シナリオ

④三位一体

#√汎神解剖機関 #秋葉原荒覇吐戦 #秋葉原荒覇吐戦④

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 #√汎神解剖機関
 #秋葉原荒覇吐戦
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⚔️王劍戦争:秋葉原荒覇吐戦

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
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(毎日16時更新)

●地獄門
 思考する事が罪なのであれば、発狂する事こそが罰であれ。
 希望を抱く事が苦なのであれば、門をくぐる者こそ幸せか。
 おぞましい絶望だけが蠢くのであれば、脳髄すらも残らず。

 詩に籠められた思いなど、最早、ナンセンスの一部であり、
 まさか――文字通り、地獄の方から、来訪をしてくるなど。
 まったく――誰が想像出来るだろうか!

 対処不能災厄『ネームレス・スワン』は窓の隙間より出現する。
 たとえ、戦争中であろうと、何であろうと。
 投身すらも、対処不能災厄にとっては、狂気の沙汰ではないのだ。

 裏切り者の地獄へと続いているのが、見えた。
 凍り付いた罪人からの手招きも、彼方、聞こえる筈がない。
 見えたとして――果たして、わざわざ、向かう必要が何処にある。

●考えてはならない
「あ……あわ……あわわ……」
 星詠みである立川・満月は元人間である。その為、彼女の精神は想定していた以上に脆く、星詠みを試み、数秒と経たず『このような』状態に陥った。
「ふぅむ……如何やら、我輩から説明した方が良さそうだねぇ。国立西洋美術館の前庭って謂ったら、わかる人にはわかるかもしれないが、そうとも、美術品の方だが、あれも立派な『地獄の門』なのさ。それが、如何やら開いてしまったようでねぇ。そっから出てきたのが対処不能災厄『ネームレス・スワン』。この哀れな女の状態、何かわかるだろう」
 発狂である。いや、おそらく、一時的なものだが。
 決死の覚悟で挑まなければ、一瞬で『こう』なる。
「君達には『地獄の門』を閉じてもらう。対処不能災厄に、お帰りいただくのさ。手段は問わない。せいぜい、発狂しないように頑張ってくれ給え」
「あえ……」

マスターより

にゃあら
 にゃあらです。
 鍵は要らない。

 プレイングボーナス:地獄の門を閉じる。
 制圧効果:⑩の戦力を半減する。
88

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第1章 ボス戦 『対処不能災厄『ネームレス・スワン』』


POW 災厄拡大
自身の【頭部】がA、【脊髄】がB、【翼】がC増加し、それぞれ捕食力、貫通力、蹂躙力が増加する。ABCの合計は自分のレベルに等しい。
SPD ネームレス・スクリーム
【狂気と絶望に満ちた叫び】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【発狂】に対する抵抗力を10分の1にする。
WIZ スワンズ・ソング
【新たなる『ネームレス・スワン』】が顕現し、「半径レベルm内の困難を解決する為に必要で、誰も傷つける事のない願い」をひとつ叶えて去る。
イラスト 朝梟
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

エイハ・ルシニア
機械は……ナイチンゲールのあたしは『発狂』する事があるのか?
なんて哲学的な事を考えていても
なんかしらんけどそーゆーとこ超越してくるのが
√汎神解剖機関のイヤラシイところだよねぇ
はーやだやだ

考えずに飛ぶってことは機械のあたしだからできる事だ
だから
【インビジブル・ウイング】でまっすぐ
地獄の門のすぐ傍に居るインビジブル目掛けて飛翔する!
それ以外は考えずに速度をあげて!

なんなのこれもう!
感情がぐしゃぐしゃになる、得た自由意志があたしがとぶことをじゃましてくる
でも!
あたしは! 空を飛ぶ事を! 決して諦めない!!

地獄の門まで辿り着いたら飛翔の勢いのままドロップキックで扉を閉じる方向へ吹き飛ばし
いっけー!!

 改めて、幾つかの戒を破壊されてしまったのだ。仮に、静謐を愛していたのだとしても、愛しているという時点でお終いか。機械は……ナイチンゲールのあたしは『発狂』する事があるのか? なんて哲学的な事を、人間的な事を、考えていても、なんかしらんけどそーゆーところを『超越』してくるのが、無意味にしてくるのが、√汎神解剖機関のイヤラシイところだよねぇ。残念ながらナイチンゲール、そのように『口に出来ている』段階で、十分に感受性豊かだ。好奇心が猫だけを殺すと思ってはならない。はー、やだやだ。ほんっとうに、心の底から嫌になるよ。心の底からと宣ってしまった。いっそ、鹵獲されていなければ、今頃のオマエは――考えずに飛ぶってことは、機械のあたしだから、できる事だから。相手がスタンピードを起こそうとするなら受けて立つ以外にありえない。そもそも、完全に殺す事など夢のまた夢なのだ。勢いよく突っ込んだって他の誰かが支えてくれる。
 まっすぐ、まっすぐ、シンプルさを極めて、まっすぐ。対処不能災厄の傍らに『在った』インビジブル目掛けて猫のようにまっしぐら。考えない。何にも考えない。あたしは『イカロス』じゃないし、あれが太陽というわけでもないし、ね……? 絶叫、悲鳴、狂気と絶望の嵐のど真ん中――目を彷彿とさせる箇所に、身投げをするかのような。
 なんなの……なんなの、これ……もう!!! 完膚なきまでに殺戮されたのだ、戒よ。感情が……頭の中が、ぐしゃぐしゃになる、得た自由意志が、あたしが、とぶことをじゃましてくる。機械仕掛けだというのに吐きそうな気分だ。いっそ、墜落してしまった方が楽なのかもしれない。でも! あたしは! 空を飛ぶ事を! 決して諦めない!
 飛翔の勢いの儘に、宣誓と共に、対処不能災厄のど真ん中へとドロップキックをくれてやれ。たとえ、今日の空が土留色をしていようとも。自分を手放すつもりは欠片としてない。いっけー!!! 大丈夫だ。人間みたいに目眩を覚えたって、このくらい振り払ってしまえ。
🔵​🔵​🔴​ 成功

