⑯巨大ロボ・グロンバイン大地に立つ!
●合体ロボット『グロンバイン』
「オレの名前はグロンバイン!
森羅万象すべてとの合体によって|完全機械《インテグラル・アニムス》への到達を目指す、レリギオス・グロンバインの『ヘッドユニット』なんだ!」
合体ロボット『グロンバイン』が堂々と名乗りを上げる。
「それにしても、√EDENには愉快なものがいっぱいだなあ!
特にこのドーム球場、俺の『ボディユニット』にぴったりじゃないか?」
そして、目をつけたのは巨大なドーム球場だった。
「レッツ、|変形合体《グロンバイン》! ドームよ、オレのボディになれ!
人間もいっぱい飲み込めば、未完成の必殺武器も使えるようになるかもな!?」
強引にドームと合体すると、超巨大ロボットに変身した!
「次回、合体ロボットグロンバイン『ペイペイ・ドームの戦い』!
君のハートに、グロンバイン!」
次回予告のように締めくくり、戦場で挑戦者を待つように、腕を組んで立ちはだかった。
●星詠み
「レリギオス・グロンバインの統率者、合体ロボット『グロンバイン』が、みずほPayPayドームに現れたのじゃ!
それどころか、巨大なグロンバインはなんと、みずほPayPayドームを「ボディユニット」に変形させて、巨大な姿となっておるのじゃ!」
フェルネア・パスティーニ(白き氷の魔女・h00819)がドーム球場サイズのロボットが現れたことを告げる。
「グロンバインを倒すには、ヘッドユニットと化している本体を叩かねばならん。
その為に、まず変形したPayPayドームを駆け上がってゆかねばならぬ。
元のドームの形状を知っておれば、その動きも予測できよう」
ドームのボディを駆け上がり、ヘッド部分であるグロンバイン本体を叩かねば勝てない。
「それと、周辺住民がカプセルに閉じ込められ、仮死状態でドーム内に閉じ込められておるようじゃ。グロンバイン本体を倒せば解放されるじゃろうから、傷をつけぬように気をつけねばならん」
一般人の多くが、ボディのドーム部分に囚われている。下手に攻撃して巻き込まないように注意しなければならない。
「ドームと合体するなど、スケールが大きいのぅ。しかし、倒してしまわねば、中に囚われておる人々も救えぬし、動き出して周囲に被害が出るやもしれぬ。ドームを駆け上がり、グロンバイン本体を撃破するのじゃ!」
フェルネアの激励を受け、EDEN達は巨大ロボを倒しにみずほPayPayドームに向かった――。
第1章 ボス戦 『合体ロボット『グロンバインPD』』
●巨大ロボに挑め!
「来たなEDEN! 合体ロボ・グロンバイン『ペイペイ・ドームの戦い』の始まりだ! 楽しんでいってくれよな!」
ドーム球場をボディにしてしまった巨大な『グロンバインPD』が、戦場に現れた小さなEDEN達を見下ろした。
「グロンバインまさかの頭だけだなんて……」
エアリィ・ウィンディア(精霊の娘・h00277)は遥か上にある巨大合体ロボの頭部、グロンバイン本体を見上げた。ドームそのものがボディとなり、合体ロボの大きさはとんでもないものだった。
「大きい……でもでも。あたしと紫水さんの連携には勝てないって教えてあげるよっ♪」
「もちろんだともエアリィ嬢。
私達の連携で全力で叩こう」
隣に立つ|椎宮・紫水《つちみや・しすい》(シセキエイ・h12162)が頷き、二人でならどれほど大きな強敵であっても勝てると自信を漲らせる。
「それじゃあ、行こうっ!」
先陣を切ってエアリィが高速詠唱から√能力『|六芒星増幅術精霊斬《ヘキサドライブ・ブースト・スラッシュ》』を発動し、火・水・風・土・光・闇の精霊達の力を纏って移動速度を跳ね上げ、一気にドームボディを駆け上がる!
