【Tag.7】Klang des Herzens
【1:1】陽だまりは硝子越しに零れ落ちた蜂蜜のように床を満たし、窓辺に座るおんなはそのぬくもりへ指先だけを遊ばせる。外のひかりはすぐそこにあるのに、いまはまだ扉の向こうの物語のように感じられた。
やがて『あなた』が鈴を鳴らし、この静かな午後に新しい頁を綴ってくれるのだろう。その予感だけで胸の奥は小鳥のように羽ばたき、時計の針さえ春の芽吹きを待つ種子のようにそっと息を潜めている。風が梢を撫でるたび、世界は『もうすぐ』だと囁き、おんなのこころもまた、その声へ微笑むように耳を澄ませていた。
《Gast》戀ヶ仲・くるり
√汎神解剖機関、『烏夜』にて。
おはなしは区切りの良いところまで。一週間途絶えたときは、確認のおてがみをするね。
それじゃあ。……いっしょに、おんがくを奏でましょう。
戀ヶ仲・くるり 8月10日20時(おろしたての洋服でいく、と言ってくれたあなたにうれしげに微笑んだ。楽しみにしてくれるのが伝わってくるから。私もどんな服にするか、とっても楽しみ!
心弾ませながら服を選んでいる日、連絡をすれば、眩い言葉が振ることを今は知らない。……そう、今は。)
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戀ヶ仲・くるり 8月10日20時ふふふふふ、熱々チーズを前にしたら、店長さんもほっぺたゆるゆるになっちゃうかも。考えるだけで楽しくなっちゃいますねぇ!
(話を聞いてる印象では、店長さんは背筋の伸びた上品な方だ。この女子高生みたいに、食べ物につられてゆるんだ顔はしないかもだけれど。
だって、おいしいものを食べたら誰だってしあわせになるから、そんなこともあるかもしれない!そう笑う。)
(とん、とん、とんっ)
(月に照らされた夜色のステージに、手を引かれるまま降り立つ。手を離したあなたはピアノの前に。目新しい観客席に、視線がくるくると興味深げに動く)
──わぁ!
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戀ヶ仲・くるり 8月10日20時(白と黒の打鍵が押されるごとに、静かな夜が賑やかにきらめいていく。
音楽の知識はさしてないけれど、五線譜の音符が曲になるにはある程度のルールがあるのは知っている。…なんとなく、弾かれている曲が型破りなのも分かった。
でもそれは、正しく|音楽《音を楽しむ》ものだった。まるで音が光るように鍵を打つたび、身体が弾むよう!)
…ふふふ!聞いてるだけでうれしくなりま、すね……あれ??
(ふわりと目の端に現れた光に“触れる”……光に指先がつくと、反響するように音の余韻を残して、ぱちんとシャボン玉のように消えた。“まるで音が光るよう”が“本当に光っている”ことに気付いて、ぱちぱちぱち、と瞬きが止まらない。これ、なぁに?)
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ゲルダ・ドレッセル 8月11日07時(とん、とん、とん)
(子鹿の蹄は森をゆく。花よ、花よ、顔を出せと躍り出す。おんなが口遊むあまい歌声が、ころころ転がるように跳ねる旋律に乗っていく)
(夜空の星に お願いひとつ)
(つぎの朝には 春が来ますように――そんな、辿々しいことば。これは、春をのぞむ子鹿のワルツ)
(音はひかりの粒となって降りそそいだ。鍵盤がひとつうたうたび、淡いひかりは水面から生まれるあぶくのようにふわりと膨んで。やがて耐えきれぬほどの煌めきを抱いて、ぱちんと弾ける。砕けたひかりはまた新たな音となり、旋律の波紋となって宙を満たしてゆく。まるでピアノそのものが呼吸しながら歌っているかのようだった)
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ゲルダ・ドレッセル 8月11日07時(おんなはあなたがくすくす笑っている気配に気付いているけれど、ひかりの粒には気付いていないようだった)
(ひかりに触れれば、あなたのからだはなんだかとても、いつもよりも軽くなっているように感じられることだろう。今にでも踊りだしたくなってくるような、今ならかけっこで一番だって取れてしまいそうな。そんな、不思議な高揚感を連れてくる)
(――それは、なぜ?)
https://tw8.t-walker.jp/garage/gravity/show?gravity_id=49255
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戀ヶ仲・くるり 8月14日23時……わぁ……!
(お客様に聴かせる歌い方ではない。お腹から歌唱するのとは違う、思わず溢れてしまったかのような柔らかくて甘い歌。ピアノの音に寄り添うかのような歌に、目が輝く。鍵盤が奏でる光を映した目は、一層キラキラと輝いていた。)
(パチン、とまたひとつ光が弾けて 音を孕んでまた光の粒に)
ゲルダさんっ、ゲルダさん!
(曲が終わるまで黙っていようと思ったのに、光が弾けるたびに跳ねたいような心地になる。否、跳ねた。ぴょんぴょんとピアノのあるステージの上を跳ねて、演奏を邪魔しないくらいの、でもあなたに近付く。)
ねっ!これ、すごいですね!ゲルダさんはピアノを弾いて歌うと|魔法《√能力》が使えるんですかっ?