和紋・蜚廉
決死の覚悟か。
それならすでに、いや…常に我は抱えている。
生存こそ、我が生の全て。
ならばこそ、あらゆる手を尽くしてこの発狂の中を生き抜こう。

野生の勘。こればかりは、変な智慧を必要とせぬ。
如何に狂おうと、我が勘は体に染みついたものなれば。
発狂を喰らい掛ければ、毒使いで己に気付けだ。

そう…智慧など得る前の。本能で生きていたころに戻れば良い。

増える頭部も、脊髄も、翼も。
本能の前では障碍に過ぎぬ。
激震を与えるこの拳で、増えた全てに拳撃を与えよう。

門を閉じる…野生の勘に合わせ、潜響骨が働く。
絶叫の大元を。閉じるべき、音の元凶を。
殴れるものなら、後は容易い。
我が伝搬する拳撃で、門ごと叩き潰して閉じればよい。

 押してダメならば更に押せ、それでもダメならぶん殴れ。
 未曾有の脳髄へプレゼントだ。潜るように、気配を探れ。
 一寸の虫にも五分の魂――そのような諺の体現として、具現として、己が身を揮うサマは如何に。たとえ、相手が大きくとも、たとえ、相手が多くとも、自らを保つ事くらいはやってみせる。決死の覚悟か。それならすでに、いや……常に、我は抱えている。生存こそ、我が生の全て。遺骸の傍らに在る今こそ、我が全て。ならばこそ、あらゆる手を尽くして、背水の陣を以て、この発狂の中を……地獄の底を、生き抜こう。必要なのは|本能《●●》である。罪を脳髄に湛えてやらない事である。そうすれば、罰は水滴としてもやってこない。こればかりは、変な|智慧《●●》を必要とせぬ。果実の味を知るには、まだ、早いのか。
 野生の勘――如何に狂おうと、如何に痴れようと、我が血肉は『それ』が染みついたものなれば。ああ、この身、この精神、最早、団子すらも掌の上だ。嗚呼……成程、随分と、必死をしてくれる。我を前にして、まるで、人間のように叫ぶではないか。ある意味では似ているのかもしれない。神は己に似せて人を造ったと宣うが――使いの類のカタチは如何に。構わない。智慧など得る前の、裸で生きていたころに戻れば良い。白鳥など……我からすれば、肉のついた魔性にすぎないか。増える頭部も、増える脊髄も、増える翼も、|本能《我》の前では障碍にも成り得ぬ。握り締めてくれ、怪物よ。叩きつけてやれ、拳を。
 ――いつだって、我は『こう』してきた。
 対処不能災厄「ネームレス・スワン」、地獄の化身の芯が震え、沈黙している。|破壊《ころ》す事は出来そうにないが、しかし、押し込むのであれば十分だ。やはり……窮鼠猫を噛む、か。だが、殴れたのだ。殴れるものなら、後は容易い。
 音の元凶は――地獄の門の位置は――既に把握した。激震の最中にある化け物を|伝搬《●●》、叩き潰してやれ。灰は灰に、塵は塵に、地獄は地獄に。……暴かれるには、まだ早いというわけだ。閉じてやればよい。
🔵​🔵​🔴​ 成功

青木・緋翠
地獄……他√なのでしょうか。気になりますが、今は行くつもりはありません。危険なものには蓋をしましょう。

まずは周囲に一般人がいないことを確認します。もしいる場合は抱えて安全圏まで脱出させましょう。
敵を一瞬視認したらスマートグラスに記録して√能力を発動。敵の行動を阻害しつつ、電流の流れを分析して敵の位置を特定します。これで少しは狂気が軽減できると良いのですが。
上手くいったら敵をトンファーガンで吹き飛ばし、地獄の門へ押し込んで出入口を閉じます。そう簡単にはいかないでしょうが、諦めず隙を狙います。

スワンズ・ソングへの願いは「誰も犠牲にせず、ネームレス・スワンを地獄の門へ押し返し門を閉じること」です。

 ほんわかとした翡翠色も、この場においては鬼気迫るか。
 迫りくる狂気の権化へと、嗚呼、ブラインドタッチ。
 地獄の門の彼方――阿鼻叫喚なのか、八寒なのか、わざわざ、思考を巡らせている暇はない。他√なのでしょうか。√汎神解剖機関なのでしょうか。気になりますが、今は、行くつもりはありません。危険なものにも、臭そうなものにも、蓋をしておきましょう。蓋をする前に火の粉が飛び散っていないか、周囲に一般人がいないかの確認だ。もちろん、言わずもがな。人間というものは群れる生命だ。至るところで日常を謳歌しており、何故か、忘却の彼方にのみ生息を赦されている。……今のところは、問題なさそうですが、しかし、万が一というものがありますので。解せぬ面構えの、呆けている、誰かさん一人一人を抱えていく。安全圏が有るのか、否かは、不明だが。EDENらしさとして脱出をさせると宜しい。さて……ようやく、本番でしょうか。いえ、今回は、殺せないとわかっていますので。スマートグラスによる|記録《●●》。捕捉する事に成功したのであれば、あとは、未曾有を暴く程度か。未知が最大の恐怖の源ならば、その一切を既知へと堕としてやるといい。
 狂気の軽減――精神の維持――その術は、十人十色であるべきだ。悪くありません、これなら、短時間だとしても『耐える』ことは可能でしょう。白鳥の歌への願い――誰も犠牲にせず、ネームレス・スワンを地獄の門へ押し返し、門を閉じること――は、対処不能災厄自身、傷つける行為か。しかし、如何だ。願わずとも『やって』しまえば問題などない。
 結局のところ物理である。物理で『拒絶』をしてやればいい。握り締めたトンファーガンで多数の顔面のひとつ、殴り飛ばしてしまえ。簡単にはいかないでしょうが、俺は、俺が思っている以上に諦めの悪い付喪神なので……。
 お帰りの時間だ。黄昏色が垣間見えるよりも素早く。
 放電するかのように。悲鳴は最早ない。
🔵​🔵​🔴​ 成功

