シナリオ

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⚡黄昏小路

#√妖怪百鬼夜行 #紅涙流離戦 #6日(水曜)8:30分からプレイング受付開始 #サポート二名様

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 #√妖怪百鬼夜行
 #紅涙流離戦
 #6日(水曜)8:30分からプレイング受付開始
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⚡️大規模シナリオ『紅涙流離戦』

これは大規模シナリオです。1章では、ページ右上の 一言雑談で作戦を相談しよう!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

●Accident
「ああ、良かった……来てくださったのですね」
 駆け付けた者たちを見て物部・真宵(憂宵・h02423)はひどく安心したように胸を撫で下ろした。机上に散らばった資料は星詠みの焦燥を如実に示しているように思われ、事の重大さに緊迫感が伝染する。
「女性の情念に引き寄せられるようにして現れる古妖『紅涙』については、もうご存じかと思いますが、彼女が有する並外れた恨みの力が『|紅涙流離軍《こうるいりゅうりぐん》』を結成するに至ってしまったのです」
 女性の嘆きさえあれば、どんな√にも飛べてしまう紅涙の√能力を利用すれば、ありとあらゆる√への侵略が可能となってしまう。そのような悪しき企みを放置できるはずがない。
「危機的な状況には違いありません。ですが、ここは√妖怪百鬼夜行。人間を愛することを知った妖怪たちは団結し、群れ集い|百鬼夜行《デモクラシィ》となりて古妖たちを退けて封印してきた歴史があるのです」
 善狐と人間が結ばれ産まれたという真宵は「大丈夫」力強く頷いた。
「夜行の住民たちはきっと力を貸してくれます。再び|百鬼夜行《デモクラシィ》を起こすことが出来れば、紅涙流離軍の侵略を阻止することも夢ではないのです」
 ただ、懸念がひとつ。
 集結しつつある紅涙流離軍の影響なのか、どうやら夜行のあちらこちらでは異常な事件や不思議現象が発生しているのが確認されており、皆が現場に到着する矢庭にそれに巻き込まれてしまうことが分かっている。
「ちいさな自分に出会うようです」
 黄昏時。
 町並みの|涯《は》てに引っかかった西日が石畳に影法師を伸ばしている。建物に明かりが灯っていても人の気配はなく、ぬるい風が通りの暗がりに蟠る不気味な静けさのなか。
 ぽつんとちいさな自分が佇んでいる。
「幼い自分がどのような表情を浮かべていて、どんな言葉をかけてくるのか……それはきっと、皆さんがよくご存じだと思います」
 人によっては過去のトラウマを掻き立ててしまうかもしれない。けれど、過去との決別も出来るかもしれない。幻とはいえ幼い自分に出会うなど本来ならば不可能なこと。
「かけてあげたい言葉など、ありませんか? あるいは……誰かに言ってほしかった言葉を、ご自身で伝えても良いかもしれません」
 そう進言する真宵の表情はやさしかった。
 幼い自分が抱える恐れを払拭してあげたり、今はこんなにも元気なのだと胸を張ってみたり。大切なひとが出来たのだと、教えてあげたり。
「心を惑わせてくる幻ですので、触れることは叶わないでしょう。黄昏の邂逅をどう過ごすのか、それは皆さんにおまかせします」
 そうして一呼吸した真宵は散らばった資料を搔き集めると、皆によく見えるように差し出し、赤いペンで作戦名をぐるりと囲う。
「作戦についてご説明します」

 其の一『紅涙の撃破』
 玉川上水に身投げした者だけが死後辿り着ける『雨濁りの藤の屋敷』に侵入して、屋敷にひとり佇み儀式を執り行う紅涙と直接対決。

 其の二『紅涙流離軍の壊滅』
 √妖怪百鬼夜行のJR荻窪駅を中心に展開した『紅涙流離軍』と正面から戦う。様々な√から軍勢が集結しており、その内どれかひとつの√の大隊を撃破。

 其の三『ハーモニカ横丁の探索』
 √妖怪百鬼夜行の吉祥寺「ハーモニカ横丁」は奇妙建築によって狭い通路に無数の食事処が詰め込まれた迷宮と化しており、食べまくり飲みまくればより深層の店に辿り着くことができる。最深部にはかつて百鬼夜行を先導した妖怪大将達が酔い潰れているので、叩き起こして再び働いてもらう。

