椿之原・一彦の日記帳

お恥ずかしい話…少し言い辛い事を言うのですが…
実は私の言葉遣いにまだ後ろの人が慣れておらず、試しながら発言しているという状況です。
今は仕事中の時の口調で話しています。これが妹と一緒の時は変わるのですが…
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ナイチンゲールが√能力者になる…
すいません、これはさすがにすぐ納得する事ができません。
村も受け入れがたいという意見が大多数でしょう。
慈雨村は戦闘機械群に追われて流れ着いた人たちによる互助組織です。共通の敵がいるという意識で人間性が保たれています部分があります。
…
ただ人間が哀れだからと迂闊に近付いたら暴徒化した村人に八つ裂きすら生温い改造を施されますよ。
ベルセルクマシンやサイボーグ、レプリノイドのように。
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(えぐえぐ、えうえう、べそをかいても足取りはまっすぐに天國さんに向かい、そのまま腕の中に飛び込んでぎゅっとしがみついた)
うっ、ぅえっ、お、お兄ちゃんが意地悪言ったのです…!(そこまで言うとまた涙を目に一杯ためてぷるぷる震えだした)
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(妹を落ち着かせるためと、自分も冷静になるために部屋から出て距離を取ってもらったのだと察すると、一度溜息を吐いて目を閉じた)
…子供に何をやってるんだ、しっかりしろ俺。
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(抱っこされてあやされながら、涙声で事情を説明しようと頑張った)
な、ナイチンゲールの人達、仲間になるのです。
でも、お兄ちゃん、ナイチンゲールは|戦闘機械《敵》だから村に来たらひどい目にあうって。
すごく顔が怖かったのです。ひどいことを言ってるのです。だから酷いこと言わないでって言ったのです。
そうしたら……私、子供だからって…うぅーーーっ。(そこまで言うとまた悲しくなってきたのでぎゅっと天國さんの胸元に顔をくっつけようとする)
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……そうかそうか、うんうん。判ったぜ、希。
(胸元へ頭を抱き寄せれば、襟元が涙で濡れていくのを感じた。そうしてただ言葉を聞く。希はいい子だ。だがそれは無知であることも意味する。戦いの中で延々と積み重なる怨嗟の澱。機械兵には非ざる人の心にこそ降り積もるそれを、まだ彼女は理解出来ない。愛する妻や子供を目の前で殺められ、そのはらわたの温もりを頬に感じる、そんな地獄を彼女はまだ知らない。ならばどこまでも純粋にもなれよう。情けをかけるという認識すらなく、受け入れることが出来るのだろう――幼いが故に)
きっとなァ、兄ちゃんも酷いことを云いたいわけじゃなかったのさ。
ただ、兄ちゃんも辛かったんだろ。
――希が生まれる前からの、戦いの記憶を思い出してよ。
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(二人が離れた所で会話をしているのを確認して、まずは冷静になる為にポケットからシガレットケースのような板状の容器を抜き出すと、白い錠剤を一つ出し嚙み砕いて飲みこむ。すぐに効果が現れ呼吸も頭も落ち着き冴えていく。)
ーよしっ。これでいつでも二人を迎えれる。
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(天國さんにぎゅうっとしがみついて泣いていたが、あやされて段々と落ち着いてきたらしく涙やしゃっくりも少しずつ収まってきた)
…お兄ちゃんもつらかったのですか?
…私が生まれる前の事はちっとも話してくれないのです…だからわからないのです。
だから、教えてほしかったのです…
(過ぎた好奇心、まさしくそう言うのにふさわしい事を何も知らず呟く子供がいた。相手の事を考えて、寄り添いたいという無邪気な思いも見て取れるが。しかし相手の記憶はあまりにも重く、暗い。戦争というものの中味の悍ましさを知っている者ならそう考えつくだろう。)
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(無邪気な願いを聞く。肩口に頭を乗せる幼子の、うるんだ大きな瞳と視線をあわせてそっと微笑む)
希は希望なんだ、と兄ちゃんが云ってた、って前におせェてくれたな?
そう、希望で居て欲しいんだよ、兄ちゃんは。
そして希望は明るくて、皆を元気にするモノでなきゃいけねェ。
だからあえて過去の、重くて辛い記憶なんて知って欲しくないんじゃねェかな。
希まで、自分と同じようにその悲しみに囚われてしまわないようによ。
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(やかんに火をかけて人数分の湯を沸かす傍ら、棚に置いておいた茶筒を取り出しこっそり隠しておいた紅茶の葉を測って滅菌処理をしたビーカーに入れておく。あとはお湯が沸くのを待つだけだ。仲直りのお茶を、と用意しているらしい)
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(ぐいぐいと自分の袖口で涙をぬぐってしっかり天國さんの言葉を聞こうとしている。そしてしばらく自分の頭で考えて、考え抜いて)
はい、私は希望だって言ってくれたのです。
…お兄ちゃんは私を守ってくれた、ってことですか?