柳・依月
アドリブ連携歓迎

なんとまあ凄まじいことで。
対処不能災厄とは|うち《√汎神》も色々なやつがいるなあ。
こんな立派な美術品、普通に見に来たかったがな。
まあどうにかするっきゃねえか。

ああ言われたし、ちゃんと対策はしねえとな。
元々|耐性《狂気耐性・精神抵抗》はあるけど【霊的防護】もかけとくか。
その上で、使用√能力は「伝承顕現:闇鴉」
色々出来るやつらだけど、今回命じるは「敵との融合」だ。
今回は倒すとかよりお帰りいただく感じみたいだし、動き鈍らせりゃ他の奴もやりやすいかもだしな。
あとは敵の攻撃は【見切り】【オーラ防御】
なんだかやたら多い翼とか脊髄とかを狙って仕込み番傘で【切断】を狙うとするか。

 鵺なのか、八咫烏なのか、仮に判断できていたとしても、三位一体の有り様では正体を暴かれる可能性が高い。ぎい、ぎい、錆びついた遊具を楽しむ為にも。人の心というものを覗き込まなければならないか。獣の数字だって? 確かに。でも、桁が違うのではなかろうか。
 協力をしてくれると嬉しい。
 廃棄されたタイヤ、その転生先については、子供達に大人気な時点で『わかる』筈だ。金魚が数匹増えるかの如くに、くるくる、くるくる、廻ってくれる。ほんのりとした悲哀を覚えながらも、公園のお兄さん――溜息を吐くかのように――言の葉を紡いだ。なんとまあ、凄まじいことで。対処不能災厄とは|うち《√汎神》も色々なやつがいるなぁ。いや、お前の場合は『特例』か? ともかく、こんな立派な美術品、普通に見に来たかったがな。なに……まさか、本物をくぐりたいとは、思ってはいないさ。まあ、どうにかするっきゃねえか。はぐれ花火とおどるように、御伽噺を繰ってやるかのように、只、目線をちゃんとしてみせた。ああ言われたし、素直に、ちゃんと対策はしねえとな。
 人なのか、妖なのか、何方の側面も持ってはいるが、それ以上にネットロアなのだ。つまりは、俺にも『変質』の可能性は残っちまってると、そういうわけだな。触れるか、触れないか、霊的な防護もかけておいたならば、愈々、向かっていく時だ。色々できるやつらだけど、今回命じるは「敵との融合」、まあ、敵対をしているのは俺達だけなのかもしれないが。闇の鴉、或いは、闇からの鴉。羽ばたいて行けば纏わりつき、増えた頭部を抑制する。かなり鈍くなったんじゃないかな。これで、もっと、やりやすくなった筈……。
 飛来してきた翼については見切ってやると宜しい。やたらに多いけど、それじゃあ、重たくてマトモに、くぐれないと思うがな。門であれ、窓であれ、仕掛けてやれば返しの如くに。くるり、くるり、いつもより多めに切断しております。
 人も、怪異も、災厄も、等しく耳は持っているものだ。
🔵​🔵​🔴​ 成功

プレジデント・クロノス
私は、エンターテイメント系大企業、PR会社『オリュンポス』のCEO。本日は、国立西洋美術館の企画展に招かれていた。やはり、経営のトップたるもの新旧一体の芸術こそ、新たなエンターテイメント性が生まれると感じるな。

む、アレはいつぞやのバッタモン感が満載のB級映画に出てくるような智天使のスーツアクターかな?
相変わらず変な奇声をあげてる。ちょっとボリュームを落としてくれないかね?(精神抵抗、狂気耐性)
それに、地獄の門が開いている…スタッフ(能力者)たちが一生懸命閉じようしているようだが、そういう前衛的コンセプトの芸術なのかな?

何、遠慮はいらない。門の開閉ぐらいこのCEOに手伝わせてくれたまえ。(怪力)

