シナリオ

⑮戦いに魅入られた女

#√汎神解剖機関 #秋葉原荒覇吐戦 #秋葉原荒覇吐戦⑮

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⚔️王劍戦争:秋葉原荒覇吐戦

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
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(毎日16時更新)

「エレクトリック・マーメイドは撃破された……けど、ちょっと厄介なもんが残されたんだよね」

 やれやれと言いたげに|江田島・大和《えだじま・やまと》(探偵という名の何でも屋・h01303)はため息をこぼして集まった√能力者たちを見渡す。

「彼女の目に刺さっていた|縊匣《くびりばこ》の欠片は別のヤツに刺さったんでありますが、こいつがちと厄介。刺さった相手は『錬磨のダニエラ』、戦いに魅せられ、総てを捧げてきた女。つまり、瞳から欠片を抜いたとて、戦闘は避けられない、ってとこでありますな」

 とはいえ、撃破は可能となる。なるのだが、気にかければ良いのは彼女だけではない、というのも今回の依頼の厄介な点だ。

「『電子の泡』、√能力者だけを自動迎撃する厄介なあいつも残ったまんまなんでありますよ。まぁ、相変わらずAnkerは攻撃されないから、なんとかなるっちゃあなんとかなるかな?」

 面倒なのは変わらんでありますがな。と、ひらりと手を振り、目を細めて笑う。

「という訳で、今回の依頼としては『錬磨のダニエラ』の目から|縊匣《くびりばこ》の欠片を抜き、彼女の撃退あるいは撤退をさせることであります。周囲には√能力者を自動迎撃する『電子の泡』が浮かんでるから、こいつを如何に対処するかで難易度は大幅に変わるだろうね。どちらにせよ、戦闘は避けられない。なにせ向こうさんは|縊匣《くびりばこ》の欠片なんて関係なく、戦いを求めるのだから」

 いやはや本当に厄介なものだ。戦いに魅せられた女相手となれば説得は不可と考えていい。だが、同時に、女自身は勝敗を問わず相手を讃える、相手を尊敬できるタイプなので、うん、戦うのが苦でない者なら大丈夫ではなかろうか?なんて大和は思う。

「まぁ、ひとまず頼むでありますよ」

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第1章 ボス戦 『錬磨のダニエラ』


クラウソニア・ダニー・ヴェン・ハイゼルダウンタウン

「オイオイ、面白そうなばぁさんがいるじゃねぇか」

 ニィとクラウソニア・ダニー・ヴェン・ハイゼルダウンタウン(イッパイアッテナ・h02382)の口元が笑みを形づくる。

「へぇ、最初の相手はあんたかい、小僧」
「おう、そうなるみたいだな」

 ナイフを手に笑う『錬磨のダニエラ』の周囲には電子の泡が浮かんでいる。だが、彼女自身の実力も確かだ。戦いに魅せられ、その為にここまで来た女。

 戦いたい、そうか、それは。

「俺もだ。戦争にいっちょ噛みしたかったんだけど、生憎と一般人だったモンでな」

 ぐっとジャンクソードを構える。寄せ集めの|石《意思》達で作られたそれは、組み換えにより強化が行える代物だ。

 まるで、俺たちみたいだな、なんてデッドマンは笑い、ジャンクパーツのひとつを取り外して投擲する。

「おっと」

 それを軽やかに避けられるのは想定のうち。取り回しやすい長さになったな、なんて笑いながら投擲と同時に一気に接敵する。周囲に電子の泡がある?そんなもん、関係ない。そう、何せこの泡が攻撃するのは『√能力者』なのだ。

 泡が空気の動きに比例して翻る。互いの視界に泡が現れ、一歩、『錬磨のダニエラ』の動きが遅れた。

 泡により視界が一瞬遮られ、そして、一瞬の行動のブレが出来た。いや、視界が遮られただけではそう動くまい、だが、泡によって僅かに屈折された視界が、彼女をそう動かしたのだ。

