シナリオ

⑮鏡を覗き、我がふり見れば

#√仙術サイバー #ゾディアック継承戦争 #ゾディアック継承戦争⑮ #平日は執筆ペース落ちてます

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⚔️王劍戦争:ゾディアック継承戦争

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
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(毎日16時更新)

 ――吸い上げられるゾディアック。それはやがてゾディアック・ミラーを創造する。
「このオーラこそ、星詠みの力を強める鏡。完成した暁には、あのEDENとかいう者達を昼夜問わず襲撃し、この世界も自然へ回帰させましょう。人は皆、健やかなパンダのように文明を捨てて自然に戻るべきなのです……」

 ……暑い真夏の日差しの中、屈強なパンダが気候をものともせず佇んでいる。
 彼は√仙術サイバーの|魔教《カルト》『黑白蓮教』の教主。
 強くある事を悪と断じ、強者の生活を脅かし、強者を叩きのめすことを是とする教義を持っている。
 そんな彼がいま、|楽園《EDEN》を訪れてエネルギーを回収していた。


「――神聖竜さまのお告げが視えました。≪楽園≫の能力者よ。あなたにゾディアック・サインの内容をお伝えします」
 そう言って、あなたの前にふらりと現れたのは、星詠みの能力を持つエキドナ・デ・イリオス(狂信の神聖祈祷師・h02615)。
 彼女はうつろな瞳であなたを見つめると、あなたの返事を待たぬままうわ言のように一方的な話を開始する……。

「異なる世界より来た強きパンダ、『食鉄大師』がさらなる力をつけようと画策しています。もし彼の者が力を完全としたならば、絶え間ない襲撃が行われて文明を壊してゆくことでしょう。彼の者は世界を自然に回帰するべきだという。そして強者を許さぬというのです。ああ、自然の厳しさを知らぬというのか! 冷房の効いた部屋でのお昼寝と、甘く冷たいかき氷は守られなければなりません!」
 後半だいぶ私情が混ざったがこの言葉が示すのは未来の危険。
 いかに√EDENの『忘れようとする力』といえども、昼夜問わずの襲撃をされては日常など薄氷の如く崩れ去る。EDEN衝動の有無と関係なく、破壊に重点を置く|魔教《カルト》のテロリストに力を与えるのは不味いのだ。
 大切なものたちと過ごす日々を守るためにも、このパンダにはお帰り願う他にない。

「食鉄大師はカンフーを得意とする近接戦闘型。正面から相対するのは簡単ではないでしょう。加えて創造中のゾディアック・ミラーを用いて"数秒先"の未来を常に知る様です。しかし身に着けたばかりの力は往々にして使いこなせぬもの。対策もあります」
 続けて、エキドナは敵への対策も伝えてゆく。
「ひとつ。未来を視たとてそれを受け止められるかは別、理解の外にあるものには思考が止まるものです。ふたつ。信仰への穴。矛盾を突く説得力のある情報は一時的にでも思考を止めることでしょう」

 ここまで伝えると、エキドナは静かに福岡・水鏡天満宮の方向をスッと指した。その方向に、件の食鉄大師が要るらしい。
「大きな矛盾を抱えしパンダ。チワワの如きポメラニアンの方が可愛げがあるというものです。神聖竜さまの名の元に祈りましょう。汝らの進む道に光と祝福があらんことを」
 最後にそう言うと、彼女は他の能力者へお告げを伝えるべく街中にふらりと消えてゆくのだった……。

