【個】新春!お雑煮祭り
新年を迎え、商店街も大賑わい!!――などということはなく、どの店も大抵は正月を穏やかに過ごすべく閉めてあるもの。
がらんと静かな大通りに人の気配などほぼないに等しく、
ワタクシの店も正月三が日と土日は休みをいただきゆるりと寝正月を堪能しようと思っておりました。
思っていたのです。
しかしワタクシ親分命令には逆らうことが出来ず、なぜだか朝から鍋をかき回しておりました。
――何故??????
#夢見月・桜紅
#蝶番・螺鈿
🎍シチュエーション🎍
正月、我楽多屋前
演出終了

何故……何故ワタクシは新年から働かされているのでしょう。昨年はあれ程勤勉に働き通したのですから、新たな年の始まりは平穏にこたつでアイスを食べながら過ごすぐらいは許されるはずだというのに……
(人通りが少ない通り沿いで、鴇色狐はしょんぼり鍋をかき混ぜておりました)
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(新年明けて、とはいえ……今日はまだ人通りが少ない。そんな通り道を歩くのは、一人の女性で)
……? あら?
(珍しく誰かいる、と、鍋を混ぜているあなたを見て、近寄って)
……あ。えと……おはようござい、ます?
お手伝いしましょう、か?
(新年の挨拶、よりも、そんな言葉が先にでてきた)
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ん?……おや?
(しょわしょわ狐が足音にぴんと耳を立て、貴女が声を発すると同時にそちらを向く)
おやおや、お早うございます。何方かと思えば夢現堂の店主殿では御座いませんか。これから参拝で?それとも新年の挨拶回りを?
(つらつらと喋り倒したかと思えばはっと気付いた顔を見せて)
……ああ失礼!あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。(と丁寧に一礼した)
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なんとなんと、地獄に仏とはこの事か。その気遣い非常に、非常に嬉しいのですが……
(輝かしいほどの笑顔が一転し、心底残念そうに眉尻を下げたなら)
仮にも狗ノ区画のお方。お手伝いをさせてはあちらの親分殿への面目が立たないというもの。
その優しいお心のみ頂戴致します。
……ところで、お雑煮など如何です?少なくとも人が口にしても問題ない味となっておりますよ。
(かき回していた鍋からは湯気が立ち上り、美味しそうな香りを漂わせている。レシピ通りに作った、本当に普通のお雑煮だ)
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(丁寧な一礼に小さく微笑んで)
あけましておめでとうございます、ね。今年も……どうぞ、宜しくお願い致します、よ。
(こちらも一礼してから)
そうです、か? では、分かりました、よー。
……ふふっ、確かに美味しそうです、ね。
(漂ってくる香りに心が踊るよう。それ故に)
朝ごはん、まだ食べていなく、て。いただいても良いでしょう、か。お雑煮。
(そう言いながら、小首を傾げるなど)
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おや、それは一大事。朝食は一日の始まりに力を与えるもの。是が非でも召し上がっていただきましょう。
……ちなみに餅はおいくつをご希望で?
今なら焼きたての小さめ丸餅をお好みの数お入れしますよ。
(ちらりと見せてきた丸餅は紅白へ染められていた。なんとなく縁起が良さそうに見える)
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はぁ〜〜〜〜い只今🎶
(🤘の手。二本指を見せた貴女へ見せた)
(嬉々としてレンジへ紅白餅をイン、割れ膨れたところで熱い熱いと言いながら取り出して、鍋で軽く煮込んだ)
もう少し煮たほうが美味と聞いてますので今暫くお待ちを。(ことことくつくつ)
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ああ、店ですか?(ちらりと閉まったままの扉を見て)
ええ、三が日と土日はお休みをいただこうかと。
商店街もこの通り閑古鳥すら鳴かぬほど。当店のような我楽多屋に入る客など更に稀。なのでお休みしていようと思ったのですが……
気になります?
