シナリオ

⑧教唆の乙女よ、熟れてくれ

#√汎神解剖機関 #秋葉原荒覇吐戦 #秋葉原荒覇吐戦⑧ #乙女心

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√汎神解剖機関
 #秋葉原荒覇吐戦
 #秋葉原荒覇吐戦⑧
 #乙女心

※あなたはタグを編集できません。

⚔️王劍戦争:秋葉原荒覇吐戦

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)

●投身花火を二人でいつか
 連邦怪異収容局員「リンドー・スミス」が驚きを隠せないほどの『地獄の気配』であった。如何やらステイツのお偉いさんは『情報』だけでは物足りず『他の戦力を削ぐ』事にも手を出していたようだ。しかし、それが正解だったとしても彼女を――『封印指定人間災厄』を――戦線に投入するのは如何なものか。この決定には『リンドー・スミス』も頭を痛める他にないか。嗚呼、如何やら、人選ミスをしたのは『私』だけではないと見た。
「……此処で√能力者達と『交戦』したまえ。いや、君の場合は『能力を使うだけで』良いのだが……君の為に『ひとつ』言っておく。油断は禁物だ。羅紗の魔術塔の末路については君も耳にしている筈だからね。嗚呼、君には、まだ、話はされていないか」
 人間災厄『リンゼイ・ガーランド』――驚異的かつ脅威的な、極めて地獄めいた能力を有する彼女は――何処か、林檎のような表情を湛えていた。リンドー・スミスを見ている彼女は、果たして、如何様な精神を抱えているのだろうか。
「ご迷惑をお掛けします、先輩……此処で『合衆国の敵』を歓迎すればいいんですね。わかりました。一般人の犠牲は……その、避けられないかもしれませんが。泥船に乗ったつもりで期待していてください」
「……大船では?」
「……あ……」
 兎にも角にもリンドー・スミスは封印指定を置いていった。それにしても、紳士は『何事もなく』お話をしていたが。無差別自殺を起こす『災厄』に対して、どのような方法を……。それは、先程の林檎とやらに関係してくる。
「……先輩……私、どんな事をしてでも、先輩を振り向かせてみせます」
 乙女心再び。

●タナトスの腕の中で
「さて、予兆はされているんだ。君達ぃ、死んでくれないか?」
 星詠み、暗明・一五六の真っ黒い冗談。
 沈黙とやらが蔓延したのか。
「いやはや、君達も知っての通り、秋葉原ダイビルにおそろしいのがやってきてねぇ。なんでも『無差別自殺』が能力な『封印指定人間災厄』がお姫様のように座っているらしい。で、だ。別に簒奪者が軒並み自殺するってだけなら良いんだけど、問題なのは『一般人』がいるってところさ。それで、死んでくれないか? ってのは冗談で」
「死なないように努力してくれ給え。それしか方法がないのでね……贈物でもしてみるのは如何だい? アッハッハ!」

マスターより

にゃあら
 にゃあらです。
 命短し以下略。

 プレイングボーナス:自分の自殺を防ぐ(一瞬好かれるだけでも効果あり)。
 制圧効果:大規模戦闘発生!翌朝9時まで無料参加でき、105勝すると第三戦線の全戦力が2割減。
88

閉じる

マスターより・プレイング・フラグメントの詳細・成功度を閉じて「読み物モード」にします。
よろしいですか?

第1章 ボス戦 『人間災厄『リンゼイ・ガーランド』』


POW |希死念慮《タナトス》
60秒間【誰にも拘束・監視されない自由な時間】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【突発的感染性自殺衝動】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
SPD 怪異「|自殺少女霊隊《ヴァージン・スーサイズ》」
【|自殺少女隊《ヴァージン・スーサイズ》】と完全融合し、【自殺衝動の超増幅】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
WIZ |自殺のための百万の方法《ミリオンデススターズ》
【様々な自殺方法の紹介】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【ヴァージン・スーサイズによる自殺衝動】に対する抵抗力を10分の1にする。
イラスト 芋園缶
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 曰く――目眩がするほどに好いている。
 封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』はカップの中身を飲み干した。まるで、自分だけが『この静寂』の中のプリンセスであるかのように、錯覚をしながら。
 嗚呼――先輩。先輩は、何処までも『合衆国』の為に――無辜なる民衆の為に、働くのですね。それなら、私も……狂った狗のように、従い、尽くしてみせます。たとえ、先輩が、私の気持ちに気づいてくれないとしても。
 から、と、転がるように置かれたカップ。成程、珈琲の苦味と、酸味とやらが、林檎の味を悪くしていく。脳髄へと迷い込んだカフェインの結果は、さて、まさしく遊園地のようだ。リンドー・スミスの後輩は――EDENの気配を察知した。
 私は、私の力を使う事に、躊躇する気はないのです。
 いいえ、私はもう、これを抑え込めるとは思いません。
 なので、せめて、安らかに……眠れるように、手伝いましょう。
四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…解ってしまう…理解出来てしまう…狂ってると、そう謂う想いを…僕も、持っているから…
…だから、こそ…狂ってくるから、こそ…
…|あの方《・・・》は、きっと赦してくれない…けれど、自分で自分を殺す行為じゃなければ…いいのですよね?
…貴女様に敬意を…そして、少しでも…報われますように…

…此れは、自殺ではない。
…だって、貴女様にも…幸せを感じて欲しいから…。

行動
希死念慮とは常に隣り合わせなのだから、出来る行動
あの方は決して赦してくれないけど、インビジブル達に僕を食べさせる
抵抗しているような、日常の延長のような行動
一般人には出来るだけ被害がないように、ちゃんと狙って…。