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第1章 ボス戦 『食鉄大師』


レイラ・ウー


「弱者を守ると言いながら、強者を叩きのめす。それも立派な武強主義ネ」
 そう言い肩を竦めるレイラ・ウー(|契約至上主義のアウトロー武侠《ウラギリハユルサナイ》・h12286)。
 何かを得るためにより強く。それこそ正に武強主義の根幹であろう。
 つまりは強さを邪悪と断定した以上、『食鉄大師』の手段と思想は噛み合わないのだ。
 しかしその言葉に食鉄大師が答える前に、レイラの銃弾が彼の身を貫いていた。
「……この問いには、答えないわけにはいきません。つまり武強主義との違いが分からないのでしょう? その違いを伝えることが難しい」
 そう語る食鉄大師の腹が血で赤く染まってゆく。それ対し、レイラはさらなる挑発を以て返した。
「未来は見えても、その程度ネ」
「どうやら貴女は問答をしに来たわけでは無い様だ」
 食鉄大師は頭部の螺髪を、鮮血の如き深紅の髪とした修羅へ変わってゆく……。

 ここまでの間、レイラは食鉄大師の反応を観察していた。
 食鉄大師はレイラが言葉を発する前から考えこんでいたのだ。
(だいたい5秒といったところネ)
 武強主義と黑白蓮教の違いを説明する事に頭が一杯だった食鉄大師は、思考に集中するあまり未来を視てなお回避できなかったらしい。
 しかし攻撃を受けたいま、食鉄大師は修羅となり能力が上がっている。今は正面から撃っても容易く避けられてしまうだろう。
 レイラは次の手を仕掛けようと大型カスタムしたM17の銃口を向けた。すると、食鉄大師はすぐさまその場を跳び退いてゆく。
 時間差の跳弾も含めた全てを予知で視て、対処しきれないと分かりその範囲を出たようだ。
「回避先を徹底的に潰す攻撃とは、恐ろしい……。やはりあなた達EDENは『強者』です」
「ならどうするネ。ゾディアック回収を諦めて尻尾まいて逃げるカ?」
「いいえ、貴女を叩きのめします」
 食鉄大師は大地を蹴るとレイラとの間合いを一気に詰めて猛攻を開始する。掌底、膝、肘鉄と繰り出される攻撃を、レイラは受けて流す防御で直撃を避けつつ捌いてゆく。しかし防戦一方で反撃の隙が見つからない。

 だがここで突如、食鉄大師に不自然な隙が発生した!
「なんと、なんと……! 仙術機械を用いぬ自然なパンダの健やかさを理解しませんか!」
 脈絡なく叫ぶ言葉と生まれた隙――それを見逃すレイラではない。
 彼女は即座に銃床で打撃を与え、間合いを離すや周囲の岩や壁へ弾丸を放ってゆく。
 もちろんこれは外したのではない。跳弾を計算し逃げ道を塞いだ時間差の攻撃だ。
 そして、その後にこう言い放つ。
「自然なパンダ? 袈裟着たパンダは自然ないヨ!」
 これが先の隙の答え合わせ。
 因が先か果が先か、食鉄大師はこの言葉に反応して隙を作ってしまったのだ。
「受けたら返すヨ」
 レイラの|因果返礼《メビウス》による銃撃が食鉄大師を撃ち抜いた。

巫・黒星


 仙桃に似た甘い香気が仙氣と電磁パルスと共に空間を飛び交って、場を支配する。
 しかもその仙氣は大気に満ちた自然の力である。
 自然に回帰することを是とするならば、自然の力を纏うこのEDENはどうなのだ。これは健やかなパンダなのではないか?
 『食鉄大師』の心身がぐらりと揺らぐ。
 相性が悪い。
 |巫《ウー》・|黒星《ヘイシン》(|鬼面道士《デスマスク》・h08880)の攻勢に、食鉄大師はそう実感した。

 出会い頭に電光石火で敵との間合いを詰める黒星。
 柔らかくて伸びやかな動きは、即座の半歩程度の回避に容易く追随して当ててくるだろう。
 ならば間合いを大きく開けて崩したのちに改めて詰めれば対処出来るかもしれないが、相手の移動が速ければ離すも詰めるもままならない。
 その未来を視た食鉄大師には、防御以外の選択肢がなかった。
 せめてこの未来予知が数時間先であったなら。強者が力を発揮できぬよう事前の準備を整えることができたであろうに。
 積層都市を破壊するように、人工的なライフラインを破壊して強者の健康を損なわせれば勝ち目を拾えたかもしれない。
 しかし数秒程度の予知でそれは叶わぬことだ。

