シナリオ

蝸牛

#√汎神解剖機関 #グロテスク

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 #√汎神解剖機関
 #グロテスク

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●塩をかけてはいけない
 √汎神解剖機関――とある病院、救急搬送されてきた彼女はひどい状態であった。事故ではない。大きな病に罹っていたという事実すらもない。されど彼女は人として、生物として『大切』なものを失くしていたのだ。いや、違う。より正確に描写するならば――変質していたのである。医者曰く、このような症状は見た事がない。私のような若輩者が断言するのはおかしい事なのかもしれないが、世界中、歴史上で見ても、このような『もの』は初めてだ。まったく、ありえないことだ。まるで、御伽噺の中に這入り込んだかのような有様だ。
 ほう――? 妾を目覚めさせるほどの強大な狂気。或いは、生物としての本能と謂うべきか。天晴れ、見事としか言葉にできない混沌とした状況ではないか。この状況であれば、この未曾有であれば、何もかもを『仔』とする事も容易なのかもしれない。さて……久々に、妾も本気とやらを出してみるとしよう。
 おぎゃあ。おぎゃあ。おぎゃあ。
 何かしらの産声が|耳朶《●●》の奥で響く。

●蜷局を巻く
「やあやあ、君達ぃ! 我輩、とんでもないものを見てしまったようだ。いや、真相とやらは君達に暴いてもらうつもりだがねぇ。人間、あんなにもバランスが取れないものかね? アッハッハ!」
 星詠みである暗明・一五六は上機嫌だ。表情を窺う事など不可能なのだが、成程、笑い声での判断ならば『そう』である。
「君達には先ず√汎神解剖機関のとある病院で『入院患者』を診てもらいたい。なんでも、最近搬送されてきた様子でねぇ。ま、おそらく怪異が関わっているだろうから、慎重に頼むぜ? 宜しく頼むよ。アッハッハ!」
「因みにだが、この騒動を切っ掛けにクヴァリフがまた寝惚けた眼をこする羽目になっているらしい。女神様の機嫌を窺うのがついでってわけさ。頑張ってくれ給え」

マスターより

にゃあら
 にゃあらです。
 おぎゃあ。

 第一章。
 救急搬送され、入院する事になった彼女との接触です。
 症状を訊いてみたり、身体を調べてみたりと出来ます。
 怪異が関係している事だけは確かです。

 第二章。
 不明です。

 第三章。
 女神様との戦闘です。
58

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第1章 冒険 『奇妙な入院患者』


POW 本人や家族、医者などに話を聞く。
SPD 事故や事件の資料から推理する。
WIZ 特殊な術や能力を使って探る。
√汎神解剖機関 普通7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

 救急搬送され、入院が確定した彼女は――珍しい症状な為に――或いは、他の患者やご家族に見せる事が躊躇われた故。個室に運び込まれる沙汰となった。この病院は如何やら汎神解剖機関との繋がりも『ある』ようで、能力者、もしくは関係者はすんなりと『通される』事になるだろう。そうして、君達が扉を開けた先で――最初に見たのは。
 ぐったりと横たわっている、寝転がっている彼女であった。ベッドの上で安静している様子は、成程、あまりにもよくある『病人』と謂えよう。されど、おかしな事がひとつ。彼女は何故か、此方を見ていないのだ。いや、顔は……頭はちゃんと、此方を意識してはいる。しかし、視線が如何にも右往左往としていて、ぐるりとしていて、不可解であった。
 わかる人にはわかるかもしれない。
 あなたは医者に症状などを訊いてもいいし、
 自ら調べようとしてもいいし、
 特殊な何かしらで暴こうとしてもいい。
四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…なんかカフカを、思わせる…?
…寝て起きると…あれは繭でしたっけ…?
さて、覗き見…します、かね
…目を回している?
この症状、バイト先で…嫌って程…見てない、ですかね?
…気のせいだと、思いたい…

行動
【幾何学模様を展開する機械の半身】を召喚して、|半身《レギオン》25体で情報収集です。
半径25mだから、病室の真上の屋上を起点にすれば…ある程度の情報が、入手可能の…はず?
僕は能力者だけど、身内ではないから|半身《レギオン》を通して情報を精査していきたい。
索敵が出来るなら25体分がそれぞれ得たの情報を精査する事は可能だと思う。
けど、脳が疲れそう。…文字通り目が回りそう。

 夢と現の狭間――枕の柔らかさに悶えながら――ひくりと、複眼を蠢かせてみる。明らかに、昨晩とは違う視界に……視野に、仰天をしながらも、ゆっくりと、災難とやらを改めていく。つまりは、こうだ。ある朝、目覚めたら己は、一匹の毒虫になっていた――。くらりと、つられると同時にイメージを拭う。……なんか、カフカを、彷彿とさせる……? あれは毒虫だっただろうか、それとも、繭の状態で在ったのだろうか。取り敢えずの|半身《レギオン》の一体、噂の患者の個室に滑り込ませる。さて……覗き見……します、かね。じっと、じっと、患者の顔色を窺う……前に、なんとも見慣れた症状とやらに直面した。……眼球が、震えています……目を、回している……? 嫌と謂うほど見てきたし、嫌と謂うほど味わってきた。まさか、星詠みをした者の趣味嗜好までも絡んできてはいないか。……気のせいだと、思いたい……し……それにしても……その、表現が、大げさではない……? つまりはコメディな、シュールな廻りの具合と謂うワケだ。……眼球を、内側から……操っているようにも、見えます……。兎にも角にも情報収集だ。
 |半身《レギオン》の召喚については既に完了している。あとは何処を『探るのか』が要と謂えよう。半径25mだから……。病院の屋上を起点にすれば……。ある程度の情報を得てから怪異を特定すると、そういう流れ。……僕は能力者だけど、身内ではないから、直接、訊くつもりには……。展開される、散開していく|半身《レギオン》たち。ところで能力者――25の|双眸《レンズ》を通して、何もかもを処理するつもりなのか。脳が疲れそう……文字通り、目が回り……そ……う……っ……?
 脳髄に流れ込んできたのは『模様』であった。錯視のように、誰かさんからのいぢわるのように、暴力的なほどの『模様』が侵してくる。……よ、予想はできて、いたのですが、この数は……。渦巻きだ。無数の渦が全ての|半身《レギオン》を取り囲んでいる。そして、渦の隙間からネバネバしたものが貌を出している。……これ、は……。人の顔である。人の、幼体の『かお』である。赤子の顔にびきびき、亀裂が……。
 ……うっ……。
 能力の解除が間に合った。
 これ以上見ていたなら、現実逃避だって出来やしない。
🔵​🔵​🔴​ 成功

八手・真人
ヒトが、おかしく……戻るのかな、元に。戻ったら、いいな。家族とか、お友達とか、そのほうが嬉しい、よね……きっと。

とはいえ、俺が患者さんに何かできるワケでもないし……お医者さんの話、聞いてみようかな……? 聞いてもわかるかどうかが、また問題だけど……。
なんか不思議と、機関の人には顔が知られてるし……話聞かせてくれそうな人に、声をかけてみて……。

……こんなこと、思っちゃダメだ。ダメだ、けど——よかった。兄ちゃんは、ああならなくて。
俺の目を見て、ニコニコしてくれて、お話ししてくれて。

 誰でも食べられる、そんなものではない。
 隠れている血肉を、臓腑を、貪る為には何をすれば宜しい。
 赤子よりも賢く、幼児レベルに――殻を割ってしまえば、容易いか。
 蛸壺の中に閉じ込められたのか、蟲毒の中身として歓迎されたのか、何方にしてもこの病、其処らの人間では如何しようもないだろう。ぐったりと、じっとりと、横たわっているだろう患者の苦悩を思いながらオマエは待合室に存在していた。ヒトが……おかしく。戻るのかな。元に、戻ったら、いいな。家族とか、お友だちとか、そのほうが嬉しい、よね……きっと。虚空に呟いてみたオマエ、何もないところに声かけたオマエ。患者を『診る』ほどの専門性はないのだと、己が一番よくわかっている。俺が患者さんに何かできるワケでもないし。ならば、話を聞くのが最適解だろう。いや、故にこそ『待合室』を選んだのだろう。意識していなくとも、意識していようとも、この精神の穏やかさには敵わないか。なんだか、不思議と、機関の人には顔が知られているし……話、聞かせてくれ……? がらがら、待合室にやってきたのは女の人だ。……ワッ……。知った顔である。すごく親切で、なんだかこわい、あの時のお姉さんだ……! え…エット……俺、知りたい事が……あり……マス……。
 お姉さん曰く――真人くん、真人くんなら、きっと、この病気の原因がわかると思うんだ。何を言っているのだろうか。確かに、先程から『たこすけ』がひくひく反応しているし、その理由は、まったくわからないのだけれども……。ねえ、真人くん。蛸の餌って、蛸のご飯ってなんだと思う? エッ……ト……海老とか、蟹とか、お魚とか……。あとは? もっと頑丈で、警戒心が強そうな『ごはん』ある筈よ。
 ……貝……?
 あの女の人は満足げな顔で、涎を垂らしながら帰っていった。やっぱりこわい。でも……。患者の症状を改めて。こんなこと、思っちゃダメだ。ダメだ、けど――よかった。兄ちゃんは、ああならなくて。俺の目を見て、俺だけを見て、ニコニコしてくれて、お話してくれて。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ヴォルン・フェアウェル
ふむ。こちらのことはわかるんだね?
催眠療法、というのもあるし…探偵や医者の真似事なんて得手ではないんだけれど、少し能力を使って聞き出せるか試してみようか
事件の関係者とでも偽って彼女と二人きりで話を聞こう
別に僕の質問に正確に答えなくてもいい、君は何を見たのか、何を聞いたのか、何を感じたのか? 思いつくままに語ってくれるかな?
語られる言葉があるかどうかはわからないけれど、その間に身体症状も注視しておこう
妙な動きをする目玉が気になるな、それって人間に可能な動き方なのかい?
…蟲を使役している身としては、何かに寄生されていたりしないかと考えたりもしているんだよね

 人体の不思議を探るよりも――昆虫の世界を暴いた方が手っ取り早い。そんな想いだけが、こんこんと、脳内へと積もるばかり。必要なのは理解ではなく、もっと、直接的な何かなのではないか。蜻蛉を取るよりも簡単な沙汰なのではないか。
 不完全なのか完全なのか、その両方なのか。
 躊躇なく――情け容赦なく――首を突っ込み、酸を散らかす悪鬼の所業。地獄にも楽園にも拉致されず、患者は、彼女は、只、渦状の現に囚われていた。ふむ……こちらのことはわかるんだね? 真っ白くて青い、そのような男が其処に『在る』事は把握できている様子だ、されど、視線だけはまったく定まらず、常に混沌を孕んでいるかのような異常さか。催眠療法、と、いうものあるし……探偵や医者の真似事なんて、得手ではないんだけれど……。誰なのかと、如何して、此処にいるのかと、彼女は不思議そうな顔をしている。それと同時に、藁に縋るかのような、蒼白としたかんばせ。僕は事件の関係者で、君を治せるかもしれない『もの』だ。もしも、僕の事を信じてくれるなら、嬉しい……。光がちらついている。渦に紛れ込んだ光が――あらゆる警戒を洗い流す。
 いや、別に、僕の質問に正確に答えなくてもいい。君は……何を見たのか、何を聞いたのか、何を感じたのか……。思いつくがままに、語ってくれるかな? 彼女は口を開けようとした。開けようとした事で吐き気を思い出したのか、けほけほと、何かしらを散らかす。これは……胃液……ではない……? わ……わたし……わたし、は……? 言葉は続かない。続かないが――彼女が辛そうなのは、わかる。……身体症状。妙な動きの目玉……それって……。予想していた通りだ。このような眼球の動きは人間には到底、不可能だ。蟲を使役している身としては、何かに寄生されていたりしないかと、考えたりも……。それが正解なのではないか? 眼球を細かに観察していくと。何かがうっすらと……。
 見えてこない。……そもそも、これは、目玉を宿としているのだろうか。
 目玉だけとは限らないと、そう、結論をした。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディー・コンセンテス・メルクリウス・アルケー・ディオスクロイ
ははあ成程相当な様子!わたくし医療の怪人であるが治療や診察は専門外!
存じているのは生命維持と『手術』ゆえ

詳細が解らぬならば解体すればよかろうに
だがまだヒトなら仕方が無し、既にヒトに在らずなら飛びついたことだろう
ともあれ『目』の『失い』わたくしには羨ましく思えるがね、『有る』というだけで。アッハッハ

それでこれは何処を見ているんだ
ああいや判別を付きやすくする方法がある。ほら明かりで照らしてやれ、『視線』が『元気』になるならそういうことだ
暗所に置けば安静にしていられるかも知れんがなあ

さてあなた鳥の糞に心当たりは
わたくし『鳥』だが恐ろしくはないか?
あるいは蝸牛。その眼に憑くもの――ご存知かね
さて返答は

 オマエの内耳は何処にある、そんな詩ではなかった筈だ。
 星がまわる。ちかちかと、頭上をまわっている。
 世界を渡るかのように、天地を跨ぐかのように――蜷局を巻くかのように――ヘルメスめいて、怪人は翼を纏った。絡みついた蛇の辟易については今更だと笑い飛ばす他になく、泣く泣く這い蹲っていくサマは、成程、落とされた邪悪の象徴に近しい。ははあ成程相当な様子! わたくし、医療の怪人であるが治療や診察は専門外! 存じているのは生命維持と『手術』ゆえ! まるで禁忌を冒した人間だ。まるで禁断を喰らったはじまりだ。まったく、詳細が解らぬならば早々に、早急に、解体すればよかろうに……。素晴らしいほどの怪人仕草ではないか。バチバチ、バチバチ、頭の中の装置とやらが定義と証明を讃えている。だが、まだヒトならば仕方がなし。既にヒトで在らずならば飛びついたことだろう。文字通り飛んでいきそうなものだ。ともあれ『目』の『失い』わたくしには羨ましく思えるがね、『有る』というだけで。アッハッハ! それには同意すると何者かが続いた。
 それで……? 怪人は怪人だ。怪人なのだから、許可など取らなくとも『ここ』に在る。これは何処を見ているんだ。ああ、いや、判別を付きやすくする方法がある。ほら、照らしてやればいい。何処からか持ってきた小さな、小さな、ライト。太陽のように鮮烈な、眩暈がするほどの光輝。……元気かね。元気だろうとも。視線が元気になるなら、そういうことだ。暗所に置けば安静にしていられるかも知れんがなあ。
 さて……。ぐっと、ぐいっと、患者の顔を覗き込むように。あなた、鳥の糞に心当たりは。わたくし『鳥』だが、恐ろしくはないか? びくんと、患者の身体が跳ねた。がくがくと、滂沱をしながら、粗相までもしでかすか。あるいは蝸牛。その眼に憑くもの――ご存じかね。さて、返答は……? 逃げようとした。這って、逃げようとした。
 急に動いたものだから、患者は頭をぶつけてしまった。
 ……立場逆転と、そういう……おもしろ……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ヴェル・パヴォーネ
こんにちは。お加減いかがですか?無理に喋らなくて、大丈夫ですからね。

礼儀作法を重んじて、丁寧に応対します。
話せるようならお話ししながら、話せないならボクの神様のお話でも語り聞かせつつ、√能力で五感に一つずつ接続して、この人の感覚を【共有】します。聴覚っぽいかな?ボクも具合悪くなっちゃうかもですけど、かまいません。
形容しがたい感覚は、実際に体験するのが確実ですし、【共有】はボクの権能ですから。

魔除けには盛り塩がいいって聞きましたけど、それはどんなものに対しても共通なんですかね。

アドリブ、連携○

 祈りは届かない。
 祈っても、祈っても、届けられない。
 神とは人のものなのだ。
 鳥はおそろしいものだ。鳥類に、発見されてはならない。
 青い鳥の美しさについては――青い鳥の外見については――最早、改めて咀嚼する必要すらもないだろう。オマエはきっと幸せで、何よりも、幸福の蒼い鳥とも出会えたのだから。こんにちは。お加減いかがですか? ベッドの奴隷となっている、お布団の付属品となっている『彼女』の様子とやらを、容態とやらを、窺う事にした。ええ、無理に喋らなくて、大丈夫ですからね。鳥のように、楽器のように、礼儀作法を重んじる姿はまさしく『神』に仕える者としての証か。どうやら彼女はお話ができる状態ではなく。吐き気も悪化しているらしい。話せないなら……そうですね。ボクの神様のお話でも……。|青い鳥《パヴォーネ》のお話でも……。語り聞かせながら次の手を使うとよろしい。たとえば、患者の視点になるとか、相手の心を理解するとか、そういうものの上位へと、祝福をされると悦ばしい。
 視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚――彼女の症状から考えられるのは『視覚』か『聴覚』の異常。とりあえず『視覚』に接続をしてみたが――ぐるりを続けているだけで、吐き気はしっかりと覚える羽目になったが、これではない。ぐっと、こらえながら『本命』へと干渉だ。具合悪くなっちゃいましたけど、かまいません。形容し難い感覚は、実際に体験するのが確実ですし……共有はボクの権能ですから。ひくりと、内耳が、内耳だったものが反応をする。こ、これ、は……耳が……耳の中が……寄生……ちがう……変わっている……? 成程、魔除けには盛り塩がいいと聞いた事はあるが、これには、もっと効果的なのだろう。蠕動をするかのような、蠢動をするかのような、キャベツの葉っぱを齧り取るような……。世界がひっくり返った。這い蹲ってもいられない。
 ……毒虫になっていた方が、楽だったのかもしれません。
 塔を壊した誰かさんの気持ちがよくわかった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