 アポトーシスが大好きだ。
 ひどく脆弱な脳髄というものは、何処までも、おそろしく冒涜的なタンパクなのだろう。たとえば、強烈な頭痛の種について、描写をしようとしたところで、こびりついたパンドラのような代物と考えられよう。病的なまでに、ご執心なまでに、魔物というものは四季のような奈落を孕んでいる。……解ってしまう……理解できてしまう……狂っていると、狂ってしまう以外にないと……そういう、想いを……僕も、持っているから……。四之宮・榴にとって、人間モドキにとって、目の前の人間災厄は|天敵《●●》でしかない。視方を変えたのであれば『相性が宜しい』とも紐解けるが、ほどいた矢先に荒縄へと変化してしまいそうだ。……だから、こそ……目眩がするから、こそ……。誰に赦しを乞うと謂うのか、誰に跪くと謂うのか。患った乙女の同志として、少なくとも、可愛らしい悪戯くらいは覚えておくべきだろう。そう、あなた……先輩(の仕草)から聞いています。あなたは、先輩の事が『きらい』なのですね。なら、私も……あなたを好きにはなれそうにありません。死刑宣告――成程、教唆をされたのであれば、EDEN、従う他には選べない。
 希死念慮はお友達であった。様々な自殺方法を示されても、イマイチ、ツマラナイものばかりだ。……あの方は、きっと、僕を、叱ってくれるけど……自分で、自分を殺す行為でなければ……いいのですね? ザクロの飛沫を味わってくれるのはお魚さんどもだ。海月もご一緒してくれて、嗚呼、如何にも、日常の延長線上のようにも思える。困るんですよ。そういう、まるで、自分から死んでいませんよ、って主張してくるタイプの人。下半身から齧られた。ゆっくりと、会話が可能な程度に、捕食させたのだ。
 ……貴女様に敬意を……そして、少しでも……報われますように……。
 あー……なんか、苛々してきた。その『目』、やめてくれますか?
 ……貴女様は、幸せに……なるべきです。
 頭部、すっかり喰われてしまった。代わりに出現していたのは自在に転がる目玉とやら。圧縮された光が、じゅうじゅう、じゅうじゅう、乙女心を卵のように。地上であろうと、深海であろうと、泳げるのであれば――無敵を押し付けられる。
 ああ、良かった。これが相手なら、先輩が絆されるわけがないもの。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ミネタニ・ケイ
「快楽は…ボクは得られないとしても…死には無い!」

快楽とは性を始め生の本能(エロス)の解放にあり、死は全ての快楽の停止と強く認識、自分は欠落ゆえ得られない「子を産む快楽」を訴え敵の意識を生の本能へ逸らす
「ボクはできないことけど、『先輩』の子を宿し産めたならと思ったことは無かった?」

可能な限り連携を取る。アドリブOK。
自殺させられるさいに脱がされそうなのでWZ錦奇妙非装着状態で敵へ向けて走る。
意識続く限り敵の能力に抵抗し続け、手が届く距離まできたら怪力+グラップルで右手で敵の首を掴みルートブレイカー発動、敵の√能力を相殺し続け、八重防具+鉄壁+各種耐性で耐え続けながら左手で敵を殴り続ける

 希死念慮の発生、それまでに、あらゆる手段を失くしてやれ。
 重要なのは寸前、瀬戸際、三途の川の前で立ち止まる事だ。何度も、何度も、咀嚼をしたいのであれば、反芻をしたいのであれば、時には理性も必要である。封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』のお眼鏡、そのまんまるに映っていたのは、これまた『まんまる』な果実であった。ある種の羞恥が、ある種の感情が、災厄の頭の中で膨らんでいくのがわかる。これは、ある意味ではレヴィアタンのようであり、成程、別の角度からの目眩であった。快楽は……ボクは得られないとしても……死には無い! 快楽とは即ち、|性を始め生の本能《エロス》の解放にあり、死は全ての快楽の停止と、サキュバスは強く認めていた。これは……ちょっと、個人的な話になるんだけど、ボクは正直、羨ましく思ってるよ。災厄の眼が虚空を映そうとした。しかし、如何にも釘付けで、頭を支えようと躍起になっているのか。何を言っているのです。あなたのような、まるで、牛みたいな人に、そのような……。ボクはできないことだけど、先輩の子を宿し、産めたとしたらと思ったことはなかった? 不意打ちである。完膚なきまでに、嗚呼、乙女の脳味噌をぶん殴れた。人間と冠した災厄、ぐるぐる、目玉をすっかり回している。……わ、わたしに、そんな……。
 一種の拘束であった。一種の監視であった。能力を使おうにも、渦巻き、囚われていては鸚鵡のように。恋バナに花を咲かせていても良いけど、そろそろ、敵だから、殺しにいくね。生身の儘、我が身の儘、投げ飛ばすかのように接近していく。仮に、災厄の能力の内、意識を攫われてしまいそうになっても、サキュバスはサキュバスらしさを貫き通すのか。いいや、違う。これは戦争だ。戦争なのだから、蹂躙をしてやらねばならない。うろたえ、焦り、隙を見せたものから、墜ちていく。
 ……しまっ……!
 大いなるバビロンからの贈物、それ即ち、右掌である。首を掴まれ、絞められ、改めての封印。最早、魔物は囁く事なく、窒息の中で痛みを知る。手加減ができないのはお互い様だよ。ボクだって、死にたくはないからね。
 鐘のように殴ってやった。岩を砕くように殴ってやった。
 怪力の儘に、鉛のように。
🔵​🔵​🔴​ 成功

断幺・九
こっちは死にたくなるくらい死にてえのに、そっちは|恋話《ラブコメ》片手間ッて?
ぎゃは、ナメ過ぎだろ。殺してやるから独りで死んどけよ。

……つって喧嘩売ったのはいいけど、これ無理だわフツーに!
欠片も抵抗できねーし。コメカミ向かって自分の銃口突き付けて、引鉄引いて――なんと死なねえンでチュよねえ?
なぜって√能力【|黒死無葬《ダンスマカブル》】――殺意|充填《マシマシ》の精霊銃で撃てンのはオマエだけ。残念、|死に至る病《キルケゴール》はちゅーちゃんよりもオマエの命がお好みだってよ!

