④迷える羊に導きを
●聖者は謳う
「ああ、目があいましたね。ちょうど祈りの時間でしたのに」
√汎神解剖機関より現れた聖者は迷えるモノ、と視線ぶつかる存在を認識した。
私に悔い改めたいことでもあるのでしょうか。聞きましょうか?
時間はまあ、なくはないので。祈りと詠唱の時間は頂きたいですが。
「いえ、そちらの言いたいところは分かります。ここは"旧福岡県公会堂貴賓館"。そういう人とは出会うべくして出会うのでしょう」
ヴァチカンの"聖人蘇生庁"が蘇生させた本物の聖人、彼女は『聖ポメラニアン』。
名を名乗り、そしてふふりと可愛く笑った。
「かわいいでしょう?名前の通り、素晴らしいでしょう?父と子と聖霊に誓って、耳を傾けると約束しましょう。ああ、でも――これだけは言わなければ」
聖ポメラニアンは、一つだけ、ポツリと零すのだ。
短く、ただ、重く。
「――悔い改めても、救いは来ません」
そのご理解は、是非、頂ければ。
●宗教的な聖遺物
「可愛いお名前の人が、現れたんだって。ぽめらにあん」
人生で何度も言いたくなる可愛い響きだよね、とアレスター・ペクスパンテーラ(彷徨の歌・h06027)は言った。彼は真面目に、そう言っているのである。
「……とはいえ、可愛いだけのひとではないらしいよ。資料をちょっと、読むんだけど。彼女の名乗るポメラニアン、は偽名だよ。うん、まあ、偽名です」
重要なので、複数回言うアレスター。
「人それぞれそういう事情はあるからね、偽名活動する人も居ると思う。お名前が嫌いだったり、本名を知られたくなかったり、ポメ先輩にも色々あるんだろうから、それはそういうものだと、飲み込んでおいてね?ぼくの鳥たちの集めた情報のなかに、『ローマ法王よりも高位に属している』って話もあるらしくて、相当に偉い立場の人、なのかもね……?名前のインパクトが強くて、霞むんだけど」
ぼくだけじゃないよね、とアレスターは呟いているが、実際あなたにもインパクトをお残していることだろう。名前の通り、可愛い喋り方をする聖者について――。
「あの先輩は、立場が「ローマ法王」より上だというのなら、存在そのものが聖遺物に属している可能性はある。腕が多い、とうっすら聞いているけれど、そういうのが由来かも。聖遺物が聖遺物をこう、蘇生させてくっつけて……みたいな」
神々しいモノ、聖遺物や聖遺体の集合体が彼女なら。
腕の数も、立場も説明は出来るのかも知れないが、その情報は曖昧だ。
「ぼくは祈りと詠唱をしているようだ、という予知を拾っているけれど……そこから先は、不明すぎてわからない。そこから何が齎されるのかも、なにに祈っているのかも、全部わからないんだよ……だから儀式の内容は、100歩譲ってしまってさ――何らかの儀式達成を目論むポメ先輩をどうにか討伐して、ご退場頂くのがいいのかも」
ゾディアック継承戦争に置ける王劍『ファルの心髄』からゾディアックを奪うための儀式、ではあるのかも知れないが、この場所からどうやってなにをするかは不明。
この場に留まっている間が、チャンスとも言えるだろう。
「ポメ先輩は、通常状態で基本腕が5本ある人のようだから、代わる代わる行われる攻撃の乱舞にはどうか気をつけて。見た目よりも先輩は――怪力にものを言わせて制圧しにくるかもだから」
マスターより
タテガミこんにちは、タテガミです。
今回は、ゾディアック継承戦争に属しているため、1章編成です。
プレイングボーナス:聖ポメラニアンの「5本腕連携攻撃」に対処する。
タテガミの依頼上では、彼女は祈りと詠唱を組み合わせて腕を強化した基本はパワープレイ制圧スタイルできます。脳筋パワーで救います、命を(終わらせる方向で)。
武器は、彼女の手荷物は、鈍器です。
√能力使用時以外は、基本鈍器傾向があります。
●簡単な概要
戦闘場所は、旧福岡県公会堂貴賓館の中、がタテガミの想定ですが。
プレイングがかきやすい場合は外でも構いません。
どちらの場合でもどちらかわかるよう書いてもらえると、助かります。どちらにしても、彼女は祈りを捧げているところで、皆様にであいました。邪魔をするのですか?では物理で、語り合いましょう、って感じです。
●その他
断章の予定はありません。OPと此処に書いてあることが全てです。
執筆速度は少々のんびり、のつもりでいますが、達成に必要数のプレイングをいただいたときにはタグで表記していきたいと思います。
95
第1章 ボス戦 『聖人蘇生庁聖者『聖ポメラニアン』』
POW
|聖十字断罪《クルクス・エト・セクーリス》
自身の負傷1回ごとに、【聖人】の腕が1本生える。[聖人]は、追加の腕1本につき1回、【|救済十字剣《クルクス・ポエナ》】による近接攻撃か【|神言拘束術《ウェルブム・ヴィンクルム》】による遠隔麻痺を行使できる。※どんなに小さな傷でも、[聖人]が認めれば負傷1回と数える。治れば腕も消える。
自身の負傷1回ごとに、【聖人】の腕が1本生える。[聖人]は、追加の腕1本につき1回、【|救済十字剣《クルクス・ポエナ》】による近接攻撃か【|神言拘束術《ウェルブム・ヴィンクルム》】による遠隔麻痺を行使できる。※どんなに小さな傷でも、[聖人]が認めれば負傷1回と数える。治れば腕も消える。
SPD
|聖刻印弾《スティグマ・アルゲントゥム》
【水銀】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【|聖痕刻印《スティグマ》】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【|祝福刻印《ベネディクティオ》】による戦闘力強化を与える。
【水銀】属性の弾丸を射出する。着弾地点から半径レベルm内の敵には【|聖痕刻印《スティグマ》】による通常の2倍ダメージを与え、味方には【|祝福刻印《ベネディクティオ》】による戦闘力強化を与える。
WIZ
|聖香浄天《トゥリブルム・プルガティオ》
半径WIZm内の任意の有機物・無機物全てに【香炉からの香り】を注ぎ、WIZ×1時間活動可能なエネルギーを与える。注ぐ[香炉からの香り]を1体(人物・武器・乗騎等)に集中すると、対象を【|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》】化して硬度強化と【|神聖光線《ルクス・ディヴィナ》】攻撃能力を与え、意思を抑え付けて術者の為に戦わせようとする事ができる。
半径WIZm内の任意の有機物・無機物全てに【香炉からの香り】を注ぎ、WIZ×1時間活動可能なエネルギーを与える。注ぐ[香炉からの香り]を1体(人物・武器・乗騎等)に集中すると、対象を【|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》】化して硬度強化と【|神聖光線《ルクス・ディヴィナ》】攻撃能力を与え、意思を抑え付けて術者の為に戦わせようとする事ができる。
ミネタニ・ケイ「えーと、聖人蘇生庁の性者な性ポメラニアンさん、だっけ。性者だけあってかわいい顔でえっちい体つきしてるね。腕だけ見たら悪魔ブエルの絵だけど」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
WZ装着状態で貴賓館に突入、わざと聖と性を間違えたりとゴリゴリに煽って敵の注意を引き付け、両腕で防御姿勢のままダッシュで正面から突撃、敵の攻撃は八重防具と各種耐性で耐える。
腕が届く間合いまで接近したらまず右腕で敵を掴みルートブレイカーで敵√能力を封じ、怪力+グラップルで敵を掴んだまま背中に回って背中から生えた腕を左腕に抱え込み敵が使える腕を減らし五本腕連携を封じる。その後は敵を怪力で捕まえ続け味方に集中攻撃してもらう。
●みんなに見て欲しいでしょう?
