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黒い砂塵

#√EDEN #√汎神解剖機関 #グロテスク #Anker歓迎 #7月18日朝プレイング受付再開予定

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●箒に跨る必要もなし
 ええ、ええ、あの娘が――可哀想な、あの娘が――私様を解放してから、どれくらいの時が経ったのでしょうかぁ。私様としては、如何にも、退屈で退屈で、仕方がありませんのでぇ、少しくらいは享楽と謂うものを、味わってあげても良い頃合いでしょぉ。そうですねぇ。この|汎神解剖機関《√》で遊ぶのも悪くはないのですがぁ。偶には、楽園の方にも、足を運んだって罰は当たらないですよねぇ……?
 √EDEN――この世界が楽園と呼ばれる所以は、インビジブルの『量』にある。加えて、この世界の人間は力というものを有しておらず、されるが儘に、喰われるしかない。それを阻止する為に√能力者がいるのだが――如何やら、今回の相手は一筋縄ではいかない様子だ。と、謂うよりも、風が吹いているだけである。風が吹いたなら、簒奪者が儲かるのだろうか。いいや、そんな事はないだろう。そんな事はないのだが、嫌な予感と呼ばれる『もの』は蠢くかの如くにやってくる沙汰なのだ。

●吹き荒ぶ呪文のように
「君達ぃ……√EDENで事件が『起こる』と見えたのだが、少し問題があってねぇ。まあ、いつもの如くに情報が足りないだけなのだが」
 その、いつものが致命的なのだと君達は叫びたくなった。暗明・一五六の星詠みは毎回毎回『こう』であり、愈々、辟易としてくる具合だ。それに、彼の星詠みが『失敗』したなら、それこそ|世界《●●》の致命になりかねない。
「君達には『事件が起こる』と思われる場所で『気付いていると悟られないよう』待機してもらいたい。場所はプラネタリウムさ。星辰が揃ってくれたなら、個人的には嬉しいのだがねぇ。まあ、警戒しながら楽しんでくると良いさ。アッハッハ」
「そうそう。君達、風には十分注意するんだぜ? 眠たくなるのか、苦しくなるのか、それは君達の動き次第さ。そういうわけで、頑張ってくれ給え」
これまでのお話

第3章 ボス戦 『魔女憑きの少女『マリエラ・クライン』』


 プラネタリウム――天蓋――宇宙――その彼方より。
 黒い砂塵が――暴風が――闇の誘い声が――アル・アジフが。
 既に開かれた事を、既に解かれていた事を、嘆きながら。
 ――解放された魔女の所業に震えていた。
 あら――私様の、可愛い、可愛い、ザントマンを、よくも……!
 なんて、悔しがったりしたら、良いのでしょうかぁ。
 禍々しいのは魔導書でも、切り裂くかのような風でもない。真に禍々しいのは、真におぞましいのは少女の姿をしている|魔女《それ》だろう。君達の中には魔術に精通した者が居るかもしれないので、その場合、この魔女が『少女を乗っ取っていて、尚且つ、絶対に元には戻らない』と気づいてもいい。
 私様はマリエラ。マリエラ・クライン。見ての通り、魔女をやっていますのぉ。√汎神解剖機関の方では色々と、やってはいるのですがぁ。此方の世界はまるで楽園ですねぇ。だって、こんなにも――魔術の種になりそうな、人間がたくさんいるのですよぉ。
 ですが、そうですねぇ。私様も、稀ではありますがぁ、興が乗るという事もありますのぉ。少しだけですが、私様が遊んであげますのでぇ。せいぜい、足掻いてくださいねぇ。これは享楽ですものぉ。本気でやるなんて、面白くありませんのでぇ。
 享楽――!
 魔女はこの悪戯を、混沌を、只の享楽だと認識している。
 君達はこの邪悪を退けなければならない。