じゃ、そゆコトで? 真心込めた銃弾の|贈物《プレゼント》。
安心しろよな、恋患いよりか健康的でチュから! ぎゃは♡

 笛吹き男の嘲笑に、何処までも、彼方までも、ついて行ったのは何方であったのか。絡みつくかのように被さった|無気味《マスク》に対しては、最早、好意の『こ』の字も見出せはしない。あー……こっちは死にたくなるくらい死にてぇのに、そっちは|恋話《ラブコメ》片手間ッて? ぎゃは、ナメ過ぎだろ……死にたくなるくらい殺してやるから、独りで、誰にも知られず死んどけよ。絶好調なのか絶不調なのか、何方の際にも存在している|天敵《ねこ》のように、ギザギザとしたものを見せつけてやれ。あなた、私が嫌いなものって何か知っていて、それをしているの? なら、あなたは、心の底からドブ臭いです。ネズミの煽りは大成功だ。封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』、彼女の殺意に火が点いた。ぎゃは……つって、喧嘩売ったのはいいけど、これ無理だわフツーに! 火に油を注ぐかのような行為。いいや、いっそ、そのまんまをやってくれたなら、乙女の思い通りか。欠片も抵抗できそうにない。マッチ? そんな上等なもん持ってねぇでチュよ。
 たとえば、こめかみ。たとえば、口腔の中。メガマウス、マウスの|お口《マウス》に突っ込んでみるのも楽しそうか。さあ、引鉄に触れるといい。触れると同時に引いてやれば――黒死よりも鮮烈な、劇的な死体の出来上がりか――なんと死なねえンでチュよねえ? 脳漿ぶち撒ける事もなく、まるで、真面な精神性を維持できているかのように振る舞う。これには人間災厄、ある種のおそれに苛まれるのか。な、なぜ……?
 なぜって……そりゃあ、ねえ?
 √能力【|黒死無葬《ダンスマカブル》】――殺意|充填《マシマシ》の精霊銃で穴ぼこにできるチーズは『オマエだけ』ってこと。残念、|死に至る病《キルケゴール》はちゅーちゃんよりも、オマエのような、甘ったるい命がお好みだってよ!
 叩き付けられた宣告、最早、抗おうとする気力もない。仮に、完全に融合が出来ていたとしても――十三の地獄は体内、ラットのように巣食うだけか。
 ……いや。そんな死に方だけは……ごめんなさい、先輩。
 じゃ、そゆコトで? 視よ、真心を込めた銃弾の|贈物《プレゼント》を。招き入れてしまったヴェールの威力は怪異よりもおそろしい。
 安心しろよな、恋患いよりか健康的でチュから! ぎゃは♡
🔵​🔵​🔴​ 成功

一ノ瀬・エミ
アドリブ連携〇

よし…!まずは話しかけてみようって思ったけど
うぅぅ…!封印指定とまで言われるだけあって
感情を揺さぶる系の災厄さんは精神的に来る…!
…これじゃ挨拶もできないよ
こんにちは死にたくなってきました!って言っちゃいそう

そうだ…何か贈り物を
ポケットに確かアレが…

あの、あの…!
もしよかったら、お近づきの印にこれを!!
ドーナツが美味しいカフェの期間限定のクーポン券を差し上げますっ
おじ…じゃなくて、スミスさんはドーナツがお好きなので
お二人で行ってみてはどうでしょうか!
りんごとカスタードのドーナツ、美味しいですよ!!

出来ればこれでお引き取り願いたいけど
無理なら覚悟を決めてルティルスと一緒に戦います!

 前頭葉から脳幹まで、くしゃりと、圧し潰されたのかと思うほどの、遭遇であった。或いは、邂逅とでも呼ぶべき沙汰であり、それは封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』にとっても同じような事と謂えた。一ノ瀬・エミの存在は一種の壁であり、その正体とやらを知った瞬間、何が何でも『乗り越えなければならない』ものとされるのか。そんな想いを知ってか知らずか、天使よ、オマエは笑みをこぼしてみせる。よし……! まずは……うぅぅ……。話しかけようとした瞬間に先程の圧だ。滅茶苦茶に回転するアトラクションに、無理やり、乗せられたのかと錯覚するほどの乙女心。ふ、封印指定とまで言われるだけあって、感情を揺さぶる系の災厄さんは精神的に……こ、これじゃ、挨拶もできそうにないよ……。こんにちは、死にたくなってきました! なんて、言ってしまいそうだと、体液までも震えている。そ、そうだ……何か、贈り物を……。がさごそ、ポケットを弄って見つけた『もの』の価値。それについては、きっと、彼女もわかってくれるに違いない。
 あの、あの……! も、もしよかったら、お近づきの印にこれを!! ハロウィン・パーティは過ぎてしまったが、しかし、期間限定の冠とやらは続いていたのだ。ドーナツが美味しいカフェのクーポン券、差し上げますっ。ぽかんと、開いた口が塞がらないご様子だ。鳩が豆鉄砲を食ったような、そんな、乙女の表情に場が静かになった。お、おじ……じゃなくて、スミスさんはドーナツがお好きなので……お二人で行ってみてはどうでしょうか! ぐらり、能力が『薄れていく』のがわかる。聖なる力に抱擁されて、それこそ、神の掌の上で踊るかのように。……そ……その、勇気があったら……今頃……私だって……。
 りんごとカスタードのドーナツ、美味しいですよ!!
 あ、あと、男女二人で入店したら、確か……。
 その店なら知っていますよ。ええ、私がダメなだけです。
 ルティルスのかわいいものセンサーが発動した。弟分に続いて恋する乙女だ。嗚呼、見守る以外の選択肢がない。大丈夫ですか? 熱でもあったりして……。真っ赤に染まった人間災厄のお顔。頭の中で、ぐるぐる、イメージが膨れ上がっていたのか。
 ぼふん。きゅう。
 え??? た、倒れちゃったよ???
🔵​🔵​🔴​ 成功

和紋・蜚廉
生を否定する存在か。

面白い。我の衝動…生存本能と、相対する能力だな。
なればこそ、幾らでも立ち向かいようはある。
語る内容は…そうだな。

我が歴史を語ろう。
泥にまみれ、躯にまみれ。あらゆる苦痛、辛酸をなめて生き残った我が人生。
穢語帳にて広げよう。
生きる為の執念が、この空間には満ちている。
衝動など、生ぬるい。