 其の四『土地神の救出』
 紅涙流離軍は、流離軍を倒すべく集まった東京の土地神達とその「つがい」達を罠にかけ、東京のへそと呼ばれる大宮八幡宮の地下深くに飲み込んだ。巨大な奇妙建築と化した大宮八幡宮を攻略し、土地神とつがいを救出する。

 其の五『文車古妖との対話』
 中野ブロードウェイをひとりで占拠し、現代の書物や映像を漁る、名を持たぬ『文車古妖』と対話。彼はその出自故に「創作物の悪役のような悪事」を働かなければならないが、できれば人死にの出る悪事は避けたいと考えているようだ。この作戦を選んだ場合は、現代の創作物に存在する『他人を心から不愉快にするのに余り人が死なない悪事』を、彼と一緒に考える事になるだろう。

 ふぅ、と小さく吐息した真宵はペンのキャップをしめながら皆を見渡した。
「一気に情報を詰め込まれてたいへんですよね」
 微苦笑を携えた気遣う微笑みに少し肩の力が抜けてゆく。
「作戦はどれも大切なものですが、皆さんの心のままに選んで頂いてかまいませんよ」
 ちなみに、と問われた真宵は瞠目したのち、頬に手のひらを宛がうと資料に再び視線を落とす。
「納得させることさえできれば古妖の有害性を大きく減じさせられますので、文車古妖との対話は望ましいですね。……けれど、捕らわれた土地神さまとそのつがいたちも救ってあげたいです。私欲を捨てて、つがいと共に歩む道を選んだ土地神さまのこころを、そしてふたりの平和を取り戻してあげたいと……そう、わたしは思います」
 夏宵の色を宿した瞳はやさしさに満ちている。
「あくまでもわたしは、ですよ」
 参考までに。と、微笑み、それから表情を引き締めた星詠みは深く頭を下げた。
「どうか皆さんのお力を、お貸しください」
これまでのお話

第2章 集団戦 『金華猫』


POW 巨大化したボクの魅力
自身の【可愛らしい化け猫の姿】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【猫が大好きになって堪らなくなる状態】を付与する【巨大化した化け猫の妖怪『金華猫』】に変形する。
SPD 月の光とボクのいたずら
【月の光を吸収したこと】により、視界内の敵1体を「周辺にある最も殺傷力の高い物体」で攻撃し、ダメージと状態異常【魅了+衰弱によるスリップダメージ】(18日間回避率低下/効果累積)を与える。
WIZ 夢のような魅了の変化
10÷レベル秒念じると好きな姿に変身でき、今より小さくなると回避・隠密・機動力、大きくなると命中・威力・驚かせ力が上昇する。ちなみに【誰もが目を奪われる絶世の美男美女】【対象が最も会いたいと願っている相手】【一度でも良いから見てみたいと思う程の存在】への変身が得意。
イラスト sio
√妖怪百鬼夜行 普通11

「――あれ。ここまで来ちゃったんだ」
 それは、|天鵞絨《ビロード》のように美しい灰色の被毛をした猫であった。
 黄昏に微睡む小路を抜けると辺りはすでに夜の闇に呑まれており、そこかしこの暗がりには紅涙の元に集う古妖たちが齎す禍々しい気が這っている。
 大宮八幡宮。
 東京のへそと呼ばれる宮へと繋がる正参道は、そこに在るだけで押し潰されそうな無数の|圧力《プレッシャー》に満ちており、自然と呼気を浅くさせるように思えた。
「イイ顔してるね。変だなぁ、死にそうな顔をしてると思ったのに」
 大樹の緑に抱かれて屹立する二之鳥居の下で|双《ふた》つの満月が嗤っている。
 宙に浮かぶ青白い鬼火がちろちろと照らし出すのは、黒い和装を召した化け猫だった。二又に分かれた尾は、まるでこちらの仔細を舐め回すかのように右へ左へゆったり振れている。
「もっと悲愴に満ちていれば、ボク|たち《・・》が慰めてあげられたのに、ねぇ?」
 鳥居の上、左右の茂み、大樹の枝の上から、気配と共にぎらりと光る目が、ひい、ふう、み――無数に増えてゆく。
 地下深くに幽閉された土地神たちとそのつがいたちを救出するためには、この化け猫『|金華猫《きんかびょう》』たちを倒す必要があるようだ。
「さぁ、おいでよ。ボクと遊ぼう」
 枝葉に切り取られた狭い夜空に浮かぶ月の下で、猫がにゃあと鳴いた。