【雨の日】桜紅と和茶
――――ぽつり、ぽつぽつ……ざあぁぁ…………さきほどまでの晴夜が嘘のように、降り出した雨は世界を雨色に塗り替えてゆく。
突然の雨に傘なんて持っているはずもなく、きっとあなたは雨宿りの先を求めて駆け出すだろう。
そこで出会したのは見知った顔で。
それはたまたま駆け込んだ軒先かもしれないし、
運良く目の前にあった喫茶店等の店内かもしれない。
その出逢いは、雨が上がるまでの数刻を過ごすのに、いい暇つぶしになるだろう。
あるいは、あなたは妖横丁でこんな噂を耳にしたのかもしれない。
“雨の日に桜色の紫陽花を見つけると願いが叶う”
それは雨季の雨の日にのみ現れると噂の紫陽花小径での伝承で。
いつの間にか、そこに迷い込んでいたのか。はたまた好奇心でそこへとたどり着いたのか。
やってきた紫陽花咲き誇る迷路のような小径。きっと、そこで出会うのも見知った顔で。
出口へと向かう散歩ついでに、傘を差しゆるりと語り合いながら、桜色の紫陽花がないか探してみるのもいいかもしれない。
――――そんな、とある雨の日のできごと。
#夢見月・桜紅
#八代・和茶
。

(一粒、頬に冷たさを感じた直後に、ざあざあと降り出す雨。見つけた近くの喫茶店へと駆けていき、店の軒下へ)
ふぅ……降られてしまいました、ね……あら?
(視界に、見覚えのある人がいるような……?)
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わぁあああ、降ってきちゃった……!
(ぽつぽつ降り出す雨、小雨くらいならいいだろうと思ってたけど)
(いきなり本降りになってしまい、慌てて千早を脱いで被る)
(近くに丁度喫茶店を見つけ、軒下に飛び込んで雨を凌いでいると)
……あれ、桜紅さん……?
もしかして桜紅さんも雨に降られちゃった感じですかね?
(こそっ、と千早の下から顔を覗かせた)
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まぁ! 和茶さん!
(顔を覗かせたあなたを見て、ようやく見知った人だと安堵する)
えぇ、すっかり雨に降られてしまったの、です。
びっくりしました、ね……傘、持ってきていなく、て。
(苦笑しながら、ハンカチを取り出して袖のあたりに当てていき)
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あー……やっぱり。
この季節は急な雨が困りますよねぇ。桜も散っちゃいそうです。
(不思議な桜だから散る事はないだろうけど、ちらっと満開の桜を見て)
(途端に聞こえてきた小さなくしゃみにぱちぱち目を瞬かせ)
……あらら、大丈夫ですか?
(――そういえばさっきちらっと見た看板、ここは確か……)
ここ、ちょうど喫茶店みたいですね。
入って何か温かいものでも頂きませんか?
(と、あなたに提案するのだった)
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えぇ、くしゃみをしてしまって……
(と申し訳なさそうに、口元にハンカチを当てる。梅雨入り、という言葉が浮かぶ。自分もちらと桜を見る。桜色が視界に入り……)
(聞こえたあなたの提案に、ぽん、と手を打って)
まぁ! 名案です、ね。雨宿りがてら、行きましょう、か。
(と、一緒に店内に入ろうとするだろう)
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はい、じゃあ入りましょうか。
(早速扉を開けて中へ)
(こんな天気というのもあるが、ゆったり座れるくらいの席は空いてる様子)
折角ですし、窓側の席にしましょうか。
夜の雨を見るのは結構好きなんですよね。……濡れなければ……。
(ごにょごにょ、と付け足し、窓際の席へ)
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窓側、良いです、よー。
ふふっ、雨音は心が穏やかになります、し、降られなければ、ここから雨模様も、見えますし、ね。
(小さく呟かれる話に、にこやかに頷いて)
私もここは、初めて入りまし、た。えっと、メニューは……これです、ね?
