【新入】フッリーヤ・ビント・ハーリド【会員】
私は禍津宮市を牛車でぶらついていた。その途中、五常ビルにさしかかった。普段ならそれほど気にならない。だが、いまは気になった。ふと思い出すことがあったのだ。「ここに、ミルクホールがあったな。」
私は、ビルの門前で牛車を止めた。降りた。歩きだした。どこに?ホールに、だ。いったいなぜか。わからない。牛乳を飲みたくなったのだろうか。そんなことをつらつら考えているうちも、私はホールへと運ばれていく。運んでいるのは、私の足だが。それはともかく、遂にホールの前に来てしまった。これは、入るしか無かろう。いま立ち去ったら、変だからな。いや、まてよ。ひとがいる。なるほど、待機客か。これなら、言い訳が立つぞ。ああ、いや、違うかもしれぬ。なら、ほら、御者よ、あれに声を……、あいや、いない。そうだ。あいつは御者専門だった。致し方なし。
「もし、そこのひと。あなたはこのホールの待機客かな?」
女はその男に声をかけた。
※
●新入会員「フッリーヤ・ビント・ハーリド」
エルフの|古代語魔術師《ブラックウィザード》 × |錬金騎士《アルケミストフェンサー》
年齢: 16歳 女(6月15日生まれ)
https://tw8.t-walker.jp/character/status/h01210
・スレ設置期間【~2/8(土)】
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(~五常ビル前/ミルクホール『ちゃちゃ』入り口前~)
うん? 私?
(声を掛けられた「その男」が、振り返る。青いレンズを180度めくれ上がるように跳ね上げた、掛けている意味が不明なサングラスを目顔に渡した30そこらの男である)
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このホールの、待機客――
(フッリーヤから問われた内容に目をしばたくこと一度二度。のち、口端を笑みの形にニッカリ上げてはフッリーヤの前にひょこひょこやって来、体幹を斜に傾けながら寄って来た。端的に言って、チャラチャラ軽薄な一挙手一投足だった)
そうそう! よくわかったね? 実はそうなんだ。でもカワイー女の子と一緒だとスッと入店できる裏技があるんだよね。
君、ここに用事? 中入りたい? お腹空いてる? ノド渇いてない? 観光? エルフさん? √ドラファンから? 私、ここらの人間でさぁ。なんなら色々案内できるけど。入る? 一緒に入る? 入ろ?
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「ええ、たぶん、入りたいわ。お腹は……特に空いていないけれども、喉は渇いているわね。観光かというと、そうね。そんな感じ。エルフかといえば、エルフね。√ドラファンかどうかでいえば、違うわ。でも、あなたはここの住民だったのね。案内してくれるなら、嬉しいわ。」
すこし不安げに応答する。すこし聞き漏らした言葉があった気がしているからだ。いや、気のせいかな。ああ、でも私の反応していない言葉はあるな。裏技について、と彼の提案に乗るかどうかについてだ。が、そのためにはまずもって裏技について聞かねばならないだろう。うっかり聞き損ねて、怪我をするわけにはいくまい。
「ただ、ええっと、裏技の詳細について聞かせてくれるかしら?」
女はそう尋ねた。そう尋ねた瞬間、もうひとりの男性の声にも気が付いた。細目の男性で、この不思議なサングラスを付けた男性よりかは若そうに見える。
「えっナンパ?これナンパだったの!?」
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あっクッソ! 春楓君ほんとマジ! なんにもチャチャ入れられなかったら、このままこの世間慣れしてなさそうなコ、私色に染められるとこだったのにさぁ!
(春楓を「荒振る鷹のポーズ」で威嚇する。なお背後に浮かぶヴィジョンは鷹じゃなくて燃えるような鳳凰だったりした)
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…っとと、ゴメンね騒がしくして? (春楓へその辺の石を蹴ったり拾った空き缶を投げ付けたりした後、キメ顔でフッリーヤに向き直る)
私の名前は神薙・ウツロ。そこの店『ちゃちゃ』のオーナーで、√能力者向けの互助会を主宰したりしてる。『YellowDragon』って言うんだけどね。
まあこの通り、怪しくなんてないからさ。店、入らない? どこ住み? カレシ居る?
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はいはいはいはい。あかんよぉ。
フッリーヤちゃん、気ぃつけてなぁ。この人ほんまグイグイくるから。
気軽に声かけたら10倍にして変な事言うてくるから。
(フッリーヤちゃんの背後かたにゅーっとガードオーラを出していく)
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囲む対象はウツロの方なのか、それともナンパされてたらしい子の方なのか
怪しくなんてないって言われると、かえって不信感マシマシになりそうなのは気のせい?