悲しい事ってずっと頭を重くするのです。私がそうならないようにあえて話さなかった…天國さんからそんな風に聞こえます。
(泣いた後特有の真っ赤な顔でも、目はしっかり天國さんを見つめて自分の考えをそう伝えてみた。もしかして、ひょっとして、そんな戸惑いも混ざった少し自信がない声で)
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(まだ滲む涙を、懐から取り出した手拭いの角でそっと拭い)
ああ。
兄ちゃんは兄ちゃんなりに、希を守ろうとしたんじゃねェかな。
ただ、兄ちゃんも悲しいことを思いだしちまって、辛くなっちまって。
優しく伝えることは出来なかった。そんな感じに思えたよ、俺ァ。
希がどう思うかは、判らねェけども。
(泣きはらした瞳で、しかししっかりと見つめて来る希へ小さく頷く)
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(優しい手つきでなみだをぬぐってくれる天國さんの言葉に少し考えた後)
私は、お兄ちゃん大好きなのです。それでいっぱい頑張ったらお兄ちゃんも幸せになってニコニコ笑顔になってくれるって思ってたのです。
だからさっきのは悲しかったのです。子供だって言われて頑張りがまだ足りないよって言われた気がしたのです。
でも違うのですね…お兄ちゃんも辛いことを思い出したって、考えがたどり着かなかったのです。
(落ち着く腕の中で、いっぱい泣いた後の頭は少し冷静になったのか初めて相手の心境に考えをめぐらす事に気付いた。段々涙は乾いていき表情も悲しくて困った顔から真面目に考えていく顔になっていった)
うぅ…これは、大好きな人を困らせてしまったのです。
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そうか、もしも大好きな兄ちゃんが本当にそんなことを云ったら、そりゃあ悲しいわなァ。
(人の心臓の音は安心するという。ぽん、ぽん、とゆっくり鼓動のようなリズムで小さな背中を叩いて、希が落ち着けるよう努めながら、吐露された彼女の心情を繰り返して理解を示す)
大丈夫さ。希の大好きな兄ちゃんは、この程度困ったくらいで怒ったりするような人間じゃねェ、だろ?困らせてしまってごめんなさい、この一言で仲直りさ。
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(抱っこさされてあやされて背中をぽん、ぽん、と優しく叩かれるうちに、少し眠くなってきたのか天國さんの腕の中で少しずつうつらうつらとし始めた。泣いて頭が疲れたのだろう。)
はい、お兄ちゃん怒らないのです。駄目だよって言うことはあるけどいつも優しいのです。
…ごめんなさいってしたいのです、それで、それで、みんなにこにこしたいのです…(こっくりこっくり)
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おう、そうしような。
ちょっと休んで、それからな。
そうすれば兄ちゃんもきっと、辛いのが少し無くなってるさ。
(さらりとした髪の感触と、子供特有の高い体温を感じながら己自身もリラックスするに努める、感覚は共有される。密着していればそれはより顕著になる。ぺたりとくっついてくる希を揺らしながら、ほんの少し聞こえる程度に鼻歌を歌う。緩やかで、どこか懐かしいメロディーを)
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…ん?(二人が帰ってくるのを待っている間、ふと違和感に気付いて顔を上げる。空気が穏やかに震えるような、√ウォーゾーンの村では久しく感じたことがない深く息を吸えるような、そんな気配を感じた)
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(泣いた後の高い体温と早い鼓動を打つ小さな体は、ぎゅっと天國さんの着物を掴んだまま胸元に寄りかかり、そう時間をかけずにことりと眠りに落ちた。聞こえた小さな歌声に前にどこかで、雨の、ゆらゆら揺れる、バスの。そこまでが限界だった)
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(部屋に二人が戻ってくる気配を感じふと顔を上げ、小さく微笑み声も抑えて答えた)
希は眠ったのですね…。
ーありがとうございます。あの子を宥めて頂いて。(そういうと小さな妹を受け取ろうと手を伸ばそうとした)
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(すーすーと小さな寝息を立てて腕の中で寝入っている。子供特有の高い体温としっとりした肌触り、力が抜けてしっかり着物の裾を握っていた手も緩み、何よりいつもはいているローファーが抜け落ちそうになっている)
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大したこっちゃねェさ――…お前さんの苦労に比べりゃな。
(そおっと希を仰向けにして、一彦の腕の中へと収める。ゆらり、揺れて落ちたローファーが硬い床で音を立てたのを拾って)
医者やって、メカニックもこなして、お兄ちゃんもしながら村のまとめ役もやってるんだろ?
そりゃあ、珠にゃあ言葉が止められない時もあらァな。
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(大事に妹を受け取ると、前よりも少し重くなった小さい体を抱きかかえながら薄く微笑む。希も大きくなって靴のサイズがずれてきたのも一瞬で判断する。)
靴、ありがとうございます。
…前線や別の√で命がけで戦っている人達に比べたら、この位の事何て事はありませんよ。
不死だといわれている√能力者の人達を前にしたら尚の事、重責は比べようもないですし。
慰めもありがとうございます、ですが今回は完全に私に非があります。
この子にもっと考えて話せばよかったのに…。起きたらこの子に謝りたいです。
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おう、希もそう云ってたよ、謝りたいってな。
お互いにそう思ってりゃあ問題ねェや、お互いにごめんなさいで仲直りだ。
(背中を軽く叩きに行きつつ、その後靴を希の足に履かせようとすれば、成程、合わなくなっているのに気づき)
その辺の端っこにでもおいとくかィ?
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