生きる事こそ、我が全て。
何をしても、生き残る。それこそが、我が証。我が誇り。

自殺方法を紹介されようと、生き残る方法が先に浮かぶ。
意思の希薄な空間だ。
逆らう衝動すら、打ち消してしまおう。

ああ、良いな。
真っ向から立ち向かう。
我が本能、何処まで磨き上げられたのか。
存分に確かめさせてくれ。

 乙女の天敵について、様々な想いが、様々なカタチが巡っていくものではあるのだが、成程、オマエに関しては、全人類からの嫌悪ですら、血肉とすべき養分なのかもしれない。生を否定する存在か……或いは、肯定しているからこその、存在か。和紋・蜚廉にとって彼女は、封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』は、不倶戴天とも考えられる『もの』であった。まったく、面白い。我の衝動……我が強さ……生存本能と、相対する能力だな。なればこそ、幾らでも立ち向かいようはある。抗いようはある。取り出すべきは筆か、紙か、或いは今までの己か。ひどく濃密で、ひどく長い、最早変わらぬ野良としての誇り。語る内容は……そうだな。我が歴史、我が生命、何もかもを語ろう。……あなた、私の気持ちを知っていて、尚、それを話すつもりですか。先輩なら、ちゃんと聞いていたのかもしれませんが。私は先輩みたいに強くはありませんので……。
 泥にまみれ、躯にまみれ、あらゆる苦痛、辛酸をなめて生き残った我が人生。これを耳にして、果たして、汝は『紹介』しきれるか……穢語帳にて広げよう。ああ、執念だ。どれほどの執念を重ねれば、これほどまで、乙女心の咆哮を埋め尽くす事が出来るのか。この空間には『我の黒さ』が満ちている。衝動など……自殺など……そのような逃げ、生ぬるい。……わ、私の力が……押し負けている……? 封印指定人間災厄、そんな肩書きを背負っているが故の怠慢か。いいや、大罪はなかった。純粋に、EDENの精神が怪物的なのだ。
 何をしても、生き残る。それこそが、我が証。
 我が誇り――生き残る方法が先に浮かぶのだ、汝。
 恋患いとは別の、凄惨なまでの、|眩暈《●●》であった。逆らおうとしても、貫こうとしても、希薄とされた意思では何も出来そうにない。先輩、やっぱり、この仕事、難しそうです。私……もう少し、ハードルを低くしても良いでしょうか。女は虫を視る。女は虫を睨めてみせた。
 ああ、良いな。この状況でも、尚、そのような目ができるのか、汝は。
 ならば、我が本能、何処まで磨き上げられたのか。
 存分に確かめさせてくれ。
 空亡のように、宙無のように、腕を揮う。
🔵​🔵​🔴​ 成功

柳・依月
アドリブ歓迎

連邦がまーた首つっこんで来たのかよ。
で、今回は封印指定災厄の女性だと。
まあ何でもいいけど、一般人巻き込んでもお構いなしと……
そりゃ面白い話じゃあないな。

一応|対策《霊的防護・狂気耐性》はしていくか。
しかしまあ……そっちがそのつもりなら、悪いが俺も本領発揮とさせてもらうぜ。
俺は|今の状況にうってつけの《ナンパした相手を罠にはめる》怪談、だからな。
なあそこのお姉さん、ここにずっと座ってるよな?
|俺で良ければ少し話でもしないか《√能力使用・魅了・精神汚染》?

隙が出来れば必中範囲内で一般人を巻き込まないように戦闘
呪髪糸をメインに使用し相手を【捕縛】して【呪詛】を流しこんで攻撃するぜ。

 小鳥を箱の中に詰めてやれ、ケーキを食んでやるように。
 俺は今の状況に、ナンパした相手を罠にはめるのに、うってつけの怪談、だからな。返事をした時点でおしまいだ。そういう仕掛けを魅せつけよ。
 お洒落なカフェで珈琲を飲んでいた。都会の真ん中で、ぐるり、視線を遊ばせた。そのような状況だったと謂うのに、そのような状態だったと謂うのに、さて、如何様な雰囲気に呑まれたのか。たとえば、学校からの帰り道、お父さんやお母さんと顔を合わせたくなくて、ぶらりと、近くの公園に寄っていくかのような――そんな情念に、女は心を掻っ攫われた。……ここは……私は、確か、先輩に……。導かれていた筈だ。誘われていた筈だ。しかし、この妄想は――脳髄の最奥へと、根付くかのように。視線をひとつの『もの』に集中させる。其処に存在していたのは――公園のお兄さんであった。
 連邦がまーた首つっこんで来たのかよ。で、今回は封印指定人間災厄の|女性《●●》だと。まあ、何でもいいけど、一般人を巻き込んでもお構いなし……いや、仕方がないといったところか。そりゃあ……面白い話じゃあないな。オカルト好きの大学生にとって『人が居なくなる』事は致命もいいところ。加えて、死因が自殺だけだと、ああ、噂をする輩の影も失せてしまうか。対策は……一応、しておくか。それに、そっちがそのつもりなら、悪いが、俺も本領発揮とさせてもらうぜ。座敷童のように居座ってやれ、海坊主めいて声をかけたのなら、最早、女は何処にも逃げられない。なあ、そこのお姉さん、ここにずっと座ってるよな? 俺で良ければ少し話でもしないか? なぁに、ちょっとした、夜遊びのようなものさ。既に怪談は始まっていた。無差別自殺のお話よりも、よっぽど、面白くておそろしい。
 話ですか? ええ、構いません。
 今、私は如何にも、感情の抑え方がわからない状態ですので……?
 王道的な方法だ。手繰られた|呪髪糸《なわ》は何処へと往く。
 ブランコの代わりに、呪われて、ぶんらり、ぶんらり。
🔵​🔵​🔴​ 成功

プレジデント・クロノス
私は、エンターテイメント系大企業、PR会社『オリュンポス』のCEO。先程、ダイビルでの取引を終えてね。さて、いい頃合いだそろそろ死にたくなってー…なんだと?一体、私はなにを考えて…あぁ、なるほど、これが突発的に自殺をしたくなる者の心情か。(精神抵抗、狂気耐性)やはり、昨日の取引先との誤連絡を思った以上に気にして死にたく…いのちの電話とか相談しておくべきだったか?

