シナリオ

⑨子の為に母は鬼になる

#√妖怪百鬼夜行 #秋葉原荒覇吐戦 #秋葉原荒覇吐戦⑨

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⚔️王劍戦争:秋葉原荒覇吐戦

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

●我が子が可愛いし……。
 √EDENに逃した我が子。
 何時までも愛しい我が子。
 あの子は、如何しているだろうか…?
 まだ生きているだろうか…?
 星詠みの悪妖『椿太夫』の予知を受けた金翠御前は、我が子を守る為に、√EDENでの虐殺を引き受けた。
 この|場所《・・》に、愛しい我が子は|居ない《・・・》と謂う言葉を純粋に信じて……。
 神田明神付近で、子を守る為に、人の子を殺すと、虐殺を厭わないと謂う矛盾を孕んで鬼女は、その手を血に濡らすのだ。

●黄泉比良坂・|千引岩《ちびきいわ》の上より
 √EDENの島根県出雲地方のとある場所にあると謂われる黄泉比良坂。
 此処は彼女、星詠みである『|我妻・言葉《がさい・ことのは)(人間災厄「古事記」の|伊邪那美命《イザナミノミコト》)』の領域である。
「よくいらっしゃったのぅ。
 妾は、我妻・言葉と申す。一応、星詠みの端くれじゃ。」
 クツクツと嗤いながら偉そうに呟いたのは、|幼女《・・》と謂っても語弊も過言でもない女の子であり、しっかり巫女装束に袖を通して千早を羽織、眼下の貴方達を見下ろしていた。
「お主らは、母の愛と謂う物がどのような物か、知っておるかのぅ?」
 一般的に家庭に暮らしていたり、√違えど母との生活をしたことがある者も居るだろうし、過去を覚えて居らず母とは漠然にこんなもんだろうと、考える者も居るだろう。逆に母には良い思い出が欠片として無い者だってこの場にはいるかもしれない。幸せも不幸も紙一重。同じような|重さ《・・》がある。
 見上げた先に居る言葉は、勿論|母《・》である。一般的には神の子を産んだとされているが──。
「……我が子が可愛くない者はおらぬ。
 まぁ、其れは妾に限ったことでは無く、今回の簒奪者もそうであるらしいからのぅ。」
 嬉しそうにクツクツと嗤いを零し、徐に袖で口元を隠した。何が嬉しいのが、見ている者達には欠片も分からないが……。
「今回の簒奪者は神田明神付近で、人の子を一人で多くと……虐殺をしておる。
 お主らには、この神田明神の御祭神達の霊力を浴びて強化されておる金翠御前から人の子等を護るか、原因になっておる金翠御前自身の討伐を頼みたいのじゃ。
 尚、お主らも争う際には御祭神の霊力を浴びて戦うのが良かろうよ。」
 それだけ謂うと「伝えるべきは伝えた」とばかりに邪な笑みを浮かべ、ニンマリと微笑んだ。
「吉報を待っておるぞ?」
 放って置けば大虐殺は免れない。時間が経てば経つほどに良くない結果になるのは火を見るよりも明らかである。
 言葉は、何方を選んでも問題ないと謂っている。何方が最善かは参加者を重んじるようだ。
 ──貴方の選択で戦場は、如何ようにも変わるだろう。
 それがどの様な選択であっても──。

マスターより

海月宵
 初めましての方や、お久しぶりの方々、海月・宵と申します。
 第二戦線戦争シナリオをお送りします。
 出来るだけ早期に書き上げたいと思っております(気力的には)。
 前回で既にだいぶ遅かったので、何かと頑張ってみます。そのせいでおかしな所もあるかもしれませんが……。
 尚、当方のシナリオは|グロくなる《・・・・・》ことが御座います。その点も御了承の上、ご覚悟下さい。……何分、海月なので……。(遠い目)
 未だに、不慣れな所が多く御座いますが、皆様の生活の一部として少しだけお時間を頂ければと思っております。


▼第1章 子の為に母は鬼になる
 海月は、あんまり親の愛とか分からない系です。
 世間一般的な母の愛情とかはなんとなーく理解はしておりますので、心情に訴えかけてもいいのですが、相手は|鬼女《・・》ですので、お察しください。その点をしっかりご理解ください。

今回のプレイングボーナス:
民間人を逃がす/こちらも御祭神の霊力を浴びて戦う。


 それでは、1戦完結の戦争シナリオです。
 断章は、御座いませんのでOP公開と共にプレイングを受け付けます。
 第二戦目も取り敢えず参加してみたい!と、思ってくださる方のご参加を、お待ちしております。(深々)
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第1章 ボス戦 『母なる鬼女『金翠御前』』


POW 母の腕に抱かれよ
【鬼の腕】による近接攻撃で1.5倍のダメージを与える。この攻撃が外れた場合、外れた地点から半径レベルm内は【不安感を増幅する祟り場】となり、自身以外の全員の行動成功率が半減する(これは累積しない)。
SPD 母の目は誤魔化せぬ
自身が受けた武器や√能力を複製した【鬼の腕】を創造する。これは通常の行動とは別に使用でき、1回発動すると壊れる。
WIZ 母は強き
自身の右掌で触れた√能力を無効化する。
イラスト 函田実烏
√妖怪百鬼夜行 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

