シナリオ

⑩幸あれかし、汝らよ、愛しい仔らよ

#√汎神解剖機関 #秋葉原荒覇吐戦 #秋葉原荒覇吐戦⑩

タグの編集

作者のみ追加・削除できます(🔒️公式タグは不可)。

 #√汎神解剖機関
 #秋葉原荒覇吐戦
 #秋葉原荒覇吐戦⑩

※あなたはタグを編集できません。

⚔️王劍戦争:秋葉原荒覇吐戦

これは1章構成の戦争シナリオです。シナリオ毎の「プレイングボーナス」を満たすと、判定が有利になります!
現在の戦況はこちらのページをチェック!
(毎日16時更新)


「妾の『仔』となるべき汝らに、祝福を与えよう」
 大いなる女神、数多の怪異の母、『仔産みの女神』、クヴァリフは美しく艷やかで、慈愛に満ちた笑みを浮かべていた。
「ゆるりと母の内で、揺蕩い眠るといい。我を忘れるほどに満ち足りて、ただただ静かに夢見るといい。さすれば、新たな目覚めがやってくる」
 彼女が己の|肚《はら》へと変えた地にて、この地に満ちた命が死するときをゆるりと待っている。
 死に至りし彼らを彼女の肚に迎え入れ、愛しい『仔』へと産み直そう。そうっと腕たる触手で優しく撫でてやろう。彼らは忘我のうちに新たなる命へと変わっていくのだ。
 一人の命から、二十八の仔が生まれいでる。愛しい愛しい、可愛い仔らだ。
 触手に満ち満ちたる肚の内で、クヴァリフは慈しみ深き笑みを浮かべて待っている。


「『秋葉原荒覇吐戦』の新しい戦場に関する星が詠めたよ」
 猫宮・弥月(骨董品屋「猫ちぐら」店主・h01187)が「EDEN」へと語る星詠みは、東京科学大学湯島キャンパスにて待ち受ける『仔産みの女神『クヴァリフ』』についてのものだ。
「√汎神解剖機関の怪異の一つ、『仔産みの女神『クヴァリフ』』は東京科学大学湯島キャンパスを彼女の触手で覆い尽くし、彼女の|肚《はら》へと変えた。この肚の中では、王劍戦争中に民間人が一人死ぬ度に二十八の新たな『クヴァリフの仔』が生まれてくる」
 死を感知する対象は湯島キャンパスだけに限らず、王劍戦争中の全ての戦場が対象となる。故に他戦場で死者が出ないことを祈りながら、クヴァリフを倒さなければならないのだ。
「このキャンパスは、地面に壁に、あらゆるところに触手がいる。その中を駆け抜け、女神へと挑まなくちゃいけないよ」
 避けたり、潰したり、弾いたりなどなど、向かってくる触手を無力化するなり、かわすなりしながら女神と戦ってもいい。
「触手の無力化やかわすのは結構簡単にできそうだよ。皆の得意な方法で対応しつつ、仔が生まれる前に女神の分体を倒してほしい。彼女が増やした仔を何に使うかわからないけど、多分人類やその仲間にとっていいことではないだろうしね」
 よろしくお願いします、と弥月は頭を下げるのだった。


 母は優しく、穏やかに待っている。新たな命が訪れるのを。
 女神は静かに待っている。数多の瞳で見つめ、無数の|腕《触手》を広げて、仔を抱く時を。
 そして、「EDEN」達が訪れたならば。
 美しい笑みを浮かべて、新たな仔となれるよう祝福を授けようとするだろう。
 すてきな死を、新たな誕生を。
 彼女は、幸いあれ、と、待っている。

マスターより

霧野
 ああ、素晴らしきかな。満ち足りたりたるかな。霧野です、よろしくお願いします。

●シナリオについて
 『秋葉原荒覇吐戦』第二戦線の一つです。
 東京科学大学湯島キャンパスを触手で覆い尽くした『仔産みの女神『クヴァリフ』』を、大学構内を駆け抜け倒してください。
 このシナリオには以下のプレイングボーナスがあります。
 ==================
 プレイングボーナス:触手をかわし、クヴァリフと戦う。
 ==================
 オープニング公開され次第、プレイング受け付けています。
57

閉じる

マスターより・プレイング・フラグメントの詳細・成功度を閉じて「読み物モード」にします。
よろしいですか?