長峰・モカ
「はいはーい! 検診の前に色々お話し伺いますよー」
リアルタイムどろんチェンジを使ってナースに変身! 少し|コスプレ《セクシー》っぽく見えてしまうのは仕方ないかも!
ひとまず患者の”彼女”からお話を聞いてみよう。そこで聞き込んだことを元に、お医者様からもお話を聞こう。
え? こんなナースいない、って? そうなったら、少しぐらいは色仕掛けしてもいいかな!まぁ、青年誌レベルのだけどさ。
これで、少しでもわかることがあればいいんだけど……

 操り人形みたいだ。
 糸に繰られて、くるくると、踊るかのよう。
 目を回すなんて経験は、子供の頃に、面白がるだけで十分だと。
 数多の仮面の使い方――その上達こそが、売れないオマエに残された宝物なのかもしれない。ごしごしと、ぐしぐしと、汚れていた顔を洗うかのように――芸人としての表情を貼り付ける。はいはーい!!! 検診の前に色々とお話伺いますよー! 騒がしく、賑やかに、ノックの代わりの大声を響かせながらも、まるで『登場』をするかの如くにオマエは入室してみせた。うんうんと念じている間もなくどろんとナース、コスプレっぽく見えるのは|衣装《セクシー》な所為だろうか。これも味わいってやつ、仕方ないかも! ひとまず患者の『彼女』からお話を聞いてみよう。ショートコント【触診】だ。それで、あなたはいったいどのような症状で、どのような流れで此処に運ばれてきたのかな? 覚えているのは渦巻きだ。渦巻きと出会って、気が付いたら救急車に乗っていたらしい。うずまき……うずまき……それって、本当にうずまき? 形状じゃなくて、形質とかってわかる? 彼女曰く、うずまきは硬質だったようだ。それに、ちょっとねばねばしていたらしい。
 聞き込みが終わったならば次はお医者様のところへと突撃だ。……ほう。あの患者から『聞き取れた』と。ところで……君のような看護師、いなかったと思うけれども……。え? いやいや、そんなことはありませんよ、せんせい。わたしはここのナースで、先生が雇ったんでしょう? ショートコントは続いている。触診なのだから、少しくらいは色を仕掛けたって問題ない。まぁ? 青年誌レベルだけどさ。それに、モザイクもかかるだろうし! そ、そうだったね。そういえば、彼女が運ばれてきたとき、卵のようなものが引っ付いていた気も……? たまご? それは、どのような? うーん……胎児と、両生類を足して割ったかのような……? 少しだけわかった。今回の怪異は『ひとに寄生する』タイプか『ひとを変質させる』タイプだ。ありがとう、せんせい。この恩は忘れません!
🔵​🔵​🔴​ 成功

久瀬・千影
――その症状に息を呑んだ。余りにも不可解だったから。
俺はこの状況に遭遇したのは初めてだ。カメレオンみたいに視線の方向が定まっていない。怪異に経験のある俺でも少し薄気味悪いと感じてしまう。実家のクソジジイなら何か分かるかも知れないが……。

話は出来るか?何があった?
救急搬送されたのは知ってる。けれどその前後に関しては俺も情報を持っていないんだ。
アンタから見える視界はどうなってる?目は閉じられるか?アイマスクを持ってきてはいるが…どうする?

俺の異能は斬る事に特化してる。苦しむ相手を救ったりとか、苦痛や被害を和らげてやることはできない。元凶を見付け、始末を付けると約束する。それぐらいしか約束できない。

離れた場所で担当医と会話したい。
元凶を始末できれば治せるか尋ねたい。難しいなら解剖機関に彼女の眼の治療が出来る人間を要請しよう。断られたらアンタらに協力はしないって脅してでも。
――どうせこの事件も背後にヤベェ怪異が絡んでるんだろ?人手は多い方が良い。
これ以上、犠牲者が出る前に。違うか?

 医者曰く。そうだな、これは、私の予想になるんだけれども。
 患者の中を改める事が、肝となるだろう。
 成長し、羽化する事で擬態の能力を得られるのであれば、幼体の頃に駆逐しておく以外にない。尋常に紛れ込んだ異常の発見のし難さこそ、最も警戒すべき沙汰とも解せよう――オマエは、その症状に、患者の容態に息を呑む事しか出来なかった。不治の病の類だろうか、難病の類だろうか、いいや、その何方とも違う有り様だ。あまりの不可解さに、奇怪さに、正直なところを謂ってしまえば、此方が、目を逸らしたくなるほどに――。俺が初めてだったんだ。俺が、はじめてならば、医者にとってははじめて以上の、異常な何かしらでしかない。動物……生き物にたとえるならば、患者の目の玉はまるでカメレオンめいていた。それくらい、わかりやすく視線が定まっていない。スタンピードを乗り越えた俺でも少し薄気味悪いと感じてしまう。……実家のクソジジイなら何か分かるかもしれないが。今更、帰ったところで、訊きに行ったところで、地獄へと戻るだけだ。ならば……。
 話は出来るか? 何があった? 手っ取り早く患者に……カメレオンと化している彼女に、問うてみる他にない。救急搬送されたのは知ってる。けれど、その前後に関しては、俺も情報を持っていないんだ。なあ……アンタから見える視界はどうなってる? 目は閉じられるか? よくよく、観察してみたら眼球が少しだけ飛び出ているようにも思えた。……アイマスクを持ってきてはいるが……眼球が……傷つくのはまずいか……どうする……? 如何もこうも、ない。症状が治まるまで患者はまわる天蓋とお友達だ。
 俺の異能は……そう、俺は、斬る事に特化してる。苦しむ相手を救ったりとか、苦痛や被害を和らげてやることはできない。……たす……け……て……。懇願だ。藁をも掴む思いがオマエに圧し掛かってくる。元凶を見つけ、必ず、始末をつけてやる。だから、それまで……頑張ってくれ。それくらいだ。俺には、それくれいしか、約束ができない。
 個室から外に出たオマエは一直線、担当医のところに貌を出した。あの患者を『ああ』した元凶を始末するつもりだ。なあ、始末したら、あの患者は元に戻るのか? 治せるのか? 私にはわからない。わからない、が、おそらくは……出来なくはない。可能性があるならやってやる。お願いだ。もしもの為に、解剖機関から治療が出来そうな人材をよこしてくれ。断るなら……アンタらには、金輪際、手を貸さない。
 何を謂うか。我々は人類の為の機関、全面的に協力してくれるだろうさ。
 どうせこの事件も背後にヤベェ怪異が絡んでるんだろ? 人では多い方が良い。
 ――これ以上の犠牲者は、人にとっても機関にとっても国にとっても、最悪なのだ。
 それと、これは医者としての意見なのだが。
 目ではなく、耳の方が問題なのだ。
 耳……?
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

中村・無砂糖
ほうほう、なにか怪異との関係性がある患者さんとな?
「ふーむ、ちょっと一見すると普通に見えるんじゃがのう?」

しかしなかなか目線を合わせてくれんのう…。
「こういう時にこうするのはどうじゃろうか?」
右往左往ぐるりとする視線に合わせて
わしも頭をグルングルン動かしたり空中移動や空中ダッシュにインビジブル・ダイブを駆使したりして
その右往左往ぐるりとする患者の視線とわしの目が合うように長時間強引に視線と視線が合うようにしてみるわい
「といってもコレでなにかがわかるわけでは無いんじゃがのう?」
技能と√能力を駆使して、なんとなーく直感を頼りに何度も視線を強引に合わせてみるわい
「しかし思いのほか疲れるのうコレ…。」

 何十分でも何時間でも付き合ってやると宜しい。真に霞を食んでいるのであれば、嗚呼、眩暈にやられたとしても戻す事などない。これは本物の泥水ではないか。これは、本当の雨上がりではないか。そうして、爛々と踊っている、何者かの眼球……。
 ――くねくねとした証明か、削れていく、つるりとなったミソ。
 頭隠して尻隠さず――或いは、頭だけを晒しているのか。何方にしても奇怪な沙汰に変わりなく、自称仙人サマでも不思議な類か。ほうほう、なにか、怪異との関係性がある患者さんとな? 許可をもらう必要もこそこそ這い寄る必要もなく、オマエは幽霊なのだから、その特性とやらを存分に発揮してやるとよろしい。どろろんと姿を現したならばアッと謂う間に患者のお部屋か。ふーむ……ちょっと、一見すると、普通に見えるんじゃがのう? 遠くから見ても近くから見ても女の人、まったく元気溌剌なのではないか。それとも、躁の気でもあるのかのう? いや、もっと近づいてみんと判らぬか……顔を近づけてみる。視線を近くにやってみる。ほう……成程。なかなか、目線を合わせてくれんと、そういうワケか。こういう時にこうするのはどうじゃろうか?
 生まれたばかりの雛の挙動については幾らかの知識をつけている。右往左往と、ぐるりと、回転する目玉とやらに合わせて……。幽霊の頭もぐるんぐるん。空中を移動してみたり、駆けてみたり、翔けてみたり、お尻で渦を描いてみたり。不可視の彼等と入れ替わってみたり。それを出来る限りの長時間続けてみる。視線と視線が合うようにしてみるわい……。いや、といってもコレでなにかがわかるわけでは無いんじゃがのう……。なんとなーくな直観だ。無理やりに、強引に、おんなじ視点に立っていると……。しかし、思いのほか疲れるのう、コレ……わしの目が回ってくるのじゃが……。こういう疲弊に効果的なのは泥水である。砂糖とミルクを混ぜずに、ゆっくりと一杯。む……? ああ、疲れるのう、なんて、口にしてはみたが、案外、正解なのかもしれんのう。つまり……? 憑かれる脳、と、洒落ているのか。
🔵​🔵​🔴​ 成功

色城・ナツメ
【師弟】

さて、この病院か…ゼロ、何でいるんだオイ?
あー、まぁ俺より人当たり良い奴がいた方が良いか、いくぞ。…ちゃんと仕事の時は口調直すわ、安心しろ。

考えるのはゼロに任せた。俺は情報収集に集中するか。
患者に話しかけてみる。俺の声が聞こえるか、何があったんだ。
医者にも、搬送当時の様子や患者の居た場所等の情報を聞こう。
医者に確認とってOKなら、弱い【霊力攻撃】を当て反応を確かめたい。

何年ルポライターやってんだよゼロさんよぉ。
俺達が来ているって事は怪異絡みだ、怪異が発端なら何でもアリだ。

●補足
・普段は男性的な言葉、目上の人には敬語、荒ぶるとヤンキー口調
・ゼロは呼び捨て&ヤンキー口調
・アドリブ、連携歓迎
ゼロ・ロストブルー
【師弟】

ナツメか、どうした?
俺は同僚の見舞い帰り、だったんだが…この後は予定もないし、手伝うよ。ただ口調はちゃんとしてくれ、良いな?

彼の協力者です、よろしくお願いします。
患者やナツメの集めた情報、手帳に記した過去の事件、冒険者時代の経験(【世界知識】)を思い返し何かわからないだろうか。

目を回している…なら、眼球をよく見たい。
三半規管か、脳の異常か?だが、こんな症状はあり得るのか?
…何かに寄生された?
ぐるりと動く目、三半規管のフレーズでふと、カタツムリと寄生する虫がよぎった。
ナツメ、顔にある穴を念入りに調べてくれ。
口、鼻…あと耳も頼む。

●補足
・怪異事件を扱う雑誌のルポライター
・アドリブ、連携歓迎

 傷にやられた誰かさんの描写については、最早、数行も必要なさそうだ。病院――この二文字から最初に連なってしまうのは妊婦だろう。猿の叫び声が、何処かの男の嗤笑が、脳裡を埋め尽くさんとしてきてやかましい。がしがしと、頭を掻きながら如何にか現実へと己を引き戻す。引き戻したと同時に視界に入ったのは、まったく、見知った元不良であったのか。……ナツメか、どうした? それはこっちの科白だっての、ゼロ。何でいるんだオイ……? ナツメと呼ばれた男は――元不良は――ゼロと呼ばれた男とは違い、√能力を保有している。つまり、星詠みからちゃんと、この病院の怪奇と謂うものを教えてもらっているのだ。あー……まぁ俺より人当たりの良い奴がいた方が便利か、いくぞ。ああ、俺は同僚の見舞いの帰り、だったんだが……丁度いい。この後は予定もないし、手伝うよ。ただ……口調はちゃんとしてくれ、良いな? 力強い瞳は『力を失くしても尚』健在だ。じっと弟子の『貌』を見回していく。……ジロジロ見んなよ。それに、仕事の時はちゃんと口調直すわ、安心しろ。只でさえ今回のお相手は『入院患者』なのだ。出来る限り、優しい男性と謂うものを演ずる。なら、良いけどな……出会ったばかりの事を思うと、如何しても……。
 実にアナログなやり方だが、実にシンプルな調べ方だが、故にこそ、真実に至る近道とも謂えた。ちゃんとしたノックを終えた二人は個室の中へとお邪魔する。えっと……あなたが、例の患者さん……。俺の声が聞こえているなら、手を、握り返してくれないか……? ぎゅう、と、ナツメの……カミガリの……手に、強い意思が伝わる。なあ、何があったんだ。出来る限りで良いから、教えてくれないか……。わたしは……わたしは……えっと、其方の、男性は……? 彼の協力者です、よろしくお願いします。
 患者からの情報はこれで以上だ。手帳に書き加えられた情報は『患者の症状』と『運び込まれた際の曖昧な記憶』である。成程……兎も角、目を回しているのは見ての通り。なら、眼球をよく見たい。三半規管か、脳の異常。だが、それにしたって、この、カメレオンを彷彿とさせるほどの回転は――こんな症状はあり得るのか。そういえば、冒険者をやっていた頃、生水を飲んで眩暈を起こしたものがいた。彼はその後、完治してはいるのだが……。三半規管……内耳……蝸牛……カタツムリ……寄生虫……?
 何年ルポライターやってんだよ、ゼロさんよぉ。
 俺達が来ているって事は怪異絡みだ、怪異が発端なら何でもアリだ。
 そうか……そうだな。ナツメ、顔にある穴を念入りに調べてくれ。
 口、鼻……あと、耳も頼む。
 お医者様からの許可は取れている。極めて弱い霊力での攻撃――つまりは刺激を――与えてやる。眼球はぴくぴくするだけ。鼻はひくひくするだけ。耳は――耳穴からは――粘性の何かしらが溢れてきた。これは……ナツメ、内耳を狙ったりは出来るか?
 んな細かい調整をやれって? 出来なくはねぇけどよ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

四季宮・昴生
「……妙だな」

視線をさまよわせる患者を前に、俺は担当医に目を向ける。

「彼女の症状について詳しく伺いたい。特に、この視線の異常はいつからだ?」

手短に聞きながら、ベッド脇に立つ。直接触れる前に、|彼女の表情や呼吸の乱れを確認する《医術》。異能的な影響か、それとも神経系の異常か――判断材料が必要だ。

「君の身に何が起きた?」

言葉を選びつつ落ち着いた声で問いかけ、彼女が反応するか試す。情報を引き出すには慎重さが必要だ。

「安心しろ、何かを暴くために来たわけじゃない。……君の身に起きたことを知りたいだけだ」

彼女の反応を待ちつつ、異常が周囲に広がっていないかも探ろう。

 くねくねとした、何者かの痕跡、ぬちゃぬちゃとした、虫食い穴。
 怪異との遭遇とは――出会いとは――交通事故に巻き込まれる、そのような偶然である事も多い。されど、偶然ではなく、これが『必然』に依るもので在ったならば、黒幕と謂うものが潜んでいてもおかしくはない。つまりは、それを疑う程度には、この状況が不可思議に過ぎると謂うワケだ。……妙だな。個室、患者のベッドの隣で腰かけていたオマエは呟く。視線をさまよわせている、滅裂に回転させている、患者を見ながら……診るようにしながら、担当医へと目を向ける。彼女の症状について詳しく伺いたい。特に、この視線の異常は……眼球の異常は、いつからだ? いつから、と、問われた担当医は即座に『救急隊が患者の元に駆け付けた頃』からと答えた。つまりは、あれか? 文字通りに最初からと、そういうことか……? ベッドの脇に立って寄り、患者に直接触れるよりも前に――表情や呼吸の乱れなどを確認する。悪心に罹っているのは、吐き気にやられているのは、素人でもわかる。しかし……呼吸はまったく乱れていない。異能的な影響か、それとも、神経系の異常か……判断材料が必要だ。それも、確信できるほどの、何かしらが。……君の身に何が起きた?
 ひくりと、患者の指先が動いた。指先が何かを描こうとしている。ぐるり、ぐるりと、目の玉と同じように渦をなぞっていく。渦……それが、君が伝えようとしているものの、ヒントのようなもの……。安心しろ、何かを暴くために来たわけじゃない。君の身に起きたことを知りたいだけだ。もう片方の手、指……じゃんけんの『チョキ』だ。チョキに渦巻き……いや……握りこぶし……? 何を、教えてくれている。何を、作ってくれている……?
 自身の手でも再現してみた。そのふたつを近づけて、重ねて……。
 ……カタツムリ……?
 嫌な予感が……冷汗が……背中を舐る。
 振り向いたならば其処には窓。
 君……まさか、カタツムリに触れて、それに気づかず、顔に触れたりとかは……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

