろう。
「信者達は『クヴァリフ』をこっそりと秘密の祭壇に隠してるの。だから、まずは村に行って、その隠れ場所を暴いて欲しいの」
方法は任せるが、直接的に聞いたりしても、判明はしないだろう。とはいえ、信者達は日常的に『クヴァリフ』に接触しているはずで、どこかにその痕跡は残るはずだ。
「『クヴァリフ』は信者達を戦力化してる。探し方が乱暴だと、信者達に襲われることになるだろうね」
勿論、信者達を叩きのめして情報を吐かせるのも悪い手とは言えない。
「信者達を回避して『クヴァリフ』に接触する場合、√EDENで『クヴァリフ』が雇った実働部隊との戦闘になるよ」
どっちにせよ戦闘になるわけだが、前者の方が地の利を活かしての戦闘を仕掛けてくるため、相対的に難易度が上がる可能性が高い。
「どっちの場合でも、最後は『クヴァリフ』との戦闘。撃破して、√EDENからおかえり願っちゃって!」
そう言って、ヨーキィはウィンクした。
「√EDENは絶えず他√からの侵攻に晒されている。これが最後の一回ではきっとないと思う。でも、√EDENを守り続けるは、戦い続けるしかない」
みんな、頑張ろうね。そう言って、ヨーキィは話を締め括った。
マスターより

今度のシナリオは√汎神解剖機関からの侵略者! こんばんは、アモルです。
●第一章
冒険章です。因習村の中に隠された秘密の祭壇を見つけ出しましょう。
●第二章
集団戦章です。詳しい状況は第一章での活躍により分岐しますので、断章をご確認ください。
●第三章
ボス敵章です。祭壇にて崇められる女神を撃破してください。
それでは、頑張っていきましょう!
13
第1章 冒険 『因習村|体験《調査》ツアー!』

POW
祠を壊す
SPD
開かずの扉を開ける
WIZ
村の狂人と接触する
√EDEN 普通7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

◆アドリブ・絡み歓迎
あぁすみません、そこの御方。
この村のお人ですか?おっと、怪しいものではございません。
実はボク、しがない物書きなのですが、偶然ここの土着神のお話を聞いたもので。
ええ、出来れば話の題材にさせてもらおうかと思っておりまして...。(ここまで全部嘘)
良ければ村の案内等、お願いできます?
とりあえず、クヴァリフと関係のありそうな人を選んで接触してみようかな。
上手いこと煽ててこちらに都合のいいように持って行ければ良いのだけれど...。
いやあ、嘘をつくのは心が痛む気がしなくもないけれど、平和の為には仕方ないね()
もし断られたら√能力を使用してインビジブルに聞き込みをしようか。

いのっただけで救ってくれる神様なんて絶対にせものでしょ?うちの√じゃ見たことないし!
・少女分隊で素体を招集して、最近の村の[流行知識]である降臨した神について手分けして[情報収集]
ふつうの√EDENの人なら、何だ君達→近くでキャンプにきた13つ子です!→よし通れ!ってなるはず!
逆に、ん?ってなる人は手がかりを覚えているかも?
ちょっとおかしい人がいるってウワサならみんな話してくれそうだしすぐ見つかるよね。
・村の狂人と接触して、何処に行って何をした時に、何を見て/されて狂気に陥ったのか順番に聞き出す
何を見たのかって話になるとちょっとその人の精神状態が心配だから最後にしましょう。
PCは小5並の漢字力

みな『忘れようとする力』で異常であることを認識できない
怪異はそんな人々を喰らい力を増幅させる
そんな怪異をエネルギー源として奪わんと侵略してくる者
それが『簒奪者』なんでございますね
代々わたくしの家系は怪異だけが脅威とし狩って参りましたが…真の敵こそが『簒奪者』。ええ、分かってますご先祖様方。わたしくは当代の赫月家当主としてお勤めを果たしてゆきます
わたしくは村の狂人に接触を図ってみましょう
こういう方は怪異にふれ正気を失ってしまっている可能性がございます
接触は危険なのは承知
一か八かですが【忘れようとする力】でその狂気が和らぐよう試みます
その後話を丁寧に聞き【第六感】も用いて僅かな情報でも拾い集めます

◎
知らない内に隣人や大切な人が消えていく
それを認識できないのは悲しいけど
「知らない方が良いことも、あるのかもしれないね」
信者とは接触せずに探る形で祭壇を探すよ
神への接触や何かの儀式をするなら夜ってイメージがあるし(偏見)、夜に村の周囲に潜んで村人の動きを観察してみよう
目立たない服で茂みとか樹の上辺りに身を隠し、ゴーグルの暗視で観察
夜に怪しい動きがあれば忍び足で尾行して行き先を探るよ
それなりの広さが必要になるだろうし、広い建物の奥や近くの森とかが候補になるかな
建物の奥などに入るならワイヤーを使い、遊撃で屋根など高い場所に登って観察
見張りなどがいてそれ以上探れないなら発見される前に撤退するよ

アドリブ&連携歓迎
………怪異。
(俺の世界の敵だ。いつも通りに、殺せばいいのかな。聴覚と嗅覚で人のいる場所は分かるから、直接聞いてみたほうが早いかも)
襲ってくる信者達に敢えて接触する。√能力、狂犬の咆哮を使い、致命傷は過剰強化した身体能力で避ける。信者達の弱攻撃は痛覚が無いことを利用し、敢えて受けて全員に言霊がかかるように近づかせる。身体の損傷は√能力、自己修復で身体を造り直し、もとに戻す。
………グルルル。
(普通の人間には使いたくないけど、この人間は敵、だから少しぐらい壊しても大丈夫)
言霊の使用許可が出て、マスクの拘束が緩まる。マスクを外し、言霊を放つ。
動くな……!
全員が言霊で動けなくなったなら、「あんた達の神が、何処にいるか、教えろ」と言霊で強制的に吐かせる。
口を割らないなら、怪力を加えた体術での少しの拷問、言霊「息を止めろ」でじわじわ吐かせる。

なーんか激カワな星詠みが、ヤバい奴がこの土地の神サマとどーのこーのって言ってたが……詳しいことは忘れた!
まぁ、とにかくそのヤバい奴をブッ飛ばせばいいだけだ、|無問題《モーマンタイ》!
とりあえず、この土地の『うねうね様』のことを詳しく調べて、信者のこととかどこに祀られてるか今どうなっているか確認しないとな――はっ、あそこに祠があるじゃねえか! とりあえずお参りして……なむなむ。
もしかしたらこの祠が元々の『うねうね様』をお祀りしているやつか? だったら|守ら《壊さ》ないとな!
あっ、なんか悪霊が祠に憑り付いてるな、これはよくない。
『禍祓大しばき』で悪霊を……って、祠が砕けたァー!!??

アドリブ・連携お任せ
う~ん、こういう捜索は得意な方ではないですが……
まぁ、やれる限りやってみますか……
(√能力を使用。村人信者達に適当な話をしながら目には見えない胞子を撒き散らす植物をこっそり植え付けて回る)
ふにゅ……あとは少し待ってみますか
そうすれば、絶対とは言えないですがある程度場所は絞れるはずです
……待っている間は暇ですしお菓子を食べてましょうか(もきゅもきゅ)
ふみゃ~、美味しいです♪
(お菓子食べたり歌を歌ったりして、しばらく待ってから胞子を辿って特に胞子の集まりが濃い所を探し回って)
ふにゅ……このあたりですかね?
後はバレない様に、このあたりで見張れば更に分かりますかね?