(思ったよりも静かな店内。雨の音が良く聞こえる気がする)
(メニュー表は、とそっと取り出して、あなたにも分かるよう、開いてみる)
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(店内を見渡すあなたを、微笑ましく見てから……何か、良さそうな温かいものが無いか見てみる)
(ここでは梅雨に因んだ透明ゼリーや、ゼリー入りのカラフルな飲み物もあるらしい。……が、これらは冷たいもので)
(温かな飲み物は、スープ各種に、コーヒーや紅茶、ココア……見る限り、一般的なものは揃っているようだ。温かい抹茶の和菓子セットもあるらしい)
季節限定のようなメニューもありました、が、温かいメニューも、ちゃんとあります、ね。
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あ、ありがとうございます。
わぁ……ほんとですね、どれも美味しそうです……!
(目に止まったのは、きらきらなゼリーを使った紫陽花パフェ)
(でも雨に濡れた身では流石に冷えるかな、と考え直して)
うーん、どれも美味しそうで迷っちゃいますけど……むむむ。
(じぃ、っと暫くメニューと睨めっこをして)
あ……これ美味しそうです、温かい抹茶ぜんざい!
ええと、これと……飲み物はココアにしましょうかね。
(見事にあまあまな組み合わせだが、本人は素で選んだようである)
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確かに、抹茶のぜんざい、美味しそうです、ね!
和茶さんは、甘いもの、とてもお好きなのです、か?
(甘いもの同士の組み合わせに、何となく気になって)
ふぅむ……私は、抹茶とみたらし団子のセット、にしましょう、か。飲み物は、温かいカフェオレで。
(変更がなければ、このまま注文も行おうとするだろう)
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はい、大好きです!(きりり)
和菓子も勿論好きですけど、山育ちであまり食べる機会が無かった洋菓子も好きですねー。ケーキとか、この季節だと|氷菓子《アイス》とか。
みたらし団子も美味しそうですねぇ、紫陽花パフェも気になったからまた今度来よう……!
季節限定は気付くと終わっちゃいますから、早めに来ないとですね。
(あなたも決まったようなので、通りかかった店員に声をかけて)
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(堂々と語られる言葉に微笑んで、続いた言葉に目をぱちくりと。)
まぁ! 和茶さんは、元々山で育ったの、です?
(千早を着ている様子や佇まいは、自分から見ると上品さを感じさせていた。想像と少し違っていたから)
ふふっ、たくさん好きな甘いものがあるのです、ね。今まで食べた甘いもので、より好きなものは見つかりました、か?
(と、問いかけるとほぼ同時に、店員さんがやってきて注文する)
梅雨の間のものみたいですし、ね。私もまた来てみたいの、です……
(そう頷いてから、なんだか一息ついたように……自然と雨音に耳を傾けてしまう。聞き心地の良い音が、響いているから)
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そうですね、山……といいますか、山奥にある小さな村で。
私の|世界《√》では結構名の知れた一族らしくて、山奥ではありますけど政府のお偉いさんが参拝に来たりしました。
√能力者だと知ってから初めて村の外に出たので、洋菓子も食べたことなかったんですよねー……。
(一見ただの世間話だが、その表情に微かな影を感じるかも知れない)
はー……雨音って落ち着きますよねぇ……。ざぁざぁ降りとか雷は落ち着きませんけどね、えへへ。
(頬杖を付きながら、時折窓の外に目をやって)
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(ざぁ、と降る雨の音が響く中、あなたの言葉を聞き漏らさぬように、静かに、ゆっくり頷く)
(その表情に宿るものも感じ取り、一度瞳を閉じて、開く)
そうでした、か……外に出る機会は、なかったのです、ね。山奥、参拝……というと、その村は神社やお寺があったのでしょう、か。
(それも、お偉い方々が来訪するほどの、信仰があるような……?)
雷は、私も……ちょっぴり怖い、ですね。予想ができない、と言います、か……。
雨音だけ、ずうっと聞いていたくなります、ね?
(なんて、と苦笑しつつ……頬杖をつくあなたを、見守るように見つめて)
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ええ、|この格好《巫女装束》を見て分かると思いますけど神社が。
私、6歳の頃から8年間……村どころか小さなお宮から出られない生活――所謂幽閉されてたんですよ。
出られる時は儀式の時と、勉強の為に書庫に行く時だけ、っていう。
……学校に通った事もない、窮屈な生活でした。
(特別隠す事でもないので、ぽつりぽつりと話して)
そうそう、いきなりどかーん!って落ちますからねぇ。
しとしと降る雨なら癒されるといいますか、眠くなってきちゃいますね。
(一瞬ぼんやりしていた事に気付いて苦笑を浮かべながら)
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8年も……そんなの、ひどい、です……。
(そんな小さな頃から、ずっと、外の景色を見たくても見られない。あなたが言うように、窮屈だったのだろう)
(他所の事に口を出す権利はないけれど……)
私がもし、その時の和茶さんを知ってたら。きっとぷんぷんに怒ります、よ!