(すっと、覗き込むように屈んで微笑んだ)
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(やはり三が日は、どこも休みたいところ、と思っていたところで、覗き込む視線に気付いた)
あ、はい。その……実は、最初に、この商店街に来た時から、気になっていたの、です。
なかなか、行く機会を失っていて……。で、でも、せっかくお休みされたい、でしょうし、気になさらないで、ください、な?
(苦笑した)
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(ことこと煮込んで餅が柔らかくなったなら、椀によそって出来上がり!)
お待たせ致しました、完成です!
さあさあ、あたたかい内にお召し上がりくださいませ、さささ。
(と椀を貴女へと差し出した。紅白の餅の他にも梅の形に型抜きされた蒲鉾に、ニンジン、大根、ほうれん草。色合いも鮮やかな薄口醤油仕立てのお雑煮だ)
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なんと……当店が気になっていたと……?
そのように言われているのに今日は休業等と、店主の風上にも置けないことは言いません。
そちらの雑煮も室内で食べた方が味わえるでしょう。さささ、いらさりませ。
(戸を引いたなら薄暗い店内が見えるだろう。手前にはお客様との相談用に置かれた机と椅子、奥の棚には珍妙な品物の数々。パッと見は普通の古道具屋のようだ)
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わぁ……! この、お雑煮……とても色とりどりで、綺麗です、ね!
(お椀の中をそっと覗き込んで、その豊かな色に目が釘付けになってから)
あっ、いえあの……! わ、わ……?
(何か言うよりも早く、流れるままに店内へ入っていく。勿論お椀をしっかり持って 、だ)
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(そして店内を見る。机や椅子もあり、奥には商品らしいものがずらりと並んでいて)
わぁ……螺鈿さんの、お店、色んなものがあるのです、ね。
(どんな道具で、どんな使い方をするのだろう、なんて思って……はっ、と我に返る)
す、すみません、無理に開けさせてしまっ、て……!
(あわわ、と表情だけプチ慌て)
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(“お客様”となった貴女を椅子へ案内し、お座りいただけたら箸を差し出す)
ふふ、ワタクシ自慢の我楽多、中々に見応えがありましょう?様々な世界を渡り歩き、集めに集めた選りすぐりの品に御座います。
とはいえ、人の価値など様々。
(女性客に勧めるなら、と棚の中から二つほど品を選んで持ち出し)
まあ、折角ですから手始めにこれらの品からお見せしましょう。
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ひとつ。
(ことりと置いた箱の蓋を開ければ、一本の硝子ペンが収まっていた。薄い黄色の混じる美しい姿、見た限り“我楽多”と呼ぶほどの品ではない)
こちらはさる女性作家より譲り受けました、硝子細工の筆に御座います。
彼女曰く「もう書けなくなってしまった」らしく、ワタクシが引き取ることと相成りました。
事実、如何なる墨を使えども文字の一つも書けない代物。筆記用具としては使えません。
(如何か?と貴女の様子を伺う)
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(案内されるまま椅子に座り、お箸をいただいて……食べることよりも、あなたが箱を持ってきた、そのものが気になってしまう)
硝子細工の、筆……とても、素敵な筆です、ね。
(薄い黄色がかかった硝子細工を、まじまじ、と見て)
筆記用具として使えない、のでしょうけれど……なんとなく、この筆には、本を書いてきた人の想いが、込められてそうです、ね……なんて。
(素人ながらに、そんな感想を持った)
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ええ、ええ!中々に目の付け所が良い!!(嬉しそうに耳をそちらに向けてにっこぉりと笑う)
……その通り。この筆より、筆の使命を奪ったは正に書き手の|情念《おもい》にて。
この世に在りし『呪われた物品』は全て、人がそう在れかしと望んだが故に生まれるもの。
この筆にもまた然り、かの女性作家の|情念《のろい》が宿りこのようになってしまったのです。
(どこぞより取り出した扇子を開き、口元を隠した)
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このような、曰く付きの品を取り揃えたのが我が『百花亭』に御座います。
人々の情念が籠められ、それにより大きく歪められた品。これこそワタクシの求める我楽多に御座いますれば……
(ぱちん、と扇子を閉じて)
――次も、ご覧になりたいですか?