「因習とか土着信仰とか、何と魅力的な響きじゃ…!
これで名探偵とか居ったら最高なんじゃが…!」
サブカル好きとしては、この状況だけで興奮してしまうんじゃが…!
【狂人と接触】
相手は狂信者。普通の会話が難しくとも、共通の話題では通じ合える筈じゃろ。
儂も信仰したいしもっと信仰心深めたい的な感じで…。
何なら、生贄とか貢物とかあるならば。挙手して志願してみるかの。
洗脳とは違うかもじゃが、【トラペゾヘドロンの光】で抵抗力下げてから、
儂の熱意ある入信希望を告げて、一緒にうねうね様に身を捧げよう!とか。
相手が熱狂的なら、こちらも同じ位に狂ってみるのも一興じゃろ。
【連携・アドリブOKです。】

ひとつ訪ねたい
因習とは、何だ
うむ、文化圏や風土で独自の習わしが生まれるのはよくあることだろう
とりあえず村の中を歩いて回る
よそ者は珍しい、か?
土地神、あるいは地母神だったか……それを祀るとすればそれなりにふさわしい場所が必要になるはずだ
それに村を擧げて崇めるなら当然村の責任者も承知しているはずだ
村の長を探しながら村人に情報を訊ねていこう
(メキリ)
こんにちは。俺は仕事でこの村の責任者を探している
扉?
壊していない。開けようとしたら壊れただけだ
情報収集のためなら彼らの風習にはなるべく応えよう。例えば食えと言われれば生肉であろうと食う。やれと言われれば出来ることはやる。問題ない
抵抗・攻撃されたら不意打ちなどの技能で反撃し無力化
村人の傷は記憶もろとも忘れようとする力でどうにかする。問題ない
仕事とは関係ないが疑問がある
村に不満があるなら出ていけばいいだろう
それに、うねうね様とやらをお前たちは今までに見たことがあったのか?
不明な存在に縋ってまでひとところに留まるほど、この村は魅力があるようには見えないが
土着信仰『うねうね様』が根付く村。そこに何人かの√能力者が訪れる。
「因習とか土着信仰とか、何と魅力的な響きじゃ……! これで名探偵とか居ったら最高なんじゃが……!」
サブカル好きとしては、この状況だけで興奮してしまうんじゃが……! と呟きながら、最初に村に到着したのは、少女の姿をした人間災厄「|穢れに満ちた金杯《マザーハーロット》」、西院・由良(趣味人・h02099)だ。
「ひとつ訪ねたい。因習とは、何だ」
その言葉に反応したのは未知の√より採取された細胞から造られたデザインソルジャー故にやや世間知らずはイ・ヨハン(人間(√EDEN)の職業暗殺者・h00988)だ。
由良の告げた「因習」という言葉が気になった様子だ。
「ん? んー、古くから伝わりのことじゃな、中でも弊害を生むしきたりのことじゃな」
しばし悩んでから、由良は応える。ほぼ辞書通りの文字通りの因習の意味である。
「なるほど。だが、文化圏や風土で独自の習わしが生まれるのはよくあることだろう?」
なぜわざわざ、因習、などと言うのだ、とヨハンは問いを重ねる。
「それは逆じゃろう。よくあることだからこそ、名前がつくのではないか?」
と言う由良の回答にヨハンはそう言うものか、と頷く。
「とりあえず村の中を歩いて回るか」
ヨハンは気を取り直して、歩き始める。
「いのっただけで救ってくれる神様なんて絶対にせものでしょ? うちの√じゃ見たことないし!」
そこにそう言いながら、現れる|十《・》|三《・》|人《・》|の《・》|少《・》|女《・》は川西・エミリー(|晴空に響き渡る歌劇《フォーミダブル・レヴュー》・h04862)とそのバックアップ素体達。√ウォーゾーン出身の|二式飛行艇《H8K》の性能を具現化した|少女人形《レプリノイド》だ。
「よし、全員、手分けして村の降臨した神について情報収集しましょう!」
エミリー本体がそう言うと、エミリーのバックアップ素体達が頷き、村に散っていく。
「そ、そんなに大勢で押しかけて大丈夫でございましょうか?」
その様子に思わずそう声をかけるのは古くから続く『怪異』を滅する暗殺稼業の家系、赫月家の娘、赫月・いろ葉(赫い宵告げ鳥・h05305)だ。
「大丈夫大丈夫。ふつうの√EDENの人なら、『何だ君達』『近くでキャンプにきた13つ子です!』『よし通れ!』ってなるはず!」
√EDENの人間が持つ忘れようとする力を過信したようなエミリーの言葉に、そうでございますか、といろ葉が頷く。
「とはいえ、みな『忘れようとする力』で異常であることを認識できないのは事実。怪異はそんな人々を喰らい力を増幅させる。
そんな怪異をエネルギー源として奪わんと侵略してくる者。それが『簒奪者』なんでございますね」
そう呟くいろ葉。
「代々わたくしの家系は怪異だけが脅威とし狩って参りましたが……真の敵こそが『簒奪者』。ええ、分かってますご先祖様方。わたしくは当代の赫月家当主としてお勤めを果たしてゆきます」
覚悟を決めて、いろ葉も歩き出す。
(知らない内に隣人や大切な人が消えていく。それを認識できないのは悲しいけど)
その様子を見て、√EDENの忘れようとする力について考えるのは√ウォーゾーンの兵士養成学園に所属している学徒動員兵、クラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)。
「知らない方が良いことも、あるのかもしれないね」
彼はそう呟く。√ウォーゾーンの過酷な環境で家族を失い天涯孤独の身であり、希望を欠落したクラウスにとってはこのような評価になった。
「俺は信者や村の人とは接触せずに祭壇を探すことにするよ」
そう周囲の√能力者に告げ、クラウスは目立たない服で木の上へと登り始める。
「あ、それなら、わたしのバックアップ素体を一人つけましょう。そうしたら連携が取りやすいはずです」
そんなクラウスにエミリーが提案する。
かくして、クラウスはエミリーのバックアップ素体と共に、木の上に身を隠し、『使い古したゴーグル』などを用いて、周囲を警戒することとなった。
「偏見だけど、神への接触や何かの儀式をするなら夜ってイメージがあるし、夜に村の周囲に潜んで村人の動きを観察してみよう」
「了解です」
そう言って、昼は様子見程度に止め、本番は夜のつもりでクラウスは待機する。エミリーのバックアップ素体もそれに頷く。
「うん? あれは……」
そこで、一人妙な動きをしている√能力者がいる事に気付く。
「なーんか激カワな星詠みが、ヤバい奴がこの土地の神サマとどーのこーのって言ってたが……詳しいことは忘れた!」
そう呟きながら村をぶらぶら歩いているのは人間の「祠は壊すもの」という意思が集合して完成してしまった人間厄災「祠クラッシャー」たる青年、陰地・道祖土(俺に|守れない《壊せない》祠はない!・h04222)だ。
「とりあえず、この土地の『うねうね様』のことを詳しく調べて、信者のこととかどこに祀られてるか今どうなっているか確認しないとな」
そう言いながらひたすら村をぶらぶら歩く。特に目的地はない。
だが、彼の性質がそうさせるのだろうか、彼は気がつけばある場所に辿り着いていた。
「――はっ、あそこに祠があるじゃねえか!」
そう、祠である。
「とりあえずお参りして……なむなむ」
見る人が見れば主に神を祀るものである祠に仏教式のお参りをして良いのか、疑問を覚えそうなお参りをしながら、道祖土は考える。
「もしかしたらこの祠が元々の『うねうね様』をお祀りしているやつか? だったら|守ら《壊さ》ないとな!」
そう言って、取り出されるは彼の愛用武器、卒塔婆|格闘者《エアガイツ》の本領、『卒塔婆』である。
「あっ、なんか悪霊が祠に憑り付いてるな、これはよくない」
そして、その祠の周囲には邪悪なインビジブルが漂っていた。邪悪なインビジブルは簒奪者に力を与えてしまうとされる。事前に排除しておくに越したことはない。
「『禍祓大しばき』で悪霊を……」
鋭い『卒塔婆』の一撃が邪悪なインビジブルに……命中せず、1.5倍ダメージを与え損なうばかりか、外れた時の効果により、周囲一帯が載霊無法地帯へと変化する。
そして、祠の周囲にそれを発動したと言うことは。
「……って、祠が砕けたァー!!??」
と言う道祖土の言葉が響き渡った。
「あぁすみません、そこの御方。この村のお人ですか? おっと、怪しいものではございません」
その頃、地道に声をかけて回っているのが珍しい「絡新婦」の男形、八雲・綴(遊糸・h03212)だ。
「実はボク、しがない物書きなのですが、偶然ここの土着神のお話を聞いたもので。ええ、出来れば話の題材にさせてもらおうかと思っておりまして……」
嘘である。
「良ければ村の案内等、お願いできます?」
そう言って優しい微笑みを浮かべる綴に向かって、村人に声をかけるが。
「怪しい余所者め、『うねうね様』について話すことなど何もない」
「え、怪しい? 酷いなあ。ボクはこんなにも優しいのに」
あまりに取り付く島もなく、うまくいってはいない。
「なかなか難しいねぇ。それにしても、いやあ、嘘をつくのは心が痛む気がしなくもないけれど、平和の為には仕方ないね」
そう言って、優しく、と言うよりは怪しく、綴は笑う。
「いえ、そうやって率先して話しかけて言っていただけると助かります」
自分はこういう捜索は得意な方ではないので、と雑な丁寧語で綴を励ますのは複数の異世界同位体を持つ人間厄災「万理喰い」、神咲・七十(本日も迷子?の狂食姫・h00549)だ。
すぐ慣れるとはいえ、初対面の人間にはメッセージボードを必要とするほどの人見知りである七十にとってはこの手の捜索は苦手とするところだったのである。
「なら、なんでこうやってついてきてるんですか? クラウスさんとかと一緒に様子見することも出来たのに」
と、綴と七十についてきていたエミリーのバックアップ素体が問いかける。
「ちょっと考えがありましてね」
そう言って、七十は笑う。
実は、七十は√能力を使っていた。√能力『万花変生』。未知の植物が住む、体内にある異界から目には見えない胞子を撒き散らす植物を想像し、植え付けていたのだ。
「胞子の分布を見れば、絶対とは言えないですがある程度場所は絞れるはずです」
そう言って七十は自分の考えを告げた。
「結構ばら撒きましたし、ふにゅ……あとは少し待ってみますか。……待っている間は暇ですしお菓子を食べてましょうか」
そう言ってお菓子を取り出す。
「あ、わたしも食べたい」
とエミリーのバックアップ素体が言い出し、二人はお菓子を食べながら、待つ事にした。
「ふみゃ~、美味しいです♪」
「ふむ、ならボクは√能力を使用してインビジブルに聞き込みをしようか」
その様子を見た綴は√能力『|ネタ探し《ナニカナイカナ》』を発動、視界内のインビジブルの輪郭を糸でなぞる事で、インビジブルを糸人形のような姿に変え、知性を獲得する。
「やあ、少し話を聞いても?」
糸人形の姿をしたインビジブルに綴は『うねうね様』やこの村について尋ねる。
得られた情報は多くなかった。恐らく、『仔産みの女神『クヴァリフ』』の被害者は『クヴァリフ』に取り込まれているため、インビジブルになっていないのだろう。
「私はここにたまたま訪れたバックパッカーなのですが、妙なタコのような海産物を食べさせられて、そして死んでしまったんです。そして、彼らは言っていました。『適応しなかったか』、と」
タコのような海産物。この山奥に? と綴は首を傾げる。
それはもしかして、『クヴァリフ』の持つと言う触手の一部ではないだろうか。それがこの村で手に入るなら、それを手掛かりに居場所を突き止められるかもしれない。
その頃、エミリーの本体といろ葉は狂気にかられた人間に声をかける事にした。
狂気に駆られていると言うことは怪異に触れている可能性が高いと言うこと。
つまり、有益な情報を得られる可能性が高いと言うことだ。
「来る! 『うねうね様』が来る!!」
「うーん、何処に行って何をした時に、何を見て、されて狂気に陥ったのか聞きたいですけど、会話が成立しそうにないですね」
その様子にエミリーが肩をすくめる。
「えぇ、こういう方は怪異にふれ正気を失ってしまっている可能性がございます。接触は危険なのは承知」
エミリーの言葉にいろ葉が頷く。
「一か八かですが……」
そう言って、いろ葉が√能力を発動する。周囲の人々の忘れようとする力が増幅される。
「あ、あ……」
狂人の宙を彷徨う目線が僅かに二人に向く。
「どうですか? 何か話せそうですか?」
「あ、あぁ。ワシは何を怯えていたんだろう」
「完全に忘れる前に何か見たことを教えてください」
エミリーといろ葉が意識を僅かに取り戻したらしい狂人に声をかける。
「そ、そうだ。ワシは、ワシの妻が、『うねうね様』に……!」
「! それ、それどこですか?」
「どこかの洞窟じゃ、もうどこかは思い出せんが……」
「忘れようとする力が効きすぎましたか……」
「じゃが、一つだけ覚えておる。祠の裏にスイッチがあって、それを押すと洞窟の入り口が現れるんじゃ」
「!」
それは重要な情報だ。
「他には? 他にはないですか?」
「ん? 何がじゃ?」
そこにいたのはもう狂人ではなかった。狂う要員を忘れた一人の男だった。
「すまんが、一人にしてくれんか。妻を失った喪に服したいんじゃ」
これ以上の情報は得られなさそうだ。
その頃。
メキリ、と言う音がなって扉が破壊される。
「こんにちは。俺は仕事でこの村の責任者を探している」
そういって家に押し入るのはヨハンだ。
「村長は私だが……、あ、あんた、扉を……」
「扉? 壊していない。開けようとしたら壊れただけだ」
「そ、そうか。壊れかけてたのかな」
違和感と忘れようとする力がせめぎ合う様子の村長。
「そんなことより、ここには『うねうね様』と言う神様がいると聞いたのじゃ。儂も信仰したいしもっと信仰心深めたいのじゃ! 一緒に『うねうね様』に身を捧げよう!」
念のため昏き光を放って洗脳に対する抵抗力を減衰させながら、由良が話しかける。
「ほう、『うねうね様』を信仰したいとは。感心な若者ですな」
それが効いたのか、綴に対する対応と違い、村長は由良の言葉を信じた。
(若者ではないが黙っておこうかの)
「まぁ、そう言うことでしたら、食事でもしながら、どうですか」
出されたのはタコのような海産物。
「これ、さっき綴さんが聞き出したやつです」
同行していたエミリーのバックアップ素体が言う。
(情報収集のためなら彼らの風習にはなるべく応えよう。例えば食えと言われれば生肉であろうと食う。やれと言われれば出来ることはやる。問題ない)
そう考え、早速ヨハンが口に含む。こっそりと後で何かに使えるように部位の一部を採取しながら。
(これで、最低限の仕事はしたか。なら)
「ところで、仕事とは関係ないが疑問がある」
ヨハンが食事しながら口を開く。
「村に不満があるなら出ていけばいいだろう。それに、『うねうね様』とやらをお前たちは今までに見たことがあったのか? 不明な存在に縋ってまでひとところに留まるほど、この村は魅力があるようには見えないが」
「なんじゃと! ここに住んでもおらぬお前達に何が分かる! ワシらにはここしかないんじゃ。ここを離れるなどとんでもない!」
「分からないな。何をそんなに怒る?」
ヨハンの言葉に村長の怒りのボルテージが上がるが、そこに一人の男が入ってくる。
「すみませーん、北にある祠壊しちゃったんですけどー」
道祖土である。
「お前! あの祠壊したんかーーーーー!!」
やはり貴様ら信用ならん! と村長が叫ぶと同時、周囲に斧槍を持った黒いフードの男達が飛び出す。
「………怪異」
その頃、自慢の嗅覚を生かして一人怪異を探している人間災厄がいた。
首輪から見えるほどの火傷の跡と口につけたマスクが特徴的な彼はコウガミ・ルカ(人間災厄「麻薬犬」・h03932)。
(俺の世界の敵だ。いつも通りに、殺せばいいのかな)
そんなことを考えながら嗅覚で怪異を探す。
そんな中、そより、と怪異の匂いがする。鍵ぎ馴れた怪異『狂信者達』の匂いだ。
「………グルルル」
ルカが駆け出す。見ればある家で四人の√能力者(一人はバックアップ素体だが)が『狂信者達』に包囲されている。
言霊の使用許可がおり、マスクの拘束が緩まる。
(普通の人間には使いたくないけど、この人間は敵、だから少しぐらい壊しても大丈夫)
「動くな……!」
家に飛び込み、言霊を放つ。
村長と『狂信者達』が動きを止める。
「あんた達の神が、何処にいるか、教えろ」
再び言霊を放つ。
すぐには口を割らず、「息を止めろ」と体術での拷問を交えた末、村長は言った。
「北にある、洞窟の奥だ……」
村長はまだ余裕そうな表情をしている。
「洞窟の隠し方についての情報は本体が得ています。北へ行きましょう」
そうエミリーのバックアップ素体が言う。
村長は驚いた顔をしているが、もう遅い。
そんなことをしている間に時間は夜。
クラウスは怪しげな動きをしている村人達に気付いた。
「あの建物に集まっている? 何かを隠しているな」
ワイヤーを使い建物の上に飛び移ってクラウスが部屋の中を探る。
「武器が隠されていたのか」
「あの斧槍、村長の元に現れた狂信者が持っていたのと同じものです」
エミリーのバックアップ素体が告げる。
「なら、この建物は閉鎖してしまおう。敵の増援を多少阻めるはずだ」
そう言って、クラウスとエミリーのバックアップ素体は工作を始める。
その頃、七十もある情報を得ていた。
「洞窟の中にいる村人の配置的に、中身は複雑なようです」
胞子の分布を探ることで洞窟の中を出入りした村人の軌跡がわかったのだ。
「ですが、大きな部屋は奥の一部屋だけ。一直線にここを目指しましょう」
洞窟の構造も目的地も分かった。
敵の地の利はそのかなりが失われたと見ていいだろう。
そして、√能力者は北の洞窟に集う。
「あ、回路が剥き出しになってる」
道祖土が壊した祠がスイッチのある祠だったらしい。
√能力者達は祠の回路をいじって通電させ、洞窟の入り口を露出させる。
いよいよ、『クヴァリフ』の待つ洞窟に突入だ。
中には『狂信者達』がひしめいているだろうが、全て排除するまでのこと。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第2章 集団戦 『狂信者達』

