【ノベル企画】BAD LAND
蝶が羽を羽ばたかせた時信号が赤から青に変わった時
降り出した雨の最初の一粒が地面で跳ねた時
─────────人は、悪に転じるのだ。
●BAD LAND
「…やっぱ|薬《ヤク》に手ぇ出すのは怖いっすか」
目の前の少年…もとい、薬物の売人は呟くようにそう言った。
自分はいつからここにいるのだろう。ついさっき──いや、だいぶ前からここにいたかもしれない。
何故売人が目の前に?それは己が薬を求めているからに他ならない。何か気を紛らわすため、快楽を求めるため、もしかしたら理由なんてないのかもしれない。
数十種類の薬物を目の前に逡巡していると、売人はため息を吐いて口を開く。
「…じゃ、初回サービスって事で」
そう言いながら小さなビニールバッグを|商品《・・》の中からつまみ上げた。
黒と蛍光ピンクのマーブル模様の小さな錠剤が1粒その中には入っていた。
よく見ると、錠剤には“BAD”と刻印されている。
「“BADLAND”っていう新商品…まだ合法。自分が開放される感覚を味わえる…。」
売人は錠剤にやっていた視線を明後日の方向へ背けて言葉を続けた。
「…まだ出来てさほど経ってないから、アップグレードされてない。出来が良くないんだ。」
要するに“バッド”に入りやすい。バッドトリップしやすい、と売人は告げた。
開放感が暴走し、“破壊衝動”や“加害性”、それらに限らず己の中のどこかに密かに眠った所謂“悪”が目を覚ます。
倫理観や理性で抑えきれない程の|それ《・・》に身体を乗っ取られる。
「…安心して。全部幻覚、或いは夢。目覚めた時の気分は最悪だけど、実際に何かに手をかけることは無いから」
錠剤の蛍光ピンクが嫌に視界を捕える。
貴方はそれに手を伸ばし───悪性を受け取ってしまった。
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▼概要
いわゆる“悪堕ち”企画です。
悪へと転じた貴方は果たしてどんな物語を見せてくれるのでしょうか。
悪へと堕ちた貴方はあくまで夢、幻覚でございます。実際に何かを破壊したり、誰かを殺したりする事はございません。
▼人数
おひとりずつでお願い致します。
※いずれ2名様まで受付するかもしれません。
▼発注文
お好きな形式でお書きください。
※全ておまかせはオススメしません。
▼文字数
★1.5個からの受付となります。★の上限は現在ございません。
▼その他
・発注文の頭に【BAD】とお書きください。
・諸般の事情で再送が発生する場合があります。
・再送、または執筆出来ない場合はマスターの紹介文とSNSにてお知らせ致します。