澪崎・遼馬
アドリブ、連携歓迎

生きる為、生かす為に他を殺す。矛盾しているようだが命とは元来そういうものだ。人の親になった経験がないゆえ、母の愛や親の愛を真に解してはいないが、この妖怪が行っていることはそう間違いでもないのだろう。

「当人が誘導するゆえ、避難する者はこちらへ!」
一般人の避難を優先させよう。【霊震大嵐】を使用。金翠御前へ300発の曲がる弾丸を浴びせる。敵の√能力で無効化されるだろうが問題ない。最低限の目眩ましになれば良い。その間に人々を誘導する。避難中に攻撃が飛んできた場合は背負っている棺を盾代わりにした『盾受け』で防ぐ。

 神田明神付近と謂っても、近隣は自然がふんだんにある地域の為、此処に来るのは観光客や地元の人々が集まる場所となっている。
 その中に混じって母なる鬼女『金翠御前』は悠然と歩みながら、彼女を中心にコスプレをしているのかと集まる人の輪を容赦なく阿鼻叫喚の図に変えている。
 その輪に飛び込んだのは、密葬課に所属する異能捜査官。警官でその責務に誇りを持っている澪崎・遼馬(地摺烏・h00878)であった。
(生きる為、生かす為に他を殺す。
 矛盾しているようだが命とは元来そういうものだ。)
 背負っている棺を盾代わりに展開して、襲われそうな人々を護るように、彼らを保護するように滑り込む形になる。
 すーっと揺蕩うように、ゆるりと重ね着の着物が少しずつ、真っ直ぐと伸びた美しい白髪が、細く切れ長な|碧《みどり》の瞳が、遼馬を捉えた。
(人の親になった経験がないゆえ、母の愛や親の愛を真に解してはいないが、この妖怪が行っていることはそう間違いでもないのだろう。)
 人々を背に護りながら、遼馬は迷わず声を掛ける。
「当人が誘導するゆえ、避難する者はこちらへ!」
 その声を聞いた無辜の人々は、我先にと遼馬の方向へと逃げ込んでくる。例え、遼馬の声が聞こえて無かった集団|恐慌《パニック》状態な無辜の人々が、頼まれなくとも集まってくるのだ。
 そうなると標的を求めて金翠御前は、遼馬と視線が交差する。
 無辜の人々が攻撃される間を作らぬように、間髪入れずに√能力【|霊震大嵐《レイシンタイラン》】を両手に、双方に構えられた|白と黒の彼岸《二丁拳銃》から、弾の雨霰が金翠御前を襲うのだ。しかし、強化されている金翠御前は、喰らい始めは大人しく喰らっていたのだが、|此れ《攻撃》を鬱陶しそうに金翠御前が右手を前に差し出して、袖を軽く振るいながら【母は強き】が自動的に発動されて遼馬の霊震大嵐が触れた途端に霞のように消えて行くのだった。
 ──だが「これでいい。。。」と、遼馬は内心で罠に嵌めた。引っかかったと。元々、遼馬は此れが目的であり、目隠しになればいいと割り切っていたのだ。銃弾の後に残った硝煙や噎せ返す程の煙は立派なブラインドとなり、金翠御前からの視界を十分に奪う結果となり、遼馬の作戦通りに人々を出来るだけ静かに安全な場所まで誘導していくのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

アリス・グラブズ
「こっちだよっ、逃げてねっ!」 触腕を伸ばし、群体をばらまいて避難路を覆う。 それは粘膜のような祈りの壁。御祭神の霊力が混ざり、光を帯びて脈打つ。 「……これが、“母”のかたち?」 《共棲噴出子・スライミング》展開。 蠢く粘膜が地面から芽吹き、包み守る構造へと変化していく。 鬼女の“母なる手”が迫る瞬間、祈りの膜を広げて受け止める。 触腕の内側で、光と血潮が混ざり合い、世界の境目が揺らぐ。 「ねぇ、金翠御前。守るって、こういうことだよ。」 神域の光が脈動し、群体が柔らかな盾となる。 「――来るなら、抱きしめてあげるっ!」 祭神達の加護を受けワタシは触腕を振り上げた。

 神田明神内は、色んな神様を祀っているからか、敷地は広く、人は各々が祈りたい神へと赴くからだ。一部で狂気的な悲鳴が上がっても聞こえてない場合もあるだろう。
 そんな──とある一柱が祀られてる場所で、アリス・グラブズ(平凡な自称妖怪(兼 ディスアーク下級怪人)・h03259)は人々の誘導をしていた。
「こっちだよっ、逃げてねっ!」
 アリス|元来《・・》の目や口の生えた触腕を伸ばし、群体をばらまいて避難路を覆うように、金翠御前から無辜の人々を護るように展開されていく。
 当然だが、幼女から突如生えてきている意味の理解できない触腕より、美しい1本の角を持つ鬼の方が、マシに見えるだろうか?
 思わずアリスから離れて、金翠御前に近寄った無辜の人が【母の腕に抱かれよ】の攻撃範囲に入ってしまい、トマトを潰すようなひしゃげた擬音と蛙が車に引かれたが如く無惨な姿を晒すことになる。金翠御前の放った攻撃は、一部アリスが護っている、いや、正確には守護する為に張った粘膜のような祈りの壁が、祀られた御祭神の加護を受けてアリスの髪のような金色の光を発して混ざり合い脈動する。
「……これが、“母”のかたち?」
 母の想いは、こんな暴力的な物でいいのだろうか。──否。アリスの知っている愛情はそんな他人を傷つけてまで、自身の子を護ることなど望んでいないし、利己的な愛は知り得ない。自身を受け入れる人類を知っている。だから、|だいすき《・・・・》なのだ。
 √能力 【|共棲噴出子《スライミング》】が自然と展開される。 触腕に沿って蠢く粘膜が石畳の間から芽吹き、より強く包み守るトンネルのような構造へと変化していく。
 金翠御前の【鬼の腕】から護ったのは、この祈りの膜が大きく広がり受け止めたからだった。 触腕の内側で、|金色《こんじき》の光と血潮が混ざり合い、世界の境目が揺らぐような感覚を味わうのは避難誘導されている無辜の人々か、それともアリス自身なのか。
「ねぇ、金翠御前。
 守るって、こういうことだよ。」
 その言葉に、金翠御前は何も語らない。凛とした佇まいは凡そ角を視るまで鬼女には見えない程美しかった。その恐ろしく視線で射殺しそうな眼以外は──。
 神域からの加護を受けて光が脈動し、アリスの群体が柔らかな温かい人を護る盾となる。
「──来るなら、抱きしめてあげるっ!」
  祀られた祭神達の加護を受け|アリス《ワタシ》は、触腕を振り上げて【這い寄る生きた粘液】を、金翠御前は【不安感を増幅する祟り場】を、奪い合いをする結果となって己の力を、命を削り合うのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