POW
狂信の斧槍
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【狂信の斧槍】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【怪異への狂信により得た魔力】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【狂信の斧槍】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【怪異への狂信により得た魔力】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
SPD
狂信の旗印
事前に招集しておいた12体の【狂信者達】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[狂信者達]全員の反応速度が半減する。
事前に招集しておいた12体の【狂信者達】(レベルは自身の半分)を指揮する。ただし帰投させるまで、自身と[狂信者達]全員の反応速度が半減する。
WIZ
狂信の炎
【教主】から承認が下りた場合のみ、現場に【魔力砲『信仰の炎』】が輸送される。発動には複数の√能力者が必要となる代わり、直線上の全員に「発動人数×2倍(最大18倍)」のダメージを与える。
【教主】から承認が下りた場合のみ、現場に【魔力砲『信仰の炎』】が輸送される。発動には複数の√能力者が必要となる代わり、直線上の全員に「発動人数×2倍(最大18倍)」のダメージを与える。
√汎神解剖機関 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
つい√能力者達は洞窟に突入した。
この奥の祭壇に『仔産みの女神『クヴァリフ』』は待つ。
洞窟は複雑な構造をしているようだが、その構造は√能力者達の活躍により既に判明している。
あとは、この洞窟を駆け抜け、進むだけだ。
『狂信者達』は全滅させる必要はない。道を塞ぐものだけを排除し、『クヴァリフ』の待つ祭壇へ急ごう。