サーシャ・ヴァリアント
WIZ判定、アドリブはご自由に。

……あれ、また変な所に迷い込んじゃった?病院みたいだけどどうしよう。
え、能力者かですか、ええと、はい(霊)能力者の家系ですけど。
そちらにいけば良いんですか?ううん……義姉ちゃんが迎えに来てくれるまで暇だし良いかな。
この病人さんを何とかしてほしい?うーん、病気は専門外ですけど確かにだいぶ変な感じの人ですね。
何かに憑かれてるのかな?ちょっと調べてみますね(破魔札を使った破魔の力で除霊を試みてみる)

 木乃伊取りが木乃伊になる展開、怪異を相手にするならばお約束か。
 オマエは何処かのドジっ娘ではない。
 ドジっ娘ではないし、死んだら、死んでしまうのだ。
 迷子の迷子のお嬢さん――如何やら今度は、知らず知らずのうちに、怪異の領域とやらに這入り込んでしまったらしい。あれ……また、変なところに迷い込んじゃった……? 病院みたいだけど、どうしよう。赫々とした双眸に映り込んでいたのは職員の出入り口。此方側から入ろうとしているように『見えた』ものだから、掃除のおじさんに声を掛けられる。お嬢ちゃん……ここは職員専用の出入り口だよ……いや、待てよ……その、只ならぬ気配、雰囲気……機関の連中が謂っていた、能力者の一人か……? お嬢ちゃん、もしかして、能力者だったりするかな? え、能力者ですか……ええと……はい、能力者の家系ですけど。まったくスムーズな流れではないか。機関の皆さんは√能力者を『探している』と謂うのに、オマエは霊能力が使えるだけの、只のお義姉ちゃん大好きな女の子。あ、そちらにいけば良いんですか? でも……ううん……お義姉ちゃんが迎えに来てくれるまで暇だし……。
 個室に通されたオマエは患者さんとご対面。お医者さん曰く、この人を如何にか治してほしい。この病人さんを何とかしてほしい? うーん……私、病気は専門外ですけど……。確かに変な感じのひとだ。奇妙な症状にやられている人だ。まるで、約束を守ってくれたお義姉ちゃんみたいに、目の玉をぐるぐるとさせている。何かに憑かれてるのかな? はいれた、はいれた、なんて、聞こえてはこないけれど。ちょっと調べてみますね……。キョンシーじみたぺたりだ。ぺたりからの厄祓いだ。魔を破るべく全身全霊を籠めて――ピギィ! 何かの悲鳴。何処からこぼれたのか。患者さんの耳付近から。
 ……これなら、対処できるかも。
 対処するならば素早く、丁寧にやるべきだ。
 これは乙女としての勘だが――正体暴きこそが致命となる。
 見てはいけない。
🔵​🔵​🔴​ 成功

玉・蓮
【蓮鉢】アドリブ◎
蛍光灯に照らされた白に四方を囲まれていると、清潔さの強迫観念でいっそ病気になりそう。それで、なんだったかしら。患者を診ればいいのよね。《医術》の知識はあるけれど……アタシ、解剖しかできないの。文句は機関に言ってちょうだいね。

目玉がぐるりと忙しない子。でも、お前の意思ではないのね。脳味噌を弄られているのかしら。その可愛いブヨブヨを弄ばれているのかしら。例えば宝石蜂のロボトミー。例えば水辺に誘う針金虫。お前は可愛い柄の触覚に踊らされる蝸牛のよう。
内側にいるのなら、ずるりと、引き摺り出したいのだけど。……アタシ、いっそ、|解剖《バラ》してしまいたいわ。命を預かるのは向いてないの。
ケオ・キャンベル
【蓮鉢/2名】
アドリブ歓迎!

ねえ玉蓮。ぼく病院って初めて!
真っ白がたくさんで、雪の日みたいに静か。物音立ててはいけないみたい?
玉蓮の検分が終わるまで大人しく待ってるよ。うん。やっぱり待てないかも!
ねえ玉蓮、大きな助手さんはいかが?

あの子とっても賑やかだね。目がきょろきょろで。寝っ転がってるのに姦しいや。
身体なんだか悪いの? 治してみる? それとも|腫瘍《なかみ》をあぶりだす?
清めのお塩はないけれど、【聖なる真実の光】なら任せてね。でんでん。むしむし。君の頭は何処かなあ。

 安置されている死体どもと――臭いにやられた薄暗い場所――踊っている方が楽しいだろうか。死臭とは別の独特な臭いがオマエの鼻腔を擽り、奥の奥まで弄ってくるかの如く。蛍光灯に照らされた白に四方を囲まれていると、清潔さの強迫観念でいっそ病気になりそう。何度も、何度も、押し込んだアルコールの容器。ぷんぷんと嗤う掌は、嗚呼、ある種の酩酊を孕んでくれるのか。それで、なんだったかしら。ピンク色の映える女よ、病院にはまったくお呼ばれされそうにない女よ、此度も彼を連れているのか。ねえ玉蓮。ぼく病院って初めて! それは『そう』だろう。汎神解剖機関の施設は数在れども、人の病を治す此処に本来、災厄なんぞ入れやしない。真っ白がたくさんで、雪の日みたいに静か。まるで、玉蓮のお肌みたい! 物音立ててはいけないみたい……? 女の前では聖なる光も蛍光灯に等しい。玉蓮の検分が終わるまで大人しく待ってるよ。うん……やっぱり待てないかも! ああ、CC、そうね。患者を診るのよ……医術の知識はあるけれど、アタシ、解剖しかできないの。文句は機関に言ってちょうだいね。猫の手も借りたい有り様だ。故に、災厄のピカピカを使っていけ。ねえ玉蓮、大きな助手さんはいかが?
 例の患者の個室――妖しげで、美しく、かっこうの良い二人が入ってきた。患者である彼女は如何やら、中てられたのかと疑うほどに、ぐりぐりと眼球を動かしていた。目玉がぐるりと忙しない子。でも……お前の意思ではないのね。秒とも掛からずに彼女の『現状』を読み取った。じめじめとしているベッドを触りながら、じっと、じっと、両側から。あの子とっても賑やかだね。目がきょろきょろで。寝っ転がってるのに姦しいや。女が一人なのに姦しい。いや、そもそも、この病室には……病院には敵性の怪異はいないのであろうか。
 身体がなんだか悪いの? 治してみる? それとも|腫瘍《なかみ》をあぶりだす? CC、お前、よくわかっているじゃないの。脳味噌を弄られているのか、或いは、その可愛いブヨブヨを弄ばれているのか。脳裡を埋めようとしているのは『たとえば』の沙汰だ。宝石蜂のロボトミー……水辺に誘う針金虫……お前は……。
 可愛い柄の触覚に踊らされる蝸牛のよう。
 目玉は何処に在るのだろうか。蝸牛は本当に|蝸牛《●●》だろうか。内側にいるのなら、ずるりと、引き摺り出したいのだけど……アタシ、いっそ、|解剖《バラ》してしまいたいわ。解体すだけなら、面白いもの。それに、アタシは、命を預かるのは向いてないの。玉蓮! 清めの塩はないけれど、ぼくの光なら、何かしらがわかるかも。
 死にはしない。死なせはしない。恐怖だけが迫ってくる。
 でんでん。むしむし。君の頭は何処かなあ。
 耳だ。耳の中だ。耳の中から、じゅるる、と、逃げ出そうとしている。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

赫夜・リツ
【赫】

シュウヤさん、職員に異常が起きた時に診てくれたりするし
今回のような症状に心当たりないか聞いてみたら
ついてきてくれたんだけど
クヴァリフも関わってきそうって言ったらこめかみ押さえてたな
僕も嫌な予感はしてるし患者さんを助けられるように頑張ろう

うーん、患者さん衰弱してそうだし…
お医者さんに確認とってから
√能力の癒しの灯火で癒しつつ容態を診たいな
後、ギョロ君にも怪異の気配とか気づいた事がないか聞いてみよう
あ、病室だし騒がずに小声でよろしくね

何か分かったらシュウヤさんに伝えるけど
だいぶ難しそうな顔してるなぁ…
…そういえば初めて僕の体を調べた時もあんな顔してたっけ
こんな時だけど、少し懐かしくなった
一ノ瀬・シュウヤ
【赫】
アドリブ〇

リツから依頼内容を聞いて一緒に行く事にしたが
道中クヴァリフの事を聞いて…頭が痛くなった
…あの女神が目覚めるような事態が起きているのか
とにかく病院に到着したら患者を診る事に集中しよう

こうして直に診てみると目の異常だけではない気がするな
他に考えられるのは脳か耳の異常だが
こちらの事を意識できているなら脳ではなくて耳の方か?
耳なら内耳異常で目を回しているのかもしれない…
担当医に頼んで耳の内視鏡で中を見た方が良さそうだ
こういう時、内側に怪異が潜んでいるケースがあるので
得体の知れないものが見えても口には出さず
病室の外で事態を伝えるようにしよう
…事態を知って患者が錯乱するのは避けたい

 怪異の触手と謂うものは――神の手足と謂うものは――ありとあらゆる『ところ』に存在している。覚悟をしていれば、理解をしていれば、対処する事も容易なのかもしれないが、しかし、それでも人間の精神に悪影響を及ぼす原因に変わりはない。故に、そのような状態だと、危機の連鎖だと、耳にしてからずっと……頭が痛くて、仕方がないか。リツから依頼内容を聞いて一緒に行く事にしたが……あの女神も本当に、節操がないと謂うべきか……。とにかく病院に到着したら患者を診る事に集中しよう。……シュウヤさん、あの、疲れていたりしませんか? 疲れているに決まっている。きっと、昨日も働きっぱなしなのだ。
 職員に異常が起きた時に診てくれている。そんなシュウヤさんが、解剖の達人が、頭を抱える事態となれば、成程、嫌な予感を覚える以外にない。扉をノックして、例の患者の個室に入ったならば早速、じめじめとしたお出迎えだ。うーん、なんだろう、この、妙な感じ。患者さん衰弱してそうだし……。ああ、リツ、担当医からの許可はもう貰ってきた。あとは……こうして直に診てみると……目の異常だけではない気がするな。目の異常ではない……? なら、シュウヤさん、どこの異常なのか、心当たりはあるんですか? 炎の蝶がちらついたならば、患者の視線、其方にすらも引っ張られない。癒しを齎したところで……回復らしい回復には向かっていない。……回復しない? これは、病気じゃないってことなのかな……? ギョロ君はどう思うかな? あ、大きな声は出さないでよ。シュウヤさんに解剖されたくなかったら、ね。……あん? 見りゃわかんだろ。
 他に考えられるのは……。脳の異常か、耳の異常。此方の事を認識できるのなら、受け答えのようなものができるのなら、これは、脳の異常ではなく『耳』の方だ。耳であるなら、内耳の異常で目を回している可能性も高い。だが、だとしても、めまいと謂うには……眼球の動きが、振盪が、不自然すぎた。……リツ、耳の内視鏡で見た方が良さそうだ。こういう時、内側に怪異が潜んでいるケースもあるからな……もし、何かが見えても、口には出すなよ……。うん、わかってる。それで、ギョロ君が言ってたんだけど。
 だいぶ、難しそうな顔をしている。そういえば……初めて、僕の身体を調べた時もあんな顔をしていたっけ。懐かしさに浸っている場合ではないが、なんだか、あたたかいものを抱けている。おい、ちょっと待て。俺の話聞いてたか? なあ、良いか? 絶対に、耳の中を見るんじゃねえ。見たら、ダメなんだよ。ギョロ君? それって……?
 ……っ!
 シュウヤさん?
 口には出さない。口には出さず、個室の外へと早歩きで、逃げるように。リツ……あれは、まずい。おそらくだが、視認するだけで『発狂』させる類の怪異だ。それに加えて……あの怪異は『増える』。わかるか? 俺達は既に怪異の|巣《テリトリー》の中にいる。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

第2章 集団戦 『特定危険呪詛生物・オオアカゴハキガイ』


POW 産声を上げる災禍
自身の【吐き捨てた胎児型子実体】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【避けられぬ精神汚染】を付与する【新たなオオアカゴハキガイ】に変形する。
SPD 殻の中の幽霊
【背部の殻から "母の胎動" 】を放ち、半径レベルm内の自分含む全員の【精神攻撃】に対する抵抗力を10分の1にする。
WIZ 育児砲棄
【胎児型子実体の射出】を用いた通常攻撃が、2回攻撃かつ範囲攻撃(半径レベルm内の敵全てを攻撃)になる。
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 蝸牛が|蝸牛《●●》に変質していた。
 内耳がまるっと、蝸牛に変化していた。
 調べられていると、見られていると、理解をした蝸牛は……巻貝は……素敵な素敵な住処から這い出る羽目になったのだ。彼女の耳からたくさんの卵を散らかした。たくさんの|胎児型子実体《たまご》を産み落とした。孵化した数は不明だが――少なくとも、半径25m以内は、この生物の――特定危険呪詛生物・オオアカゴハキガイの――縄張りである。
 今回の精神汚染の内容は見ての通り、内耳の『オオアカゴハキガイ』化だ。胎児型子実体がひび割れ、中から新たなオオアカゴハキガイが出てくる前に、素早く対処しなければ、駆除をしなければ、今度は――孵化の瞬間を見てしまった、君が患者となってしまう!!!
 もちろん、内耳が怪異に蹂躙されても、如何にか出来るのであれば、あえて、発狂したって構わない。ともかく、最悪の事態だけは避けねばならない。
 最悪の事態とは何か?
 全人類の内耳の蝸牛化である。
サーシャ・ヴァリアント
アドリブOK、SPD判定。

うわぁ、何か気持ち悪いのいっぱいでてきました。
うーん、義姉ちゃんはまだ着てくれなさそうなので自分で何とかしないとですね。

殺られる前に殺るのよと義姉ちゃんはいってますのでそうしましょう。
守護霊さんを【降霊】しながら【催眠】と【魅了】でこちらへの攻撃を弱めつつ【霊的防護】で【受け流し】ます。
後は【居合】による【霊力攻撃】でもって駆除して回りますね。

 義姉ちゃんが……そう、アーシャお義姉ちゃんが……ぬちゃぬちゃしている『もの』に蹂躙される光景。なんとなしに想像してしまったが、これも、なかなかに興味深い。内耳が蝸牛になってしまい、慌てふためいている義姉の顔、まったく見たくなってしまうではないか。ぐるぐるバットをした後のフラフラより過激ではあるのだが。
 ――ともかく。
 蝸牛だと謂うのに――巻貝だと謂うのに――胎生を選択しているのは如何様な生命の神秘か。どくん、どくんと、殻の中で胎動をしている新たなオオアカゴハキガイ、人間の胎児のような姿とやらを構築していく。……うわぁ、何か気持ち悪いのいっぱいでてきました。普通の人間であればとっくに発狂しているだろう。尋常の精神であればおそらく、嘔吐だってしていた事だろう。つまり、オマエは――尋常ではないほどの精神性を宿していると謂うワケだ。うーん、義姉ちゃんはまだ来てくれなさそうなので……。自分で如何にかしなくてはならない。現状のような混沌を、超自然的な現象を、打破しなければならない。
 ところで、オオアカゴハキガイの能力は――呪詛生物としての権能は――あらゆる精神的な抵抗の『マイナス』である。つまり、謂ってしまえば無差別なのだ。その、無差別な胎動の矛先は――オオアカゴハキガイ自身にも影響を及ぼす。殺られる前に殺るのよ、と、義姉ちゃんは言ってますので、そうしましょう。何を降ろしたのかと、何を招いたのかと、蝸牛どもが頭を傾げる。あれは剣士だ。ツワモノの守護霊だ。これを纏ったオマエに――斬れない怪異は極めて少ない。
 赫々とした光輝の放射、でんでんむしの目玉を眩ませた。
 なんだか、呆気ないほどに、効果的ですね。まるで、義姉ちゃんみたいです。オオアカゴハキガイどもは何かにつられたのか、うろうろと、オマエの周りをまわっている。最早、攻撃する気も皆無なのか。文字通り、虜になってしまった鳥の餌か。まあ、楽に駆除できるなら、それはそれで……。霊力による斬撃が放たれた。おお、蝸牛。
 ――未熟な胎児を散らかすのか。
🔵​🔵​🔴​ 成功