ふむ、ところで彼女は一体…雰囲気的に我が妻にも似たミステリアス感は、彼の合衆国紳士と関わりを思わせるな。彼の彼女だろうか?きっと死にたくなる感情も一人で思い悩むからだろう。誰かと話をして気を紛らわせよう。ふむ、ところで彼と式はいつだね?

 原初の名を冠しているのだ。
 まさか、覆る筈もない。
 地雷を踏み抜いたとして――炸裂されたとして――心身共々、健在なのは一般人として如何なものか。躁病であれ、窮極であれ、成程、プレジデント・クロノスにとっては『イリュージョン』と何ら変わりがない。兎にも角にもいつものご挨拶だ。私は、エンターテインメント系大企業、PR会社『オリュンポス』のCEO。先程、ダイビルでの取引を終えてね。美味しい珈琲でも飲もうかと考えていたところだ。さて、いい頃合いだ。カフェインの多量摂取でそろそろ死にたくな――? なんだと? いったい、私はなにを考えて……あぁ、なるほど、これが突発的に自殺をしたくなる者の心情、希死念慮というものか。……へ? 喫茶の彼方側、ひとりの女性が驚いていた。いまにも目玉がこぼれ落ちそうなご様子だ。それほどまでにオマエの存在は異質だったのだろう。やはり、昨日の取引先との誤連絡を思った以上に気にして、死にたく……いのちの電話とかに相談しておくべきだったか?
 ふむ……ところで、彼女はいったい……私の事をじっと見ているのだが……雰囲気的に、我が妻にも似たミステリアスな感覚……彼の合衆国紳士との関わりを思わせるな。まさか、彼の彼女だろうか……? すくり、と、立ち上がり、封印指定人間災厄のお隣へ。ずかずかと、土足で這入り込むかのような度胸は、最早、尋常のそれではない。きっと、死にたくなる感情も一人で思い悩むからだろう。誰かと話をして気を紛らわせ、明日に向かって、希望とやらを……ああ、そうだ。ひとつ、質問を。彼との式はいつだね?
 封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』は頭を抱えた。頭を抱えて、下を向いて、それはもう獣みたいに叫んだ。どうして……どうして、そんなことが、言えるのですか。あなたは、もしかして、そういう星の下に生まれたのですか……! というか、あなた、先輩が『欲しがっている』人材じゃないですか。ずるいですよ、そんなの……!
 何……? 私が欲しいと……?
 景品みたいに扱われているようだが、私には私の仕事があるので。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ヴェーロ・ポータル
アドリブ、連携歓迎

頭がぐらぐらと揺れる…
いつも通り、礼節を示しながら彼女に接近
御機嫌よう、お嬢さん
遠い国からわざわざお越し頂き感謝します
然し…お引き取りを願えませんか

近づくごとにあちらに引きずり込まれる感覚
あまり、私には関係がない

あなたも大切な方のためにここに立つのでしょう
役に立ちたい、認めて欲しい、そのために手を汚すことも致し方ないと
…誰かを死に追いやるのは、あなた自身の殉教の心ゆえなのかもしれませんね
気持ちは十分に理解できます、あなたの大義に敬意を

一つ、微笑みを

それでも衝動が引かなければ
この衝動に身を委ねるのも慣れたもの
僭越ながら、共に死んで頂けますか?
√能力で、心臓を紫炎で焼き尽くす

 きゅう、と、可愛らしいオノマトペ。視線を下にやった瞬間、もっと、強く絞められた。空気を取り込もうとしても、酸素を求めようとしても、嗚呼、脳髄、この重たさにやられていく。ああ、頭が……頭の中が、ぐらぐら、と……。まるで、手摺りのない橋の上だ。まるで、命綱のない拭き掃除だ。汚いところを、こびりついた部分を、除こうとしても、最早、覗かれている感覚の方が勝ってくる。いつも通りに、自分らしく、重たくなった頭部と共に礼節とやらを垂らしてみせた。御機嫌よう、お嬢さん。遠い国からわざわざお越し頂き感謝します。然し……お引き取り願えませんか? ようこそ、女運の悪いヴァンパイア。リンドー・スミスとやらもお仲間に加えてやるとよろしい。……あまり、私には関係がない。木乃伊取りが木乃伊になろうとも、まったく、構わないのではなかろうか。私は……このような、酸っぱい葡萄酒を口にすることこそ、楽しみなのだとは、思いますが……あなたも、大切な方のためにここに立っているのでしょう。精々、目眩がするだけだ。流されるつもりはなくとも、愈々、攫われていく。……あなたこそ、莫迦みたいに、顔色が良いですね。突き付けられた違和感の正体。暴かれたところで痛くも痒くもない。
 役に立ちたい、認めてほしい、振り向いてほしい、そのために手を汚すことも致し方ないと……? 私は、仕方がないとは思っていないのです。これは、私が『やった』こと。それに変わりはありません。堂々とした、燦々とした、宣言だ。成程、封印指定人間災厄、その意志こそが最たる所以なのかもしれない。……誰かを死に追いやるのは、あなた自身の殉教の心ゆえ、なのかもしれませんね。気持ちは、心は、十分に理解できます。あなたの大義に敬意を――。林檎をもぎとるようにして、ひとつ、微笑んだ。
 ふざけないで。あなた、それを、誰に向けているのですか。
 衝動は治まらない。いますぐ、火刑に処されたい。
 僭越ながら、共に死んで頂けますか?
 オマエこそがウィッカーマンだ。紐解いた禁呪に血肉が焦がれ、業々、紫色に燃え上がった。抱きしめてくれ、この甘酸っぱさ。果たして葡萄酒、何処まで届く。
 焼けていく心臓の悲鳴、うごめいた誰かのご機嫌。
🔵​🔵​🔴​ 成功