メリーさんのアモルマスターにおまかせします。かっこいい継萩・サルトゥーラをお願いします!
アドリブ歓迎。
「やったろうじゃないの!」
「焦んなや、楽しいのはこれからだ」
√能力は指定した物をどれでも使用ます。
戦うことが好きで好きで楽しく、戦闘知識や勘を活かしてハデに行動します。
楽しいからこそ冷静でいられる面もあります。
多少の怪我は気にせず積極的に行動しますがヤバいときは流石に自重します。
仲間との連携も行えます。
軽口を叩いたりやんわりと皮肉を言ったりしますが、他の√能力者に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!

アドリブ&連携歓迎
……グルルル。
(洞窟だから、俺の怪力で崩れるのは避けないと。あまり大きく動き過ぎると仲間が危ないかも)
無駄な動きを減らして、ナイフや体術を使ったカウンターメインで戦う。√能力、自己修復を使って怪力を加えたカウンターと身体の損傷の修復を両立させる。
(痛覚は無いけど、腕とか足が使い物にならないのは避けたいし、身体の修復はしておいた方が良いな)
攻撃を受けては身体を修復し、受けては修復を繰り返す。
……痛み、無い。まだ、やる?
(何処を切り落とされても、貫かれても、痛みも無いし、また造り直せば良い。俺は人間の形をしてるだけだから)
強攻撃は嗅覚と聴覚で察知してかわし、カウンター。

アドリブその他諸々歓迎
援軍に来たよ。
……この奥に向かって突き進めばいいんだね。
大丈夫駆け抜けるのは得意だよ。……行こう。
道中にいて邪魔になる相手だけ【 エレメンタルバレット『雷霆万鈞』】で《月霊刃銃》にて発射するよ。
邪魔をしないでくれると嬉しいけどそういうわけにはいかないよね。仕方ないから打つよ。
立ちふさがるんだから排除される可能性まで見てるってことだよね。
僕はそう思ってるよ。……じゃあ、そこ、通してね!

◎
「悪いね、構っている暇は無いんだ」
目標が居る場所が判っている以上、必要以上に信者を相手にする必要は無い
一気に駆け抜けよう
ダッシュで祭壇までの最短距離を走って移動
狂信者に遭遇したら電撃鞭でのマヒ攻撃や警棒での武器落とし、喧嘩殺法での蹴りなどを用いて無力化
狂信の旗印で集まった狂信者達には紫電の弾丸を撃ち込んで纏めて攻撃
攻撃する時は殺さないように細心の注意を払うよ
相手からの攻撃は見切りで回避
対処できないくらい大量の信者が出てきた場合は紫電の弾丸で怯ませて、多少の負傷は顧みず強引に走り抜けるよ
早くクヴァリフの元に辿り着いてお帰りいただこう
狂わされた村人達のためにも、ね

この奥に祭壇があるんだっけ?で、その道を塞いでるのが彼ら、と。
道を開けてくれなんて言っても聞いてくれないだろうし、仕方ないけど無理やりにでも道を開けさせてもらおうか。
√能力「千夜八千夜物語」の必中効果を利用して迅速に道を塞いでる人を倒すことに注力しようかな。その後も応援が来たり道をすぐ塞がれたら困るし、他の人達を先に行かせてギリギリまで彼らのお相手をしようか。皆サンはお先にどうぞ。すぐ後に続くから、ボクのことはお気になさらず。
まあ、倒しきれると嬉しいけれど、それは二の次かな。そんなことより奥の女神サマをどうにかしたいしね。

祠の先にまた祠……は流石にねえか。
しっかしめちゃヤバな奴らがいっぱいいるな。
オレはこっそり進むなんて芸当は苦手だが、これだけ沢山いると流石のオレも骨が折れるかもしれねえ……。それでもブッ飛ばすのがオレのスタイル!
『禍祓大しばき』で卒塔婆をブン回して『狂信者達』をぶちのめしていくぜ!
外れても載霊無法地帯で成功率が落ちるなら|無問題《モーマンタイ》!
あぁ? 味方が載霊無法地帯に巻き込まれたらどうするかって? 知るか、んなもん適当にかわしてくれるだろ、オレはただブン回すだけだ!
これだけ暴れたら恐怖を与えることもできるだろうしオレの卒塔婆は霊力攻撃! 当たれば痛いし怖いぞ?

・分隊は帰投させました、ハッキリ言ってこの闘いにはついてこれそうもない(キリッ)
移動しながらレーダーでなんやかんや[情報収集]して敵の位置を探る
侵攻ルート上で敵がいることが分かれば20mm機銃でドア・遮蔽物越しに[貫通攻撃]
味方に先制攻撃しようとする敵がいれば[牽制射撃]
・ここはわたしにまかせて先に行け!って言いたかっただけ
分かれ道で侵攻ルートの反対から敵が来た場合は機銃での[制圧射撃]と[レーザー射撃]を駆使して持ち前の[継戦能力]で敵を足止め
教主に連絡する敵を見つけたら[念動力]で邪魔する
魔力砲が輸送されてきたら撃たれる前に[特攻]しながら準備して魔力砲を中心に決戦気象兵器「レイン」で攻撃

アドリブ・連携お任せ
ふにゅ……感じ的に強行突破、ですかね?
では、行きましょうか……この後も考えてそこそこに頑張って
(√能力を使用。再生力を盾に突撃、浸食大鎌『エルデ』を狂信者達に振るいながら突破をはかる)
ふみゅ……突破した後のアフターケア?も必要ですかね?
んぅ……間食もして繋ぎもしましょうか
(切り裂いた狂信者達の血肉を喰らって、隷属培養を行い隷属者を生み出してそれらを狂信者達に差し向けて後ろからの追撃を阻止させる)
ふみゃ~、どちらの意味でもメインに備えてそこそこにしないといけないですからあまりしつこく来ないでくださいね
(そう言いながら、エルデの攻撃と隷属者の追加を繰り返して突破しようとして)

さてさて、此処までは順調じゃな。重畳、重畳。
――隠された洞窟の奥に居る敵に迫るなど、探偵小説そのものになってきたのぉ。
しかし、儂は主役に向かんし。なんなら頑張ってる者を傍から眺めたり状況を楽しむ為にも主人公や名探偵役は他に譲って、優秀な助手役にまわろうかの。寧ろ、サブキャラの方が人気が出たりしてスピンオフになったりするのが、昨今の流行りじゃしな!
自分の嗜好を満たすのを優先しつつ。味方のフォロー。先陣切る面子を狙ってくる敵を優先して攻撃。√能力の必中効果を利用して、手足を狙い隙を生む為の行動に集中。
生じた隙で味方が敵を薙ぎ払う姿に満ち足りた表情を浮かべます。
【連携・アドリブOKです。】