とっても綺麗で……なんだか元気が出てきます!
(光の粒を指差しながら言う。差した指に触れた光がパチン、と弾けてあなたが見て取ったかは分からないけれど。光に負けない笑顔でそう言った)
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ゲルダ・ドレッセル 8月15日10時(鍵盤に触れるたび、ひとつひとつの音は淡いひかりの泡となって、よるのいろの中に浮かんでいく。白鍵と黒鍵のあわいから生まれたそれらは夜明け前のみなもに零れた星のように揺らめいて、ぱちん、と泡沫のように溢れては消えていく。旋律は形を持たぬまま、それでも確かな光景として残り、まるで聴く者の胸の奥に触れることのできないちいさな星空を描いていくようだった)
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ゲルダ・ドレッセル 8月15日10時――、……えっ? わあ!
(あなたの言葉におんなは演奏は止めぬまま、歌声だけを止めて喫驚した。漸く何が起こっているかに気付いたのか、きょろきょろと視線だけを周囲に彷徨わせ)
えっ。えっ、えっ、……わあ……!
(その反応はおんなも何が起こっているのか分かっていないことの証左であった。だけれど、鍵盤がうたうたびにひかりは溢れるものだから、それが自分が引き起こしている現象であることを知る。あなたが笑顔だったから、演奏は辛うじて止まらなかったけれど)
……これって、……ま、魔法?
(もしかしたら。最後まで弾き切ったほうがいいのかも――どうしてだろう、咄嗟にそう思った)
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戀ヶ仲・くるり 8月19日10時(ピアノを弾き続けるあなたの顔がこちらを向いたのを見て、もう一歩だけ足を進める。ピアノを弾くのに邪魔ではないくらいの、あなたの近く。顔だけ寄せる)
魔法なのかも────最後まで弾いてください!
(なにも根拠も確証もないのに、まるで正しいことかのようにそう言った。光の粒と繋がって、冴え冴えとした感覚の中で、“そうあれかし”と言う一種の確信を持ってあなたに言う。
言葉掛けは演奏の妨げになってしまったとしても、戸惑うあなたの背を押す)
歌も聴きたいです、歌ってください!
(演奏が始まる前と同じような言葉。けれど声に滲む色は少しばかりちがう彩。)
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ゲルダ・ドレッセル 8月19日20時(超能力や魔法。それから、奇跡。おんなはそういった類のものとは縁がない。今この瞬間もないものだと思っている)(それ故に自分の身に何が起こっているのか、自分が何をしでかしているのかまるでわからないようだった。けれど、あなたの笑顔が背中を押してくれるから、鍵盤の上でおどる十指は止まることはない)
わ、……わ、わかった!
(少なくとも、あなたに害をなしているわけではない。そうであるならば――知りたい。『これ』が、何であるのかを。胸の奥底から湧いてくる、どうしようもないよろこびを、音にしたくて)
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ゲルダ・ドレッセル 8月19日20時(それは、名前のない花を、春の息吹を追いかける仔鹿の弾む足取り)
(冬のとばりを 蹄で裂いて 雪の下なる 種抱いて)
(まだ名を知らぬ花を待つ まだ誰も知らぬ春を呼ぶ)
『芽吹き讃えよ 名もなき春よ――いのちは咲いて 歌い出す!』
(最後の音が空気の中へ溶けて消えたあと、余韻だけが置き去りにされたように残っていた。やがてそれは静かなみなもへ落ちた一滴の雫のように、ひそやかな波紋となって広がってゆく。ちいさな夜の箱庭に、音楽の記憶だけが淡いひかりを帯びて滲む。遠く、遠くへと波打ちながら、聴く者の胸の奥にまでやさしく満ちていくかのようだった)
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戀ヶ仲・くるり 8月21日22時わ、……綺麗な曲でした!聴かせていただいてありがとうございます〜!
(パチパチと拍手しながら、演奏の終わったあなたの隣に収まった。声音が弾むのは、素晴らしい曲の感動が大きいけれど、光に触れた名残もあるのだろう。心も足もぴょんぴょこ跳ねる。まるで春の誘いを喜ぶ小動物のように)
あの光、ゲルダさんが曲を弾くと起きるのかなぁ!光が触れると元気になるんです、おすそ分けしたいくらいでした……!
(まだこの身に光は宿っているだろうか?自分でもよく分からないまま、あなたの手に手を重ねようとする。まだ光の効果が残っているのなら、あなたにも元気が灯ればいいと思って。)
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戀ヶ仲・くるり 8月21日23時これが魔法だとしたら、とってもやさしい魔法ですね!ゲルダさんらしい…この曲、ゲルダさんのオリジナルなんですよね。歌もかわいいです!春が待ち遠しくなっちゃう。楽譜はないですよね……
(弾む心のまま、色々な言葉が溢れ出す。この曲が好き!自分でも口ずさんでみたい──起きたら素敵だけれど、奇跡も魔法も起きなくてもいい。でも、出来るなら、)
また、聴けますか?