セシリア・ナインボール
ああ、やはり貴女の相手はやりづらいですね、リンゼイさん。
先輩を慕う後輩…身内にいて、なおかつ私自身が当事者なせいか、どうしても重ねてしまいます。
ただ、羅紗の魔術塔と連邦怪異収容局は相容れません。
ですから、貴女に好かれる事は求めません、遠慮なく嫌ってください。
私も、貴女の慕うあの男は好きになれませんので。

リンゼイさんには呪詛をたっぷりと込めた目潰しの魔術文字で目隠しを狙います。
視界は防ぎますが、保険として狂気耐性と精神抵抗は常に意識します。
衝動は後輩のあの子の事、私も慕うあの方の事と…ついでにビリヤードの師…あの人の事も考えておきますか。
…やっぱりあの人だけは無しです、ムカついてきました。

 お砂糖に、スパイス、かわいらしいものを注いでやれば、あとはスイッチを押すだけか。ぶおん、ぶおん、やかましいミキサーの咆哮。まるで、蹂躙するかのような沙汰であった。ああ、やはり貴女の相手はやりづらいですね、リンゼイさん。セシリア・ナインボール、EDENとして振る舞うのに慣れてきた羅紗魔術士は、一種の羞恥とやらに抱かれていた。成程、この感覚はあの人がどっぷりと浸かっていた、SNSからの視線に似ているのかもしれない。先輩を慕う後輩……身内にいて、なおかつ私自身が当事者なせいか、どうしても……。重ねてしまう。重なってしまう。しかし、嗚呼、この泥濘の沙汰ほどに罪深くはない筈だ。ええ、羅紗の魔術塔と連邦怪異収容局は相容れません。もちろん、汎神解剖機関も含まれますが……ともかく。私は、貴女に好かれることは求めません。たとえ、蹂躙のために『かわいい』を揮った『少し前』があったとしても……遠慮なく、嫌ってください。
 封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』は魔術士に対して嫌悪の念を強めていた。わかりました。あなたに言われるまでもなく、私は、あなたのことが嫌いです。安心してください。それでも、安らかに眠れるよう……? ああ、これは個人的な話ですが、私も、貴女の慕うあの男は好きになれませんので。セシリア・ナインボールの台詞が齎したのはひとつの安堵だ。……それなら、いっそう、眠れるように、手伝ってあげますよ。大丈夫です。私は、あなたが、先輩にひっつく虫ではないと、わかっただけで十分ですから。
 ご紹介に与りました、あなたの死因です。
 方法を見せつけようとした彼女への贈物。
 嗚呼――創造された文字列、その魔力については、強烈の一言。
 み、見えない……? 何も……? 真っ黒い怪異に眼球を取られたのかと、錯覚してしまうほどに。これで、もう、貴女は私を見ることができません。それでも、貴女は自殺させようと、仕掛けてくる筈です。だから……私は、考えておくことにします。後輩のあの子のこと、私も慕うあの方のこと、ついでに……ビリヤードの師……ああ……。
 やっぱり、あの人だけは無しです、ムカついてきました。
 目隠しの次に仕込んでおいた、思い出のような、攻撃の意志。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディラン・ヴァルフリート
彼も存外、隅に置けませんね
僕がEDENの側で無ければ……いえ。軽口でも止めておきましょう

装備[断界]《受け流し+オーラ防御》纏うと共に自己《ハッキング》
心身を支配下に置き自殺衝動に対処
[錬気竜勁]《属性攻撃》微弱な無差別広域放電で麻痺・気絶を誘発、
民間人の自殺阻止と敵チャージ妨害を兼ねます
《第六感+情報収集》敵の居場所と行動を捕捉
《異形化+空中移動》接敵と同時、右腕を伸長させ【破刻】
雑談ついでに《早業+怪力》仕留めましょう

……初めまして、ですね
"友人"の後輩と伺ったので御挨拶に。
貴女が封印されている間の、彼の話にでも興味はありますか?
簒奪者としての活動以外で第三者の協力が必要な際は御遠慮無く。

 仮に、皇が追い詰められたとして――英雄に攻め込まれたとして――それを所以に、諸共の殺戮を自身に許可するのだろうか。仮に、魔が薄れたとして――光が強まったとして――容易く諦める事が可能だろうか。勿論、答えは決まっているのだが、成程、彼女の力は『超常』の二文字であった。彼も存外、隅に置けませんね。僕がEDENの側でなければ……いえ。軽口でも止めておきましょう。ディラン・ヴァルフリートの脳内では如何様な光景が広がっているのか。それを暴く為には、まず、ドラゴンプロトコルの頭蓋を柔らかくしなければならない。……ともかく、彼女には……早めに、泥沼となってもらいます。暴力と同時に言の葉を揮ってやれば何もかもは掌の上。乙女心を弄ぶことについては、嗚呼、彼よりかは『マシ』な程度でしかない。障壁を纏え、頭蓋の内に支配者としての器を捧げよ。
 バチバチと、ビリビリと、微弱であるが故に遠方まで届く無差別。相手が無差別なのであれば、此方も、先手を打ってやれば良いというワケか。不運な一般人の群れが暗いスクリーンのように落ちていく。その中には、ちゃんと、彼女も含まれており――自由な時間は消え失せた。なにが……なにが、起きているの。からだが……しびれて……いたい……? 第六感に委ねるまでもなく。彼女はお洒落なカフェの中。優雅なコーヒー・タイムとやらも、愈々、おしまいと謂うべきか。……初めまして、ですね。
 伸縮自在の|右腕《異形》が『リンゼイ・ガーランド』を掴んだ。
 掴んで、徐々に、怪力を入れていく。
 ……あ、あなた……なかなか、えげつないことを……。
 "友人"の後輩と伺ったので御挨拶に。
 友人――男の言の葉が、刹那、乙女心に突き刺さった。突き刺さった刃は絶対に抜く事はできず、乙女よ、耳を傾ける以外にない。貴女が封印されている間の、彼の話にでも興味はありますか? 簒奪者としての活動以外で、第三者の協力が必要な際は御遠慮なく。さて、ディラン・ヴァルフリート。オマエの双眸から、彼女は何を読み取った?
 何かしらが砕ける音。乙女の重さを受け止めた。
🔵​🔵​🔴​ 成功

國崎・氷海風
なんて面白い災厄なんだろうねぇ!
折角ならお友達になれたら良いんだけどォ、難しいかなァ、だって、自殺出来るだなんて楽しそうじゃない?