天・叢雲
母親ねぇ。
生憎と縁遠い存在ですが、研究本なりは読んでますよ。
曰く、母にとって子とは『自分自身』だと。

全ての人がそうとは申しませんが――果たしてあの妖は如何でしょうね。

🔵
いずれにせよ迷惑なんで、退治します。
折角なので、御祭神のお力を借りましょうか。
他方では怨霊扱いながら、東国では紛れもなく守護神として信仰される御霊の力をね。

あとは最短特急、【八岐剣】で加速して切り込み。
反撃は動きを見切り躱すか、霊的防護で軽減。

ひとまず一太刀目を無効化されれば、二刀目は右手を避け叩き込む――と見せ、掴んでもらいましょう。
寸前で霊剣術を解除した、ただの刀剣の一撃をね。

あとは刃を食い込ませ、そのまま怪力で切り通し。

 神田明神付近内、椿太夫に唆された悪妖が、あちらこちらで阿鼻叫喚の血腥く、眼を覆いたくなる状態が辺りを作り出し、包みこんでいた。
 その原因の一端を担っているのは眼前の『母なる鬼女『金翠御前』』である。
(母親ねぇ。
 生憎と縁遠い存在ですが、研究本なりは読んでますよ。
 曰く、母にとって子とは『|自分自身《・・・・》』だと。)
 そんな事など思われても解らない金翠御前は、背を真っ直ぐ伸ばし、凶悪的な凶暴性を隠して、今まさに寄るものを虐殺しようとしているのだった。
(全ての人がそうとは申しませんが──果たしてあの妖は如何でしょうね。)
 ──と、天・叢雲 (咒滓・h00314)内心嘯きながら、改めて金翠御前を見つめる。
「いずれにせよ迷惑なんで、退治します。
 折角なので、御祭神のお力を借りましょうか。」
 叢雲は小さくそう謂い呟くと、御方の力を借りんと祈るのだ。
(他方では怨霊扱いながら、東国では紛れもなく守護神として信仰される|平将門命《御霊》の力をね。)
 内側から湧き上がる感覚が、御祭神の霊力を受け取った確かな感覚が、叢雲を包み込むと√能力【|八岐剣《ヤマタノツルギ》】を発動させて、振りかぶり襲いかかろうとする金翠御前と無辜の人の間に【大蛇の力を発動し、頭上に叢雲】を纏うって叢雲が入り込む。危機一髪で2人の間に入ると同時に爪と八雲太刀が金属の擦りあったような悲鳴をあげて、辺りに響き渡った。──と同時に、【霊剣術・八岐剣】の一撃が金翠御前の右手で掴まれており、叢雲の使っていた能力を、纏っていた気配が徐々に無効化されていくのが分かる。2人が放つ攻撃の余波は、お互いを傷つけていくが、叢雲は自身の背には無辜の人がおり、大蛇礼装の霊的防護を最大に展開して相殺させてはいるが「此の儘では……」と、素早く思考を切り替えて霊力攻撃と怪力を併用して、押さえられた刃を無理矢理に金翠御前の右手を、腕までも食い千切る大蛇のように、びちゃびちゃと骨を断つ音と共に赤い牡丹のような花を|裂《咲》かせるかの如く、叢雲の眼前で花開いた。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

サルサ・ルサルサ
(アドリブ連携OK、人間形態)
正直母の愛は分からないのだけど。だってほら、わたしサボテンだし…株を分けたのか種から生えたのかも覚えてないし。でもアレは親は親でも毒親ってヤツなことぐらいは分かるわよ
祭神さま、力を貸してね。あれを叩けないとこのおぞましくなったお社のお掃除もできないわ?

【棘々真河】で御前を爆撃してステージイン。水の恵みは負傷した一般人に、潤ってるうちにお逃げなさいとコール。
触られた能力が無効化されるなら触りようがない乾きに苦しんで貰うわ。後は腕の射程に入らないよう保ちつつトゲの「弾幕」で針山にしてやる。
鬼さんこちら、モンスターペアレンツが勝手出来た時代はとうの昔らしいわよ?