「数秒先まで視えるようだけど、アナタが対処出来る余裕は実質何秒分ね?」
 攻勢を緩めずに黒星は問いかけた。しかし相手は既に、答える余裕が無い様だ。
(予知能力は強力だけど誰もが其れを活かせるかは別の話なのね)
 |電磁発勁法《サイバースレイヤー》を発揮した黒星が打撃を入れるたび、そしてそれを食鉄大師が防御するたび、黒星の纏う仙氣と紫電の電磁パルスが食鉄大師の毛皮を焼いてゆく。
 この素早い猛攻には秘伝書の『|般陀《パンダ》|真経《しんけい》』もさほど効果を示さない。カンフー・カルト・マスターであればこそ、|魔教《カルト》による後光が効かねばただのカンフーが得意なパンダなのだ。
(避けようとしたら、そこに追いつかれ発勁を打たれる未来が視えます。これはとても不味い……。時間を稼ぎ、後光の効果が出るのを待つ以外に手がありません)
 螺髪を解き修羅となれば対抗できたかもしれないが、残念ながら今の状況でそこまで考える余裕はない。いや、考えるからこそ最適にたどり着けないのではないだろうか。
 考えるばかりで動けぬ食鉄大師を見て黒星は思う。
(時として考えるのではなく、感じることで何かに対応するのもカンフーマスターには必要な才能なのね)

 やがてダメージの蓄積で食鉄大師の身体がよろめいた。
 そこへ黒星は電磁発勁を打ち込む構えをとる……。毛皮を貫通するこの一撃は、食鉄大師に深手を負わせることだろう。
 対する食鉄大師はその未来を視たためか、もはや守る素振りさえ見せていない。
 未来視の力に呑まれた食鉄大師に、鋭い一撃が打ち込まれた。

祟・雷鯉


「そらぁ!」
 |祟《すう》・|雷鯉《らいり》(救義矢救派『課悪封』の雷鯉・h12304)は足を上げ、大きく踏み込むと超硬化野球ボールを投球した。
 狙われた『食鉄大師』は、未来予知した球の道筋から逸れて躱し、その先に待ち構える萬年火鯉の炎からも身を躱してゆく。
 しかし雷鯉が投げたボールは二投目だ。一投目は既に壁に当たって跳ね返り、雷鯉はそれをバットで打ち返した。
「まだまだいくぜぇ!」
 強烈な内野ゴロの如き打球。その球の向き先も、もちろん食鉄大師だ。
 立て続けの攻勢に、食鉄大師はたまらず脇腹に球を受ける。
 いかに数秒先が予知できたとて、同時に迫る相手は厳しいものだ。
 それ故に食鉄大師は徐々にと隅に追い込まれていた。

 しかしここまで食鉄大師はまだ反撃に出てこない。
 それは積層都市の外を知るパンダ同士として、食鉄大師が雷鯉を仲間に引き込みたいと考えたからだ。
「……最後にもう一度訪ねます。仙術機械を使わず積層都市の外で生きる我ら『黑白蓮教』に、賛同する意思は本当にないのですね」
 だが雷鯉はその言葉を拒絶した。
 雷鯉は、積層都市の外を知るからこそ食鉄大師の破壊活動を止めなければと考えるからだ。
「武強主義を嫌うのは否定しねえ。子を拐われた母に弱いのが悪いと宣うなんざ碌でもねえ。けどな? あんた、人が外で生きる大変さ知ってるのかよ」
「そうですか……では仕方がありません。貴方を叩きのめしましょう」
 そう答えると、食鉄大師は螺髪を解く。鮮血の如き深紅の長髪が血のように身に垂れかかると、食鉄大師は返り血を浴びる修羅のような姿となった。
 対する雷鯉も萬年火鯉の背に乗って相手の速度に身構える。
 けれど雷鯉はまだ言いたいことがある。
 食鉄大師の答えが気に食わないのだ。パンダ以外の弱者が積層都市の外でどれほど大変な思いをしているのかの問いに、食鉄大師は答えなかったのだ。