現場には、どこか厳かで静かな空気が漂っていた。
WZ装着状態で貴賓館に突入したミネタニ・ケイ(逸般通過超重量級おっぱいさん・h00931)は、現場の空気を壊すことなくいつも通り柔和に笑って、しかし標的の聖ポメラニアンへと視線を転がした。こういうのは、最初の印象が大事だから。
でもこういうのは同時に、インパクトが大事。
「ふふふ、噂を聞いたんだよ。確か、えーと……」
『はい?どんな噂でしょう……?囁かれるようなことは、私、してはいないと思うのですが……』
そう、父と子と聖霊に誓って。その瞳は真面目で、可愛らしさまが見え隠れする。シスター服の皺を手早く叩くように正して、姿勢を正したポメラニアン。
彼女は本当にそう想っているのである。誓って。これから達成しようと想っていることまで、誠実さでカバーしようとしている、そんな姿に見えるばかり。
「えーと、"聖人蘇生庁の"性者な性ポメラニアンさん、なんだよね?」
空気が思いの外冷える音がする。これは誤字では有りません。ケイなりの煽りの形である。ポメラニアンがそういう名称を持ってない、のは当然把握済みだ。
|あえて《・・・》――この言い方を選択したのである。
ひゅうう、と風が通り抜ける音まで、ケイにはしっかり聞こえていた。なんなら、聖ポメラニアンから"ぴぇ"と、驚きのあまりこぼれた小声も聞き逃さなかった。
「性者だけあってかわいい顔でえっちい体つきしてるね。腕だけ見たら悪魔ブエルの絵だけど」
大きめの胸がぴっちりスタイルから丸わかりだよ、と。
――ボクのほうが大きいけどね!
『わ、わ、わ……』
「どうしたの?言い当てられて困っちゃった?」
『い、いえ……でも』
「でも?」
ポメラニアンの五本の腕が、にょきりと――"一本"増えて六になった。
『それって、私への言葉の刃、ですね?』
少なくとも、|聖十字断罪《クルクス・エト・セクーリス》――それは、メンタル的ダメージから生えている。
『見た目の評価はなんでもあるでしょう。ですから、構いません、……真実はどうあれ、です』
体に関することを性的に表現しても、構いません、と。
|神言拘束術《ウェルブム・ヴィンクルム》は、暴力的な攻撃手段にでないための自己拘束――だが同時に、身体強化を施して、柔和に笑ったポメラニアンは、攻撃姿勢にでた。
『私の聖人――腕に関わる方々は、傷と称し判断されました。私はこれを、"教え"の範囲で伝えましょう』
そう、怪力方面の、物理説法で。
ね?お好きでしょう?
ポメラニアンは駆け出して、それぞれの腕が握る武装で物理的に攻撃を加えに来る。
「教えてくれるんだね?抱きしめようか」
連続攻撃の姿勢をとったポメラニアンに、ケイは両手を広げてノーガード姿勢で迎え入れる。八重防具、各種耐性を思えばあの重い鈍器攻撃でも――大丈夫。
一定の、ケイの間合いに踏み込まれた瞬間――いくつかの腕を抱きしめるように、右腕で捕まえて魅せた。ぐっ、と掴んで|離さない《・・・・》。
ルートブレイカー。怪力には怪力を。力の発動には、力の融解を。
「ふふ、逃さなぁい……」
ポメラニアンの耳元に口を寄せて、囁いて。
くすりと笑って、ついでに背中に回って左腕で抱きしめる。
逃さないこの姿勢、ほら本当にえっちぃ姿だよ。どうする?そこから暴れると、胸がとても揺れるよ?ポメラニアンのメンタルが、ガリガリと削れていくではないか、離して下さい!うわぁあん。そんな叫びもかわいいだけ、なのだが――。
🔵🔵🔵 大成功
雉尾・薙ふにゃん?
(基本猫語。以下、人間語変換済)
お祈りっておばあちゃんが仏壇の前でニャムニャム言ってるあれみたいなものかにゃ
てしてしとお姉さんにちょっかい
猫の手貸そうかにゃん?
薙は鰹節下さいってお願い事するにゃ
お姉さん、人間なのにイヌみたいなお名前にゃ
聖スコティッシュにすれば良かったのに
わぁ、お手いっぱい
怖いからつい引っ掻いたら増えたにゃ
タコさんみたいだにゃあ
あ、怒らせたかにゃ
パワーあっても当たらにゃければ怖くない
小さい身体と素早い動きでちょこまか動いて足元の死角飛び込みながら攻撃回避に専念
腕が増えたらルートブレイカーをねこぱんちで食らわせて解除させる
裾に纏わりついて転ばせて自滅させてやるにゃよ!
●猫を崇めてもいいですか?
「ふにゃん?」
なんかすごい光景を見た気がする。
|雉尾《きじお》・|薙《なぎ》(魅惑の尻尾・h03165)は尻尾を揺らして、それからこてんと首を傾げた。
「(お祈りっておばあちゃんが仏壇の前でニャムニャム言ってるあれみたいなものかにゃ?)」
『……ええと』
何か尋ねられている!聖ポメラニアンも、聖なる声に耳を傾けられても仔猫の言葉はわからない。あきらかに狼狽えている。今祈りを捧げている場合ではない、と焦りだす程度には。
『だ、誰か猫語分かる人いますか?私、|その他の言語《天啓方面》なら理解があるのですが……!』
にゃあん。てしてしてしてし。その前脚で、ポメラニアンの間合いに入って軽く叩く。猫の手はいるかにゃ、と彼女なりに聞いているのだ。
祈る人はもっと欲しいのかにゃ、とつぶらな瞳で見上げている!
『……か、』
かわいい。言葉はその場で溶けて聞こえなかった。
これにはポメラニアン、思わず破顔。かわいい、どうしようとてもかわいい。猫語はわからないけれどなんとなく父と子と聖霊に導かれ分かった気がする。この子は、祈りの仲間に加わりたいのだと!
『えっ、と……』
「(薙は鰹節下さいってお願い事するにゃ!)」
にゃあんとニコリと微笑まれたら、この子かわいい、でトキメイてしまいそう。
ポメラニアンが猫に絆されていいのだろうか?
『……い、いえ。いけません。猫さんとポメラニアンでは宗教の違いがあります(犬と猫)。ダメですよ』
「(ええ?そうかにゃ。お姉さん、人間なのにイヌみたいなお名前にゃ)」
にゃむにゃむ。薙は、なにかを言いたげに、ぺろりと自分の鼻先を舐める。
ぴょーんと彼女の体を爪を立ててよじ登り、にゃーんと宣言する。
「(聖スコティッシュにすれば良かったのに!)」
聖スコティッシュフォールド、なんて良い響きなのだろう。
あいては、かわいすぎて、鰹節をじゃんじゃん奉納されるかもしれない。神と聖なる響きと猫は調和を――薙の空想ワールドはどんどん広がるが、ポメラニアンも黙っていない。
薙と戯れているだけならまだしも――。
じゃり、と薙の爪が一つの腕を引っ掻いてしまった。
5本の腕が、物理的な攻撃をうけて6本目をにょきょりと生やした。
『だめですよ、それは。攻撃として認められてしまいました……』
「(怖かったのにゃ、タコさんみたいだったしにゃ?お手々いっぱいは、絡まったりしないのかにゃ。……あ、もしかしなくても怒らせたかにゃ)」
|聖十字断罪《クルクス・エト・セクーリス》――詠唱を自分の腕に。増えた腕に。強化を載せて、ぶぉんと勢いよく腕を振るうことで薙を払い落とす。ふっとばされた薙だが、くるくると猫ならではの華麗なる着地を決めて、落ち着くために前足を舐めて一息。
『怪我をさせるのはいけません。私が赦しても、聖人は認めないのです。すみません、猫さん……』
代わる代わる連続の攻撃を、薙に向けて放ってくるポメラニアンは、完全に猫に遊ばれる。小柄な薙を大柄な武装と、おっきな胸は全く捉えられない。遠隔麻痺を齎す詠唱だって、回避に専念されたら当たらない。なによりも、猫のおヒゲは敏感に大気振動まで感じるのだから、けろりとした明るい顔で、薙はじゃれる行動に映る。
それは、|ねこぱんち《ルートブレイカー》!
右の肉球が、増えた腕をべしーんと叩くと――腕は霧散するように消える。元より持っていた腕5本に戻ったことでバランスが取れなくなり、素晴らしい跳躍でポメラニアンの体の上をとてて、と歩き回りまとわりついてきた薙を再度振り払おうとして、ポメラニアンは盛大に空振った。
『……ひゃいっ!?』
武器を振り下ろしたタイミングで前の向かってごろりと転がって、たいへん痛そうな音がした。尻もちの方がまだ痛くなかったんじゃないかにゃ?
