◇星灯花
夜の風に揺れる蕾が、鐘の音とともに花開き、|“星灯花"《せいとうか》は闇を照らす。◇ とある町の広場では、年に一度の星灯花の開花祭りが行われている。
大きな蕾がほころぶと、合図の鐘が鳴り、星灯花が花開く。一斉に咲き誇る星灯花は、色とりどりの光で夜の広場を包み込む。
見とれていたあなたは、少女と肩が小さくぶつかる。
◇エルネモフィラとの1:1
20レス前後〆 1ヶ月の空白でも同様。

(涼やかな風が、花の香りを運んでくる。白く光る花弁が、そっと手の甲に触れて、すぐに夜の色へ溶けていった)
──…。(ふいに肩が触れ、視線をそちらへ向ける)……ごめん…大丈夫?前、見てなかった。あまりにも綺麗で。
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(肩先の小さな衝撃に触覚を揺らし、視線を少し下ろす)
……ああ、気にするな。
我も見惚れていたところだ。これほどの光景、足を止めるなという方が無理だろう。
(星灯花の群れを慎重に見渡し、その灯の揺らぎを一つも逃さぬようにしながら)
闇に浮かぶ灯……群れれば夜すら押し返す。
汝も、この花のために来たのか?
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うん。年に一度なら、見にこないとって。
(キミの言葉に改めて星灯花を見渡し、その光が闇を照らす様をじっと見つめる)
群れれば夜すら押し返す……うん。たしかに、そんな感じ。
的確だね、もしかして詩人なの?
(静かに、けれど微かな遊び心を含ませて問いかける)
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(吐息のように翅音を揺らし、わずかに口端を緩める)
詩人、か……我はただ、生き延びる中で見たものをそのまま言葉にしているだけだ。
飾らずとも、ありのままが十分に響く時もあるだろう。
(触覚で夜気の流れを探り、群れ咲く光の揺らぎを確かめる)
この灯は年に一度……だからこそ、逃さず見に来た。
短く強い光は、いつもの夜に埋もれさせるには惜しい。
命もまた同じだ――だから我は、こうして留めておく。
汝も、そう思わんか?
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そうだね。なら天性のもの…かも。
(キミの飾らない言葉に心が動いたのもまた、確か)
私もそう思うよ。
年に一度──、でも来年見れるかわからない。
もしかしたら一生見れないかもしれない。
だから逃しちゃうのは惜しいよね。
今年来れた縁を、大切にして留めようと思うよ。
(ゆるやかな夜風が花弁をさらって、香りだけ残して光が昇っていくのを、静かな瞳で見送った)
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(翅をわずかに鳴らし、触覚を揺らす)
……うむ。縁もまた、灯と同じ。
一度きりであろうと、胸に刻めば失われる事はない。
(散りゆく花弁の残り香を嗅ぎ取り)
来年と同じ景色を見られる約束は、其処にもない。
――だからこそ、今を逃さず留めておく。
こうして同じ灯を惜しむ心を分かち合えたこと、それ自体も縁なのだろうな。
汝と出会えたこともまた、この花と同じく刻んでおきたい。
名を聞いておこう。我は、和紋・蜚廉。汝は、なんと言うのだ?
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私との縁も、大切にしてくれるの?
──ふふ。少し、くすぐったい。
(声に滲む笑みは、揺れる花みたいに柔らかく、どこかくすぐったそう。)
同じ花を、同じ時に見れたこと、きっと私も忘れないよ。
和紋・蜚廉……かっこいい響き。
私はエルネモフィラ。エルでいいよ。
(キミの名を確かめるように口にしてから、青く咲くその名を差し出した。)
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(聞いた名を静かに繰り返し)
エル……。短く澄んだ、良い響きをしている。
呼べば、その響きが夜に溶けて、灯のように残りそうだな。
(触角をそよがせ、花弁の散る軌跡を追いながら)
さて。祭りならば、灯の外にも多くの賑わいがあるだろう。
(翅を軽く鳴らし、口端をわずかに緩め)
|汝《エル》はどうだ?
この夜に、他に楽しみにしているものはあるか。
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