第1章 ボス戦 『仔産みの女神『クヴァリフ』』


POW クヴァリフの御手
【無数の眼球】による牽制、【女神の抱擁】による捕縛、【触手】による強撃の連続攻撃を与える。
SPD クヴァリフの仔『無生』
【その場で産んだ『仔』】と完全融合し、【『未知なる生命』の誕生】による攻撃+空間引き寄せ能力を得る。また、シナリオで獲得した🔵と同回数まで、死後即座に蘇生する。
WIZ クヴァリフの肚
10秒瞑想して、自身の記憶世界「【クヴァリフの肚】」から【最も強き『仔』】を1体召喚する。[最も強き『仔』]はあなたと同等の強さで得意技を使って戦い、レベル秒後に消滅する。
イラスト hina
√汎神解剖機関 普通11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

和紋・蜚廉
蠢くおぞましき触手の群れ。

我が奔躯にて駆け抜ける。
穢殻変態・塵執相を使用。
触手の道は、潜響骨と翳嗅盤が正しき経路を示す。
ここまで匂い立つ気配であれば、迷うことなく女神の元までたどり着けよう。
襲い来る触手は、斥殻紐で捕縛。
殻喰鉤も纏わせた紐で、毒使いより腐食毒を流し込む。
切り裂く必要は無い。通れる道さえ拓けば充分。

たどり着いたぞ、女神よ。
眼球の牽制は、蟲煙袋を焚いて煙幕にて防ぐ。
煙には麻痺毒を仕込み、眼球から痺れさせよう。
抱擁の気配は、野生の勘で察知してカウンター。
触手の強撃ごと、我が殼突刃にて切り裂こう。

だが、まだ足りぬな。
やはり最後は拳で締めねば。
我が重さ、受け取るが良い。


 日々は学徒溢れるキャンパスを青い触手がおぞましく蠢く、そんな光景を置き去りに、和紋・蜚廉(現世の遺骸・h07277)は迷うことなく駆けていく。母なる女神の気配は潜響骨と翳嗅盤が教えてくれる。
(ここまで匂い立つ気配であれば、迷うことなく女神の元までたどり着けよう)
 一直線に進んでいけば、触手の群れもより密度を増すが、後ろから迫る速度より速く駆ければ置き去りにできる。前にいるものは、黒銀の鉤爪つけた紐がくるりと巻き取り、通した腐毒で一部が溶けて滴っていく。
(全て切り裂く必要は無い。通れる道さえ拓けば充分)
 そうやって触手の群れをかわしたならば。
「たどり着いたぞ、女神よ」
 ゆるりと待っていたクヴァリフに、蜚廉はまみえることになる。
「いらっしゃい。汝にも祝福を、幸いを」
 微笑む彼女の手が差し伸べられた途端、周囲に浮かぶ無数の眼球がぐるりと蜚廉を見つめた。青い瞳を据えたまま、それらが一斉に向かってくる。
 蜚廉はその目前に焚いた袋を投げつける。周囲に土と麻痺とが混じった香りがあたりに立ち込めて、青色の動きは鈍くなった。
 クヴァリフはまだ動いている。煙の向こうから伸びた、たおやかな腕が蜚廉を抱きしめようとしていた。細い女の腕のようであっても、捕らえられれば動けなくなるだろう。触手も彼女の腕に届くように蜚廉を押しやろうとしている。
 その気配を察して、蜚廉は刃で腕と触手を切り裂いた。どろりと滴る液体を払い除け、蜚廉はまた一歩、女神へと踏み込んでいく。
「だが、まだ足りぬな」
 刃が与えた傷が浅いと感じた蜚廉は拳を固く握る。
「我が重さ、受け取るが良い」
 再び眼球が、腕が伸ばされるより先に、黒い風がクヴァリフを吹き飛ばす。
 真っ直ぐに母たる女神を拒絶し、打ち倒そうという蜚廉の意志と重みを乗せた拳が、彼女を打ち据えていったのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