「はっはっは、私のお姫様は元気だなぁ。
負けていられないね」
負けじと軽やかに笑う紫水も√能力『古龍降臨』を発動し、古龍を纏って身体能力を高めて追いかける。
「おっと」
あまりの速度に飛びそうになる帽子を押さえ、ドームのボディを足場に登っていく。
「曰く、重力が体を引くより速く、だ」
落ちるよりも速く駆け上がればいいだけだと、紫水は体重を感じさせぬ身軽さでドームボディを蹴り上がった。
「頭まで登って来れるかな? ほらほら、振り落としてあげるよ」
グロンバインが動くと、大きく揺れて登るEDENが振り落とされそうになる。
「このくらいなら大丈夫っ!」
「この程度では、私達のスピードを落とすこともできない」
エアリィと紫水は足を止めることなく、揺れるボディを駆け抜けていく。
「スゴイスゴイ! それならこれはどうかな?
DXミニミニグロンバイン!!」
グロンバインが無数のミニミニグロンバインを放ち、浮かび上がったチビロボの群れが二人を包囲し噛みつき攻撃を開始した!
「これまた小さいのがいっぱい……いい足場じゃないか」
「ほんとだね、空に橋ができたみたいっ!」
紫水がドームから跳躍し、それに続いてエアリィも跳んでミニミニグロンバインを足場にして空を駆け上がる!
「やっちゃえミニミニグロンバイン!!」
グロンバインの命令に従い、ミニミニグロンバインがかみつくが、攻撃したはずのエアリィの姿が消える。
「それは幻影だよっ!」
残像を幻影使いで強化して攪乱しつつ、エアリィはミニミニグロンバインの群れの中を跳んでいく――。
「どんどん登ってくる! でも、ミニミニグロンバインを足場にしてるなら落としやすい! ミニミニグロンバインと一緒に落ちてしまえー!!」
グロンバインは足場になっているミニミニグロンバインを落下させ、エアリィが空中で体勢を崩す。
「落としやすい?
ふふ、誰よりも信頼できる大好きな人が付いているからっ!」
落下しそうになってもエアリィは不安を覚えず、一番頼りになる人へと視線を向けると、紫水がミニミニグロンバインを蹴って既にこちらに跳んでいた。
「油断は禁物だよエアリィ嬢」
そう言ってお姫様抱っこでエアリィを抱き上げ、そのままドームボディの肩に着地した。
「だから、あたしは無敵だよーっ♪」
エアリィが無敵の笑顔になると、グロンバイン本体である頭部に向かって【精霊銃『エレメンタル・シューター』】にチャージショットを放つ!
「攻撃が来た! 防げー!」
ミニミニグロンバインが壁になって防ぐが、砕かれて道が開かれる。
「行くよっ!」
魔力弾を追って駆け出したエアリィが跳躍し、【精霊剣『エレメンティア・ブレイド』】を大上段に構えて振り下ろし、守ろうとするミニミニグロンバインごと頭部に傷を刻むと、その勢いのまま身体を回転させ、【精霊靴】に魔力を宿し蹴りによって『六芒星精霊収束斬』を放つ!
「蹴りの斬撃!?」
驚くグロンバインの頭部に大きな傷が走る。
「エアリィ嬢に続こう。
霊剣術・古龍閃――」
そこへ息を合わせて紫水が追撃し、腰に差した【霊斬刀・風】の柄に手を当て、居合抜きで『霊剣術・古龍閃』を放った!
その斬撃はエアリィがつけた傷跡を綺麗に抉ると、爆発が起きて分厚い装甲が欠け、穴からバチバチと放電する。
「|ヘッドユニット《オレ》に傷を刻むなんて、やるな!!」
グロンバインはEDENの力を認め、大きな手を振るって虫のようにエアリィと紫水を払いのける。
「大丈夫か、エアリィ嬢」
「大丈夫! 倒し切れなかったけど、大きなダメージは与えられたね!」
すると二人は空中で体勢を立て直し、風で減速して地上へと降りた。
「簡単に巨大ロボがやられるもんか!! まだまだ戦える! いくぞー!!」
弱点である頭部に大きな傷が刻まれたが、グロンバインは元気いっぱいにドームのボディを動かし、周囲の建物を崩しながら暴れ続けた……。
「なんでドームをボディに選んだんだろうな……?」
|空地・海人《そらち・かいと》(フィルム・アクセプターポライズ・h00953)はそんな疑問に首を傾げながらも、変身ベルト【フォトシューティングバックル】を腰に巻いた。
「現像!」
そして掛け声と共に√能力を発動し、赤い装甲を纏う【フィルム・アクセプターポライズ √マスクド・ヒーローフォーム】へと変身する!