 それは確実な隙だ。
 
「っらあああ!!」

 振りかぶったジャンクソードが『錬磨のダニエラ』の頭部に向かって一気に振り下ろされる。クラウソニアの体重を乗せた重量攻撃、直撃すればタダでは済まない。

 だが当然ながら、『錬磨のダニエラ』とてこれでやられはしない、これでやられるのであれば戦いに魅入られた、とは言わない。

 その細腕で受けるのは分が悪いと判断したのだろう。体を反らせることで一撃を交わし、ナイフを構えてカウンターの動きを取る。

 鮮血が舞った。

 地面を鮮血が濡らす。そのナイフの切っ先は、確かにクラウソニアの腹を捉え、深く深く突き刺さっていた。

 痛みはある、だが、クラウソニアの口に浮かぶのは会心の笑み。

「……」

 いつの間にか左手に構えられたのは使い古されたリボルバー。それを『錬磨のダニエラ』の頭に押し当て。

「……せっかくの晴れ舞台だ。
すこぉし欲張らせてもらうぜ」

 銃声が高く高く鳴り響いた。

和紋・蜚廉

「闘いたい、か。
ならばちょうど良い。」

 漆黒が舞い降りる。大地を踏み締めて、禍々しささえ感じさせる|和紋・蜚廉《わもん・はいれん》(現世の遺骸・h07277)のその姿に、けれども『錬磨のダニエラ』は笑みを浮かべた。

「こいつはまた変わり種が来たじゃないか」

 面白い、と思っていることがその声から、顔からわかるだろう。どんな相手であれ、戦う相手には敬意を評し、そして全力を振るう。それが戦いに魅入られた女という事だ。

「我も戦いが好きでな。この出会いに感謝しようではないか。」
「ああ、そいつは良い。なら思いっきりやろうじゃないか」

 互いに笑みを浮かべ、それが合図だった。

 互いの間には動きを阻害するように電子の泡が漂っている。当然ながら、√能力者である和紋にはダメージを与えるものだ。

 とはいえ、泡という形あるものであれば潜響骨と翳嗅盤によりその動きを感知することが出来る。そして、感知さえ出来れば無効化も行える。

『原初の息吹よ、我を拾い上げよ。生命の境界、ここにて断つ。』

 感知した泡を鋭い野生の勘で避けながら、更に無形なる神力で作り上げた網で纏めてしまう。この力は完全には程遠い、だがそれ故に伸び代がある。泡自体を纏めてしまえば、あとは存分にやり合えるというものだ。

「ハッ!!」
「ふんっ!」

 その隙を縫って『錬磨のダニエラ』が鋭い突きを放ってきた。なるほど、彼女も野生の勘が鋭いタイプらしい。器用にも泡をそれで避け、確実に和紋を狙ってくる。

 それを防ぎ拳を突き出せば、『錬磨のダニエラ』が間一髪交わしその身が戦塵に包まれた。言ってしまえば彼女自身の姿を見えにくくする。当然ながら間合いは分かりづらくなり、どちらかといえば力よりスピードである彼女の攻撃をやりやすくするものだ。

「ほう、面白い。だが」
「っ?!」

 無形なる神力は空間を引き寄せる。いくら戦塵に包まれようが、引き寄せてしまえば、

「関係あるまい!」

 ぐっと握りしめられた拳が戦塵に向かって叩きつけられ、その攻撃に、風圧に、彼女の体が僅かに止まる。これが只人ならばその一撃で呆気なく吹き飛ばされただろうに、それを耐えたのはさすがと言えよう。

 更にナイフの切っ先を向けてくるのは見事、と思いながらも、その細い体に更に連続して拳を叩き込む。その瞬間、女の目に入り込んだ欠片を引き抜いた。

「ぐうっ!」
「さて、あとは純粋な力のぶつけあいだ」

 戦いは、まだこれからだろう?

 そう笑う男に、女は血を流しながらも笑って応える。

 戦いに魅入られた者たちの戦闘は、まだ終わる様子はないようだった。

クラウス・イーザリー

 ある意味羨ましいな……。目の前の女と対峙しながら、クラウス・イーザリー(太陽を想う月・h05015)は僅かに目を伏せて思う。

 戦いばかりの√で生まれ育った。

 戦って戦って、大切なものを失いながらも戦い続けてきたが、楽しいと思ったことはない。

 クラウスにとって戦いとは誰かを助けるために当たり前のことであり、楽しむ、という感情を抱くものではないのだ。

 もし|戦い《それ》に対して手段ではなく、少しでも楽しさを見いだせていたのなら、彼女のように魅入られていたら、少しは楽に生きられたのかもしれない。

 いや、今はそんなことを考えるべきではないだろう。すぐにその思念を振り払い、彼女との戦いに専念する。

 漂う電子の泡は確かに厄介だ、だが、

「いけ」

 僅かな指示の声に思念を乗せ、ファミリアセントリーとレイン砲台の制圧射撃とレーザー射撃が光を放つ。それは確かに電子の泡を牽制し、その瞬間、クラウスは地面を蹴った。

「さぁ、始めようじゃないか!」
「時間をかけるつもりは、ない」

 キィンーーー!