今の完全に頭か顔からだったにゃ。
ああ、人間って、受け身が取れなくて大変そうだにゃ。
🔵🔵🔵 大成功
エキドナ・デ・イリオスアドリブアレンジOKです
基本的にパワーで布教するタイプで、言葉に深い意味はなく整合性もさほどなく、都合の悪い事は聞こえない狂人
能力の語り聞かせも捏造で構いません
●心情
生と死の摂理を歪めるのはあってはならむこと
その魂を還しましょう
どうか神聖竜さまのもとで安らげますよう
●戦闘
格闘と鉄拳で応戦、たまに地形と怪力を活かしたフェイントや目つぶしも
身体が麻痺になっても、祈りで動くディヴァインブレイドで応戦
ブレードのほうで斬りつけたり、缶の方の中のアルコールで手元を狂わせるのを狙います
近接の距離になれば、ドラゴンのたてがみと怪我を厭わぬ強引な抑え込みなどで捕縛して、激痛耐性と信仰心で布教開始
●拳も込で語りましょう
「一言、構いませんか」
聖ポメラニアンを前にして、エキドナ・デ・イリオス(狂信の|神聖祈祷師《ホワイトクレリック》ホワイトクレリック・h02615)は挙手の仕草から、声をかける。
あえて、こうしたのだ。これは――確認。
確認後に起こるのは、たった一つの事象が理想だ。
『はい。どうぞ。お聞きしましょう』
「その魂を還しましょう」
『……はい?』
ポメラニアンは聞き返した。今、なんと言われたのだろう。
理解力がなかったから聞き取れなかったのかもしれない。
「生と死の摂理を歪めていますよね?今生きているだけで、ずっと」
エキドナは、伝える言葉で囁かない。
|神聖竜《ホーリー・ホワイト・ドラゴン》の使徒が聞くのは相応しき存在の言葉のみ。
「それは不幸です。それはあってはならないことです」
『あの……私と宗派の違いを、崇高なる存在のアピールをしている、ということでいいのでしょうか?』
「不幸です。理解しないこと、理解できないこと。存在そのものが、歪んでいると」
蘇生された存在であるポメラニアンは、確かに存在として決定的に歪んでいるだろう。
それはポメラニアン自身も分かっていることだ。
『わかりました。それでは……』
言葉で語るのはやめましょう。
「どうか、神聖竜さまのもとで安らげますよう」
二人同時に、正面から向き合うまでの時間はそこから連続する。
先に手を出したのは、エキドナだ。どちらもが近接格闘に乗り出したのだから、会話など必要ない。相手の顔を見れば、わかる――!
『ではこちらからも、祈りましょう。貴方が安らかな破滅の向こうで眠れるようにと』
|神聖竜の信仰への導き(物理)《ヒトハソレヲ、キョウハクトイウ》。口頭で語る崇高なる方への想いをエキドナが声に出せば、信仰心は渦巻くパワー(物理)に変換される。ディバインブレイドを利用して、祈り力で飛翔した攻撃を閃かせポメラニアンを追い立て――傷つける。腕がにょきりと、増える。傷を負った数、にょきにょきと、腕が増え、腕が掴むモノ全てを鈍器に変えて、エキドナへと迫ってくる。
今新しく増えた腕は、そのへんの木造イスを怪力任せに持ち上げ、ぶん投げた!彼女の私物も聖なる銀の武器群。どれも当たれば大変痛い。エキドナは、ポメラニアンの猛攻をひらりひらりと、躱しながら踊るように、缶の方のディバインブレイドを激しく振って置いたことで、缶の中のアルコールをポメラニアンへ思い切りぶちまけた!
『わ、わ!?……お酒ですか!?』
「聖水」
『言い方を変えただけで、度数強めのお酒ではないですか!?』
「それは、聖水です」
言い合いに全くの整合性はなく、ただアルコールに驚いたポメラニアンを――素早く、長くて真っ赤なドラゴンのたてがみで縛り上げ、怪我を厭わぬ強引な抑え込みを行ったうえで――ポメラニアンの泣き出しそうな顔を完全に無視して、殴られた数だけ、殴り返す所業にでるエキドナは、有言実行の存在であった。
「今から、神聖竜さまの素晴らしさを当たる数だけ殴ります。殴られた数だけ罪を灌ぎ、そして、その魂を還す事を選ぶまで」
私はやめません。覚悟して、お受け下さい。
あなたが神聖竜さまを信じるまで、宗派を鞍替えするまで、やめません。
腕の数を増やしに増やしたところで、私が耐え抜けば布教活動は続行可能です。
さあ、――私の話を聞き続けて下さい。
エキドナの、拳がポメラニアンに向かって強打の音を響かせ続ける。
🔵🔵🔵 大成功
卿機・枢ふふ、そぉ
キミはヴァチカンの聖人さん
つまりつまりカトリックなワケやね
俺は牧師さん
カトリックとプロテスタントが戦場で会うたら
宗教戦争するしかないやんねぇ
√能力発動
激痛耐性と継戦能力で腕の五連撃を全部受けて耐える
相手の√能力による無機有機物からの攻撃も全部受けて耐える
そしたら俺は傷だらけになるやんね?
最低5本
傷の分だけ俺の銃持つ天使の腕は増える
全部「零距離射撃」「一斉射撃」の近接攻撃で叩き込むよぉ
俺も「反神聖」の属性攻撃で二挺拳銃から「貫通攻撃」
右の頬を打たれたら
勿論、仕返しせぇとは言わんよぉ
右の頬を打つには右手の甲で打つ
そら格下への行為や
左頬を差し出すんは格下の人間の格上への反逆なんやで
聖人さん
●高位の存在も、掌と頬は平等で
訪れた時点で、靴音を響かせて。
「ふふ、そぉ」
|卿機《かみはた》・|枢《かなめ》(shroud minister・h00191)は、祈りに想いを込めていようとする聖ポメラニアンを上から下まで流し見て、紛れもなくそちらの業種に遵守するものだと理解する。
経典を持っていない。彼女がやっていたことは、どちらかといえばミサ――枢はそう読んでいるが、像の類やその他の持ち物はイマイチ見て取ることは出来ない。
『なにか、分かりますか?』
「わかるよぉ、キミはヴァチカンの聖人さん、つまりつまりカトリックなワケやね」
『そうなりますが、あなたは……違うのでしょうか?』
「俺は牧師さん、つまり立場は全くが違うわけやねぇ」
片やカトリック、そして枢はプロテスタント。
立場は異なり、戴く概念もまた、異なる。
「――カトリックとプロテスタントが戦場で会うたら、宗教戦争するしかないやんねぇ」
『――ああ、そういう話でしたか』
柔和な会話、お互いに踏み込まない会話の流れ。
枢もポメラニアンも、お互い穏やかな空気でいたが、ポメラニアンが武器を手に取る。いや、正しくは握り直した。当然、がりがりがりがりと重たい音を立てて|銀の十字《ロザリオ》を手繰り寄せる。
『じゃあ、ここから先は戦いですよ?物理的な殴り合いの方が好みでしょうか』
振りかぶったなにも持たない手は握り込まれていた。
香炉からの香りが、ふわぁと漂い始めて――|聖香浄天《トゥリブルム・プルガティオ》は放たれて、銀の十字に詰め込み、|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》化させていく。降り立つ天使があるならば、この拳には何もない。だからこそ、ただ単純な強化を持って、浄化の力とするのです。
「おお、……こわ」
"|右の頬を打たれたら《エイ・エト・アルテラム》"――枢は、五本の腕が織りなす連続殴りと、間に紛れ込む|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》による"やはりこれも物理打撃攻撃"の応酬に耐える。
全部攻撃を受けたとき、枢には、最低5本。
傍らに浮かぶ銃を持つ天使の腕が、新たに生えていた。
「気がすんだ……なら、"もし誰かが右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい"っていうやろ?同じ分だけ、返すよぉ」
近距離に絡む事で、差し向ける銃はどれもが零距離だ。
一斉に放てば当然、無傷ではすまない。
『……きゃっ!?』
「頑丈でも、強化していても、俺も"反神聖"の属性攻撃も紛れ込ませていたんやから」
よぉきいたんね?じゃあそれは、死人属性でもあるということか?