四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…なんて悪夢。…店長様が喜びそうな…怪異ですが、寄生されると…大変まずい、です。
少なくとも、僕の|半身《レギオン》が、感知した範囲内は…既に手遅れだと把握、しました。
…なら、この屋上から…僕の使役する物には壁なんてあってない様な物です。
…出来るだけ…発見して、倒していくしか…ないですね。

行動
屋上から半身を配置した場所は覚えてるから【見えない怪物達の襲撃】で攻撃をします。
彼らはインビジブルですから、建物の壁だとろうと何だろうと範囲内全てを攻撃出来るから。
問題は彼らの視界内に入らない様にする事ですが、感知した限り穴がない。
[第六感]を頼りに回避して行くしかない。

 生命の誕生の瞬間、その美しさこそが、そのグロテスクさこそが、廃人への扉である。見てはいけないと、知ってはいけないと、本能が警鐘をしてくれている。いっそ深海魚みたいに退化してしまえば、楽だろうか。
 枕元にカタツムリの人形を仕込んでくれたのではないか。そう、疑ってしまいたくなる程度には、この光景、眩暈を齎す地獄ではあった。……なんて悪夢……。呟いたところで、目を回したところで、渦巻き模様は消えるわけがなく。むしろ、暴かれた結果の大増殖だ。……店長様が……あの人が……喜びそうな……。実際、あの星詠みは『予知をした』時点で上機嫌ではなかったか。そんな予知の現場に呵々として、能力者その他を送り込んだのではないか。まるで人形遊びをするかのように……。ぶんぶんと、自身の脳裡に粘ついた考えを振り払う。……とにかく。寄生されると、たいへん、まずい、です……。少なくともオマエが、オマエの|半身《レギオン》が感知した範囲内はまったくの手遅れだ。患者はもちろん、おそらくだが……この施設で働いている殆どの人間に潜伏していると考えても間違いではない。なら……。屋上からだ。折角のアドバンテージなのだ。これを活かさなければ、最悪とやらが、災厄とやらが早まるだけとも考えられよう。……出来るだけ……発見して、倒していくしか……ないですね。記憶はしている。あとは嗾けるだけか。タニシのピンクをすり潰せ、これは作業なのだ。
 育児放棄をしている連中が悪い。
 贄の声が響いている。助けてくれと願っている。いや、違う。贄を横取りしようとしている怪異に情けや容赦の類は不要なのだ。ええ、彼らは|見えない怪物《インビジブル》ですから、壁だろうと、床だろうと、障害には、なりません。がぶがぶと、かぷかぷと、オオアカゴハキガイを喰らっていく。問題なのは……射出された、胎児の方ですが……孵化する前に叩くしかありません。第六感を頼りに『オオアカゴハキガイ』が産卵場所として好みそうなところを一気に攻める。ひび割れる前に駆除してやれ。
 |蝸牛のカタチ《おぎゃあ》を脳味噌に『うつして』はならない。
🔵​🔵​🔴​ 成功

八手・真人
ひっ、ひいっ……みみみ、耳から、い、いいい、いっぱい出てきたっ、こ、こわい、こわいっ。
たこすけ、たこすけ、なんとかしてっ……。

——耳を塞いで蹲る依代。その背から顕れる蛸神様。這い出た者同士、いざ対峙。なんとも珍しく、喰らってやる気もないご様子。
依代に負けず劣らず鈍間な蝸牛など、素早く蹂躙してしまえばいい。秘めた御力により、ウネウネといつもより機敏にしなる触腕。
住み心地の良さならコチラの蛸壺も負けてはないが、生憎 蛸神様のプライベートルームだ。移住などさせてやるものか。お帰り願おう。
願えぬのならば、行き場なき幼子に祝福を。彼岸への乱暴な道案内を。

 ナメクジにはなれない。
 未知なるものへの恐怖を最たると見做す、成程、間違いではないのだろう。されど、既知で在るが故に恐ろしいものが、おぞましいものが――未知に、未曾有に、劣るとは決して謂えない。蝸牛が蝸牛に変質して、その蝸牛が耳から大量に発生していたのだ。どろどろと、ぬたぬたと、オオアカゴハキガイが頭を出す。お尻隠して頭を隠さないとは、随分と、反骨精神とやらの塊ではないか。ひっ、ひいっ……みみみ、耳から、い、いいい、いっぱい……いっぱい出てきたっ、こ、こわい、こわいっ。お姉さんの言っていた通り、巻貝は蛸の餌である。されど依代にとっては――人間にとっては――気持ち悪い蟲でしかない。たこすけ、たこすけ、なんとかしてっ……。ぷるぷる、耳を塞いで蹲った。まったく情けない姿ではないか。これにはオオアカゴハキガイもキョトン、だ。
 キョトンとしていた巻貝が『認めた』のは天敵の姿である。怯えていた、震えていた人間の背中から、触腕が出現した。あれは……蛸だ。それも、只の蛸ではない。信仰や畏怖を糧としている、神様の類だ。いざ、這い出た者同士の対峙である。いや、胎児だろうか。胎児型子実体のおぎゃあも、人が見ていなければ欠片の問題点も無い。
 美味しそうだ。美味しそうな外見をしている、巻貝だ。だが、珍しい事に――蛸神様、食欲の『し』の字すらも失せているご様子。依代に負けず劣らず鈍間な蝸牛など、依代に負けず劣らず平々凡々な巻貝など、素早く蹂躙してしまえばいい。秘めたる御力発揮したのならば愈々おしまいだ。蝸牛は蝸牛らしく――食い物にすらもせれずに――砕けて終えば良い。
 住み心地の良さならコチラの蛸壺も負けてはないが、生憎、蛸神様のプライベート・ルームだ。ここら一帯が蝸牛の縄張りだとしても、此処だけは死守せねばならない。移住などさせてやるものか。お帰り願おう。さっさと帰って……いや、さっさと、は、不可能か。
 蝸牛はやはり蝸牛、這い蹲って、死ぬしかない。
 願えぬのならば、帰れぬならば、行き場なき幼子に祝福を。
 乱暴な道案内ではないか。彼岸――|殻《ふく》を剥ぎ取られてしまえ。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ヴォルン・フェアウェル
なるほど、彼女はやはり寄生されていたわけだ
人間が軟体動物に寄生されて、そこから赤子が生まれて、その中からさらに……ってそんな趣味の悪い入れ子人形はごめんこうむるな
そんなものに好きにさせるのを許すほど、僕は優しくも弱くもないよ?

|胎児《こども》の姿をしているからって庇護欲には期待しないことだ
指定能力で大百足を召喚、子実体を食い荒らす
高速詠唱でそちらの攻撃が届く前に術の行使は終わらせ、全力で蟲たちを叩き込む
精神汚染にも耐性はあるからね、たかだか視界に入ったくらいで狂いはしない

蝸牛ごときに支配されるようじゃ蟲遣いは務まらないさ
卵は栄養豊富というし、百足たちの糧になっていくといい

 とけたバターに塩コショウ、火を通さなければいけないが。
 彼等は生の方を好む。
 永いお別れがやってきた。生まれたばかりか、生まれる前か、母親の肚すらも、胎すらも蹴ることができない命。いや……君の場合は、君達の場合は、命なのかも怪しいけど。孤独死するよりも蟲毒で死ね。そっちの方が寂しくはない。
 酸味の強い林檎みたいだ。蟻の巣に舌を突っ込んだかのような、気色の悪い群がりだ。集ってくる蝸牛の――オオアカゴハキガイの――ウルウルとした眼球は人の眼球を真似しているのか。なるほど、彼女はやはり寄生されていたわけだ。人間が軟体動物に寄生されて、そこから赤子が生まれて、その中からさらに……って……。そんな趣味の悪い入れ子人形は、マトリョーシカはごめんこうむるな。これは生存競争の類ではある。されど蝸牛、あの群れにはひとつ、野生では見られないものが含まれていた。呪詛なのだ。呪詛生物なのだ。ならば、おそらく、この繁殖行為には悪意とやらも絡まっている。そんなものに好きにさせるのを許すほど、見逃してやるほど、僕は優しくも弱くも、マトモでもないよ? 罪には罰を。目には目を歯には歯を――なんて、僕が言えることではないけどね。
 キャベツの葉っぱに毒が付着していないと、言いきれるものか。
 胎児の姿を……赤子の真似事を……しているからって、庇護欲には、慈悲には期待しないことだ。そもそも、育児放棄を選んだのは君の方だからね。うぞりと、地面が蠢動した。違う。蠢動をしているのは――大百足だ。高速詠唱のおかげで、既に、召喚そのものは終わっている。やれやれ、蝸牛ごときに、巻貝ごときに、支配されるようじゃ蟲遣いは務まらないさ。卵は栄養豊富というし、蝸牛は美味しいとも聞くし、百足たちの糧となっていくといい。ひび割れの寸前こそがもっとも魅力的、この程度の汚染で……狂気で……取り替え子は痒がらない。さあ、オリーブオイルは要らないね。
🔵​🔵​🔴​ 成功

長峰・モカ
アドリブ、共闘、なんでもお任せ。
うわぁ……。|ヌルヌル《ローション》は深夜番組とかで慣れてるけど蝸牛は慣れてないのよぅ……。
「だるまさんが転んだ!」
ひとまずはオオアカゴハキガイを麻痺させて、孵化の瞬間さえみなければ大丈夫のはず……!
「うぅ、ヌルヌルするぅ……」
駆除自体は自分の手でするしかないわけで。カメラを意識してヌルヌルに対するリアクションすると思うな。芸人の性として……(ヌルヌルで少し透ける可能性あり)。
……患者になると対処ができないので、孵化の瞬間は見ないように……(助けてくれる人がいればもっと体張るよ……)

 まるでカーリングだ。
 カーリングのように、くるくる、滑っていく。
 巻き込まれた蝸牛どもの中身がシャワーの如く。
 セクシー・ナースのコスプレ感、これを拭えるほどの演技力に至るのであれば、芸人ではなく女優をやってくれとも思う。生まれたての小鹿を彷彿とさせる蠢きに――蝸牛のこんにちは、に――売れない芸人さんは如何様なリアクションを見せるのか。うわぁ……。素だ。最早、素面な状態でのリアクションくらいしか、取れない。いや、|ヌルヌル《ローション》は深夜番組とかで慣れてるけど、その、蝸牛は慣れてないのよぅ……。角を出したのか槍を出したのか、それとも、呪いを出そうとしているのか。蝸牛からの変質に成功した蝸牛はお子様ランチを作ろうとぬめった。……だ……だるまさんが転んだ!!! ぐわりと、目の玉をいっぱい開く。じっと、じっと、乾かないように祈りながら――麻痺させた蝸牛どもに近づいていく。あとは、孵化の瞬間さえ見なければ大丈夫のはず……!
 バットを持て! それも、ひしゃげた、血濡れのバットだ! 血濡れのバットに此度、新たな分泌液が付着する! うぅ……ヌルヌルするぅ……あ、やば、思ったより気持ち悪い。要らぬ芸人魂に火でも点いたのか、存在しないカメラに向かってべたべたなお顔。見ない、見ない、木乃伊取りが木乃伊になるのは番組の中だけで十分、孵化の瞬間だけは、見ない……。カメラ目線とはある種の対策とも謂えた。現に、今、オマエが割ろうとしているのは――ひび割れの激しい胎児なのだ。ぐちゃ! べちゃ! 足元に胎児だったモノがこぼれる。ずるる……あっ……! 転倒だ。大転倒だ! もう全身ヌルヌルである。勢いあまってのバラエティ企画、狙っているのは真ん中だろうか。
 ……おいしいけども、おいしくない……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディー・コンセンテス・メルクリウス・アルケー・ディオスクロイ
・アドリブ連携歓迎
あーあ、哀れ~。調べに調べられた挙げ句!
赤子も『そんなところ』から産まれる事が出来るのだなあ!
聖書にあったか?それとも古事記か?
どれにも無いなら寝耳に水!アッハッハ!
――笑っている場合ではない?心得た

【戦線術式・人工意識】――さて倍々、四十と少しか?一先ず戦線を維持しろ
|お前たち《戦闘員》が爆ぜる毒液よりあちらがばら撒く『もの』のほうが厄介だ
縄張りの拡大を防ぐよう包囲し動け。戦線を維持しろ。集団戦術は得意だろう
さてどれだけ『増える』ことが出来るかね、お互い

安心したまえきちんとわたくしも働くとも
しっかり纏めておけよ
【狡智術策・万物流転】、|お前たち《戦闘員》も巻き込んでやる
『増える』なり強化なりで押し返せ。その殻を潰せ。徹底的に

うん?わたくし自身への攻撃?
撃ち落とせるものはアルゴスの眼で、そうでないものは【金の斧】で拒絶しよう
自身が傷つく事自体にはあまり興味がなく。アッハッハ
――精神もな。多少抵抗は出来るが、さて
これが何を見せるか 興味があると言ったら いけないことかね?

 埋め込まれた代物が――はめ込まれた装置が――ばちりと、かちりと、頭中を鳴らした。最早、慣れ親しんだ音では有るのだが、嗚呼、存在をしている蝸牛にとっては悲劇の幕開けに等しい。あーあ、哀れ~。調べに調べられた挙げ句、面白がられた挙げ句! 彼女に対してなのだろうか、或いは、呪詛生物に対してなのだろうか。何方にしても怪人らしい科白であった。赤子も『そんなところ』から産まれる事が出来るのだなあ! 聖書にあったか? それとも古事記か? 神秘を孕むかの如くに軟体動物は蠢くのみ。どれにも無いなら寝耳に水! アッハッハ! ひどく愉しいではないか。ひどく嗤えてしまうのではないか。笑っている場合ではない? 心得た。すん。歯を見せる事を止めてしまった。
 育児放棄を常とする蝸牛にとって人間のような生き物は、嗚呼、まったく不可解なものだ。されど、人間よりも、強烈なまでに不可解なのは目の前の『鳥』である。鳥は羽を広げるように、翼を広げるように――なんとも奇怪な、人型の群れとやらを呼び出したのだ。さて――倍々、四十と少しか? 先ずは戦線を維持しろ。戦闘員達は指示通りに動く。いや、もしかしたら、指示通りにしか動けないのかもしれない。|お前たち《戦闘員》が爆ぜる毒液より、あちらがばら撒く『もの』のほうが厄介だ。わたくしとしては、浴びてやるのも吝かではないが……もう少し待とう。縄張りの拡大を防ぐように、退路を断つように、包囲し動け。維持……いいや、死守か? ともかく、集団戦術は得意だろう。
 さて……どれだけ『増える』ことが出来るかね、お互い。
 孕んで、産み落とす行為と、増殖。何方の速度の方が早いのか、一目瞭然である。無数と描写しても差し支えないほどの戦闘員が蝸牛を完全に包囲した。ああ、安心したまえ。きちんと、わたくしも、働くとも。外す? 外すわけがない。しっかり纏めておけよ。いや、もう、その指示を出す必要もないほどにはお団子だ。|お前たち《戦闘員》も巻き込んでやる。放たれた弾丸は『丹』の所以を叩き込むか。おお、巨大な巨大な彼等。蝸牛は哀れ――徹底的なまでに、完膚なきまでに、砕かれた。
 それでも戦闘員の隙間から……足元から……置き土産とやらはやってくる。あれは胎児型子実体だろうか。うん? 銀色の目から逃れる事など出来ない。仮に、視界から外れる事、叶ったとしても、金の斧には敵わない――浴びても構わないと、そう、謂ったはず。アッハッハ! わたくしが傷ついたところで、それに興味などない。くわえて、精神も――多少抵抗は出来るが、さて。これが何を見せるのか、蝸牛が何を齎すのか。
 興味があると謂ったら、いけないことかね?
 英雄の攻撃を喰らってやる、それも、怪人としてのひとつのお約束だ。
 ふむ……?
【メルクリウス】は冒せない。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

色城・ナツメ
【師弟】

気持ち悪ぃ…
退魔刀と【霊力攻撃】で子を叩き潰すが数が多い。
ゼロもいる分戦力は…は?おいゼロ、なにぼーっとしてんだ!?