さてさて、とはいえ精神抵抗と環境耐性と狂気耐性を使って抵抗を試みよう
どのくらい持つかは分からないけれど、まぁ攻撃の1つ位は当てられるでしょう
反射でもいいかもねぇ!だって自殺してくれるかもしれないしぃ?
さてさて、どうなるかは分からないけど自殺ってどんな感じなんだろう、楽しみだねぇ!

 吐物の海に沈んでいけ。逝くまでの時間、罪を反芻するといい。
 話を聞かせてくんない?
 教唆の為に摘んでおいたトリカブト、神々しく見えてきたのは気の所為ではない。真っ白い天使のフリをした猛毒とやらも、ご一緒、手を繋いでおくのが面白さか。なんて楽しい災厄なんだろうねぇ! 折角なら、お友達になれたら良いんだけどォ、難しいかなァ、だって、自殺できるだなんて……俺が、俺を殺せるなんて、ウィリアムみたいで愉快じゃない? 國崎・氷海風にとって……人間災厄『プサイ・ウルサェ・マーイョリス』にとって、この邂逅は僥倖だ。蛇蝎の化身として振る舞ってやれば、成程、より強烈な花の色とやらを演出できる。さてさて、俺はそろそろ、瀬戸際を進まないと駄目そうだねぇ。ねえ、お姉さん、教えてほしいんだけど、お姉さんはどうして、そんなにも顔色が悪いのかなァ! 何通りもの自殺方法が駆け巡っていく。しかし、嗚呼、自分を差別するなんて、可哀想だと思わないか。
 ああ、俺も、随分と死にたくなってきたけどねぇ……でも、実行するよりも前に、綺麗な花を見てもらいたいのさァ! 妖精のように、魔性のように、ひとつの黒い椿が咲った。封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』の双眸は『それ』に引き寄せられ、不意に、筆舌に尽くし難い衝動にやられる。……な……なんで……なんで、こんなに……? 顔色の悪い原因は『衝動』だった。どうなるかは分からないけど、お姉さん、俺に見せてくれるかなァ! 大丈夫。きっと、苦しくない方法を自分で選んだ筈だからねぇ!
 ああ、楽しみだ。この演目は、狂ったように面白い。
 彼女が――悲劇のヒロインが――演じてくれたのは、服毒であった。予想をしていた通りの苦しみ方で、死に方で、その凄惨さは描写をしてやる余裕もないほどだ。お姉さん、苦しそうだねぇ。でも、お姉さんは、その方法を望んでいたというわけさァ!
 わかるよねぇ。お姉さんは、お姉さんを赦せなかった、それだけなのさァ!
🔵​🔵​🔴​ 成功

ルーシー・シャトー・ミルズ
こっちはもう躊躇も無しか。
……じゃあいっそ躍りましょうか、プリンセス?
プリンセスは君だけ。じゃあ王子様はあのお兄さんだけど――、
駒として走り続けるなら並走者が居たって構わないでしょう?
人々を傷つけさせるわけにはいかない。そして君にも吹っ切れてもらいたいんだよ。
届かないとしても、望んでみれば良いじゃないのよ!

あたしは人でなし。
何度でも死ねるからもう死んだ様なもんです、だから人々に被害を出さぬ様にと尽くす覚悟で、君をその意地っ張りから引き摺り下ろす為に死に続ける気概の精神抵抗をさせてもらうよ、引き寄せてくれるでしょ、さく、さく!
超増幅がなんの、気合い入れて自死に歯向かいますよ、お返しのカウンターに一つ蹴りをプレゼントしてあげよう。
嗚呼、あたしまだ生きてる?
恭しく礼儀作法を以って王子様が如くカーテシーするよ、どうぞ素敵に躍りましょうよプリンセス!
二撃目は00:00、生命の境界線でお約束の時刻、12時の鐘のキックを精一杯戯れた60秒後に、どーん!
自由に望んでみな、御感想も聞いてあげるからさ!?

 ぐるりと、死を象徴するかのように、勝手気儘に一回転した目玉とやらが、甘味に衝突した結果、瞳孔、広がっていく。バクバクとやかましい心臓にチョコレート菓子を突き刺してやれば、嗚呼、赤色とやらが溶け出していくのか。暴力的な目眩に、悪辣なまでの眩暈に、いよいよ、ルーシー・シャトー・ミルズは己の脆弱さを愉しんでみせた。こっちはもう躊躇も無しか。封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』、彼女の瞳孔だって中々の代物だと謂えよう。ある種の覚悟が、ある種の人間精神が、災厄たる所以を、より、強固にしていく。あのですね。私は、あなたみたいな、おそろしい人間とは、あまり一緒にいたくないのですけども。成程、リンドー・スミスの後輩だけあって、人の正体とやらに敏感らしい。……じゃあいっそ躍りましょうか、プリンセス。プリンセスは君だけで、それなら、王子様はあのお兄さんだけど――駒として、狗として、走り回りたいのなら、並走者が居たって構わないでしょう? ほら、たとえば、ぐるぐるしているキャンディみたいに。毎日、毎日、素敵なものがいっぱいだ。こうまでして、糖分の過多を愛しているなんて。わざわざ、教唆する必要などないのではないか。人々を傷つけるわけにはいかない。そして、君にも吹っ切れてもらいたいんだよ。届かないとしても、叶わないとしても、望んでみれば良いじゃないのよ! ……やめてください。そんな、それこそ、尻尾を追いかけ回す、犬になるなんて……。蒼白としているクッキー一枚一枚に籠めた想い。あまりにもお手軽で、罪深いものだ。
 あたしは人でなし。
 もちろん、それはご存知の通り。
 ――吐きそうになるほど、愛してあげたら?
 何度でも、何度でも、死ねるのだから。何度でも、何度でも、殺されてあげるのだから。もう、死んだようなもんです。だから……。尽くす事だって、殉ずる事だって、わけもない。君をその意地っ張りから、不幸から、引き摺り下ろす為に……死に続ける気概ってもんを、させてもらうよ。おかしな靴を履いているのだ。おかしなことに、引き寄せられたって仕方がない。さく、さく! あとは気合いだ。気合いで、しつこいほどに硬い|お菓子《のうみそ》を砕いてやれ。プレゼントが欲しいって? それじゃあ、あたしも、とっておきをあげるね。強烈な|蹴り《キック》だ。嗚呼、あたしまだ生きてる? あんたは? そう……オツムが柔らかくなったのね。すっかり脳髄が揺れている。倒れるのか、倒れないのか、その際とやらにしがみついて。どうぞ、素敵に躍りましょうよプリンセス!
 恭しく、おそろしく、王子様を彷彿とさせるカーテシー。
 ぐにゃり、その素敵さとやらが、乙女には歪んで映ったのか。
 あ、あなた……私は、この立場で、満足して……? 生命の境界線でお約束の時刻、地獄へと堕ちるかのような00:00の合図。精一杯に戯れておくとよろしい。たっぷりとキャンディを臓腑に収めるとよろしい。どーん! ぺたんと座っていた乙女の脳天、最早、プリンがプリンを出来ないほどに。自由に望んでみな、御感想も聞いてあげるからさ!? 暗くて、あかるい奈落への教唆。乙女心は敵を知らない。
 ねりつくされた知育菓子、口にする事もなく。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