「このフォームならドームを駆け上がれる!」
高い身体能力を活かして跳躍を繰り返し、ドームのボディを華麗に駆け登っていく。
「変身したー! オレみたいに合体はしないのかな?
ほらほら! アスレチックみたいに楽しんでくれよな!」
グロンバインが体を揺すると、地震のように足場のドームが揺れる!
「地震くらいで、ヒーローは止められないぜ!」
海人は跳躍を繰り返し、振り落とされそうになってもドームの一部をしっかりと掴んで離さず、また取りついて登り始める。
「それなら、これでどうだー! DXグロンバインキャノン!!」
カプセルに囚われた人間達の力を利用し、レーザー砲塔大量出現モードに変身してボディに無数のレーザー砲塔を生み出した!
「弾幕を抜けられるかな? ファイヤー!!」
四方八方からレーザーが放たれる!
「レーザーか」
海人は【閃光剣・ストロボフラッシャー】を構え、光の剣で迫るレーザーを空へと弾いていく。
「レーザー砲塔はしっかり破壊して行った方が良さそうだな。レーザーの流れ弾が囚われの人達に当たるかもしれない」
駆け抜けながら次々と砲身を切断し、速度を上げてボディを登り頭部へと辿り着く……。
「辿り着いたぜ、グロンバイン! ……のヘッドユニット!」
巨大ロボの頭部となっているグロンバインに、海人が光の剣を向ける。
「よく来た! だけど、オレを倒せるかな!」
頭部の周辺にもレーザー砲塔が並んでいた。
「その頭をかち割ってやるぜ!」
怯まず海人が閃光剣をリミッター解除して光の刃を伸ばし、出力を最大にして、極大化した光刃を掲げる――。
「必殺……ポライズスラッシュ!」
振り下ろして閃光が迸り、グロンバインを斬り裂く!
「うぉおおおおおおおおおおっ!?」
危機を感じて叫びながらグロンバインが頭を傾げ、刃は頭部の一部を綺麗に切断した。
「あ、危なかった。まだまだ戦いは始まったばかり、楽しませてもらわないとな!」
グロンバインは反撃にレーザーを掃射し、海人を地上へと叩き落とした。
「次の挑戦者は誰かな? オレと戦いたいヤツは登ってこーい!」
巨大なドームロボ・グロンバインが遊びに誘うように呼び掛ける。
「楽しそうにしてるが、やってることは自身の強化と人質を攫いつつ、新兵器とやらのエネルギーにするというエグいことしてるんだよな」
セージ・ジェードゥ(影草・h07993)は無邪気な雰囲気をしている敵の行動を冷静に判断して、放ってはおけないと巨大ロボに戦いを挑む。
「工兵として高所作業をするとしようか。こんな時に機械腕が役にたつ」
√能力『|起動:工作腕《スターティング・クラフトアーム》』を発動し、【ステルスクローク】から多数の【先端が鉤爪状になったロボットアーム】を出して、落ちないように自身を固定しつつ、角度が急なドームボディをクライミングの要領で駆け上がる。目指すは頂上の頭部。そこを真っ直ぐに突き進んだ……。
「おおー! スゴイ! 最短距離を登ってくるつもりだ! それじゃあ難易度を上げよう! クリアできるかな?」
楽しそうにグロンバインが無数のミニミニグロンバインを召喚し、邪魔するように噛みつかせる!
「邪魔しに来たな。だが噛みつきしかできないなら対処は簡単だ」
セージは伸ばした鉤爪のアームで掴み、動きを封じ込めている間に、するすると頭部に向かって登っていく。
「悪いが遊びに付き合うつもりはない。さっさと閉じ込められた人々を救わないといけないんでな」
妨害を排除して高い位置までくると、本体である頭部のグロンバインを視界に捉えた。
「射程内だが、囚われている一般人に当たらないようにしないとな」
流れ弾を出さないように、セージが駆け出して一気に接近し、【小型改造拳】をクイックドロウで素早く抜くと、銃口を突きつけ零距離射撃で撃ち込む!
「イタタッ!!
もう登ってきたんだ! ドームクライマーの称号をあげよう!