二挺拳銃から打ち込んだ、それらに怯む蘇生庁の聖人さんは、本当に生きてる人なのか。苦しむさまはまるで、死人が罪に苦しむかの如し。
「右の頬を打たれたら、勿論、仕返しせぇとは言わんよぉ」
ポメラニアンは、苦痛に歪めた顔で耳を傾けている。
「右の頬を打つには右手の甲で打つ、そら格下への行為や」
教えは語るものだ。牧師の仕事。
当然、そちらの仕事にはないだろう。祈りで結果を待つそちらには。
『だから、なんだというのでしょう……』
「左頬を差し出すんは。格下の人間の格上への反逆なんやで聖人さん」
🔵🔵🔵 大成功
クラウス・イーザリー名前も見た目も凄いインパクトのある相手だな……
(√WZ出身故に)聖遺物?っていうのはよくわからないけど、凄い人みたいだね
貴賓館の中で戦闘
茨の蔓を操る魔法を使い、影から伸ばした茨の蔓で動きを妨げながら|無明《二丁拳銃》で銃撃
なんか力こそパワーって感じの動きだし、足元を拘束してできるだけ接近されないように注意して
もし近付かれたら、茨の蔓で腕を拘束したり蔓で攻撃して隙を作り、更に見切りや魔力防御を組み合わせて連撃を凌ぐ
聖香浄天で敵が増えたら、拘束して銃撃を集中させて先に破壊しよう
「見ず知らずの相手に救われたいとは思わないよ」
悔い改めることがあったとしても、少なくとも君相手に言おうとは思わないな……
●祈りより近い、隣人を
迎賓館に踏み込んで、相手は静かなばかりで息を呑む。
「……」
無言で、クラウス・イーザリー(太陽を想う月・h05015)は聖ポメラニアンをみた。どことなく、あまり出会わないタイプの存在だと、マジマジと見たという表現が近い。
野花を見た感覚に近いだろう。これは|なんだろう《・・・・・》と。
『どうかしました?』
「いや、お名前……」
『ポメラニアン、ですよ?』
「あの、失礼かもしれないんだけど……好奇心、旺盛だったりする?」
――名前も見た目も凄いインパクトのある相手だもんな……。
当たり障りない会話をしつつも、クラウスは、ポメラニアンという犬種に近い性質を持っているのではないか、と単純に尋ねた。愛嬌がある方なのは、なんとなくわかるんだけど、と疑わない。
『どうでしょう……私個人は、そこまで特殊な存在ではないかと思いますよ』
「でも周囲に人を置かないくらいには"すごい"人なんだよね……?」
――聖遺物?っていうのはよくわからないけど……。
恐らくはこの人の状態は存在だから、逆に誰も寄せ付けない、まであるのかな、とまで考えて√ウォーゾーンには、ない方の概念でクラウスには完全には理解できなかった。
『ああ、でも分かりました。貴方も、私を|理解《・・》したいんですね』
ポメラニアンが、ふふりと柔らかく笑ったかと思ったのを見て、クラウスは空気が変わったのを理解する。これは敵対意思の圧。睨みを効かせない方法で、圧を掛けてきているのは――一体なにか、その謎は解けないが――武装の類からは感じない。
――じゃあ、通常の人より多い腕が……?
可能性は不透明。
入った時点で、|茨の蔓を操る魔法《シュタルテン》を起動し、周囲に存在する影とクラウスの影から発生させた黒い茨の蔓で狙っていた。
「いや、つよい押し売りは求めてないかな」
『あら、あら。お求めなのだと受け取っていました』
困ったような苦笑を浮かべたポメラニアンに、クラウスは足元を茨の蔓で縛り上げ、その場に縫い止めて――二丁拳銃、無明を問答無用に放つ。
ポメラニアンは握った|鈍器《銀の天秤》に|聖香浄天《トゥリブルム・プルガティオ》を掛けて、香りを注ぎ、祈りの分だけ、|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》を顕現させようとした――天使が君臨したのなら、影の大きさは代わり――拘束するために伸びる影は遮られる。天使を盾にポメラニアンが駆け出して、他の|鈍器《銀の十字架》で殴りかかりに来るのを、クラウスは慌てて身を翻して、躱した。
どごぉお、と凄まじい音が床を叩き、ごくりと生唾を呑む。
凹み方が尋常じゃなく、命中したら粉砕なんて言葉では可愛いと思ったほどである。
「連続で受けたくない攻撃だね」
天使が|神聖光線《ルクス・ディヴィナ》――光の光線を大量に撃ちはじめれば、クラウスはそちらもまた、茨の蔓で防ぎポメラニアンへと直接銃撃を狙った。
詠唱する言葉は聞き取れず、強い祈りにポメラニアンは笑う。力があれば、死を恐れなければ、救われます。死を恐れても、変わらぬ誓いがあるならば、と。
『ああ……そういえば、なのですが。救われたい者がこの場に訪れるほうが納得できるのですが、貴方もなにか、救いを求めているのですか?』
「俺は既に十分救われてる部分があるし、見ず知らずの相手に救われたいとは思わないよ」
『そうですか?意外と気軽に話すと楽になるかも知れませんよ?』
「……遠慮するよ、言うなら大切な人に聞いてもらって解決するほうが良いからね」
『成程。それは、隣人を愛する方が、優先であるべきでしょうね』
正しい行いですから、大丈夫ですよ。ポメラニアンは独特な雰囲気で近接攻撃の暴力を続け、クラウスの猛攻に押され続ける――。
🔵🔵🔵 大成功
屍累・廻おや、祈りの邪魔をしてすみません
ですが…こちらも仕事ですから
パンドラの匣を手に√能力使用
見た目はシスターではあるけれど、荒々しい戦い方を観察していく
生憎、悔い改める事は何一つありませんので
貴方が信じるものよりも、私はこの眼で見たものだけが全てですから
視野は広いですよと微笑む
有象無象の怪異で全ての腕による攻撃を防ぎながら、穿光で射撃
接近戦に持ち込まれたところで、禁忌の刃を用いて確実に急所を狙う
王劍からゾディアックを奪おうとは、気になる儀式をしていますね
奪って、その先はどうするつもりです?
