⑭聖遺物何トン持てる?
お願いチャンピオン! めっちゃエネルギー欲しい!
欧州諸国からのそんな要望を叶えるため、出陣するは武強主義基準で選出されたウェイトリフティング選手にしてEU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』
役職には力不足、あまり賢くないとはいえど、その背に世界を背負った者だ。
隆起した筋肉をささやかに覆い隠す数々の聖遺物(合計2トン)で神がかった加護をまとい、√EDENアクロス福岡の地を、ズシリ! ズシリ! と踏み締めるのだった。
「──なるべく悪い奴だけ殺してインビジブルを収奪したいものだな」
●
「√仙術サイバーのEU諸国より脅威の筋肉と、圧倒的な霊的防護を身につけた√能力者が現れました。幸にしてそこまで好戦的ではない様子。どうぞ退いてもらいましょう」
筋肉どころか肉体すら無い星詠み|誉川《ほまれかわ》・|晴迪《はるみち》(幽霊のルートブレイカー・h01657)が宙を漂いながら呼びかける。
纏う数多の聖遺物(合計2トン)を"薄皮一枚"と評するバルバラ自身の身体能力はもちろん、それらから与えられる強力な防護は超常の力さえ跳ね除ける。
無策で挑めば、必ず返り討ちに遭うだろう。
「また、バルバラさんは賢そうな振る舞いにとても弱いようです。彼女の"殺すなら悪い奴だけ"という希望と合わせて|クレバー《かしこそう》に語りかければ、ひとまずの撤退も視野に入れてくれるのではないでしょうか」
EDEN達の力と知力(見せかけでOK!)を示す時です。
そう先導するユーレーの姿は小さなアーチをくぐった瞬間に見えなくなった。
かの戦場は、その向こうにつながっているのだ。
第1章 ボス戦 『EU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』』
「悪い奴、ですか」
『──√能力者か』
まずは敵意を見せず、|八月一日《ほづみ》・|圭 《けい》(螺鈿を纏う修羅の語り部・h09402)は視線の先にいるEU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』へと静かに問いかける。
「どうして悪い者だけを狙うのですか。そして、その『悪』は何を基準に見分けるのでしょう──」
シュルリ、とバルバラの聖遺物"ヴェロニカの布"がなびく。
風が吹いたのではない。
バルバラが地面を蹴破りながら、一足飛びで間合いに踏み込んできたのだ!!
ガキィン!!
『!?』
圭が鞘を抜かない"霊刀真黒"を盾に構えた目の前で、バルバラの拳は止まっていた。
それは彼の√能力【|呪詛界域《マレディクト・スフィア》】が、相性の良さから融合前に聖遺物を呪物化に成功。更に伸ばした布の硬質化により、バルバラの身体を地面に縫い止めさせたからだ。
今、彼女に与えられるはずだった√能力の恩恵は一切ない!
「指針を示すのは、最高議長として大切な役目です」
パキパキ……。
「ですが、具体的な判断基準がなければ、現場は迷います」
メキメキ……。
「善人を悪人と誤認する危険も、悪人を見逃す危険もある。その答えは、もう見つかっていますか」
ブチブチブチブチ……。
圭が語りかける目の前で、少しずつ前進するバルバラ。
なんと己の純粋な筋力だけで、今にも√能力による拘束を破ろうとしている!
本人には一切の自覚がないようだが、武侠主義で厳選された、まさしくEUの先鋭であるのだ。
目と鼻の先で蠢く総重量2トン越え、ヒグマ4頭分以上のヒトガタモンスター。
冷や汗を流し歪みそうになる表情を、圭はその涼しげな見た目を存分に発揮して決して悟らせない!