(あなたを見上げながら、強請るようにそう尋ねた)
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ゲルダ・ドレッセル 8月23日10時(あなたが寄ってきてくれたなら、椅子の端にすこし寄る。いっしょに座ろうと告げるように)
…………!
(拍手の音に我に返って、漸く言葉を思い出す。このひかりの泡は、なんだったのだろう?)
こんなこと、はじめて。……それとも、……私がいままで、気づいてなかっただけ?
(目の前に伸びたきたてのひらに、咄嗟に自分もてのひらを掲げた。ひたりと触れればほのかにひかりの余韻が残っていて。なんだか、元気が胸の奥底から湧いてくるみたいな心地がする。術者である本人には効果が薄いのか、『気がする』程度ではあるけれど)
からだはおかしくなっていない? あなたに……なにか、わるいことはおこっていない?
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ゲルダ・ドレッセル 8月23日10時……でも、よろこんでもらえてよかった。
もともと、生まれた国の言葉で歌詞をつけていたんだけど……日本語の勉強をしているときに、日本語の歌詞もつくったの。それが、こんなふうにおひろめできるなんて思ってもみなかった。
(楽譜はないのかな、と問う声に。ぱちりと目を瞬かせ)
わ、……私の寝泊まりしている部屋に、ある、けど……。
(いやじゃないかな。部屋に上がってなんて、強引すぎたり、しないかな)(それでも。あなたからのおねだりを聞いたなら、おんなの頬は見る間にあかく染まっていき)
も、もちろん。もちろん!
いろんな曲があるの。くるりさんが好きな曲があったら、それもしりたいし……、……えへへ。一緒にうたって遊んでみたり、したいな。
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戀ヶ仲・くるり 8月24日21時はじめてでした?今までは、…ここのお客さんや店長さんは、√能力者じゃないです?じゃあ光が灯ってても“忘れちゃう”のかな……。
(水が指からすり抜けるように。周りがそうであれば、弾くのに熱中していたら気付かないかも、と首が傾く。
椅子の余白に瞬きした後、ぱぁっと笑ってちょこんと並んだ。重なった手。やわらかい熱が手と手の間に残る。あなたはどう感じただろうか、悪いものじゃないといい。あんなにあたたかく感じたのだから。そう顔を見ながら、問われた言葉に首を振った)
──元気が出る感じです!悪い感じ、しませんよ!
怪我を治したり、手助けしてくれる√能力がありますよね。それを使ってもらった時の感覚に近いです。
(大丈夫です!と根拠なく言う。結構な数の事件に巻き込まれている女子高生は、助力の√能力もそれなりの数を受けていた。そこまで見当違いではないだろう)
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戀ヶ仲・くるり 8月24日21時……あれ?ゲルダさん、日本語お上手ですけど、母国語は別なんですか?
お勉強しながら、丁寧に歌詞をつけられたんですね。全然違和感なかったです!素敵な歌でしたねぇ。
楽譜は、お部屋に。……、……おじゃましても、いいんです?あ、もちろん、楽譜見せていただけるだけでも!
(急にお部屋に上がるのは、おじゃまじゃないだろうか。でもあなたから掛けてくれた言葉だから、そう言ってもいいだろうか。“あなたの場所”に入れてくれてるのなら、とてもうれしい。
負担をかけないように、楽譜だけでもと言添えて。)
わ、私も!?ええと、私、ゲルダさんみたいに上手じゃ、(見事な腕前を披露してもらった後だと、少しばかり気が引けた。でも、さっき自分が言った言葉を思い出して声が止まる。“楽しければいい”)……上手じゃ、ないんですけど。
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戀ヶ仲・くるり 8月24日22時一緒に楽しんでもらえるなら、ぜひ。ゲルダさんの好きな曲、教えてください!私の好きな曲だと、邦楽とか、合唱曲とかかな。歌いやすい曲も多いです。
(あなたの顔を見て、へにゃりと笑って言う。自分の歌も楽器の扱いも、とても人前で披露できるものじゃないけど。ともだちと楽しく曲を奏でるのは、きっと楽しい!)