静寂・恭兵
アドリブ歓迎。
【暗夜2】
アダン(h02258)と
|√汎神《うち》の怪異がすまないな。
まさかグヴァリフ本体が動くとは。
最近は『グヴァリフの仔』の事案が多かったからな…キャンパスを丸々自らの肚に変えるなんてな…。しかも一般人の犠牲が出る度に28体のグヴァリフの仔が…。もちろん犠牲は出したくないし。早めにグヴァリフ自体に退場してもらうのが良いだろう。

お前が魔焔で道を切り開いてくれるなら俺は必ず女神を仕留めよう。

燃やしきれない触手を【第六感】でかわしつつ
【呪詛耐性】で身を守り女神の懐へ入り込む。

√能力『花盗人』
生命と言う花を奪う事は許さない。
攻撃には【破魔】を乗せる
怪異にはよく効くだろう?
アダン・ベルゼビュート
【暗夜2】
恭兵(h00274)と
アドリブ歓迎

全く以て、悪趣味な事だ
学生達の学び舎を何だと思っているのか
……正直、心底反吐が出るな

他の戦場で一般人の犠牲が出ない事を信じつつ、俺様達は此処で出来る事をせねばなるまい

恭兵、触手の方は任せろ
お前はあのニヤついた女神の方を頼む
触手の数は多いが、決して邪魔はさせぬとも

√能力:魔焔の焼槍
此の能力を女神──ではなく、敢えて少し外す形で使用
出来る限り多く、周囲の触手を領域内に収めて『魔焔への耐性低下』の弱体化付与を狙う

其れが叶わなかったとしても
俺様は女神の周囲の触手を『魔焔』で焼き尽くし、恭兵の為の道を拓く【焼却】【範囲攻撃】【部位破壊】

恭兵、頼んだぞ!


 あちらこちらに蠢く青い触手が壁も地も埋め尽くす。普段は学徒が行き交い、学びに励むその場所は、今は冒涜的な存在の肚になったという。
「こうも無遠慮に人の地に侵食し、好き勝手に己の内と成すとは。全く以て、悪趣味な事だ」
「|√汎神《うち》の怪異がすまないな。まさかグヴァリフ本体が動くとは」
 触手をかわしながら走るアダン・ベルゼビュート(魔焔の竜胆・h02258)の苦々しげな呟きに、同じように駆けていく静寂・恭兵(花守り・h00274)は煙草を咥えたまま眉を下げる。
「最近は『グヴァリフの仔』の事案が多かったからか……本体も機を窺っていたのかもしれないな。しかもキャンパスを丸々自らの肚に変えるなんてな……」
「学生達の学び舎を何だと思っているのか。……正直、心底反吐が出るな」
「ああ。さらに一般人の犠牲が出る度に28体のグヴァリフの仔が……」
「そんな事態には無論、させぬとも」
「ああ。もちろん犠牲は出したくないし、早めにグヴァリフ自体に退場してもらうのが良いだろう」
「うむ。他の戦場で一般人の犠牲が出ない事を信じつつ、俺様達は此処で出来る事をせねばなるまい」
 そう言いながら身軽く触手をかわしていなして走るうち、青い触手がいっそう群れなし蠢く場所が見えた。
 その中心に青白い肌の人型があるのも、もちろん見える。それは歪な美しい笑みを浮かべ、子を抱くように腕を広げた女神の姿だ。
「汝らにも幸いを、祝福を」
 どこか甘くも悍ましくも聞こえる声に、触手のうねりが勢いを増した。新たな仔を迎えよという女神の意に応じ、アダンと恭兵へと狙いを定めたのだ。
 無数の眼球が、触手が、何よりクヴァリフ自身の細い腕が、二人へ向かって迫ってくる。幸いかな、愛しい仔よ。生まれいでる幸せを。そう、押しつけようと。
 それらに、二人の足が止まることはない。臆する必要もない。
 アダンは手の中に新たな魔焔を生み出しながら、恭兵は|警視庁異能捜査官《カミガリ》用拳銃と|曼荼羅《まんだら》を構えながら、いっそう激しく群がってくる触手へ、クヴァリフへと走っていく。
「恭兵、触手の方は任せろ。お前はあのニヤついた女神の方を頼む」
 強大な槍を構え、アダンは口の端を上へと向ける。狙う先を見据えて、ただの事実を告げるのみ。
「何、触手の数は多いが、決して邪魔はさせぬとも。真っ直ぐに行けばよい」
 恭兵はその言葉に前に出る。
「ああ。お前が魔焔で道を切り開いてくれるなら俺は必ず女神を仕留めよう」
 背中を預けることにほんの僅かの不安もない、疑うことなど何もない、互いの実力を理解し、信頼しているからこその言葉である。
 アダンは手の内で押し固め、身の丈を超える槍を生み出した。それをクヴァリフの方へと投げつける。
「この槍に貫けぬものもなく。たとえ此の焼槍から逃れたとて、我が魔焔は悉くを焼き尽くすのみ!」
 それは敢えて、女神の体を外した一投。伸ばされた腕を掠めて地に落ちた黒紫の槍はその形を解く。幾重にも重なり合わせた焔が広がり、眼球と触手を、女神もろとも焼いていく。
 周囲の触手が燃えるさまを、残ったそれらになお激しい焔を浴びせかけ、アダンは友の名を呼んだ。
「恭兵、頼んだぞ!」
 焔に焼かれた女神は、腕を一度止めた。焼けたその肌にわずかに眉を寄せ、燃える触手と眼球に一つ、息を零す。
「ああ、祝福を望まぬか。なれども、与えよう。幸いを、愛しい仔に」
「不要」
 燃え残り、吹き飛ばそうと迫る触手を銃弾が撃ち抜いて、その動きを止めた。そして敵のみを燃やす魔焔の間を駆け抜けて、女神の間近で白刃が走る。
「機は満ちて、貫き咲かす……其は徒花……」
 それは人にあだなす存在を切り伏せる刃。破魔の力を乗せた恭兵の一閃が、クヴァリフの腕を、その身をするりと切り伏せる。まるでていこうなど無いように、滑らかに一刀を振りぬいた。
「命という花、お前に奪わせることなどさせるものか。お前には、|これ《破魔》がよく効くだろう」
 返す刀でもう一太刀、怪異の身を切り裂いて。恭兵は静かに告げてみせるのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

