シナリオ

⚡️オーラム逆侵攻~Counter Porter

#√ウォーゾーン #オーラム逆侵攻 #作戦5:カテドラル・グロンバイン破壊

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√ウォーゾーン
 #オーラム逆侵攻
 #作戦5:カテドラル・グロンバイン破壊

※あなたはタグを編集できません。

⚡️大規模シナリオ『オーラム逆侵攻』

これは大規模シナリオです。1章では、ページ右上の 一言雑談で作戦を相談しよう!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

「皆さんもご存知の通り、√ウォーゾーンから戦闘機械群の大軍が攻めてこようとしてます」
 星詠みの√能力者、ヴァイセノイエ・メーベルナッハ(夢見る翼・h00069)――通称ノイは集まった√能力者達に緊張の面持ちで告げる。
 多くの√能力者達が見たであろう予兆。其は√ウォーゾーンの戦闘機械群の一派閥『レリギオス・オーラム』の指揮官の一人『統率官『ゼーロット』』が、√EDENへの大規模侵攻を企んでいる、というもの。
 奴らの目的は王劍『アンサラー』の探索。だが奴らも正確な所在は把握していないため、探索の手段は完全な虱潰しとなる。其を許せば、探索の過程で生ずる被害は計り知れないものとなろう。
「幸い、戦闘機械群に潜入してる二重スパイの皆さんが侵攻計画を遅らせる工作をしてくれてますので、まだ侵攻開始まで余裕はあります」
 其は敢えて裏切り者の汚名を被って戦闘機械群の勢力へと潜入し、彼らに恭順する振りをしてスパイ活動を行っている者達の功績。とはいえ無論、その遅延にも限界はあるだろう。故に。
「ですので、今のうちに此方から攻撃を仕掛けて、敵の軍備を破壊しちゃいましょう!」
 即ち先制攻撃。以て敵の作戦を頓挫させてしまえば、√EDENに生ずる被害も抑え得よう。
「今回は複数の星詠みさん達の予知を基に、沢山の√能力者さん達が参加する、凄く大規模な戦いになります。やることも沢山ですけど、各々で手分けして出来る限りの戦果を挙げられるよう、頑張りましょうね!」
 ぐっと拳を握るノイ。此処に『オーラム逆侵攻』作戦が開始されることとなったのである。

「向かって頂くのは、√ウォーゾーンの神奈川県川崎市の臨海地域になります。この区域は『レリギオス・オーラム』の支配地域になってまして、今回の侵攻作戦のための戦力が集結しているんです」
 基本的な地形は√EDENの同地域と同様だが、既に戦闘機械都市として改造されているため、踏み入った生命体に対しては自動攻撃を仕掛けてくる。まずはこれを突破せねばならない。
「ボクから提示させて貰うルートは、横浜市神奈川区から国道一号線沿いの地域を進んでいくルートになります。√能力が使えるような戦闘機械は出ませんが、戦闘機械都市の攻撃が激しいので、うまく躱しながら市内へ突入して頂ければと」
 ひっきりなしに砲弾やミサイルが飛んでくる上、ほぼ無尽蔵にドローンの大群が襲い掛かってくるという過酷な領域だ。これらへの対処は必須となるだろう。

 無事に川崎市内へ突入した後の方針については、大きく分けて五つの選択肢がある。
「五つの作戦案のうち、皆さんで相談してどれかひとつを選んで欲しいんです。どの作戦も、うまくいけば大きな戦果が期待できますので!」
 詳細は作戦概要を確認して頂くとして、選択肢の概要は以下だ。

 一、羽田空港に構えられた|天蓋大聖堂《カテドラル》に座する『統率官『ゼーロット』』の撃破。
 一、川崎市中心部に集結している『レリギオス・オーラム』の戦闘機械群の撃破。
 一、√EDENに通じる経路の在る『大黒ジャンクション』を破壊、敵の侵攻経路の封鎖。
 一、扇島の地下に設けられた『扇島地下監獄』を襲撃、囚われている√能力者達の解放。
 一、三ッ池公園にある|天蓋大聖堂《カテドラル》『カテドラル・グロンバイン』の破壊。

 以上となる。必要な情報は行動が定まり次第、追って届けるとのことである。
 尚、カテドラル・グロンバインは未知の簒奪者である『合体ロボット『グロンバイン』』の拠点とされている。グロンバインは現時点で不在とのことだが、かの|天蓋大聖堂《カテドラル》が重点的に破壊されたとなれば、何らかの行動を起こす可能性はあるだろう。

「ボクからはこんな処ですね。色々と大変な戦いにはなりますが、それだけにうまくいけば得られるものは大きいはずです!」
 説明を終えたノイは道を示す。√ウォーゾーンへと続く経路の在る道を。覚悟ができたならば、この道へ飛び込んで征けとばかりに。
「それでは皆さん、どうかお気をつけて……!」

マスターより

五条新一郎
 やられる前に。
 五条です。

 さて始まりました初の大規模戦シナリオ!
 √EDENへの大規模侵攻を目論む戦闘機械群へ先んじて打撃を与え、その目論見を挫いてやりましょう!

●このシナリオについて
 このシナリオは「大規模シナリオ」となります。
 一言雑談で相談の上にて、第2章以降の作戦目的を決めてくださいませ。

●目的
 皆様の相談により、第二章移行時に以下から決定されます。
「『統率官『ゼーロット』』の撃破」
「オーラム派機械群の殲滅」
「『大黒ジャンクション』の破壊」
「『扇島地下監獄』に囚われている√能力者の解放」
「『カテドラル・グロンバイン』の破壊」

●戦場
 √ウォーゾーン、神奈川県川崎市の川崎臨海部周辺。
 地形自体は√EDENの同都市と同一ですが、戦闘機械都市に改造されており生命への自動攻撃機能を有しています。
 章侵攻と選択肢に応じた戦場を転戦していきます。

●第一章
 戦闘機械都市の自動攻撃を掻い潜り目的地を目指す「冒険」です。
 砲撃やミサイル、ドローン群の攻撃などが襲い掛かってきます。

●第二章以降
 決定した作戦目的に準拠します。

●プレイングについて
 第一章はOP公開直後から、第二章以降は断章投稿以降からプレイングを受け付けます。
 募集状況はタグにてご案内予定。

 それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
59

閉じる

マスターより・プレイング・フラグメントの詳細・成功度を閉じて「読み物モード」にします。
よろしいですか?

第1章 冒険 『砲弾の嵐を駆け抜けろ!』


POW 装甲を頼りに最短距離を駆け抜ける!
SPD 機動性を活かして巧みに攻撃を躱す!
WIZ 光学迷彩やジャミングによって撹乱する!
√ウォーゾーン 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

天・叢雲
王劍、王劍、また王劍。今って幾つくらい確認されてるんでしたっけ?
何にせよ、仕掛けて来るというなら歓迎してあげましょう。僕たちなりのやり方でね。

🔵
まず川崎への到達を目指しましょう。
しかし迎撃の雨嵐、なまじ躱そうとしても、回避した先で別の砲弾を受ければ元も子も無い。

なら多少の痛手は覚悟で突き進みましょう。

霊剣術、【八岐剣】
雲で頭上を覆って煙幕代わりに、蛇行機動で突っ切ります。
霊的防護で被弾から身を守りつつ、ドローンは接近するなら居合で、遠間には影業の七つ首に捕食させ対処。

近くに仲間がいれば、影業を盾代わりにさせるか、目立つよう動いて狙いを分散させ援護。
今回は特に、僕だけ突入しても無意味ですしね。
水垣・シズク
【作戦5】
ついに待ちに待った反撃の機会です。
二重スパイの方々程じゃないですが、私だってこの日の為に色々準備してきたんですから、絶対に良い結果を掴んでやりましょう!

まずは機械都市の突破ですが、無人って事ですよね。
いやー、ただ吹き飛ばせば良いというのは素晴らしいですね。
出し惜しみは無しです。機怪操術『ORCA』を発動、機銃掃射でドローンを撃ち落としつつ、主砲で防壁やら砲台やらを纏めて吹き飛ばしていきましょう。
結構サイズがありますから弾避けやヘイトタンクにもなるでしょうし、一石二鳥ですね。
ダメージが大きくなってきたらそのまま突っ込ませちゃいましょう。替えが効くのが強みなんでね。
アリエル・スチュアート
【作戦5】
やられる前にやる、後手に回るよりはシンプルで好きよ。
生まれた√は違えど、私もジェネラルレギオン、ドローンの扱いなら負ける気はないわ。
『これは脳筋公爵。ですが、私も同じ気持ちです。』

妖精達の行軍で呼び出したフェアリーズと共に、空母も一緒にエネルギーバリアを張りながら援護射撃で進ませるわ。
フェアリーズは10体ほどをドローン操縦を活かしながら情報収集をさせるわ。
残りは向かってくるミサイルやドローンの迎撃を中心に行う。
砲撃に関しては空母のエネルギーバリアで、私自身に及んだ分はオーラ防御で防ぐわ。
フェアリーズが討ちもらした分は高速詠唱、魔力溜めの全力魔法でミサイルに合わせて連携攻撃を行うわ。

 √ウォーゾーン、横浜市神奈川区。国道1号線から川崎市の方を見遣れば、機械仕掛けの巨大なドームが見える。あれが戦闘機械都市と化した川崎市か。
「ついに待ちに待った反撃の機会ですね」
 其を見遣りながら、水垣・シズク(機々怪々を解く・h00589)は呟く声音に意気を滲ませる。√汎神解剖機関の出身でこそあるが、√ウォーゾーンの戦闘機械とも因縁深き身ゆえに。
(二重スパイの方々程じゃないですが、私だってこの日の為に色々準備してきたんですから)
 此度の作戦の決行機会を齎してくれた『裏切り者』達に内心で謝意を覚えつつも。このような大規模な反攻の機会をこそ、シズクは待っていたのだ。
「絶対に良い結果を刻んでやるとしましょう!」
「ええ。やられる前にやる、後手に回るよりはシンプルで好きよ」
 共に参加する√能力者達へと呼びかければ、返ってくるのは一様に同意の声。その一人、アリエル・スチュアート(片赤翼の若き女公爵・h00868)もまた高い戦意を言葉に示す。
「生まれた√は違えども、私もジェネラルレギオン。ドローンの扱いなら負ける気は無いわ」
 機械と魔法の融合した文明を有する未知の√出身のアリエル、ルーツは違えどドローンの統率者という立場は同じ。無数のドローンが敵として現れ得る戦場を前に自信の程を語る。
『これは脳筋公爵。ですが、私も同じ気持ちです』
 其処に聞こえる電子音声。アリエルの統率するドローン達のリーダー『ティターニア』は主の言動を辛辣に評しつつも、此度の戦いへ高い意気で臨む意志は同じく示す。
「然し――王劍、王劍、また王劍」
 一方、|天・叢雲《アメノ・ムラクモ》(咒滓・h00314)は此度の戦いのきっかけとなった代物へと想いを馳せる。此処2か月程で耳にする機会の増えたその単語。果たして世には何本の王劍があるというのか。とはいえ。
「何にせよ、仕掛けて来るというなら歓迎してあげましょう。僕たちなりのやり方でね」
 此度の戦いの遂行に紛いは無し。闘志を滲ませながら呼びかけるに、√能力者達は頷く。
「では――行きましょう!」
 駆け出す一行。作戦開始である。

 国道を東進すること数分。巨大なドーム状構造物を間近とした処で彼方に動き。ドームの外壁から現れる複数種の砲台。一帯に轟音を響かせながら、それらが一斉に砲撃を開始。砲弾が、ミサイルが、雨嵐の如く√能力者達を迎え討ちにかかる。
 この物量の前では回避行動に意味は薄い、と叢雲は判じる。回避した先に別の砲弾が降ってくる、なんて事態は容易に想像がつく。ならばどうするか。
「龍吟ずれば雲起こり、齎す甚雨は凡てを清め祓う――」
 √能力を励起、己が身に宿る大蛇の力を発動。伴い生み出されるは雲。叢雲自身の頭上を覆う其は多少なりとも狙いを鈍らせる煙幕となろうか。なれど無論、其のみに頼る訳ではなく。
「僕が先行します。お二人には制圧をお願いしたく」
「了解です、きっちり潰しつつ進んでいきましょう」
「承知したわ、叢雲くんも気をつけて」
 後続の二人と手短に作戦のやり取りをするや、叢雲は走り出す。その速度は平常の実に三倍。この速度での蛇行機動で狙いを定めさせぬうちに突っ切るが叢雲の策だ。
 駆ける動きは道路上を右へ左へ波打ち、時には跳躍も交えて撹乱してゆく。以て敵弾の狙いを逸らしつつ、ドームの中へと突入すれば。
『侵入者あり。ただちに排除せよ』
『侵入者あり。ただちに排除せよ』 
 無機質なアナウンスと共に湧き出る何十――軽く数百機は在るだろうドローンの大群。機銃やロケット砲の狙いを叢雲へと向けて――直後、地面から溢れ出た影に呑まれて数十機が消える。鬼灯色の瞳を宿した七首の影によって。
 残るドローンの攻撃を、霊的なる護りで以て軽微な傷に押し留めながら、叢雲は太刀の柄に手をかける。正面にはドローン数機が滞空し、叢雲目掛け肉薄攻撃を仕掛けんとばかり迫り来る。
「申し訳ありませんが――」
 跳躍。低空飛行に移行しているドローン群の上を取るや、太刀を抜き即座に横薙ぎ一閃。白刃の軌跡が、ドローンの只中を駆け抜けて。
「――斬り捨てる」
 着地と同時。それらドローン群が軌跡に沿って断ち斬られ、墜落、爆散していった。

 そうして叢雲が大立ち回りを演じる中。後詰めとなった二人もまた、攻勢に出ていた。
「さあ、出し惜しみは無しです! 行きなさい、ORCA!」
 シズクが指示を発するが早いか、彼女の頭上を飛び越えてゆく巨大な影が現れ出る。機械仕掛けのシャチとも見える其は『Great-Invasion『ORCA』』。シズクとは互いをAnkerと見做す宿敵の簒奪者、その残骸を怪異で以て再稼働可能としたもの。Anker故にこそ実現し得る荒業である。
 ORCAはシズクの指示に応え、全身に装着した機銃群が火を噴く。鉄の暴風に薙ぎ払われ、ドローン群が次々とスクラップと化さしめられてゆく。
「シズクさん、次は2時方向、その次は9時方向から来るわよ」
 その後をアリエルが追う。レギオン達を通して収集した周辺状況をシズクと共有しつつ、自らもレギオンを指揮して迫る脅威へと対処する。
「と、11時方向から砲撃。10秒後に着弾するわ」
「了解です、ORCAの下へ」
 砲撃が来ると見ればORCAを盾にして凌ぐ。シズク曰く「替えが効くのが強み」。元々残骸を怪異で操作している存在なので、使い潰しても一向に問題が無いのだ。
 今度の砲撃もORCAを盾として凌ぐと、直後にORCAの口が大きく開かれる。口中の主砲――インビジブル集束砲が火を噴けば、今し方の砲撃を繰り出した砲台へと其が叩き込まれ。これを爆散せしめる。
「と、正面からミサイル。こっちは私が対処するわ」
 砲撃がミサイルならばアリエルが動く。彼女の背後から追従するレギオン空母から20機ほどのレギオンが出撃、迫るミサイルへ魔力ミサイルを撃ち放つ。単発の威力は低いものの、纏めて叩き込めばミサイルならば余裕で破壊可能だ。
 着弾より早く破壊に至らしめられたミサイルは空中で爆散。余波もORCAの盾を凌げる程ではない。
「とはいえ、流石にそろそろ駄目ですかね」
 ORCAの損傷具合を確かめシズクは思案する。如何に強大な戦闘力と耐久力を持つ簒奪者の残骸とはいえ、限界は間違いなくある。もう数度砲撃を受ければ爆散しかねない、とシズクは分析した。
「後は盛大に使い切るだけです――突撃!」
 故に突っ込ませる先は、機銃と大型ドローン群で護られし防壁。これを突破できれば敵の迎撃行動も抑制できる筈。
 その意志のもと、シズクはORCAに突撃を指示。迎え撃つ小型ドローン群は、アリエルが繰り出したレギオン達が次々撃ち落とす。以て前方の脅威が退けられた処に、ORCAが突撃をかけ――

 直後。大地ごと震わすかの如き震動が、川崎市西部に響き渡った。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​ 成功

ティファレト・エルミタージュ
新しく作った√能力を使うか
瞬間『指定した対象同士に座標の相関性を刻む結界』が展開
半径26メートル内の自分含む全員の『指定した対象同士の座標の相関性による影響』に対する抵抗力を10分の1にする
これがどうなるか、というとな…『我』と『戦闘機械都市の砲弾』という指定した対象同士の座標間の距離を固定…半径26メートル内に入った戦闘機械都市の砲弾は『座標が固定され、我に届かない』結果が生じる
座標を固定し、届かない…だが、あくまで固定されるのは『我』と『戦闘機械都市の砲弾』という『指定した対象同士の座標間における相関性の影響』のみ
我自体は動ける…さしずめ、我を中心として座標を固定する結界が展開される、か
ボーギー・ウェイトリー
・POW

・…ウォーゾーンですかー…悪い子相手ならばなんとかなりますがー…機械相手となると、僕はちょっと、難しいかもしれませんねー…なんてったって、機械にはお呪い、効きにくいでしょうからー…。

・…そうなるとー…やはり物理ー…物理しかありませんかー…悪い子に恐怖を刻めないのならばー…物理でしか解決できませんねー…。

・とはいえ、まずはこの状況を切り抜けないと始まりませんね。【7】を使い、物陰に隠れながらひたすらに相手の眼を欺いて走り抜けましょう。

・目で見えないと、わからない。気配はしない、わからない。探しても見つからず、気が付いたらそこにいる。

・神出鬼没、ご覧あれー…。

・アドリブと絡みを歓迎

 先行した√能力者達を迎撃せんと、猛然と砲火を繰り出す戦闘機械都市。その様子を射程の外から見遣り、唸る少年が一人。ボーギー・ウェイトリー(少年少女妄想・h04521)、ブギーマンの少年である。
「……ウォーゾーン、ですかー……」
「不安か?」
 漏らしたその声音。其を耳にして、並び立つ|ティファレト・エルミタージュ《Tiphereth・Hermitage》(|真世界《リリー》の為に・h01214)が気遣うように声をかける。この大規模な戦いを前に不安を覚えているのだろうか、と判じた様子。
「いえー……僕の力だとー……機械相手は、ちょっと難しいかもしれませんねー……と……」
 辿々しくも応えるボーギー。彼の力は所謂お呪い。機械が相手では十全な力を発揮できない可能性が高い。彼曰く「悪い子相手ならなんとかなりますがー……」とのことだが。
「やはり物理ー……物理しかないでしょうかー……」
「そうだな、恐怖なき機械共が相手ならば物理的な攻撃しかないだろう」
 唸るボーギーにティファレトも彼の案を肯定する。恐怖を刻めぬならば解決手段は物理をおいて他に無し。
「とはいえー……まずは、この状況を切り抜けないと始まりませんねー……」
「ああ、行くとしよう」
 それでも、此度の戦いにおける意気は確かにある。都市の内部を見据えながらボーギーの続けるに、ティファレトもまた頷き。
「美しき世界へ――」
 歩き出すと共に、ティファレトの唇は詠唱を紡ぐ。見上げれば、降り落ちて来る無数の砲弾。其はティファレトを爆散せしめんとばかり殺到し――
「――よって遍く空は我が掌の中に在る」
 詠唱が結ばれると同時、その全てが一気に減速する。まるでスローモーションがかかったかの如く、砲弾の速度は緩やかなままにティファレトを目掛けて飛び続ける。
「おおー……これはー……?」
 一体如何なる原理でこの効果を成したのか。瞳を瞬かせるボーギー。
「我と砲弾群の間の座標の相関性を刻む結界を張った。相互の座標の相関性による影響に対し、抵抗力を奪う為にな」
「ほほー……?」
 ティファレトは振り向き説明するも、ボーギーは今ひとつ理解できていない模様。なかなかに難解ゆえ致し方なし。
「簡単に言えば、砲弾は結界に入った時点で座標が固定され、我の元まで届かなくなる、ということだ」
 故に具体的な影響を語る。ティファレトの周囲には今、彼女が指定した対象同士に座標の相関性を刻む結界が展開されている。指定された対象同士の座標の相関性による影響への抵抗力が減るということは即ち、相互の位置関係を保とうとする力が働くということだ。その力に抵抗できるだけの力が無くば、位置関係は不変――動けなくなる。実際はゆっくりながら動いているのは、僅かながら抵抗力が残っているということだろう。
「因みに我自身は問題なく動ける。あくまで固定されるのは『指定した対象同士の座標間における相関性の影響』だけだからな」
 ゆっくりと降下する砲弾の下をボーギーと共に潜りながら、ティファレトは語る。謂わばこれは、己を中心として座標を固定する結界が展開されているようなもの、と。
「なるほどー……」
 それが分かれば充分だ。頷くボーギーは、ティファレトとは違う経路へ足を向ける。
「行くのか?」
「どうやらー……お互いの能力の都合、別々に動いた方が良さそうですのでー……」
 其を見たティファレトが問うにボーギーが応えれば、ティファレトも「そうか」と納得したように頷き。
「気をつけろよ。敵は如何なる手段で我々を捕捉しているか分からん故な」
「大丈夫ですよー……僕は|神出鬼没の怪物《ブギーマン》ですからー……」
 そう言って、ボーギーは倒壊した建物の密集している領域へと向かってゆく。あちらから目的地へ向かおうというのだろう。
「……我は我の道を征くべし、だな」
 どうやら、それが彼の助けとなりそうだ。頷き、ティファレトは再び上空を向く。降り注ぐ砲弾は、悉く勢いを失って彼女のもとまで届かない。

 ボーギーは建物の残骸の間を駆け抜ける。その姿は、廃墟で遊ぶごく普通の少年――何も知らぬ子供のようにしか見えない。そして、見ていないならそもそも知覚することすら叶わない。
 目で見えないと、わからない。気配はしない、わからない。機械の知覚手段であるセンサーもカメラも、その怪物を捉えることは叶わない。悪い子を探すブギーマンの挙動は、機械には理解できない。
 倒壊したビルを越えたところで、ドローンの群れが飛んでいるのが見えた。だがドローン達もまた、ボーギーを素通りしてゆく。ドローンの視覚もアイカメラなれば、彼を視認することはできない。
(大丈夫そうですね)
 加え、砲弾もミサイルも彼のもとへは飛んでこない。この都市のレーダーもセンサーも、この怪物の存在を捉えられずにいるのだ。この能力に関して言えば、彼は機械を存分に翻弄していると言えそうだ。
 ならば、とボーギーは更に先へ進む。未だ、彼を捉え得る戦闘機械は現れない。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

オルハート・ブルーゲイザー
先制攻撃で侵攻を阻止、ですね
攻撃は最大の防御、という事でしょうか…

ともあれ、まずは|ここ《攻撃》を突破しないと、ですね

【闇に紛れる】事で身を潜めながら【ダッシュ】を織り交ぜて移動
ドローンへの【ジャミング】も行い、探知をできるだけ遅延していきます

それでも攻撃が来る場合は「視ノ力:魔創幻眼」を展開し、反射して凌いでから再び進みます
伊和・依緒
逆侵攻はいいね!
守ってばっかりって言うのは性に合わないから大賛成!