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ゲルダ・ドレッセル 8月26日16時お客さんも、店長さんも……ちがうと、おもう。言われたことがないだけかもしれないけれど……。
(このせかいでは怪異の気配が其処彼処に充満している。故に、人々も日常に潜む異変を多少なり感じ取ることは出来るのだろうけれど、それでも個人差があるだろう。今まで己が演奏をする瞬間に不可思議な現象を感知するひとはいなかった、とおんなは語った。言葉通り、言われたことがないだけだったのかもしれないが)
(てのひらが重なる感触が擽ったくて、ふ、と笑みを溢しながら。あなたにとって悪いものでなかったならよかったと安堵の息を吐き)
そう、なんだ。……よかった。
春を待ち望む曲だから……種が芽吹くみたいに、元気が湧いてくるのかな。
(自分の作った曲のなかでは、いちばん希望に満ちた明るい曲だ。だから、活力を与えるちからがあったのかも。なんて、そうだったらいいな、という希望的観測にしか過ぎないのだが)
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ゲルダ・ドレッセル 8月26日16時えへへ……ほんとう? うれしい。
私、生まれはドイツなの。10歳のころ、お母さまと日本にきて……それからはずっと。
(違和感がなかったと褒めてもらえることは嬉しい。自分の勉強の成果が身を結んでいることを知れたから)
だ、大丈夫。その、散らかしてはいないんだけど……、……お、おともだちをおまねきするのって、はじめてだから。
(子どものころからともだちはピアノだけ。だから、自分の領域にひとを招くなんてはじめてのことだ。おもしろみのない部屋に違いないだろうけれど、あなたがいいなら、なんてはにかんで)
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ゲルダ・ドレッセル 8月26日16時くるりさんがおしえてくれたの。音楽って、たのしければいいんだって! ね、ね。おねがい。
(自分はひとと分かち合うことに酷く不慣れだ。だから、慣れないおねがいのことばを口にした。あなたが頷いてくれるなら、ぱっと笑みを咲かせるはずで)
はやりのうたでも、思い出のうたでも。なんでもいいの。私、音あそびがすき。……おともだちといっしょなら、きっともっとたのしいから。
(こっちにきて、と席を立って、カウンターの奥にある扉へあなたを導いた。扉の先には二階に続く階段があって――おんなと、この建物の主人である女性の居住スペースになっているのだと告げ)
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戀ヶ仲・くるり 8月28日20時お話しないと分からないから……でも、そっとしてくれたかもしれませんねぇ。
(このお店の雰囲気だと、そういうお客さんも居そうだ。触れれば“わるさをするものではない”とすぐ分かるだろうし、あなたが“意識して使ってない”のも伝わりそうだ。目を細めて口をつぐむお客さんの姿が想像できた)
そうですね、外に飛び出して行きたくなるみたいな、元気の出る曲でした!いいなぁ、誰かを手助け出来る力……あ、ごめんなさい、言葉通りの意味で。私、以前見せた√能力しか使えないから。霊震も色んな方から教えてもらって、やっと使えるようになったくらいで……怪我を治したり、元気になる力って、素敵だな、羨ましいなぁって。
(戦えなくても、戦う人たちを手伝えるから。そう続けてから、ゲルダさんの曲はとっても素敵ですね。と笑った。)
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戀ヶ仲・くるり 8月28日20時そうなんですか?ずっと日本にいらっしゃったのかと……こうやってお話できるの、ゲルダさんが勤勉なおかげですね!
(言語がすべてじゃないけれど、意思の疎通は今より絶対に難しい。ともだちにもなれなかったかも。お話できてうれしいから、あなたが学んでくれていてよかった。)
……はい、きっと楽しいです!一緒に歌いましょう!
お部屋も、おじゃましていいなら、ぜひ!ふふ、またはじめましていただいちゃいました。光栄です〜。
(曲を奏でてないあなたも、まるで春を喜んで駆け出すみらいに軽やかに言うから。同じように弾んだ気持ちで頷く。
手招きされるまま、奥まった扉の前まで足を進める。あなたの話を聞いたあと、魔女さんの秘密の入り口みたいですね、と目を細めた。カウンターという、客側だと淡いヴェールがかかった場所の奥にあるから、なおさら)
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ゲルダ・ドレッセル 8月29日02時そっとしておいてくれたか、……ふつうのひとには、みえないのかな?
(ううん、とおんなはすこし考える所作を挟んだ。少なくとも、演奏を聞いてくれたお客さんたちはみんな『元気が出たよ』とか、『良い時間を過ごせたよ』と褒めてくれることばかりだ。おかしなことが起こっていると言われたことはない、と頷いて)
……ふふ、これって。私の『まほう』なのかも!
(なんて、その全容も確かなものではないのだけれど!)(続いたあなたの羨むような声に、慌ててふるふるとかぶりを振って)
わ、私も。自分は、星を詠むことと……あの日みたいに、カナリアたちが夜に遊びに来てくれるくらいだったの。だから、みんなにすこしさきの未来を伝えることしかできなくて……。
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ゲルダ・ドレッセル 8月29日02時……もし、私が書いた曲そのものにちからが宿っているなら……『楽譜通り』にしたら、くるりさんにもつかえないかな?
(憶測にしか過ぎないし、思いつきでしかない。だが、逆に考えれば――もしもあなたにも出来たなら、これが『√能力』ということの証明になるのかも。なんて、そわそわした様子で持ち掛けて)
ふふ、ありがとう。
うれしい、私ね。子どものころから、そうやって誰かと音遊びをしてみたかったの。
(オーケストラと音を合わせることも、もちろん楽しいことだけれど。幼い頃の自分が求めていたのは『分かち合うよろこび』だったのかも)(あなたの言葉に微笑み返しながら。階段をのぼった先、自室の扉をそうっとひらき)
(ちいさなドレッサーに書き物をするための硝子のローテーブル。書籍の類はタブレット派なのだろう、何しろ居候の身だ、本は好きだけれど嵩張ってしまう。この部屋にぬいぐるみがやってきたら、きっととっても賑やかになる筈だ)
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戀ヶ仲・くるり 8月30日23時うーんと…ふつうの人は『心を守るため、忘れようとする』って聞いたことがあります。すぐに気にも止めなくなっちゃう、って。ゲルダさんの曲で光が出ても、お客さんは「元気が出るのは当たり前」って思ってるかも、ですね?