角隈・礼文
アドリブ・アレンジ・絡み、大歓迎ですぞ。

さて、さて。クヴァリフで満ちたキャンパスとは、なんとも興味深い戦場ですなぁ。
時間があるならゆっくりと観察し研究したいところ、きっと機関の方々も同意してくれるでしょうが……王劍戦争の真っ只中では猶予はありますまい。
それにEDENとしては人命を優先しないとなりませんからな。致し方ありますまい。

蔽い尽された触手を炎の吸血鬼の火で払いのけて構内を駆け抜けましょう。
ナマモノには火が効果的なはずですからな。
クヴァリフの下へ辿り着けば、ふむ。
瞑想した隙に足を止め、√能力を2、3度詠唱して炎攻撃を放つとしましょう。
相手が攻撃する時には走って避けて反撃、と繰り返しますぞ。


「さて、さて。クヴァリフで満ちたキャンパスとは、なんとも興味深い戦場ですなぁ」
 そうそう見られない光景が広がる様をしばし観察し、群れの外れにいた小さな触手を指先ほど切り取った角隈・礼文(『教授』・h00226)は頷いた。
「女神の肚の中という特殊な環境、時間があるならゆっくりと観察し研究したいところ、きっと機関の方々も同意してくれるでしょうが……王劍戦争の真っ只中では猶予はありますまい」
 呟く間にも手の中のかけらは粉になって消えていく。肚の中の触手はみなこうなのか、他の場では変わるのか、保存液などに漬ければ保存できるか、粉になった段階ではどうなのか。興味は尽きないが、それを満たす余裕はない。
「それにEDENとしては人命を優先しないとなりませんからな。致し方ありますまい」
 ここでも他の戦場でも人死にが出ないことを祈りつつ、礼文は炎の吸血鬼を呼び出した。
「ナマモノには火が効果的なはずですからな」
 彼らの火を護衛にし、近寄る触手を躱し、払い除けて構内を触手の密度の濃い方に向かって駆けていく。
 焼かれて塵になっていく触手をしばし置き去りに駆けていき、礼文は青白い肌の女神の姿を認めた。
 クヴァリフも彼に気づき、美しい笑みを浮かべて目を閉じる。
「汝にも祝福を。火は忌めども、人には幸いを」
 静かに厳かに、クヴァリフが何かを思い描く様子に礼文も足を止めた。魔導書を開いて詠唱し、彼女の瞑想が終わるまでの間に炎を呼び出し女神へと押しやる。
 炎が爆ぜる、爆ぜては彼女を燃やしていく。ぱちり、忌々しそうに目を開けた女神の影で、呼ばれるはずの『仔』の影が消えていった。
 礼文はその間に位置を変え、再び足を止めて炎を呼び出す。押し寄せる触手は炎の吸血鬼で払い除け、新たな炎を再び目を閉じた女神へと飛ばして。
 彼女を焼き尽くすまで、それを繰り返すのだ。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