 インスタントでも構わないだろうか。
 勿論、お茶菓子も用意しておこう。
 それにしても、口が多くて、食べづらくはないだろうか。
 知性的な連中から――情報収集を頼まれていた連中から――幾つか、唾を付けられた男が一人。白い仮面が特徴的なスーツ姿の一般人、いいや、逸般人のご到着である。私は、エンターテインメント系大企業、PR会社『オリュンポス』のCEO。本日は、国立西洋美術館の企画展に招かれていた。やはり、経営のトップたるもの新旧一体の芸術こそ、三位一体の妙味こそ、新たなエンターテインメント性が生まれると感じるな。地獄の門――そのグロテスクさに、いっそ、頭を抱えてはくれないか。まさしく考える人よ、己がどのような役割なのかをしっかりと理解すると宜しい。む……アレはいつぞやの、バッタモン感が満載のB級映画に出てくるような智天使のスーツアクターかな……? 暗殺される寸前だった事を思い返すと良い。遠隔操作をされている方の『粋な計らい』については置いておくとしようか。
 相変わらず、変な奇声をあげている……。狂気への誘いも、汚染の嵐も、オマエにとってはZ級めいた混沌か。ちょっとボリュームを落としてくれないかね? ほら、他の皆さんも困っているから。ぎゃあぎゃあ、ぎゃあぎゃあ、まるで讃美歌だ。成程、これが神への祈りだと謂うのなら……冒涜的という意味では、間違いではないか。それに、地獄の門が開いている。む……|能力者《スタッフ》たちが一生懸命に、閉じようとしているようだが。わかった。そういう前衛的コンセプトの芸術だな。いやはや、素晴らしい……。
 兎にも角にも、CEO。プレジデント・クロノスはキャストでもあるのだ。何、遠慮はいらない。門の開閉くらい、このCEOに手伝わせてくれたまえ。ぎぎぎ、ぎぎぎぎ、門が動いた。怪力の化身とでも表現すべきか、或いは――門といえばあのシスター、無事に帰る事が出来たのだろうか。次に会ったら、改めて、お茶でも……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

四之宮・榴
アドリブ・アレンジ歓迎。
【海嘯】

心情
…ひ、ぅ…っ…

…また、かよ(呆)
おっと、榴の男か…。
話はまた今度だ。
俺は|アレ《・・》が、一部でも欲しいだけどな。
無理か。

…榴。
お前、面白い能力を増やしたな。
小僧、お前に手を貸してやる。
精々、|あいつ《榴》に感謝しろよ?
撤退させる助力をしてやろう。

行動
榴はその場で釘付けになり倒れ込むが、何も無かったように立ち上がる
榴の中の者は、起きる
辰巳を視ても何も同時ないし、寧ろ現状が愉しい狂人。
タロットでの投擲に混ぜて√能力を発動させる。勿論、毒はボツリヌス毒素を
榴の相棒には、オキシトシンを増加させる薬で狂気など関係なく動けるように
撤退させるのに、置き土産が欲しいけどな
和田・辰巳
アドリブ・アレンジ歓迎
【海嘯】

結界札を貼りつつ霊的防護
榴……!?
榴を助け起こそうとするが、自力で起き上がって驚く
その通りだけど!?貴方はっ……仕方ありません
今は、力を貸してください

幾つもの夜を越えて来た
その真価を示す

『顕現せよ神話の槍』
唱えるは|力ある言葉《パワーワード》
この肉体を駆け巡る神力を以て災厄を撃ち抜かん

速度なら、誰にも負けない

光速の40倍という速度そのものによる物理法則をぶっちぎった極大の破壊の弾丸

消し飛べ
爆発地点を神話からの観測
門は|閉じて《・・・》いる
その観測を強制的に押し付けながら此方彼方で空間跳躍
自身で門を閉ざし存在固定
撃ち抜いた弾道は事象干渉無効
なかった事にはさせない

 消し飛べ。
 地獄の門――グロテスクな部分に関しては、おそらく、知った頭よりも凄まじいか。無数の頭が、無尽蔵な髄が、未曾有の翼が――暗雲のように這入り込んできた。勿論、それを逸らす為に、それを除ける為に、和田・辰巳はお札を貼り付けたのだが、手遅れである。いいや、そもそも、結界を展開したとしても対処不能災厄「ネームレス・スワン」の狂気は阻めない。脱力してしまったのは、脳味噌を重たく感じてしまったのは、成程、お隣さんか。……ひ、ぅ……っ……。小さな悲鳴に軽い身体、暗渠へと消えた小石よりも儚げに四之宮・榴は気絶した。よくもまあ随分と頭痛に弱いではないか。榴……!? 量産型ファム・ファタールにジョン・ドゥ。スミスの部分を取っ払ってやれば、果たして、琥珀色の覚醒か。ぐるり、目の玉を回した四之宮・榴は――呆れの感情の狭間にて――誰かさんだと示してみせた。……また、かよ。おっと……榴の男か。助けられている暇はないとメスがおどった。
 そ、その通りだけど!? 貴方は……っ。珍しくも狼狽えているのではなかろうか。大きな、大きな、匙を酷使して混沌を弄るかのように。ええ、仕方がありません。今は、力を貸してください。やけに素直じゃないか。話は「またあとで」で良いからな。俺の『興味』については知っているだろうしよ……。対処不能災厄「ネームレス・スワン」の叫喚。やかましいアレの一部でも回収できたら良かったのだが、生憎、女神様ほどお優しくはない。無理か……。不安定だとしても、不安定でなかろうと、奇跡は奇跡に変わりなく。
 幸福であれ――ある種のホルモンの発生源については描写の必要もないだろう。榴、お前、面白いものを増やしたな。小僧、精々、あいつに感謝しろよ? 撤退させる……いいや、一時的にだが、奴にも、肺臓くらいは有る筈だ。たとえ、愚か者だと罵られようとも、たとえ、冒涜的だと罵られようとも、この、頂上の景色だけは確固たる勝機と謂えようか。さて……お手並み拝見だ。お前があいつにとっての『なに』なのかを、俺にも見せてくれ。
 幾つもの夜を越えてきた。
 その真価を示す――『|顕現せよ神話の槍《アストラミソロジア》』
 唱えられた言の葉が何を齎すのか、それを、対処不能災厄が把握したのかは不明である。しかし、ネームレス・スワンは珍しく、√能力者を|意識《●●》した。毒物に晒されていても、まったく、気にしていない存在が、だ。やっと、こっちを見たようだな。だけど、もう、意識をしたとしても――僕を捉える事はできない。
 宣言通りの|速度《●●》だ。物理法則をナンセンスとする、光速の40倍。でたらめな神話からの観測によって|弾丸《●●》は魔を冠したか。……門は閉じている。なかったことにはさせないし、いつか、も、ない……最早ない……。
 小僧。相手は簒奪者で、対処不能災厄だ。
 これで『終わる』とは到底思えない。
 わかっています。絶対に、油断はしません。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