(『音楽を聞いて元気が出る』のは、いい音楽を聞いた時に起こることだから。なおさら違和感なく馴染んだ、かもしれない。どれも“かもしれない”だけれど。)
ふふ、元々が素敵な曲だから、相乗効果ですごーい魔法ですね!
…ゲルダさんはたくさんのことをしてますよ。素敵な曲で誰かが笑うのもそうですし、悲しい出来事を“起きない”よう呼びかけられるは、すごいことです。
(星が詠めるのも得難いことだ。それも少し羨ましい、と思いながら、首を振るあなたにそう言う。あなたは何も出来ないとよく言うけれど、そんなことはない。出会った日にも言ったように、多分何度でも言う。)
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戀ヶ仲・くるり 8月31日00時『楽譜通り』に出来たら、私にも、使える…かも?
(あなたの言葉に、ぱちぱち、と瞬きをする)
えっ、そうだったら……素敵ですね!そうだったらいいなぁ!
(瞬いた目は、そのままキラキラ輝いた。あなたの弾く指や歌う声ではなく、曲自体に力があるなら、それはおとぎ話で出てくる“魔法の曲”だ!
やさしい力だと自分の身体で実感していたから、使えたらいいな!と真っ直ぐ言える)
とってもウキウキする曲だから、奏でたら絶対楽しいですしね!……あ、魔法の曲じゃなくても、奏でてみたいです。私の好きな曲の前に、まず、ゲルダさんの作ったあの曲!遊びましょう!
(“音遊び”にはピッタリな曲だと思う。きっと楽しい!教えてもらうのも、いっしょに奏でるのも、音遊びになるだろうか?
音楽は少しだけピアノを習ったのと、学校の授業くらいしか素養はないけれど。あなたと楽しく奏でられるといい。そう目元を和ませながら話す)
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戀ヶ仲・くるり 8月31日00時(そんな話をしながら、あなたの背中に続いて階段を、扉を通る。そっと佇みたくなるようなお部屋が現れて、目を細めた。お部屋から出難くなりそう。)
……おじゃまします。素敵なお部屋ですねぇ。
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ゲルダ・ドレッセル 8月31日10時あっ、私もそのおはなし、聞いたことがある……!
(といっても、それがなんだかぴんとこなくて、どういう意味合いを持つ現象なのかよくわからないままでいた。あなたの言うとおりであるならば、もしかしたら人々は『音楽でこころを慰められた』としか認識できていないのかもしれない)
わあ……、……もし、……もし、これが私のふしぎなちからだったなら。私のちからで、みんなを元気にできていたのかな。そうだったら、……どうしよう、なんだかどきどきしてきちゃった……!
(そうだったなら、とってもうれしい。もちろん、まだ『そうかもしれない』くらいの曖昧なものだけれど。続くあなたの言葉は輪をかけるようによろこびを運んでくるものだから、どうしよう、顔が緩んじゃう)
ありがとう、そんなふうに言ってくれて。
私のこの目も、……わるいばかりのものじゃないんだって。えへへ、なんだかいまならあなたに自信を持って胸を張れそう。
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ゲルダ・ドレッセル 8月31日10時そうだったら、とってもすてき!
ピアノを弾くことも必要なのかな、それとも歌うだけでいいのかな……。ね、ね、いろいろ試してみよう?
(少なくとも、だけれど。ピアノの発表会で演奏したときも、普段の演奏会でも、誰にも言われたことがないし、自分も認識出来たことはなかった。あなたがはじめてだった。自分の曲をおひろめしたのは、これまたあなたがはじめてだったから――もしかしたら、『そう』なのかも!)
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ゲルダ・ドレッセル 8月31日10時ほんとう? ……ふふ、おきにいりはね、このドレッサーなの。
(じゃーん、なんて両手で示したドレッサーの引き出しを開けて見せれば――そこには、集めたコスメのコレクションがいっぱい!)(おんなはほぼ毎日お化粧をするから、日毎にこの子たちの全員におひろめの機会があるのだと笑った。ちまちま買い集めたそれらで、引き出しの中は宝箱みたいにぎゅうぎゅうだ)
ぬいぐるみをお迎えしたら、やっぱりベッドかな、それとも窓際がいいかな……、
(なんて言いながら、おんなは収納スペースからキャスターつきのファイルボックスをひとつ引き出した。中には、五線譜のノートが窮屈そうに収まっている。きっと、それがおんなの音遊びがいっぱいに詰まった手書きの『魔導書』なのだろう)
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戀ヶ仲・くるり 9月1日22時(へにゃりと眉を下げて笑う。一般人との認識のちがいが、少しばかり、こわいと思っている。
危害を与えられてても“当たり前”だと思うのを、見えているから否定したい。けれど“何を言っているんだ”と言われてしまいそうな齟齬。分かり合えないことを伝えるのはこわい。自分も√能力を得る前は、きっとそうだったのだけれど。
──あなたがうれしげに笑っているから、その考えを口にせずただ笑った。)
…ふふ、たくさん、元気を渡せてたかもしれませんねぇ。
(あなたが無意識に使っていた力が、誰かを手助けしていたなら、それが素敵なことは確かだから。)
はい、とっても素敵な目です。物語なら映えないかもですけど、事件なんて起きないのが一番ですから!防ぐ為の手立てがあって、防ごうと働きかけれるのは、すごいことですよ。
(頬が緩まるのを見ながら、そう続けた。胸を張ってほしい。あなたのような導き手がいるから、守れる機会が生まれるのだと)
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戀ヶ仲・くるり 9月1日22時そうですね!歌詞に力があるのかな、それとも旋律でしょうか?組み合わせなのかも、……謎解きみたいでわくわくしますね!