王劍を手に入れたいという、シンプルな理由とは思えませんが
●打撃の雨は降るでしょう
こつん。靴音を鳴らした事で、聖ポメラニアンが顔を上げた。
新たな誰かの到来に、祈りの時間を紡ぎ続ける時間の終焉に。
「おや、祈りの邪魔をしてすみません」
これは邪魔だと言える現象である、と|屍累《しるい》・|廻《めぐる》(全てを見通す眼・h06317)は見抜いている。だが同時に、何人もの訪問者があれば、落ち着いて祈ることも、その続きさえも、――継続して居ることは叶わないと見抜いている。そして、語りかければ聖人的な立場であるのなら"聞き届ける"為に動かなければ、ならないと。
これは――直感に似たものだが。
ポメラニアン――あれは難解な精神構造をしているタイプではないのだろう。
「ですが…こちらも仕事ですから」
『なるほど。仕事ならば仕方がないと思います、私も望まれた事を優先するべきだと思いますからね』
廻は、パンドラの匣を片手に"|禁忌召喚《カイキゲンショウ》"――怪異達の行進だ。神聖な場でも影は入り込む。呼び出す|バックドア《扉》があれば、何処にでも。
種も仕掛けもない匣から、始めよう。怪異と織りなすパレードを。
「ちなみに私は特に、悔い改める事は何一つありませんので。貴方が信じるものよりも、私はこの眼で見たものだけが全てですから」
『悔いる事がないのは良いことです。ならば、正しく生きているということですから』
ポメラニアンは、5つの腕のうち一つに香炉からの香りを注ぎ込み、銀の十字架は鈍器から|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》の姿へ質量を増大させて変わっていく。怪異と天使の大行進。それぞれが立場を持って、主張し合う攻防だ。
ポメラニアンは|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》に|神聖光線《ルクス・ディヴィナ》を命じて肝心の自分は|それ《・・》より前に出て、廻本体を狙いに来る。限りなく血気盛んな笑顔を向けて、最短ルートで物理攻撃を狙いに来た。
「視野は広いですよ」
廻は微笑みながら、有象無象の怪異を盾に、腕に寄る連続猛攻を阻む。自分の腕で対応しないことで、穿光で撃つ隙さえあったほどだ。この存在は|危険《・・》である。
軽く、想い音がいくつか響き合い――禁忌の刃を用いて今穿った場所を、狙いに行きながら廻はポメラニアンへと呟いた。
「……見た目はシスター。聖人のあるべき姿の一つなのでしょうが……」
『なにか、言いたげですね』
「ああいえ。聖職者であるのならば、もっとこう……」
落ち着いた、神の言葉の代弁者な優先事項があるのではと思ったのだ。
少なくとも偏見ではない範囲で、諭す、導く、語りと説法が主流なのではないか、と。
『こちらにも相応の由々しき事態があったのなら、少しくらい逸脱もするかもしれませんよ?私、ローマ法王よりも立場は上なので、それくらいの自由は在るんです』
「自由、ですか……」
良いことか、悪いことか――廻の頭の中では後者であるのではないか、と推論も立つ。
「王劍からゾディアックを奪おうとは、気になる儀式をしていますね。奪って、その先はどうするつもりです?」
作戦は見抜かれている、と言っても驚く様子はあまりない。
ポメラニアンは廻の好奇心を、ただ|赦す《・・》ように微笑っただけだ。
『父と子と聖霊の御名に誓って、行うとしていることですか勿論――』
持ち帰ったあとに、聴くのですよ。これからどうするべきかを。
そして伝えるんですよ、私はそのために居るべきなのですから。
「王劍を手に入れたいという、シンプルな理由ではないんですね」
タウラスが手にしたという王劍。そこに秘められる|十二星座から降り注ぐ未知の力《ゾディアック》――は確かに高い程内包量を約束されているのだろう。
廻は王劍破壊を目論むのか?と思うものの、イマイチ正解を見いだせない。
ポメラニアンがやろうとしていた方法が解き明かせなければ、確かに現状難解な未知の問いだろう。
🔵🔵🔵 大成功
シルバー・ヒューレー……目的は分かりませんが、√エデンに害を為す、一般人を傷付けるというのであれば――阻止させて貰います
(例え相手が同教だろうと、高位の者だろうと――必要ならば戦うのみだ)
敵の攻撃を怪力で持った聖なる盾拳を怪防ぎ、受け流しつつ、もう片方の手に持っている信仰のメイスによるカウンターでの重量攻撃と銀の鳥から放たれる銀の礫による乱れ撃ちによる連携攻撃を行います
敵が√能力を使用してきましたら、こちらも√能力を使用します
銀の鎧を解除、そして盾拳を手放し、今までの戦いで知り、学んだ敵の動き、攻撃を学習力、戦闘知識で持って予想、対応を試みます
信仰のメイスで攻撃を防ぎ、相手に反撃を仕掛けます
これが私の――信仰です
●私闘の中に愛はあるでしょうか?
「そろそろ疲れた顔も見え隠れしていますね。こちらからも、迷える羊を救ったほうがいいのでしょうか?」
相手単体の目的はわからない。
だが、聖人蘇生庁聖者『聖ポメラニアン』を目の前にしたとしても、シルバー・ヒューレー(銀色の |シスター《聖堂騎士》 ・h00187)の認識は特に変わる部分がない。何の目的があったとしても、この存在は√EDENへ巡り巡った害を持ち込む存在だ。
『私に悔い改める告解を求めているのですか?』
「そう聞こえたのならそうなのでしょう。此処はそういう場所だと、聞きました」
『ふふふ』
「……ですが、"悔い改めても、救いは来ません"という考え方をされているのでしたね」
『私に仮に迷いがあったとして、救いは来ないんです。くるとすれば』
そこにあるのは|私闘《死闘》だけ。
√能力者である肩書以外では、かなりそれぞれの立場からしてもグレーだ。
隣人を愛していない。だが、今だけはその言葉を|愛《主張》の為に使おう。
二人のシスターの間に、威圧的な空気が張り詰める。
ポメラニアンはこの方に言葉はいらないと短い詠唱に自分の強化を重ていく。
シルバーの方は、ポメラニアンより攻撃姿勢を取らないものの――主張の向かう先は理解した。
――例え相手が同教だろうと、高位の者だろうと。
――必要ならば戦うのみだ。
相手が、高位に立つ存在でも"否"と否定するのは、神が示す道にある。
聴く言葉が異なればこうしてぶつかることも在るだろう。
――語れば語るほど、主張は宗教色を強める。だからこそ……。
先に動いたのはポメラニアン――メイスを持った腕、それから銀の十字架、銀の天秤とどれもが銀製の彼女の在り方でありながら、怪力任せに殴りかかるそれぞれが単純な鈍器と成り果てている。道具として使う時は相応なのだろうが、今必要なのは多種多様の武器での語り方、とポメラニアンは微笑みで返してくる。
挑み来た重い物理攻撃を、シルバーは表情を一切返ることなく視線で見返し聖なる盾拳で、弾く。重さは腕に響くが、受けた腕と真逆。信仰のメイスでのカウンターが可能だ、連続到来する腕の攻撃も、弾く数を心で数え、今がチャンス!
振り上げたメイスで、5本の腕の攻撃群を、仰け反らせる形で逸らしてみせた。
「一気に行うと、隙を生みます。そこは対処を考えるべきですね、そして何より――そちらは攻撃を受けてから動くべきたったことでしょう」
ポメラニアンの腕がにょきりと増えたのを見て、シルバーは連続攻撃の畳み掛けを銀の鳥からの流れるような銀の礫による乱れ撃ちでやり返した。相応の連続には、こちらも同じくらいの質量を。それが隣人に対する愛だといえた、かもしれない。
『ふふ……どこか似た気配を感じます』
「これが私の――信仰です」
|銀の中身《ギンノヨロイヲハズス》――攻撃を宣言し、信仰のメイスを迷わず振るうのだ。真正面から決して逃げず、この攻撃は間違いなく彼女に当たる。ポメラニアンが言った似た雰囲気とは――連続攻撃の癖、それから、宗教色のことかもしれないが、定かではないので、シルバーはその応えの先を保留とした。
「では……あなたに神の加護があらんことを」
やっていることは正反対――だが、シルバーもそう呟かずにはいられなかったのだ。
此処での妨害が、失態ではなくなにかに繋がるものでありますように。
ただし、またの来訪時は、相応の対応があることをお忘れなく。
🔵🔵🔵 大成功
土橋・サヱ信仰は力、とてもいいだけですね。その自慢の腕と武具はまさにそうなのでしょう
だったらその信仰を真正面から砕き切って見せましょう
力に頼ることの愚かしさ、ならば技術を以て封殺して見せましょう
強化された腕力を用いるのならばこちらは徹底して磨いてきた技術を以て対応
持ち込んだ武器を最大限用いつつ、暗器や煙幕などで搦め手も含ませつつ末端から削っていく
見きり、受け流しによる無力化。武器受けやジャスガ、カウンターによる体勢崩し
フェイントや不意打ちによる冷静さの欠如の誘発。二回攻撃に切り込みと言った攻撃
それらを適切に駆使し、部位破壊を狙っていく
反撃は根性で耐えるのみ
迅速な行動を心掛けるべく味方との連携を重視する
●狗ならば、"待て"と告げよう
荒れる轟音。祈りの言葉。