哘・廓
・心情
……此方を地獄とされては門も形無しですね。
・行動
出来る事は限られている
『百錬自得拳』をベースに、喧嘩殺法、グラップルを混ぜた連撃で門へ押し込んでいく
攻撃手段は徒手空拳。腰に刀を佩いていますが使用しません
防御は左腕を盾として運用
・狂気
狂気耐性と自信の覚悟による精神汚染で相手からの狂気を耐え凌ぎ、揺らぎそうならナイフを自らの足か腕に突き立てて正気を引き戻す。痛みは激痛耐性で凌ぐ。
・台詞
…聖なる威力、比類なき智慧、第一の愛…それらによる創造物…。
…では貴方は誰の創造物なのでしょうね。
狂気…。いえ、単なる見解の相違でしかありませんね。
…さぁ、お帰りはあちらですよ。
・その他
アドリブ歓迎

 黒いのか、白いのか、混ぜ合わせてみた。
 元気よく成長した、黙する影、黄金を知っている。
 聖なる威力、比類なき智慧、第一の愛……それらによる創造物……。
 刀を揮っている余裕はなく、聖体の香ばしさを想う為にも。
 対処不能災厄「ネームレス・スワン」は見ての通り、三位一体とも解釈ができる。頭部と、脊髄と、翼の三つだけで『それ』は証明されるのだ。されど、視よ。あの災厄は一体だけでは留まらず、最早、未曾有の量へと到達していた。では……貴方は誰の創造物なのでしょうね。考えても、考えても、膨れ上がってくるのは『狂気』のひとつ覚え。暴力的なまでに無辺をしてくる災厄は、嗚呼、脳髄にとっての最大の毒か。毒……狂気……いえ、単なる見解の相違でしかありませんね。冷静を装ってはみたが、如何しても『地獄』が見える。此方を……EDENを、地獄とされては、門も形無しですね。ぐっと握り締めたナイフを何処に刺したのか。まさか、わたしを、狂わせられると、本気で思っていたの? だとしたら……ええ、全力で、抗ってみせるとしましょうか。出来る事は限られているし、足掻く術だってほんの僅かだ。されど、ミリ単位の隙さえ見出せれば――喧嘩をする事くらいは出来なくもない。貴方が『なに』であれ、倒すべき、叩くべき、災厄だという事に、変わりは……。
 無量とされた頭部が迫ってくるが、成程、考え方次第では悪手だろう。握手をするかの如くに構えた拳。得物が己の腿を傷つけていようが――この程度、凌いでから痛がれば良いか。ええ、わたしの左腕を捕食しようとするなら、それで……。押し込め、押し込め、只管に。相手に呼吸をさせてはいけないし、振盪させるように、一撃、一撃、意地を籠めろ。己を顧みない攻勢のおかげで門は目と鼻の先。
 ……頭の中が、ひどく、痒くなってきました、が。
 大丈夫だ。あと一撃。これをくれてやったのだから。
 ――常に、矛盾のような代物だから。
🔵​🔵​🔴​ 成功

星越・イサ
SPD 連携アドリブ歓迎

思考は不要
正気も不要
『人類のために為す』決意のみを胸に
私は、在るだけです
だって、そういう『相手』でしょう

地獄の門とやらと
お互い、覗き込み合い、観測しあったら
何が見えるでしょうか?
耐えられるでしょうか?お互いに。

発狂すれども、それが必要な過程ならば満足というもの
それが、私のやり方、ですから

 揺るぎなき確信の中でEDENを知る。
 他の能力者達が奮闘しているのだ。
 秒ほどの『停滞』だって立派な『戦功』である。
 蜘蛛の糸、絡まった|情報《蝶》のように、星越・イサは対処不能災厄を見上げていた。自らをちっぽけな蝶としたのならば、嗚呼、おそらく、見上げているソレも同じと思えた。思考は不要。正気も不要。『人類のために為す』決意だけを胸に――世界とやらを掌とする。ええ、私は仏様の掌の上で、くるくると踊っているだけです。私は、存在しているだけです。だって、そういう『相手』でしょう。紳士が相手であれば、もう少し、人間的な思考もしてみせた。総帥が相手であれば、もう少し、正気のフリも出来るだろうか。いいや、何方も、たぶん、難しく。素の状態なのであれば――バットに振り回されていた方が陽気と謂えよう。深淵を覗くものは、深淵に覗かれている。聞き慣れたフレーズを反芻しながらも|彼方《●●》、A~Zまでを数えるかのように。地獄の門……まるで、向こう側に、何かが在るかのような素振りですが。そろそろ、観測をしなければならない。たとえば、おぞましいオピウム。これを行使するだなんて勿体ない――何が見えるでしょうか? 耐えられるでしょうか? お互いに。阿鼻叫喚の化身が空隙、隅から隅まで埋めてしまった。
 それが、私のやり方、ですから……満足するまで、必要な過程をやってしまいましょう。そろそろ、痛痒にやられそうだ。刺激をされた脳髄が、派手に、爆ぜてしまいそう。ふふふ……この戦争……私にとって、想定していた以上に……喜ばしいものです。いや、それにしても、開けておくなんて。蚊でも入ってきたら……どう、責任を取るつもりでしょうか。対処不能災厄「ネームレス・スワン」、その視線、不可思議なものに集中していた。そうですか。私が、先に、目を回してしまいそうです。
 ですが……これは、隙としては十分でしょう。
🔵​🔵​🔴​ 成功