クソッ…!
こんな世界でも、望むなら、それでも生きたい、そう願うなら…応えろ!
√能力発動し、ゼロを突き飛ばして檄を飛ばす(【鼓舞】)
ボヤけてんなら帰れ!
戦いに集中しろってテメェが教えたんだろが!

戻れたら、もう心配はしねぇ。
ターゲット了解、いくぞ…!
【受け流し】と【カウンター】で接近して、殻と肉の境に刀をねじ込み、そのまま刀伝いに【霊力攻撃】を注ぎ込んでやるよ。

●補足
・普段は男性的な言葉、目上の人には敬語、荒ぶるとヤンキー口調
・ゼロは呼び捨て&ヤンキー口調
・アドリブ、連携歓迎
ゼロ・ロストブルー
【師弟】

よりによって、胎児なのか…
双斧を握りしめるが、どうしても先日包んだ胎児の欠片が過る。
あぁ、泣き声が聞こえる気がする。

弟子の言葉と蹴り、能力で我に返る。
すまない、ありがとう。
こういう時は、引きずるのが命取りだ。目を閉じ、開け…よし。【覚悟】を決め、状況判断(【戦闘知識】)

ナツメ、本体は任せた。
俺は子の数を減らす。
形だけの胎児に【祈り】を捧げ、双斧を構える。数が多いなら威力より手数だ、回転しなるべく広く攻撃していくぞ。(【なぎ払い】【2回攻撃】)

隙を見て、患者の女性を怪異から離せるならやっておこう(【見切り】【救助活動】【運搬】)

●補足
・怪異事件を扱う雑誌のルポライター
・アドリブ、連携歓迎

 ボヤけてんなら帰れ!
 戦いに集中しろってテメェが教えたんだろが!
 耳朶の最奥より――内耳の小さな渦巻きより――邪悪の化身とやらが、呪詛の粘性とやらが、こぼれおちた。うごうごと、うねうねと、自らの母親を凌辱しながら蝸牛は挨拶とやらをしてみせた。……気持ち悪ぃ。握りしめた退魔の刀でひとつひとつ、子を叩き潰していく。潰しても潰しても潰しても、数が減らない事から、ああ、この作業は億劫に至る気がしてならない。だが……ゼロがいる分、戦力は……? 声が聞こえない。それだけではなく、音も聞こえない。嫌な予感を覚えたオマエは、くるりと、沈黙の正体を破りたいが為に――は? おい、ゼロ。ゼロ! なにぼーっとしてんだ!? まさか、ゼロが……俺を、あの時、赤子の手をひねるかのようにした、ゼロが。正気を失って……いや、違う。そうではない。クソッ……! 聞こえてんのか? 聞こえてるなら、返事をしやがれ!!!
 がらりと、頭の中に棲んでいた、棲み憑いていたものが、一斉に嗤い出すかの如くに。何処かの古妖であれば、教授サマであれば、オマエの事を嬲るかのように。こう、告げている事だろう。「初歩的なこと」だと、冒涜的なまでに。……よりによって、胎児なのか。よりによって、女性なのか。双斧を手にしたまま、鮮明な記憶とやらに精神をやられる。どうしても、ああ、どうしても、あの時包んだ胎児の|欠片《●●》が過ぎってしまう。あぁ、聞こえる。泣き声が聞こえる。猿の叫び声に混じって、胎児の、泣き声が――?
 こんな世界でも、望むなら、それでも生きたい、そう願うなら……応えろ! 応えやがれ! 応えねぇなら、俺がテメェを……! 弟子の言葉と蹴りが『泣き声』を『ありがとう』に変えた。確かに、俺は間に合わなかったが、最悪の事態だけは回避できた――と。あ、ああ、すまない、ありがとう。こういう時は、引きずるのが命取りだ。そういう奴を何度も見てきたと謂うのに、いざ、自分の番となったら、隣に誰かがいないと、如何しようもない。目を閉ざして……開ける。蝸牛だ。蝸牛に集中しろ。胎児は胎児でも、あれは卵だ。よし……。覚悟は決まった。あとは、筆を走らせるかの如くに。
 ナツメ、本体は任せた。俺は胎児……卵の数を減らす。
 戻れたら、もう心配はしねぇ。ゼロは俺よりも強いからな。
 信頼関係である。絆である。お互いに理解が出来ているからこその、連携である。形だけの胎児に祈りを捧げた後、改めて、双斧を構える。圧倒的に、凄惨なまでに、相手の数が多いのであれば――手数での勝負だ。円を描くように、それこそ、渦を描くかのように、オオアカゴハキガイの胎児型子実体を粉砕していく。隙間を縫うようにして本体へと向かっていく|弟子《ナツメ》――今だ。今なら、患者を保護する事だって、出来る。
 内耳がすっかりと無くなった彼女を抱えて、怪異から、可能な限り遠くへ。あとは任せた、ナツメ! 言われなくとも……ターゲット了解、いくぞ……! 吶喊してきた男に鈍間な蝸牛、対処など出来る筈もなく。殻と肉の境に捻じ込まれた刀、そのまま、注がれた|霊力《エネルギー》によってオオアカゴハキガイは爆散した。
 ナツメ! おそらくだが、まだ、本体はいる……。
 群れなんだろ? わかってるよ!
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

ヴェル・パヴォーネ
イビスとネロが、騒ぎ始めてる……

イビス「お前の力を借りるのは癪だが」
ネロ「あんな汚いものにヴェルを触れさせるワケにはいかないでしょ。全部細切れにしてやる」
イビス「本当に癪だ……でも、ヴェルを守るためだ。一匹たりとて取り零すなよ、木偶の坊」
ネロ「五月蝿いな!舐めるんじゃねーよ!!」

ちょっと、ここは病室だよ。静かにして。
……まあ、でもそうだね。蝸牛を捕食するのは、鳥だもの。
|呪詛の鳥《ロンディネ》の加護を使えば。

蝸牛の中には寄生虫がいて、寄生虫が蝸牛操って、食べた鳥を操るって話、聞いたことあるけど。
蝸牛を操ってる主が、女神様だったりするのかな?

アドリブ、連携、ご随意に。

 悪夢のような光景だ。シュールを極めている光景だ。だが、現実として、目と鼻の先にあった。最早ない、最早ない、そんな鳴き声すらも無視したかの如くに。オオアカゴハキガイは母体に――患者に、すりよった。
 ――ボクはアズさえいれば、それでいいんだ。
 いいのだけれど、この惨状は見過ごせない。
 転がってきた蝸牛の殻――其処から、にゅるりと――目玉か頭か、飛び出してくるのか。最初に、ぶぅ、と文句を垂れたのは|死霊《イビス》の方だ。此処で『連携』をしなくてはいけない、その事についてはおそらく|影業《ネロ》の方も想いは同じと見えた。お前の力を借りるのは癪だが……。あんな汚いものにヴェルを触れさせるワケにはいかないでしょ。全部、欠片も残さずに、細切れにしてやる……。意気込んでいるのはヤンデレ気質な君だろうか。本当に……本当に、癪だ……でも、ヴェルを守るためだ。一匹たりとて、塵のひとつも取り零すなよ、木偶の坊。かちん。死霊の一言に影業は怒髪天か。五月蠅いな! 舐めるんじゃねーよ!! ぎゃあぎゃあ、ぎゃあぎゃあ、大きな鴉よりもやかましい。ちょっと、ここは病室だよ。外でなら騒いでも良いけど、静かにして。ヴェルがそう謂うなら……。すっかり大人しくなったのではないか、死霊に影業。まあ……でも、そうだね。蝸牛を捕食するのは、鳥だもの。呪詛の鳥……ロンディネの加護を使えば、このくらいの包囲……。
 幸せになれたら、よかったのにね。死霊たちの叫びが、死霊たちの感情が黒々しく蓄えられていく。60秒ほどの時間は必要だが――相手は鈍間な蝸牛――攻撃を受けるギリギリまで、我慢する事くらいは可能だ。蝸牛の中には寄生虫がいて、寄生虫が蝸牛を操って、食べた鳥を操るって話、聞いたことあるけど……。轟、と、業と、放たれた嵐が、オオアカゴハキガイの群れを刺突する。貫通した殻の中から、どろどろとした胎児が、未熟児が、黒に触れて息絶えるのか。蝸牛を操っている主が、女神様だったりするのかな?
🔵​🔵​🔴​ 成功

久瀬・千影
思わず顔が引き攣った。病室に居る彼女――に顔を見られなくて良かったと心底思う。
曲がりなりにも“助けて”と懇願されたんだ。情けない姿を見せるワケには行かないだろ?

無銘刀を鞘から引き抜いて。彼女の前に立ち、顔の横で水平に構える。
胎児型子実体の射出。息を殺して。【視力】でその弾道を【見切り】、見極める。
空間に線が奔る。『五月雨』はあらゆる対象を切り刻む。あの蟲共も胎児型子実体も。
油断するつもりなんてない。怪異の事は知ってる。侮る奴から死んでいくのが俺達の|世界《√解剖機関》だ。それでも、ネームレス・スワンに比べりゃ、まだマシ。
あの時ほどの絶望感はない。俺の剣は、俺の技は、怪異に通じる。

同時にヒタヒタと感じる嫌な予感もある。
コイツらじゃない。粘りつくような。引き摺り込まれるような、嫌な感覚。
その感覚がこの病室に来た時からずっと消えない。
クヴァリフ。
それだけ呟いて、『燕返し』で纏めて【切断】する。無銘刀を振るい、鞘に納める澄み切った音が耳に残る。
予知は絶対なんだろ?今更、逃げるかよ、クソッタレ。

 共通点を挙げるならば育児放棄か。
 気が付いたら――意識がはっきりとした瞬間から――怪異の|巣《テリトリー》に引き込まれていた事を把握する。粘つくような、痒くなるような、内耳からのどろりは――オマエの顔を歪ませるのには、引き攣らせるのには十分な威力であった。しかし、嗚呼、病室に居る彼女に――ひどく目を回している彼女に――顔を見られなくて良かったと、心の底から思う。曲がりなりにも『たすけて』と懇願されたんだ。頷いた手前、情けない姿を、無様を、晒すワケにはいかない。ごくりと、緊張と唾を呑み込んでの接敵――俺は壁だ。患者を……彼女を護る為の、壁だ。壁ならば、遁走の二文字を恥とすべきだ。すらりと、無銘を引き抜いて水平に構える。何処からやってくるのか、何処から射出されるのか、既に見たのだ。不可視の類や、不意を打ってくる類ではないのだから……捌き切る事も難しくはない。弾丸の如くに吐き出された|胎児型子実体《たまご》。息を殺し、集中し――その行方を完全に見切ってみせた。極まった√能力は途轍もない威力を発揮する。いいや、威力は要らない。卵は卵でも、所詮は、みっちりと詰まった肉である。
 空間に奔ったのは線だ。五月雨は文字の通りに、あらゆるものを対象とし、悉くを切り刻む。胎児型子実体だろうと、その母体であろうと――蟲は蟲のように扱われるべきだ。勿論、鈍間な蝸牛相手でも油断はしない。何故ならば……俺は、怪異の事を知ってる。侮る奴から、油断した奴から、狂うか、死んでいくのが俺達の|世界《√汎神解剖機関》だ。それでも……ネームレス・スワンに比べりゃ、あの、窓からの化け物に比べりゃ、まだ、マシ。あの時ほどの絶望感はない。あの時ほどの圧迫感はない。俺の剣は、俺の技は、怪異に……呪詛にも通じる。通じている……!
 通じてはいる、が、同時に、脳髄を這う、ヒタヒタとした嫌な予感にも苛まれている。コイツらじゃない。もっと、大渦巻きのような、呑み込まれるかのような、名状し難い……。そのような『もの』がこの病室に来た時から、ずっと、消えない。いや、消えてくれない方が良い。今、消えてしまったら、それは、見失った合図とも考えられる。
 ――クヴァリフ。
 呟きと共に燕返し――オオアカゴハキガイの群れを、集りを、纏めて切断する。揮われた無銘が粘りを払うと――鞘へと納まると――澄み切った音が鼓膜を舐る。予知は絶対なんだろ? 星詠みは絶対なんだろ? 今更、逃げるかよ、クソッタレ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

赫夜・リツ
【赫】

ギョロ君もシュウヤさんも言っていたけど
…うん、あれは見ちゃいけないものだね
感染がこれ以上広がらないように、ここで食い止めないと

まずは胎児型子実体に√能力で硬化した異形の腕で【範囲攻撃】
たまごの対処が済んだら、オオアカゴハキガイに【二回攻撃】
たまごを射出しそうになったら
射出する部位に毒銃『オブリビオ』を撃ち込んで阻止する

シュウヤさんは患者さんの安否が気になっているだろうな…
助けに行くってなったら護衛をしとこう

…これだけ叩き潰していたら
腕に敵の体液やら粘液がたくさん付きそうだね
付いた体液、吸収するのかなギョロ君は
一応僕は特殊抗体生成器官はあるけど
感染するようなものはやめてほしいかも
一ノ瀬・シュウヤ
【赫】
アドリブ〇

母親と胎児に関わったばかりだというのに
今度は胎児を駆除しなければならないとは…
ロストブルーさんはこの状況をどんな気持ちで見ているのだろうか
…無事を祈りつつ、今は駆除を急ごう

リツが前に出てくれているので
【念動力】でドローンβを操り【マヒ攻撃】をし
霊力が込もったメスを複数投げて
何か不審な行動があれば【見切り】で動きを読んで伝えよう

…被害にあった彼女の容体も気掛かりだ
あれだけのものを耳からたくさん出したのだから
かなり深刻なダメージを負っているだろう
駆除が終わったら、すぐに治療をしなければ…
リツの時と同じように手遅れだと言われても
命の火が完全に消えるまで諦めたくはない

 母親と胎児――怪異と胎児――この組み合わせはおそらく、何者かにとっての深い傷で在ろう。ああ、関わったばかりだと謂うのに……包んで、祈ったばかりだと謂うのに……。今度は胎児を駆除しなければならないとは……。いや勿論、ギョロが口にしていた通り、あれは、見てはいけないだけの『ばけもの』に過ぎないのだが。ロストブルーさんは……あの人は、この状況をどんな気持ちで見ているのだろうか。知っている。あの人が強い事は理解している。それ以上にあの人は、とても、優しい人なのだから。……無事を祈りつつ、今は駆除を急ごう。何処かの教授に嗤われたって構わない。人間性を棄ててやれるほど、俺達は狂ってはいないのだ。
 ギョロ君もシュウヤさんも言っていたけど……うん。あれは、見てはいけないものだ。あの蝸牛は……巻貝は……胎児は、孵化の瞬間とやらは、見てはいけないものだ。感染がこれ以上広がらないように、人類の内耳が蝸牛とならないように、ここで喰い止めないと……。射出された|胎児型子実体《たまご》に対しての先手必勝、確実に潰す為にギョロ君へのお願いだ。ああ? なんだってあんな汚いのを潰さなくちゃなんねぇんだよ。ギョロ君? もしかして知らないのかな。カタツムリって、エスカルゴって、珍味らしいよ。いや、だからって誰が喰うかよあんなの。寄生してくるって謂うんなら、中身にも警戒すべきだぜ。ぶちりと、硬化した|異形の腕《ギョロ君》、佛草と文句を垂らしながらも、しっかりと処理をしていくのか。おっと、メインディッシュが残ってるぜ? 西瓜の代わりに殻を砕け。砕く瞬間に射出しそう? それなら――|毒銃《オブリビオ》が役立つか。
 他の個体を――オオアカゴハキガイを――麻痺させるのが『汎神解剖機関職員』の務めとなった。ああ、ロストブルーさんは……あの感じなら、大丈夫そうだ。オオアカゴハキガイは不審な動きすらも出来ない。ドローンによる電磁にやられたのか、ひくひくと泡を吹いている。……被害にあった彼女の容態も気掛かりだ。あれだけのものを耳から、内耳からたくさん出したのだ。いや……内耳の変異だったか。かなり深刻なダメージを負っているだろう。駆除が終わったら、すぐに治療を行い、精神的な面でのケアもしなければ……。
 リツの時のように手遅れだと言われても、
 命の火が完全に消えるまで諦めたくはない。
 シュウヤさん! リツ、そっちはどうだ。あらかた片付きました。それで、患者の安否について気になってるんですよね。あ……ああ、そうだ。俺だけでも、助けに行くつもりだ。……シュウヤさん。僕が護衛するから、運ぶのを任せます。……ありがたい。
 警戒を怠ってはならない。いつ、何処から、怪異がやってくるのかは判らないのだ。……ギョロ君、体液やら液体やらで、びちょびちょだね。これ、やっぱり、吸収するのかな。しねぇよ! さっきも言ったけどよ、得体の知れねぇ肉は喰いたくねえって! だが、そうだな。これが呪詛の塊ってんなら……。
 一応、僕は、特殊抗体生成器官はあるけど……。
 やっぱり、やめてくれないかな。
 ――吸収したと見せかけての排出だ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

玉・蓮
【蓮鉢】アドリブ◎
アラ、子沢山ね。こんなにも子供に恵まれて母親も狂い泣いているわ。嬉しいのかしら。恐ろしいのかしら。耳奥で踊る胎児を失って悲しいのかしら。母親に気持ちを問うても声は届かず、胎児は新しい母親探しに夢中。なんと嘆かわしい有様だろう。

【怪異解剖執刀術】《捕食》
CC、お前は物知りさんね。でも、蝸牛は食べられるのを知っていて?
ぷりぷりしていて、なんだかきのこに似ているのよ。たくさん捕まえたなら、バラバラにして、調理して、食べちゃいましょ。余るなら機関の連中にお裾分けすればいいもの。どうせ喜んで食べるに違いないわ。
ところでこの子は蝸牛の味がするのかしら。
それとも、赤子の味がするのかしら。
ケオ・キャンベル
【蓮鉢/2名】
アドリブ歓迎!