「もし答えがまだ出ていないのなら、一度帰って整理するべきです。トップに必要なのは、迷わないことではなく、迷った時に立ち止まる勇気だと思います」
『──ふむ、どうやら君は口八丁で騙し討ちをしよう、というタイプではないようだな』
スッと前進を止め、その場で姿勢を正し構えを解くバルバラ。
『やはり初対面の√能力者は、ひとまず組み合ってみるものだな。頭が良くない私でも相手のことがよく分かる。とても賢い青年だ』
「……そう見えるなら、それで構いません」
ゆっくり武器を収め、ひとまずの緊張を解く圭。
──なんとあの必死のぶつかり合いが挨拶代わりだったとは。
守るべき未来を斬り開いた圭は役目を果たし、一礼と共にその場を後にする。
次のEDEN達が繋いでくれることを信じながら。
「バルバラさん、こんにちは」
挨拶概念怪異との大規模戦闘が始まるところだが、こちらはいたって普通の会話。
今から説き伏せなければいけない相手に礼儀正しくファーストコンタクトを試みるは|見下《みした》・|七三子《なみこ》(使い捨ての戦闘員・h00338)
対するEU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』も東洋文化に準じ、拳を合わせて会釈を返す。
──どう見ても空手や柔道で行われる、試合開始前の所作である。
バルバラには頭の良い者達の言う、小難しい理屈など解らぬ。
されど己に挑まんと目の前にあるものならば、バーベルだろうがヒトだろうが、ひとまず|戦《や》ってみれば分かるというもの!
そして七三子が選択するは、なんと√能力無しのガチンコバトル!
√マスクドヒーローにて、一家全員が戦闘員にして悪役の出自たる己。
──インビジブル回収には最適な相手?
否! 感情を取り戻した改造人間は、大人しくやられ役を演じはしない!!
ナックルナイフを手に構えると同時に、両者は一気に踏み込んだ!
「お仕事は大変だなあと思うのですが、悪い人とはいえ、√EDENを殺されちゃうのはまずくって」
姿勢を低く沈めバルバラの腕下をくぐり抜けざまにマヒ攻撃を打ち込む!
──パンッ!
鎧の固い手応えと同時に、呪わしい力が霧散する感覚を感じる。これが霊的防護か。
「だって、悪いことをしてるなら、ちゃんと司法の裁きを受けて、きっちり罪を償うべきだと思うんです。そうじゃないと、被害に遭った方が報われません」
聖遺物のマントがひるがえる刹那、目の前に突き出されるは斧のような形状をした豪奢なハンマーの石突!
強化筋肉による怪力とナックルで受け流すが凄まじい勢いに巻き込まれてそのまま吹き飛ぶ!
重たい金属同士がぶつかる音、鉄の香りがわずかに混じる。
転がるように着地し距離を取れば、ハンマーを軽く回転させながらバルバラが追う!
──本音は、ここまで。
長く息を吐き切り呼吸、新鮮な空気を肺と脳に届けると、七三子はそっと胸を張り、言葉を重ねる。
「相手の善悪の判別もつかないまま私たちと消耗戦を始めるのは、バルバラさん側の費用対効果が最悪です。被害が広がれば、あなた自身の方針にも反するでしょう」
打ち下ろされる水晶のハンマーヘッドを見切って回避!