セルマ・ジェファーソン
ムシューも罪な男よね
彼が本当のことに気づいていない現状が
一番面白いからあなたが思いを明かさなくても
私は一向にかまわないけれど

とりあえず面白い話題を持ち込んでくれた御礼に
あなたのおすすめを聞こうかしら
百万もある中から
私に何を勧めてくださるの?

言いながら首に巻きつける数珠を
死霊たちが悲鳴を上げながら千切る
その悲鳴は玉をも粉砕して
粉々になった破片が
私やリンゼイの肌を傷つけるでしょう

そう、聞かせてくれてありがとう
私はおはなしが好きなの
あなたとおはなしができてよかったわ
ところで
あなたを災厄たらしめるその少女霊
霊というなら私の管轄なのだけれど
生前はどんな姿だったのかしらね

能力の無効化は望まない
好奇心の割合が強い【ゴーストトーク】
正気の沙汰ではない?

私は正気だったことなんてないわよ
でなきゃムシューともあなたとも
「おはなし」しようなんて思わないわ

皿はいつだって一枚足りないくらいがちょうどいいの

 |収容中《アイマスク》――ぐっすり、お休みできないほどに、乙女は恋を患っていた。そこそこの質であれ、上等な質であれ、きっと乙女は寝不足とやらを回避できない。ああ、先輩のように、コーヒーだけで、一日を乗り切れたのなら――成程、常備すべきはカフェイン剤であった。ひどく乱用した結果の頭痛、或いは、目眩。これはもうクセになってしまったのだ。ムシューも罪な男よね。ええ、本当に、限界を迎えていても、尚、留まるだなんて。連邦怪異収容局員「リンドー・スミス」、その盲目さ。アイマスクをしていないクセに、いいや、眼帯の所為なのかもしれない。彼が本当のことに気づいていない現状が、一番、面白いから……あなたが思いを明かさなくても、私は一向にかまわないけれど。セルマ・ジェファーソンはなんとなく、ふと、もしかしたらを心に留める。もしかしたら、ムシューの事だから、気づいていて、それを口にしないだけなのではないかと。……とりあえず、面白い話題を持ち込んでくれたお礼に、あなたのおすすめを聞こうかしら。百万もある中から、私のような女に、いったい、何を勧めてくださるの? 封印指定人間災厄『リンゼイ・ガーランド』、乙女の指差した先には『安らかさ』だけが湛えられていた。
 しゅるり、しゅるり、蛇に睨まれた蛙よりもなめらかに。フリーランス。オマエはオマエの首を雑に扱った。巻きつけた数珠の強度については申し分なく、数秒後、オマエはオマエの絞殺とやらを『する』だろう。しかし、嗚呼、傍らからの悲鳴は大きくなるばかり。蛇は千切られた。執拗に、病的なまでに、死霊によって……砕けるほどに、バラ撒かれる。さて、この、無理やり摘まれた薔薇の痛みは――両者の肌に届けられた。
 そう、聞かせてくれてありがとう。私はおはなしが好きなの。それは、あなたの先輩と一緒だと思うのだけれど……あなたとおはなしができてよかったわ。乙女の双眸はひどく震えていた。その所以については、たとえば、オマエの『言葉』が如何にも、先輩に響いているように思えたからだ。脳味噌が、心臓が、目の前の女を倒してしまえと騒いでいる。あなたは……先輩の『なに』ですか? 私? 私はムシューの……敵ではあるわね。ところで、あなたを災厄たらしめるその少女霊、霊というなら私の管轄なのだけれど。生前はどのような姿だったのかしらね。……あなたは、どうやら、心の底から、殺しておかないと駄目なような、気がしてきます。好奇心が殺してくれそうだが、そのような暇はない。
 正気の沙汰ではない? はやく、殺しておかないと?
 私は正気だったことなんてないし、それに、殺意程度では倒れないわよ。
 でなきゃ、ムシューともあなたとも、
 「おはなし」しようなんて思わないわ。
 寄席の主役については、最早、紹介する必要もなく。皿はいつだって一枚足りないくらいがちょうどいいの。ドーナツだって、たくさん食べたら、身体によくない、そうでしょう。不安定なボーイミーツガール、隣の芝生として、観客をやる方が楽なものだ。
 先輩……ごめんなさい。
 私と一緒に、泥船に、乗ってくれませんか。
 熟れることなく、腐って、落ちた。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

挿絵申請あり!

挿絵申請がありました! 承認/却下を選んでください。

挿絵イラスト