先に伝えておこう
道を塞いだ者は殺す
サージカルプロトコルを発動し、そのまま道なりに洞窟を進んでいく
攻撃に動いた狂信者達を、距離に応じた適正な武器で先制攻撃し、撃ち抜き斬り捨てる
隠密状態に入ったら、道を先行して他メンバーのために待ち伏せなどを先んじて討つ
問題ない、全員死んだぞ
本当は忠告する必要もなく視界に映った者は排除するつもりであるが、威嚇で退いてくれれば儲けもの程度に考えている
命乞いは無意味であり、やらされているだけ等の意思の有無も関係ない。クヴァリフの討伐が目標であり、人命救助は仕事ではない為
他のメンバーが止める意向なら止まる。嘘で油断させていたなど、場合によっては止めても止まらぬ状況もあり
洞窟を進む√能力者達。
その先陣を切るのはコウガミ・ルカ(人間災厄「麻薬犬」・h03932)だ。
優れた嗅覚を持つ「麻薬犬」の人間災厄である彼は、√能力者達の活躍により存在の情報を入手し、実際に手に入れることに成功した『仔産みの女神『クヴァリフ』』の一部と思われる触手の匂いを辿って奥への道を進む事が出来た。
「さてさて、此処までは順調じゃな。重畳、重畳」
順調に進めているのを嬉しそうに西院・由良(趣味人・h02099)が頷く。
「祠の先にまた祠……は流石にねえか。しっかしめちゃヤバな奴らがいっぱいいるな」
陰地・道祖土(俺に|守れない《壊せない》祠はない!・h04222)がそう呟くと同時、道を塞ぐように黒いフードの何者かが立ち塞がる。『クヴァリフ』により怪異と化した村人達、『狂信者達』だ。
「――隠された洞窟の奥に居る敵に迫るなど、探偵小説そのものになってきたのぉ」
その様子に由良は楽しそうに笑う。
「しかし、儂は主役に向かんし。なんなら頑張ってる者を傍から眺めたり状況を楽しむ為にも主人公や名探偵役は他に譲って、優秀な助手役にまわろうかの。寧ろ、サブキャラの方が人気が出たりしてスピンオフになったりするのが、昨今の流行りじゃしな!」
そう言って笑う由良は敵地のど真ん中にいるとはまるで思えない様子だ。
「先に伝えておこう。道を塞いだ者は殺す」
そう言って、目前の『狂信者達』に警告を発するのはイ・ヨハン(人間(√EDEN)の職業暗殺者・h00988)だ。本当は警告など飛ばす必要はなく、さっさと視界に映った者から排除していきたいつもりであるが、まぁ威嚇で退いてくれれば儲けものだろう、と言う程度のつもりだ。
当然、既に怪異となり、『クヴァリフ』の傀儡に等しき彼らに警告など意味を為すはずもない。
『狂信者達』は無言で、武器を構える。
「ふにゅ……感じ的に強行突破、ですかね? では、行きましょうか……この後も考えてそこそこに頑張って」
そう言って、黒に赤の意匠の入った大鎌『浸食大鎌『エルデ』』を構えるのは神咲・七十(本日も迷子?の狂食姫・h00549)だ。
「この奥に祭壇があるんだっけ? で、その道を塞いでるのが彼ら、と」
そんな状況であえて物腰柔らかに、そう状況を確認するのは八雲・綴(遊糸・h03212)だ。
「道を開けてくれなんて言っても聞いてくれないようだし、仕方ないけど無理やりにでも道を開けさせてもらおうか」
そう言って、綴は全て蜘蛛糸製の本『奇書『蜘蛛の|絲《イト》』』を構える。
「悪いね、構っている暇は無いんだ」
『小型拳銃』を抜きながらそう宣言するのはクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)だ。
「目標が居る場所が判っている以上、必要以上に信者を相手にする必要は無い。一気に駆け抜けよう」
と言うクラウスの言葉に否と告げるものなどいない。
一斉に√能力者達が駆け出す。
先陣を切ったのはヨハン。
当然、『狂信者達』による攻撃の対象に晒される。
「脅威排除」
小さく呟くとヨハンは腕のスナップで腕に仕込まれたカランビットナイフ『ハブMW176』を手元に引き寄せ、その射程まで一気に跳躍、その首筋に突き立てる。
その完了と同時にボイドを纏って姿を隠す。
√能力『サージカルプロトコル』だ。
隠密状態になったヨハンはそのまま奥へと進む。
それより、一気に距離を詰められ、味方がやられた上、奥へと進まれたらしいことに『狂信者達』の間に動揺が生まれる。
「……グルルル」
その隙を逃さず、一気にルカが『狂信者達』に向けて肉薄する。
(洞窟だから、俺の怪力で崩れるのは避けないと。あまり大きく動き過ぎると仲間が危ないかも)
そう考え、ナイフを持って最小限の動きで『狂信者達』へと攻撃を仕掛ける。
やや遅れて、七十も『浸食大鎌『エルデ』』を持って『狂信者達』に向けて振るう。
当然突出した二人は無数の『狂信者達』からの攻撃に晒されてしまう。
が、どちらもそれに対して対策として、それぞれ√能力も発動していた。
(痛覚は無いけど、腕とか足が使い物にならないのは避けたいし、身体の修復はしておいた方が良いな)
ルカの√能力は『自己修復』。攻撃されてから三秒以内にカウンターを仕掛け命中させる事で、ダメージを全回復させるものだ。
「んぅ……私もやりましょうか」
七十の√能力は『|我隷我喰《ガレイガガ》』。未知の植物を操り幾つかの能力を得るものだ。そのうち一つが瞬間再生能力。
こうして、二人の√能力者は実質的にダメージを負う事なく確実に敵の数を減らし、突破口を作っていく。
だが、敵はまだ数を増やしている。
「獣を見た」
その裏で、由良が何かを語り始めていた。
それを危険と判断した『狂信者達』が一斉に、由良に向かって駆け出す。
「させないよ」
当然、それを黙って許す理由はない。
クラウスが『小型拳銃』を構え、√能力を起動する。
銃を構え、冷静に狙いを定め、放たれるは雷属性の弾丸。
周囲の敵を感電させ、その接近を阻む。
「その獣は、昔はいたが、今はおらず、」
と、同時、√能力者達の背後から新たな『狂信者達』が飛び出してくる。
川西・エミリー(|晴空に響き渡る歌劇《フォーミダブル・レヴュー》・h04862)が『三式空六号無線電信機・改』で敵の接近を検知し、『九九式二〇粍三号機銃』で迎撃するが、敵の数が多く殲滅するには至らない。
「援軍に来たよ」
だが、そこに新たに姿を現した√能力者が己のメイン武器である物凄いでかいガンブレード『月霊刃銃』を構え、√能力を発動する。
「立ちふさがるんだから排除される可能性まで見てるってことだよね。僕はそう思ってるよ。……じゃあ、そこ、通してね!」
放たれるのはクラウスのそれと同じ雷属性の弾丸。
だが少しだけ結果が違う。感電ではなく爆発によるダメージが『狂信者達』を吹き飛ばす。
そうして、吹き飛んだ『狂信者達』の間から現れたのはゴスロリ系軍服を身に纏った可愛らしい男の子、十六夜・宵(思うがままに生きる・h00457)だ。
「そして、やがて底知れぬ所から上ってきて、ついには滅びに至るものである」
由良の語りが終わる。
同時、√能力『|黙示録「七つの頭と十本の角持つ獣」 《セプテム・モンテス》』が発動し、周囲一帯が終末空間へと変わっていく。
「さぁ、助手役のお出ましじゃ」
終末空間の内部では攻撃が必ず命中する。
あえて由良は手足を狙い、『狂信者達』の隙を作り出していく。
「無事に使えてよかったわい。というか、おぬし、さっきは十三つ子じゃなかったか?」
そこでふと、由良は気になったことをエミリーに問いかける。
「分隊は帰投させました、ハッキリ言ってこの闘いにはついてこれそうもない」
キリッとした顔で、エミリーが答える。
「そ、そうか」
それが少年漫画のパロディであることを理解した由良は苦笑する。
「ブッ飛ばすのがオレのスタイル! オレの卒塔婆は霊力攻撃! 当たれば痛いし怖いぞ?」
手足を奪われ隙だらけの敵に向かい、道祖土が『卒塔婆』を手に、一気に飛び出す。
発動するのは卒塔婆|格闘者《エアガイツ》たる彼の本領発揮。卒塔婆による近接攻撃を仕掛ける√能力『禍祓大しばき』だ。
先ほどは外して祠を破壊した一撃だが、祠もないのであれば失敗する理由はない。
卒塔婆による薙ぎ払いが隙だらけの進路を塞ぐ『狂信者達』に命中し、一気に薙ぎ払われていく。
「あぁ、最高じゃ」
その様子にご満悦と言った表情を浮かべる由良。
「……この奥に向かって突き進めばいいんだね。大丈夫駆け抜けるのは得意だよ。……行こう」
「あぁ、早くクヴァリフの元に辿り着いてお帰りいただこう。狂わされた村人達のためにも、ね」
そう言って、ルカと七十が先導するの従い、宵とクラウスが駆け出す。由良と道祖土もそれに続く。
こうして√能力者は奥へと進み始めた。
「問題ない、全員死んだぞ」
奥への道でブッシュしていた『狂信者達』は隠密状態になっていたヨハンが既に排除している。後は本当に進むだけだ。
だが、後方から『狂信者達』が迫ってきている。
「ここはわたしにまかせて先に行け!」
とエミリーが『九九式二〇粍三号機銃』で制圧射撃し、敵の接近を阻みながら、堂々と宣言する。
「それ、言いたいだけじゃろ!」
サブカル界で有名なセリフであることを知る由良からツッコミを受けるが、誰かしらが足止めする必要があるのも事実。
「ふみゅ……突破した後のアフターケア? も必要ですかね? んぅ……間食もして繋ぎもしましょうか」
七十がそこで√能力に秘められた力を発動する。
先ほどまでの間に撃破した『狂信者達』の血肉を食らい、隷属培養能力を発動、隷属者を生み出して、背後から迫る『狂信者達』に差し向ける。
「足止めなら任せて。終わらぬ夜をキミに語ろう」
エミリーと隷属者達が戦闘している間に、綴が幾千夜の物語を語る。
出入り口のない応接間へと周囲の風景が変わる。
√能力『|千夜八千夜物語《ニゲバナシ》』だ。ルビの意味が「逃げ話」なのか「逃げ場無し」なのかは語り手のみぞ知る。
「皆サンはお先にどうぞ。すぐ後に続くから、ボクらのことはお気になさらず」
綴は『奇書『蜘蛛の|絲《イト》』』の頁の糸を刃として使い、必中攻撃を繰り出し、エミリーや隷属者と共に足止めを開始する。
(まあ、倒しきれると嬉しいけれど、それは二の次かな。そんなことより奥の女神サマをどうにかしたいしね)
敵の数は多い。簡単に殲滅することは叶わないだろう。
「村長から許可が降りた。『信仰の炎』でこの部屋を焼き払い、脱出する」
おそらくは『クヴァリフ』の力だろうか、どこからともなく魔力砲『信仰の炎』が転送されてくる。
「させない!」
エミリーが特攻するような勢いで一気に『信仰の炎』に向けて突撃する。
だが、させないのは『狂信者達』も同じこと。エミリーの進路を塞ごうと立ち塞がる。
「待たせたな! やったろうじゃないの!」
三桁ツギタシしたとさえ噂されるほど数多の戦場でツギタシされてきたデッドマン、継萩・サルトゥーラ(|Chemical《ケ ミ カ ル》| Eater《イーター》・h01201)がそこに飛び込んでくる。
「やらせるかってんだよッ! アバドン展開!」
改造小型無人ドローン兵器「アバドン」が展開され、アバドンミサイルと体当たりにより、エミリーの進路を塞ぐ『狂信者達』を散らしていく。
エミリーはその隙を逃さず一気に『信仰の炎』の側まで突入。レインメーカーの本領を発揮した√能力『決戦気象兵器「レイン」』の効果で、周囲一帯にレーザー光線を放ち、『信仰の炎』運用要員を減らしていく。
「まずい、『信仰の炎』に合流しないと」
「焦んなや、楽しいのはこれからだ」
サルトゥーラは取り回しの良い『ソードオフショットガン』を振り回し、『信仰の炎』から離れていた『狂信者達』に攻撃を叩き込んでいく。
「やっぱりバケモノ相手にはコレが一番だぜ」
「元人間とは言っても、もう今は怪異で戻す方法もないからね」
「今の誰だ? まぁいいか」
サルトゥーラは一人でそんなやりとりをしながら、足止め部隊の支援を続けた。
そして、間も無く先発部隊が『クヴァリフ』の元に到達する。
足止めも間も無く必要なくなることだろう。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
第3章 ボス戦 『仔産みの女神『クヴァリフ』』