澪崎・遼馬
アドリブ、連携歓迎。

既に幾度か交戦しているが、何度でも地獄に送り返そう。仕事は妥協しないタイプゆえな、異能捜査官としての職務は全うするとも。


「何を叫ぶ災厄。無意味な叫びでは誰の心にも残るまい」
【夜の風】と共に現れよう。
敵の√能力で発狂への抵抗力は互いに下がっているはず。『霊的防護』でこちらの発狂を防ぎつつ、『精神汚染』で逆に相手の発狂を狙おう。我が身は怪異を狩る|異能捜査官《カミガリ》なれば、怪異にとっては死の象徴。相対するだけで恐怖を与えるはず。災厄や怪異が狂しないという道理はない、或いは既に発狂しているのかもしれないが……発狂している者が狂えば正気になるのではないだろうか?
何れにしても少なからず隙が生じるだろう。その間に【烏瞰刀】を使用。犠牲になった者達へ、傷ついた者達へ哀悼を捧ぐ。チャージ中に攻撃があった場合は無視する。決死の覚悟というやつだ。チャージ後に魔弾を撃ち込み、怯んだ隙に門を閉じるとしよう。

 二度とない、或いは、最早ない。
 眠りを妨げるものなど、最早、やってこない。
 汚染された枕の柔らかさといったら、マシュマロのようだ。
 地獄の門を抉じ開けたのが『怪異』なのであれば、希望を蹂躙せんとする『災厄』なのであれば、連中の『墓』を掘ってやるべきだ。たとえ、何度も、何度も、蘇る事が決定的だったとしても|密葬課《なまえ》の通りに振る舞ってやれ。三位一体と連中が嘲ってくれるのであれば、いよいよ、その内のひとつを棺に入れて終うと良い。……何を叫ぶ災厄。何を歌う災厄。無意味な叫びでは、痴れたかのような歌い方では、誰の心にも残るまい。|夜の風《カウィル》と共に、或いは、|夜鷹《ウィップアーウィル》と共に、現着した澪崎・遼馬は、青々としたふたつで睨めるかの如く。……これだから、災厄を相手取るのは、恐ろしい。既に叫びを耳にしていた。既に歌を聞いてしまった。どろりと、脳髄が溶けだすかのような感覚に苛まれたが――如何にか、光るものを見つめているかのように|防護《●●》してみせた。我が身を『見ない』とは言わせない。まさか、猿真似が出来るほど、対処不能災厄がマトモとは思えないのだ。……我は|異能捜査官《カミガリ》、仮に、強大な怪異であろうとも、災厄であろうとも、この|象徴《●●》からは逃れられない。毒を以て毒を制す、もしくは、無気味な烏からの宣告。つまり、連中が『狂わない』という、道理はない。既に錯乱状態なのかもしれないが……それなら、正気へと、反転するのではないだろうか。
 無差別、その威力に関しては、自身も体験すべきであった。
 何方にしても「ネームレス・スワン」の動きは止まっていた。停滞し、視線をさまよわせていた。決死の覚悟が必要だと謂うのなら、それを『やって』みせよう。対処不能災厄の犠牲になった彼等、彼女等への哀悼。傷ついた者達への哀悼。この60秒で以て『門』へと叩きつけてくれる。痛み? 痒さ? いいや、構っている場合ではない。
 葬典式魔弾「烏瞰刀」――渾身の銃撃が災厄の身体を揺さぶった。鉛を食らった鳩のような有り様で、ぐらりと、地獄の方へと傾いていく。あとは、押し込んでやると良い、押し込んで、閉ざして――おかえりの挨拶をしてやれば宜しい。
 駄賃は要らない、如何か、そのまま溺れてくれ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
誰ぞの唱えて曰く怪物は喋ってはならない。
正体不明でなければならない。不死身でなければならない、だとか
御無沙汰ですね
鱈腹インビジブルが欲しいとでも鳴いてみますか?

定石通り敵の動きは《第六感+情報収集》捕捉・先読み
《オーラ防御》を以て攻撃に対処。

さて
装備[蝕竜装駆]に重ね纏う[断界]
いま精神汚染や攻撃諸々を隔てているように
悉くを遮断する概念障壁も無敵ではありません
弱点はエネルギー量
あらゆるものを阻む防御はあらゆるものに破られ得る……
故に《受け流し》一手間加える訳ですが
対処不能とやらも同じ事
結局は|暴力《これ》が手っ取り早いという話です