 クラウスの剣と『錬磨のダニエラ』のナイフが火花を散らした。それは一撃にならず、二撃、三撃、連続攻撃に発展していく。

 そうしながらもクラウスは冷静に相手の挙動を見る。僅か、半歩、『錬磨のダニエラ』が距離を取った瞬間、これまで幾度もの戦いを経験してきたが故に彼女の能力を見切ったクラウスは、即座に右掌を突き出した。

「っっ!」

 パキィンと音がしたかどうかは確実ではない。だが確かにクラウスの右掌は発動しかけた『錬磨のダニエラ』の能力を消し去り、ほんの僅かな、けれども確実な隙を作り出したのだ。

 ここだーー!

 だがそれでもさすがに戦いに魅入らたというだけあり、すぐさま体制を建て直し、ナイフを構えた『錬磨のダニエラ』に構わずグッと更に踏み込んで剣を振り下ろす。

 鮮血が舞った。

 それは『錬磨のダニエラ』のものであり、クラウスのもの。

 霊的防護でダメージ自体は軽減したが、無傷とはいかなかった。だが、そんなもの気にもならない。

「……っ」

 対して『錬磨のダニエラ』は明らかに動きが鈍くなった。傷自体は彼女も大したことは無い、だが、クラウスの麻痺攻撃が確かにその足を引っ張り動きを鈍らせたのだ。

「その欠片、取り除かせてもらう」

 その隙を見逃すことなく、クラウスの手は彼女の目を捉えたのだった。

龍統・ミツアキ

「戦闘狂か…俺には御誂え向きだな」

 カチャリ、と僅かに腰に差した二本差しが擦れる音がする。

 その場に現れた|龍統・ミツアキ《りゅうどう・みつあき》(千変万化の九頭龍神・h00681)は、その心に熱いものを秘めつつも、冷静に『錬磨のダニエラ』を見据えた。

「へぇ、こいつはまた強そうな男が来たもんだ」
「……言葉は不要、さぁ貴様の業を数えろ」

 すっと足を踏み出す。その一歩は決して音を立てず、故に『錬磨のダニエラ』の反応が一瞬遅れた。

 二人の間を遮るように存在する電子の泡はエネルギーバリアと刀による受け流しで、それでも防ぎきれないものは左腕を盾代わりにしてしまう。多少の怪我なら構いはしない、それだけでこの刃を防ぐことなどできない。

「さあ、どう捌く?」
「数なら負けん」

 殺気をのせた『錬磨のダニエラ』による攻撃を、 龍気で顕現した双頭龍で迎え撃つ。装甲を貫通する【不治の刃】とて、当たらなければ問題は無い。

「はぁっ!!」

 一撃一撃はどうしても弱くなる。だが、双頭龍による300回の攻撃はやがて『錬磨のダニエラ』の刃を上回り、そして彼女の体を吹き飛ばしたのだった。

篭宮・咲或

「戦いに魅せられて身を投じてきた?
いいじゃん」

 にっとやわく甘い香りを纏わせた男、|篭宮・咲或《■みや さくあ》(Digitalis・h09298)は笑みを浮かべる。

 蕩ける蜂蜜酒のような双眸が、『錬磨のダニエラ』を見据えた。

「自分の本能に欲に従いやりたいことを貫く……、
そういうの、俺結構好きよ」

 周囲に電子の泡が浮かぶのを見て主はいなくなったのにお前は残ってるんだ?なんて思いながらも、√能力者を攻撃しようと向かってきた電子の泡は歪みに喰わせてしまう。

 あんなものマトモに食らったら痛いので、向かってくるならば喰わせてしまえばいい。

 さて『錬磨のダニエラ』は?と見遣れば、彼女は電子の泡を軽やかに交わしながら真っ直ぐに篭宮の元へ向かってきていた。

 なるほど、あの程度障害物にもならないということだろう。

 まぁその程度は読めていたので驚きもせず、ただ笑みを浮かべて|霊震《サイコクエイク》を発動させる。

「くっ」

 『錬磨のダニエラ』は空を飛んできているわけではない、軽やかに地面をかけてきているのだ。ならば、地面ごと大地震レベルで揺れてしまえば、当然ながらその足は鈍くなる。無様に倒れることはせずとも、体制は崩れるのだ。

「これで終わりだ」

 自分が起こしたが故にぐらぐらと揺れる地面の影響を受けず、篭宮はガトリングを構えた。

 銃声と共に銃弾の雨が泡ごと『錬磨のダニエラ』を貫いていく。

「動かない的は当てやすくていいねぇ」

 銃弾の雨は細かな狙いをつけずとも、確実に『錬磨のダニエラ』を貫き、その身を削っていった。それに篭宮はけれどもガトリングを撃つ手を止めることなく、にぃと笑みを浮かべた。

「戦いが全てならその中で終われるのは本望だろ?」

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