あ、オルハートさんだ。せっかくだからバディ組もうよ!

って、うわ……これはまた、いきなり派手だねー。
どっかの弾幕シューティングみたいになってない?

なんか車とかあるみたいだし、ちょっと小細工。
まずは車を突っ込ませてドローンの注意を引いてみようかな。

そして【空歪捻】で【迷彩】かけつつ、
移動するときは【一隻眼】を使って相手の隙をつきながら、
オルハートさんと2人で物陰から物陰へ【ダッシュ】&【忍び足】で移動。
身を隠しながら進んでいくよ。

もし見つかっちゃったら
防御スキル全開にして、オルハートさんを庇いつつ走り抜けるね!

「先制攻撃で侵攻を阻止、ですね」
「うんうん、逆侵攻には大賛成だよね!」
 此度の作戦目的を改めて口に出し、オルハート・ブルーゲイザー(Book Of BlueGAZER・h00341)が確認じみて呟くに続き、|伊和・依緒《いなぎ・いお》(その身に神を封ずる者・h00215)は意気高く応える。守ってばかりは性に合わぬという依緒、攻撃は最大の防御と言わんばかりの此度の作戦への意気は高い。
 そんな二人は此度、即席のバディを組んで任務に臨んでいる。元々互いをAnkerとする程に深く関わりを持つ彼女達だが、此度の作戦へ共に参加したのは偶然、故に即席。
 とはいえ、その距離感は短くない時を共に過ごした者達ならではのもの。互いの信頼は確かなものだ。

 然し。
「って、うわ……これはまた、いきなり派手だねー」
 先行した√能力者達を退けんとばかりに砲撃を繰り返す戦闘機械都市、雨霰と降り注ぐ砲弾やミサイルの勢いに依緒は舌を巻く。まるで何処かの弾幕シューティングゲームのようだ、と脳裏にその鬼弾幕を思い浮かべる。
「ともあれ、まずは|ここ《攻撃》を突破しないと、ですね」
 なれどもオルハートの言う通り。如何な目標を目指すにせよ、此処を突破せねば話は始まらぬ。依緒も頷きつつ。
「だね、けれどもまずはー……」
 無策で飛び込むは自殺行為、先ずは敵の目を惹き付けるものが必要だ。辺りを見回せば、早速それは見つかった。
「よし、これを借りようか」
 それは一台の乗用車。これ自体は戦闘機械というわけではない、√EDENでもよく見るタイプの乗用車だ。軽く細工を施せば、其はゆっくりと道路を走り始める。真っ直ぐに。カーブ等を曲がることはできないが、目的を考えればそれだけでも充分だ。
「――出てきました、ドローンです」
 オルハートの見守る先、地上を歩む蜘蛛型ドローンや空を飛ぶ蜂型ドローンといった無数のドローン群が何処からともなく現れ、乗用車を包囲し始めた。攻撃開始まではもう数秒も無かろう。
「よっし、じゃああっちから行こう!」
 動くならドローン群が乗用車に気を取られている今のうちだ。依緒の呼び掛けるに応え、二人は廃墟と化した建物の並ぶ区画へ。その直後、ドローン群の攻撃を浴びた乗用車が爆発し燃え落ちていった。

 建物の陰から建物の陰へ。二人は隠密裏の行動によって戦闘機械都市内部を進んでゆく。建物群の間にも無数のドローンが動き回り、侵入者が無いか目を光らせているが。未だ二人とも発見には至っていない。
 依緒が空間を歪めることでの空間迷彩をかけて視認を避け、オルハートが周辺空間へジャミングをかけることでセンサー類を撹乱。両者の知覚遮断の技を組み合わせることで、その監視網を掻い潜ってきているのだ。
「――っと、また大きい道だ」
「ドローンもいっぱいいますね」
 進んでゆくのは昼間でもなお薄暗い裏路地。無論ドローンが少ないが故の選択だが、時には複数のドローンが行き交う大きな道を横切らねばならぬ場合もある。そういう時は。
「大丈夫、しっかり見れば解る……ってね」
 依緒が右目へと気を集中することで√能力を励起。以て路地の影からドローン群へと視線を巡らせれば、その動きの隙が可視化される。そうして全てのドローンに隙が生ずる瞬間を待ち受け――
「――今だよ! ダッシュ!」
「は、はい……!」
 依緒の呼びかけ駆け出すに続いてオルハートも走る。それでも足音は可能な限り殺し、音での探知を避けんとする。
 そうして、予め目をつけていた次の進攻経路たる路地へと到達する――が。
「……! 見つかった!?」
 振り向けば、一機のドローンが二人の背後についてきていた。既に攻撃態勢に入り、二人へ攻撃を仕掛けんという処。
「やらせはしないよ!」
 依緒はオルハートの盾となるかのように位置を取りドローンを見据える。攻撃が来ても守ってみせる――そんな意志を見せる。
 そしてドローンがロケット砲での攻撃を仕掛け――直後に爆散した。ドローンの砲塔から依緒達の間に、眼を模した紋章が浮かんでいる。これは確か――
「第一章・第三項。魔創幻眼」
 オルハートが冷静に告げる。其は多様な効果を有する視ノ力の具現化。そのひとつが、受けた攻撃の反射だ。ドローンのロケット砲攻撃に合わせて砲塔前に魔創幻眼をせしめ、以て攻撃反射を実現した形だ。
「ナイスだよオルハートさん! よし、今のうちに行こう!」
 その技の冴えへの賞賛もそこそこに、移動を促す依緒。今のドローンが攻撃開始前に増援を呼んでいた可能性もある。この場は危険だ。
 そうして路地の中へと走り去ってゆく二人。目的地まではまだ遠い、力を合わせて共に進んでいこうと改めて確認し合う二人であったとか。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

和紋・蜚廉
サン・アスペラと(h07235)参加
【作戦5】
ああ。汝がそう言うなら、我が応えぬ道理もあるまい。
陽翼が空を裂く。熱を帯びた声が空に響く。、
勢いに気圧されそうになるが年の功、というものだな。
空を任せられるのなら、我は地を預かる。

穢塵余灯を発動。研ぎ澄ました技能一斉に活性化し、敵の迎撃網へ
野生の勘、目立たない、迷彩で敵陣を掻い潜り、
必要とあらば翳嗅盤で熱源を読み、砲撃を誘導する。

無人砲台や迎撃装置には狙いをつけられぬよう、蟲煙袋で視界を奪い、攪乱する。

「熱さで灯す火は、導線があってこそ力になる」
陽翼が通るための導線を作ることが、我の役目。
突入後は突破戦へ移行。
汝の熱を、我が火床に変えてやろう。
サン・アスペラ
蜚廉の旦那(h07277)と共闘!
【作戦5】

『陽翼モード』を発動して太陽の翼を装備。
旦那は地上、私は空から。敵の狙いを分散させて市内への侵入を目指す!
「行くよ旦那! 空の敵は私が引き受ける!」

地を走る旦那が敵を引き付けて導線を確保してくれるので、私はその道を辿って前に進む。逆に空の敵は確実に私が迎撃。負担が偏らないよう頑張る!

飛来する砲弾とかは強化された回避力や反応速度、機動力で避ける!
邪魔なドローンどもは太陽の翼で燃やすか、直接ぶん殴ってスクラップにしていくよ!

「√EDENの平和は私達が護る!戦闘機械群の好きにはさせない!そうだよね、旦那!」
暑苦しい台詞は熱血度のせい……!

連携アドリブOK!

 戦闘機械都市の地を、一匹の蟲が走る。なれど其は儚く散るばかりの小虫に非ず。幾星霜を生き延びてきた剛き蟲。|和紋・蜚廉《わもん・はいれん》(現世の遺骸・h07277)、只管に生き残り続けてきた野良蜚廉。
(――左方に熱源)
 研ぎ澄まされた嗅覚が嗅ぎ取るは、単純な匂いに限らぬ。空間に残る種々の痕跡、距離を置いた先の熱源までをも嗅ぎ取り得る。生存の為の適応進化。
 疾走、肉薄。過酷な生存競争の中で鍛えられた直感は、更なる脅威の存在を察知する。塁壁。上部に自動砲台複数。形状からして機銃か。
 其は蜚廉――生命の存在を察知して銃身を蠢かす。なれど定まりかけた狙いは、巻き起こる土煙を前に迷走する。無論、蜚廉が起こしたものだ。熱を纏わせた土煙は熱源による探知を容易に許さぬ。
 其処へ響く轟音。砲撃だ。先の熱源であろう。疾走、速度を乗せて更に奥へ。先の熱源探知から随分と距離は詰めた、放たれる砲撃は酷く窮屈な放物線を描くことだろう。
 物影から物影へ。地を馳せる速度は実に迅速。迎撃の為の砲台も戦闘機械も、その速度と希薄な気配に右往左往するばかり。
 なれど、そんな蜚廉を殲滅せんと、続々と戦闘機械やドローンが集まってくる。さしもの蜚廉も、これ以上の進攻は厳しい――|今の処は《・・・・》。
(――導線は我が行跡に。追って来るが良い――)
 防衛網の偏り。生じた導線を辿る者へ、蜚廉は内心にて呼びかけて――

「空は私に任せときなよ、蜚廉の旦那!」
 応えるが如く声を張り、空を飛翔する太陽の翼。√能力にて生成せし陽翼を広げたサン・アスペラ(ぶらり殴り旅・h07235)だ。
 前を見れば、雲霞の如く群れ集うドローンの大群。地上の蜚廉を追い詰めんとしていたそれら戦力が、サンの存在を感知したことで浮上してきたものだ。
「数がいくらあったってねぇ!」
 数の差は圧倒的。なれど恐れは無い。この翼にはかの群勢を薙ぎ払えるだけの力があるのだから。
 尚も速度を上げて群勢目掛けて突入。ドローン群が一斉に銃口を向けてくるが、それらが放たれるよりサンの動くが速い。
「燃え落ちろぉぉぉッ!!」
 吼えると共に陽翼が輝きを増し、周囲へと熱き光を放射する。その熱量の前に、ドローン群は放った銃弾ごと燃え上がり、瞬く間に灰と化して散り落ちてゆく。
「!」
 直後にサンは見る。己目掛けて放射されてきた対空レーザーの光を。だが、陽翼齎す√能力はそれにも反応叶う程の反応速度をも齎している。
「当たるかぁッ!」
 身を捻り高度を落とし、或いは再度浮上して。幾筋も放たれてくる光条を巧みに躱しながら、都市の空を翔けてゆく。
「√EDENの平和は私達が守る!」
 浮上してきた、球状の戦闘ヘリめいた見目の戦闘機械を睨み据える。√能力こそ使えぬようだが、重厚な見目は先のドローンのように焼き捨てられる敵でないことを感じさせる。ならば。
「|戦闘機械群《あんたたち》の好きには、させないんだから!」
 一気に加速して肉薄、その勢いを乗せた拳を叩き込む。其をまともに受けた戦闘機械は拉げ砕けながら、空中を遠くまで吹き飛んでいった。
「――そうだよね、旦那!」
 地上にいるだろう蜚廉へと呼びかける。その声音は普段の彼女に比して随分と熱の籠ったものだが、それもまた√能力の作用であるらしいとか。

「――ああ。汝がそう言うなら、我が応えぬ道理もあるまい」
 地上の蜚廉もまた応える。彼女の熱を帯びた立ち回りと声音。その勢い、長き時を生きてきた蜚廉をして気圧されかける程のもの。とはいえ、其処は年の功。
 再び地を疾りだす。サンの攻撃に気を取られた者達の間を抜けて奥へ。未だ地上に在った戦闘機械やドローンが追って来るが。
(――此処だ)
 疾走する蜚廉の身からは土煙めいた煙幕が溢れ出す。追跡する戦闘機械群が其に呑まれ、標的を見失って立ち止まる。其処へ飛来するのは――蜚廉を狙っていた筈の砲撃。熱源を察して着弾予想時間に合わせ張った即席の罠だ。
 見上げれば、引き続きドローンや飛行型戦闘機械を相手に大立ち回りを続けるサンの姿。若く、熱い戦いぶり。なれど其は、導線があってこそ力になるもの。導線を敷くは己が役目と、蜚廉は改めて任じる。
 再度、目的地へ向けて疾走開始。上空の陽翼が放つ熱を、火床へと変えてみせる為に。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
√能力者の戦力……総体としての質と量を鑑みるに
ある程度の戦線拡大は利の方が大きいと見ます
目下未知の敵対戦力であるグロンバイン対処を優先する方針で。
ひとまずカテドラルを目指しますが
道中で何らかのアプローチを試みる味方が居れば積極的に援護

【翔刻】陽動と《情報収集》偵察を主目的に分身生成
敵の火力次第では《異形化》防御向上の調整も考慮しますが
使い捨ての効く召喚物に過ぎない利点を活かし
基本的には敵に与える損害を重視しましょう
念の為ある程度消耗すれば自爆させます

自身は《第六感》で不測の事態に備えつつ
装備[蝕竜外装]の装甲と
[断界絶覇]《オーラ防御+受け流し》で損傷を抑制
障害は《怪力》で捻じ伏せ進みましょう
八木橋・藍依
【作戦5:カテドラル・グロンバインの破壊】

予めマップを確認しておき、目的地までの経路を把握しておきます
√能力「新兵器登場!」を使用して
所持しているキャンピングカーを
光学迷彩とジャミングにより認識されづらく
更に耐久性を上昇させるように改良してもらいましょう
準備が済んだら√ウォーゾーンに移動します

移動には上記のキャンピングカーを使用します
戦闘を行う際はアサルトライフル・HK416を使用して攻撃
また千里眼カメラを使用して索敵を行い
敵の少ない道を行くことで素早く目的地まで向かうことを意識します
苦戦している味方が居た場合は手榴弾を使用したり
キャンピングカーに乗せて同行するなどして協力します
夜久・椛
ん、作戦は聞いてたけど、現場は想像以上だね。

「砲弾の雨に、ドローンか…ここは素早く駆け抜けたほうが良さそうだな」

ん、了解。オロチも手伝ってね。

まずは御伽を語って、風を纏うよ。
低空を飛行しつつ、スピードを上げて進むよ。

飛んでくる砲撃は【野生の勘】で見切って回避。
更にカゲロウを使った【幻影使い】で【残像】も生成して撹乱。
とにかく当たらないように駆け抜けよう。

追ってくるドローンは、オロチに風刃を放ってもらい、【念動力】で操って当てて落とすよ。
眼の前に立ちふさがるなら、烈風刃を投げてまとめて【なぎ払い】。
攻撃が避けきれないなら、風の【属性攻撃】を【オーラ防御】に合わせて受け流すよ。

 √EDENからの転移経路を抜けて、一台のキャンピングカーが疾走する。運転席にてハンドルを握るは|八木橋・藍依《やぎはし・あおい》(常在戦場カメラマン・h00541)、√能力者としての戦場を駆ける新聞記者にしてカメラマン。
 運転するキャンピングカーは本来レジャー目的の車両だが、彼女のAnkerでもある妹の改造により装甲車じみた耐久力を獲得、更にはジャミング機構も搭載している。此度の戦場に最適化した逸品だ。
「既に交戦が始まっているようですね……!」
 前方を見れば、迸る陽光じみた炎に咆哮する巨大な機械仕掛けの鯱。更には断続的に爆発が生じ、砲弾やミサイルの飛び交う様が見える。先行した√能力者達と戦闘機械都市の防衛機構が激しくぶつかり合っているのだ。
 一刻も早く己も最前線へ、そしてその先へ。逸る心を抑えながらハンドルを確と握り込み――並走するように飛翔する、幾つもの影が在ることに気付く。翼を広げ空を舞う複数の小型竜――それらと共に飛翔する少女が一人。
「ん、作戦は聞いてたけど、現場は想像以上だね」
 先の藍依の発言へ応えるかのように、風を纏って低空を飛翔する少女――|夜久・椛《やどめ・もみじ》(御伽の黒猫・h01049)が所感を述べる。その目は、藍依と同じく行く先で巻き起こる戦闘の様相を見据えている。
「多数の√能力者の……参戦する戦い……流石に大規模……ですね……」
 椛と共に飛翔する竜達、その一体に騎乗するディラン・ヴァルフリート(|義善者《エンプティ》・h00631)も辿々しい口調ながらに呟く。この戦域にも他の領域にも、此度の戦に参戦している√能力者は多数。それ故の規模というのもあろうが。
「とはいえ……ある程度の戦線拡大は……利の方が大きいと見ます……」
 如何に敵が多勢なれど、√能力者の戦力――総体としての質と量を鑑みれば、広く展開することで護りの手薄な領域は必ず発生し得る。其処を仲間に突破して貰えば良い。
「僕が先行します……お二人は……目的地への進攻を優先してください……」
 そして己は其に最適な√能力を有している。周囲に展開している竜――己の竜化分身を生成する能力だ。其を以て陽動と偵察を行うと二人に告げ、ディランと竜化分身達は速度を上げてゆく。
「ん、じゃあボク達は道を切り開いていこうか。オロチも手伝ってね」
『まあ良いだろう。行くぞ』
 椛は己の尾――鵺の半人半妖として有する蛇『オロチ』へと呼びかけつつ速度を上げてゆく。応えるオロチの声を藍依へと残して。
「お二人とも……! ……私も負けてられませんね!」
 ならばその道を突き抜けるが己の為すことか。頷くと共に藍依はステアリング中央のボタンを押下。バチバチと音を立てて車両の姿が消失――否、風景へ溶け込んでゆく。光学迷彩を起動したのだ。
 以て、三者其々の役割を以て戦闘機械都市へ突入してゆく√能力者達。最初に交戦を開始したのは、無論のことディランだ。
「左方に自動機銃多数……右方にミサイルランチャー……ロケット砲台も複数……」
 周囲を見渡し迎撃機構の存在を把握したディラン、引き連れる竜化分身群を其々へと向かわせてゆく。右方の竜達は迎撃機構の火力を考慮し鱗の強度を上げる調整を施した上にて。
『Sghaaaaaaaa!!』
 直後に始まる、銃砲撃音と咆哮の交錯。竜達は傷つきながらも、機銃や砲台へと肉薄して爪を振るい、或いは炎を吐き、これらを破壊してゆく。
「!」
 その間に、ビル屋上のミサイルランチャーが己を捕捉していたことに気付く。放たれたミサイルが、ディランとその乗騎たる竜とへ次々命中、彼らを爆炎に呑み込んで――
「――この程度なら……問題ありません……」
 なれどディランは空間を歪めて障壁を形成、其を以てミサイルを防ぎ止めていた。僅かに火傷はあるものの、負傷はその程度。形成せし概念障壁はミサイルにすらも耐えてみせる。
『Gyaooooooooo……!』
 その間にロケット砲台を破壊してきた竜達数体がランチャーへと接近。どの竜も、その身に幾つものロケットを受けてきたが故か損傷が大きい。未だ戦うことは可能なようではあるが。
「――自爆しなさい」
 だが此処は戦力の出し惜しみをしている場合ではない。ディランの命を受けた竜達はランチャーへ組み付くや否や、その身から光を迸らせ――直後、一斉に爆発。ミサイルランチャーをも粉々に爆散せしめてみせた。
「さて……次は……」
 この一帯の防衛機構は一通り破壊した。其を確かめたディランの前、前方の空中。雲――もとい、雲の如くに密集せしドローンの大群が飛翔し迫ってきた。成程、無尽蔵と紛う程というのも頷ける大群だ。
 竜達を突っ込ませ暴れさせて排除するか――そう思案したディランの傍らを、一陣の風が吹き抜けた。見れば、椛がドローン群目掛けて一直線に飛翔する姿。そのまま一気に肉薄――
「薙ぎ払うよ」
 ――する直前、身をくるりと一回転。その手から放たれた大きな手裏剣が、風を唸らせながらドローン群へと突っ込んで、これらを次々とズタズタに引き裂いてゆく。烈風の銘に相応しき、猛然たる刃だ。
「ん、大当たり……っとと」
 一撃で迎撃ドローン群は半ば壊滅状態。其を再び大手裏剣で薙ぎ倒しつつ、巻き込みきれなかったドローンはオロチが小型の風手裏剣を器用に口で投げて仕留める。
「助かります……っと、砲撃です」
 ドローン相手に派手な暴れぶりを見せる椛へ、ディランは謝意を示しながらも警告する。砲撃が迫って来るとの情報が地上より聞こえたという。
「ん、来る……っと、わ、とと……!」
「重い……ですが……まだまだ耐えられます……」
 野生の直感で砲弾の飛来軌道を見切り、椛は砲弾を次々躱す。ディランは再び概念障壁にて防ぎ受け流す。
「ボクはドローンを撃ち落としていこう。ディランさんは防衛機構をお願い……」
 幾つもの幻影を生み出し混乱を図りながら椛が呼びかけるに、ディランも頷き。
「了解しました……はっ!」
 応答の直後、下方に大型のレーザー砲台を発見。椛を撃ち抜かんと狙いを定めながら、エネルギーをチャージしているのが認められる。
 そうはいかぬと竜より飛び降りたディラン、太くも鋭い竜爪を備えた手を振り下ろし――重力加速に己の膂力も上乗せした一撃で、砲台を両断、爆砕せしめたのである。

 そんな戦いの様子を地上で見守るは、装甲キャンピングカーに乗る藍依。展開したカメラ――ドローン群で以て索敵を補助し、アサルトライフルで援護射撃を行ったりしてきたが、此処まで敵の動きが空中の二人中心となっているならば。
「今のうちです!」
 藍依はアクセルを思いきり踏み込み、爆走開始。ディランと椛の立ち回り、更にはドローンで敵の少ないルートを確かめた上で走ることで、地上の敵は驚く程に少ない。僅かに在る歩行型ドローンも、光学迷彩とジャミングで光学的・電子的いずれの手段でも捕捉叶わぬキャンピングカーを発見することはできず。藍依は何事もなく走り抜けてゆく。
「あれが……!」
 見上げた向こうに目的地たる建造物が見える。あそこに待ち受けるものは、果たして何か――?
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​ 成功

レミィ・カーニェーフェン
巨大なロボット工場……あそこを破壊できれば、戦闘機械群全体に打撃を与えることができるんですよね。
今回の侵攻を止める助けになりそうですし、それに今後のためにもなりそうですから、出来ることなら壊したいところです。
難しい目標ですが、達成できるよう全力で挑みましょう!