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「そ、そうなのね。」
すごい変わり身だ……。感嘆せざるを得ない。この域に親戚のおじさんが達したのは40代前半。おそらく、相当な鍛錬を積んだに違いない。だが、悲しいひとだ。きっと日常が変わり身だったはず……こうして一つの態度を示すことも難しいほどの。いえ、そんなこともないのかしら?ま、いいわね。
「ん、ん。わかったわ。ここでとどまっているのも迷惑ね。入ろうと思うわ。私はフッリーヤ・ビント・ハーリド。それで、どこに住んでいるのかというと、んー、いまはバービル、こっち風だとバビロンがいいのかしらね。√はドラゴンファンタジー風だけれども、別√。それで、彼氏はいない―—」
ふと、振り返る。これは……知り合いだ。この金髪、緑目、そしてこの声……
「ルーシー!?どうしてここに?」
「そして、そうなの?」
なるほどなぁ、という雰囲気を出している。と同時に、もう一人が現れた事を知った。あれは神薙さんの友人だろうか。
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ってまーたチルタイムはそんな親戚のおばちゃんみたいなガードを…。私のことなんだと思ってるの? まあ言われてる通りなんだろうけどさ。
あっでもフッリーヤちゃん親しい相手は名前で呼ぶんだぁ。えっ、じゃあさ、ちょっと私のこと「ウツロ!」って呼んでみてくんない? 焦燥感の中にも一抹の安堵を滲ませたような感じで。
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あ、私もここに顔出しとるし、ここのミルクホールん中、最上無二の特別催事場みたいなコーナーあるから。よかったらここでもなんや買ってってなぁ?
(にこやかにガードオーラを出しながら)
……なんやろなぁ。特に知り合いの女の子に関しては、ウツロさんに気軽に近寄らせんようにせぇへんとあかんなぁ、て気にさせるのは……?
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赤峰さんじゃないの。よろしくね。
>白囮院さん
なるほどなぁ……。すっごく痛そう……いえ、どうやって喋って……
すごい注文ね。でも、んー、焦燥感のなかに一抹の安堵を滲ませる仕方がよくわからないわ。そこは諦めて欲しいわね。ウツロ。
またウツロの知り合いね。よっろしくー!
へぇ。そうだったのね。ルーシー。じゃ、じゃぁ、ここ限定の和菓子もあるのかしら!?
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ふふふふ……安心してええよ、フッリーヤちゃん。
お店の方では出さへんような、ちゃちゃ限定のメニューも、そのうち出す予定やから!!!!(どやぁ)
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あっフリヤちゃんってば「よっろしくー!」とかテンション高めの口上も出てくるタイプなんだ? いい…快活…溌溂としてて…小麦色の肌あいまって、まるで熱砂の丘陵の南中のよう…もっと色んな顔見せて… (一人で感極まる)
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ルーシーさん達のお友達なんだ!
私は|薄羽《うすば》ヒバリ。よろよろ〜。
|ここ《ミルクホール》の名物はレモン牛乳!味は甘酸っぱくて……ううん、飲んでもらった方が早いかも。
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うん、アプローズさん。よろしくね。ナンパって初めて受けたからびっくりしたわ。だって、私の故郷だと男性が女性に声をかけるなんてほとんどなかったから。いえ、そもそも普通男性が外で女性と出会うことなんてほとんどないのだけれども。
>ルーシーさん
それはよかった。楽しみにしているわね。
>ウツロさん
き……じゃなくて、うん。そうね。ただ、熱砂の丘陵の南中は死んじゃうと思うわ。
はぁい。はじめまして、よ。ななみさん。お手伝いして欲しい事はいま特にないけれども、出来たら伝えるわ。
ヒバリさんね。よろしく。そして、ええ、ルーシーとはすこし親しいわ。それと、名物ね。じゃぁ、ここで頼むのはそのレモン牛乳ししようかしら。こちらの食べ物も飲み物もだいたいどれも美味しいし、楽しみね。
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ふんふん……?
それって、男の人はあんまりお外に出ない風習みたいなものー?
(語られた様子は、異なる文化圏を想像させるもので。好奇心が頭をもたげるのだ)
フッリーヤ嬢のご出身は√ドラゴンファンタジーであってた? それともべつの√なかんじ?