弾む吐息と、祈る言葉の連続の隙間。
「戦いぶりを遠くから拝見しました。まさしく―大丈夫"信仰は力"を体現していると言えるでしょう」
『そのとおりです。悔い改めても救いは有りませんので、ならば別の応えが必要でしょう?』
あなた様はそういう――言い回しをするのですね。
|土橋《つちはし》・サヱ(鴉の剣、狐の太刀・h00850)が存在を認めれば聖ポメラニアンは語尾を疑問形に言い返してくる。
結果が伴えば、この場合どちらでも同じだ、とでも言いたげに。
「一理あります」
否定はできない。物事の過程はどうあれ、必要なのは"結果"であるというのは本当だ。
付喪神に至る前、どこにいて、どこにあって――それらと同じ。
今、サヱがこの場に立つことは、|結果《・・》だ。巡り合わせという、輪の中の。
「ですが、その信仰を真正面から砕き切って見せましょう」
此処に銀に等しい色を持つ、鋼鉄の強化をその腕に制圧する為に振るうのなら。
『私の信仰は、世間と同じく信仰する対象が勿論おりますが――それでも、救いはないのです。私が救わなければ行けない場合が、今此処に立ちふさがるようですね』
聖ポメラニアンは、自身の身体強化を強める。彼女と同じく柔らかな体が、靭やかな腕が、強靭な武器へと至っていく。その腕は聖人が"在る"と定めた聖遺物の腕でもある。ポメラニアン自身が聖なる蘇生されしもの、でもある。
負傷を気にせず単なる単純な強化を施して、|聖十字断罪《クルクス・エト・セクーリス》を発動させる準備をし、ポメラニアンはサヱの挙動を伺いながら|救おうとする《攻撃行動に移る》。
だが――サヱにはそんな事情は関係がない。
この場にある理由も。配慮する内容に含まれない。
「力に頼ることの愚かしさ、ならば技術を以て封殺して見せましょう」
強化された腕と、握り込まれた銀の銃。あえて銃として使わない、鈍器は凶悪な風斬り音を立ててサヱを狙いすまして殴りかかってくるではないか。
「銃はそのように使うものではないかと」
サヱは、大口径拳銃でポメラニアンの銃を受けて、第六感を信じ――弾く。カウンターとして霊刀"影打ち"で近距離に迫った事を、後悔させるべく攻撃を封殺して渾身の一撃を。
ただし、次のこの攻撃はフェイクだ。武器で受けてた勢い戦場に弾幕を張る動作を隠したものだ。暗器を正面から堂々使い続けるには、ポメラニアンの腕の振り下ろしから、重たい拳の一撃を、受け続けるのはよくないと判断した――彼女を下手に傷つけては、更に猛攻を加速させてしまう。では次の攻撃は――。
『これが封殺。ふふ、これで本当に、力は愚かだと証明できますか?』
「――出来ますとも」
|傭兵式白兵術《ヨウヘイシキハクヘイジュツ》・|極《キワミ》――今の連続は。銃器と技術の連続を並べたものだ、この一撃は決して終わりを魅せない。次の攻撃は、相手の連続5度の畳み掛け攻撃を挑発から導いたポイントに誘導し、くすりと笑う声を漏らした。
「こちら、伊達に長く生きてはおりませぬよ?」
根性で連続攻撃を受けて尚、深手を追わせるまで耐え抜き封殺したこの流れ。
断ち切る攻撃こそ、この二撃目――!深く踏み込むこのニ回攻撃にて、その腕が増えようという要素自体を薙ぎましょう。
『……っ!』
ポメラニアンにとって、サヱはじわじわと削る戦いを行っているとも言えた。相手から受けた怪我には至らぬものの、自傷レベルでの腕を悪くしていくばかりの攻撃が、加えられていく――腕が一つ、不調の音を立て始めた。裂傷ほど激しい怪我なれば、問答無用に新たな腕が生えるものを!
🔵🔵🔵 大成功
不忍・ちるは祈りは“誰に何を”が大事と聞きましたが信心深くないもので
ポメさんのお祈りタイムが気になります
指を組むのかと思いましたがそうすると一腕余ってしまいますし…
…っと、じーっと見つめるのは失礼ですね
すみません目が合ってしまったからには会釈をして応戦しましょう
場所は他のかたとの連携次第でおまかせします
大きく透明のぽんに前方で盾になってもらいます
鈍器や銃撃となれば硬いより低反発に包み込むほうがよいですね
見えないご加護ってすてきじゃないですか
どうしました?何かありました?ぐらいの素知らぬ演技に努めます
ポメさんの怪力受け流しからの蹴り技や腕をかけて投げ技など
こちらも静かに力こそのなんとかの気持ちでお返しします
●めずらしいものは、ながめたくなるものです
息を整えるように、聖ポメラニアン胸の前で二つの腕を組んでいた。
首から下げた小さな十字架を握り込むように。それは祈りの形。
"救おう"とするのなら、祈りの時間は削られていく。
この場で達成しようとしたことも、訪問者の多さでは未達成のまま終わりそうな気配すら合った。
『どうか、しましたか?』
|不忍《ちのばず》・ちるは(ちるあうと・h01839)はマジマジと、だいぶ近い距離に近づいて、忍んでいた。ちかいひと、くらいの背丈と言えば言い過ぎだけれど、背丈も腕の数も、胸の大きさも。
もしかしたら役割まで大きなポメラニアンを、観察するように眺めていたのである。
「祈りは“誰に何を”が大事と聞きましたが信心深くないもので」
眺めたおしてしまいました、とちるはが語る。
「ほら、シスターの祈りの時間に訪問っていうのがそもそもですね……」
珍しいじゃないですか。めずらしいですよ。
『そうなんですね、私の祈りの姿は少々……』
言葉を僅かに呑んで、戦闘後の服の乱れを素早く直すポメラニアン。
『時と場合を使い分けますね。一つではないですがこれも、一つの祈りの形です』
「指を組むのかと思いましたがそうすると一腕が余ってしまいますし……。でも、聖なるものを握り込んだまま、という場合もあるのでしょうか」
銀の銃や、銀の十字架。彼女の腕が掴むそれぞれはとても高価そうにみえて、聖なるものでもあるだろう。武器も、同時に|腕《・》の方さえも。
「じーっと見つめるのは失礼ですね、すみません」
改めて、思い出したように謝罪する形でぺこりと頭を下げたちるはに向けて、ポメラニアンは朗らかな笑みで応える。
『大丈夫ですよ、眺められるのも、迷える羊さんたちと語らうのも私の仕事、みたいなところがありますから』
「じゃあ、じゃあ。眺めながら、お手合わせ頂ければ」
『ああ。迷いがあるわけではないのですね、わかりました』
ちるはが手を叩く。近くにぽぽんとなにかが飛び出す――|不忍術《シノバズノ》 |家守之型《ウチノコ》、色彩り綿毛獣"ぽん"を喚ぶ。ポメラニアンの前に"ぽん"。可愛らしいと可愛い名前が共存するこの場所で、素早くポメラニアンが銀の銃を構えたのをみのがさなかったのだ。
容赦なく、ポメラニアンは水銀がたっぷり詰まる銃を撃ち放ち――|聖刻印弾《スティグマ・アルゲントゥム》を刻みに掛かる。
ぽんの大きさを変えて貰って大きな壁と立ちふさがり、ポメラニアンの銃撃がぱぁんとぽんが包み込むように飲み込んだ。
「ふふ、かわいいでしょう?」
『そうですね、かわいい方です。今から|聖痕刻印《スティグマ》が刻まれて……』
「そんなことは、ないと思います、よ?」
低反発の包み込み、聖痕を刻むのだって不思議な力で跳ね返しちゃう!これには流石にポメラニアンは驚いた。何度打ち込んでも、結果は同じ。ぽよんと、跳ねて、ちるはが笑う。
「見えないご加護ってすてきじゃないですか」
背後に、心に、どこかしらにあるのでしょう?そちらには。
かみさまって、そういうものかもしれない。インビジブル以上のなにだと、よくわからないですが。
「どうしました?何かありました?」
そこにわたしはいませんよ。
ちるはは、ぽんとポメラニアンが戯れている間に、ポメラニアン後方に回り込み、軽快に回し蹴りを決め込んだ。可愛い蹴り、とは言えないほどの、切れ味が胴を叩く。
『蹴りましたね?死角から』
「本当は他の腕を掴んだ投げ技を狙いました、ふふふ」
二人の朗らかな微笑みは、小さな火花を散らしている――。
🔵🔵🔵 大成功
橋本・凌充郎―――――――高位の聖人とお見受けする。現世にこうして再び足を運んでいただいた以上、こちらも歓待すべきではあるが…生憎、俺は信心深くも、悔い改める事もなくてな。救いとやらを、求めているわけでもない。
――――――死の境界線こそ、人々に預けられた最期の静寂、安らぎの終着点だ。その境界線を、その騙り名の様に可愛らしい犬が尻尾を振るような体で易々と踏み越えるものではない。――――――聖人と称されるに至った貴様が、その事を理解していないはずは無かろうに。生者のみが死者の結末を決める権利があり、死者に生者の歩く道を塞ぐ義務はないのだと。
――――――故に。貴様を死の向こう側へ叩き返す。悪く思えよ、聖者殿。
――――――鏖殺連合代表、橋本凌充郎。これより、正しき死の執行を開始する。
【クイックドロウ】からの【制圧射撃】により、麻痺弾を速射し、相手の動きの妨害を狙う。【限界突破】することで速度を上げ、【殺気】と共に【怪力】と【重量攻撃】で相手の近接攻撃を打ち払い、相手の腕を【切断】することを優先する。
空地・海人※アドリブ、連携歓迎
建物の中に居るかと思ってたけど、まさか外に出て祈ってるとは。気分転換かな?