ねえねえ、玉蓮かたつむり! |蝸牛《かぎゅう》の中に|蝸牛《かたつむり》? ぼく、似てるの知ってる。マトリョーシカって言うんだよ。
耳から生まれたら、次は俺の蝸牛が住処になるの? 玉蓮の声で鼓膜が震えなくなるのも、玉蓮の中に棲むのも、どっちもダメ。

【崩壊の坩堝】未来視で蝸牛の動向を観察するよ。蝸牛の中のかたつむりも、卵たちも。どこにあるのか全部お見通し。
全部まとめて封じ込めて、捕まえて。逃さぬように握りつぶ――ねえ玉蓮? かたつむりいる?
かたつむり食べれるの? 潰すのやめた。うん、おいしく食べちゃおう!
いっぱいあるから、おすそ分けもたくさんできるね。

 葉っぱを食むようにして削ぎ落とす。
 外道祭文のはじまりに絶対的な名推理をひとつ、重ねるかのように、散らかすかのように、一筋の光は笑って魅せたのか。ねえねえ、玉蓮! かたつむり! |蝸牛《かぎゅう》の中に|蝸牛《かたつむり》? ぼく、似てるの知ってる。煮詰めるよりも素早く、塩をかけるよりも丁寧に、聖なる光は答えてくれた。マトリョーシカって言うんだよ。蝸牛の中に蝸牛があって、その蝸牛の中に胎児がある。アラ……子沢山ね。こんなにも子供に恵まれて、こんなにも巻貝に囲まれて、母親も狂い泣いているわ。嬉しいのかしら。恐ろしいのかしら。耳奥で踊る胎児を、胎児型子実体を失って、悲しいのかしら。母親に気持ちを問うても声は届かず、ひくひくと痙攣している母体にはりつきながら、胎児は新しい母親探しに夢中。あら、お前、アタシを母親だと誤認しているのかしら。ああ、嘆かわしい。嘆かわしくて、|気持ち悪い《かわいらしい》。ともかく、CC、お前は物知りさんね。
 玉蓮! 玉蓮に褒められた! こんなに嬉しい事はない。こんなに愉しい事はない。耳から生まれたら、次は俺の蝸牛が住処になるの? 玉蓮の声で鼓膜が震えなくなるのも、玉蓮の姿がぐるぐる回って見えるのも、玉蓮の中に棲むのも、ぜんぶダメ。崩壊の坩堝――アッシャー家の末路が如く――未来を視ながら、オオアカゴハキガイの動向を弄る。蝸牛の中のかたつむりも、胎児も、卵たちも――どこにあるのか、お見通し。なるほどね。なんだか、桜の木の下みたい! 全部まとめて封じ込めて、捕まえて、逃がさないようにジュース――ねえ玉蓮? かたつむりいる? そうね、アタシは、何方でも良いのだけれども。CC、蝸牛は食べられるのを知っていて? まるで棚から牡丹餅な状況だ。きな粉に浸している暇はないが。ぷりぷりしていて、なんだか、きのこに似ているのよ。
 捕縛されたオオアカゴハキガイどもは絶望した。自分達の行く末を、死を、理解したのだ。かたつむり食べれるの? 潰すのやめた。うん、おいしく食べちゃおう! ずぶりと、怪異解剖士のメスが殻を剥がしていく。バラバラにして、調理して、いただきましょ。余るなら機関の連中にお裾分けすればいいもの。どうせ……喜んで食べるに違いないわ。
 機関の職員は吃驚する事だろう。毒見役として選ばれた者はきっと、頭を抱える事だろう。いっぱいあるから、おすそ分けもたくさんできるね。味つけは何がいいかな、玉蓮! 味つけ……そうね。この子は蝸牛の味がするのかしら。それとも、赤子の味がするのかしら。
 中間だ。舌の上で蠢くほどに活きのよろしい、肉の欠片。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

第3章 ボス戦 『仔産みの女神『クヴァリフ』』


POW クヴァリフの御手
【無数の眼球】による牽制、【女神の抱擁】による捕縛、【触手】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD クヴァリフの仔『無生』
【その場で産んだ『仔』】と完全融合し、【『未知なる生命』の誕生】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
WIZ クヴァリフの肚
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【クヴァリフの肚】」から【最も強き『仔』】を1体召喚する。[最も強き『仔』]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

 蝸牛――巻貝――ぐちゃぐちゃになった、粘り気の強い絨毯。
 その上を往く者の姿を、果たして、誰が直視出来ると謂うのか。
 ぺたり、ぺたりと、跫音が嗤い、君達の視線は素足よりも上へと向かう。
 ほう……汝ら、妾の為に絨毯を用意してくれたのか。
 いや……それにしても、上等な絨毯だ。
 これを踏み締めているだけで、妾は、ひどく上機嫌にされてしまう。
 裸体の女から――目玉だらけの女体から――無数の触手が生えている。絨毯の一部を触手が掬ったのなら、女はそれを、己の肚へと、胎へと仕舞っていく。やはり、この絨毯は妾にとっても、妾の仔にとっても、良質な呪詛であった。汝らには礼を謂っておこう。蝸牛を叩き潰すのは億劫だったのだ。
 仔産みの女神『クヴァリフ』からのお礼だ。
 ああ、汝ら。そこの贄も妾にくれるのか?
 贄とは何か。決まっている。寄生されていた彼女だ。
 くれないのか? ならば、無理やりにでも、貰っていくとしよう。
四之宮・榴
アドリブ・アレンジ・連携歓迎。

心情
…運動会ぶりなので…い、違和感が…。
貴女は『贄』判定が…広いのでしょうか?
…前の時に僕にも謂ってましたし。
でも、差し上げる訳には…いきません。
…僕は、僕に勝てたら…いいです、よ?

行動
【深海の生きた化石】で羅鱶を召喚して、挟撃は怖いので一旦距離は取ります。
遠距離はタロットでの[貫通攻撃]での投擲を。
羅鱶には、基本的に攻撃をメインに、空間引き寄せられたら回復を頼む程度。
その間に[深海の捕食者]のよる[受け流し]と[カウンター]による近距離戦を。
羅鱶と[連携攻撃]をして、お互いにを護りながら確実に貴女様にはお帰り願いますね。
貴女様を見ると何故か、酷い眩暈が覚えます。

 空へと向かって放たれたのは銃声だろうか、或いは、蝸牛どもの断末魔だろうか。何方にしてもオマエ、この状況はたいへん危機的ではある。何よりも危機的なのはオマエ、脳味噌に若干のシュールが圧し掛かっている事だ。……運動会ぶりなので……い、違和感が……。残念ながら、残酷な事に、仔産みの女神サマは本来、このような怪異である。貴女は『贄』判定が……広いのでしょうか? まるで何処かの魔導書ヘッドだ。全部を贄として肯定するのだ。ふむ、汝。汝は既に贄ではないか。それも、妾が美味とするような、本物ではないのではないか。……前の時にも僕にも……? ま、待ってください。言っていることが、滅茶苦茶になってはいませんか? もしかして……まだ、目を回しているとか……。いや、汝、そういう意味ではなくてな。妾は今、そこの贄が欲しいのだ。汝の血肉よりは食べ応えがあると思ってな……。それをくれるのであれば、妾はおとなしく退散するとしよう。……差し上げる訳には……いきません。ですが……僕は、僕に勝てたら……いいです、よ? 女神様の目玉が、無数の眼球が、爛々と嗤う。汝……その言葉、覚悟……良いだろう。汝の血肉は好みではないが、その思いに免じて……汝だけでも、満足をしてやろう。
 バラバラに動き始めた――蠢き始めた――眼球、回るのではなく、周りを囲うように。さて、汝は妾一人の|包囲網《●●●》を如何様に、突破してみせる……? 突破するのではない。距離を取って相手の出方を窺う……否、出鼻を挫くのだ。タロットが示すのは運命か、或いは逆転した世界か――小賢しい真似をしおって。そのクセ、やろうとしている事は覇道と見た。……僕には、貴女様の言っていることが、難しくて、よくわかりません。でも、僕は、僕ができることを、一所懸命に、やるのです……。針の筵のような、薔薇の園のような触手を逆位置で掻き分けたのならば――這入っていく羅鱶――蛸のような部位を咥えて、千切って、絨毯へと落とす。それで……汝? このまま、臆病者のように遠くから投げているだけか? ……それが、最善なのかも、しれません。ですが……。深海の捕食者は『影』からやってくる。抱擁の為に跳ねようとしていた女神様へ、熱烈な|捕食《キス》だ。成程、妾を餌にするとは――汝も、人の事を謂えないのではないか?
 確実に、貴女様にはお帰り願いますね。
 怪異を解剖する事には慣れている。生地の用意だって上々だ。
🔵​🔵​🔴​ 成功

八手・真人
あ、く、クヴァリフ……たこすけが、嫌いな、やつ……。なんかわからないケド、たこすけが、見ると怒るやつ……。
贄……か、患者さんは、持って行っちゃダメ。他の人も、持って行っちゃダメ。ひとりで、帰ってくださ——え、なに、たこすけ、やだ、やだ……。

——呑み込んで、裏返し。裏が、蛸神様が表。万一にでも、依代が持って行かれないよう、蛸壺の奥底にしまい込む。
女神を一瞥。人間の目はよく見える。またオマエか、と不機嫌なウネウネ。さっさとオマエの蛸壺に帰れ、と言わんばかりのビタビタ。
どちらが速いか、空間を無視した縄張り争いの開幕だ。
オマエだけ食べてて気に入らない。蛸神様にも1本差し出せ、その触腕。

 すっぽりと隠さない方がいけないのだ。
 触腕での頭蓋割りを決めてやれ。
 まるで一本の、巨大な柱の如く。仔産みの女神クヴァリフはオマエの体躯を認識してきた。汝は……嗚呼、知っている。妾は汝の中にいる、妾の紛い物に酸っぱいものを喰わされたのだ。あ……く、クヴァリフ……たこすけが、嫌いな、やつ……。きっと神様同士でしか、怪異同士でしか、わからない『癪』と謂うものが有るのだろう。背中なのか、脳味噌なのか、ヤケに痒くなってたまらない。なんかわからないケド、たこすけが、見ると怒るやつ……。汝よ、妾は知っている。汝が必ずしも、誰かを助けたいと思っている人間ではないと謂う事を。如何だ? 其処の贄をおとなしく差し出すと謂うのであれば、汝と、汝の親しい者に対して、今後危害を加えないと約束しよう。ニマニマ、ニタニタ、女神様の笑みがいやらしい。兄ちゃんに危害を加えない……? ほんの僅かにだけ、刹那にだけ、心が揺らいだ。されど、あの嗤笑を視てしまっては信用など欠片も出来ない。贄……か、患者さんは、持って行っちゃダメ。他の人も、持って行っちゃダメ。兄ちゃんを、持っていこうとするなら、ここで、絶対に、とめる。ひとりで、帰ってくだ――? やれやれ、汝がモタモタしているから、そっちが出てきてしまうではないか。嗤いを塗り潰す為に、触腕、胎児の如く。
 え、なに、たこすけ、やだ、やだ……! 真っ暗いところに、蛸壺の底に、蛸そのものに、呑み込まれた。裏返った事で顕現したのは蛸神様である。裏表もないとは、汝……依代の扱いが雑ではないか。雑ではない。依代が持って行かれないよう、しっかりと、しまい込んだのだ。それで? 此度は如何様な戯れか。ぐるぐるするのは、もう、十分だと……。目と目が合った。いいや、遭った。人間の目はよく見えるし、耳に関しても同じこと。またオマエか。また、オマエなのか。ビタビタとご機嫌斜めな蛸神様、問答無用だと示してやれ。
 どちらが速いか――空間を無視した縄張り争いの開幕である。
 ほう――真っ向からの勝負でも、汝、中々ではないか。オマエだけ食べていて、気に入らない。オマエだけ嗤っていて、気に入らない。女神様の触手を根元からずるり。ぬ……? 汝、共食いも躊躇しないと、そういう事か。
 共食いだって? 莫迦にされている。同じにするな。
 いつかの脳震盪を超えるほど。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ヴォルン・フェアウェル
ヒトにお膳立てをさせるなんていかにも神らしい怠惰さだな
他者を崇める趣味はない身としては喜べもしないけれどね
ここで君は終わるのだから、贄なんて意味ないんじゃない?
そのみてくれ、ヒトには少々刺激的すぎるようだから疾くご退場願おうか

【胡蝶のあくむ】を使用
僕の夢はね、いつも荒涼としているんだ
朽ち果てた廃墟に立ち尽くしている
寒々しい場所なのに、|特定の場所《・・・・・》から外には出られないんだよ
戦闘にもってこいだと思わない?
主役は僕だ、強い仔をけしかけられようとそれは僕に似た端役でしかない
こちらの攻撃は全て当たるけど君にその保証はない
むしろ強さが同じなら良い鍛錬になるくらいだ
ほら、もう終わり?

 汝はまったく面白くない。
 つまらないかい? それは、良かった。
 八つ裂きにされた――細切れにされた――蝸牛の群れ、この嗜好性については問う必要もなかった。内臓なのか殻なのか、最早、ぐちゃぐちゃにされた絨毯の上で平伏するかの如くに――啜る女。ヒトにお膳立てをさせるなんて、ヒトに清掃をさせるなんて、いかにも神らしい怠惰だな。汝……よくわかっている。妾は、このような外見をしているが、大罪でたとえるならば怠惰である。他者を崇める趣味はない身としては喜べもしないけどね。ほう、汝、わざわざ、そうやって宣うと謂う事は、汝の欠落もそれなりに重たそうだ。肚を捌かれる女が肚の探り合いを所望している。ここで君は終わるのだから、お話なんて、贄なんて意味ないんじゃない? アッハッハ! 汝! 話せるではないか。皮肉が籠っていて、実に、妾好みの生物である! そのみてくれ、その科白、ヒトには少々刺激的すぎるようだから疾くご退場願おうか。それは困る! 妾は先程目覚めたばかりなのだ、腹が減って目が回りそうなほど……? いっそ夢から覚めないでくれ、胡蝶が踊った。
 僕の夢はね、いつも荒涼としているんだ。まるで幻夢、まるで|未知《カダス》。霧にやられて眩暈を起こした殺人鬼の如く――朽ち果てた廃墟に、ひとり、立ち尽くす。寒々しい場所なのに、おそろしい場所なのに、|特定の場所《・・・・・》から外には出られないんだよ。汝……それは、妾を汝の精神に迎え入れる、そのような暴挙なのではないか。戦闘には……冒涜にはもってこいだと思わない? ぶわりと、祈りだけは届いたのか。クヴァリフの肚から、胎から、どろりとこぼれた|仔《もの》。主役は僕だ、強い仔を嗾けられようと、魔皇が降臨しようと、それは、僕に似た端役でしかない。では、汝に質問だ。主人公も死ぬ時は死ぬ。主人公も狂う時は狂う。主人公だからこそ、世界は赦してくれないとは、思わないか? ……思いのまま。想いのままに、闇色が駆ける。
 こちらの攻撃は、想いは、全て叶うけれど、君にその保証はない。むしろ、強さが同じなら――神様とやらの『まま』なら――良い鍛錬になるくらいだ。串刺しにされた触腕の数、未曾有だと笑うしかないのは女神の方か。ほら、もう終わり?
🔵​🔵​🔴​ 成功

長峰・モカ
アドリブ、共闘、アレンジ大歓迎
POW対応、
「……あの子は渡せないなぁ。私ならどう?ま、私は全てが|フィクション《虚構》だけどね?」
不敵に嗤いながら、身代わりを申し出る。|人間災厄《存在がフィクション》だもの、これ位かっこつけてもいいよね?
「くそっ、放せっ!」
口ではそう言いながら、その声は少し嬉しそうに。虚構としてこんな|おいしい《セクシーで可愛い》事は無い。放送できるレベルでぐちゃぐちゃのヌルヌル、弄られてしまうかもね。