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逆よ。女性がお外に出ないの。私もこっちに来るまで家から出る事は殆どなかったもの。どうしても出たければ、人払いしていたわ。それで、私の故郷の√ね。ドラゴンファンタジーじゃないわ。それと似ているけれども、別の√よ。あっ似ているといっても、千年ほど前の話よ。いまは、ん、大きな特徴で言うと、海面が60mほど高いわね。これは、少し前に太陽活動活発化、南極大陸の下で巨大なマントルプリュームの形成、火山活動の活発化、永久凍土の融解、海洋循環の変動、極端な気候現象、アイスアルベドフィードバックなどのために、南極大陸の氷が全て溶けたせいよ。
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そうだそうだ。そういや、地元は√ドラファンじゃない的なこと先にチラッと言ってたけど。…ふーん? 「そういう√」なんだ? なかなかヘビーな環境じゃんね。近い未来か遥かな太古かのどっちかで軽率にポールシフトとか起きそう起きてそう。
フリヤちゃんは、普段「その√」に帰ってんの? それともさすがに住まいは違うとこに? てか、なんか呼び名付いてる感じ? そこ。同郷の人なんかは?
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ポールシフトは起こりつつあるわ。ここ二百年ほど急激に南アフリカの磁界強度が弱まっているからよ。似た事は同じ地域で西暦1225年から1550年の間にも、強度が30パーセントほど低下するかたちで生じたけれども、今回はそれよりも急激よ。
その√の名前はスィフル。そこには帰っていないわ。理由は二つ。一つ目は環境がよくないこと。いま言った通りだけれども、加えてそろそろ未曽有の大災害がまた生じるからね。二つ目は、行き方がすごく面倒なこと。このビルの門から出て、すこし行った街角を入ると√pの○〇の街角に出て、そこから別のビルに向かうと、√Qの荒野に出て…みたいな決められた手順を踏まないと、スィフルへの門に出会えないのよ。ええっと、√妖怪百鬼夜行付近から√スィフルまではごく普通のやり方なら、だいたい5400万年ほどの行程、ズルをしても四か月ほどの行程よ。そんな風に面倒なせいか、同郷のひとは特にいないわね。
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…にしても、そっかぁ。フリヤちゃんの地元√、どえらいことになってんのね。「盆暮れ正月には帰省する」どこの騒ぎじゃないね――帰り道すらそんな遠大だってんじゃさ? まあでも、親しいフレンズは居るみたいでよかったよ。お兄さん安心した。
しっかし、ちょっと聞いただけでもマジで天変地異の極みじゃん。なに? 簒奪者にインビジブルだいぶんもってかれて、世界の循環が諸々おかしくなっちゃった感じ? それとも「原因不明」?
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簒奪者にインビジブルをもっていかれたわけじゃないわ。そんな記録はないもの。また、世界の循環がおかしくなったわけでもないわ。いずれも地球史における定期的な自然現象だから。例えば、ポールシフトは過去2000万年の間に約20万年から30万年に一回程度の割合で生じているわ。よって、原因不明でもないの。定期的なイベントなのだから。とはいえ、これほどの数の天災が一挙に生じた事は珍しいわ。運が……悪かったのよ。
あっでも別に人類はまだ生きているわよ。コロニー暮らしだけれども。皆結構しぶといのよ。例えば、海洋循環が停止したせいで、海が極度の無酸素状態かつ無栄養状態に陥り、海洋生物が大量絶滅したのよ。そのせいで、直接的には海産物をたべれなくなったわ。そして間接的にはコロニー外での農業がますます難しくなったの。これは、海洋から陸地への栄養の供給が激減したせいね。でも、海産物も農産物も工場生産に成功しているわ。
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何というか色々と凄い状態に陥ってるルートですね……。
あ、私はモーショボーの人妖のカンナと言います。
錬金術師という事はアルコール等が必要な時もあるかもしれませんが其の時は御用命を。
酒造業として純度の高いアルコールも其れなりの量ありますので。
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人並みには好きよ。ただ、ある程度地元の状況を知っている事には事情があるのよ。まず私は西暦800年頃から最近までバグダッド周辺の別荘でコールドスリープしていたのよ。コールドスリープから起きたら周りの状況を確認したくなるものでしょ?そういうわけで、周囲をあれこれと調べたのよ。そうしたら、ある程度地元、√スィフルに詳しくなったってわけよ。
よろしく。カンナ。必要なときになったら頼むわ。もしかしたら製法についてあれこれ口出しするかもしれないけれども、だめならそのとき断ってね。
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バグダッド……なるほど、なるほど。そのあたりならお外に出ないっていうのもなんとなく納得かな!
もっとも、今はお外どころじゃない環境になってるみたいだけれども。いろんな意味で気軽に帰れない、なのだねえ。
故郷の代わりにはなれないだろうけれど、ここで過ごす時間が実り多いものであることを願うかな! 改めてよろしくね!
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あれそれ調べる過程で地質学や天文学にドップリいった口かな。
世界一つ、√一つの興亡をつぶさに検分してのけた見識は、どんな状況でもぜったい腐らないやつだ――その知恵、よかったらこれから私達にもりもり貸してやってね?
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