でも、周囲を気にせず戦えるから、こちらとしては好都合だ。
祈ってるところ悪いけど、倒させてもらうぜ!
変身ベルトを腰に巻き、「現像!」の掛け声と共に、緑の装甲を纏う【フィルム・アクセプターポライズ √汎神解剖機関フォーム】へ[変身]。
わざわざ相手の脳筋スタイルに合わせる必要もないよな。というか、あの見た目でパワータイプなんだな……。
【マルチアングルエクスプロージョン】を発動し、ミニハイアングルボマーも間髪入れずに次から次へと突撃させて[爆破]を繰り返す。数の力で「5本腕連携攻撃」に隙を与えない様にしよう。
聖遺物が独立して動いてるのか、彼女が直接動かしてるのかは分からないけど、「凶暴化」を付与して、うまく連携攻撃できなくしておく。
おっと、鈍器だけじゃなくて銃も一応使うのか。
水銀属性の弾丸には、イチGUNによる[牽制射撃]で撃ち落として対応しよう。
隙を見て接近して、イチGUNの[零距離射撃]でトドメだ!
フォー・フルードさて、そのお名前の可愛さは残念ながら自分には分かりかねますが…お気になさらず、懺悔は求めていません。罪も罰も自分のような|もの《機械》に適応されるのかは甚だ疑問です。物を縛るのは罪より法でしょう。
…呼称、聖者との戦闘を開始
【戦闘】
聖職者と共通項は無いと思っていましたが一つある様です。まさか多腕による戦闘スタイルとは
√能力【泡沫理論・終末試行】を発動しインビジブル状態に。
そちらがパワープレイをするのであればこちらは手数で対応します。
√能力【機能的同等物】を発動して全ての腕にアイテム「アサルトライフル」を出現させる。
距離を取りつつそれぞれの腕の銃撃で、ポメラニアン側の攻撃を妨害。しつつダメージを与えることを狙う。
【聖刻印弾】は弾道予測技能で避けることを目指す。
【聖香浄天】はエネルギーを与えようとした無機物、有機物を制圧射撃技能を使いひたすら先に破壊し続けることを狙う。
最終的にポメラニアンに隙が出来ればアサルトライフルを投げ捨て全ての腕にアイテム「ロケットランチャー」を出現させ一斉発射します。
チェスター・ストックウェルポメせ――聖ポメラニアンが偽名!?
しかも教皇より偉いとかマジ?
……全然信心深い方じゃないけど、聖遺物と聖遺体の集合体が相手だって聞くとこう……ああもう、やりにくい
別にビビってなんか……!
なるほど、聖遺物を冒涜した敵が相手だと思えば、遠慮なくいけそうな気がしてきたよ
呼び出していた|お騒がせ幽霊《フーリガン》たちに背中を押され、P232SLを構える
敵の五本の腕は、ウインクひとつで不可視のお騒がせ幽霊たちを嗾け、押さえ込んでもらおう
ふん。悔い改めるのはシスター、君の方さ
俺たちは蘇生した君とは違って実体を持ち合わせていない
けど、だからこそできることも多いんだよね
その隙を逃さず弾丸を放ち、敵を貫こう
●告解
「建物の中にいると思ったけど、なんだ、今は外にいるんだな」
室内ではなく、外で祈る不可解な佇まいの女性、聖ポメラニアンの姿を見て、|空地《そらち》・|海人《かいと》(フィルム・アクセプターポライズ・h00953)はポツリとつぶやいた。
『内部がやや、散らかっておりますので。しかし祈りは何処からでも捧げることができますから』
「そりゃあそうだ。祈るのに場所はいらない。気分転換にもなるからな」
狭い室内より、広い外のほうが海人にとっても好都合だった。
「祈りの時間は終わりだシスター・ポメラニアン!――現像!」
緑の装甲を纏う姿へ変身完了!
|√汎神解剖機関フォーム《ルートハンジンカイボウキカンフォーム》!
『あら、あら。かわいい名前に免じて戦わなくても良いんですよ?』
準備を整えた、海人の後ろにもう一人の訪問者の姿。
「それはありえません。"ポメラニアン"――名前の可愛らしさ、というのは自分には分かりかねますが……お気になさらず、懺悔は求めていません」
フォー・フルード(理由なき友好者・h01293)に悔い改めるような内容は、持ち合わせない。√を越えても、彼が戦場と認知している現場で行うことはベルセルクマシンとして普段行っていることと変わらないのだ。此処が戦場である限り、言葉少なくても成立する。
戦場に神はなく、上位立場の制圧者は必要ない。
『ああ、そうなのですね。それを聞いて安心しました』
今日は訪問者の多さが忙しさでもある。祈る時間のほうが少ないと、体感でも思えるほどだ。
祈りの先へ対話の時間が、――足りないのだと。
「罪も罰も自分のような|もの《機械》機械に適応されるのかは甚だ疑問です。物を縛るのは罪より法でしょう」
神を縋るのが人ならば、物が縋るのは創造主や使用者でしょう。
ただし、意思を持ち、歩く個体となったのならば――それはその機体が選ぶこと。
フォーが選ぶのは、悔いや罰も罪もどれもが持ち得ない、という考えだけだ。
『そうですね、機械となると、……うーんちょっと私の理解力が足りないかもですね』
「ならばこれより、自分から動きましょう」
――Recursive、開始。Terminate、実行。
|泡沫理論・終末試行《プレディスティネーション・テルミヌス》――過去に向けて姿は模す形に変わる。多腕機構と特殊脚部による壁面歩行能力を得て、フォーの姿はインビジブルを纏う姿に変わっていく。インビジブル形態、というやつだ。
周囲に何処にでも居るインビジブルを手弾に集めに詰めて、撃ち放ち狙う先はただひとつ。
『問答無用、なのですね?ならばまずはそちらに対処致しましょう』
銀の銃以外に香炉の香りを詰めて願い祈り捧げる祈りは言の葉に。
『|聖香浄天《トゥリブルム・プルガティオ》』
短く語るその言葉。祈りに合わせて、銀の十字架は姿を変える。舞い降りる|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》は、ただ一体。ただし銀製の天使は敵対者全てを見据えて、自律行動を開始する。
『|神聖光線《ルクス・ディヴィナ》は任意に放つと良いでしょう。私は、……この銃で』
水銀の弾丸を詰め込んだ銀の中で行う|聖刻印弾《スティグマ・アルゲントゥム》――フォーへと向けて、攻撃姿勢に応えてみせた。
「脳筋姿勢より先にそれ以外を、ですか……聖職者と共通項は無いと思っていましたが一つある様です。まさか多腕による戦闘スタイルとは」
銃撃が始まれば、|機能的同等物《カタログ・レゾネ》――に於いて、多腕全ての腕にアサルトライフルを出現させ、まず初手で銃撃を乱舞させたうえで弾幕を張り、距離を取った。フォーのアサルトライフルはフルオート。この攻撃は手動の銃撃とは、当然早さが異なった。
|審判天使《アンゲルス・ユディキイ》化して硬度強化した状態で|神聖光線《ルクス・ディヴィナ》を差し向けてくる姿を、距離を取ったフォーは、制圧射撃技能を使いひたすら先に破壊し続ける。
――此処で彼女の武器を一つ潰します。
――意思を備え付けても、動けなければ意味はありませんから。
「わざわざ相手の脳筋スタイルに合わせる必要もないよな。というか、あの見た目でパワータイプって話なんだよな……」
銃撃が乱舞するその場に向けて、海人は"マルチアングルエクスプロージョン"を仕掛ける――ミニハイアングルボマーも間髪入れずに次から次へと突撃させて、誰も近くに近寄れない。
彼女が得意とする|パワープレイ《・・・・・》に持ち込ませなければどうだ?
