骨董店『宵月』

【秋祭りノベル2025】緋幽楼

物部・真宵 9月1日22時

✧ *゚。 ・ ゚

仲秋の頃。
√妖怪百鬼夜行のとある山の裾野に拡がる小さな町では、植栽された千本近い彼岸花が一斉に見頃を迎えていた。
麓には山を背にして九重からなる高い塔が立っており外観は仏塔によく似てはいるが内部はレストランで、階によって和風、洋風、中華風とテーマが異なっているのが特徴的だ。
|緋幽楼《ひゆうろう》と呼ばれるこの塔周辺は秋になると彼岸花の絨毯で赤く染まることから観光名所として知名度が上がっている最中で、まだメディアに取り上げられていない今が絶好のチャンス。
町から塔までの道は森を抜ける遊歩道になっており、木々の隙間を埋めるように炯々と燃ゆる赤い彼岸花が|涯《は》てにまで広がっている。
幾何学模様の木漏れ日が降り注ぐなか静かな風にそよぐ光景は絶景の一言に尽きる。

■茶屋
風流な茅葺屋根の茶屋
緋幽楼へと繋がる道から森の中へと延びる小路に進むと、ぽっかりひらけた空間に出る。
そこにはモミジの木々と彼岸花に囲まれた小さな茶屋がひとつ建っているのだが、真っ赤な野天傘の下、赤い毛氈の敷かれた床几台で茶や甘味を楽しむことができる。
穴場スポットのため静かに楽しみたい場合はここがおすすめ。
茶屋でのお勧めは彼岸花の焼印が押された餅。
薄く伸ばした餅で餡子を包み鉄板で焼いたものなのだが、外はカリカリ中はとろふわの餡子のバランスが絶妙でお土産にも最適だ。
だが出来立てはかなり熱いので要注意。

■緋幽楼
奇妙建築である九重の塔は彼岸花はもちろん町をも一望することができ、現在秋の味覚を楽しむスイーツバイキングを実施中。
スイートポテト、アップルパイ、モンブラン、梨タルト、マスカットナポレオンパイ、ぶどうのレアチーズケーキ、カボチャプリン。
注文してから焼くふわふわパンケーキはスキレットのまま提供され、トッピングは自分で好きに選ぶことが出来る。フルーツをふんだんに盛り付けるのも、アイスを何種類も添えるのも自由だ。

八階と三階は庭園を望むお屋敷の一室を思わせる落ち着きのあるノスタルジックな和風。
七階と四階は革張りのソファでゆったりくつろげるシックでクラシカルな洋風。
六階と五階は赤い提灯が吊り下げられどこか蠱惑的な魅力のある中華風と雰囲気が異なっていて、最上階のバー&ラウンジでのみアルコールが提供される。ただしこちらは夜のみの営業のため注意が必要だ。
一階と二階はお土産コーナーになっているので、ちょっとした買い物を楽しむことも。
今は彼岸花をモチーフにしたアクセサリーや雑貨が揃っており、茶屋でのみ販売されている焼き餅もここでなら購入可能。

彼岸花は昼、黄昏、夜の時間帯によって雰囲気をがらりと変える。
昼間は空の青と木々の緑、彼岸花の赤で目にも鮮やかだが、陽が沈み始めた黄昏時の彼岸花はどこか物悲しく哀切を思わせる。
夜は灯籠によってライトアップされるのだが、暗がりの中で揺れる赤色はすこし怖いくらいに惹き付けられる。

束の間に過ぎゆく秋をどう過ごそうか。

*・゚*✧

タグ【緋幽楼】
タイトル【緋幽楼 ~サブタイトル~】統一
ワールド【√妖怪百鬼夜行】指定

発注文冒頭に【緋幽楼】あるいは🍁
グループ参加の場合はグループ名を、二名以上の場合は+人数をご記載ください(例:🍁【グループ名4】)
希望時間帯【昼】【黄昏】【夜】のいずれかを選択
★1.5から上限制限なし

時間帯と場所の選択は演出と描写の兼ね合いでそれぞれ一つずつの組み合わせを推奨しておりますが★の数によってはこの限りではありません。
茶屋や緋幽楼で提供されるスイーツやお土産コーナーの商品は、それぞれ雰囲気に合うものでしたら上記以外のものをお好きに選んでいただいてかまいません。(和風であんみつ、中華風で月餅など)
またアルコールの提供、飲酒は成人した方のみ。未成年のかたの飲酒はお受けできませんので予めご了承ください。

▼ご依頼はこちらからどうぞ
https://tw8.t-walker.jp/scenario/master/show?master_id=msh0032585