子供になんてこと、するのです、か! と。
(今はもう、過去の話ではあるけれど、そのくらい怒りたくなるのだ、と伝えてみる)
……勿論、ご事情はあるとは思います、けど……。
ふふっ、雨音って、リラックスして、眠たくなる波長がある、とか。だから、心地よく思うのでしょう、ね。
(くすくす、と微笑んでいる)
(そんな雨音を聞いていたら、頼んだものも届くかもしれない。)
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まあ、当時の私はそれが「当たり前」だと思ってましたけど……今考えると馬鹿馬鹿しい話ですよね、ほんと。
お陰で自由になった今でも世間知らずやら何やら言われる始末ですし。
(あなたの台詞を聞いて思い出す事があったのか、ぷんすか怒りながら)
へー、そうなんですか……どおりで眠くなるわけです。
じめじめするのは嫌ですけど、梅雨の時期ってぐっすり眠りやすくて……わ、来ました来ました!
(世間話に興じていると、テーブルに並ぶ甘味や飲み物)
(店員が並べる様子にわー、と目を輝かせながら見つめて)
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子供は、親の言うことを信じて過ごしていきます、し……疑問に思うその時まで、当たり前に思ってしまうのも、無理はないですけれど、ね。
(自分にも思い当たる節があるのか、小さく苦笑して)
ふふっ、何事も遅いことは無いと言いますし、ゆっくり覚えていくと良いと思うの、です。
(と、微笑んで)
わ、わ、もう来ました、ね! 冷めないうちに食べましょう、か。
(抹茶とぜんざい、ココアのマグカップはあなたへ。みたらし団子とカフェオレは自分へと)
みたらし団子、三本ありますし……一本いかがです、か?
(と、おすそ分けの提案をしてみたり。)
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……ですよねぇ。子供って、親が絶対的な存在みたいな所ありますし。
あはは、横文字も苦手で苦労する事もありますけどね。
お上りさんみたいになっちゃいますけど、自由になれたからいいかなって。
わ、いいんですか?
じゃあ、まだ口を付けてないので……私のぜんざいもどうぞ?
食べ比べたら色んなのが食べれてお得です!
(すすす、とぜんざいの器と木のスプーンを差し出して)
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子供にとっての世界が、大人、そして親ですし、ね……その。
和茶、さんは、……。
(自由になれたからいい、と言うあなたに、少し、言い淀んで)
……今は、辛くないのです、か?
(そっと、問うてみる)
わ、良いのです、か? なら、お言葉に甘えて、いただきます、ね。
(器とスプーンを受け取って。代わりに、焼き色のついた白いみたらし団子と、つけダレの入った器を差し出してみる)
(まだしとしとと雨音がしている。まだ暫くは、きっと止みそうにないのだろう)
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はい、今は全然!
√能力者になれたお陰でお友達も出来ましたし、|ここ《宵の涯》の皆さんとも会えましたし。
……強いて言うなら、個人としても能力者としても強くない事くらいですかね……ここの皆さんお強いですから、どうしても無力感を感じてしまって。
ありがとうございます、じゃあいただきますね!
(とみたらし団子の串を手に取って一口)(もちもちもち……)
んー、美味しいです……! この甘じょっぱさが何とも言えないです!
ちゃんと香ばしく焼き目が付いてるのがポイント高いですね……!
(実に幸せそうな顔でもちもちしながら)
(。)
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(明るい笑顔を見て……頬笑みを浮かべて、頷く)
それは良かった、で……?
(良かったです、と言おうとしたけれども。強くない、無力感を感じるというあなたに)
大丈夫……和茶さんは、強いのです、よ。
(と、独り言を呟く)
(頬をもちもちとさせているあなたに微笑んでから、ぜんざいを一口頂く)
甘さがちょうど良くて、美味しい、ですね。
お抹茶ととても合いそう、で……
(甘みと渋味のバランスを、交互に感じながら)
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