戦力が集中した地域……普通に通ればただでは済まなさそうです。
ここは【隠忍静歩】と[迷彩]を使って隠れながら移動しましょう! 肉眼以外の探知は【隠忍静歩】で防げますし、肉眼に対しても[迷彩]が有効に働くと思います!
もし私の位置がバレちゃいそうになった時は【雷鳴の魔弾】と[跳弾]を使って、まったく別の方向から銃弾が飛んできたように見せかけて誤魔化せないか試します! [弾道計算]も駆使して人がいてもおかしくない方向から撃たれたように思わせれば、一時的にでも注意を引くことができるはず……!
そんな感じで、バレないようこっそり進んでいきますよ!

【アドリブ・協力歓迎】
オリヴィア・ローゼンタール
【作戦5:カテドラル・グロンバインの破壊】の方針で頑張りましょう!
合体ロボ! どんな感じなんでしょうね~?
やっぱり大型車や電車、飛行機とかが部品になって、人型になるんでしょうか!
実際に見に行って確かめましょう!

【気合い】を入れ、四肢に聖なる炎(焼却・霊力攻撃)を纏って【熾天拳】のスタンバイ!
脚に纏った方をジェット噴射して猛スピードでカッ飛ばします!
砲撃の着弾地点を【見切り】、ミサイルを掻い潜る
立ちはだかるドローンは――そのまま突撃して炎を纏った拳でぶん殴る!!(怪力)
殲滅ではなく突破が優先、追い縋ってくる敵はスルーします
【全力魔法】でさらにジェットを加速させて突っ切ります!!
霧島・光希
やられる前にやればいい。その通りだ……!
行こう、|影の騎士《シャドウナイト》!

EDENからウォーゾーンへと移動して、横浜市神奈川区の辺りから国道一号線沿いの地域を進軍。
目指すは三ッ池公園にある『カテドラル・グロンバイン』の破壊。……となると、どこかで北上しないといけない。
砲撃に爆撃にドローン攻撃、雨あられと降り注ぐ攻撃を掻い潜って、か。やってやるしかないな……!

相棒たる護霊・影の騎士は一旦、“影”に潜んでいてもらうとして……。
【不可視の瞬間移動】。どこにでも漂うインビジブル達と位置を入れ替えることでの、擬似的な瞬間移動を行い。
【謎めいた強化形態】。|謎めいた《エニグマティック》エネルギーを全身に纏うことで移動速度を飛躍的に高めての高速移動を行い。
双方を使い分け、可能なら併用して。一帯ごと吹き飛ばし均してくるような激しい攻撃の中を掻い潜るように、突っ切るように。
時折フェイントを挟んで敵の照準をずらしながら目的地を目指していく。
降り注ぐ爆炎も瓦礫も躱して、すり抜けて。ただ前へ。前へ……!

 国道一号線に沿って進攻を続ける√能力者達。相談の末、このグループにおける目標はカテドラル・グロンバインと定まった。即ち、目的地はかの|天蓋大聖堂《カテドラル》の建つ三ッ池公園だ。
「――となると、この辺りで北上すれば行けるか」
 √EDENで言えば北寺尾交差点に相当する地点にて。川崎市一帯の地図を思い返しながら、|霧島・光希《きりしま・こうき》(ひとりと一騎の冒険少年・h01623)は一息つく。この辺りはどうやら戦闘機械都市の死角になっているらしく、自動砲台もドローンも襲ってくる様子は無い。
「確かに、それっぽい建物が見えますねー!」
 手を庇のようにして北を見遣るオリヴィア・ローゼンタール(聖なる拳のダンピール・h01168)、そう遠くない場所に一際大きな機械仕掛けの建造物を認める。あれがカテドラル・グロンバインであろうか。
「未知の簒奪者の拠点だそうですが、巨大なロボット工場であるという話でもありましたね」
 作戦概要にあった、この|天蓋大聖堂《カテドラル》に関する情報をレミィ・カーニェーフェン(雷弾の射手・h02627)は思い返す。此処を破壊できれば、レリギオス・オーラムのみならず戦闘機械群全体に確かな打撃を与えられる可能性が高い。此度の侵攻を止める助けになるのは元より、今後の為ともなり得よう。
「そういえば合体ロボ! どんな感じなんでしょうね~?」
 一方オリヴィアは、かの地の支配者なのであろう未知の簒奪者が気になる様子。
「やっぱり大型車や電車、飛行機とかが部品になって、合体すると人型になるんでしょうか!」
 やけに目をキラキラさせながら推測――というか妄想を語る。やはり合体ロボというものには浪漫があるゆえ致し方なし、と言えようか。
「ですがその道程、普通に通ればただでは済まなさそうです」
「ああ、これまで以上に攻撃は激しそうだ……」
 一方レミィと光希はかの|天蓋大聖堂《カテドラル》までの道程を改めて思案する。砲撃、爆撃、ドローン攻撃、その他諸々。ありとあらゆる防衛機構が√能力者達に牙を剥くだろうことが予想できた。
「――が、やってみるしかないな……!」
 なれど考えるだけでは埒が明かない。まずは行動あるのみ、と光希はレミィとオリヴィアへ呼びかける。
「そうですね、難しい目標ですが達成できるように……!」
 レミィも応えながら拳を握る。全力で以て臨めば達成の可能性は十全だ。
「ええ! どんなモノが待っているか――実際に見に行って確かめましょう!」
 どちらかといえば好奇心を強くにじませた表情ではあるが。オリヴィアもまた応える。
 そして、√能力者達は走り出す。カテドラル・グロンバインへの道を切り開く為に。

 断続的に轟く爆発音。降り注ぐ砲弾の雨は、此処までのそれですら比ではないほどに激しい。
「けれど障害物は沢山。おかげで助かりました」
 建造物の残骸を使って身を隠しながら、レミィは独りごちる。その姿は周囲の残骸が立ち並ぶ地形に溶け込み、肉眼での発見は骨が折れると言うべき様相。
 そして肉眼以外の捕捉手段への対策も抜かりない。肉眼以外での探知を不可能とする√能力を励起し、電子的な索敵を回避しつつ進む。これならば狙い澄ました砲撃を受ける恐れは無いと言えそうだ。
「さて、お二人は――」
 己の安全を確保した処で、他の二人の状況を確かめる。己と異なり、捕捉されること前提の突破手段を選んだ二人は――

「いっけぇぇぇぇぇ!!」
 吼えるオリヴィア、その身がミサイルもかくやと言わんばかりの速度で飛翔する。√能力によって纏った聖なる炎が足元に収束し、ジェット噴射じみた勢いを齎しているのだ。
 その上でその身を左右へ振れば、敵の狙いは其方へ逸れ飛んでゆく。その進攻を止めるべく、ドローンの群れが立ちはだかるが。
「吹っ飛べー!!」
 構わず、力任せの拳を群れの中心を成すドローン目掛けて叩き込めば。炸裂した炎が爆散し、他のドローンも巻き込んで叩き落とす。
「大した威力だ……!」
 そんなオリヴィアの攻勢に驚嘆しつつも、光希もまた只管に前を向いて疾走する最中。その身は|謎めいた《エニグマティック》エネルギーを纏い、飛躍的な速度を獲得している。
 以て砲撃を躱しすり抜けてゆく光希。誘導性を持つミサイルを前としても怯むことなく前進を続け。やがて其が目前まで迫り来れば――消失。後には謎めいたエネルギーを纏ったインビジブルが残り、ミサイルを巻き込み爆散せしめる。
 其もまた、光希の√能力。インビジブルと位置を入れ替えることでの疑似j瞬間移動。以て追跡にも対応しつつ、只管に前進。


「凄い勢いです……と、あれは」
 そんな二人の勢いに驚嘆の声を漏らすレミィだが、直後に気付く。|天蓋大聖堂《カテドラル》へ至る道の最中の狭路、其処を塞ぐかのように大型の戦闘機械と迎撃機構。堅固かつ隙の無い布陣。だが。
「それなら、私が道を開きましょう……!」
 くるりと一回転させ構えるは精霊銃「ミカヅチ」。父の形見でもある年代物だが、その性能は最新式にも全く引けを取らぬ。
「精霊装填完了、発射準備よし――」
 弾丸の装填を確かめ、狙い定めたるは大型戦闘機械――ではなく、戦域の外れの建物の残骸。如何なる意図でかといえば――
「――今っ!」
 トリガーを引く。銃口より飛び出せし魔力弾は雷の光跡を空間へ残しながら飛翔、残骸へと命中し――跳弾。弾かれた弾丸は方向を変え――戦闘機械へと命中。直後、戦闘機械を中心に雷電迸る領域が形成され、戦闘機械も迎撃機構も痺れさせ機能不全へと追い込んでゆく。
「これは……レミィさんか」
「今がチャンス! このまま突っ切るよ!」
 丁度、光希とオリヴィアが戦闘機械の前へと到着。機能不全に陥った其を前に、光希はレミィの仕事ぶりを察し。呼びかけるオリヴィアと共に、戦闘機械の脇をすり抜け駆け抜けてゆく。
「うまくいきましたね。では私も」
 レミィもまた狭路の守りをすり抜けるべく駆け出す。跳弾を用いて攻撃したのが幸いし、迎撃戦力は跳弾元の残骸の方へ向かっているようだ。ならば今のうちに。

 そうして敵の迎撃を潜り抜け、一行はいよいよ三ッ池公園へ。其処に待ち受けるものは――
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

第2章 ボス戦 『スカー・スカーレット』


POW アシュラベルセルク・スカーレット
自身が受けた武器や√能力を複製した【機械の腕】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
SPD オートキラー・スカーレット
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【レールガン】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【光学迷彩】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ オーバー・スカーレット
自身の【機体】を【真紅】に輝く【ダメージを反射する決戦モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
イラスト key-chang
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 三ッ池公園に聳えるカテドラル・グロンバインを目指し進攻を続けてきた√能力者達。やがて行き着いたのは、元は学校であったのだろう施設の校庭。此処を通り抜けた先が三ッ池公園だが――
『おおっと、此処を通すワケにはいかねぇな!』
 響く電子音声、直後に√能力者達の行く手へ降り立つ一機の戦闘機械。四基の大型バインダーを背に負い、ロングコートを思わせる装甲を纏うその機械の名は『スカー・スカーレット』。かつて友好強制AIを植え付けられつつも其を克服し、再び人類の敵となった元ベルセルクマシンだ。
『随分とまあ大所帯だが――くく、それでこそブチ殺し甲斐があるってモンだ』
 発される電子音声の響きは女性的ではあるが、言動は荒々しく暴力的。この場の√能力者全員に対する強烈な殺意を隠しもしない、ある意味で人間臭い様相。
『肉は肉らしく、精々|血吐《ちへど》と|臓物《ハラワタ》ブチ撒けて死に晒せや!』
 得物たるレールガンを構え、今にも襲いかからんとするスカー・スカーレット。どうやらこの敵を倒さぬ限り、カテドラル・グロンバインへは到達できぬようだ……!

※本シナリオの選択肢は『作戦5:カテドラル グロンバイン破壊』に決定致しました。
※第二章は三ッ池公園手前の学校施設――√EDENの神奈川県立鶴見高校に相当する施設にて『スカー・スカーレット』とのボス戦となります。
※戦場は校庭。広く平坦で障害物は無し。また、スカーレットが戦闘の邪魔と判断した為か、戦闘機械都市の攻撃はありません。
夜久・椛
ん…やっぱり簡単には進めないね。

「荒々しい言動に反して、光学迷彩か…厄介だがどうする?」

ん、隠れてるなら探せば良い。

攻撃の前に、まず御伽を纏って変身。
敵の先制攻撃は【野生の勘】で見切り、上昇したスピードと【残像】を駆使して回避。

避けた後は、【幻影使い】の幻影を【迷彩】のように纏って隠れよう。
更に幻影で分身を生成して囮にするよ。

敵が囮に攻撃したら、野生の勘で攻撃の射線から位置を見極め、雷の【属性攻撃】を付与した千変暗器(手裏剣)を【念動力】で射出して【マヒ攻撃】。
雷でショートさせ、光学迷彩を剥がしてあげる。

敵が感電してる間に接近して、すれ違いざまに雷迅爪の属性攻撃と【2回攻撃】で追撃するよ。
オリヴィア・ローゼンタール
合体ロボ……ではありませんね!
機動力がありそうです!
なんなら合体ロボのウイングパーツあたりになりそうかも!
あと|洗脳《友好強制AI》を克服したってちょっとカッコいい設定ですよね

被ダメージを増加させながらも反射させてくる……つまり【根性】比べですね!!
出し惜しみなしのフルパワー! 【全力魔法】の【劫炎流星雨】!!
そして炎の雨の中、私自身も吶喊!!
レールガンの向きから射線を【見切り】、【ダッシュ】と【スライディング】で躱す!
跳び掛かり(ジャンプ)、【怪力】でぶん殴る!!
反射ダメージを【気合い】で堪える! まだまだァ!!!
【闘争心】を滾らせて、【限界突破】した【捨て身の一撃】!!
ぉおおおお!!!!

『ブッ|死《ち》に晒せやクソ肉共! オラァァァ!』
 カテドラル・グロンバインへの道を護るスカー・スカーレットが選択した戦術は至ってシンプル。初手から√能力を発動しての全力攻撃。黒き機体を真紅に輝かせて、戦場たる校庭を高速疾走しながら、携えたるレールガンを高速連射。猛烈な弾幕が√能力者達目掛けて降り注いでくる。
「見立て通りの機動力ですね……!」
 射線を外れるべく校庭を走り回りながら、オリヴィア・ローゼンタール(聖なる拳のダンピール・h01168)はその猛攻ぶりに舌を巻く。背負った大型バインダーから合体ロボのウィングパーツになりそう、なんて思ってたのは内緒である。
「あと|洗脳《友好強制AI》を克服したってちょっとカッコいい設定ですよね」
『感心している場合ではないと思うぞ』
 なんて思わず頭に浮かんだ感想に、横合いから突っ込みが入る。|夜久・椛《やどめ・もみじ》(御伽の黒猫・h01049)の尻尾の蛇――オロチだ。
『しかしこの速度に弾幕、近づくのも楽ではないな』
「ん、ならこっちも速度を上げよう」
 とはいえ敵の速度に対する見解は此方もオリヴィアと同じく。頷いた椛、√能力を励起すると共にその身をミリタリーロリータ風の衣装纏う姿へと変じせしめる。『雷霆の魔女』の御伽を纏ったのだ。
 未だスカーレットには追い付けぬとはいえ、速度差はある程度埋まった。敵の機動を捉えその移動先を予測、電撃を撃ち放ち攻撃を仕掛ける。
『ハ! トロ臭ぇんだよ!』
 だがスカーレットは急制動と急加速にて電撃を躱し、更に椛目掛けてレールガンを集中射撃。其は椛の全身を貫き焼き焦が――す事なく透過してゆく。椛が電子にて生成せし残像である。
「危ないところだったね」
『然し光学迷彩か、荒々しい言動に反してこうした搦め手も備えるとは』
 野生の勘の警告に従い、咄嗟に残像を残していったのが奏功したようだ。安堵の息を吐く椛だが、状況は変わらず厳しい。√能力による先の反撃には、光学迷彩による存在隠蔽効果も含まれる。かの戦機の姿は風景に溶け込んでしまい、視認することは極めて厳しい状況だ。相変わらず猛射を続けるレールガンの弾道を辿った元にいる、というぐらいしか分からぬ。
「ん、隠れてるなら探せば良い」
「ええ、こういう時は数を撃つのが一番です!」
 なれど其は手詰まりを意味しない。根源的な対策を口にした椛に、オリヴィアがより具体的な対策と共に同意する。
「出し惜しみ無しのフルパワー……行きますよ!」
 速度も相変わらず速いとはいえ、レールガンの発射位置から凡その居場所は推測可能。ならば、その辺りの範囲に攻撃を仕掛ければ少なくとも当たりはするだろう。眼鏡越しのオリヴィアの視線が、尚も放たれるレールガンの発射位置を鋭く追って――
「――そこです! 炎の雨よ、降り注げ!!」
 捉えた。判ずると共にオリヴィアは√能力を励起。校庭のほぼ中心に近い位置へと降り注ぐは、夥しき熱量を伴う炎の雨。
『グッ! だがこの程度ならなぁ!』
 苦悶の呻きが漏れると共に炎雨の中の空間が歪み、スカーレットの姿が数瞬現れ出る。√能力の代償に装甲が薄くなっている分、一発辺りの火力に劣る炎雨にも相応の傷を負うらしい。だが、現れたのは彼女の姿だけではない。
『テメェの技でくたばりな!』
 言い放つと共に放たれるは真紅の光線。其はオリヴィアの身を逃すことなく捉え、シスター服の随所を引き裂き出血を強いる。痛みに顔を顰めるオリヴィアだが。
「何の! この程度!」
 それでも戦意は全く衰えていないとばかりに吼える。敵もあの機動力と手数を得る引き換えに装甲を捨てているのだ。この程度のリスクを恐れていて何とする。構わず√能力による攻撃を継続する。
「根性比べといきましょう……!」
 その意志のもと、反撃ダメージを堪える。だが、このまま馬鹿正直に変則的な撃ち合いを続けるつもりはオリヴィアにも無い。レールガンの射撃や反撃のレーザーが放たれてくる方角、即ち敵がいる筈の地点を目掛けて走り出す。以て重い一撃を叩き込む為に。
「そっちだね。なら、ボクらも仕掛けていこうか」
『あちらに我らを見つけられるかどうか、だな』
 椛もスカーレットの予想存在座標を目指し疾走する。幻術による幾つもの分身を伴って。
『チィ! 肉如きがオレを捉えられるつもりかよ!』
 増上慢を抜かす、とばかり不快げな声を漏らすスカーレット。二人から距離を取るよう動きながらレールガンを掃射し、近づいて来る二人を退けんとするが。
(幻に気を取られているね)
 椛を狙って放たれる弾丸は悉くが分身を貫くのみ。迷彩めいて幻を纏う椛本体は捉えられることなく、着実にベルセルクマシンとの距離を詰めてゆく。
「無論そのつもりですとも!」
 その身を捉えられ幾度身が削れようとも、オリヴィアの脚は緩まない。身のこなしを最大限に発揮し、時にはスライディングも交えて、弾幕を最低限の被害で潜り抜けてゆく。無論、炎雨も継続中だ。
『うざってぇ……! だったら思い知れ、オレとテメェらの差――』
 そんな敵の様相に苛立ちが加速しているのか、怒鳴り散らすようにスカーレットは叫ぶ。オリヴィアから先に仕留めんと、彼女へ射線を集中させ――
『――ガッ!? な、ぁ、アガガガ……!?』
 突然全身を駆け抜けた電撃。その機体は特別電撃に弱いという訳ではないが、そもそも電流が走れば肉体は時に麻痺してしまうというのは肉体の有機無機を問わぬ話。即ち、スカーレットの躯体は痙攣しながら動きを止め――光学迷彩もまた、その機能を維持できず。赤と黒の戦機は再び、校庭にその身を明確に晒す。
「ん、狙い通り。その迷彩、剥がさせてもらったよ」
 其を成したのは椛。敵が己の幻影やオリヴィアに攻撃を繰り返している間に、その所在座標を特定し。電流帯びた手裏剣を撃ち込むことに成功したのだ。
「今だ! おおおおお!!」
 其処へ飛び掛かってきたのはオリヴィアだ。あらんかぎりの膂力を込めた拳を振りかぶり――叩きつける!
『ガァァッ!! て、テメェ……!』
「まだまだァ!!」
 装甲が拉げ、苛立ちの声を漏らすスカーレット。報復の紅光線で小さからぬ傷を受けながらも、其に構うことなく攻撃を継続するオリヴィアの姿を前に身構え――
「ボク達からも一発叩き込ませてもらうよ」
『グアァァァ!?』
 突如生じた、熱と共にその身を引き裂かれる痛み。椛が雷で生成した鉤爪を以て、スカーレットを引き裂きにかかったのだ。
「これが! あなたの言う『肉』の力です!」
 更に再度飛び掛かってきたオリヴィアが、その勢いも乗せた拳を振り下ろし。あらん限りに膂力を込めて叩きつけた拳は、重厚なる戦機をも吹き飛ばすに充分な一撃であった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

和紋・蜚廉
サン・アスペラと(h07235)参加
汝が全力で拳を叩き込むなら、その背の護りは我が受け持とう。

スカーレットが複製の腕を展開した瞬間、右掌を突きつけ、触れた能力を無効化する。
撃てば潰されると知らしめれば、奴の動きは鈍るはずだ。

潜響骨と翳嗅盤で動作の兆しを読み取り、目立たない立ち位置と聞き耳、野生の勘で流れを掴む。
接近された場合は甲殻籠手で受け止め、カウンターからグラップルへ持ち込み、無力化を図る。

必要とあらば蟲煙袋で視界を潰し、サンの拳が通る道を確保する。
我が抑え、汝が焦がす。役割がはっきりしている分、連携は研ぎ澄ましやすい。

その拳を、迷わず振るえ。後は任せておけ。
サン・アスペラ
蜚廉の旦那(h07277)と共闘!
ブチ殺し甲斐がある?
それはこっちの台詞だよ。ようやく殴り甲斐のあるオモチャが出て来た。
旦那!アイツは私がブチ壊す!援護をお願いっ!