 神田明神を見渡せる高所から、此の血みどろな惨劇を見ているのは、サルサ・ルサルサ(サボテニックヘヴン・h04751)であり、少しアンニュイな気持ちになっていた。
(正直、母の愛は分からないのだけど。
 だってほら、わたしサボテンだし……株を分けたのか種から生えたのかも覚えてないし。
 ──でも|アレ《・・》は、親は親でも毒親ってヤツなことぐらいは分かるわよ。)
 ぴょんと人間形態のサルサは、何時もよりも眠たげで憂鬱そうに、眼下の『母なる鬼女『金翠御前』』を視界に入れてステージイン! と、飛び出した。
「祭神さま、力を貸してなのよ。
 あれを叩けないとこのおぞましくなったお社のお掃除もできないのだわ?」
 空中で舞うように祈った想いは、|少彦名命《えびす様》からの加護となり、その小さな身に受けて√能力【|棘々真河《チクチクマガワ》】を、加護を得たと確信した途端に金翠御前へ向かって美しい花から凶悪な【砂属性】の弾丸を射出をして【渇き】による攻撃と、サルサの足場には澄んだ【水属性】の弾丸が着弾と同時にオアシスとして展開される。
 着地した場所には、逃げる際に負傷したであろう無辜の人々がおり、サルサの癒やしで此の悪夢のような場所から逃げる術を得る。
「潤ってるうちにお逃げなさいなのだわ。」
 きっと可愛く笑みを零しているのかもしれない。全く表情筋は動いてないが──。無辜の人々は自力で立てるようになるとサルサに頭を下げて散り散りと避難していった。
 一方、砂の弾丸を諸に喰らった金翠御前が砂塗れになりながら、皮膚が露わになっている部位から砂が入り水分を奪われて苦しそうに袖で、口元を押さえて咳き込んでいる。此れを好機と捉えたサルサは、金翠御前の射程に入らないよう距離を保ちつつ『サボ・トゲ』でのトゲの弾幕で針山にしようとする。
 距離を縮めることに困り果てた金翠御前は【母の目は誤魔化せぬ】が作り上げたサルサの作り出した砂属性の弾丸を1回だけ操ることが出来る【鬼の腕】から、サルサの攻撃が使った攻撃を返すのだが、
「鬼さんこちら。
 モンスターペアレンツが勝手出来た時代はとうの昔らしいなのだわ?」
 ──と、しっかり煽って、サルサは金翠御前のカウンターを避けると同時に素晴らしいフォームでオアシスに飛び込んだのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

和紋・蜚廉
祭神よ、力を借りたい。
如何に理由が狂ったものとはいえ、命が奪われる光景を見過ごすわけにはいかんからな。

御祭神の霊力を借り受け、殻劫を繰り出す。
複製されようとも、その腕は破壊されてしまうもの。
こちらには連続行動の分がある。
例え目を失おうと、潜響骨と翳嗅盤が鬼の挙動を感知する。

背中も皮膚も腹も破壊したところで何の支障もない。
複製された鬼の腕ごと、威力の上がる殻烈転導に巻き込んで破壊しよう。

我が身体は、六脚の異形なれば。
腕が2本で終わると思ったか?
背中より隠していた対の腕を繰り出し、最大に高めた一撃を叩き込む。

親の愛は、我にも分からなくてな。
だが、この拳が守る力になるのなら。
我はそれを振るうだけだ。

「──祭神よ、力を借りたい。
 如何に理由が狂ったものとはいえ、命が奪われる光景を見過ごすわけにはいかんからな。」
 ──そう想い願ったのは、和紋・蜚廉(現世の遺骸・h07277)であった。
 その想いは、より強い者と戦う為か、それともか弱き者を護る為なのかは、蜚廉のみが分かることだろう。
 願いに応えたのは、武将の|御霊《みたま》であった。
 眼前には、倒すべき『母なる鬼女『金翠御前』』がゆっくりと蜚廉を鋭い視線で見つめ眉を寄せた。
 その視線が交差した瞬間に戦闘は始まったのだ。
 地を這うように蜚廉は、金翠御前との距離を縮めて√能力【|殻劫《ツヅラ》】を発動させる。そして腕で、脚で、その強靭な顎で、金翠御前を攻撃しては、蜚廉は自身の対となる部位を容赦なく破壊して、【繰り返す事に速度と威力が上がる殻裂転導】による高命中率の近接攻撃を繰り出していくのだ!
 一方、金翠御前は自身の部位を失うことに躊躇いがあるのか、余り【鬼の腕】を発動させようとはしなかった。それだけどの|部位《・・》も失いたくないのであろうか。変えが利かないと謂う事実が重くのしかかる。
 お互いに、血に濡れて、その身を削ぐような戦い方をしているが、此れは|心意気《・・・》の問題なのかもしれない。
 片や例え目を失おうと、体内にある『潜響骨』が振動器官で微細な気配を拾い、『翳嗅盤』で空間に残る痕跡を、匂いのように読み取る嗅覚器が鬼女の挙動を素早く感知する蜚廉に対して、片や舞うように鋭い爪のある鬼の腕での通常攻撃を繰り出していくが鬼女は徐々に圧され始めているのを否めない。互いに祭神達の力は借りているのだ。金翠御前は【鬼の腕】を使って片目を、片足を犠牲に──簒奪者と謂う立場であるから辛うじて拮抗してるように見えるが、確実に蜚廉の方が優位に見える。自身で与えるダメージと喰らうよりも先に自身で破壊していく背中も皮膚も腹も破壊した所で、された所で、何の支障もないと示している。例え、複製された所で鬼の腕ごと、威力の上がる殻烈転導に巻き込んで破壊しようという心根は、|生物の本能《・・・・・》としては正解なのかもしれない。
 両腕が壊れた所で、壊した所で、スゥッと現れるが異形の脚だ。その様子に言葉は発さずとも忌々しいと思われていることが伝わる視線が蜚廉を見つめる。
「我が身体は、六脚の異形なれば。
 腕が2本で終わると思ったか?」
 背の殻に忍ばした新しい対の腕を繰り出し、最大に高めた一撃を金翠御前に叩き込むと、勢いよく血塗れになった鬼女は吹っ飛んで行った。