POW
クヴァリフの御手
【無数の眼球】による牽制、【女神の抱擁】による捕縛、【触手】による強撃の連続攻撃を与える。
【無数の眼球】による牽制、【女神の抱擁】による捕縛、【触手】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD
クヴァリフの仔『無生』
【その場で産んだ『仔』】と完全融合し、【『未知なる生命』の誕生】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
【その場で産んだ『仔』】と完全融合し、【『未知なる生命』の誕生】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
WIZ
クヴァリフの肚
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【クヴァリフの肚】」から【最も強き『仔』】を1体召喚する。[最も強き『仔』]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【クヴァリフの肚】」から【最も強き『仔』】を1体召喚する。[最も強き『仔』]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
√汎神解剖機関 普通11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
√能力者達が最奥の部屋に突入する。
「あら、もう来ちゃったのね。我が仔のことながら不甲斐ない」
『仔産みの女神『クヴァリフ』』が祭壇の奥から姿を現す。無数の眼球をぎょろぎょろさせながら、√能力者達を睥睨する。
「まぁ、√能力者相手では分が悪いのは仕方ないのかしらね」
そう言って『クヴァリフ』は妖艶に笑う。
「いいわ。貴方達全員に私の仔になってもらいましょう。きっと優秀な手駒になるでしょう。失った我が仔の補充には十分でしょうね」
そう言って楽しげに『クヴァリフ』は√能力を発動する体制を取る。
最終決戦の始まりだ。

◎
「お断りだよ」
お前の仔になるなんて冗談じゃない
力ずくでもお帰りいただこう
初手はクイックドロウで射撃
沢山ある眼球を狙い撃って気を引いて、攻撃されたら√能力先手必勝を発動
斧で攻撃してから隠れる
以降は隠密状態から近接攻撃
居合で相手の身体を斬り、傷口に拳銃を捩じ込んで零距離射撃
引き寄せ能力は接近戦を挑む身にはむしろ好都合だ、引き寄せられる勢いに任せて鎧砕きでダメージを与えるよ
相手からの攻撃に先手必勝を挟みつつ見切りで回避を試みて、危ない時はエネルギーバリアで防いで
蘇生しても怯まずに再度の殺害を試みる
復活は無限じゃない筈だ、死ぬまで殺せばいつかは死ぬ
これ以上の被害を防ぐために、最後まで全力で戦うよ

アドリブその他諸々歓迎
……あんまりいい気分はしませんなあ。自分は自分の父にも母にも……まあ、一族にもきちんと誇りがある。そういう事を言われるのは気分はよくない。
せやから、さっさと倒させていただこう。……ケホ。
相手の連続攻撃にもひるまず【月御霊・式神戦】を発動。相手に向かって【融合】を指示させる。悪霊と共にこの世からいね。攻撃は根性と意地と<エネルギーバリア>や<呪詛耐性>、<霊的防護>等等で色々耐える。最後まで立ってれば相手は消える。消えればこっちの勝ちやからね。

アドリブ等はお任せします!
(足止め組なので)少しおくれたけどもうたおしちゃったかな?
なんかいろいろ見られてそうだし先にあの眼を何とかしたいけど…触手も怖いね。
(召喚を)止めるのはむずかしそうだけど消えるならチャンスだよね!
(倒せるなら)これで終幕(フィナーレ)です!
行動
戦いながら情報収集して弱点を探す
眼球は制圧射撃して開かせない
捕縛されそうな味方は援護射撃
触手は牽制射撃で攻撃の発生をつぶす
仔が出てきたら弾幕を張って時間稼ぎ
引き寄せ能力は念動力でその辺のなんかを投げて何とかする
隙を見せたなら√能力を使い何処からか差し込むスポットライトを浴びて敵の目を引きながら踊るように空を翔け肉薄攻撃を叩き込む

アドリブ&連携歓迎
……グルルル。
(即不利になりそうだから、仔と融合されるのは避けたいな。……壊そう)
ナイフを構え、√能力・狂犬の咆哮を使い仔を破壊して、融合されるのを阻止する。
言霊が使えそうならば、「動くな」で動きを封じて怪力を加えた体術とナイフで切り込む。
敵からの強攻撃は嗅覚と聴覚で動きを察知してかわし、弱攻撃は痛覚が無いことを利用して敢えて受けて確実にカウンターを当てる。
(眼球の牽制、邪魔だな……。潰した方が仲間のためにもなるかな)
……目、潰す。
高い跳躍力で飛びかかり、ナイフで眼球を斬りつけていく。
言霊が使えそうならば、「目を潰せ」で自ら潰させる。

うっわ、でけぇ……(何がとは言わない)
あの触手に絡まれたら吸盤の跡ヤバそうだな……
いや待てよ、あの触手が祠で『クヴァリフ』本人が御神体と考えればあれは祠! 祠なら|守ら《壊さ》ないといけないよなァ?
よし、ここはオレが引きつけつつぶちかます!
『|見渡す限り卒塔婆の墓地《アンリミテッドストゥーパワークス》』で100基の卒塔婆を召喚! 通販で買い込んでおいてよかったぜ!
命中率や機動力が100分の1でも知るか、当たるときは当たる! 根性で当てる! 動けないなら全部の卒塔婆を全て『クヴァリフ』に向けて射出する!
牽制も捕縛も強撃も全部鉄壁と根性で耐える!
みんな、後は思う存分|守って《壊して》くれ!