だけど、そんな豆鉄砲じゃオレは倒せないぜ!!」
「なら、倒せるまで撃ち込むだけだ」
グロンバインが体を傾けると、セージが振り落とされそうになるが、アーム達を使って周囲を掴んで耐え、その間も弾丸を何発も同じ場所に撃ち込んでいく。
「イタタッ痛いってば!!」
装甲に穴を穿たれ火花を散らすグロンバインが大きな手で払うと、流石に耐えきれずにアームが外れてセージは地上へと放り出された。
「ここまでか、後は任せよう」
ダメージは与えたと、セージはアームでドームボディを何度か掴み、勢いを殺しながら地上へと着地した。
「それぜったいがったいじゃなーい!
ゆーごーか、どーかだよ!」
【量産型WZ「タウゼントフュスラー」】に搭乗した|冬月・楠音《ふゆつき・くすね》(氷原より貫く一閃・h01569)は、ドームのボディを見て文句をつける。
「ロボのかっこいーとこわかってないのはゆるせないよね!」
もっとロボットはカッコ良く合体しないとと、一言物申すべく巨大ロボの頭部を目指す。
「あたまにとどくくらい、のびろワイヤー!」
√能力『|天縛『鋼索は流る黄道の如く』《エクリプティック・ワイヤーワークス》』を発動し、機体からワイヤーを飛ばしてドームボディの上部に引っ掛け、蜘蛛男の如く体を引っ張り上げ、さらにワイヤーを伸ばしてジップラインのように移動し、空中ブランコ的な振り子の勢いを利用したアクションで、大きく上昇してドームボディを登っていった。
「ロボットだ! ロボット同士のバトルを楽しもう!」
ご機嫌にグロンバインが無数のミニミニグロンバインを呼び出し、包囲して噛みつこうと襲い掛かる!
「うけてたつよ!」
楠音はタウゼントフュスラーを操り、巧みに動き回って攻撃を躱していくが、ワイヤーに噛みつかれて千切れ体勢が崩れる。
「ワイヤーを切った! そのままじゃ地上に墜落するよ!」
グロンバインが楽しそうに笑って奮闘を眺めていた。
「ワイヤーは一本じゃないんだよー!」
楠音は新たなワイヤーを伸ばし、ドームに巻き付けて飛びながら、さらに伸ばしたワイヤーを鞭のように叩きつけ、ミニミニグロンバインを薙ぎ払って道をこじ開ける。
「どいてどいてー!」
楠音はミニミニグロンバインにワイヤーを巻きつけ、振り回してぶつけ合って吹き飛ばした。
「いっぱんじんはいないみたいだから、このままつっきるよー!
あ、もちろんいっぱんじんにはきをつけるよー」
勢いに乗ってどんどんドームを登っていった。
「とうちゃくしたよ!」
「よくここまでたどりついたな! だけど、オレに攻撃が届くかな!?」
頂上の頭部の前までやってきた楠音を、グロンバインは歓迎してミニミニグロンバインで出迎える。
「けっせんだよ! バシバシたたいてあげる!」
楠音は複数のワイヤーを振り回し、ミニミニグロンバインをぶっ飛ばしながら、頭部にも叩き込んだ!
「いてぇっ!!」
「がったいのロマンがわからないなら、かえれー!」
滅多撃ちして、頭部の装甲を粉砕していった。
「痛っ! やめ!! いい加減にしろーーー!!!」
頭部が傷だらけになり、怒ったグロンバインが大きく体を揺らし、頭突きをかましてタウゼントフュスラーを吹き飛ばし、地上へと落とした……。
「なかなかやるなあ! だけど、最後に勝つのは合体ロボットの方だと決まってる!!」
ヘッドユニットのグロンバインが煙を上げながらも、ドームボディで胸を張って腕を組み自らの勝利を疑わない。
その姿は正にヒーローのようだった。
「人類との合体による進化、アプローチは興味深いがそのやり方は許容できんな」
|赤龍院・嵐土《せきりゅういん・らんど》(プレジデントレッド・h05092)が【龍型ヴィークル『ファンダードラゴン』】に搭乗してその巨体と対峙する。
「人々を返してもらう。行くぞ、みんな!」
√能力『|戦隊招集《ファンダーコール》』を発動し、巨大マシンに搭乗した『闘志戦隊ファンダーズ』のメンバーを集合させた。
巨大マシンに搭乗したメンバーは、
嵐土に心酔する執事『バトラーブルー』
ノリで生きるギャルメイド『メイドイエロー』
王子様系走り屋でブラックの弟分『ドライバーホワイト』
嵐土に反抗的なアウトロー『バウンサーブラック』
の4人だった。
「さあ、合体だ!」
嵐土の掛け声に合わせ、皆も声を上げて5体のヴィークルが合体を始め、合体ロボ『トウシオー』となる!