「おいらは知ってるぜ。病に倒れ薬がなく苦しむ人を無力に嘆くダチの姿を! 其れでも積層都市で生きられず足掻く人をよ!」
 牽制のためにボールを投げると雷鯉はすぐさま跳躍をする。狙うは極端を振りかざすあの野郎。空中で高速|前方回転《スピン》を加えて功夫バットに威力を加えていった。
 この間、食鉄大師は棒立ちだった。強者を叩きのめそうとも変わらぬ苦しみがあるのは事実。それ故に、同じ環境を知る雷鯉に返す言葉が見つからないのだ。
 食鉄大師は苦々しく言葉を絞り出す。
「……だがそれでも、武強主義を無くすことはできる……」
 この答えは生命力の無い者は犠牲にすると言っているのに等しい。
 だから雷鯉は、功夫バットを振り下ろす手を緩めずに力いっぱい振り抜いた!
「極論抜かす其の石頭叩き割ってやらあ! 」
 乾いた大きな音が鳴り響く。
 食鉄大師の頭を|火鯉回転打《カープスラッガー》の強力な一撃が打ち付けた。

パトリシア・バークリー


「はいはい、|大熊猫《ダーシオンマオ》は一匹で自然に還ってよ。人間くらい簡単に食い殺せる生態系の頂点生物でしょ」
 パトリシア・バークリー(アースウィッシュ・h00426)の、出会い頭の言葉に『食鉄大師』は仰天した。
(パンダが頂点? 確かに力は強いのかもしれない。だが弱者を虐げる強者を如何とするかの論を飛ばし、ただの種族の話にされるとは)
 しかしまだ心持ちへの影響は少ない。
 数秒前に知っていたため、食鉄大師はこの言葉を無視して如来神掌を放つ構えをとってゆく。
 だがここで、食鉄大師の動きがぴたりと止まってしまった。

「待ちなさい。貴女はもしや、はしたない事をしようとしていませんか? 確かに私は人は自然に回帰するべきと考えますが、しかし、|そこまで自然に回帰すべきとは考えていません《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》」
 しかし、パトリシアは食鉄大師の言葉を無視して話を続けてゆく。
「大体、教主が一人っきりで何してるの? 慕ってくれる信者っていないのかな? まあ、普通はこんな面白ばかうけな話を真に受けないよねぇ」
 そして、パトリシアは「屠龍騎士パトリシア・バークリー。推して参る」と攻撃を宣言しながら上着を脱ぎだした。
 ちょうど食鉄大師が動きを止めてから数秒後の事である。

 未来予知があってなお理解できぬ行動……それを前に、食鉄大師は戦いの中で戦いを忘れてしまっていた。
 これはただの屠竜宣誓撃のプロセスなのだが、他の|√《世界》の常識などそうそう知る機会はないだろう。
 故にパトリシアは|狙って《・・・》振る舞っている。そして、これがうまく相手の意表を突けていた。
「もしや言語が通じていないのですか? しかし貴女の話す言葉は日本語のように聞こえます……。脱ぐのを止めなさい。むやみに人前で肌を晒すものではありません。聞こえていますか?」
 そうこうする間に、パトリシアは早くもシャツを脱ぎ捨て今や上半身は下着のみ。
 この作戦は、食鉄大師に冷静さを取り戻させないのが鍵となる。
 冷静になりパトリシアを異常者という理解の枠に入れる前に、最後のプロセスをクリアして斬りつけなければならない。
 パトリシアは、脱衣を止めようとする食鉄大師の手を振り払いってさらにホットパンツも脱ぎ捨てる。
 迫る手を振り払う――これにて敵の攻撃を弾く条件もクリアする。
 このとき食鉄大師は、変えられなかった脱衣の未来に対し己の衣をパトリシアに与えようとしていた。
「屠龍宣誓撃を喰らえ!」
 大剣が鋭く振り下ろされてゆく……。
「大熊猫には、さっさと自分の√へお帰り願おうか」