仔、とは信徒のことか
たとえばこれからお前が勝利し、俺を死の淵に追い詰めたとして……できると思うか?
俺に家族は“無い”
ましてやお前の仔となるつもりも皆無だ
スレイヤープロトコルを発動
武器改造・メカニック・リミッター解除の技能技術を発揮し、トガリネズミを最適な武器と連結し変形改造させる
クヴァリフを屠るための武器へと
クヴァリフからの攻撃には、受け流しや激痛耐性あるいは狂気耐性で自衛
触手などを伸ばしてきたら切断で迎撃し、スレイヤープロトコルを撃つ機会を伺う
空間の引き寄せを察知したら、逆にその勢いを利用してクヴァリフの懐へ飛び込み、スレイヤープロトコルの崩壊弾を叩き込もう
自己蘇生か。だが、それは産み出した『仔』との完全融合によってこそ齎される力だろう
己の内に意識を向け、そして感じろ。自身が崩れていく感覚をな
融合を不安定にし蘇生を封じることができたら、トドメが必要な場合はカガシブレードでクヴァリフを完全に断つ
村はきっと以前のように戻るのだろうな
だが、時には抗えぬ変化が訪れるのも、この世界の在るべき姿だ

【アドリブ・連携可】
「いや、良かった。実に愉しんだのじゃ。お主も、もう満足じゃろ?
何と言うても。最奥に居る親玉が儂等を前に、その慢心した台詞。もうこれは、「悪は滅びました。めでたし、めでたし。」ほれ、|結末《エンディング》が見えたじゃろ?」
開戦前の相手の口上に挑発。自身の台詞の後には、「みなまで言わせるでない。恥ずかしい…」と頬を染めて挑発。
戦闘時は黙示録「七つの頭と十本の角持つ獣」を展開。
必中能力で、味方含め被ダメを抑える防御に集中。相手に攻撃が無駄だと言外に伝えたい。
「な?言うたじゃろ?――めでたし、めでたし。」
どっちが悪役か分からない笑みを敵に見せつけて止め。
開戦後は格好良さに全振りで。

アドリブ・連携お任せ
ふにゅ、ここが最奥ですか……
さて、では人違い……いえ、神違いさんには私のお腹の中にお帰り願いましょうか
(クヴァリフが強力な『仔』を召喚するのを確認して、√能力を使用。『仔』に大量の隷属者達を突撃取り付かせる)
ふむ……この狭さだとこの『仔』をどうにかしないとクヴァリフに行けないですかね?
……いえ、逆にこの狭さなら…行けるかもしれません
(そう言うと大量の植物の蔓たちを呼び出し、隷属者・『仔』を巻き込んで蔓の波で押し流し、クヴァリフを巻き込んで)
ふふ、こう狭くては逃れられませんよ♪
(部屋を蔓で詰めきり覆いつくす。蔓に隷属化の力を持たせながらクヴァリフを蔓の中で押し潰すようにして)