じゃあ、まずはいっしょに歌ってみましょうか!なにも起きなかったら、お店に戻ってピアノといっしょに……でも、別に光らなくてもいいです。楽しいこと、思いついてやりたくなったこと、しましょう!
(あなたが力を自覚して扱えるようになるのも、自分が素敵な力を得られるのも、素晴らしいことだけれど。それが主題じゃなくていい、と話した。
どうしても今日!という話じゃない。今日の一番は“あなたと楽しむこと”だと宣う。だってともだちと遊ぶことだから!)
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戀ヶ仲・くるり 9月1日22時わ、…わ〜!すごぉい、キラキラしたかわいいものがいっぱい!これ全部コスメですか?色々あるんですねぇ、宝石箱みたい!
(あなたの見せてくれたドレッサーの中身に、はしゃいだ声をあげた。かわいいものと綺麗なもので満たされた一角。こんなの女の子は誰でも好き!)
考えてるとたのしくなっちゃいますねぇ、ぬいぐるみが来たらご相談でもよさそう。……これが、楽譜ですか?わ、これ全部?いっぱいありますね!
(ファイルボックスいっぱいのノートを見て、あなたの隣で目を見開いた。これが全部、楽譜だなんて。長い曲もあるのだろうか?それとも短い曲がいっぱい?あなたの軌跡だと一目で分かる楽譜の量に、無意識に居住まいを正した。背筋が伸びる心地になる)
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ゲルダ・ドレッセル 9月2日07時(超常の存在に気付かない。気付けない。認識さえも曖昧なまま忘れてしまう、ということは。すべてを覚えている私たちは、――それを、どう受け止めればいいのだろう。なんだかそれは自分たちだけが置き去りにされてしまっているように感じられて、ほんのすこしだけこわかった。言葉にはならずとも、あなたと、とても近い考えを胸に抱いている。だけれど、あなたが微笑んでくれるから、漠然とした不安は形をひそめた)
そう言ってもらえて、……えへへ、すごくうれしい。
……私ね。自分で解決することなんてとても出来ないのに、『ひとまかせ』になっちゃうことが、……すごくもどかしかったし、かなしかったの。
自分にも戦えるちからが、勇気があればって思って……それなのに、武器のひとつも持てなくて。……くやしかった。だから……、……あの日、くるりさんに助けてもらったとき。ぜったい、ぜったいあなたを守りたいって、逃げちゃだめって、思ったの。
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ゲルダ・ドレッセル 9月2日07時そうなの、ぜんぶお化粧品!
あのね、……その、ぜんぜん、ちっぽけなことなんだけど……。
(こそこそと、ふたりきりなのにおんなはあなたへ内緒話を持ちかけた)
わたしね。お化粧って、自分のこころを守る『よろい』だっておもってて。格好よくも、可愛くもなれるおまじないで……その日いちばんすてきだって思ったいろを乗せていくとね、自然と背筋が伸びるような気がしているの。
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ゲルダ・ドレッセル 9月2日07時ふふふ! なんだか、パズルみたいだね。
一緒に歌ったり、弾いたりしてみよう。それで、もしうまく行ったら……それって、くるりさんとわたしの『合作』になるのかも!
(そうでなくたって、あなたのことば通り音を一緒に楽しんで遊ぶことはとってもたのしいことに違いないから。浮き立つ胸の鼓動を隠すことなんてできやしない。古い順に並べたノートの一冊を手に取って広げれば、そこにはたくさんの『おんがく』が、おんなの情動のすべてで以って彩られていた)
(『仔鹿の蹄』は、その中でもとびきりたのしい、春への憧憬を描いたものだ)
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戀ヶ仲・くるり 9月3日23時(笑う自分に、笑うあなた。言葉はなくともどこかあたたかい。結構似てると思う、“持っている感覚”ってものが)
そう…ですねぇ。分かります。なにかしたいなって、私も思います。
でも、なんでも全部出来る人って、そうはいないと思うんですよ。ヒーローはかっこいいけど、ヒーローの装備を整えたり、衣食住を助ける人も居るはずです。それも大事なことだと思います。
……はい、あの日のゲルダさんは、(あなたの手を取る。あの日、怪異を前にして退かずに傍にいてくれたあなたは、)とっても頼りになりました!かっこよかったです!
