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⚡ベリーベリーもふもふラビリンス!
⚡️最終決戦:大魔王戦争
ユーカリが丘迷宮の奥深く。
大魔王軍が集結する魔王城の周囲には、複雑に入り組んだ迷宮が広がっている。
そのダンジョンの一角に――甘い香りに満ちた場所と、もふもふな存在があった。
青々と茂る葉の合間に、赤く色づいた大きな実。
どれも普通のイチゴより粒が大きく、つやつやと宝石のように輝いている。
摘み取れば、辺りいっぱいに広がるのは濃厚な甘い香り。
ひと口齧れば、瑞々しい果汁とともに、たっぷりとした甘酸っぱさが口いっぱいに広がるだろう。
どうやらこれは、迷宮で育つ魔法のイチゴらしい。
真っ赤に熟した実を摘み取れば、甘くて美味しそうな香りが、迷宮内にふわりと広がっていく。
そして――もふん、もふもふ、ぴょこり。
その香りに誘われて、ふわふわもこもこな存在が顔を覗かせる。
一匹、また一匹と。
沢山集まってきたのは、もふもふな『プティフィー』たち。
魔法イチゴに興味津々の様子で、ふわふわの身体を揺らしながら近づいてくる。
どうやらこのもふもふたち、美味しいものには目がないらしい。
この魔法のイチゴは、摘むと甘くておいしそうな香りを漂わせる。
その香りにつられるように、飛び跳ねながら近づいてくるプティフィーたち。
たとえ、そのふわふわを撫でたり、抱きしめたり、存分にもふもふ――いや、しっかりと確保しても、気にしなさそうなくらいにごきげんだ。
ともあれ。
魔王城を巡る最終決戦の最中、迷宮の一角では。
魔法のイチゴが甘く実り、ふわふわもこもこの群れがイチゴを食べたそうにぴょこりと跳ねているのだった。
●魔法のいちごと、もふもふ迷宮!
「ユーカリが丘迷宮の最深部にある魔王城に、大魔王軍が集まっているよ」
楪葉・望々(ノット・アローン・h03556)は集まった皆に、星詠みの予知を告げる。
他の√から現れた簒奪者たちによる大魔王簒奪は、ユーカリが丘線を守り抜いたことで阻止することができた。
けれど、それで戦いが終わったわけではない。
ヘッドスライムは大魔王軍を魔王城へ集結させ、EDENたちを迎え撃とうとしているのだという。
「だから今回は、魔王城の周りにいる大魔王軍を、迷宮の中へ誘い込んでほしいんだ」
幸い、これまでユーカリが丘迷宮を探索してきたEDENたちは、その構造をよく知っている。一方で、大魔王軍には目覚めたばかりで、現在の迷宮構造に詳しくない太古のモンスターも多い。迷宮へ誘い込めば、大軍を一度に相手取る必要もないだろう。
「それでね。今回、みんなにおびき寄せてほしいのは、プティフィーっていう、ふわふわもこもこの子たちだよ」
そしてもふもふたちを誘い込む場所には、普通のものより大きな、魔法のイチゴがたくさん実っているのだという。
「このイチゴ、摘むと甘くて美味しそうな香りが迷宮いっぱいに広がるんだって。だから、みんなでイチゴ摘みをしていれば、その香りにつられてプティフィーたちも自然と出てきてくれるよ」
わざわざ追いかけ回したり、難しい罠を仕掛けたりしなくても、イチゴを摘んで楽しんでいるだけで向こうから集まってくるらしい。
「イチゴはね、そのまま食べてもすごく美味しいんだって。調理器具や他の材料を持ち込んでも大丈夫だから、プティフィーを誘い出す作戦として、おいしそうにアレンジするのもいいかも」
ケーキやパフェ、クレープにしたり、ジャムやソースを作ったり。
甘い香りがもっと広がれば、プティフィーもきっと気になって近づいてくるだろう。
「それから、たくさん実っているイチゴの中には、ひときわきらきら光っているものもあるみたい」
そうした実を食べると、ちょっとだけ不思議なことが起こるのだという。
たとえば数分のあいだだけ、動物の耳や尻尾がひょこりと生えたり、ふわりと身体が浮いたり、身体がきらきらと光ったり……ほかにも、身体には影響のないくらいの小さな魔法の効果が表れることもあるようだ。
「プティフィーたちはイチゴが大好きで、香りに誘われてうきうきしてるみたいだから、もふっと抱きしめて確保することも簡単にできると思うし。撫でてあげたり、イチゴをあげたら、プティフィーたちも油断して気を緩めるんじゃないかな」
好きなだけ撫でたり、ふわふわの身体を抱きしめたり、一緒にイチゴを食べることも、プティフィーたちを油断させる作戦になるだろうし。
楽しそうにイチゴを摘んでいれば、それだけでもふもふたちの興味をひくだろう。
イチゴ狩りともふもふをたっぷり楽しんでから、最後に集まったプティフィーたちをぽこんとしておけば、今回の作戦は無事に完了だ。
「大魔王軍を少しでも減らせれば、この後の戦いも楽になるから。みんなで、迷宮へ行ってきてほしいんだ」
望々はそこまで告げると、EDENたちに指し示す。
甘い香りを漂わせる、大粒の魔法のイチゴが実る迷宮への道を。
第1章 集団戦 『プティフィー』