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|情念《おもい》が|情念《のろい》になって……歪む。
(書き綴って、綴って、綴り続けて……もう何も書けない……そんな|情念《おもい》を込められた、硝子細工の道具の情景を感じた気がして)
(一度、目を閉じ、また開く)
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えぇ、是非、お願いします。
あっ、お雑煮も、いただきます、ね!
(ちょうど良い具合になってきたお雑煮を、紅のお餅からはふはふ、と頬張っていく)
おいひいでふ、はふ……!
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(貴女の解を聞き、狐は細く細く微笑んだ)
分かりました。なれば次なる品をお出ししましょう。
(ぱたりと蓋を閉じ、硝子ペンを机の端にと追いやって)
……ああ!そうでした。ワタクシとした事が話すのが楽しくてつい、うっかり。 ええ、ええ、お召し上がりを。喉に詰まらせないようお気をつけてくださいね。
(先程とは打って変わって軽快な狐の声音には、微量の気遣いが籠もっていた。頬張るその様子を微笑ましく見ながら、次の品)
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ではもうひとつ。
(今度の品は先程よりも大きな箱から取り出された。ごとんと重々しい音を鳴らして机に置かれたのは何とも……味わい深い顔をした木彫りの猫だ)
はい、見ての通りの猫に御座います。
この品はさる職人より譲り受けた品。何でも奥方様の愛した飼い猫を題材に、丸太から彫り進めた逸品なのだとか。
然しながら、妻も猫も先立ち他の家族とも疎遠。譲り先がないとのことで通りすがりのワタクシが頂くことと相成りました。
難点は――ぶっちゃけめちゃくちゃ場所を取る上、存外重い事ですね。
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──!
(一瞬、はっ、と目を見開いて木彫りを見た……が、その姿が猫だと分かって、直ぐに小さく息を吐いた)
猫さんの姿……なんだか、今にも動き出しそう、です、ね?
(精巧に掘られた、木彫り猫を、やはりまじまじ、と見る)
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(にこにこ狐は食べ進めて貰って大喜び)
(味見以外で口にしていなかった狐も、後で自分も一杯頂いたとて叱られることはないだろうという気分になってきた)
いやはや、たまには良いものですね。料理というのも。
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はい、猫です。
(アルカイックな笑顔の猫は丸太の台の上で丸くなっていた。今にも欠伸をしそうな雰囲気だが微動だにしない)
ちなみに、この猫には先程の品とはまた違う情念が籠もっております。
奥方様への慕情、飼い猫への愛情、そう言った一途な想いが宿っております。
――ワタクシ、様々な人の感情を見るのが好きなのです。故に、こうして蒐集を。
(演出終了)
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ふふっ、螺鈿さんは、お料理も上手、ですし……こんなに素敵なものを、集めていらっしゃったのです、ね……!
(ちょうど食べ終えるところで、ご馳走様でした、と伝えるだろう)
(そして触れられるのなら、木彫りの猫にそっと撫でようとして)
……可能なら、もう少しだけ、螺鈿さんのお店の品物について、お話を聞きたいところです、ね。
(良いだろうか? と少し首を傾げて聞いてみる)
(演出終了)
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おやおやおやおや、褒めてもお品代がすこぉし安くするくらいしか出来ませんよ?
本当にお気持ち、すこぉしだけでは御座いますが……
(ころころ笑って親指と人差し指の合間に小さな隙間を作り)
(本物の猫を撫でるようなその仕草に頬を緩めた)
ふふ、そんなにも気になるというのなら……ええ!新年お一人目のお客様にサァビスさせていただきましょう!!
祝いも呪いも詰め込まれた我が我楽多の数々……ゆるりと、ご覧くださいませ。
ワタクシの解説も付くのです、下手な博物館よりも楽しませてみせましょう!!
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