私もゲルダさんと助かりたいって思ったから、絶対やめない!と思えたので!
(逃げても誰も怒らない。自分も怒れない。だって、その方が助かるかもしれなかった。でも逃げなかったあなたの背に、勇気づけられた。武力より、心の支えが力をくれることもある。そう笑いかける)
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戀ヶ仲・くるり 9月3日23時(密やかな声に耳を寄せて、あなたの言葉にぱちりと瞬く)
お化粧が、こころを守る『よろい』……ふふ、私、あんまりお化粧が上手じゃないですけど…綺麗に彩づくと、なんだか元気が出たり、うれしくなりますよね!
(学びたてのメイクはさしたる腕ではない。今もナチュラルメイクもいいところで、色付きのリップクリームにチークが乗ったくらいの、ほんのりと色が乗っただけの顔だ。華やかなあなたの顔を見て、眩しそうに目を細めた)
ゲルダさんがお化粧は、戦装束なんですねぇ。それは上手なのも頷けます。…すごいなぁ、私もそんな風にお化粧、してみたいです。
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戀ヶ仲・くるり 9月3日23時はい、ぜひ!えへへ、私が使えて、ゲルダさんといっしょだと力が強くなる…なんて合作魔法になるかもですね!
(使えるかも分からないのに、そんなことを言う。だってとっても楽しそうだから!あなたと音で遊ぶことを前にして、つい心が弾んでしまう。
あなたの心の表現。広げられたノートの1ページ。五線譜に記された音符たち。譜面読みの基礎はある女子高生が、ノート中で踊る音符を指でさしながら、鼻歌のように音を口に出す。)
♪…〜♫ ……♩……これは歌詞もあります、よね?
(先程聞いた、春を喜ぶ仔鹿の歌。どんな歌詞だった?思い出しながら、そう尋ねた)
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ゲルダ・ドレッセル 9月4日18時そう、なの?
(目を丸くした。だって、みんなは。私たちのなかまとされる、EDENたちは。鍛え上げられた身体であったり、研ぎ澄まされた魔術であったりを用いて勇ましく戦いの中に身を投じていく。そんなみんなのことを、私はあなたの言う通り、ヒーローみたいだって思っているの)
(取られた手を見つめ、目を丸くした)
(格好良かったなんて、そんな)
でも、……でも、私。あのとき……、……、
(泥臭くて、必死で、格好悪かったと思う。ほんとうにちょっとの時間稼ぎしか出来なかった。でも、――それでも、私たちは今、こうして生き残っている。それがひょっとしたら、あなたがくれた答えなのかもしれない)
……くるりさんのほうが、もっともっと、格好良かった!
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ゲルダ・ドレッセル 9月4日18時えっ、そんなことない!
(今度は直ぐに言葉を返した。あなたの今のお化粧だって、肌の色を明るく見せていて、スクールメイクにはぴったりの塩梅で、とっても可愛い。誰だってはじめは初心者なのだから、最初は『引き算メイク』くらいで十分なのだと――熱弁するおんなは、はた、と気づいて顔をあかくした。すきなことになると、つい饒舌になってしまう)
……ね、ね。ぬいぐるみをさがしにいくとき……。コスメも、さがしにいってみない?
お化粧って、すごく自由なの。なりたい自分に近付ける、誰にでも使える魔法で……私はそれがとってもとくいだから、きっと、くるりさんにもおまじないをかけてあげられる気がするの!
(どうかな、どうかな、なんて身を乗り出した。あなたの鮮やかなみどりの髪に、朝靄のひとみにぴったりの色を見つけたい。リップやチークが決まっているなら、アイシャドウをすこしだけ足してもきっと楽しいと頷いて)
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ゲルダ・ドレッセル 9月4日18時わあ、……それって、とってもすてき!
(できるかできないか、じゃなくて。ああでもない、こうでもない、と模索しているときが、ものづくりはいちばんたのしい瞬間だと思うから。あなたが楽譜に少し親しむひとなのだと知れば、同じように音階を軽く声でなぞりながら)
『未だ雪深き 森の奥 未だ眠ったまま 花の種』
『雪解けの風 吹いたなら 仔鹿はめざめ おどりだす!』
(歌い出しは、こうだ。雪解けを迎えた森が、やがて目覚めるいのちたちに、『おはよう』を告げるための風が吹く。いちばんはじめに目覚めた仔鹿は、誰よりはやく春の足音を聞きつけ、おどりだしたのだ)
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戀ヶ仲・くるり 9月5日22時そうです……そうだといいな、って思います。いつも同じが出来ることって、大事だと思うんです。
(身近過ぎて気付けないけれど、いつもと同じが出来るのは、そう出来る積み重ねがあるから。鉄火場で戦っていた人達にも、いつもと同じだ、と一息つく時間があればいい。
ヒーローが日常を守ってくれて、日常がヒーローを支えられるなら、あたたかい巡り合わせだと思うから。)
えっ、わ、私も!?ぇと、……ありがとうございます!がんばりました!ゲルダさんも、がんばってましたっ!私たち、出来ることを、出来るかぎりしました、ね!