「おおっ!! 合体した! 同じ合体ロボットだ!!」
それを見たグロンバインが興奮して、巨大なドームボディを揺らす。
「胸に、両脚に、頭にも顔がある! いいないいな、オレも同じようにカッコいい顔がいっぱい欲しい!」
そして自分のドームボディを見て、改造しようかと考える。
「勝負だ!!」
嵐土がトウシオーを前進させ、腕部の亀甲状の装甲からバリアビット(ブルーの装備)でドーム内のカプセルに囚われている人質に被害が出ないように守る。
「まずは人質を守り、そのエネルギーを利用されないようにする!」
そして、翼から射出したジャミングフェザー(イエローの装備)で、カプセル周辺を覆いエネルギー供給を妨害し、グロンバインキャノンの発動を封じた。
「これはジャミング!? 人間のエネルギーが回収できない……これじゃあグロンバインキャノンが使えない!!」
グロンバインキャノンを使おうとしたグロンバインが驚きの声を上げる。
「だけど、キャノンが使えなくてもオレにはまだ武器がある!!」
グロンバインが無数のミニミニグロンバインを放つ!
「数が多かろうと、このトウシオーには通じん!」
トウシオーの左膝部のハウリングカノン(ブラックのタイガーに搭載された装備)を放ち、吹き飛ばしながらドームを駆け上がる!
「強い!! これが合体ロボ同士のバトル!!」
押されながらも嬉しそうに、グロンバインがどんどんミニミニグロンバインを生み出していく。だがそれもトウシオーを止めることはできなかった。
「ここまで来たか! だけど、オレを倒せるかな!!」
ヘッドユニットのグロンバインが登ってきたトウシオーを迎撃しようと、かき集めていたエネルギーでレーザーを放つ!
「見せてやろう、これが真の合体の力だ! 古龍閃・一刀両断!」
対して、嵐土は一歩も退かずに√能力『古龍降臨』を発動し、エネルギーを纏い強化したトウシオーを猛スピードで突っ込ませ、【赤龍刀DX】を振り抜く!
「うわああああああああっ!!」
慌てて後退しながらドームボディの巨大な腕で受け止めるが、容易く切断されて刃が頭部に届く!
「痛ってぇええええええええ!!!!!!!」
大きく頭部が欠け、左目の光が消えていた。
「僅かに逸れたか」
真っ二つにするつもりだった斬撃だが、身を守ったことで狙いがずれていた。
「いいないいな! 剣もカッコいい! オレも剣を使えるようになりたい!! そうだ! オレと合体しよう!」
合体によって自己強化を考えたグロンバインは、トウシオーを捕まえようと、現在出せるありったけのエネルギーでレーザーを放ち、ドームに取り込もうとする!
「お断りだ」
それを防御態勢を取ったトウシオーが、敢えて弾かれることで飛び退き地上へと降下した……。
「合体ロボットグロンバイン絶体絶命のピンチ!
だけど無敵の合体ロボのオレが負けるはずがない!!