 いっそ支離滅裂な狂人であればこの攻撃に対応できたのかもしれない。
 しかし、理論の矛盾を抱えつつもさほど狂ってないために食鉄大師は適切な対応ができなかった。
 故に、黑白蓮教の教主はこの一撃で呆気なく切り裂かれてしまった。

雪願・リューリア


 『食鉄大師』は意外にも、言葉には言葉を返す律儀さを見せている。
 そしてその律義さゆえに、最後は雪願・リューリア(願い届けし者・h01522)に手玉にとられてしまっていた。

 場所は水鏡天満宮の境内。
 そこでは|般陀《パンダ》|真経《しんけい》で後光を放ちながらゆっくり歩み寄る食鉄大師と、フレックスウォールを展開して後光を凌ぎつつ距離をとってゆくリューリアの姿があった。
 食鉄大師は秘伝書から得た武術をいつでも叩き込めるよう、一気に踏み込める間合いを取ろうとしている。しかし一気呵成に攻め込まないのは壁の後ろに隠れ続けるリューリアの手の内がわからないからだ。
 その結果、境内の中で円を描くように二人でぐるぐる回って間合いをとる絶妙な状況が繰り広げられている。

「武術といいつつ思考操作して来るあたり、ツッコミどころが多いパンダだ」
「そうおっしゃるのであれば、もうすこし敵意を隠しては如何ですか? 私に対して挑発を繰り返す未来が視えていますよ」
「それから我は強者ではないぞ。それでも負けるつもりはないが」
「異なことを。√能力者は見た目で強さを測れないものでしょう?」
「それとやっていることはカンフーでもないと矛盾も指摘させてもらおうか」
「せめて私の武術を受けてからにしてくれませんか」
 言葉のやり取りのたび思考に隙が発生しているが、決定的なものは引き出せていない。
(しかしこうも会話に付き合ってくれるとは。予知能力の優位に自身があるのだろうか。だが少しずつ警戒も薄れている様だ。我が本当に強者なのか疑問に思い始めていると良いが……)
 事実、食鉄大師の声色からは敵意が薄れ始めている。
「……ふむ。あなたが本当に強者ではないとしましょう。であれば、あなたは我々『黑白蓮教』の庇護対象であり、共に武強主義に抗う仲間。こちら側に来ませんか?」
 そう問いかける食鉄大師だが、すぐに悲しそうな顔をして次の言葉を考え始めた。
 それは、このあとのリューリアの返答を予知したためだ。
 加えて食鉄大師は、ここまでのやりとりでリューリアに攻撃手段がないと思い込んでしまっている。
 この無防備な考え事は、その後の予知を見逃す原因となった。

 一方でリューリアはずっと√能力で"自身の現在地と同じ場所"からの光景を観測していた。
 つまり壁越しに相手の姿が見えていたのだ。
 だからリューリアは、考え込む食鉄大師を観測しながら予知通りに言葉を返す。
「強者に立ち向かう姿勢はともかく、生活を脅かして叩きのめすというのは強者が弱者にする行いだぞ」
 勧誘しようとした相手にこう返されたら納得できる答えを考えざるを得ないだろう。
 こうして予知をなぞるや、リューリアは直ぐに攻撃を開始した!
(予知能力を過信しすぎたな。言葉や姿に惑わされてはならないという例だろうか)
 リューリアは隙だらけの食鉄大師へと霊能波と電撃の力を込めた波動弾を放つ。
 その無数の弾丸は食鉄大師の頭上から雨の如く降り注ぎ、その身体を打ち据えた。
 この攻撃に食鉄大師は思わず膝をつく。
「成る程……。確かにこれは強者の戦い方ではありませんね……」
 そう言い残すと、食鉄大師はそのまま大地に倒れ伏した。

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