「親の愛は、我にも分からなくてな。
 ──だが、この拳が守る力になるのなら。
 我はそれを振るうだけだ。」
 ──だからこそ、平将門命が応えたのかもしれない。過去、民衆を護ったと名高き御霊だから──。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

架間・透空
……愛しているのに、どうして壊そうとするんですか。
わけ、わかんないですよ。

──変身、解除。
「架間・透空」から「ハイペリヨン」へ姿を戻す。
決戦気象兵器を起動。チャージを開始。
そして金翠御前に接敵。|肉弾戦《ボディランゲージ》を試みます。
民間人を逃がす為、自身に引き付ける狙いもありますが……
『母親』の彼女と話がしたかったんです。
とっくに狂ってしまっているのは分かっています。
それでも、言葉が使えるのなら。
止めてくれる心もまだ残ってるって、信じたいんです。

金翠御前さん、こんなこともうやめてくださいって。
いっぱい、いっぱい訴えます。時間の限り。
……ダメそうなら、|太陽光線《最後の手段》です。

「……愛しているのに、どうして壊そうとするんですか。
 わけ、わかんないですよ。」
 それは、架間・透空(|天駆翔姫《ハイぺリヨン》・h07138)の心から響く、慟哭のようだった。
 表情を崩さず、声の主を唯、悠然と静かに『母なる鬼女『金翠御前』』は風鈴が鳴ったような音に耳を貸す程度の反応を示している。
 自分への興味を持ったような反応ではあったが、では虐殺の手が止まるのかと謂えばNOである。
「──変身、解除。」
 今にも泣きそうだった|人間形態《「架間・透空」》から、逞しく恐ろしい|天色管理機構怪人《「ハイペリヨン」》へ自身の姿を戻した透空は、決戦気象兵器を起動して、チャージを開始する。今後の返答次第では必要になるから──。
 虐殺を止めるべく金翠御前に接敵して、其の儘、|肉弾戦《ボディランゲージ》を試みようとする透空ではあるが、それは己を囮にするが如く気を引く為か、それとも|唯の時間稼ぎ《無辜の人々の逃走》の為か……?
 思いっきいタックルをしたのだが、鬼女はまるで子供を迎えるように、その体当たりを受け止めた。
「『母親』の|貴女《金翠御前》と話がしたかったんです。」
 金翠御前の腕の中で、身体的には大きいのに、心体的に小さな子をあやすように、鬼女は能面のような表情で、透空を見つめている。
(|彼女《金翠御前》がとっくに狂ってしまっているのは分かっています。
 それでも、言葉が使えるのなら。
 止めてくれる心もまだ残ってるって、信じたいんです。)
 ──透空は、自分自身に謂い聞かせるように複雑な胸の内を吐露したかったのかもしれない。
「愛しておるのは、妾の子だけじゃ。
 それ以外に何の価値があるのか。
 |此処《・・》に、妾の子は決して|おらぬ《・・・》。
 故に、壊してはおらぬ。
 妾が迎えにいく子が必要な世界ならば、幾らでも残してやろう。
 其の為に、必要無い者は|処分《・・》して何が悪いのか」
 此の鬼女は、まだ生きていると思っている。|大昔《・・》に√EDENへ送り出した|我が子《・・・》の生存を。逢えないだけと思い込んでいる。
 この戦争で悪妖の住処を、足場を作り、探し出せると──それが星詠みの悪妖『椿太夫』の金翠御前に吹き込んだ言葉。
「金翠御前さん、こんなこともうやめてくださいっ」
 悲痛な透空の声が辺りに響く。いっぱい、いっぱい訴えかける。もてる時間の限り。
「──それしか、謂わぬのか」
 言葉は噛み合わない。意思が交差しない。心が通わない。相互理解も、何もかも金翠御前は|母である鬼女《・・・・・・》は、理屈などない。全ては子の為。愛しい我が子の為。
 涙など流れないハイペリヨンだが、母なる鬼女に見下され、最早鬼女は興味を失せたように手を離し、鬼としての力を振るわんと腕が振り下ろされる。
「……ダメなのですか」
 俯いた透空は、チャージした時間をフルに使い|太陽光線《最後の手段》こと√能力【|天色管理機構『晴』《ハイペリヨン・サン》】を真正面にいる金翠御前へ向かって【太陽光を収束したソーラービーム】を放つのだった。
 超近距離からの攻撃には、流石の金翠御前も成すすべ無くソーラービームの先に吹き飛ばされていく。遠くなる綺麗な布の束を唯唯、眺めるしかない。
 空はこんなにも明るく晴れやかなのに、透空の心は雲が掛かったように、今にも雨が降り出しそうな曇天であった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