◇アドリブ大歓迎
ようやく女神サマとのご対面だね。
残念だけど、これ以上アナタの言う仔は増やさせないよ。全く、人間は人間のままが1番素敵だっていうのに。…まぁ、所詮怪異。そんなアナタには分からない感覚か。
兎に角、これ以上の好き勝手はさせないよ。だから此処からご退場願おうか、女神サマ?
√能力【千夜八千夜物語】の必中効果を利用して女神サマの反撃をできるだけ防いでいこうか。
反撃の妨害に注力することになるから、主な攻撃は他の√能力者サンたちに任せることになってしまうけれど、必要に応じて回復等もできるから怪我は気にせず思う存分暴れてくれ。
√能力者達が最奥の部屋に突入する。
「ふにゅ、ここが最奥ですか……」
他とは違う明らかに広々とした空間に神咲・七十(本日も迷子?の狂食姫・h00549)が呟く。
「……グルルルル。いるぞ。祭壇の奥」
優れた嗅覚を持ち、『仔産みの女神『クヴァリフ』』の匂いを既に把握しているコウガミ・ルカ(人間災厄「麻薬犬」・h03932)が短く警告を発する。
「あら、もう来ちゃったのね。我が仔のことながら不甲斐ない」
『クヴァリフ』が祭壇の奥から姿を現す。無数の眼球をぎょろぎょろさせながら、√能力者達を睥睨する。
「うっわ、でけぇ……」
その様子に思わずそう呟くのは陰地・道祖土(俺に|守れない《壊せない》祠はない!・h04222)だ。
「まぁ、√能力者相手では分が悪いのは仕方ないのかしらね」
そう言って、『クヴァリフ』の視線が√能力者達がやってきた通路の奥へ移る。
「少しおくれたけどもうたおしちゃったかな?」
そう言って合流してくるのは足止め組を務めていた一人、川西・エミリー(|晴空に響き渡る歌劇《フォーミダブル・レヴュー》・h04862)だ。
「まだみたいだね。うん、ようやく女神サマとのご対面だね」
さらに足止め組を務めていたもう一人、八雲・綴(遊糸・h03212)も合流してくる。
「いいわ。汝ら全員に妾の『仔』になってもらいましょう。きっと優秀な手駒になるでしょう。失った我が『仔』の補充には十分でしょうね」
そう言って、『クヴァリフ』が楽しげに嗤う。
「仔、とは信徒のことか。たとえばこれからお前が勝利し、俺を死の淵に追い詰めたとして……できると思うか?」
イ・ヨハン(人間(√EDEN)の職業暗殺者・h00988)が応じる。
「いいえ、信徒なんて言葉では軽すぎるほどに強い結びつきを持った存在のことよ。勿論、汝を死の淵に追い込んだなら、汝はたちまち妾に取り込まれ、忘我のうちに我が『仔』になるでしょう。例外はないわ」
「俺に家族は“無い”。ましてやお前の仔となるつもりも皆無だ」
「ふふ、すぐにその気にさせてあげるわ」
ヨハンの言葉に『クヴァリフ』は笑顔を崩さない。
「残念だけど、これ以上アナタの言う仔は増やさせないよ。全く、人間は人間のままが1番素敵だっていうのに。…まぁ、所詮怪異。そんなアナタには分からない感覚か」
「えぇ、衝動のままに悪徳と殺戮の限りを尽くすそのあり方を捨てた汝らの事、妾は理解できないわね」
「そうかい。兎に角、これ以上の好き勝手はさせないよ。だから此処からご退場願おうか、女神サマ?」
「可能かしらね? その前に汝らみんな、妾の『仔』にしてあげる」
綴の言葉にも『クヴァリフ』は笑顔のままだ。
その直後。
「お断りだよ」
その言葉と同時、『小型拳銃』を恐るべし早撃ちで『クヴァリフ』の持つ無数の眼球、その一つを狙い撃つのはクラウス・イーザリー(希望を忘れた兵士・h05015)だ。
「お前……!」
あまりの早撃ちに対処し損ねた『クヴァリフ』が怒りを露わにして、触手をクラウスに向けて叩きつける。
「遅いッ!」
だが、それより早くクラウスは一気に自身の『バトルアックス』の射程まで一気に跳躍し、一太刀浴びせてから、そのまま光学迷彩で姿を隠す。√能力『先手必勝』だ。
「なっ……、ふざけた奴ね……!」
こちらの攻撃は一切当たらず、いいように二撃ももらった『クヴァリフ』は怒り心頭で、一つの目で他の√能力者を睨みながら、もう一つの目でクラウスを探す。
その様子に大きな声で笑って見せるのは西院・由良(趣味人・h02099)だ。
「いや、良かった。実に愉しんだのじゃ。お主も、もう満足じゃろ? 何と言うても。最奥に居る親玉が儂等を前に、その慢心した台詞。そしてその後即座に足元を救われる素早いフラグ回収。もうこれは、『悪は滅びました。めでたし、めでたし』ほれ、|結末《エンディング》が見えたじゃろ?」
「あの程度のたった二撃で、何が……、見えたというのです!」
「みなまで言わせるでない。恥ずかしい……」
と頬を染めてみせる由良。
「この……どこまでもふざけた連中ね!」
無数の触手が一斉に周囲の√能力者に襲いかかる。
「さて、では人違い……いえ、神違いさんには私のお腹の中にお帰り願いましょうか」
七十が『クヴァリフ』の怒り狂った様子を見て、戦闘開始するチャンスと踏む。
「させませんよ!」
エミリーが『九九式二〇粍三号機銃』を発砲し、触手に対し牽制を仕掛ける。
それを制止しようと、無数の眼球がエミリーの方を向き、牽制の睨みが飛ぶ。
(眼球の牽制、邪魔だな……。潰した方が仲間のためにもなるかな)
「……目、潰す」
ルカが素早く高い跳躍力で飛び上がり、目に向かって切り掛かる。
「ふふ、素直に近づいてきて、感心ね。抱きしめてあげましょう」
だがそのルカを『クヴァリフ』は両手を広げて受け入れようとする。
「獣を見た。その獣は、昔はいたが、今はおらず、そして、やがて底知れぬ所から上ってきて、ついには滅びに至るものである」
「終わらぬ夜をキミに語ろう」
だが、その頃には二人の√能力者による語りが終わろうとしていた。
周囲一帯が出入り口のない応接間と荒れ果てた大地へと変化していく。先ほども前者は攻撃的に、後者は防御的に使われた√能力。由良の『|黙示録「七つの頭と十本の角持つ獣」《セプテム・モンテス》』と綴の『|千夜八千夜物語《ニゲバナシ》』だ。
今回、それはどちらも防御的に使われた。
ルカに接近する両腕のそれぞれに対し、綴の『奇書『蜘蛛の|絲《イト》』』の頁の糸と、由良の影から出現した獣が、ぶつかり、その動きを止める。
その隙にルカは目に鋭いナイフの一撃を仕掛ける。
「まだまだ!」
意識がルカに向いている間にエミリーの機関砲による追撃が入り、『クヴァリフ』はたまらず目を閉じる。
「おのれおのれ! 大人しく妾の『仔』になればいいものを!」
目を閉じていれば精密に敵を狙うなど出来っこない。
『クヴァリフ』は無造作に周囲を破壊し続ける。
「黙って聞いてれば、勝手に『仔』にする『仔』にするて、……あんまりいい気分はしませんなあ。自分は自分の父にも母にも……まあ、一族にもきちんと誇りがある。そういう事を言われるのは気分はよくない」
先ほどまで黙っていた朔月・彩陽(月の一族の統領・h00243)が口を開く。
「何を……! 妾の『仔』になることこそ最も栄誉なことですよ」
「俺はそうは思わん。せやから、さっさと倒させていただこう。……ケホ」
咳を一つ。
「……我が名に応えよ。我が命に応えよ。その名に刻まれし使命を果たせ」
その言葉に応じて、朔月の御霊の式神が召喚される。
「悪霊と共にこの世からいね」
朔月の御霊の式神は素早く『クヴァリフ』に融合しようとするが、出鱈目に放たれる触手の一撃に容易に近づけない。今の所、由良と綴が的確に防御しているため、√能力者側に損害はないが、それ以上に近づく為の隙はまだ存在しない。
「あの触手に絡まれたら吸盤の跡ヤバそうだな……」
その様子にそう呟くのは道祖土だ。「いや待てよ、あの触手が祠で『クヴァリフ』本人が御神体と考えればあれは祠!」
唐突に珍妙な自説を提唱し始める。だがそれは言わば必要な自己暗示。祠クラッシャーの人間災厄である彼にとって相手が祠であることは重要なのである。
「祠なら|守ら《壊さ》ないといけないよなァ?」
かくして、道祖土は一気にその戦意を上昇させた。
「よし、ここはオレが引きつけつつぶちかます! My whole life was "unlimited STUPA works"」
√能力『|見渡す限り卒塔婆の墓地《アンリミテッドストゥーパワークス》』が発動する。
周囲に出現するは百基もの卒塔婆。由良はその光景にサブカル知識からある言葉を投げかけかけたが、戦闘中はカッコよく決めたかったので、無言を貫いた。
「通販で買い込んでおいてよかったぜ!」
百基のうち何基かの卒塔婆が『クヴァリフ』に向けて飛翔し、その触手の群れを蹴散らしていく。
命中率が大幅に下がっている道祖土であったが、大量に蠢く触手には外す方が難しい。
「目を封じたままでは戦えない……。我が『仔』よ、ここに……」
『クヴァリフ』はそう言って、自身の『仔』を産み落とす。
「さぁ、妾と融合しましょう」
産み落とした『仔』に触れようと、『クヴァリフ』が手を差し出す。
「させません!」
そこにエミリーの機関砲が飛び、『クヴァリフ』は回避のために手を引っ込めることを余儀なくされる。
(即不利になりそうだから、仔と融合されるのは避けたいな。……壊そう)
「……グルルル」
その隙に一気に仔に接近するのはルカだ。
「動くな」
抵抗しようとする『仔』に対し、ルカは言霊を発動し、その動きを抑止する。
体術による牽制の一撃を当てた、次の瞬間、その持ち前の怪力により、ナイフが一気に『仔』にねじ込まれる。
「ふふふ、今日の気分でこれです♪」
そして、そこに七十の√能力が発動する。
七十の隷属化した隷属者達が『仔』に殺到し、融合を完全に阻止してしまう。
「ふむ……この狭さだとこの『仔』をどうにかしないとクヴァリフに行けないですかね? ……いえ、逆にこの狭さなら…行けるかもしれません」
何かを閃いた、というように、七十がそう呟くと、大量の植物の蔓が異界から呼び出され、『仔』も『クヴァリフ』も巻き込まんと殺到する。
「そう簡単に呑まれませんよ」
だが、『クヴァリフ』もまた触手を展開してそれを阻止する。
とはいえ、触手が防御的に使われたならば。
「十分や、今度こそいね」
彩陽の言葉に呼応し、朔月の御霊の式神が『クヴァリフ』に強制的に融合する。
「くっ……、『仔』以外と融合するつもりは……」
それは『クヴァリフ』の行動力を低下させ、眼球も触手も目に見えて鈍る。
「ターゲット捕捉」
その隙を逃さず、ヨハンが飛びだす。
他の武装やアタッチメントとの連結・合体機能を有するハンドメイドピストル『トガリネズミAQ1』に最適な武器やアタッチメントを連結させ、対『クヴァリフ』に特化した武器を作り出す。√能力『スレイヤープロトコル』だ。
「させません!」
「触れさせんぞ」
「好き勝手はさせないと言ったでしょう?」
「オラオラ、当たれ当たれ!」
僅かな触手がヨハンに迫るが、エミリー、由良、綴、道祖土の攻撃が触手による攻撃を許さない。
「くっ……、あの武器は……まずい」
『クヴァリフ』がヨハンの武器を警戒し、触手で防御姿勢を取る。
「無駄だ」
だが、触手による防御の内側に光学迷彩を利用して潜んでいたクラウスが素早く『光刃剣』のトリガーを引き、刃を出現させて居合の一撃を加える。
その傷口を思いっきりこじ開ける。
「ここだ!」
「もらった!」
その傷口に『トガリネズミAQ1』がねじ込まれ、崩壊弾が叩き込まれる。
「己の内に意識を向け、そして感じろ。自身が崩れていく感覚をな」
「な、なんだこれは……妾の体の安定が……」
体が崩壊していく感覚に困惑する『クヴァリフ』。
「今がチャンス! また白い花が咲いたなら、一番美しい歌をあなたにささげましょう、何度でも……」
その隙を見逃さず、エミリーが√能力を発動。上方から複数の眩い光が差し込み、エミリーの『|極超《ウルトラスーパー》ジュラルミンアーマー』を纏った『レプリノイドウェア』が光を受けて煌びやかに輝く美しい舞台衣裳へと変化する。
明確に軽装になったそれは受けるダメージを二倍にするが、しかし、移動速度と攻撃回数を四倍にする。
踊るように『クヴァリフ』に接近したエミリーはそのまま強烈な肉薄攻撃を仕掛ける。
「……このっ!」
『クヴァリフ』は力を振り絞りエミリーに向けて攻撃を仕掛けるが。
「悪あがきはやめよと言うのに」
「今度こそ、ご退場の時だよ、女神サマ」
「まだまだ卒塔婆は残ってるぜ!」
由良、綴、道祖土による攻撃が完全にそれらを迎撃してしまう。
「これで|終幕《フィナーレ》です!」
エミリーの更なる一撃を受けて、ついに『クヴァリフ』は行動力の限界を迎え、朔月の御霊の式神と共に消失を始める。
「な?言うたじゃろ?――めでたし、めでたし」
どちらが悪役か分からない笑みを浮かべ、由良が消えゆく『クヴァリフ』に告げる。
「この……!」
悔しげな顔で、『クヴァリフ』は触手を持ち上げ、√能力者を全員巻き込む攻撃を繰り出そうとする。
「本当に諦めが悪いのう。無駄じゃ」
だが、それは由良の影から飛び出した獣によって完全に止められる。
「覚えていなさい。いつか必ずあなた方全員を……」
その言葉が言い終わることはなかった。『クヴァリフ』が完全に消滅してしまったからだ。
そう、勝ったのだ。
「村はきっと以前のように戻るのだろうな」
そう言うのはヨハン。
「けど、元々の原因だった高齢化は……」
「そうだな。だが、時には抗えぬ変化が訪れるのも、この世界の在るべき姿だ」
他の√から見れば、√EDENは楽園なのかもしれない。けれど、避けられない変化もある。それは痛みを伴うかもしれない。
簒奪者から√EDENを守ることは成し遂げた。後のことは、全てを忘れた村の人々が考えることだろう。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功