《念動力+ハッキング+属性攻撃》
[竜眼]がそのように定義し縛り付ける

【畏刻】《異形化》
折角なので増やす頭と翼の数は敵√能力に合わせてみましょうか

【叛刻】ダメージ五割増しの性質で破壊力増強
[断界]纏ったまま正面から《早業+怪力》叩き込み
門は力尽くで閉ざしましょう

予定より幾分、力を使う羽目になりましたが……
止むを得ない強敵でした
羽を伸ばす口実ではありませんとも、ええ

 空を覆い尽くすほどの|未曾有《おお》さこそが、対処不能災厄「ネームレス・スワン」の最終的な形態とも謂えよう。ならば、現状は少なくとも『最悪』ではなく。首の皮一枚、瀬戸際、対処できる範囲内と考えられた。誰ぞの唱えて曰く、怪物は喋ってはならない。正体不明でなければならない。不死身でなければならない、だとか……御無沙汰ですね。ネームレス・スワンの|三位一体《からだ》を見上げ、観察しているのはディラン・ヴァルフリート。大罪を身に宿したドラゴンプロトコルにとって『災厄』とは蝗の群れのような沙汰だ。鱈腹、インビジブルが欲しいと鳴いてみますか? それとも、泣いてくれますか? オマエの饒舌さが現の『危うさ』を物語っている。兎も角、定石通りだ。狂気を捕捉し、絶望を先読みし、増殖し続ける脊髄とやらを――しっかりと、対処してやると宜しい。
 さて……門を閉じるのに、門を押すのに、何が必要なのかわかりますか? 訊ねたところで、問うたところで、白鳥はくるくると踊るのみ。踊り狂って、見せつけて、無理やり、精神の奥底まで侵さんとする。ええ、悉くを遮断する、僕の|概念障壁《これ》も、絶対的、無敵というわけではありません。あらゆるものを阻む防御は、あらゆるものに破られ得る……故に。受け流しをひとつまみ、加えてやれば上出来だろうか。いいや、この程度で満たされるほどオマエの脳髄は小食ではないのだ。対処不能とやらも同じ事。結局は|暴力《これ》が手っ取り早いという話です。話をしてやる義理も無い、そうだろう?
 定義した――最早、竜の眼から逃れる所以はなく、対処不能災厄は『釘付け』となった。折角なので、僕も、あなたの真似をしてみるとしましょう。頭部と竜翼と尻尾、その数、仲良しこよし。他の能力者が見たならば、果たして、何方が仇なのかと刹那、戸惑いそうなほどに。もちろん、間違えられるつもりはありません。ところで、僕は……簒奪者よりも『欲深い』部分がありますので……。
 黄昏色が降り注ぐと同時、数多のインビジブルを掻っ攫う。掻っ攫うと共に脊髄、引っこ抜いてやれ。予定より幾分、力を使う羽目になりましたが……止むを得ない強敵です。羽を伸ばす口実ではありませんとも、ええ……。
 善意で均してやるといい。
 力尽くで閉門とした。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

橋本・凌充郎
―――――フン。星を詠んだ挙句に狂気に触れ、更にはそれを傍目に人間災厄が対処不能災厄を視る、か。そして星に映るは地獄の門、と来た。何の冗談だ、と笑い飛ばせるのならば、話は速かったのだが。

―――――言われるまでもない。怪異を殺し、災厄を殺し。地獄の門をさっさと封鎖する。―――――殺しきれぬとも、相応の傷を刻み込んだ上で地獄へ叩き返す。いつもと変わりはしない。いつか殺し尽くす為に、今回もまた殺しに挑む。変わるはずがない。

―――――俺は鏖殺連合の代表、橋本凌充郎である。狂気など、あまりに今更が過ぎるというものだ。

狂気耐性】、【精神抵抗】を持つことにより、相手の狂気の中を真正面から突き進む。【クイックドロウ】からの【制圧射撃】により、相手の増えていく頭全てに麻痺弾を叩き込んで狂気の悲鳴を黙らせる。そこへ【怪力】と【重量攻撃】による、【傷口をえぐる】様な攻撃を回転ノコギリで叩き込み、【殺気】と共に【切断】を狙う。【限界突破】による腕力で相手を門へ叩き返し、強引に地獄の門を閉じる。

 限界の二文字も息絶えた。
 ふたつを揮うだけで、三位一体は失せていく。
 オルトロスであれ、ケルベロスであれ、嗚呼、男を阻む術を一つとして持てなかった。冥府に王が坐しているとしたならば、さて、その得物とは、何処までも、彼方までも、異形で在れ。虎穴に入らずんば虎子を得ず――そもそも、親の方を狙っているのだから、凄まじいか―――――フン。星を詠んだ挙句に狂気に触れ、更にはそれを傍目に人間災厄が対処不能災厄を視る、か。そして星に映るは地獄の門……いや、そもそも、狂気は、最初からアレの中に巣食っていたのではないか? 何の冗談だ、と笑い飛ばせるのならば、話は早かったのだが。√能力者にとって、獄狼憑きにとって、月のような有り様は、あまりにも素晴らしい。毒を食らわば皿まで、文字通り、皿諸共に噛み砕かんとする勢いで―――――言われるまでもない。怪異を殺し、災厄を殺し。地獄の門をさっさと封鎖する。殺し切れぬとも―――――希望が見えずとも、相応の傷を刻み込んだ上で叩き返してやれば、いつもと変わりはしない。殺して、殺して、また、殺す。何方が簒奪者なのかと疑いを持たれたとしても、まだ、殺す。いつか|絶滅《ころ》し尽くす為に、今回もまた殺しに挑む。夜明けのように。
 ―――――俺は鏖殺連合の代表、橋本凌充郎である。
 狂気など、絶望など、あまりに今更が過ぎるというものだ。
 俺を悩ませたいのであれば、種を幾つか用意しておけ。
 悲哀なのか、狂気なのか、皮肉を仕掛けるかのように頭部が異常なまでに増えていく。言葉にならない悲鳴とやらが、意味を持たない絶叫とやらが、ナンセンスさに拍車をかけた。―――――何処までも騒がしい災厄だ。吼えるのは貴様の勝手だが、俺に何を期待している。真正面、只のひとつの『頭』として狂気の渦の中へと投身してくれると良い。構えてやった|異形《ハンドキャノン》の口腔、痺れるかのような弾丸の雨は|頭部《やつら》の舌を絡ませる。―――――黙れ。期待していると嗤うのであれば、沈黙は金と知るべきだ。まさか、俺が『来る』のを期待していたのか。災厄ども……。
 沈黙を破ったのは災厄ではなくオマエ自身。視よ。跳躍し、跳梁し、回転する|異形《得物》の悲鳴とやらを――脳漿が鳴いている。脳漿が鳴くと同時に、地獄の門が空腹を訴えた。―――――帰れ。いつか、俺が塵芥も残さず、鏖殺する為にも。
 オープン・セサミは聞こえない。
 強引なまでの閉門は文句とやらも受け付けなかった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