和田・辰巳
アドリブ・連携歓迎
こちらも御祭神の霊力を浴びて戦うとしよう

僕は貴方の言う子供になりますか?
昔の基準だともう立派な男児かな。どちらにせよ、避難するまでの時間は稼がないと
自販機を召喚して盾と遮蔽にしつつ、電信柱を音速射出して迎撃、足止め
相手が対応してきたら、海淵流で空中機動しつつ煙の式神で煙幕+火雷による属性攻撃、天神様の雷で雷撃
見えない怪物達の擬態で回復しながら少しでも戦闘時間を延ばす

ここにも貴方の子孫がいるかもしれません。だから、どうか戦うのをやめてくれませんか
この場所には貴方の縁者でなくても他の子供たちもいます。
その子たちの事を思うならどうか!

最後は霊剣を構え、我が身でその場に釘付けにする。

(こちらも御祭神の霊力を、浴びて戦うとしよう)
 元々神社の跡取り息子ではある和田・辰巳(ただの人間・h02649)ではあるが、星詠みに謂われた通り神田明神の一柱である大己貴命から加護を受けた。
 そして眼前で、虐殺を繰り返す『母なる鬼女『金翠御前』』は、突如話しかけられる|男児《辰巳》を視て能面な儘、縊り殺していた人間を、人形のように放り投げる。
「僕は貴方の言う子供になりますか?」
 金翠御前は、唯、辰巳を見つめ続ける。
(昔の基準だともう立派な男児かな。
 どちらにせよ、避難するまでの時間は稼がないと──。)
 反応のあった鬼女に向けて言葉を懸命に紡ぐ。
「ここにも貴方の子孫がいるかもしれません。
 ──だから、どうか戦うのをやめてくれませんか?」
 その言の葉にビクリと、金翠御前はまるで正気に返ったように、辰巳を見つめて首を左右に振った。
「この場所には貴方の縁者でなくても他の子供たちもいます。
 その子たちの事を思うならどうか!」
 辰巳は金翠御前の反応が途中から芳しくない物になっているのは解っていたが、言葉を止めることが出来なかった。
「|居らぬ《・・・》!!
 知らぬ。興味もない──」
 其の儘、振りかぶられた【母の腕に抱かれよ】が、地面を抉る様な勢いで辰巳の真上から振り下ろされようとしていた。
 咄嗟に辰巳は『サモンカードデッキ』から自販機を召喚して盾として、遮蔽として、鬼の腕にしっかりと破壊されて、其処から【不安感を増幅する祟り場】となってしまうが、同じくサモンズカードデッキから電信柱を召喚し『超圧海淵流』と併用して音速で射出をした電信柱で着物を縫い付けて、その場に留まるように足止めをする。
 その間に無辜の人々は辰巳が避難誘導した場所へ向かってもらうのだ。
 唯、大人しく縫い付けられてる鬼女ではなく、盾として使ったひしゃげた自販機を辰巳に目掛けて投げつけてくる。
 思わずぎょっとする辰巳ではあったが、努めて冷静に海流で空中機動を制御しながら、『煙の式神』で視界を塞ぐ為の煙幕を張り、流れるように『火雷』と『天神様の雷』を併用して炎を纏った雷雨が鬼女を苦しめる。先程投げられた自販機は掠りもしなかったが、着物を縫い付けてる電信柱をへし折られ、投げつけられると流石に完璧には回避が出来ず多少なりともダメージを受けてしまう。
 ──だが、辰巳は少しでも無辜の人々の逃げる時間を作るように√能力【|見えない怪物達の擬態《ミミックリー・オブ・インビジブル》】で護霊『箱水母』で喰らったダメージを回復しながら少しでも、長くと戦闘時間を延ばすが、着物の切り裂ける音がして鬼女こと、金翠御前はボロボロになった着物と焦げた匂いを携えて辰巳の前に改めて姿を表す。
「頭が硬いと本当にお子さんに見限られますよ!」
 言い切ると霊剣を構え、辰巳はその身で鬼女を、金翠御前を釘付けにするのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

花園・樹
√EDENに逃がした子…か
(私自身、親の顔も分からないまま√EDENに流れてきた孤児。父母の顔も愛も知らない。だけど…)
子供達を…これ以上傷つけさせないよ

一般人の避難を最優先に行動
【白気】を発動し自身と周囲の一般人を回復しつつ安心感や信頼感を増幅し避難誘導
一般人への攻撃は可能な限り庇い、オーラ防御や受け流しを駆使し耐えつつ避難時間を稼ぐ
祟り場の不安感は白気の安心感の増幅で相殺

私は母の愛を知らない
だけど…身寄りのない私にも愛を注いでくれた|人《孤児院の先生》達がいた
…だから次は私の番
親でなくとも…教師として子供達を想い、護るよ!
隙があれば御祭神へ加護を祈りつつイヌガミとも連携し敵へと狼牙を振るう