ピンチを乗り越えてさらに強くなってみせる!!」
傷だらけで大きく欠けた頭部から黒い煙を上げながらも、グロンバインは勝つのは自分だと主人公のようなノリで戦い続ける。
「√ウォーゾーンに戦闘機械群が出現した1998年以前の世界では、主役機の合体時に口上を叫ぶロボット作品も多かったようですね」
|深雪《ミユキ》・モルゲンシュテルン(明星、白く燃えて・h02863)はロボット物のお約束のようなものを見て連想する。
「グロンバインは古い映像記録を偶然に入手して影響を受けたのでしょうか……?」
そんなことを考えながらも、敵に休む時間は与えないと、√能力『|かわいい仲間達《マスコット・エキシビション》』を発動し、9体のマスコットドローンを召喚してジャンプ台として利用し、高く跳躍してグロンバインの巨大なドームボディを登っていく。
「これで少しはショートカットになりますが、ただ跳ぶだけでは高さが足りませんね」
上を見れば頭部まではまだまだ距離がある。ならばと、複数のドローンを階段状に並べて次々と踏んで駆け上がり、勢いをつけて跳躍すると【ワイヤークロー】を出っ張った部分に引っかけ、ドームボディの上部に着地する。
「開閉式のドームが変形した部位は、踏むと落とし穴になるかもしれませんから、油断して長居しないよう注意するとしましょう」
深雪は足を止めずに、稼働する足場も通り抜け、罠のようなものには引っ掛からずに頭部へと距離を詰める……。
「上がってきてる! これ以上ダメージを受けると流石のオレでもヤバイ、本気で迎撃していこうか! DXグロンバインキャノン!! ファイヤー!!!」
危険を感じたグロンバインは次々とレーザー砲塔を生み出し、迎撃せんとレーザーを連射する!
「邪魔です」
深雪はそれに対抗して√能力『|戦術機動攻撃《タクティカルマニューバ》』を発動し、レーザーを跳躍してまとめて躱し、空中から【対WZマルチライフル】を発砲して砲塔を撃ち抜く!
穴を穿たれた砲塔が爆発して沈黙していくと、煙幕を展開して着地の隙を潰し、姿を消してドームボディを登っていく。
「煙幕か! ならこっちは弾幕を張って応戦だー! 撃ちまくれば見えなくたっていつか当たる!!」
脳筋的な思考でレーザーがばら撒かれ、煙が薄れ駆け抜けていた深雪の姿が現れる。
しかし、レーザーはドローンが展開するバリアによって防がれ、深雪が構えるライフルから弾丸が飛び、正確な弾道計算によって狙い違わず撃ち抜かれて砲塔が爆発する。
「流れ弾が一般人に当たらないようにしましょう」
攻防の弾が意図せずカプセルに囚われている一般人に当たらないよう配慮しつつ、妨害を乗り越えて巨大ロボの頭部へと辿り着いた――。
「全力で妨害したのに辿り着かれたか。だけど、最後に立っているのはオレだ!! 喰らえ逃げ場のないレーザーの集中砲火を!!」
グロンバインが頭部周辺に砲塔を並べ、レーザーを連射して弾幕を張った!
「ここまで来れば、後はその首を刎ねるだけです」
迫る無数の光線を前に、深雪は逃げずに前に踏み出し、√能力『|対WZ用大鎖鋸<滅竜>《アンチウォーゾーンメガチェーンソー・ノートゥング》』を発動し、手にした【戦線工兵用鎖鋸】を戦闘モード【対WZ用大鎖鋸<滅竜>】に変形させる。
「名乗りは正義の勇者のようでも、あなたの本質は邪悪そのものです。
√EDENの命も、ドームを訪れる皆さんの楽しみも、絶対に奪わせはしません。
――その首を狩らせて頂きます」
レーザーの嵐の中を刀身を盾にしながら突っ切り、巨大ロボの首――ヘッドユニットとドームボディの結合部に刃をねじ込んだ!
「そこはっ! まさか、オレの合体を破るつもりか!?」
「ドームに囚われた人々を解放してもらいます」
深雪は分厚い刀身を包む鋭いチェーンソー刃を激しく回転させ、唸りを上げて稼働する刃が装甲を削り、火花を盛大に散らしてガリガリと硬い金属が切断されていく!
「やめろ! オレは無敵の合体ロボなんだぞ! 主人公が負けるはずが……うわあああああああ!!」
悲鳴を上げて巨大ロボの首が飛び、そこへ深雪はさらに刃を叩き込む!
「そんな……合体ロボのオレが負けるなんて……」
既に多くのダメージを受けていた本体は負荷に耐えられず、信じられないといった声を漏らし、グロンバインは空中で爆散した!
「邪悪な合体ロボは倒しました。囚われている人々を助けましょう」
深雪は共に戦ったEDEN達と共に、グロンバインが復活する前に、ドームのカプセルから少しでも多くの人々を助け出した……。