ダッシュで距離を詰めて、捨て身の一撃でまずは正面から殴り合い!
怪我は根性で耐え凌ぐしかない。

機械のクセに結構やるじゃん。でもこっからが本番!
セイクリッド・サンドライブを発動させて回復と強化を行う。
移動速度で翻弄して、技能2回攻撃+攻撃回数4倍の手数で殴る!
問題はこの能力が複製された場合だけど、そこは旦那が能力無効化してくれる!

もし旦那が隙を作ってくれたら、技能力溜めからの捨て身の一撃で決める!
私はただ……信じて拳を振り抜くだけ!

『ちィ、やってくれるじゃねぇか肉の分際で!』
 先の√能力者との交戦によるダメージを振り切らんばかり頭を振りつつ、スカー・スカーレットは唸る。その声音は苛立ちとも、歓喜とも、或いはその両方とも取れる。
『それでこそブチ殺し甲斐があるってモンだ! さあ、次は――』
「それはこっちの台詞だよ!」
 歓喜の方を寧ろ強く滲ませるスカーレットの物言いに半ば被さるように、サン・アスペラ(ぶらり殴り旅・h07235)の声が飛ぶ。その声音もまた、人類を肉呼ばわりして憚らぬ戦機への憤りこそ確かにあれど。
「ようやく殴り甲斐のあるオモチャが出てきたってね!」
 続けた言葉は肉呼ばわりへの意趣返しとも、殴ることが事態解決に繋がる敵の出現への歓喜とも取れた。いずれにせよ。
『このオレをオモチャ呼ばわりたぁ、いい度胸だ! 念入りにブチ殺してやるから覚悟しな!』
 スカーレットは怒りと喜悦を共に滲ませる声音で応え、ブースタを吹かして突っ込んでくる。サンは其を確と見据え。
「旦那、アイツは私がブチ壊す! 援護をお願い!」
「心得た」
 呼ばわれば、其に応える声がひとつ響く。サンの斜め後方にて身構える|和紋・蜚廉《わもん・はいれん》(現世の遺骸・h07277)だ。
「汝は全力で叩き込みに行くが良い。その背の護りは我が受け持とう」
 即ちサンが攻め、蜚廉が守る。そんな連携を、此度の二人は企図していた。
『虫ケラ風情にオレの攻撃が捌けグハァッ!?』
 其を嘲らんばかりスカーレットは言い放ちかけたが、その横っ面を殴り飛ばした拳に中断された。意識が蜚廉に向いたと判じたサンの拳だ。
「バカにしてられるのは今の内――っくぅ……!」
 続けて言い返しかけたサンもまた、中断を余儀なくされる。大振りの一撃の隙を逃さぬ、スカーレットのブレード斬撃が、サンの胸を鋭く裂いた。
『テメェらこそイキがってられんのは今のうちグワーッ!』
 侮蔑を隠さず言い返さんとしたスカーレットに、再びのサンの拳が突き刺さる。そうして真正面からの殴り合いを始めた両者だが。
「くぅ……っ、流石に効くね……!」
『ハッ! 思い知ったかよクズ肉風情が!』
 やはり地力の差か、サンの消耗が目立って多い。最早根性を振り絞って倒れるのを防ぐばかりのサンに対し、スカーレットはそれなりの傷こそ負っているがまだまだ余裕、といった態。
「そうだね、機械のクセに結構やるじゃん」
 なれどもサンは変わらず余裕を装う。其は決して虚勢ではない。何故ならば。
「でもね! 本番はここからだよ!」
 サンの吼えるが早いか、その拳に纏うガントレットが眩く輝きだす。さながら、邪悪を退ける太陽の如く。そして、それ以上の劇的な変化が其処に発現していた。
『ちっ、そんな隠し球があるってのかよ!』
 それで護りも顧みず殴りかかってきていたのか。思わず悪態をつくスカーレット。何故なら、此処までに己が刻み込んできていたサンの身の傷が、ひとつ残らず治っていたから。
「これが私の本気! 破邪顕正、ってね!」
 以て眼前の戦機という邪悪を打ち倒す。その意を言葉に示すが早いか、サンは高速での機動を開始。スカーレットの側面後方へ疾走するや、一瞬にして十を超える拳を戦機へと浴びせにかかる。
『ちぃっ! こいつぁ……!』
 浴びせられた拳を捌ききれず、機体の随所に衝撃を覚え唸るスカーレット。その後も立て続けにサンの拳を浴びせられ、機体各所に打撃の浸透による痛みを覚える。反撃に繰り出した刃も、今や容易く凌がれる始末。
「ほらほら、どうしたのかな! さっきまでの威勢は何だったのかな!」
 拳と共に煽るような言葉を浴びせるサン。以て戦機の身へと着実なダメージを積み上げてゆくが。
『テメェこそ、イキがってんのも此処までだ!』
 言い返すスカーレットの物言いと同時、その背から更なる腕部パーツが展開されて伸びゆく。其処に宿るのは黄金の輝き。其は√能力の発現――条件はあるが他者の√能力を複製行使可能という代物。
『こっちも仕切り直しってな……何ぃ!?』
 以て自らの傷を治さんとしたスカーレットだが――直後に愕然とした声を上げる。何かといえば。
「狙い通りだ。汝の業、潰させて貰った」
 いつの間にか接近を果たしていた蜚廉。その右掌で触れられた追加腕が、一瞬にして崩れ落ちたからだ。
 彼が此度の戦いにおいて己に任じた最大の役割は、まさにこれであった。即ち、サンの√能力の逆用阻止。スカーレットが複製行使の√能力を行使する、その瞬間を狙い澄まし研ぎ澄ました動き。その結果が現状だ。
『テメェ……! 虫ケラの分際で……ッ!?』
 己の目論見が見事なまでに潰されたことで怒りに震えるスカーレットだが、その視界が土煙に覆われ呻く。蜚廉の行使した煙幕である。
「何者であれ、生き残ってきたならば其は強者。其を軽んじるならば、足元掬われるが定め」
 蜚廉の言葉は何処から響くか判然とせぬ。何処から再び仕掛けてくるか――その躊躇が、スカーレットの動きを鈍らせて。
「――サン。その拳を、迷わず振るえ。後は任せておけ」
「有難いね……!」
 そうして敵に隙が作られたならば、己は彼を信じて拳を振り抜くのみ。サンは身構え、その拳に力を溜め――
「これでも――喰らえッ!!」
『ッガァァァァァァ!!?』
 以て煙幕へ飛び込み。その只中の戦機へと、渾身の一撃を叩き込んでみせた。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

八木橋・藍依
障害物が無いなら、それを利用させてもらいます
元は学校だったというなら空き教室があるはずなので
その一室から狙撃をして戦おうと思いますよ

√能力「亡き友の為に」を使用して
レベル・能力値・技能レベルを2倍に
スナイパーライフル・G28(HK417)を入手する

遠距離からスナイパーと弾道計算の技能を使用して狙撃します
レールガン対策に距離を取りましょう
敵が光学迷彩を使用したら光度と赤外線を調整したゴーグルによって
スカー・スカーレットの位置を補足して攻撃を再開しましょう

敵が距離を詰めてきたら武器をHK416に切り替えて
零距離射撃・制圧射撃の技能と
殺傷榴弾・閃光手榴弾・発煙手榴弾の3種類のボムを使いながら戦います
ティファレト・エルミタージュ
対象の√能力や超常特性等を分解する霧……ダメージを反射するというなら、其の状態を分解して諸共分解すれば良いだけの話だ
戦闘機械群は、その機械の躯体そのものが√能力や超常特性そのものと言える
ならば、この霧はその躯体を分解して見せる!

続けて重力の概念すら変質・支配する吸血鬼の真祖としての重厚重圧な威風《プレッシャー》……『拝跪強制執行』で過重し、『王の刃は全ての霊を切り伏せる』による手刀で機体を両断していく

グロンバインが何をしようとしているのか分からんが、それでも企みがあるというなら……其れを粉砕して見せる!
トドメに√能力の霧を付与した手刀で機体を真っ二つにする

戦場たる校庭には、いつしか煌めく霧が漂い始めていた。其は無論、只の霧ではない。
『ちィ……ッ! うざってぇ霧だぜ……!』
 その只中で苛立たしげに唸るスカー・スカーレット。其は、己の思うように力を振るえぬ事実に対して。√能力を行使し、ダメージ反射機能を得ると共に出力――攻撃回数と機動力を高めんとする彼女の狙いは、しかし。
「如何な業を行使するとも、その状態を分解して諸共分解すれば良いだけの話だ」
 事もなげに言い放つのは|ティファレト・エルミタージュ《Tiphereth・Hermitage》(|真世界《リリー》の為に・h01214)。至って落ち着き払った様子で、迫り来る戦機を見据えている。
 戦場を漂う霧は、彼女が行使せし√能力によって展開されたる代物。√能力や超常特性を分解し無効化する、ルートブレイカーとしての力の応用。以て、スカーレットの√能力を発動した瞬間に分解解除してみせた。
(然し――)
 スカーレットを睨み据えれば、励起されるは吸血鬼の真祖としての重厚重圧なる|威風《プレッシャー》。並の敵ならばその場で直ちに拝跪を強制され得る程の圧力。
『しゃらくせぇんだよ……!』
 迫る戦機は機動こそ明確に鈍らせつつも、動きを止めることは無い。レールガンを変形させたブレードを振るい、ティファレトを斬り裂かんとする。
(そも、戦闘機械群はその躯体そのものが√能力や超常特性そのものと言える筈)
 ティファレトは飛び退き躱すが、腕を浅く裂かれ鮮血が飛沫く。戦闘機械群は存在そのものが超常なれば、己の√能力による分解消去の影響下にある筈。加え、己の威風による重圧もある。その上で、これだけの速度と切れ味を保つか。
(流石に、このレベルの簒奪者を容易く無力化はできんか)
 対峙せし敵の強大なるを改めて認識する。敵の√能力を無効化できただけでも御の字か。
『ハ! テメェ程度のクズ肉相手なら本気を出すまでも無ぇなぁ!』
 これ以上の搦め手は無いと判断したか、嵩にかかって攻め込むスカーレット。鋭い刃を傷つきながらも躱し続けるティファレト、防戦一方とも見えるが。
(今はまだ、これで良い。好機はそう遠くは無い)
 そう確信し、攻めを捌くに専心する。好機齎すものの存在を確信し、また己の立ち回りこそが好機を引き寄せると理解しているが故に。

 そんな戦いの繰り広げられる校庭、其処に面した校舎。今は使われていない教室のひとつに、一人の√能力者の姿が在った。
「――目標捕捉」
 開け放たれた窓から狙撃銃を構える、漆黒のコンバットスーツを纏う女性。|八木橋・藍依《やぎはし・あおい》(常在戦場カメラマン・h00541)だ。此処までの道程における姿とは打って変わったその装いは、√能力の発現によるもの。かつて、新聞記者でなく兵士として戦場に在った頃の姿。
 定めた照準は、ティファレトを追い詰めんとブレードを振るうスカー・スカーレットを追跡し続ける。√能力で高まった狙撃技能ならば、敵の激しい動きに振り切られることも無い。
(あの霧の中なら、√能力による奇襲も無いでしょうが――警戒するに越したコトはありませんね)
 敵は此方に気付いておらず、何より現状はティファレトが展開する√能力分解能力を持つ霧の中。警戒すべきは先制攻撃に加え光学迷彩による存在隠蔽を成す√能力だが、この条件下なら少なくとも一撃は妨害無く撃ち込める筈。
 ならばこの機を活かし、確実に狙撃を成功させねば――藍依がそう判じた、次の瞬間。
「!」
 回避行動を続ける中、バランスを崩したかよろめくティファレトの姿。次いで、そんな彼女へトドメを刺さんとばかりブレードを振りかぶるスカーレットの姿を其々捉える。其は危機であり、そして好機だ。
 最早考えるまでもない。照準にスカーレットの姿が在るを認めるのと、狙撃銃のトリガーを引いたのは、殆ど同時であった。

『グァ……ッ!?』
「!」
 よろめいたティファレトを仕留めんとばかり、ブレードを大きく振りかぶったスカー・スカーレット。その動きが止まると同時、彼女の頭部を一筋の火線が貫いた。
「決めたか……!」
 藍依の狙撃だ。敵が見せた最大の隙を狙い澄ましたその一射は、狙い通りに戦機の頭部を見事撃ち抜き、大きなダメージと共に一時的な思考の麻痺を齎した。
 ならば此処が好機。ティファレトはそう判断すると共に足を踏ん張り、崩れかけた身を持ち直す。
「グロンバインが何をしようとしているのかは分からんが――」
 その右手に構えるは手刀。纏わせた霧を以て、あらゆる√能力を、超常を斬り捨てる最強の刃。この先に在るだろう|天蓋大聖堂《カテドラル》の主に思考を巡らせつつも、その意志はあくまで目前の戦機へ。
「それでも企みがあるというなら……其れを粉砕してみせる!」
 一閃。振り抜いた手刀は、スカー・スカーレットの身を深く斬り裂き。確かな傷を、其処に齎した。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

伊和・依緒
【生】

バグったオブジェが気持ちいいこと言ってくれるね。

ではこちらも答礼として……。
『肉は肉らしく、精々|血《オイル》と|臓物《ハグルマ》ブチ撒けて|死に晒せ《鉄塊になれ》や』
こんな感じかな♪

って、あれ!?
味方が引かないで!?
アイツのモノマネ!お返事だから!

あー、もう。
純情可憐な美少女キャラが崩壊しちゃったじゃない。

スカスカ許すまじ。

【正気活性】で味方の回復力をあげたら、【ダッシュ】して突っ込むね。
【見切り】と【武器受け】で攻撃を避けながら接近戦に持ち込むね。

相手の『もう一本の腕』対策として、攻撃はスキルメイン。
【霊力攻撃】【切断】でダメージを与えながら、囮として相手を翻弄して、
アリエルさんに魔法攻撃を叩き込んでもらおう。

どうしても攻撃を避けられない時は、【オーラ防御】と【受け流し】を使おう。
それでもヤバそうなときは……。
【視力】も使い、オルハートさんの姿をしっかり視界に捉えて、【君だけを守りたい】を発動。
ダメージを耐えきるよ。

推しが見えるところで戦ってくれるなんて……傷、治っちゃうよね!
オルハート・ブルーゲイザー
【生】
なかなかに感情的な機械ですね
進化としては正しくはありますが…
って、依緒さん!?
そこを真似してしまうのですか!?

と、ともあれ、やられるわけにはいきませんので…!

敵の先制攻撃と光学迷彩への対策に【多重詠唱】からの【誘導弾】を撃ち
すかさず【見切り】つつの【ダッシュ】で回避
(先制以外の攻撃も含め、回避しきれない場合は【オーラ防御】と【霊的防護】で防御)

その後、「支ノ力:蒼海顕幻」を仲間の強化を重視し、仲間をできるだけ強化の範囲内に入れられる位置に撃ち込みます
(トドメが狙えそうなら敵を直接狙うこともします)

敵が移動速度を上げてきたら【誘導弾】と【ジャミング】で妨害します

そして、依緒さんが√能力を使ったら、できる限り依緒さんの視界内にいるよう立ち回り、依緒さんが無事でいられるように…!

また、敵がコピーした√能力等の強力な攻撃をしようとしたら、「視ノ力:魔創幻眼」を展開し、反射か目潰しを狙います
(コピー能力なら反射、決戦モードなら目潰し重視)
アリエル・スチュアート
【生】
『何ですかね。なんかこう、ああ言うキャラ立ってる機械ってどうも苦手ですね。』
…同族嫌悪?ブーメラン、刺さってるわよ?
でもまあ、それだけに油断は出来ないわね。

高速詠唱の魔力溜めの全力魔法で攻撃を仕掛けながら相手の動きを伺うわ。
同行者の攻撃に合わせて連携攻撃を仕掛けていくわ。
スカーの攻撃にはオーラ防御や空母のエネルギーバリアで対処。
スカーが決戦モードに変形してダメージを反射してきたら、味方にリジェネレーションサークルをかけ、自身含む味方の防御力を上げる。
回復が必要ならばそのまま継続。
生肉ってバカにしていたけど、貴女は…で良いのかしら…まあともかく、堅くなっても同じ事を言うのかしら?

『クソが……! 生肉の分際で一丁前に抵抗しやがって……!』
 √能力者達との交戦を経て、その躯体の随所に深い損傷を受けたスカー・スカーレット。漏らす声音には苛立ちの色が濃い。
「なかなかに感情的な機械ですね……」
 そんな彼女の様相を、オルハート・ブルーゲイザー(Book Of BlueGAZER・h00341)はそう評する。進化としては正しいのかもしれないが、機械という存在のイメージとのギャップはやはりある。
『何ですかね。なんかこう、ああ言うキャラ立ってる機械ってどうも苦手ですね』
「ブーメラン刺さってるわよ」
 一方、アリエル・スチュアート(片赤翼の若き女公爵・h00868)は己に随うドローンのリーダー『ティターニア』の宣った見解に突っ込みを入れる。同族嫌悪だろうか、と内心で考えつつ。
 と、其処で一歩進み出る√能力者が一人。|伊和・依緒《いなぎ・いお》(その身に神を封ずる者・h00215)は不敵な笑みと共に、対峙せし戦機を見据える。
「バグったオブジェが気持ちいいこと言ってくれるね?」
『あぁ? 生肉風情がイキってんじゃねぇぞ』
 その視線と発された言葉に挑戦的な色を感じたか、威圧的な電子音声を発するスカーレット。なれども依緒は怯むことなく。
「――肉は肉らしく、精々|血《オイル》と|臓物《ハグルマ》ブチ撒けて|死に晒せ《鉄塊になれ》や」
『あァ……!?』
 そして言い放つ。いっそ獰猛とも見える笑みと共に。対するスカーレットから漏れるは、怒りや苛立ちに満ちた唸り。先程の己の言葉を殆どそっくり返してきた依緒の言が、相当に挑発として機能しているものと見える。
 だが、それだけでは収まらず。
「い、依緒さん……!?」
「へぇ……?」
 味方側の反応も、小さなものではなかった。オルハートは驚きに固まった表情で依緒を見て、アリエルも意外そうな表情。依緒がそんな物言いをするとは、と言わんばかりに。
「――って、あれ!? ちょ、|味方《そっち》が引かないでー!? アイツのモノマネ! お返事だから!」
 そんな二人のリアクションに気付いた依緒、慌てて弁解を試みる。断じてそういう本性があったとかではない、と。
「そ、そこを真似してしまうのですか……!?」
 然しオルハートは真似する部分の選択にやはり依緒のそういう面を見てしまった、とばかりの反応を示し。
「んー、私は悪くないと思うわよ。ええ」
 アリエルは依緒のそんな面も許容するという構え。だがそれは同時に、彼女にそういう面があると認識していることも意味する。
「ちーがーうってばー!」
 更に弁解を試みようとする依緒だが、殺気を感じて向き直る。これ以上敵を無視する訳にもいくまい。故に。
「……あー、もう。純情可憐な美少女キャラが崩壊しちゃったじゃない」
 その憤懣をスカーレットへと叩きつけつつ、得物たる直刀型の霊刀を構える。即ち戦闘開始である。
『知ったこっちゃねぇなンな事はァ!』
 スカーレットも尤もな言い返しと共にレールガンを構え、立て続けに撃ち放つ。狙いは全て依緒だ。
「スカスカ許すまじー!」
 だが依緒は収まらないとばかりに叫びつつ、スカーレット目掛けて疾走。放たれた弾丸が依緒の腕や脚を掠め出血せしめるも、挙動に障りは生じぬ。
 数発目の弾を潜り抜けると同時、振りかぶった直刀が霊気を帯びる。以てスカーレット目掛けて斬りつけんとする構えを前に、戦機は一旦距離を取ろうとして――
『ぐッ……ぐわァッ!?』
 其処を捉えたのは蒼い渦。其がスカーレットの機動を抑えると共に、狙い澄ました高密度エネルギーの奔流が戦機目掛けて浴びせられる。その威力、装甲を深く抉り内部構造が露わとなる程の強烈なもの。
「覚悟ー!」
『ぐァ……ッ! ぐ、クソが……ッ!』
 其処へ依緒が直刀を振るい、袈裟懸け一閃。スカーレットの胸部を確と捉えた刃が、其処に深い斬痕を刻み込んだ。
「依緒さんのコトしか目に入ってなかったようね、隙だらけよ」
 エネルギーの奔流を放ったのはアリエル。此処までの依緒とスカーレットのやり取りの間に魔力増幅の術式を編み上げ、全力の魔術攻撃を繰り出したのだ。高速詠唱の業に秀でたアリエルなればこそ実行できた魔術攻撃だ。然し、それだけではない。
「それにしてもいつも以上に出力が出てるわね。オルハートさんのおかげかしら」
「お、お力になれているなら何よりです……!」
 いつの間にか戦場は、一面の大海原と化していた。無論、実体ではなく幻。オルハートの√能力によって展開されたそれは、敵を幻の渦潮に捕らえ、味方に蒼海の加護を齎すもの。以て支援を為そうというのだ。
「うん、わたしも身体が軽いよ! これなら、こんなヤツは余裕だよね?」
 依緒もオルハートへ微笑みかけると、再度スカーレットへ向き直る。余裕ぶってみせたのはあくまで挑発、その構えに油断は無い。
『ッ、調子こいてんじゃねぇぞテメェらァ!』
 挑発に乗ったか、或いは敢えてか。激したように叫ぶスカーレットの身が、真紅に輝き始める。
『イキがってられんのも此処までだ! とっとと死に腐れや!』
 暴力的に言い放つが早いか、依緒から距離を取りつつレールガンを連射開始。それまでとは比較にならぬ数の弾丸が依緒のみならず、アリエルやオルハートにも襲い掛かる。
「オルハートさん、こっち!」
「は、はい……!」
 アリエルは魔力の護りを展開すると共に、ドローン空母からもバリアを張って弾幕を凌ぐ。オルハートもバリアの内側へ逃げ込みつつ、海面の幻を揺らめかせての敵の挙動の阻害を試みる。
「くぅ……っ! 何の、この程度……!」
 距離的にも近い依緒の身には、最も濃密な弾幕が襲い掛かる。事前に展開していた√能力のおかげで傷は10秒弱ごとに回復するが、その上から更に幾つもの擦痕や弾痕が刻まれゆく。オーラの護りや直刀での防御もあればこそ、何とか倒れずに済んでいると言える程だ。
『ハ! だったらテメェからミンチになりやがれ!』
 嘲るスカーレットの身が、真紅の輝きと諸共に空間へ溶けて消えてゆく。光学迷彩を発動したのだ。
 そして何も無いように見える空間から、更なる弾幕が放たれる。依緒は勿論、アリエルとオルハートにも。
「っ、流石にこの弾幕……長くは持ちそうに無いわね」
 バリアの軋む間隔を感じアリエルは唸る。このまま守っていてはジリ貧だ、何処かで反撃に出なければ――
「わ、私が行きます!」
 意を決し、オルハートがバリアの範囲から飛び出す。同時、その身から幾筋もの蒼い光が舞い上がり、書のページのような形を取れば、其は敵意の気配を目掛けて一直線に飛翔する。
 直後、その飛翔先へレールガンの弾が放たれるが、オルハートの疾走と先程からの撹乱故か、数発がその身を掠め傷つけるに留まる。そしてオルハートの放ったページは、飛翔した先の空間へと突き刺さり――
『ハ、隠れたオレを捉えるとはやるじゃねぇか――だがなぁ!』
 空間が揺らめき、真紅の輝きを放つスカーレットの姿が現れ――その輝きが、槍めいたエネルギーとなってオルハート目掛け襲い掛かる!
『褒美をやるぜ、くたばりやがれェ!』
「っ……!!」
 咄嗟に魔力と霊気の護りを展開するオルハートだが、迫る光槍を防ぎきれるかは定かならぬ。祈るように集中し、最悪へ耐える為に瞳を閉じ――