「って、なんでやねーん!」
ヌルヌルと、暴れていた結果少しほどけたところに全力のツッコミ。
決まるかどうかは分からないけど、隙を作って脱出できれば良いな。

 ピコピコハンマーよりも、ハリセンよりも、タライよりも、
 強烈なものであった。
 |黄金時代《ゴールデン・エイジ》は最早なく、深夜の枠すらも飛び越えて、砂嵐の詩。誑かすかのように、騙り尽くすかのように、ひどい広大無辺とやらに内耳を掻っ攫われた。……あの子は渡せないなぁ。私ならどう? 長峰・モカの笑みが、長峰・モカの科白が、ひしゃげたバットよりも回転して女神様の脳髄を打つ。……汝、妾を莫迦にしているのか? 莫迦にしているのであろう? 莫迦にしていないのであれば、それは、最早、|魔皇《ダイモーン=スルタン》の所業だ。へえ……つまり、私の全てが|フィクション《虚構》だって事くらいはお見通しって事かな? 良いだろう。汝が其処まで、妾を……|世界《√》を跨ぐのであれば、妾も全力で、汝を贄と|しなければ《●●●●●》ならない。長峰・モカへと――人間災厄「フィクショナル」へと、仔産みの女神クヴァリフの触腕が伸びる。かっこうをつけたのだ。挑発をしたのだ。そう簡単に、殺されてくれるなよ、汝……!
 くそっ……放せっ! ぬるりと、みしりと、全身を抱擁してくる女神様の十八番。これを喰らってしまった人間はおそらく、仔へと堕ちる以外に選択肢を貰えない。ああ、そうだ。つまり、人間災厄の類であるならば――あの反応も嘘ではない。いや、嘘か。少し嬉しそうな有り様だ。虚構としてこんな|おいしい《セクシーで可愛い》事はない。放送できる範囲でのレベル。ぐちゃぐちゃ、ぬるぬる、意図していないお色気シーン。……汝。妾は今、かなり苛々としている。この感情を何処にぶつけたらいい? 汝は何処にも存在していないのだろう……? 猫鍋って知ってる? 鍋を開けないと、猫が入っているのかわからないやつ。何を謂っているのだ、汝、いい加減に……。
 って、なんでやねーん!!!
 スコーンッ!!! 暴れた結果なのか、或いは、脱力の結果なのか。兎も角、全身全霊でのツッコミが女神様の脳天に直撃した。コメディじみたオノマトペ、カートゥーンであれば⭐が廻るか。隙を作って脱出……の、つもりだったけど……。良い感じの一撃だったらしく、ヒヨコの鳴き声がこぼれる。ぁ……ぅ……汝……よくも……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ヴェル・パヴォーネ
思ったより、綺麗な人だね。
イビス「ヴェル!?蝸牛に棲まれた!?美的センス壊れた!?」
ネロ「直球で失礼すぎる」
?(首傾げ大真面目)いや、普通に顔美人だし、スタイルもいいでしょ?髪も長くてさらさらでつやつやでとてもいいと思うよ?
全体的な色合いが「青」で統一されてるのもとってもいいと思う。
「「ヴェ、ヴェルが壊れた!!」」
クヴァリフににこりと微笑むヴェル。
あなたとの出会いに感謝を。こちらを差し上げます。
√能力で殺傷力高そうなもので攻撃。なければ手持ちの護身用刃物。
お気に召しませんでしたか?
痛くはないでしょう?

痛み分けにもなりません。ね?

アドリブ、連携、ご自由に

 大渦巻きに飲み込まれた船員どもの如く――投げ込まれた小瓶の如く――|巻紙《スクロール》めいた感覚か。脳味噌を揺さぶられるほどに、内耳を弄られるほどに、目と鼻の先のそれ、女神らしさが勝っていた。……思ったより、綺麗な人だね。信者達に『女神』と崇められる程度には、讃えられる程度には、美の化身としても価値アリなのだ。ならば、能力者よ。心の底からそう思ったって問題など皆無な筈だ。ほう……汝は、妾の事を肯定するのだな。妾の存在を『神』として……否。人として、陥れるつもりなのだな。なんとも上機嫌な女神様ではないか。オマエが贄を渡してくれるのを、のんびりと待っている。そんな異常な光景に、狂気のような状況に慌てているのがふたつ。ヴェル!? 蝸牛に棲まれた!? 美的センス壊れた!? 吃驚だと、仰天だと、|死霊《イビス》が声をあげる。その隣で冷静を装っているのは|影業《ネロ》だろうか。……直球で失礼すぎる。……? 如何やら幸せの碧い鳥は正気なご様子だ。至極真面目な面構えで女神を称える。いや、普通に顔美人だし、スタイルもいいでしょ? 髪の毛も長くて、さらさらで、つやつや。とてもいいと思うよ? 全体的な色合いが「青」で統一されているのも、とってもいいと思う。如何やら汝はわかっているようだ。そこのふたつはまったく、わかっていないようだがの。フンス、と、女神様は得意げだ。実に中の宜しいお二人ではないか。これには……嫉妬……いいや、心配が勝ってしまう。「「ヴェ……ヴェルが壊れた!!!」」
 喧騒の最中、大渦巻きの中心、幸せを運ぶかのような笑みを女神様に向ける。あなたとの出会いに感謝を。こちらを差し上げます。女神様は――クヴァリフは――完全に油断をしていた。油断ですらなく、信者に向けるかのような瞳で、只、贄を待っていた。瞑想する時間すらも与えてもらえなかった『女神』は――蝸牛よりも鈍間な『女』は――真正面から『呪詛』を受ける。お気に召しませんでしたか? せっかく、用意してくれたのです。蝸牛の殻だ。それも、まだ、完全なカタチで残されていた鈍器だ。痛くはないでしょう? な……汝、この、冒涜的な……。痛み分けにもなりません。ね?
 バチバチ、バチバチ、綺麗な髪の毛も台無しだ。
🔵​🔵​🔴​ 成功

サーシャ・ヴァリアント
SPD判定

むぅ、未だに義姉ちゃん迎えに来てくれません、これは何処かでまたピンチになってるのでしょうか。
御守りが壊れれば飛んでいけるんですけど……ん?

……気持ち悪い代物の次は今度は公然わいせつ罪を犯してる人が堂々と来ましたね。
いえ、人ではなさそうですけど蛸足と目玉がいっぱいですし。
この人ですか……別に興味ないのでどうぞと言いたい所ですが化け物退治を生業にしてる家系な物で見逃すわけにはいかないんですよね。
というわけでその首貰いますね、その触手も持って帰れば義姉ちゃん喜ぶかもですし。
よく触手にヒィヒィ言わされてますので、焼いて食べる方かもしれませんが。
死んでも死なないなら死ぬまで殺せばよいですよね。

 吸盤の痕を必死に隠そうとする何者か、そのようなイメージ。
 むぅ……。蝸牛まみれ――蝸牛の死骸まみれ――そんな状況だと謂うのに、視界に入れていると謂うのに、オマエは別の事でオツムがいっぱいだった。未だに義姉ちゃん迎えに来てくれません、これは、何処かでまたピンチになっているのでしょうか。道に迷っているのだろうか、それとも、何処かのダンジョンで石にされているのだろうか。いや、もちろん『これ』はオマエの想像でしかなく、現実とやらは一切が不明なのだが。ああ、いっそ、御守りが壊れてくれたなら――犬のように、飛んでいけるんでしょうけど。活躍も醜態も余さずこの目で見届けたい。だと謂うのに、ああ、世の中はそんなに、美味しい話を持ってこない。ん……? 汝……なんだ? 随分と、ドス黒い精神をしているのではないか? これだから、人間は面白いクセにおぞましい。……気持ち悪い代物の次は、今度は、公然わいせつ罪を犯してる人が堂々と来ましたね。と、それよりも、なんですか? 人の心を見透かしているかのような、その言動は。いえ……人ではないなら納得ですね。蛸足と目玉がいっぱいですし。仔産みの女神クヴァリフの頭痛訴えなんて、かなり、珍しいのではないか。オマエは如何やら気に入られると同時に、通り越してしまったらしい。
 まあ、汝が何に執心で、狂気的なのかは、関係がない。どうせ汝は、汝こそ、自分と、大切な何者か以外の事を、蔑ろに扱う事ができる人類であろう? この人ですか……別に、興味はないので、どうぞ……と、謂いたいところですが。化け物退治を生業にしている家系なもので、見逃すわけにはいかないんですよね。……難儀な……。触手で頭を抱えている化け物さん。これが人間という生き物だから仕方がない。
 その首貰いますね。やけにアッサリとした、タンパクとした、口上であった。竜を滅するほどの力を有した刀による――シンプル故に強烈な一撃だ。汝……その程度の霊力で妾を殺せるとでも思っているのか……? 思ってはいません。ですが、今の貴女は、ひどく油断をしてくれていました。斬ったのだ。既に、斬り落としたのだ。それでも女神様が健在なのは――√能力のおかげである。なに……? 死んでも死なないなら死ぬまで殺せばよいですよね。
 その触手も持って帰ります。そうすれば、義姉ちゃんも喜ぶかもですし。よく触手にヒィヒィ言わされてますので、焼いて食べる方かもしれませんが。
 ……まだ、生きているのですか。
 往生際の悪い……。
 汝……妾を真に殺したいのであれば、機会を待つと良い……。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ディー・コンセンテス・メルクリウス・アルケー・ディオスクロイ
すまないが『抜け殻』には興味がない。他人に任せるとしよう!
薄情?アッハッハ。知らん。

叩き潰したわたくしどもが言うのも何だが。実に好い趣味をしている
はてそれとも、汚れた地にしか降り立てぬのか
ともあれ摺り潰せば良いかね、軟体生物。アッハッハ!

それでは『一芸』、高貴なあなたに贈ろう。
贄の代わりに、愚者の警鐘を贈答だ
眼球を相殺、抱擁する腕を『半神』にて留め。一撃を叩き込む
当然此方もまともに受けてやるつもりはないが。【金の斧】の行方はご存知か?
知らぬなら良い。この|白翼《肉体》、意外と丈夫でね。

ああところで女神、ひとつ聞こう。食事をするのは良いが
……その『食い方』では、おまえも「皿の上」ではないかね?

 詐欺師め……静電気の所為だ……そうする以外に、ない。
 妾を食い物にするとは、この、怪人め……。
 すまないが『抜け殻』には興味がない。他人に任せるとしよう! 邂逅した。邂逅をしてしまった。女神と怪人が出会ってしまった。遭遇をしてしまったのならば、其処に入るのは亀裂で在ろうか。薄情? 人の心? アッハッハ。知らん。知らないのならば仕方がない。仕方はないのだが、仔産みの女神クヴァリフは別のところで怒っている。いや、怒っているのではない。不思議なものを視た、そんな面構えだ。汝……臭うな。それも、妾の仔の臭いだ。さては汝……妾の『仔』を解剖したな……? それはお互い様だろう。その所為でわたくし、とある男に目をつけられていてね。ともかく、叩き潰したわたくしどもが言うのも何だが。実に好い趣味をしている。はて? それとも、汚れた地にしか降り立てぬのか。古典的な吸血のように。ともあれ擂り潰せば良いかね、軟体生物。ハンバーグを作るのだけは得意なのだよ、わたくし。アッハッハ! お喋りな男だな、まったく……。
 それでは『一芸』、高貴なあなたに贈ろう。高貴、その二文字に関しては、おそらく、心からの言の葉だ。その思いが信仰を――狂信を孕むのかと問われれば、大間違いなのだが。贄の代わりに、蝸牛の代わりに、愚者の警鐘を贈答だ。結局のところ忠告は無意味である。ナンセンスさを競い合う何かしらが有るならば、この「とびきりの痛み」こそが最優であれ。目と目が合ったのだ。ならば、眼と眼が遭う事で相殺される。抱擁の為にやってきた腕を|水銀蛇《どくけ》で抑え込む。捕縛をしたのは此方だ。此方が優勢なのであれば――魔弾の射手は微笑むのみ。最後の弾丸かね? いや、残念ながら、わたくしはアドリブをするのが得意でね。万物は流転し怪異の肉が怪異へと還っていく。汝……この肉片は……弾丸は……まさか……。冒涜的な所業、いよいよ、怒りにやられたのか。冷静さを失くしたクヴァリフが吼える――当然、まともに受けてやるつもりはないが。しかし、女神よ。金の斧の行方はご存じか? 汝! 黙れ。何処かの虚構といい、こうも、莫迦にされては……!
 知らぬなら良い。この|白翼《肉体》、意外と丈夫でね。
 牛頭に驚天動地――目が眩むほどの落下。西瓜の汁、景気の良さ。
 ああ、ところで、女神。ひとつ訊こう。食事をするのは良いが。
 ……その『喰い方』では、おまえも「皿の上」ではないかね?
 おもしろく、踊らせてやった。
🔵​🔵​🔴​ 成功

ケオ・キャンベル
【蓮鉢/2名】
アドリブ歓迎!

君は同じ個体? 根っこは同じ別物? ねえ玉蓮。お久しぶりかな? はじめましてかな?
こんにちは。クヴァリフ。ご機嫌いかが?

え? かたつむり、君が全部食べちゃうの? だめだめ。持って帰ってお土産にするんだもん。全部はあげないよ。
でも食べたいっていうなら仕方ないなあ。前は肚をもらったし、代わりにいっぱい詰め込んであげるね。かたつむり。
ぬめぬめしてて、こりこりしてて。つぶつぶしてて、|■■■■■《ヴェールを剥ぎ取った》。【真実の贈り物】。
詰め込むには場所が足りないかも。ねえ玉蓮、今日は何処が欲しいかな?
どっちも欲しくて選べないや。お土産もうひとつ増やしちゃお。
玉・蓮
【蓮鉢】アドリブ◎
確かに久しぶりね、元気そうでなにより。退屈に殺されてないのならよかったわ。
蝸牛くらいあげちゃいなさい。病院もお掃除の手間が省けてきっと嬉しがっているわ。お片付けが上手なママね。でも、お前ったら、贄まで貪るのは品がないのよ。彼女のことはどっちでもよいけれど――研究対象にはできそうだけど――そんなに欲しい欲しいと強請られたら、アタシ意地悪したくなっちゃうもの。

【蠢く聖母の福音】
お前は母親なのだから、子宝に恵まれるのが幸福でしょう。柘榴の粒が溢れるが如く。滑らかな皮膚下で踊る胎児の夢の贈り物。

そうね、せっかく贈り物をあげたのだもの。お返しが欲しいわね。
触手か眼球どちらが美味かしら。

 王権執行者――ひどく強大な簒奪者――も、勿論、根本的には能力者達と同じである。とある条件を満たさなければ、莫迦みたいに面倒な手順を踏まなければ、殺しても殺しても殺しても、蘇ってくる。故に、クヴァリフの肚は未曾有の如くに晒してやれると謂うものだ。君は同じ個体? 根っこは同じ別物? ケオ・キャンベルの――聖なる光の――純粋な言の葉が仔産みの女神の脳髄に突き刺さる。挑発していないと謂うのに挑発と『される』のは今に始まった事ではない。汝……妾は、汝の事も記憶している。まさか、何処かの怪人のように、雑に扱ってはいないだろうな? 真っ白さで比べてみたならば団栗の転がる具合か。湖にでも落っこちたかのようなオノマトペ。聖なる光はキラキラと、お嫁さんに視線を向ける。ねえ玉蓮。お久しぶりかな? はじめましてかな? お嫁さん……勝手に彼が思っているだけ……の、怪異すらも怯えてしまう鮮やかさは如何様に返すのか。確かに久しぶりね、元気そうでなにより。退屈に、無聊に、殺されていないのならよかったわ。少なくとも、√能力者と、君達と出会っている時点で無聊こそが息絶えた。絶え絶えとしていた女神では在るのだが、受け答えにはしっかりと、する。汝ら……愛を囁き合うと謂うのならば、此処ではなく、別のところでやったら如何だ……? 玉蓮! ねえ、玉蓮! ぼくたち、愛し合っているように見えるんだって! ……CC、お前、愛が何かを知っているのかしら? 少なくとも、ぼくと玉蓮を繋いでいるのは愛だと思うな! おお、眩暈……砂糖と塩を交互に舐っているかのような、眩暈。汝ら……。
 蝸牛を捕食しようとしている。絨毯を、夕餉の代わりとしていくのか。え? かたつむり、君が全部食べちゃうの? だめだめ。持って帰ってお土産にするんだもん。玉蓮と一緒にお料理するんだもん。全部はあげないよ。ムスッとした表情を向けたのなら、女神、眩暈に続いて頭痛でも起こしたのか。……汝、わかっているのか? わかっていないのだから、そうなのだろう? あの、艶やかな女の本性を女神はなんとなく解ってしまったのだ。CC、蝸牛くらいあげちゃいなさい。病院も、お掃除の手間が省けてきっと嬉しがっているわ。お片付けが上手なママね。子供を躾けるのも得意なの。でも、お前ったら、贄まで貪るのは品がないのよ。品がない? 品がないだって? 妾の事をそうやって謂う資格が、汝に有るとでも……? たぶん、アタシには資格なんて必要ないわ。彼女のことはどっちでもよいけれど――研究対象にはできそうだけど――そんなに、欲しい欲しいと強請られたら、アタシ意地悪したくなっちゃうもの。我儘なのはお互い様だ。嫌悪をしているのは女神だけで在れ。
 仕方ないなあ。前は肚を貰ったし、代わりにいっぱい詰め込んであげるね、かたつむり。ぬめぬめ、こりこり、口腔を満たしていくのはかたつむりだろうか。蝸牛から名前を掻っ攫った、別の何かではないのか。つぶつぶとした真実が――■■■■■が――女神の脳髄へと侵入していく。な……汝……妾の皮を……いや、存在を……何処へと贈ろうと……。詰め込むには場所が足りないかも。だって、君の頭って、開いてもそんなに大きくないから。ぶくぶくと、ぶくぶくと、蝸牛が膨れ上がっていく。お前は母親なのだから、子宝に恵まれるのが幸福でしょう。柘榴の粒が溢れるが如く――カマキリの卵が壊れていく――滑らかな皮膚下で踊る――。嗚呼、胎児だ。たくさんの胎児が、|頭皮《瘤》の裏側で脈動している。
 ねえ玉蓮、今日は何処が欲しいかな? 嬉々としているのか、狂々としているのか、最早、女神は女神の顔を忘れている。そうね、せっかく贈り物をあげたのだもの。お返しが欲しいわね。触手か眼球どちらが美味かしら。どっちも欲しくて選べないや。お土産、もうひとつ増やしちゃお。眼球は眼球でも本体の方をおひとつ。触手は一番、活きのいいやつを。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

色城・ナツメ
【師弟】
調子出てきたかゼロさんよぉ!