巻き上がる瓦礫と土煙の中でも決して目をそらさず、七三子はバルバラの凛とした顔をまっすぐ見つめる。
「故郷のための判断が重くなるのは理解できます。でも、最高議長として、効率無視で動き回って本当にいいんでしょうか。その、組織としての威厳とかメンツとか」
『……なるほど、いまの私は子供のおつかい感が否めないからな』
地に半分ほどめり込んだ豪奢なハンマーをそのままに、バルバラは納得するようにうなずく。
武侠主義、まして一番強いボスが前線に出るなど珍しくもない世界ではあるが、鉄砲玉よろしくの心持でいるのは、確かに違う気がしたのだ。
『組織の求める方針と自分の心に乖離があるというのは、なかなかに心苦しいところだな』
「感情を外から操作されるよりマシですよ」
こんなに素直で、こんなに驚異的な彼女がいつか自分達のようにならないようにと、そっと願うのだった。
「クレバーって判断基準は、バルバラ嬢相手だと難しいねぇ……まぁ普段通りいってみようか」
霊剣"白木柄の退魔刀"を手に、EU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』の前へ進み出るは|椎宮《つちみや》・|紫水《しすい》(シセキエイ・h12162)
「やあこんにちは、バルバラ嬢。私は椎宮・紫水。これから『戦うかも』しれない相手だ」
芝居がかった所作に、今後を匂わせ気味な物言い。
バルバラがそれをどこまで理解したか定かではないが、煌びやかな巨大ハンマーの聖遺物"受難の槌"を肩に担ぎ構えることで応える。
戦わないで済むのならばそうしたい──と考えていた紫水だが、仕方ないとばかり刀剣に"ツチミヤヒメノカミの神力"を纏わせ始める。
──彼女の背負ってきたもの……いや聖遺物じゃなくて、故郷のエネルギー事情だね、それを思うと簡単に退く事も無いか。
「私の腕1本……と思ったが私が怒られるからすまない」
愛のため絶対に帰らねばならない男は、EU最高峰の戦士を帰国させるため、全力で挑む!
両者が放つは同じ、領域を塗り替える√能力。
後攻となり行動成功率が半減してからではそれもままならないと、紫水はバルバラのハンマー攻撃を避けると同時に、自らも√能力【|神纏ノ太刀《カミマトイノタチ》】をあえて外し神域の展開を試みる!
「ヒメ様の力を刃に載せて。我ら椎宮流の戦い方、その目に焼き付けるといい」
──!!!!
轟音と共に激しく弾け飛ぶ芝生と薙ぎ倒される樹木!
夏の生温い風が草と土の香りを運び去れば、両者は共に同じ行動半減のバッドステータスを受けていた。
素晴らしく泥試合の予感!!
「──なぁに、分の悪い賭けは嫌いじゃなくてね!」
互いの領域が干渉し合い、世界そのものが粘着質になったかのように重い。
だが紫水は、そのまとわりつくような不自由さをむしろ歓迎するように唇の端を上げた。
モンスターめいたパワーを誇るバルバラのパフォーマンスを強引に削ぎ落とし、その力を十全に振るわせないための策。
「いかな強大とて、当たらなければ意味が無い……こちらもなかなか貫通しないだろうけどね」
『なるほど……身体が妙に重たいな。……だが、悪くない!』
バルバラは己の腕をまじまじと見つめた後、豪快に笑い飛ばした。
シャフトが折れんばかりにプレートを連ねても感じたことのなかった、地球の重力自体が増したかのような感覚。
普通ならば焦る局面だが、彼女のウェイトリフティング選手として培ってきた戦いの本能が、この泥沼の立ち回りを楽しんでいた。
「持久戦といこうじゃないか!」
重厚な雰囲気を吹き飛ばすように紫水が踏み込む!