「√EDENに逃がした子……か。」
 星詠みの言葉を反芻しているのは、花園・樹(ペンを剣に持ち変えて・h02439)であった。
(私自身、親の顔も分からないまま√EDENに流れてきた孤児。
 父母の顔も愛も知らない。だけど……。)
 狂ったように無辜の人々を虐殺し続ける『母なる鬼女『金翠御前』』を見つめ、決して自分の親があんな事をするはずはないし、無辜の──。
「子供達を人々を……これ以上傷つけさせないよ。」
 それは自身に謂い聞かせるように、そして眼前の鬼女に向かって呟いた言葉であった。
 樹は兎に角、無辜の人々の避難を最優先とした。
 本来なら、此処にいる無辜の人々を助けられなかった可能性の方が高かったのだ。偶々、星詠みが視たお陰ではあるが、人々を助けるチャンスを逃すことなど樹には考えが及ばなかった。
 √能力【白気】を発動し自身と周囲の無辜の人々を回復させながら同時に安心感や信頼感を増幅させて、無事な者から避難誘導を開始する。
 樹と共に無辜の人々は動き、それを察知したように鬼女こと、金翠御前は方向を変えて樹とその一団を標的として定めたようだ。
 献身的な樹の振る舞いは、無辜の人々への攻撃が届かないように向かってくる鬼女を抑えるべく可能な限り庇い、進んで前に出ては『狼牙』で受け流しをしつつ、それでも相殺できない攻撃を、ダメージを、少しでも減らそうとオーラ防御展開させて【母の腕に抱かれよ】を打ち込まれる。当然、避ける余裕はあっても無辜の人々に被害が及びそうな攻撃は敢えて喰らった。
 鬼女の攻撃が外れた場合に発生する【不安感を増幅する祟り場】にしない為にも樹は敢えて耐えることで避難する時間を稼ぐことを選ぶ。折角、無辜の人々に白気で与えた安心感や不安感も、相殺させたくなかったのだ。
「私は|母《・》の愛を知らない。
 ──だけど……身寄りのない私にも愛を注いでくれた人や孤児院の先生達がいた。
 ……だから次は私の番。
 親でなくとも……教師として子供達を人々を想い、護るよ!」
 もうすぐ神田明神の境内を抜けると謂うタイミングで、ふっと身体が軽くなるような、痛みが薄れるような|少彦名命《えびす様》の加護が樹に降り注ぐ。護る意思を尊重するかのように奮われた加護は、無辜の人々を見送り、その背を絶対に護り通さないと改めて鬼女こと、金翠御前に向き合い、今度はイヌガミ達と連携して|盾《・》としてではなく、|矛《・》として狼牙を振るうのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

巫・黒星
※連携&アドリブ歓迎

何だか恋する後輩みたいな甘酸っぱい予兆が見れたけど
ワタシには無縁なので神田明神さんに往くのね

撮影ドローンで配信も考えたけどグロい映像のせいでBANされても困るから中止ね
代わりに取り出すのはワタシが手ずからしたためた【陰陽五行符】
ワタシの姿が逃げ惑う一般の人達の心の支えになる様に・・・具体的には義侠心?を強化するの
そしたら安全な所まで鬼の豪腕に巻き込まれそうな人達を抱きかかえて逃がすのね

ま、最悪ワタシが身代わりになれば何とかなるの
こう見えても未だ神仙には至らぬけど、僵尸のワタシなら黄泉還れるからなのね
でも忘れずに|置き土産《カウンター》を狂える鬼さんにあげないとかな?

(何だか恋する後輩みたいな甘酸っぱい予兆が見れたけど、ワタシには無縁なので神田明神さんに往くのね)
 ──と、軽いノリで予兆を流して現在、現場にいるのは、巫・黒星(|鬼面道士《デスマスク》・h08880)であった。
 黒星は撮影ドローンで配信も考えたが、直様、その後のことを思考が横切って……。
(万が一に、どグロい映像のせいで、チャンネルがBANされても困るから中止ね。)
 ──思い留まる程度には、自分のチャンネルを大事にはしている。
 そして、その予想に反することはなく、神田明神境内や付近は|色とりどりの世界《放送禁止》(主に赤い)に彩られていた。撮影してなくって良かった。──本当にね。
 黒星は、だからと謂って何もしないと謂う訳では無い。
 代わりに取り出したのは|黒星《ワタシ》が手ずからしたためた√能力【|陰陽五行符《スペルカード》】で、出来上がった1枚の【五行符】であった。
(ワタシの姿が逃げ惑う一般の人達の心の支えになる様に……具体的には義侠心(?)を強化するの!
 そしたら安全な所まで、鬼の豪腕に巻き込まれそうな人達を抱きかかえて逃がすのね)
 まるで──とあるキッチン番組のように、|誰か《・・》に説明しながら黒星自身の内側にあるであろう『義侠心』を持ち得る最大限まで上げることによって『母なる鬼女『金翠御前』』と対面しても被害者になるであろう無辜の人々を安心安全な場所まで、少なくとも放送可能な場所までは誘導しようという作戦である。──じゃないと「正義を重んじ、弱者を助けようとする精神や気持ち」が少し薄い黒星は真面目に依頼をこなせないと考えたのだった。自分をよく理解していると謂ってもいいだろう。
 美しくも凛とて、悠然としているが狂っている上に凶悪な悪妖こと、金翠御前の前では、それが容易に行えないと謂うのは|予定調和《・・・・》と謂う奴である。
(ま、最悪ワタシが身代わりになれば何とかなるの)
 その思考通りに、無辜の人々の前に立ちはだかり、金翠御前を止めるように相手の力を利用してその拳を、太極拳を振るうのだ。
「こう見えても未だ神仙には至らぬけど、僵尸のワタシなら黄泉還れるからなのね」
 元々太極拳は「柔よく剛を制す」と謂う武術に基づいた高度な技法である。円を描く動きは、攻めにも相手を受け流し、御すことも可能となる。
 金翠御前と黒星の動きは、まるで「|死の舞踏《ダンスマカブル》」を踊っているようだ。
「──でも忘れずに|置き土産《カウンター》を、狂える鬼さんにあげないとかな?」
 鬼女が振るう剛腕を取り、くるりと背に舞った後の重心が移動するその一瞬に、脇に強烈な|一撃《発勁》を喰らわすのであった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