「銃と爆発の、撮影会はこれからだ!」
二本の腕が自前なら、それ以外は聖遺物。
海人は、あえてそちらに目を向けて、独立して動いてるのか――それとも彼女が直接動かしてるのかは分からないけど、"凶暴化"を付与して、うまく連携攻撃できなくしておく。
『撮影会ってそんな…っ?』
腕の動きがスムーズではない。凶暴化した腕は、ポメラニアンの意思と関係なく動き出し、彼女が腕に売り回され始める。
『ど、どうして……なにがどうなって!?』
驚いた彼女には、それでも正常に動く自前の腕がある。海人に向けて、鈍器として銃を使って爆発の中を切り抜けて狙い定めて襲いかかってきた。
「自分の力はフルで信用しないとな!」
イチGUN――エネルギー弾を発射する拳銃で、正面から牽制射撃を打ち込みまくる。
距離は零。決して無傷では済まないだろ?
「それに。銃は撃つ為に基本は使わないとな!」
『ああ。その……皆様、"ポメラニアン"を本名のようにお呼びくださいますが、……勿論偽名ですよ?』
「ポメせ――聖ポメラニアンが偽名!?」
チェスター・ストックウェル(幽明・h07379)は流石に驚いた。
だってそうじゃないか、そんな可愛い名称が、本名だったら可愛いじゃん、とか少なからずおもっていたのだから。キラキラネームとか、色々ありますからね。
「しかも教皇より偉いとかマジ?」
『そうですね、立場上私のほうが"偉い"です』
しかも穏やかに応じてくる。会話に敵対する感じがないのがより一層やりにくさを感じた。
――俺も……全然信心深い方じゃないけど。
――聖遺物と聖遺体の集合体が相手だって聞くとこう……。
普通にやりにくい、という印象が勝つ。
破壊したらその道の宗派の人を敵に回しそうとか。立場的に、問題が国際レベルで生まれそうだとか。
『どうかしました?』
「別にビビってなんか!」
『結果はどうあれ、私は"聖人蘇生庁"が蘇生させた神品復活者なのですから、私が復活を望んだかどうかは別の話かもしれませんよ』
チェスターは言われた意味を考える。彼女は復活を望んでいたわけじゃない可能性?
聖遺物や聖遺体の集合体なら、自由な意思はあまり持てる立場でもないかもしれない。神の言葉を聞き、行動するのなら――彼女を縛るのは"彼女が属する場所"そのものだろう。
「なるほど?本人が語ってれば納得はあるけども!」
――聖遺物を冒涜した敵が相手だと思えば、遠慮なくいけそうな気がしてきたよ。
場所が場所だけに、相手にそのまま冒涜的だ、と言う心だけは持てないチェスターであった。
チェスターの後ろでは、ポメラニアンさえ視認できない死霊たちが、わいわいと騒いでいるが。冒涜的だ!とチェスターの代わりに騒いでいる。
『納得できたところで、貴方の目的は他の皆様とも同じなのでしょう?』
「そうなるね」
"|お騒がせ幽霊《フーリガン》"たちにも背中を押され、ポメラニアンには言葉の端々からどうぞ、といわれては動き出さない理由もない。|自動拳銃《P232SL》を素早く構え、霊気の弾丸をこれでもか、と打ち込んでいく。
ゆらり。別の方向から長い影を引き連れて、訪れた男の顔色は全く伺えない。
ゆらり、ゆらり。近づく男は傍に至るまでなにも言わない。
「―――――――そちら、高位の聖人とお見受けする」
|橋本《はしもと》・|凌充郎《りょうじゅうろう》(鏖殺連合代表・h00303)は、まず、間違いないか、と|分かっている《・・・・・・》問を置く。
『そう、ですね。そういう立場の者です』
「現世にこうして再び足を運んでいただいた以上、こちらも歓待すべきではあるが…生憎、俺は信心深くも、悔い改める事もなくてな。救いとやらを、求めているわけでもない」
凌充郎の人生に、シスターに向かって告げるべき言葉はないのだ。
「――――――死の境界線こそ、人々に預けられた最期の静寂、安らぎの終着点だ。その境界線を、その騙り名の様に可愛らしい犬が尻尾を振るような体で易々と踏み越えるものではない」
ポメラニアンだというのなら、相応の行動をするが良い。
しないのならば、死者と同じく目して黙り続けるが良い。
『蘇生に想うところがあるのですね?』
ポメラニアンは顔色を変えることなく、凌充郎へと語る。
その言葉の意味は、何処へ向かうのか、と。
「――――――聖人と称されるに至った貴様が、その事を理解していないはずは無かろうに。白を切るのは何故なのか。生者のみが死者の結末を決める権利があり、死者に生者の歩く道を塞ぐ義務はないのだと」
『たしかに。私は蘇生したとは言え死者ではあります。でも祈るのは、意志ある者の自由ですよ』
『否。貴様の行動には、物理で語る"否定を持つ"――――――故に。貴様を死の向こう側へ叩き返す。悪く思えよ、聖者殿』
我々は、此処で追い返すだけで済む以上の事をする。
成し遂げられずとも、深手を追わせよう。
「――――――鏖殺連合代表、橋本凌充郎。これより、正しき死の執行を開始する」
死者ならば殺す。貴様が死者であると認めるなら殺す。
四人が重ねる銃撃は、ポメラニアンの得意分野をあえなく潰していた。|死喰らいの等活《ビーステッド・カッティングエッジ》――凌充郎の行う|死喰らいの大叫喚《ビーステッド・ヘルエグゼクト》が齎す鏖殺本能が、これを行うべしと謳うのだ。暴れる腕を討ち取れと。此処にて必要なのは意思を押し通すべき器用さだ。貫通力に等しい殺気は一撃一撃に込めるべし。
根絶する全てに、腕も貴様も全てを含む。腐りしを砕き、歩むべき場所は。
余分な腕だ。制圧するように跳ね、そして削ぐ。
『――っ!!』
吹っ飛ぶ腕に、|聖十字断罪《クルクス・エト・セクーリス》が反応し、新たな"聖人"の腕が1本生える。これもまた、海人の能力余波で凶暴に狂いだし、近距離攻撃に挑み迫ればフォーの狙撃の格好の餌食と成る。
「撥ねた腕も、そも貴様のものだろう。そろそろ感じるはずだ」
内部に染み渡る、切断された断面から生まれる麻痺に溺れる自分に。
生えた聖人の腕が狂い、自分の力で制御できないバランスに。
「それでも――悔い改めるべきではないと?死は救済だ」
むしろ、死者ならば救われる為に没せよ。凌充郎のバケツに隠れた瞳がギラリと光って、腕はさらに落ちる。落ちては増え、そして麻痺にポメラニアンは溺れていく。
『…み、皆様は、誰もが救いも懺悔も求めてはいない。……素晴らしい生をまたは、今を送っているのですね。今、私は此処で少し悔いが生まれたところですが』
救いを求めないのは、良いことです、と感想を言う。ただの感想だ、裏表もない。
『ですが……それはそれとして、ならばこそ私をこの場から排除したいのでしょう?』
言わずとも分かります。そちらの憂いは現時点では自分である、と。だからこそ、誰が動いた場合でもポメラニアンは小さく腕を中心とした身体強化を始める。
剛腕として怪力を振るうために、武器の重さを教え語るために。
「ふん。悔い改めるのはやはり、シスター、君の方さ」
『……聞きましょう。話の先をどうぞ』
「君は実体がある。蘇生という実態があるよね、俺たちは蘇生した君とは違って実体を持ち合わせていない。けど、だからこそできることも多いんだよね」
当たらない、痛みがない。それは別の話である場合があるが。
肉体があれば痛みを伴う。それは蘇生しても痛覚があるなら"人間"なのだから、等しい痛みだ。
そうだろう、シスター!
隙だらけの胴体へ、誰かの弾丸が刺さり――ポメラニアンに集中してそれぞれ別々の弾丸が突き立つ。
この場に居た誰もが狙撃を行った。だから誰か一人の弾丸でないことは明らかだ。
『ああ、……これでは』
祈りを捧げている場合では、ないですね。
聖ポメラニアンは体中を紅く染めて倒れ伏した。流れる赤は罪の証。
シスターが残す――ただどこまでも、罪深きものであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功