デバフの影響で互いに大技の精度は格段に落ちている。
振るわれるハンマーの軌道はわずかにブレ、迎え撃つ"白木柄の退魔刀"の一閃もまた、あと一歩のところで決定打を欠く。
ガキン! と甲高い火花が散り、お互いに仕留めきれないもどかしい打撃戦が繰り広げられた。
「バルバラ嬢、君の背負う故郷の重みは本物だ。だがね──」
寸でのところでハンマーの威力を受け流し、紫水はひらりと距離を取る。
「こっちだって、無事に帰って怒られないといけない理由があるんだよ」
愛する者の顔を思い浮かべながら、紫水は再び刀を強く握り直すのだった。
「わあ、大聖堂が歩いてる……! 聖遺物の重みを物ともしない筋肉の鼓動が聞こえます! できればその肉体美を見てみたいなー?」
『すまない、全部大事なものなので、脱いで無くすようなことはしたくないんだ』
「ですよねー」
これからEDENの人命をかけて説得、もとい戦わなければいけない両者が、いたって柔らかな空気を纏って会話している。
筋肉美をたたえている小さな猫獣人が|紗舞《しゃまい》・エト(|猫女神の巫女《ヘメトネチェル》・h05380)
対するは、欧州各地から集められた重厚な聖遺物・計2トンを鈴なりに身に着けてなお涼し気に佇んでいるのがEU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』である。
「ところで、最高議長さんは効率的なインビジブル収奪方法はご存知ですよね?」
『悲惨な死や圧倒的な恐怖がもたらされた場に顕現する"邪悪なインビジブル"を狙うやり方だな。……必要とあらば、躊躇などしないつもりだ』
バルバラの闘志と聖遺物のオーラが集まるように、その赤い右眼に激しく燃える炎が灯る。聖遺物『聖ルチアの右眼』の力だ。
いえいえ、その覚悟があるかの話じゃないんです、とエトは身振り手振りを交えて否定しながら、その右眼に宿ったものが混じりけの無い"聖なるもの"であることをしっかりと認めて告げる。
「聖遺物や鍛え抜いた肉体は善なる行いの象徴。それを非道な目的に用いるのは、神と筋肉に対する冒涜だと思いませんか?」
『ぐっ……』
神に仕える巫女たるものだからこそ放てる、心の底から湧き出るエトの言葉。
さきほど聖遺物越しでも肉体美を褒められ、嬉しかった気持ちもあり、バルバラの内心が揺れる。
「悪人だけ狙うとして、判断基準が貴女の主観だけなのもあまりに危険すぎます。万が一にも冤罪があってはいけません。ここは一旦持ち帰り、穏当な基準を策定するのが先決だと思います!」
『……皆似たようなことを言うのだな』
EU議会が好機と判断するので√EDENまで来たが、非道非情を貫かなければそれは叶わないのだと現地√能力者は語る。
──歴史的に幾度も襲われた世界の戦士達が言うのだから、きっとそうなんだろうな。
バルバラはエト(褒めてくれるし猫なので戦う気が起きなかった)に向き直る。
『期待をかけられた者の責務だ。もう少しの間だけ、見極めさせてくれ』
「それは仕方がないですね。みんな集まれ~!」
エトの呼びかけと同時にどこからともなく召喚され集まる可愛らしい猫の群れは√能力【|猫の集会《シンケントロシ・ガトン》】によるもの。
それを見た途端、バルバラは右眼で見定めたエトの"隙"に向かって素早く手刀を繰り出す!
しかしそれはエトの祈りによって飛翔する剣"ディバインブレイド"の先制攻撃によって素早く弾かれ、命中効果によって右眼の隙を見る炎までもが掻き消えてしまった!
エトは猫の群れに紛れて上手く離脱したようで、あとに残るはまだ消えぬ無数の猫達。
バルバラは足元で鳴くそれらを見下ろし──ネコに邪魔されたので帰ってきました、は通用するだろうかと、ひとり大真面目に思考するのだった。
「バルバラさん本来の戦闘力に聖遺物の防護が加われば、まさに天下無双。総力戦を挑むよりは撤退を促して凌ぐべきですね
」
戦況を分析しつつアクロス福岡に降り立つは白いサイボーグ|深雪《ミユキ》・モルゲンシュテルン(明星、白く燃えて・h02863)
そして周囲に浮かぶ……否、飛んでいる9体のぬいぐるみは√能力【|かわいい仲間達《マスコット・エキシビション》】により使役するマスコット型ドローンだ。
万全の体制のそれらを見て、すぐさま右眼に聖なるオーラを燃え上がらせるはEU最高議長『バルバラ・アルペンローゼ』
しかしマスコット達はすぐに散り散りになり、戦場一帯をそれぞれエネルギーバリアでガードし出した。
──自分自身ではなく、おそらく周囲の施設や市民を守るためのものなのだろう。
『──どうやら君も、話し合いに来たようだね』
煌びやかな巨大ハンマーを手に構えるバルバラ。
そう、頭が良くないと自称する彼女にとっては、ぶつかり合いこそが最も相手の考えを知ることができる方法なのだから!