(あなたの躊躇いの後の激に、目を見開いた後、尻込みせず受け取った。もっと力があればと思うけれど、精一杯やった!と確かに言える。…だから今、手に取ったままの互いの体温がある。)
…………ふふふふふふふ、なんででしょう。笑っちゃう。
(悪い気分じゃないのに、本気で言ってるのに、なんだか笑ってしまった。)
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戀ヶ仲・くるり 9月5日22時え、……はい……ありがとうございます、そう見えるならうれしいです……このチーク、選んでもらったもので……はい、とってもお気に入りで……!
(勢いのあるあなたの語りに、コクコク頷きながら相槌を打つ。驚いて瞬きし続けているけれど、褒められてうれしい。教えてもらって、練習しているものだから。あなたの語りが聞けるのもうれしい。こんなに熱い様子で、とても好きなのが伝わってくるから。)
……ゲルダさん、お化粧がとっても好きなんですねぇ……え、コスメもお買い物!いいんですか!?
私、今、メイクの練習中で。まずはチークからどう?って教えてもらったんです。他にも色々なものがあるのは分かるんですけど、次はどれを、はピンと来なくて……
(あなたの睫毛。目元。頬。唇。指先。どれも見ていて目元が和む。綺麗なものを見るとしあわせな心地になるのは、きっと万国共通だ)
いっしょにお買い物、したいです!
(そう目を輝かせた)
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戀ヶ仲・くるり 9月5日22時(素敵ですね、とあなたに頷きながら。歌を、音を、ワクワクしながら追いかけた。あなたの歌い出しを聞いた後、もう一度、と指を立ててしめしてから、)
『いまだゆきふかき もりのおく いまだねむったまま はなのたね』
(せーの、で歌い出す。お手本の後、楽譜を目で追いながらなので、なんとか音は合っていた。これで魔法が使えるだろうか!使えないかもしれない。…使えなくたってもいい。使えるかも?のワクワク感がなにより楽しい。)
『ゆきどけのかぜ ふいたなら こじかはめざめ おどりだす!』
(当然のように、あなたほど滑らかでも伸びやかでもない歌。でもあなたは馬鹿にしないだろう。春の陽だまりのように笑う。そんな笑みが似合う歌だ。楽しくなってくる!どう?どうかな?あなたと目をあわせながら歌うので、なおさらに)
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ゲルダ・ドレッセル 9月7日07時(日常を守る側の人間も存在しないと、せかいは上手いこと回っていかない。あなたはそれを伝えようとしてくれている気がして、それがちょっぴりだけ照れくさくって、おんなは誤魔化すようにくすりと笑った)
……なんだか、私。おねえさんなのに、はずかしいね。
くるりさんにいっぱい教えてもらうことばっかり。
(頼りない年上でごめんね、なんて。悲壮感は込められていない、あるのは穏やかな信頼だけだ)
……ふふ、あはは! だめ、私もなんだか笑っちゃう。
そうだよね。私たち、きっと……あの場で出来る精一杯を、やったよね。
(真剣に話しているし、あの日のことはとっても、とっても怖かったのに――こうして手を取り合っていると、それがなんだか、おとこのこたちが自慢している武勇伝のようにも思えてしまって。つい、笑ってしまったの)
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ゲルダ・ドレッセル 9月7日07時(ふんわりと上気したような、咲き染めの花が色付くような淡いチーク。選んでもらったものだと聞けば、とってもすてき、と燥ぐ声を上げ)
うん。私、お化粧がとってもすき。
だから……ふふ。くるりさんとも、いっしょに『すき』を、はんぶんこしたいな。
(そうして。あなたから弾む声で快諾を得られたなら、もう、自分までほっぺたがあかく色づくぐらいに声を弾ませてしまった)
うれしい! 秋や冬が近付いたなら、落ち着いた色味に挑戦するのもいいけれど……くるりさんならクッキーメイクみたいに、あまいお菓子みたいにやわらかいいろも似合いそうだし、それから、それから……。……あとでお店のアドレス、おくるね!
(なんて。交換したばかりのメッセージアプリを使うことを覚え始めたおんなは、うきうきした様子を隠しもせずに『おでかけのよてい』に胸を躍らせていた)
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ゲルダ・ドレッセル 9月7日07時(あなたの歌声が追い掛けてくる。辿々しくとも、私たちの間には笑顔がある。それだけで、曲は確かな『いのち』を与えられていく)
『萌ゆるみどりの 野を越えて つぼみの冠 編みあげて』
『仔鹿の蹄 音高く わたしのゆめへ 駆けてくる!』
(誰より早く目を覚ました、跳ねる仔鹿が地面を鳴らす)
(雪解けの野を走りながら、すべてのいのちを仰ぎ見る)
(どうかな、とあなたがこちらを見るのとほぼ同時――ぽう、と微かなひかりが浮かぶのが。ああ、あなたにも見えただろうか!)
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