早乙女・伽羅
実のところ、秋葉原の戦で上野が煽りを喰うことになっているのは
――絶妙に納得が行っていないのだ
しかも、このように
人間の精神活動を揶揄するような輩が出向いてくるなどと

√威嚇音を用い、√妖怪百鬼夜行の側から現場付近を観察しておく
別の√から覗き込むというのは、多少場所の特定に難儀することもあるが
……ここは思い出の場所だ。十何年、何十年経っても通い慣れた路を見誤ることはない

狂気耐性*と精神抵抗*でネームレス・スワンの放つ狂気に備え、
また自分の意志も確と強く持つ
今は今の時間を生きているとしても、この場所を穢させはせぬ

ネームレス・スワン出現を確認次第、咆哮で攻撃
√の壁を挟めば多少は軽減されると思いたかったが、そうもいかぬか
戦の余波をこちらへ持ち込むわけにもゆかぬ
そうなれば改めて√EDENへ突入し物理的に攻勢へ転じる

籠手の釣り糸を敵に向かって射出、針を引っ掛けて機動力の補助に用いる
サーベルの届く位置を維持しつつ√連刃
増殖する敵の部位をサーベルで削ぎ切りにして差し上げよう
脊椎を受け流し*、翼を切断*し、頭部を部位破壊*してゆく

それにしても、酷い叫び声だ
胸が、毛並みが、ざわざわする
「あれを押し戻して門を閉じろ」と自分自身に強く言い聞かせる
押し戻して、門を閉じろ
押し戻せ 門を

焼き切れそうになる理性と襲い来る狂気の狭間で√ジェントルジャイアント
巨大な猫になって敵目掛けて突進
門の向こうへ地獄の使者を押し返す

 蚯蚓のような文字と、犇めくようなペン先と、文字通りに睨めっこをするかのような心地であった。泥酔した結果の溺死も幸せなように思えて、しかし、今を諦めるワケにはいかない。蛇の目を面白そうにくるくると遊ばせていた『あの子』の行方については、最早、考えなくともわかるだろう。……実のところ、秋葉原の戦で上野が煽りを喰うことになっているのは――絶妙に納得がいっていないのだ。早乙女・伽羅の双眸に映り込んでいた能力者達の右往左往。皆、強靭な脳髄を湛えているのだが、そのうちの、幾つかの混沌は如何に。しかも、このように。人間の精神活動を揶揄するような輩が出向いてくるなどと……。対処不能災厄「ネームレス・スワン」はおそらく『窓』があれば何処からでも出現する。たとえば、この奇妙建築とやらは如何だろうか。思考を巡らせなくとも、嗚呼、危機としては十分である。はあ……頭が痛いな。それに、俺は、俺が思っていた以上に、難儀をしているらしい。別√からの威嚇音――ぐるりと、見渡したとして、考えている|彫像《にんげん》が解せるか、否か。真下に存在している『門』は、成程、しっかりと抉じ開けられていた。……ここは思い出の場所だ。十何年、何十年経っても、通い慣れた路を見誤ることはない。
 勝って嬉しいはないちもんめ、負けて悔しいはないちもんめ、指差しされた女の子の行方は如何に。何か、途轍もない懐かしさに擁されたのだが、其処に泥濘をしている暇はない。……俺は今、いったい、何を見せられていた? 俺は今、いったい、何を夢見ていた? かろうじて正気にしがみ付けたのは幸運だったからか。ともかく、自分の意思を胸にした儘、再度、深淵を覗き込んでやると宜しい。今は、今の時間を生きているとしても、この場所を穢させはせぬ。見えた。ネームレス・スワンの『頭部』だ。咆哮せよ、溶けたキャラメルのように――! 揺れた。あまりの威力に頭部が爆ぜ、漿液が散らかった。
 戸締りをしている余裕はない。此方から迎えに行ってやれ。
 戦の余波を『こちら』へ持ち込むわけにもゆかぬ。彼方が、EDENだと称されたのであれば、真にEDENとしなければならない。それにしても、酷い叫び声だ。俺が猫又でなければ、今頃、九つすべてを消費していたのかもしれない。射出してやった籠手の釣り糸、引っ掛けてやれば、あとは駆け抜けるのみ。相手が怪異であれ災厄であれ、漿液が『出る』のならば上等か。構え、揮ってやった|刃《サーベル》の光輝。スグサマ光は|体液《どろ》に塗れて役割を果たす。脊髄も、翼も、頭部も、いよいよ、枝葉のようだ。
 間引きをしてやったというのに、災厄、勢いの儘に歌う。
 胸が、毛並みが、ざわざわと訴えてくる。このまま、我が身を晒していたら、何れ『もらわれて』しまうと。……あれを押し戻して門を閉じろ。何度も、何度も、はないちもんめのように。己の精神に、人間精神のカタチに、言い聞かせた。よろしい。押し戻して、門を閉じろ。押し戻せ 門 を――理性が砕け、塵となる寸前――メインクーンは歩んでみせた。狭間、縫うようにして進むサマ、まさしく高貴の一言だ。
 吶喊せよ、吶喊せよ、巨大な猫の威力を教えてやれ。
 地獄の使者は最早なく――三位一体は虚構のように。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​ 成功

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