「その攻撃は予測済みです」
やはりそう来るかと、深雪もすかさずマルチライフルを構える。
バルバラが踏み出すと同時に、それらはまばゆい弾丸を射出する!
チュドドドドドドドン!!!!
一瞬で変形した銃から連射するはビームの弾幕!
√能力【|戦術機動攻撃《タクティカルマニューバ》】による先制攻撃で使用される得物は"対ウォーゾーン用"。
戦闘機械を破壊するための強力なビームの雨が、生身の人間であるバルバラに撃ち込まれる!!
『──むん!!!!』
花火に突っ込んだかのようは光の雨の中、巨大ハンマーを素早く回し鎧で弾きながらバルバラが突き進む!
隙を見る√能力に聖遺物の守り、何より己の圧倒的筋肉物理パワーによって、対WZ攻撃だろうと押し通っているのだ!
──視界は塞がれたが、攻撃直後なら相手もそこまで動けないはず。
そうしてビームの嵐の中心地、深雪のもとへ一瞬で間合いを詰めるバルバラだったが。
『!?』
その場所にも、周囲にも、どこにも白いサイボーグの姿は見えなかった。
「バルバラさん。無辜の市民を傷つけることを望まないあなたの信念には、私も共感します」
『はあっ!!』
光学迷彩を纏い隠密状態。もはや姿も隙も見えない深雪に向かい、バルバラが横薙ぎにハンマーを振るう!
それは話しかけるために近付いていた深雪が素早く身を引けば、鼻先を大槌がかすめてゆく!
音か、気配か、天性の格闘センスか。
このまま姿をくらませば深雪の勝利。
しかし、彼女は伝えなければいけない。
双方が望む未来に近付く方法を!
「そこで一つ提案があるのですが……ここは撤退して、EUを牛耳る政治家達に無能を晒してみるのは如何でしょう?」
『でぇい!』
なおも接近する深雪の声の方向へ、バルバラは右ストレート!
白い前髪が触れる。
「彼らがあなたを頂点に据えた理由は、操りやすく力だけは強い傀儡を必要としているからです」
『とうっ!』
後ろへ回った声へ向かって、鎧の防御と重量任せの後方タックル!
サイボーグ化した義体に擦れて小さな音を立てる。
「しかし気紛れに作戦を放棄するほどに呑気な者は、余計な知恵が回らずとも駒として無価値でしょう」
『はっ!!』
方向と今までの速度をから予想してハンマーによる振り上げの一撃!
思わず銃を盾に受け止めるが衝撃により飛び退く!
見えていないのに、どんどん命中精度を上げるバルバラ。
この機を逃さんとハンマーの連続攻撃の動作に入るのを見やり、咄嗟にその場で叫ぶ深雪。
「失敗を繰り返すうちに、そのうち更迭されて元の仕事に戻れるかもしれませんよ?」
『なるほど! 分かった!』
防御の姿勢をとる深雪に対し、掛け声と同じ調子で了承の返事をするバルバラ。
一瞬何が起こったのか分からず、ハンマーを下ろすバルバラに驚きの視線を送る深雪。
『現場に赴きEDENの者達の意思を実際に聞いた。賢い彼らは不満を抱くだろうが、これを今回得た情報として持ち帰ろう。──ただただ搾取されるだけの、か弱いもの達ではなかったぞ、とな』
圧倒的に有利な立場から一才の追撃をせず弁を尽くす深雪。また他のEDEN達からも何か思うところが出来たのだろう。
「人類は進み続けます。向かう先が楽園ではないとしても」
深雪のその言葉を聞き、撤退をするバルバラは、少し笑っているように見えたという。