 ――紅の光槍は蒼の障壁を貫いて。その中心のオルハートをも――

『――なに……!?』
「え……!?」
 貫けなかった。愕然と声を漏らすスカーレット。オルハート自身も驚愕を隠せない様子。彼女はその場で微動だにすることなく、反撃の光槍を防ぎきっていたのだ。その足元には、いつの間にか展開されていた光の魔法陣。一体何が。
「――生肉生肉ってバカにしていたけど」
 其処へ響く、怜悧なる声。アリエルだ。
「スカーレット。貴女は、私達が貴女の攻撃を弾けるくらい堅くなっても、同じ事を言うのかしら?」
 オルハートを守ったのは、彼女が行使した√能力。行動を封じるのと引き換えに、防御力を大幅に高め、負傷を癒す力。其は、戦闘機械の齎す反撃の光をも防ぎきってみせた。
『な……ぐわァッ!?』
 愕然と呻くスカーレット、其処に叩き込まれた斬撃。身体を深く斬り込まれる痛みに、苦悶の声が上がる。
「そっちに気を取られてちゃダメだよ?」
 其は直刀を振り下ろした依緒である。その身は燃え滾る炎に包まれ、刻まれていた傷も徐々に回復しようとしている。
 そんな彼女へ、アリエルもオルハートも言葉を返せないながらに視線を向けて頷く。アリエルは呪文詠唱の為、オルハートは受けた傷を治す為に行動不能の魔法陣の中のままだから。だが、そのようなことは関係無い。
『テメェ……!? オレのレールガンをあれだけ浴びておいて……!?』
 よろめき呻くスカーレット。確実に仕留めたと思える程の弾丸を浴びせた筈が、何故この女は生きている、と言わんばかり。
「そんなの簡単だよ」
 オルハートへ視線を向ける。頷く。再びスカーレットを見て、告げる理由は。
「推しが見えるところで戦ってくれてるんだもん、傷の百や二百はすぐ治っちゃうよね!」
 堂々と言い放つ。動けないオルハート、何処か恥ずかしそうな様子ながら頷く。この二人は互いに互いをAnkerとする関係。そして依緒は、そのオルハートを視界に収める限り不死身となる√能力を行使している。其に元から用いていた回復の√能力を合わせた結実が、現状だ。
 そんなことが有り得るのか。愕然とした様子のスカーレットは、アリエルが再度放った魔力の奔流をまともに被弾。その身に重篤なダメージを受ける結果となった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

水垣・シズク
【肉】
流石に戦闘機械群全体に関わる基地だけあって守りが固いですね。
というか、相性考えると私、根本的に打つ手無いのでは?
……ここは仲間を信じて一旦サポートに回りましょう。一人で戦っているわけじゃないですしね。

まずは【瞳は宙にある】で《先制攻撃》します。
《弾幕》を張り、敵の動きを牽制することでディランさんと叢雲さんの展開を支援します。
避けにくい範囲攻撃ですから決戦モードによる回避・反射を誘発しやすいでしょうし、攻撃基準点が上なので反射されてもこちら側への被害は少ないはずです。

基本的に身体能力は低いので、接近戦が始まったらお二人の邪魔にならないように距離を取り、【既定要請:機神一体】を起動してレールガンの準備、いつでも撃てるよう照準を合わせておきます。

時間切れもしくは打消しで反射が解除されたら、ディランさんが拘束しているスカーレットにレールガンをぶつけてやりましょう。
《弾道計算》及び《スナイパー》ではみ出した頭部を精密射撃します。

レールガンの余波は……後で謝らないとですね……。
ディラン・ヴァルフリート
【肉】
洗脳を拒むのは自然な反応
ただ元の在り方に戻っただけなら……
(特に……得られる知見は。無さそうですね)

敵WIZ攻撃に横から割り込み
《オーラ防御+受け流し》で防ぎつつ【超刻】発動
《第六感+情報収集》も併用しますが
叢雲さんが注意を引いてくれる分タイミングも合わせ易いかと
聖装[与えるダメージ大幅低下する代わりに・ターゲットと互角以上の機動力・反射含む全ダメージ無効の変異竜躯(60秒以上持続)]
を以て抑え込みます

敵POWには装備[竜眼]
《念動力+ハッキング+属性攻撃》視線を介し金縛り
機械腕創造を遅延させた隙に呑尾蛇が命中するように。

呑尾蛇で動きが止まれば《異形化》、腕を巨大化させ《怪力》
敵の全身を握り潰すように【破刻】発動し
聖装・呑尾蛇・敵√能力全般を纏めて打ち消し封じます
捕えた後は敵√能力封じの維持を最優先
敵WIZの60秒保証自体も√能力効果として打消対象と見ますが
万一持続するなら呑尾蛇にバトンタッチ、時間切れ後に再破刻

後はそのまま握り潰し圧壊させつつ
味方の追撃を当て易いよう補助しましょう
天・叢雲
【肉】
肉と言われればそうなんですけど。
ではそちらは金属とか電子回路とかで宜しいですかね。
ただ、その溢れる情念はなまじ人より"ヒト"らしいですが。

🔵
皮肉ぶつけ、相手の決戦モード(WIZ)発動を挑発。
前に進み、あえて標的に。

敵の猛攻を見切りつつ、第六感を働かせ回避専念。
レールガンは筒先を向けられた時点で躱しに。
避けられぬ攻撃は霊的防護を込めた太刀で急所を庇いながら受け流し。
いざとなれば影業を盾に、彼らの影の間へ闇に紛れるよう避難。

おっかねぇ。60秒も耐えられませんね。
耐える気はありませんが。

引き付けた隙にディランさんが対処に入ってくれれば、自分は離脱しつつ敵の死角へ。
その隙に太刀で自らの血を滴らせ、【呑尾蛇】で敵を拘束。
敵能力ごと打ち消してもらいます。
※打消を以ても敵WIZ継続の場合、再度の【呑尾蛇】で60秒以上封じ込めてから能力解除。

敵の脅威が止んだら、【八岐剣】にて反撃開始。
味方を邪魔せぬ位置から、怪力発揮しての居合に続き、呪詛込めた斬撃を影業との連携攻撃で|GG《グッドゲーム》です。

『……ク、ソッタレ……! 生肉共がァ……!』
 全身に傷を負いながらも、尚立ち上がるスカー・スカーレット。なれどその動きには遅滞なく、戦闘継続に支障無いことが容易に推察できる。
(……相性を考えると、私では根本的に打つ手が無いのでは……?)
 星詠みから追加で得られた、かの敵に関する情報。其を思い返しながら、水垣・シズク(機々怪々を解く・h00589)は内心で唸る。能力差以上に、能力の相性があまりにも悪い。恐らく、己一人では絶対に勝てない敵だ。だが。
(……此処はお二人を信じて一旦サポートに回りましょう)
 今の己は、一人で戦っている訳ではない。ならば彼らとの連携によって打開は果たし得よう。一歩前にて敵と対峙する、その二人へと意識を向ける。
 その一方、ディラン・ヴァルフリート(|義善者《エンプティ》・h00631)は対峙せし戦機を見据えつつ思案する。かの敵は強制友好AIを克服した元ベルセルクマシンとのことだが。
(洗脳を拒むのは自然な反応……ただ元の在り方に戻っただけなら)
 人類の敵に戻ったというなら、一時人類の側に在った者とて躊躇は要るまい。特に得られる知見は無さそう、との冷徹な判断も併せ、改めて戦う意志を固める。
「肉と言われればそうなんですけど――」
 もう一方、|天・叢雲《アメノ・ムラクモ》(咒滓・h00314)は、あからさまなまでに観察するような視線を戦機へ寄越す。彼方に明確な反応は無いが、返ってくる視線には苛立ちにも似た感触が感じられようか。
「では、そちらは金属とか電子回路とかで宜しいですかね? ただ――」
『あァ……?』
 薄笑みすら浮かべてみせつつ言い放つ。何か言いたげな戦機を制するかのように続けた言葉、其によって告げるは。
「――その溢れる情念。なまじ人より『ヒト』らしいですが」
『……! テ、メェ……!』
 彼女の語る処の『生肉』と同列と見做すかの如き物言い。其は、かの戦機の怒りに火を点けるに充分だったらしい。怒気に満ちた声を張り上げたスカーレット、得物たるレールガンを構え――
「同調。開眼」
 其処にシズクの宣告。直後、戦場の空が割れ――其処から覗いた黄金の瞳が、赤黒の戦機を捉えて。
『ッ!! こいつぁ……!?』
 直後、その身ががくがくと震えだす。恐怖にではない。スカーレットの機体を構成するパーツそのものが、理を灼く視線によって崩壊しだしているのだ。短時間で与えられる効果は知れたものだが、相応の時間を視線に晒されれば崩壊も有り得よう。
 そんな上空からの先制攻撃――だが、無論黙って其を受け続けるスカーレットではない。
『……ハ! この程度でオレを倒せるモノかよ!』
 スカーレットの機体が真紅の光を放ちだす。紅き光に煌めく装甲から上空へ、熱線めいて紅い光が打ち上がってゆく。視線によるダメージの反射。赤光が上空の眼へと突き刺さる毎に大気が揺れる。かの存在の悲鳴であろうか。
『雑魚の出る幕じゃねぇよ! さァて――』
 以て上空の脅威には対応完了と見たか、スカーレットは動く。得物たるレールガンを向ける先は――己目掛け駆け迫る叢雲!
『精々無様にブッ死にやがれェ!!』
 言い放つが早いか引鉄を引けば、放たれる弾丸は機関銃じみた猛烈な勢いで吐き出され。その全てが、叢雲を目掛け殺到してゆく。
「っ!」
 叢雲は既に回避行動に入っていた。レールガンの銃口が己を向いた時点で。横跳びから、敵を軸として円を描く形の疾走へ切り替え、銃口を、放たれる凶弾を逃れる。
『ちょこまかしてんじゃねェよ生肉風情がよォ!』
 回避重視で立ち回る叢雲に、嘲るような声音で言い放ちつつ。スカーレットの攻勢は尚も続く。レールガンを猛烈な勢いで連射、回避先を潰すかのように弾丸をバラ撒きながら、戦場を縦横無尽に駆け回る。
「っ、く! 流石に厳しい……!」
 最早銃口の向きを見てからでも遅い。第六感を頼りに身を捻り跳躍し、それでも急所を捉えんとする弾丸は構えていた太刀で受け逸らし。躱しきれぬ弾丸に身を裂かれ穿たれるも、生命及び戦闘に障る程の傷は負わぬ。
(おっかねぇ……60秒も耐えられませんね)
 10秒かそこらでこれ程の攻勢。かの敵が発動している√能力の最低持続時間――60秒も受けたら間違いなく死ぬ。そう確信するには充分すぎる程の猛攻だ。然し。
(まあ、耐える気も無ありませんが)
 素直に打ち合う気など叢雲には無い。これはあくまで策の一環。そしてその策は、間もなく形になろうという処だ。
『ハ! これでミンチにしてやらぁ!』
 叢雲の動きが鈍ってきたと見たか、スカーレットの放つ弾丸はその密度を高める。集中射撃で一気に叢雲を仕留めるつもりか。
「そうはいかせません」
 レールガンが放たれようとした次の瞬間、その射線上に飛び出してくるはディラン。その身に纏うオーラで弾丸を防ぎ止める構えを取る。
 直後、放たれたる弾丸。その猛烈なる連射力と破壊力は、ディランの守りを以てしても完全に防げるものではなく。四肢へ、胴部へ、幾つもの傷を刻み穿つ。
「ッ!」
 苦悶の声が洩れかけるが堪える。何より、こうして傷を負うこと自体は無駄ではないのだ。寧ろ、傷を負ってこそ――
「……示せ。如何なる障害も踏破する……力の証を、此処に!」
 徐に紡がれた詠唱。其が結ばれると同時、ディランの肉体が白き竜人の如き形へと変異を遂げる。其処に浴びせられた弾丸は、其をまともに傷つけること叶わぬまま弾かれてゆく。
『何だテメェ……? その装備……ッ!』
「今度は……僕がお相手します……!」
 そして訝しむスカーレット目掛け、猛然と掴みかかる。レールガンを連射しつつ距離を取りにかかるスカーレットだが、ディランはその速度にさえ追随する。そしてやはり、レールガンの弾丸は彼の身を穿つに至らない。
『ちィ……! ちょこまかしやがって……! ってかオレの銃が効かねぇとか……!』
 今のディランの身を鎧う竜装は、自らが受けた√能力――スカーレットの行使したそれに対抗する特性を得るもの。今回は攻撃能力を犠牲に、機動力と防御力を大幅に強化している。レールガンでも敵のダメージ反射能力でも、その身を傷つけるはほ不可能だろう。
 代償が攻撃能力である以上、今の彼にスカーレットを傷つけることもまた不可能だが――ディランも其は承知の上。己の役目は――
「捕まえましたよ……!」
『ッ! く、離しやがれ……ッ!』
 スカーレットの身へと掴みかかることに成功したディラン、そのままスカーレットの機動を抑え込みにかかる。攻撃能力は低減したが、こうして敵を拘束するのは問題なく可能だ。持ち前の膂力を以てすれば、スカーレットといえど容易には逃がさない。
 とはいえ、基本性能自体は彼女の方が上。己だけでは抑え込みきれないだろう。ならばどうするか。答えは簡単。
「蜿々長蛇、終始一体として方処を絶つ――」
 叢雲の詠唱。その足元、己が太刀で刻んだ傷から滴る血よりその身を伸び上がらすは、禍々しく巨大なる大蛇。其はうねり蠢きながらスカーレットへと迫り、その身へと巻き付いて――
「――閉じよ、円環」
 最後には自らの尾を咥え、ひと繋がりの拘束と成す。以て、かの戦機の動きを完全に封じ込めた。
『ガ……ッ! テメェ……ッ!』
 拘束され、脱出しようともがくスカーレット。其は彼女と言えど容易く脱出叶うものではない。ならば更なる手を打つには十全。
「苦しそうですが……もっと苦しんで貰いましょう……!」
 蛇と入れ替わりで彼女から離れたディラン、竜装を解除すると共にその右腕を掲げれば、其処が見る間に巨大化、スカーレットの胴部を掴みすらできそうな程の巨腕へと変異を遂げる。
 其を以て、スカーレットへと再度掴みかかり――叢雲の呼んだ蛇が消滅し、更にはスカーレットの身より放たれていた真紅の輝きもまた消滅。即ち、√能力が無効化されている。更に。
『ガアァァァァ!!?』
 そのまま膂力の限りを以て握り込めば、スカーレットから盛大なる悲鳴が上がり、金属の拉げ砕ける音が辺りに響く。竜装を解除したことで攻撃能力の戻ってきた身なれば、その握撃は凄まじい破壊力を生む一撃となるのだ。
「……今です、お二人とも」
 策は成った。これならスカーレットはダメージ反射の√能力の再発動はできない。此処が好機。ディランが呼びかければ。
「ええ、此方の準備は万全です」
 応えるシズクの傍らには、レールガン――スカーレットの持つ携行型とは全く別の、巨大な艦載型のそれを構えた決戦型WZ。呼び寄せた自身のAnkerたる怪異が憑依した其は、動けぬスカーレットを確と照準に捉えていた。
「……先に謝っておきますね。もし余波で痛い目見せてしまったら、ごめんなさい」
 だがこれ程の大掛かりな武装だ、等身大の存在へ撃ち込むとなればどうしても無理が生じる。その懸念からの謝罪だが。
「何……問題はありません。それくらいの痛みは……覚悟の上です」
 その懸念を和らげんとばかり、ディランは微笑と共に応える。尤も、その間もスカーレットを握り込む手の力は抜かない。
「ありがとうございます――イォド、やっちゃってください!」
 そんなディランへ礼を述べると共に、WZへ憑依した怪異へと攻撃を呼びかける。直後、其に応えるが如くWZの構えるレールガンが火を噴き。大質量の砲弾が、スカーレットへ――ディランに掴まれていない頭部及び上体部へと叩き込まれる。
「………ッ!!」
 着弾時に生ずる衝撃力もまた凄まじいもの。堪らず手を離してしまうディランだが、ギリギリまで掴んでいたことで敵の身が必要以上に吹き飛ばされることは回避。よろめく戦機へと視線を投げかければ、其を介して金縛りをかける拘束を試みる。反撃の芽を、摘み取る為に。
『ガ……ッ! 畜生、離せ……ッ!』
 反撃も侭ならず、喚きながらもがくことしかできないスカーレット。その頭上に、叢雲が蟠り影が差す。
「みすみす逃がす筈がないでしょう。さあ――終焉のお覚悟を」
 その主は叢雲。冷徹なる宣告と共に、鞘に納めた太刀を抜き打ち一閃。速度に膂力を乗せた斬撃で胴部に深い斬痕を刻み込むや、足元の影から無数の蛇頭が飛び出しては下半身へと食いつき噛みしだき。
 そして追撃の唐竹。呪詛をも乗せた斬撃が、戦機へと深く刻み込まれ。その機体に、決定的とも言える損傷を齎した。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

レミィ・カーニェーフェン
あれは……ベルセルクマシンでしょうか?
既に私たちを捕捉しているみたいですし、避けて通ることは難しそうですね。
ですが|三ッ池公園《目的地》までもう少し! あのベルセルクマシンを倒して、この先に進みましょう!

相手の武装はレールガン……爆発物のような広範囲攻撃じゃなくて助かりました。
ここまで来た時と同じように【隠忍静歩】と「ハンターコート」の[迷彩]を使った上で巻き込まれに注意すれば、ひとまず攻撃は凌げそうです!

攻撃をどう当てるかは難しいところですが、ここは相手から魔弾に|当たってもらう《・・・・・・・》作戦でいきましょう!
【隠忍静歩】を解いた直後、【雷鳴の魔弾】を何発か撃ちます。一部はスカーレット本体に、一部はスカーレッドの移動方向を制限するように、最後の一発は[スナイパー][跳弾][弾道計算]を駆使してスカーレットの|移動先に《・・・・》。
【オートキラー・スカーレット】が反応するのは、きっと本体を直接狙う魔弾になるはず。移動先に飛んできた魔弾までは対処できない……と信じて仕掛けます!