さて、気持ち悪い粘液の絨毯ごと綺麗にしてやるよ。
力を借りる、頼んだぞ…!
【受け流し】【カウンター】でいなし、【霊力攻撃】でちょっかい出しながら…ゼロ達の方向に敵の気が向かないよう速さで駆け巡る。
接近できたら、刀か拳に乗せた【疾・鎌風】を叩き込むぞ。(【喧嘩殺法】)

…ゼロの前で無様な姿は見せられなかったが、流石に気分が悪い。
早く外の新鮮な空気とタバコ吸いてぇ…

●補足
・怪異肉、生肉トラウマなのでベチャベチャ地面が内心つらいが、師の前なのもあり頑張ってる。
・普段は男性的な言葉、目上の人には敬語、荒ぶるとヤンキー口調
・ゼロは呼び捨て&ヤンキー口調
・アドリブ、連携歓迎
ゼロ・ロストブルー
【師弟】
贄…蝸牛を産み落とした彼女だからこその意味があるのだろうか。
産み落とされた怪異の、潰れたモノから新物質を補充でもしてるのだろうか…?(【世界知識】)

ナツメ、頼んだぞ。
俺は彼女が奪われないよう守りを固める。(【武器受け】)
蝸牛が失われたのなら声は聞こえるだろうか?
少しでも不安が和らぐよう、女性に声かけをしながら双斧を構える。聞こえてないとしても、俺の表情で不安を煽らないように、柔らかく落ち着いた表情を心がける。

大丈夫です。
多くの能力者達が、嵐みたいな男が、すぐに晴らしてくれますから。

ナツメが危うい時は片斧を【投擲】しフォローする

●補足
・怪異事件を扱う雑誌のルポライター
・アドリブ、連携歓迎

 真っ直ぐに――誰かの為に――今度こそ、と、覚悟をする事が出来た。出来てしまったのであれば、嚥下する事に成功したのであれば、あとは、思考を巡らせるのみで在れ。贄……蝸牛を産み落とした彼女だからこそ、異形を孕んでしまった人間だからこそ、意味があるのだろうか。産み落とされた怪異の、潰れたものから新物質を補充でもしているのだろうか。佛草と、怪異事件を取り扱うルポライターらしく脳味噌を、知識をこねくり回す。……汝、妾を前にして考察ごっことは、随分と、余裕ではないか。余裕ではないし、油断なんてのは欠片もない。構えを解いてなどいないし、故に、仔産みの女神は動かなかった。……彼女の事は俺に任せろ、ナツメ、頼んだぞ……。我を忘れていた、情けない自分は最早ない。はん! 調子出てきたかゼロさんよぉ! ほう……つまりは、汝ら、たったの一人で妾を抑え込めると、倒せると、そう、判断をしたのか……? ああ、そうだ。気持ち悪い粘液の絨毯ごと綺麗にしてやるよ。やれやれ、汝も、随分と瘦せ我慢をするものだ。妾には汝が必死に吐き気を堪えている幼子のように見える。……だからなんだってんだ。お前が俺を挑発してるって事くらいはわかるんだよ。……力を借りる、頼んだぞ……!
 肚より……胎より、落ちてきた『仔』の触手が、流れ弾の如くに這い寄ってきた。それを双斧で受け止め、斬りつけながら、如何にか『彼女』を護る事に尽力できたのか。蝸牛が排出されたのなら、失われたのなら、声は聞こえるだろうか。……大丈夫です。俺が、貴女の盾になります。それに……多くの能力者達が、嵐みたいな男が、すぐに晴らしてくれますから。不安を拭うのが己の仕事である。恐怖を和らげるのが己の仕事である。柔らかく、落ち着いた表情で――任せてください。
 やるではないか、あの人間、さては、汝よりも強いのではないか? 女神の誉め言葉は『触手』と共にやってくる。癪だけどな! 俺も、ゼロの強さについては痛いほど知ってるからよぉ! 魔を祓うかの如くに女神の一撃を受け流す。で? 女神ってのはこの程度の力なのか? 怠惰に信仰を集めているだけだから、こう、鈍るんだぜ……? 汝! 虚勢ではないか。その顔色で、どうして、妾に向かってくる。んなもん決まってるだろ、俺が、此処で負けたら終わりなんだよ……! 肉薄! 女神の触手を潜り抜けた先、その頸とやらに|厚み《●●》を添える。成程、汝、やるではないか。だが、触手を一本忘れている……?
 ズバッ!!!
 斧だ。斧がひとつ、女神の触手を断っていく。
 良い……汝らのこと、気に入った。さあ、妾の頸でも、なんでも、持って行くと良い。だが、足りぬ。完全には落とせないだろうが! 首の皮一枚を文字通り、喰らわせてやった。……ゼロの前で無様な姿は見せられなかったが、流石に……気分が悪い。
 ……早く外の新鮮な空気とタバコ吸いてぇ。
 青色の空が視たくなった、ので、窓を開ける事にした。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

赫夜・リツ
【赫】

ギョロ君、大丈夫かな
排出してからスン…ってなってる気がする
無理させちゃったかなと自分の血を吸うように言おうとしたら
シュウヤさんが手を切ってギョロ君に血を与えたからびっくりした…
ちょ…待って、シュウヤさん
ただでさえ疲労がすごいのにそんな事したら…って止めようとしたけど
言っても聞かないのは分かっているので、じっとしておこう

ギョロ君の調子が戻ったらシュウヤさんにお礼を言って
【破壊の炎】で絨毯を焼きながら戦闘態勢に入る
仔が硬い腕振り回して同じような事してきても
息を合わせて√能力で攻撃し、隙を見て【黒刃】で切り裂く

クヴァリフ…
もういっぱい食べたでしょう?
帰らないと脳天叩いて、ぐるぐるさせるよ?
一ノ瀬・シュウヤ
【赫】
アドリブ〇

…星詠みの通り、クヴァリフが現れたか
贄だと?
一命を取り留めた彼女を贄として捧げる気は毛頭ない
…と構えようとしたが、どうもギョロの様子がおかしいようだな
どうした…好みではないものを取り込もうとして調子を崩したか?
だったら、少し待て…
メスで手を切って、俺の血をギョロに与えてやる
お前の好みに合うか知らんが、少しはマシになるだろう

リツがかなり驚いた顔をしているな
珍しい…
全てやるわけではないから心配するな

ギョロが感想を言ってきそうだが…
もし美味いと言われても複雑な表情にしかならなそうだ
…言っておくが、今回だけだぞ

戦いが始まったら
彼女を守れるようにドローン3体を周囲に待機させて容体を診よう

 可愛い可愛い女の人は――二人にとっての大切な人は――尋常ではないほどに運が良かったのだ。連邦怪異収容局の、とある男との交流も、女神様とのぐるぐるバット対決も、何もかもは塔が聳え立っていなかった沙汰に過ぎない。……予想していた通り、クヴァリフが現れたか。それで……贄だと? 蝸牛を、怪異どもを喰うのは女神の勝手だが、一命を取り留めた彼女を贄として捧げるつもりは毛頭ない。これまた、堅物そうな男ではないか。む、汝、その気配は……臭いは、さては。あの時の元気な娘の父か、兄か……? だから、如何した。もしも、妹に手を出そうと謂うのなら、俺の全てを以てしてでも、滅ぼしてくれる。ああ、こわい。こわい男だ。そうは思わないか、其方の汝よ……。女神が言の葉を投げかけた先には、ああ、なんとも。女神をまったく見ていない男の姿か。
 ……ギョロ君、大丈夫かな。蝸牛を啜った結果、オオアカゴハキガイを吸収した結果、排出へと至った異形の腕。人間的に考えるならば、これは、シンプルな嘔吐である。スン……ってなってる気がする。無理させちゃったかな。ここは、僕の血液で口直しを……? 試みようと思ったところで横入りだ。女神が痺れを切らしたのだろうか。いいや、違う。この掌からの摂取は――慣れ親しんだ肌の色である。
 好みでないものを摂取したのだ。調子を崩してもおかしくはない。だったら、ここは――俺の『血』を与えてやった方が、今後の展開で有利となる、か。少し待て……。メスの鋭利さ、躊躇いは欠片もない。んぐんぐと、異形の腕は意識をハッキリとさせた。ちょ……待って、シュウヤさん。ただでさえ疲労がすごいのに、そんなこと……。手遅れだ。手遅れだが、感謝をしなくてはならない。これなら、もう一度、何度でも、戦線に復帰ができる。ギャハハ! おいおい、正気かよ。まあ、正気だわな。おい、リツ! さっさとあの女神を片付けるぞ! リツ、驚いている暇があるなら、ありがとう、を口にしている暇があるなら、ギョロの謂う通りに戦ってくれ。それに、全てをやるわけではないから心配するな。そうだぜ、リツ! まさか、こんなに美味いとは思ってなかったがな! 複雑な表情をしながら血液パックは離れていく。言っておくが、今回だけだぞ、今回だけだ。
 のう……汝ら、そろそろ、良いか?
 待っていてくれたの?
 妾も、首の皮一枚では戦い難いのでな。
 はじまりは破壊の炎であった。絨毯が綺麗に舐られたところで戦闘態勢に入れ。こぼれ落ちてきた『仔』の腕すらも、嗚呼、此方の腕ほどの強靭さではない。忍ばせておいた黒い刃、さて、此処で切るべきか、或いは……。クヴァリフ、もう、いっぱい食べたでしょう? 帰らないと脳天叩いて、ぐるぐるさせるよ? それは嫌だ。妾も、あの時みたいな眩暈はゴメンだ。けれども、もう、引くに引けない状況なのだよ。
 ドローンで『診た』結果、後遺症はなさそうだ。何処かの誰かが適切な処置をしてくれていたらしい。いや、知っている。知っている男だ。……これなら、あとは精神的な傷を癒すだけか。それが、もっとも時間が必要なのだが……。

 では、決着をつけるとしよう。
 それはこっちの科白だよ、クヴァリフ。
 女神の臓腑を掻っ捌け、脳味噌ほどの柔らかさではないが、
 ――胃袋をひっくり返すには十分だ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​ 成功

久瀬・千影
贄?やるワケねぇだろ。|絨毯《散らばったカタツムリ》でも食ってろ、タコ。
虚勢は張れる。虚勢が張れるからまだ身体は動く。指先を一本動かした。震えるのを悟られぬよう、隠れて。額から流れる嫌な汗。

眼球による牽制に気付いた時にはもう遅い。抱擁による捕縛に絡められ、触手によって壁に叩き付けられて。血反吐まで吐く始末。
欠落した痛覚神経の|お陰《激痛耐性》で痛みは無かった。痛みでのたうち回るか、動けなくなるのが普通なんだろうけど。
衝撃でも離さなかった鞘入りの無銘刀は抵抗と反抗の証。…後30秒。
右眼に爬虫類を思わせる縦長の瞳孔。瞳の色は黄金色。『龍眼壱』を数秒だけ発動。
腹から捩れるように産んだ仔を取り込んだアレが――いつかのネームレススワンよりヤバい奴だったのは分かった。此処で殺さないと終わりだと直感が告げた。
踏み込んで龍眼が隙を晒した。振るうのは『天津甕星』。
【居合】と【霊力攻撃】を乗せて【切断】――。
今回も仕留めきれなくていい。後は他の能力者に任せりゃ良い。
ハハッ、見たかよ、人類の足掻きってヤツをよ

 女神が嗤う――仔が落ちる――襤褸の雑巾を彷彿とさせる、瀕死の域に陥っても尚、怪異は怪異たる所以を誇っていた。贄……? 贄だって? やるワケねぇだろ。|絨毯《カタツムリ》でも食ってろ、タコ。シンプルな罵倒である。故に、オマエは、己が動ける事にいち早く気付けたのだ。虚勢が張れる。虚勢が張れるなら、強がりが出来るのなら、まだ、身体は動く。ひくりと、ぴくりと、指先一本をちらつかせた。いいや、ちらつかせない。震えているのを、恐れているのを悟られぬよう、隠れて。額からの|無気味《あせ》をそのままに。なあ、そんなに贄が欲しいってんなら、俺を贄にしたら如何だ。タコならタコらしく、自分で獲物を狙いやがれ。それとも、そんな事もできないくらいに、怠惰だって謂うのかよ。死だ。死が、目前にある。しかし、たとえ目の前のソレが閻魔であろうとも、嘘は貫き通してやれ。そうか。汝も、己を偽る類の人間か。まさか、その程度の嘘で、妾を騙せると思っていたのか――眼球だ。眼球が、オマエを視ている。無数の視線が突き刺さり、いよいよ、波のような『死』がうねる。汝……せめてもの情けだ。可能な限り、痛くないようにしてやる。
 大嘘だ。嘘吐きだ。仔産みの女神クヴァリフは情けも容赦も有していない。抱擁された身体が悲鳴をあげ、みしみしと、骨が幾つか折れたかもしれない。そのまま、地面に向かって叩きつけられ、触手による蛸殴りか。べちゃ、と、散らかったのは血反吐の類だろう。……ハッ。どうした? タコ。柔らかすぎてまったく、効いてねぇよ。効いてはいる。通常の人間であれば、死んでいるか、目を回している頃だ。欠落のおかげで、痛覚神経とのサヨナラで、如何にか意識を保っていられる現状。のたうち回っている暇はねぇ。いや、のたうち回るのはタコ、アンタの方だぜ……。落とさなかったのは意地と刀。無銘は抵抗と反抗の証。残りは30秒――黄金色の目をした爬虫類、龍は神に喰らい付けるのか、否か。ねじれて、落ちてきた仔。ゆっくりと、ゆっくりと、母体へと融合していく。
 汝……諦めたら如何だ。
 汝は死にたくないと見た。
 汝は、誰よりも、命を惜しんでいる。
 そうだろう?
 ネームレス・スワンが『かわいく』思えるほどの威圧感だ。奴との違いは、そう、此方へ確実に『死』を運び込もうとしている、その、執拗なまでの悪辣さだ。此処で殺す。此処で殺さなければ、俺が、殺される。何もかもが終わりだ。俺だけではなく、彼女だって、患者だって――俺は死んでも死なねぇが、世の理の通り――良いぜ? これで終いだ。アンタはぶつ切りにして、魚の餌にでもしてやるよ。踏み込むと同時に|龍眼《め》に映ったのは隙だ。いや、最初から女神は隙だらけである。女神は傲慢でもあったのだ。天津甕星――霊力を籠めた刀身が袈裟をやった。ハハッ……見たかよ、人類の足掻きってヤツをよ……!? 後は任せるつもりだった。他の能力者に任せるつもりだった。だが、如何だ。オマエの鍛錬は実り良く――神の體を両断した。
 ハハッ……ハハハッ……うっそだろ……?
 やるではないか、汝。

 絨毯のお片付けは最早、要らない。
 クヴァリフはこの場から消失し、
 あとは患者を休ませるのみ。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

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