メイド・メイド
まさに|千引岩《ここ》は|千頭《ちがしら》|絞《くび》るならば|千五百《ちいほ》を産ますという|誓建《ちたて》の場ではございませんか。いえ、口に出さぬほうがよいこともございますね

閑話休題。その理由が何であれ、この街の人々をその|独善《エゴ》で害されるのは許容いたしかねます。人々を護りますよ
「右手で√能力を無効化する」能力というのは少々厄介ですね
であれば人々を護るための行動を手厚く致しましょう
まずは|聖人《オーサー》へ「敵を倒すために人々を無事この神社から離脱させる」という|祈願《プルリクエスト》をいたします
こちらは通ればよし、一方で無効化されることを前提としたデコイです
無効化され、人々になお危害を加えようとするならばあらかじめAnker「メイド・埋蔵金」を|振込《チャージ》することで手にしていた「叡智の盾」を構え【盾受け】を。そしてつづけてグラフィックボードを|起動《マイニング》させ、敵を熱風で焼きましょう

(まさに|千引岩《ここ》は|千頭《ちがしら》|絞《くび》るならば|千五百《ちいほ》を産ますという|誓建《ちたて》の場ではございませんか。
 いえ、口に出さぬほうがよいこともございますね。)
 実際そんな事を|此の《・・》星詠みの前で思っても、敢えて謂わない方が身の為だとしっかり理解してるのは、 メイド・メイド(学名:霊長目ヒト科メイド属メイド・h00007)であった。
 
 場所は代わり、眼前にあるのは神田明神の大惨事を目する結果になる。
 その大惨事を起こしているのは『母なる鬼女『金翠御前』』で、星詠みと同じく|母《・》であった。どんな理由であれ同じ母が我が子の為に、虐殺の限りを尽くしていた。
(──その理由が何であれ、この街の人々をその|独善《エゴ》で害されるのは許容いたしかねます。
 人々を護りますよ。)
 メイドは、現状が|視えない《・・・・》。それは欠落に所以する「眼で認識する能力」が視たモノを|認識できないから《・・・・・・・・》だ。──だが、それをメイドの相手に決して察せられないように振る舞っている。完璧なメイドであるために。実際に、虐殺する光景は認識は出来てはいないが──。
 そしてメイドが気になっているのは、事前に謂われれていた金翠御前の【母は強き】の「右手で√能力を無効化する」と謂う能力が少々厄介だと思っているのだ。
「──であれば人々を護るための行動を手厚く致しましょう。」
 そう、一言。息を潜めて泡沫のように呟いて。【HDD円盤を光輪にした|聖人《オーサー》】が顕現し「敵を倒すために人々を無事この神社から離脱させる」という願いを√能力【|祈願《プルリクエスト》】と、同じ神田明神の御祭神の霊力を|少彦名命《えびす様》が応えたのだ。
 しかし、そんな願いを金翠御前は指を咥えて見ている訳もなく、何もせずに無辜の人々を逃がす事を許すことを良しとせず、護ることすらも良しとしなかった。
 叶ったはずの願いは金翠御前が右手で視えない何かを触れるように、翳すように【母は強き】で触れて、硝子が割れるような音を響き渡らせ、願いを叶えると謂う根本を拒否し、拒絶するように無効化したのだった。
 そんな物は、メイドとしては百も承知であり、第一の矢が駄目なら、第二の矢である。
(|こちら《創造主への祈祷》は通ればよしですが、一方で無効化されることを前提としたデコイです。)
 無効化されることを前提として、予め「|メイド・埋蔵金《Anker》」をネットショップに振込チャージしておき√能力【|叡智の盾《マイニング・シールド》】を展開しておく。
 このAnkerの存在は概念的な意味合いなのか、それとも資産的な意味合いなのか、それとも、現金的な意味合いなのかは、解らないことはこの際置いておくとして──。
「無辜の人々になお危害を加えようとするならば──」
 メイドが手にする第二の矢は【1000枚のグラフィックボードで組んだ盾】であり、武器である。1000枚のグラフィックボードが、鬼女の剛腕を受け止めて動きが止まる。何度も腕を振るうが、金翠御前からすれば見たことすらない謎の塊に[盾受け]の要領で攻撃を防がれ続けるのだ。その間に、無辜の人々は逃げていく。無事に逃げていくのを視えなくても気配で感じることができるメイドは、十分な距離を確認した後に、グラフィックボードを|起動《マイニング》させ、【200dB超えの騒音と超高温の排熱】で攻撃する。
「貴女様には、この熱風が|焼きま《お似合いで》しょう」
 その騒音と超高温は幾ら両手で防いでも、防ぎきれず、ましてや着物を纏っている鬼女こと、金翠御前には的確に効くようで火柱が、舞うように攻撃をしても全てグラフィックボードの盾が受け、メイドの想定の儘、鬼女が炭に変わるまでそれは続くのであった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

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挿絵イラスト