【アドリブ・協力歓迎】
霧島・光希
強敵か。──行こう、|影の騎士《シャドウナイト》。

影から滲み出すように姿を現す、相棒たる護霊・影の騎士と並び立ち。
カテドラル・グロンバインへの道を阻む『スカー・スカーレット』との戦いに挑む。

戦意も悪意もみなぎる敵を前に出し惜しみは無用。
【”接続”】。
「自身の周囲から滲み出る暗影の触手」は0、「|謎めいた《エニグマティック》エネルギーの出力」強化は15、「影の騎士の機動力・戦闘力」強化は15。
高まった力を利用しつつ仕掛けるは【双騎士連撃】。
|二振りの竜漿兵器《ステラ&イグニス》を銃として持ち、距離を詰めつつ謎めいたエネルギーの属性弾を連続投射して牽制。(「属性攻撃」、「クイックドロウ」)
一方で影の騎士が“暗影の力”を用いて死角に回り込みながらの強襲。(「目立たない」、「降霊」)
体勢が崩れたところで得物を剣として持ち替えて肉薄、影の騎士と息を合わせての強撃を叩き込む。(「鎧無視攻撃」、「勇気」)
途中で攻撃を捻じ込まれようと、押し切るまでだ……!(「鉄壁」、「エネルギーバリア」、「激痛耐性」)

『……ッグ、クソッタレがァ……ッ!』
 全身の装甲は拉げ砕け、四つあった背部バインダーは一つを残し全て脱落。更には至る処から火花の散る、見るも無惨な姿を晒すスカー・スカーレット。満身創痍なるは明らかな状態。なれども。
『生肉共が……調子に乗りやがって……!』
 唸る声音と共に立ち上がると共に、その機体は力強い駆動音を辺りへ響かす。これ程の深い損傷を負って尚、十二分の脅威と認識するには充分な機構の咆哮。
『皆殺しだ! テメェら全員、皆殺しだァァァァ!!』
 猛るが如くに叫び喚きながら、得物たるレールガンを構え。己へ向けて駆け来る√能力者へと連射を開始。一発でも充分な破壊力を有する荷電した弾丸が、立て続けに蒼黒の装甲纏う√能力者を襲う。
「あれだけの損傷で、尚ここまで……強敵だな」
 その√能力者、|霧島・光希《きりしま・こうき》(ひとりと一騎の冒険少年・h01623)は身を捻り飛来する弾丸を躱しつつ疾走を続ける。未だ相対距離は遠い、なれば凄まじい弾速なれども回避は可能。
「――行こう、|影の騎士《シャドウナイト》」
 回避機動の中、呟くように呼ばわれば。光希の疾走に随う影から、滲み出るが如くにひとつの人型が姿を現す。『|影の騎士《シャドウナイト》』、光希の護霊にして相棒と言うべき存在。
(繋げ。来たれ。流れよ。そして――)
 更に√能力を励起すれば、己の身に力が漲る感覚と、影の騎士の力が増幅する気配が伝わる。敵は満身創痍なれど戦意も悪意も十全、なれば出し惜しみする理由も無いだろう。
「――仕掛けるッ!」
『やれると思うなクソ肉がァ!』
 拳銃型へと変形させた二振りの竜漿兵器を構え発砲開始する光希と、レールガンの連射で応じるスカーレット。壮絶なる撃ち合いの幕が上がった。

 そんな両者の交戦を、やや離れた位置から見守る影あり。
(あれだけの傷を受けて、あそこまで動けますか)
 迷彩魔術の施されたコートを纏って風景に溶け込んだレミィ・カーニェーフェン(雷弾の射手・h02627)だ。肉眼に依らない知覚を遮断する√能力との併せ技により、その姿を認識することは極めて困難な状態だ。
 その状態で観察するのは、光希と激しい撃ち合いを演じるスカー・スカーレット。最早破壊寸前という状態にありながら、機動も射撃も大した衰えは見えない。とはいえ。
(敵の武装はレールガン。爆発物の類じゃなくて助かりました)
 もしそうであったら、隠れていようとも薙ぎ払われる処であった。ならば敵の攻撃への対応はこれ以上は不要。あと考えるべきは。
(後は、攻撃をどう当てるかが問題ですね……)
 敵は恐らく攻撃を躱しつつ反撃を為す√能力を用いてくる。ただ銃で撃つだけで捉えられる敵ではない。ならばどうするか――
(!)
 見守る視線の先、光希とスカーレットの交戦。其に変化が生じてきた。ならば仕掛ける機会は生じる筈。いつでも仕掛けられるように、とレミィは得物たるライフルを構える。

『ガ……ッ!?』
 驚愕するスカーレット。背後の空間から滲み出るように現れた影の騎士の一撃が、戦機を揺らがせる。光希との撃ち合いの最中に仕掛けられた強襲を避けること叶わず、体勢を崩すスカーレット。
「よし……一気に行くぞ……!」
 竜漿兵器を剣の形へと変形させた光希、それまでの撃ち合いで傷ついた身を強いて追撃に出る。其に合わせて影の騎士もまた動き――
『ガァ……ッッ!!』
 光希の双剣と、影の騎士の大剣。前後から叩き込まれた、ひとりと一騎、息の合った同時強撃。最早装甲の守りも意味を為さず、左腕は刃に断たれ脱落し、背中からはフレームの軋む破滅的な音が響く。
『グ……ガ。まだ……だ……!』
 最早瀕死と言って良い状態のスカーレット、なれども未だ動く事は可能。左腕の破断面から新たな腕が形成され。其処には暗い影めいたオーラが纏われる。√能力によって、牽制から強撃に至るまでの√能力を複製したか。
『テメェだけでも、道連れに……ッ!?』
 以て複製した、影の騎士が有する闇影の力。其を光希目掛けて叩きつけんとしたその時。スカーレットは見る。振り返り反撃に備えんとした光希の背後――精霊銃を構えるレミィの姿に!
「そうはさせません、このまま仕留めます!」
 引鉄を引けば、銃口から放たれるは幾筋もの雷光。雷の精霊力を込めた弾丸が、スカーレットを目掛け飛翔する。
『クソッタレ! ならまずはテメェか……ら……!?』
 其を前に、スカーレットは更なる√能力を行使。瞬時に位置を変え、レールガンによる反撃を為さんとして――驚愕する。何故、己の身は雷弾に貫かれているのか。転移で避けた筈の弾丸が、何故。
 その答えは簡単。レミィの魔弾が狙ったのは、スカーレットだけではない。|転移した先の《・・・・・・》スカーレットも狙っていた。即ち、その場の状況と彼我の状態、射手としての行動予測から判断した予想転移先、その幾つかを狙って雷弾を放っていたのだ。
 而して、その狙いのひとつが的中。スカーレットの身には、ものの見事に雷鳴の魔弾が突き刺さり――
『ち、畜生……! 生肉風情に……この……オレ、が……ァァァァ!!』
 漏らした苦鳴も、弾けた雷電に呑み込まれ。赤黒の元ベルセルクマシンの身はそのまま雷電に焼かれ、爆散に至ったのである。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

第3章 ボス戦 『ティーシャ・エフェル』


POW |領界侵犯《バイオレーション・オブ・ワールド》
半径レベルm内にレベル体の【視聴覚共有型無線ドローン 】を放ち、【高周波ブレード攻撃を伴う赤外線カメラ】による索敵か、【音察知からのホーミングレーザー】による弱い攻撃を行う。
SPD |暴虐無尽《オーバーベアリングネス》
【左腕のガントレットから放たれる高圧放電 】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
WIZ |蹂躙武闘《ダンス・オブ・バイオレンス》
自身の【下半身である義体装甲 】を【銃火器と高速移動ユニットを露出させ高熱】に輝く【蹂躙武闘モード】に変形させ、攻撃回数と移動速度を4倍、受けるダメージを2倍にする。この効果は最低でも60秒続く。
イラスト けむり
√ウォーゾーン 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 スカー・スカーレットを打倒した√能力者達は、交戦の場であった学校敷地を抜け、遂に三ッ池公園――其処に聳える『カテドラル・グロンバイン』へと到達を果たした。
 空を覆う巨大な天蓋の下、広がっていたのは、一面に生い茂る木々と咲き乱れる花々――√EDENの同公園と大きくは変わらぬ、だが戦闘機械都市としては異様な光景。あらゆる生命を攻撃対象とする都市にあって、生命に溢れる光景。
 なれど頭上、天蓋を見れば、√EDENでは有り得ない、この戦闘機械都市ならではの建造物が立ち並ぶ。即ち戦闘機械群の生産工場だ。その規模は見るからに大きく、これを破壊すれば戦闘機械群へと確かな打撃を与えられようと実感できるものだ。
「――人類の軍勢が此処まで攻め込んでこようとは」
 然し無論のこと、敵とて其を容易に赦しはしない。正面より歩み来る戦闘機械――上半身は人間の少女と然程変わりの無い存在の声が響く。
「私はティーシャ・エフェル。グロンバイン様よりこの|天蓋大聖堂《カテドラル》の守護を任せられたる者」
 静かに、だが決然たる声音で名乗る戦闘機械――ティーシャ。同時に、その身からはドローン群が展開され――更に周囲からも戦闘機械や防衛機構の起動する気配がする。侵入者たる√能力者に対する防衛体制は当然の如く揃っているということか。
「此処まで来たということは、スカー・スカーレットを退けてきたということだろう。ならば、一切の加減は無用だ」
 √能力者達に向けられるティーシャの視線に油断や慢心は無い。加え、悪意や敵意も無い。純粋に、この|天蓋大聖堂《カテドラル》を守るという使命のもと、√能力者達と対峙しているということか。
 だが、殺意だけは強く感じられる。この場の√能力者の一人とて逃がしはしない、そんな決然たる意志。守護と殲滅、それこそがこの戦闘機械の在り方か。
「故に見せてやろう。蹂躙、殲滅とは如何なるものであるかを!」
 その意志を以て、ティーシャが、防衛機構が√能力者達へ牙を剥く。これを打ち倒し、戦闘機械の生産機構を破壊するべし。

※第三章は三ッ池公園のカテドラル・グロンバイン内にて『ティーシャ・エフェル』とのボス戦です。
※戦場は|天蓋大聖堂《カテドラル》の内部となります。地上部は√EDENの三ッ池公園とそう変わりの無い自然公園、天井部は戦闘機械群の生産工場となっています。重力制御により天井も普通に歩けます。
※ティーシャのみならず、戦闘機械や防衛機構の攻撃もありますのでご注意ください。
夜久・椛
ん、攻撃が今まで以上に苛烈だね。

「重要拠点だからな。こんな時こそナハトの出番だろう」

ん、了解。出し惜しみはなしだね。

御伽図鑑と【錬金術】でナハトを召喚し、乗り込んで【操縦】。

まずは【幻影使い】で周囲に幻影を展開し、敵を撹乱。
幻影に【催眠術】も仕込んで攻撃を誘導し、戦闘機械の同士討ちも狙うよ。

敵の攻撃は【野生の勘】で見切り、【残像】を使って回避。
もしくは、影の怪を発動して、影に潜って攻撃をやり過ごすよ。

隙を見て、敵の足元や周辺の影を操り、複数の槍状に伸ばして【貫通攻撃】で貫きその場に固定。
【2回攻撃】の追撃で、紅月に風の【属性攻撃】を付与して、烈風を【衝撃波】とともに撃ち出して吹き飛ばすよ。
ティファレト・エルミタージュ
さて、オーラム逆侵攻もケリがついた
通信網破壊作戦も控えてある
速球に、ケリを付ける!

右手の親指の腹を牙で傷つけ、一筋の流血を描くと同時…指定した対象の√能力を侵食し支配する菌類が流血を媒介として放射
カビの胞子の加速度は最高で重力の18万倍に達するとか
そうでなくとも、√能力に干渉して侵食・支配するこの√能力は脅威なのは間違い無し

菌類によって支配した『視聴覚共有型無線ドローン』を逆にジャックし、『ティーシャ・エフェル』を物理的に攻撃すると同時『視聴覚共有型』である事を活かし、奴の視聴覚を菌類で侵食して支配して攻撃しよう

視聴覚ジャックの√能力も欲しいな
そんな風に呟きながら、菌類を操作していくーー
オリヴィア・ローゼンタール
最後の門番ですね!
かなり消耗していますが、【気合い】と【根性】で【元気】出していきましょう!!
真っ向勝負です!(勇気・覚悟・闘争心)

ドローンは有線、独立機動よりは可動域に制限がある筈
【ダッシュ】に【ジャンプ】や【スライディング】を混ぜた三次元的な機動で距離を詰める
ま、流石に絡まったりしてくれるほど、都合よくはないでしょうけど!
ドローンの高周波振動をしてない部位を【踏みつけ】て壊す!

音を探知してホーミング……なら!
【爆炎拳】で地面をぶっ叩く!! 狙いは副次効果の爆裂状態!
探知率を半減させて、さらに爆発の轟音と閃光で音と光の探知力を阻害!
この隙に――【捨て身の一撃】【怪力】でぶん殴る!!
八木橋・藍依
※インビジブル化して戦う
ティーシャ・エフェルだけでなく
戦闘機械や防衛機構の攻撃にも対処した方が良いですね
発見次第、破壊&無力化します

天井も歩けるなんて面白い場所ですし
移動しながら戦うことにします

敵の各種能力も油断ならない
√能力「亡き友の為に」を使用
レベル・能力値・技能値を2倍にして、更にG28を入手します

基本はHK416で攻撃を行いながら
3種類のボムやG28も使用して敵を追い詰める

暴虐無尽に対しては電撃耐性と環境耐性の技能で耐える
もし引き付けることが出来るなら
零距離射撃を行いながらタンク役も担うとしよう
領界侵犯には千里眼カメラで応戦を行い
蹂躙武闘には早業・視力などの技能で確実に攻撃を命中させる

「目標、正面の人類型生命体及び|少女人形《レプリノイド》計四体。殲滅を開始する」
 ティーシャ・エフェルの淡々とした宣言と同時、草木の合間から銃口を覗かす機銃が一斉に火を噴き、天井の生産工場から次々と戦闘機械が降下してくる。ティーシャ自身もまた、己の指揮下にある無線ドローンを放ち、√能力者達への攻勢を成す。
「ん、攻撃が今まで以上に苛烈だね」
『敵にしてみれば重要拠点だからな』
 鵺として有する野生の勘を駆使して弾丸の嵐を凌ぎながら|夜久・椛《やどめ・もみじ》(御伽の黒猫・h01049)が呟くに、その尾の蛇たるオロチが応える。敵の攻勢は想像以上の苛烈さ、いつまでも凌ぐことは恐らくできまい。
「流石に最後の門番……ですが!」
 迫り来る戦闘機械を己が鉄拳で以て叩き伏せ、その機体で弾雨を防ぎつつオリヴィア・ローゼンタール(聖なる拳のダンピール・h01168)は声を張る。己も他の√能力者達も、此処までの攻勢によって相当に消耗している。だが、故にこそオリヴィアは気炎を吐く。気合と根性で以て活力を高める為に。
「勝利までは後少し! 真っ向勝負です!」
「ああ、速攻でケリを付けるとしよう」
 オリヴィアの呼びかけるに、|ティファレト・エルミタージュ《Tiphereth・Hermitage》(|真世界《リリー》の為に・h01214)も是を返す。彼我の戦力差に大きな開きがある以上、長期戦は不利。なれば期するべきは速戦だ。
「援護はお任せを」
 なれど戦闘機械や防衛機構を捨て置くも良くはない。引き続き兵士時代の姿を取る|八木橋・藍依《やぎはし・あおい》(常在戦場カメラマン・h00541)は其への対処を期すると共に、己の半身たる|アサルトライフル《HK416》を撃ち放ち、公園内に紛れた防衛火器を破壊してゆく。
「ん、出し惜しみは無しだね」
『そうだな、こんな時こそナハトの出番だ』
 椛とオロチが応えると共に、両者の身は猫にも似た人型機械の内へと収まる。椛が御伽と錬金術の力で呼び寄せた錬成機兵『ナハト・カッツェ』、通称ナハト。猫の目じみたアイカメラが紫の輝きを帯び、起動状態たるを示す。
「お前達の全力で来るか。ならば其をも蹂躙し殲滅する!」
 そんな√能力者達の動きを見て取ったティーシャは、展開せしドローン群よりレーザーを一斉発射。空中で軌道を曲げた無数の光条が、雨の如く√能力者達へと降り注ぐ!
「何の! おおおお!」
「この程度ならば――」
 なれどオリヴィアは怯むことなくティーシャ目掛けて真っ直ぐ疾走。ティファレトも其に続く。降り注ぐ光雨が二人の全身を貫き裂くが、致命部位は避けている。戦闘続行に支障は無く。寧ろ。
「――侵食し、支配してくれよう」
「………!?」
 ティファレトが腕を振るい、己の身より流れる血を空中に放つと同時。追撃の高周波ブレード斬撃を繰り出さんと飛翔していたドローン群が、突如その動きを止める。何が起きたのか。異変を悟ったのは無論のこと、ドローンの主たるティーシャだ。
「制御が……乗っ取られた、だと!?」
 その驚愕を証立てるかの如く、ドローン群が再び動きだしたと思えば、主たるティーシャの方へと向き直る。それらドローン群の共有視聴覚が、靄めいたノイズに覆われてゆくのを知覚する。
 其はティファレトが生み出せし、己の受けた√能力を侵食支配する菌類。√能力によるものであれば、機械であろうと其を逃れることは叶わぬ。以て掌握したそれらを、本来の主たるティーシャへ向け突撃させる。其処に備わる高周波ブレードで以て斬り刻む為に。
「ちぃ……っ!」
 回避行動を取るティーシャだが、数での攻勢は全てを凌ぐに厳しいようで。その身の装甲に幾つもの斬痕を刻まれ、確かなダメージを重ねられてゆく。
『ん、此処がチャンスだね』
「ええ、畳みかけます!」
 掌握されたドローンへの対処に追われるティーシャへ追撃をかけんと、椛操るナハトが駆けてくる。疾走を続けていたオリヴィアと並走し、傷ついた少女戦機へと攻撃を仕掛けんと――
「――迂闊だな!」
 だが其を見て取ったティーシャ、ドローンの突撃を躱すと共に左腕を振りかぶる。その腕に備わる機構より、バチバチと電光が迸ったと見えた、次の瞬間。
「我が電光にて焼け焦げよ!」
 左腕を二度振り抜くと共に、迸る電光が高圧放電となって撃ち放たれ。二重の電撃波が戦場の大気を灼きながら、√能力者達へと襲い掛かる!
「おおおお……!」
「ぐぅ……っ!」
 地を踏みしめて踏ん張り、身を焼く電撃に耐えるオリヴィア。流石に凄まじい威力だが、此処で倒れるわけにはいかぬ。気合で以て根性を振り絞り耐える。
 ティファレトもまたその身を焼かれ傷を負い――同時に悟る。ドローン群を支配下に置いていた菌類群が死滅した事実を。敵の√能力を侵食支配する強力な効果の代償は、其が極短時間の間――一度使用する程度の間しか持たぬこと。脅威には違い無いが、長時間持続するものではないのだ。
 そして彼女へ追撃をかけんとばかり、上方の工場から戦闘機械の群れが降下してくる。重力の向きが変わると共に、備わる砲塔をティファレトへと向け――直後、爆発する。
「仲間達に手出しはさせません」
 √能力で呼び寄せたスナイパーライフルを構える藍依が言い放つ。彼女もまた、先の電撃で傷を負ってこそいるが、それ以上に、より一層の力がその身に滾っているのが見て取れる――インビジブル化を果たしているのだ。以て放つスナイパーライフルの威力は一層の高まりを得て、量産型の戦闘機械ぐらいならば一撃のもとに破壊が叶う。
 更に藍依は、携えたる|爆弾《ボム》群からひとつを取り出し上空へと投げ放つ。高まった腕力で投げた其は、一定高度に至った処で天井側の重力に引かれて上昇を開始。増援として地上側を目指していた戦闘機械の群れと交錯し――爆発。戦闘機械を纏めて吹き飛ばしてみせた。
 なれど地上へ到達を果たした戦闘機械も多い。ティーシャの周囲へと降り立った戦闘機械の群れは、態勢を立て直したばかりのオリヴィアへ追撃をかけんと、その身の火器を展開し発射する――が。
「………?」
 オリヴィアは瞳を瞬かせる。戦闘機械はいずれもがオリヴィアとは別の、全く明後日の方向へと銃撃砲撃を放っている為だ。中には別の戦闘機械を誤射してしまっている者さえいる。
「――幻影か」
 ティーシャが唸る。周囲一帯に展開された幻影が、オリヴィアの居場所を本来とは全く別の位置へと誤認させている。だが誰が?
『ん、その通りだよ』
「っ!」
 背後から声。咄嗟に身を翻すティーシャだが、振るわれた紅刃が装甲を浅く斬り裂く。その主を見据えれば、其処には椛操るナハトの姿。行使せし√能力で以て影に潜り先の電流攻撃を無傷で凌ぐと共に、地上には幻影を展開し撹乱。更には敵の背後より飛び出しての奇襲をかけたのだ。
『機械でも幻影や催眠には引っ掛かるらしいな。高性能が仇となったというべきか』
 更にはオロチの語る通り、この幻影には催眠効果もある。以て別の戦闘機械を√能力者と誤認させることで同士討ちを誘ったという訳だ。
「成程、やってくれる――だが!」
 感心するかのような声音を漏らすティーシャだが。その下半身の装甲が展開されると共に、その内の銃火器と高速移動ユニットが稼働を開始。全身の装甲が赤熱の輝きを放つ。即ち蹂躙舞踏モードだ。
「ならば我が手で以て、確実に殲滅するのみだ!」
 己には幻影も催眠も通用せぬとばかり言い放つや、展開せし機関砲を掃射。オリヴィアの在る一帯を薙ぎ払いにかかる。
「何の!」
 其に対しオリヴィアは跳躍回避。だが前を見れば、制御を取り戻したドローン群が己を狙っているのが見える……!
「捉えたぞ! ドローン群、今度こそかの娘を仕留めよ!」
 機関砲を椛のナハト目掛けて掃射しつつ戦場を飛び回りながら、ティーシャはドローン群へと命令を発する。オリヴィアの着地音を頼りに彼女を撃て、と。
「そうは――いきませんよ!!」
 なれどオリヴィアは其への対策を構えていた。握り込んだその手に炎が灯り、一気に凝縮され――
「爆! 裂ッッ!!」
 地面へと降下するより一瞬前――その拳で以て、地面を思い切り殴りつけた!
 直後に巻き起こる大爆発。其れは凄まじい爆音と閃光で一帯を席巻し――
「――ちぃ……っぐ!?」
 よろめくティーシャ。彼女自身の影響は大きくないが、それでも数瞬の足止めを余儀なくされ、ドローン群に至ってはまともに影響を被って機能不全に陥った。
 狂いかけた知覚を立て直し、再度動かんとしたティーシャだが――其処に、影より生じた槍が機体を貫き。その機動を封じにかかる。椛の√能力の一端、影を操り武器と成す業だ。
 受けたダメージ自体も低くはなく、更にこうして動きまで封じられた標的。即ち、今こそ好機。
『行くよ――!』
 椛は今こそ好機とばかり刀を構える。その紅き刀身が纏うは、強力な風の属性力。
「このまま一気に畳みかけます……!」
 オリヴィアは拳を構え、改めて疾走。己ならば、妨害があろうとも其を突破しきる自身アリとばかりに構え、拳を振りかぶり――
「くっ、このままでは――ガッ!?」
 それらを前に、己らの被害へを食い止めんと脱出を試みるティーシャであったが。其処へ飛来したライフル弾に胸を貫かれ大きなダメージを追う。その狙撃の主は、無論のこと。
「――ヒット。逃がしはしません」
 戦場たる一帯の端、構えたスナイパーライフルの照準越しに藍依は呟く。戦闘機械や防衛機構の排除の合間、ティーシャへと狙撃を仕掛ける事で直接戦闘を仕掛ける者達への支援を成したのだ。
「受けてみなさい、私の拳……おおおおぉぉぉ!!」
『思いっきり、斬り裂かせてもらうよ……!』
 そして其へ続かんとばかりに迫るオリヴィアと椛。膂力の限りを込めた捨て身の拳の一撃が、猛烈な衝撃を以て叩き込まれ。吹き飛んだティーシャへ更に浴びせられる烈風の衝撃波が、全身を斬り裂いて。いずれも、少なからぬダメージを、その機械仕掛けの身に齎していった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
【肉】
「ふむ……名乗られた分は返しておくべきでしょうか。
ディラン・ヴァルフリート。
差し支えなければ、何の為に植物を栽培しているのか……伺っても?」

答えは期待しませんが。
麻薬や生物兵器という可能性もある以上
後でサンプルの回収を試みても損は無いかと

《第六感+情報収集》で死角を補い敵軍に対応
攻撃には《オーラ防御》纏い《受け流し》、
此方からは装備[飛葬殲刃]に[錬気竜勁]《ハッキング+属性攻撃》
切れ味強化と共に雷電を浸透させ
ドローンや防衛兵器全般の破壊・連携不全を誘発
確実に手数を削ります

叢雲さんの√能力に合わせ【畏刻】X=3
敵本体が釘付けにされているところを
標的のみ滅する特大の閃光で墜としましょう
天・叢雲
【肉】
勇ましいお嬢さんですね。
ならこちらも全力で挑まねば不作法というもの。

けどその胸部、キャラクリでスライダーを端っこにした感じ?
蹂躙と殲滅に何の関係あるんですエェーッ。

🔵
軽く嗾けつつ、周囲を観察し情報収集。
敵攻撃や防衛機構らの援護を見切り、第六感も活かし迎撃や回避に専念。
躱せぬ時は太刀で受け流し、霊的防護で致命傷だけは防ぎます。

そして相手が追い詰めたと思って食い付けばしめたもの。

転瞬、【万斛血涛】で大蛇に化け、敵群へ反撃開始。
噛み砕いて捕食、横薙ぎに首を払い、妖気の限り暴れます。

ティーシャにも首伸ばし包囲足止め。
突破されぬよう牽制しつつ、ディランさんの攻撃に繋げます。
本命の一撃、頼みます。

「各部損傷状況確認……戦闘続行に問題無し」
 先に交戦した√能力者達の攻撃で受けた傷を確かめるティーシャ・エフェル。その傷は決して浅いものではないが、挙動には未だ余力も窺える。
「流石に一筋縄ではいかない相手……ですね」
「勇ましい様相に違わぬ実力の持ち主、のようで」
 その様相を確かめつつ、新たに二人の√能力者が彼女の前に現れる。両者共に油断なく周囲を確かめ、防衛機構が何処から現れるかと警戒しつつも。
「とはいえ……名乗られた分は返しておくべきでしょうか」
 二人のうちの片割れ、ディラン・ヴァルフリート(|義善者《エンプティ》・h00631)はティーシャに視線を合わせつつ呟く。先の彼女の名乗りを受けて、己が名乗りを返していないことを思い出した様子。
「僕はディラン、ディラン・ヴァルフリート。差し支え無ければ、この公園で何の為に植物を栽培しているのか……伺っても?」
 故に名乗りを伝え、続いて問いを投げる。生命を自動攻撃する戦闘機械都市に在って、攻撃を受けることもなく枝葉を広げ花を咲かせる公園の植物群。何らかの意図を疑うのは自然な事と言えた。故の問い。
「私には必要の無い情報だ。故にその問いへの答えを私は持たん」
 なれどティーシャは表情を変えることなく淡々と、己も知らぬとの答えを返す。とはいえディランも特に期待はしていない。只々、興味があっただけな故の問い。とはいえ。
(麻薬や生物兵器……という可能性もありますね。後でサンプルの回収を試みましょうか)
 そう心中で算段しつつ、周囲に幾つもの剣を浮かばせる。『飛葬殲刃』、此度のディランの得物たる無尽の剣群。
「はじめまして、勇ましいお嬢さん。天・叢雲といいます」
 続いて今一人の√能力者、|天・叢雲《アメノ・ムラクモ》(咒滓・h00314)もまた、ディランに倣って名乗りを上げる。かの戦機の、人間の少女と差異無き造形に言及しつつも。
「こうも堂々立ちはだかって来られるならば、全力で挑まねば無作法というもの」
 太刀を抜き、構える。如何にかの戦機の造形が女性として魅力的と言えど、敵であることには変わり無いのだから――
「――けどその胸部、キャラクリでスライダーを端っこにした感じ?」
「「………?」」
 だが叢雲、唐突に宣った。対峙するティーシャと並び立つディラン、共に怪訝そうな表情をする。確かにティーシャの胸部はなかなか豊かに膨らんでこそいるが。
「その胸部と蹂躙と殲滅に何の関係あるんですエェーッ?」
 構わず続ける叢雲、だが其処でディランは気付く。その視線は、今まさに話題にしているティーシャの胸部でなく、戦場一帯へ油断なく向けられていることに。どうやら、奇矯な物言いは其を悟らせぬ為の演技か。
(ならば、僕は――)
 素早く視線を巡らせ、届ききらぬ部分は直感で補う。駆動する迎撃機構、降下してくる戦闘機械、その数と布陣。叶う限りでの把握に努める。
「無意味な質問だ。私の造形が如何であれ、為すべきは同じ」
 とはいえ時間稼ぎも此処までらしい。叢雲の問いを切って捨て、ティーシャはドローン群を展開。天井より降り来た戦闘機械がディランと叢雲を捕捉したと見た、次の瞬間。
「――蹂躙し、殲滅するのみ」
 防衛機構が機銃や光線を撃ち放ち、戦闘機械群も各々の搭載火器を斉射し始める。其を潜るように、高周波ブレードを展開したドローン群が迫り来る!
「そうはいきません……!」
 なれどディランも時同じくして動く。周囲へと浮かべた刃群に雷電を纏わせれば、敵群目掛けて一斉に射出。疾る刃は防衛機構の砲台群に突き刺さったこれを沈黙せしめ、更に其処を起点として周囲へ雷電が迸る。
「助かります……!」
 雷電を受けた戦闘機械の挙動が乱れ、ドローンも数機が墜落。以て密度を落とした弾幕の間を、叢雲は直感と見切りを駆使してすり抜けてゆく。
「ッ!」
 其処へ刃翳し飛来するドローン。回避の流れから太刀を振り抜き突撃に合わせれば、金属製であろう飛翔兵器が鮮やかに両断されて地に落ちる。
「……数が、多い……!」
 なれども戦闘機械は次から次にと現れ襲い来る。纏うオーラで攻勢を凌ぎつつ反撃を繰り出すディランだが、手数を削ることで凌ぐ余地を生むがやっと。迫る敵群を殲滅しきるには至らない。
「流石に、これは……」
 叢雲も身に纏った霊気でドローンの誘導レーザーを凌ぎつつ回避を繰り返すものの、回避し距離を取る都度、更なる戦闘機械が詰めてくる。
 やがて二人は公園の一角へと追い詰められる。背後には建造物の壁面、正面は全域に渡って戦闘機械に埋め尽くされている。突破するにもどれ程の損害が生ずるか――
「終わりだ」
 淡々と宣告するティーシャ、其に続いて、戦闘機械が一斉に射撃を、或いは突撃を繰り出し――
「――いいえ」
 だが、其処にきて叢雲の口角が吊り上がる。次の瞬間、其は裂けんばかりに大きく広がり――否、叢雲の身体自体が、爆発的に膨張しながら変異してゆく。
 やがて至ったその姿は、八の首と八の尾を有する巨大な蛇。神話に伝わる大蛇を思わす、『オロチ』の名に恥じぬ威容。放たれてきた弾丸や光線がその巨躯に着弾するも、掠れや焦げのひとつさえ生ずることなく。
『Syyyyyyyyyy!!』
 お返しとばかり、咆哮と共に八ツの首が躍動する。開かれる顎はドローン群へと食らいつき、菓子か何かの如くその機体を嚙み砕く。振るわれる蛇体は地を薙ぎ払い、戦闘機械を纏めて吹き飛ばす。
「な……! このような切り札があるとは……!」
 ティーシャは左腕から電撃を放ち迫る首を撃つも、やはり痛痒のひとつさえ齎せず。戦闘機械を一掃して尚も猛る大蛇の八首、怒涛の如く襲い来る顎を凌ぐが精一杯。瞬く間に、壁際にて八の顎に包囲されるという、つい十数秒前までとは正反対の状況まで追い詰められる。
(今です……ここが好機……!)
 其を見て、叢雲に合わせ反撃に出ていたディランが仕掛ける。大蛇と化した叢雲は圧倒的な戦闘力を発揮するも、其は夥しき妖力の消費と引き換えだ。この攻勢がいつまで維持できるかは分からぬ、今のうちにありったけを叩き込むべし。
「ただ、悪のみが滅する――」
 ディランの背後より首を擡げるは、三つの竜の顎の幻影。実体は持たずとも確かな力を漲らすその竜が顎を開けば、内より溢れる輝きが大蛇と睨み合う戦機へと狙い定め。
「――世は全て事も無し」
 直後、輝きは滅却の閃光と化して解き放たれる。其は叢雲の蛇体を傷つけることなく透過して、真っ直ぐにティーシャ目掛けて迸り――
「くっ、あれは……あぐっ!?」
 其を認めたティーシャ、あれだけは受けてはならぬと回避を試みるが。動いた処に喰らいつく大蛇の顎が、回避機動を妨げながら柔肌と見える上体へと牙を食い込ませ。
 動けぬ処に、浴びせられる閃光。其が戦機の全身を焼き焦がし、夥しき損傷をその身へと齎していった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

和紋・蜚廉
サン・アスペラと(h07235)参加。

サン、汝の疾走に迷いは不要。我が共にある限り、報いはこの殻が受け取る。だからこそ、汝はただ陽の如く突き進め。

サンが翼で戦場を照らし、我は因果蝕装を発動。外骨格は因果の天秤と化し、敵の攻撃の一部を我に傾ける。サンに届くはずの痛みを肩代わりし、蓄積は宿業返還として呪詛の拳へ積み上げられる。

蟲煙袋で機械群の視界を覆い、斥殻紐で足を絡め取る。跳爪鉤で義体を引き寄せ、甲殻籠手で押さえ込み、殻突刃で装甲を裂く。雑魚は物理で処理し、翅音板はティーシャ本人へ響かせ、精神を揺らし照準を乱す。

「宿業は逃れられぬ。報いは必ず返す」

穢導閃の加速衝動を練り込み、拳に速度と呪詛を圧縮する。サンが捨て身で隙を作る刹那、潜響骨と翳嗅盤でその意志を読み取り、声になる前に踏み込む。

因果蝕装の宿業返還と穢導閃の拳打が重なり、蓄えた痛みを二倍の衝撃として叩き込む。因果の天秤は大きく傾き、義体装甲を砕き沈める。

「陽が照らし、隠が断つ。役割は違えど決着は一つのみ」

残るのは屑鉄と化した骸のみだ。
サン・アスペラ
蜚廉の旦那(h07277)と共闘!

私が迷いなく突っ走れるのは、蜚廉の旦那が共に闘ってくれているから、信じてくれているから。その信頼に応えるためにッ!

アルティメットサンモードと陽翼モードを同時発動!
我が名は太陽の翼を背負いし究極の戦士――アルティメットソーラーサン!
声量2倍の名乗りを上げたら、いざ突撃!

戦闘機械?防衛機構?生産機構?全部まとめて溶け落ちろぉおおお!
レベル2倍×レベル範囲m!太陽の翼は広範囲をまとめて焼き尽くす!雑魚の攻撃も機動力で避けきる!飛び回って全部燃やす!

ティーシャ!これ以上この施設を壊されたくなければ、今すぐ私を止めてみろ!
ティーシャの攻撃も躱すか、避けきれない場合はオーラ防御+根性で耐え凌ぐ。隙があれば殴りにいく。

ティーシャは大暴れする私をきっと見過ごせない。√能力の照準も私に向いて来るはず。私に注意が向く度に、旦那の攻撃が奴を削っていく。私は陽動、本命は旦那ってこと!

旦那の大技を当てるため最後は捨て身の一撃!
旦那なら意図を察して動いてくれる!

終わりだティーシャ!

 巨大な天蓋を有するが故に陽光の届かぬ|天蓋大聖堂《カテドラル》。だが、今此処に顕現した光は、まさしく陽光の如く天蓋の下を照らし出す。
「我が名は太陽の翼を背負いし究極の戦士――アルティメットソーラーサン!!」
 陽光の中心、背にその源たる翼を広げ空に浮かぶサン・アスペラ(ぶらり殴り旅・h07235)、その力強い名乗りが天蓋全域へ響き渡る。アルティメットモードと陽翼モード、自己の強化を為す二種の√能力の同時発動。以てその身に滾る力は、爆発的なまでに高まっている。
「この施設は徹底的にブチ壊させてもらうよ! 覚悟しろ!」
 宣言するや、陽翼を羽ばたかせ飛翔開始。光と共に放射される熱は物理的な破壊力を伴い、戦場の広範囲へと浴びせられ。以て|天蓋大聖堂《カテドラル》内の至る処で火災が、爆発が発生する。サンを迎え撃たんとした防衛機構や戦闘機械が次々と炎上、或いは爆発しているのだ。辛うじてサンの認識を外れた防衛砲台が彼女目掛けて砲撃を行うも、機動力も大幅に高まった彼女を捉えることは叶わず。彼女の認識に入ったことで、即座に炎に包まれ焼け落ちてゆく。
「ティーシャ! これ以上この施設を壊されたくなければ、今すぐ私を止めてみろ!」
「成程、確かに私でなくば止め得ないと判断する」
 指揮官たる戦機へと挑発じみて叫ぶサンを認め、名を呼ばれたティーシャは動く。飽くまでも戦況を見ての冷静な判断だが、意識をサンへ向けたのは確か。その左腕へと、電光が迸り――
「撃墜する――」
「そうはいかん」
 だが、其を撃ち出すと同時。ティーシャの眼前へ飛び出した影が在る。漆黒の外骨格にてその身を鎧った蟲人――|和紋・蜚廉《わもん・はいれん》(現世の遺骸・h07277)だ。
 蜚廉の拳がティーシャを鋭く打つと同時、ティーシャの腕から迸った電撃が蜚廉の身を灼く。放電は空中へまでも及び、飛翔するサンを捉えるが。
「この程度ッ!」
 オーラの護りも貫いた電撃がサンの身へ至るが、其処に生じた痛みは微小。その翼は勢い衰えることなく空を舞い、施設を、防衛機構を焼き焦がしてゆく。
「命中……だが、損傷軽微……?」
 敵が何らかの防御能力を持っているとはいえ、与えた被害は想像以上に軽い。訝しむティーシャの身を、再度の拳が揺らす。
「……っ!」
「かの翼を落としたくば、我を乗り越える事だ」
 拳を振るいながら距離を詰めにくる蜚廉から距離を取りつつ、ティーシャは彼へと視線を向ける。全身至る処が灼け、確かなダメージが齎されているのが見て取れる。だが眼前のこの蟲人は、其を苦とせぬかの如く前進し続ける。愚直なまでに。
「言われるまでもない。この放電、幾度も耐えられるものではないぞ」
 再度左腕に電荷を纏わせ放出せんとするティーシャ、然し。
「私を放っといて、折角の|天蓋大聖堂《カテドラル》を丸焼けにさせるつもりかな!」
 空中で陽熱を撒き散らし続けるサンの声に、僅かに眉根を動かす。確かに、己の役割たるこの|天蓋大聖堂《カテドラル》の守護を忘れるわけにはいかない――
「言われるまでもない。二人纏めて殲滅してくれよう」
 蜚廉から距離を取りつつ、左腕を振るう。放たれる高圧放電が、地上の蜚廉と空中のサン目掛けて迸り、其々の身へと浴びせかかる。
「……やはり、妙だな」
 電撃は真っ向前進を続ける蜚廉と回避を試みたサン、両者を其々に捉えるが、齎した損傷度合いに差があり過ぎる。蜚廉には充分なダメージが入ってこそいるが、サンへのそれは驚く程に軽微。両者の防御行動の差と言うにも顕著過ぎる――
(――因果の天秤は、彼女への傷を我へと傾ける)
 二度の電撃の直撃を受けつつも、蜚廉は怯むことなく前へ出る。振るった腕から放たれる砂袋が爆ぜ、僅かに残った戦闘機械の視覚を潰す。
 今の蜚廉は、√能力の発動を以て外骨格を因果の天秤へと変じせしめている。以て、受けたるダメージをその身へと蓄積すると共に、サンの受けたダメージをも肩代わりしているのだ。もうひとつの√能力によってダメージの影響を先送りしているが故にこそ可能な戦術。なれど、仕掛ける機を違えれば、無為に斃れる羽目となるリスクも伴う戦術。
(サン、汝の疾走に迷いは不要。我が共にある限り、報いはこの殻が受け取る)
 斯様な戦術を選んだのは、偏にサンへの信頼が故。かの陽翼をありのまま羽ばたかせる為。その意志のもと、再度ティーシャへと肉薄し。
「ちっ、しつこ……ッ!?」
 其を嫌い距離を取らんとしたティーシャ、だが其が失敗に終わったことを悟り、瞳が僅かに見開かれる。その右腕を、蜚廉の脇腹から伸びた副腕が捕らえ、引き寄せたのだ。
「宿業は逃れられぬ」
 そのまま籠手纏う腕で抑え込み、突起備わる膝を叩き込む。腹部装甲を突起刃が鋭く抉り、確かな手応えを膝へと返す。
「ぐぅ……っ! だが……!」
 呻きを漏らすティーシャ、だがそれでも崩れることはなく反撃を試みる。電荷纏わぬ左腕で蜚廉の胸を打ち、その反動を利して拘束を脱出すると。
「いい加減に……落ちろ……!」
 再度の放電攻撃を両者へ向けて撃ち放つ。三度高圧電流をまともに浴びた蜚廉の足が止まる。なれど、膝は折れぬ。
「――報いは必ず返す」
 其は只の恨み言ではない。その外骨格にダメージが蓄積されるごと、因果の天秤は宿業という名の呪詛を溜め込んでゆく。解放の時を、待ちわびるかの如く。
(――サン。汝はただ陽の如く突き進め)
(――そうだ!)
 そして。その引き金を引くは彼女をおいて他に無し。心中での呟きは、そんな彼の様相を視界に収めたサンの意志と重なる。先の放電も傷少なく凌いだ彼女は、地上の戦況を見て取り己の為すべきを改めて任ずる。
(私が迷いなく突っ走れるのは、蜚廉の旦那が共に戦ってくれているから――信じてくれているから)
 だからこそ、かの強大なる簒奪者を独り引き受けてくれているのだ。そして、己ならば仕掛けるべき最良の機会を見失わぬ筈、と。
 足を止め、なれど膝を屈さぬ蜚廉。その様子を確かめ、更なる追撃を為さんとするティーシャ。ならば――
(――その信頼に、応えるためにッ!)
 地上、ティーシャを目掛けて一直線に飛翔。√能力で生み出せしガントレットを纏った拳を大きく振りかぶるその姿は、仲間に止めを刺さんとする敵を阻止せんと捨て身の突撃を仕掛けるが如し。
「愚かしい――」
 己も其を待っていたと言わんばかり。ティーシャは左腕をサンへと翳し、放電を浴びせかけんとして――瞬間。その身に、猛烈な衝撃が襲い来る。
「――陽が照らし、陰が断つ。役割は違えど、決着は一つのみ」
 其を成したは、無論のこと、蜚廉である。まさに瞬刻――そうとしか知覚できぬ程の速度で以て、その拳を戦機目掛けて叩き込んでみせたのだ。
 此処までに蓄積された痛み、そして因果の呪詛。更に疾走殻の軋みが齎す加速衝動の蓄積。その全てを解き放って繰り出す、速度と質量と因果とが融合した渾身の一撃。因果の天秤は大きく傾き、義体装甲を大きく歪ませ、粉砕し。
「――っああぁぁぁぁ!?」
 以て、ティーシャの身を大きく吹き飛ばす。先送りしていたダメージの反動にて遂に膝をついた蜚廉、その頭上を飛び越え、吹き飛ぶ戦機をサンが追う。
「まだまだ……!」
 限界加速と共に、振りかぶる拳へ渾身の力を込める。吹き飛ぶティーシャが、施設の壁へと叩きつけられた、まさにそのタイミングを狙い澄まし。
「終わりだ、ティーシャ!!」
 全力全霊を込めたサンの拳が、ティーシャの胴部――蜚廉が一撃を加えたその位置を狙い違わず打ち据えて。背後の壁が粉砕される程の衝撃を、戦機へと叩き込んだのである。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

レミィ・カーニェーフェン
要所だけあって強敵が沢山ですね……!
ですが、生産工場はもう見える位置にあります!
目的を成し遂げて、そして無事に帰りましょう!

ティーシャだけではなく、戦闘機械や防衛機構の攻撃もある以上、引き続き【隠忍静歩】は必須ですね。
高周波ブレードに巻き込まれないよう十分な距離を取りつつ、【隠忍静歩】で探知を防げば【領界侵犯】も防げそうです。

こちらからの攻撃は……【隠忍静歩】の解除が難しい状況ですし、[援護射撃]でのサポートに回った方が良いかもしれません。
[スナイパー][弾道計算][跳弾]を駆使した射撃で、ティーシャの行動の出端を挫いたり、展開されたドローンを撃墜したり、防衛機構からの攻撃を逸らしたり。
本人にダメージを与えるのは難しいかもしれませんが、行動を妨害するだけなら3分の1の威力でも足りるはずです。
そんな感じで、皆さんの行動を援護する方向で動くことにしましょう!

【アドリブ・協力歓迎】
水垣・シズク
あらら、おっかないですねー。
正直練度の高い相手って苦手で……あれ、私今回こんな事ばっかり言ってません?
なんか癪に障りますね、私も多少全力でお相手しましょう……絡め手でね。
【神核混淆】を発動、眷属達を束ねて強化し、【機怪操術『制御権書き換え』】で防衛機構を纏めて乗っ取って攻撃を仕掛けます。
防衛機構を止めただけでも皆さんの支援にはなるでしょうし、高圧放電やら銃火器やらで施設を破壊していただけるならそれはそれで万々歳、他の戦闘機械やまだ破壊されていない施設に移動させて攻撃を続けさせます。

もちろん私は無防備になりますが、まぁいいでしょう、別に私を倒したところで彼らは止まりませんし。デコイになれるならそれはそれで役立つってものです。
ボーギー・ウェイトリー
・POW

・さぁてー…ここまでこっそりこっそり動いてきたのはこの時の為ー…なんちゃってー…とはいえ、ここまで隠れてきたのですからー…びっくりさせてあげましょうねー…神出鬼没らしくー…。

・とはいえー…やはりここに来ても物理ー…物理で解決するしかありませんねー…恐怖をこの相手に刻むのも難しそうですしー…それでも死角は存在するでしょうからー…そこからガツンとちょっとやっちゃいましょうねー…。

・まずは【7】を使って、物陰に隠れながらひたすら相手の認識の範囲の外に居続けましょうー…何せ、相変わらずドローンを使っている事に変わりはないようですしー…それならばこの状態の僕を完全に見つける事は難しいでしょー…。

・次に【11】を使って、隠密することで抑えている能力を攻撃の時だけ、部分的に、短時間だけ開放しますー…隠密第一ですからー…そこで解放のタイミングを合わせてー…うまくやっていきたいですねー…。

・最後にー…【3】を使って、右腕を10本、左腕を10本増やしましょー…これを高速でブンブン振り回せばー、滅茶苦茶高速で相手を殴りまくってる感じにー…こうすれば腕をブンブン高速で振り回してるって感じに誤魔化せるでしょうしー…。皆さんにあまり見せていいものでもないでしょうしねー…。

・後はー…物理で文字通りに止めるまでですー…。

「ちぃ……っ。やってくれる……!」
 その身に重篤な損傷を受けつつも、尚立ち上がるティーシャ・エフェル。その挙動には未だ衰えは見えず、どうやら戦闘継続には然程の障りは無いと認識するより他に無い。
「あらら、おっかないですねー」
 そんな戦機の様相を見て取り、水垣・シズク(機々怪々を解く・h00589)は軽い声音で呟きながらも、困ったような表情を作る。というのも。
(正直練度の高い相手って苦手で……あれ、私今回こんな事ばかり言ってません?)
 先程はスカー・スカーレット相手に単独では打つ手が無い、と判じていたシズク、どうやらティーシャに対しても相性の悪さを感じていたらしい。こうも相性の悪い敵ばかりと対面するとは――
「――なんか癪に障りますね」
 それがフラストレーションのようなものなのか或いは別の何かなのか、は分からないが。己の得意な戦い方ができないのは面白くない。
「私も多少全力でお相手しましょう」
 とはいえ強大な敵であるのは事実。己に可能な限りの全力を以て当たるより他に無し。その手を掲げれば、周辺の空間がぐにゃりと歪み――何やら不定形の姿をした怪異の群れが、這い出るように現れる。その数は実に100体以上。
「数を揃えるなど無意味。蹂躙し、殲滅するのみ」
 なれど多勢の敵を殲滅するは得手とばかり、ティーシャは戦闘態勢を取る。下半身の装甲から内蔵銃火器群を展開し、左腕の放電機構をアクティブとして電荷を纏う。シズク諸共怪異を薙ぎ払ってくれようとばかりの構え。
「ええ、マトモにやればそうなるでしょうとも。ですので――」
 だが真っ向勝負などシズクの考えには無い。ティーシャに応える言葉の終わらぬうちに、怪異の姿は瞬時に消え失せ――次の瞬間。
「勿論、搦め手でお相手しますよ」
「っ!?」
 ティーシャ目掛けて飛来するは無数の銃弾や光線、或いはミサイル。咄嗟に回避行動を取るが、完全な不意打ちというのもあってか、強化された機動力を以てしても全ては躱しきれず。展開した装甲の内側をレーザーに焼かれ、傷を負う結果となる。
「くっ……防衛機構が乗っ取られただと……?」
「ええ、制御は頂きました」
 尚も襲い来る銃撃や砲撃を躱しつつも、突然の事態に唸るティーシャ。その予想通り、これこそがシズクの取った策。先の怪異を周囲の防衛機構へと憑依させ、√能力にて制御を掌握。以てティーシャへの攻撃を指示したのだ。
「小癪な事を……!」
 絶え間なく襲い来る防衛機構の攻撃。其を躱し続けるティーシャだが、攻撃の手数は圧倒的。徐々にその身へ傷が重なる。ならば、とシズクへ視線を向けるが。
「ならば、お前さえ仕留めれば……!」
 左腕に纏う電荷を増幅し、シズクへ向けた攻撃を繰り出さんとする。対峙するシズクは平然とした表情を保つ。更なる策を構えているのか、とも見えるが、そうではない。
(まあ、私が倒されても彼らは止まりませんし)
 彼女は此度、己が狙われた際の対処を一切構えていない。完全な無防備状態。ティーシャが本格的に攻撃を仕掛けてくればひとたまりも無い状況でありつつ平然としているのは、他者を介さねば己自身を認識できぬ気質によるものだろうか。
 ともあれ、シズクが無防備ならば仕留めぬ手は無い。構えた電流による攻撃を、シズクへ向けて叩き込まんとして――
「―――ッ!? まだ敵がいるか……!」
 其処へ更なる攻撃。再びの意識外からの攻撃に、左腕装甲を撃ち抜かれ放電攻撃を中断させられる。放たれた攻撃は、防衛機構のいずれとも一致せぬ魔力の弾丸。ならば敵の新手か。
「敵を捕捉し、発見次第殲滅せよ」
 無線制御式ドローンを飛ばし、射撃者の所在を探らんとする。だが、その射撃者は――

(いいえ、見つかりはしませんよ)
 ティーシャの現在位置よりやや離れた、木々の合間の一帯。レミィ・カーニェーフェン(雷弾の射手・h02627)は此処で精霊銃を構え、ティーシャとその周囲の存在へ銃口を向けていた。
 今の彼女は√能力によって、直接視認されない限りその居場所を暴かれることの無い状態となっている。かのドローンが己の在る場所に来ようとも、肉眼によるものでない以上は彼女の存在を感知する事は叶わぬ。直接探しに行こうにも、シズクと彼女に制御を奪われた防衛機構への対処に手いっぱいだろう。
(とはいえ、今の状態では彼女に充分なダメージは与えられなさそうです)
 だが、そんな強力な√能力の代償として、レミィの攻撃の威力は常の3分の1に抑えられている。これでは一撃で如何こう、とはいかぬ。故に。
(でしたら――そこです!)
 レミィが照準に捉え、撃ったのは、ティーシャの周囲に展開されたドローンのひとつ。高周波ブレードにホーミングレーザーと、それ自体もそれなりに脅威となる兵器である。故にこれを排除することで、シズクへの援護となるはず。そう信じ、ドローン群を撃ち抜いてゆく、無論、一射ごとの移動は忘れぬように。
(生産工場はもう目の前……このまま目的を成し遂げ、そして無事に帰りましょう!)

(さぁてー――)
 そんな中、もう一人この場で動く者がいる。レミィのそれと同質の√能力にて潜伏中のボーギー・ウェイトリー(少年少女妄想・h04521)だ。
 此処までずっと隠密行動に徹し続けていた彼だが、此処にきても尚その姿勢に変わりは無し。何故なら彼はブギーマン、神出鬼没が持ち味の怪物ゆえに。とはいえ。
(やはりここにきても物理ー……物理で解決するしかありませんねー……)
 敵は比較的人間寄りの見目をしてはいるが、あくまで機械。恐怖を与えるのは厳しいだろう存在。なれども、彼らにも死角は存在するというのは此処までで把握済み。ならば、死角から手痛い一撃を叩き込むのみだ。
 ティーシャの現在位置付近、施設の影より様子を窺うボーギー。敵は機動力で防衛機構の攻撃を躱しつつシズクを攻撃しようとするも、都度狙撃に遮られうまく攻撃を仕掛けられていない様子。
 ならば仕掛け時か。其に備えんとばかりボーギーは更なる√能力を励起。その腕が、実に11本ずつにまで増大する。
 以て、機会を待つ。防衛機構の攻撃を躱すべく高速機動を続けるティーシャ、再びシズクへ攻撃を仕掛けんとその左腕を構え、電荷を迸らせる。仕掛けるならば今か。
(では……行きますー……!)
 更なる√能力を励起、以て隠密の√能力の代償たる移動力の低下を相殺。地を蹴り只管ティーシャを目指す。ティーシャ、再びレミィの狙撃を受け姿勢を崩す。ここだ。
「悪い子はー……ボコボコにしちゃいますよー……!」
「ぐおっ!?」
 シズクの背中側から、20の腕を振り回し殴りかかる。突然の衝撃、更にそれが立て続けに襲い来る攻勢。ティーシャは距離を取りその乱打から逃れんとするがうまくいかぬ様子。
(……うまく誤魔化せていれば良いですがー……)
 懸念するのは、己の姿を見た味方の反応。現状の己の攻勢は、本来の一本ずつの腕を高速で振り回しているように見えるよう誤魔化しているつもりだが。実際にそう見えているかは彼女達次第だ。
 なれども今は敵を打ち倒すことが第一。そのまま、逃れられるまで20の腕による攻勢を続けていくボーギーであった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​ 成功

アリエル・スチュアート
【生】
また女性型の戦闘機械、ね。
グロンバインはもしかして、そう言う趣味があるのかしら?
『スカーレットは黙って侍らされるようなタイプの女でしたかね…』

何れにせよティーシャだけが相手ではないのであればフェアリーズにも手伝ってもらうわ。
20体ほどをドローン操縦を活かしながら、周囲の戦闘機械や防衛機構への攻撃を行わせる。
空母からも援護射撃を行わせて、私も高速詠唱と魔力溜めの全力魔法で連携攻撃で同様に攻撃するわ。
各種攻撃に対してはオーラ防御やエネルギーバリアでやり過ごす。
特に蹂躙武闘モードには空母を割り込ませて阻害をするわ。

残りの15体ほどはこちらもドローン操縦を活かしながら、ティーシャの周囲を飛び交いさせ囮行動をさせるわ。
囮に釣られている間に不意打ちの高速詠唱の全力魔法で隙をつくわよ。

依緒さんやオルハートさんとの一斉攻撃を仕掛けるときは、高速詠唱と魔力溜めを込めた全力魔法のライトニングレイを、2人との連携攻撃を意識して放つわ。
ついでにティーシャの周りのドローンも巻き込めれば御の字ね。
伊和・依緒
【生】

いよいよラストだね。
ここが『|天蓋大聖堂《湧きポイント》』か。

向こうも準備はばっちりだけど、それはこちらも同じ。
そして敵が『蹂躙・殲滅』なら、こっちは『制圧・潰滅』で行こう!

え?言葉のイメージ悪い?
ま、まぁほら、わたしたちも正義の味方ってわけではないし?

でも――。
正義の味方ではないけど、物語の主人公ではあるんだよね!

【葦原中国】で主人公補正をかけながら、
わたし個人としては【見切り】【受け流し】と【ダッシュ】を使い、
さらにオルハートさんのサポート受けながら、敵に突撃をしかけるよ!

敵のmob軍はアリエルさんのドローンを信じていくね。

敵の懐に潜り込んだら攻撃を仕掛けるよ。
クライマックスはオルハートさんとアリエルさんの攻撃と連携して、
わたしは【リミッター解除】した【纏気掌】を叩き込むね。

フルバーストを喰らえっ!

そしてピンチになった時は……ヒロインを守るのは主人公の特権!
【オーラ防御】と【鉄壁】でオルハートさんを【かばう】よ。
わたしの|オルハートさん《ヒロイン》には手出しさせないからねー!
オルハート・ブルーゲイザー
【生】

精鋭と多数の防衛機構…
それだけ重要な施設、なのですね。

ここはこちらも連携し、防衛網を打ち破りましょう…!
大切なものを守る「意志」は同じでも…
私たちにはそれ以上に「想い」もあるのですから!

【多重詠唱】からの【誘導弾】や【貫通攻撃】で攻撃、牽制しつつ「魔創幻眼」を展開し、敵の攻撃を反射、もしくは敵を目潰しして仲間の被害を減らしていきます
また、敵のドローンや戦闘機械、防衛機構には【ジャミング】も交え、少しでも敵の攻撃を緩めれるように

反射しきれない時は【見切り】での回避や【霊的防護】や【オーラ防御】で身を守りつつ隙を見て再び魔創幻眼を展開し反射&目潰しできるよう態勢を立て直します

また、依緒さんが接近戦に向かったら【ダッシュ】で追従しつつ「蒼海顕幻」を発射し、敵への攻撃と伊緒さんの強化を同時に狙います

全員で攻撃できるチャンスには、皆で連携し、魔創幻眼を展開し攻撃に使い、続けて【全力魔法】と「蒼海顕幻」で攻撃!

ピンチに陥った場合は「蒼海顕幻」を仲間の近くに撃ち、被害を少しでも減らせるように…!

「さあ、いよいよ決着の時だよ!」
 全身に無数の損傷を抱え、火花すら散らすティーシャ・エフェルを前として。|伊和・依緒《いなぎ・いお》(その身に神を封ずる者・h00215)は堂々と宣言してみせる。
「――そうだな。だが、敗れるは私ではない」
 対するティーシャも立ち上がるや、損傷により機能を喪失した一部パーツを破棄。それまでより幾分スリムとなった姿を晒すと共に、√能力者達を真っ直ぐ睨み据え。
「蹂躙し、殲滅するは私だ……私達だ!」
 宣言すると共に展開されるドローン群、天井の工場地帯から降下してくる戦闘機械群、ありったけの火砲を並べる防衛機構群。まさに総力での守備陣と言って良い威容だ。
「それだけ重要な施設、なのですね」
 精鋭たるティーシャと、無数の防衛機構。それ程までに守りたい施設なのだろう、とオルハート・ブルーゲイザー(Book Of BlueGAZER・h00341)は推測する。
「見るからに間違いないわね。……にしても」
 並び立つアリエル・スチュアート(片赤翼の若き女公爵・h00868)はそんなオルハートの言に頷き。改めて対峙せし戦機を見やる。そして、先に打倒したスカー・スカーレットを思い起こす。
「グロンバインには女性型の戦闘機械を侍らす趣味でもあったのかしらね?」
『スカーレットは黙って侍らされるタイプの女でしたかね……』
 その上で導いた推測はそんなのだった。レギオンリーダー機の搭載AIたるティターニア、呆れ気味に突っ込みを入れる。
「まあ何にせよ、此処はあなた達にも存分に働いてもらうことになるわね」
 飽くまで妄言とあっさり推測を撤回すると、片手を軽く掲げ。其を合図に、背後のドローン空母から幾つものドローン――フェアリーズレギオンの機体が展開されてゆく。総計35体――ジェネラルレギオンたるアリエルの本領。
「うん、準備ばっちりなのはこちらも同じ!」
 其を見て取った依緒は明るく宣言する。己らにも負けるつもりなど一切無い、とばかりに。
「敵が『蹂躙・殲滅』なら、こっちは『制圧・潰滅』で行こう!」
 敵に合わせる形で、そんな戦術方針も提案してみせるが。
「そ、それはちょっと物騒すぎませんか……!?」
「言葉のイメージがちょっとね……」
 オルハートからの慌て気味な突っ込みが入った。理由は恐らく、アリエルの語った通り。
「ま、まぁほら、わたしたちも正義の味方ってわけではないし……?」
 なんて弁解を試みる依緒。確かに√能力者の信条は人それぞれ、此度の戦いに参加した者であっても、その動機が正義感とは限らない、というのは事実だが。
「そこはそうかもしれませんが……」
 それでもオルハートは信じている。それでも、√能力者達にはひとつの共通項がある、と。即ち。
「大切なものを守る『意志』はあちらも同じでも……私達には、それ以上に『想い』もあるのですから!」
 故にこそ、己らは共に此処に在るのだ、と。ならば、その想いと力を結集することで、敵の防衛網も打ち破り得る、と。
「そうね、力を合わせて当たるべき、って処には同意するわ」
 アリエルは頷き同意を示す。かの敵は強大、なれば連携するに吝かは無し。
「そうだね、わたしたちは正義の味方じゃなくても――」
 依緒が応え、語ると共に。戦場は暗く、陰鬱な雰囲気を纏う。依緒の√能力により、この一帯は国津神の領域であり、そして。
「――物語の主人公ではあるんだから!」
 依緒を主人公たらしめる空間でもある。其を胸に走り出す依緒。真っ向攻撃を仕掛けんというのだ。
「ふざけたことを……!」
 どうやらその概念自体を理解していないらしいティーシャ、只々依緒を撃砕せんとばかりに戦闘機械と防衛機構、そしてドローンによる攻撃を仕掛けにかかるが。
「やらせはしないわ。 行きなさい、小さき機械の妖精達!」
 アリエルの号令一下、フェアリーズレギオン達が依緒に追従するように飛翔。一斉にミサイルを放ち、ドローンを真っ向叩き落としにかかる。更には空母からの砲撃が、戦闘機械を吹き飛ばし。
「其処も潰させてもらうわ」
「依緒さんには手出しさせません……!」
 更にはアリシア自身も魔力光線を撃ち放ち攻撃を仕掛ける。高速詠唱にて紡がれた魔術攻撃は、高威力かつ連射力にも優れる。
 オルハートもそんな彼女に並び立ち、魔力の誘導弾やレーザーを次々と射出。複数の魔術詠唱を多重にこなす彼女の魔術は凄まじいまでの連射力。アリシアとオルハート、其々の魔術攻撃が防衛機構を次々と破壊し、数の不利を覆しにかかる。
「やってくれるな……! だが、そこまでだ!」
 なれどティーシャも黙ってはいない。左腕の放電機構より広域に高圧電流を放出し、一行を薙ぎ倒さんとするが。
「第一章・第三項起動、魔創幻眼、展開……!」
 其を食い止めるは、オルハートが展開せし魔創幻眼。ティーシャの目前に現れた其が、放たれた電撃を全て真っ向受けて。
「ぐあぁっ!?」
 そのダメージを纏めてティーシャへと反射する。本来拡散する其を真っ向纏めて食らわされ、怯むティーシャ。
「オルハートさんナイス! よーし、一気に決めにいくよ!」
 其処を好機とばかり疾走、肉薄せんとする依緒。だが。
「侮るな……! まだ、私は……!」
 姿勢を立て直したティーシャ、その下半身の火器を一斉射。狙う先は無論、全て依緒!
「っ……!」
「依緒さんっ! 第三章・第六項起動……!」
 其を前として、依緒は足を止めて護符を掲げる。正面の空間が捻じれ歪み、放たれる銃弾や光線がその内へ呑まれゆくも、全ては止められず。依緒の身を火線が貫き掠め、幾つもの傷を刻む。
 己のAnkerでもある彼女の危地に、オルハートは更なる√能力を行使。射出されたる蒼の弾丸が依緒とティーシャの中間の地面へと着弾、幻の蒼海をその場へ顕現させる。
「……っ、ありがとオルハートさん、これなら……!」
 苦悶に歪んでいた依緒の表情が柔らかくなる。顕現せし幻の蒼海は、味方に対し能力の強化を齎す代物。以て強化された体力が、銃弾を浴びてなお動ける程にまで依緒を強化したのだ。
「逃がしはしないわ、ここで決着といきましょう」
「っぐ、煩わしい……ぐっ!?」
 一方、ティーシャに対しては幻の渦潮に巻き込まれることでの負傷を齎す。其に加え、アリシアが差し向けたフェアリーズドローンが頭上を飛び回りながらミサイル攻撃を繰り返すことによる撹乱が、その機動を阻害していた。強引に後方へ逃れんとした身には、背後へ回っていた空母が体当たりをかけ、その身をよろめかせる。
「今度こそチャンスよ、一気に決めましょう!」
「うん、行くよ!」
「は、はい!」
 再びの好機。此処でこそ決着をつけんと呼びかけると共に、アリシアは高速詠唱の限りを以て魔力を練り上げだす。依緒とオルハートが其々に応えれば。
「――降り注げ、光よ!」
 詠唱の結びと共に片手を掲げるや、ティーシャの頭上より夥しき雷光の雨が降り注ぎその身を打ち据え。
「魔創幻眼、多重展開……斉射!」
 オルハートもありったけの魔創幻眼を顕現、ティーシャを包囲するように展開した其から光線を一斉射出して追撃と為し。
「よっし、これで決めるよ……!」
 其処へ間髪入れずに飛び込んだ依緒、構えた腕に膨大なる気の流れが纏われ、集束、圧縮されてゆく。まさに彼女のありったけ。
「フルバースト、喰らえぇぇっ!!」
 そして肉薄と同時、掌打として渾身の力と共に繰り出せば。腹に叩き込まれた衝撃と膨大な気が盛大なる爆裂を起こし。戦機の身を、胴から真っ二つに吹き飛ばしてみせたのである。

「ぁ……あ……。この私が……敗れる、とは……」
 吹き飛んだ上半身だけのティーシャ、敗北を悟り愕然と声を漏らす。其は即ち、防衛任務の失敗を意味するが故に。
「これでは……|天蓋大聖堂《カテドラル》は……。グロンバイン様……申し訳……ご、ざ……」
 主に詫びる言葉を紡ぎきるよりも早く。ティーシャ・エフェルは完全なる機能停止へと至り。地に落ちたその上体が動くことは、二度と無かった。



 その後、√能力者達は|天蓋大聖堂《カテドラル》内の戦闘機械生産工場や関連施設の類を完膚無きまでに破壊。斯くして、川崎最大の生産拠点たるカテドラル・グロンバインは完全にその機能を停止したのである。
 結局、グロンバインが姿を見せることは無かったものの。他の拠点に向かった√能力者達の活躍もあり、統率官ゼーロットは羽田空港の|天蓋大聖堂《カテドラル》を放棄せざるを得なくなり、集結部隊の壊滅もあって|派閥《レリギオス》内での失脚は確定。扇島地下監獄に囚われていた√能力者達の解放も成功を収めた。
 そして、大黒ジャンクションの完全破壊により、次なる作戦――戦闘機械群の通信網を破壊する作戦の実行が可能となったのである。以て、川崎における一大反攻作戦は、次なる段階へと進んでゆく――。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

挿絵申請がありました! 承認/却下を選んでください。

挿絵イラスト