雨夜・氷月
シバジロウ(h03007)と

やることは単純明快
さあて、派手に暴れよっか
ね、シバジロウ!
ウインクを送って領域へと駆け出す

迫る触手は夜による捕縛と
傍らに咲く雨花幻の焼却にてある程度捌いて
それでも近づくものは見切って銀片で切断
被弾しないよう幻影使いや残像で惑わせつつ
シバジロウ、面白い戦い方するね?

お、アレが本体かー
んっふふ、浮気しないようにアピールしなきゃだね
今更だけどコレって一歩間違えれば触手プレ…
あっはは、ごめんごめーん

笑いながら近づく攻撃に対して雲隠
触手を斬って隠れたならば
女神の傍らに距離を詰めて不意打ち暗殺
あは!ほらほら、俺と遊ぼう!
攻撃を合わせ切断したり
もう一度隠れたり
自由気儘に暴れよ
斯波・紫遠
アドリブ大歓迎
ひーちゃん(h00493)と

確かにやることがシンプルなのは助かる
余所で浮気できないようにしてやりましょう

√能力使用
邪魔な触手はどんどん燃やしていく
再生されると面倒なので火加減無し
アシスタントAI(以下アリスさん)に
煙雨での援護を依頼
触手、全部焼き切って
そう?分業って大事じゃない?

ちょっと変な事言わないでよ
うーわ鳥肌立った
手に力入んなくなったらひーちゃんのせいだから

そうくるか
ならタゲは僕が貰って動きやすくしよう
合わせるのは苦じゃないし
分かってたら避けるのも楽
アリスさんも手伝って
攻撃は見切ってカウンター
重たいのはジャストガードに
オーラ防御と鉄壁のせて捌く

十秒なんて待つわけないじゃん


「やることは単純明快」
「うん、確かにやることがシンプルなのは助かる」
「さあて、派手に暴れよっか。ね、シバジロウ!」
「もちろん。余所で浮気できないようにしてやりましょう」
 雨夜・氷月(壊月・h00493)は頷く斯波・紫遠(くゆる・h03007)へぱちり、ウインク送って、今をもっと楽しむために女神の肚の中を駆けていく。もちろん、その隣を紫遠も共に行く。
「あは、一緒に遊びたい? こっちだよ」
 氷月が一歩一歩駆けて進むたび、足元から夜が現れる。夜は幻に迷う触手を巻き取り、移り気な花がそれを焼き尽くす。前にある邪魔な触手は銀片で切り裂いた。
「アリスさん援護よろしく。触手、全部焼き切って」
 紫遠は頼れるアシスタントAI、アリスさんに煙雨の制御も火加減もお任せし、来る触手も先の触手も須らく、残った塵すら燃やして止まらずに進んでいく。
「シバジロウ、面白い戦い方するね?」
「そう? 分業って大事じゃない?」
「じゃあ横と後ろはシバジロウに任せた!」
「僕の分、多くない!?」
 氷月は夜の踊る先も雨花幻の浮かぶ先も前にのみ固定し進む速度を上げた。氷月を追いかける紫遠の意を受けて、横も後ろも煙雨がカバーする。
 くるくる踊って全部燃やして進んで行けば、触手の群れのその向こう、青白い女神が見えてくる。
「お、アレが本体かー」
「そうだね、触手の本体だ」
「んっふふ、浮気しないようにアピールしなきゃだね」
 彼女は訪れた二人を見やり、美しくも悍ましい笑みを浮かべている。
「ああ、汝らにも幸いを、祝福を」
 怪異の母たるクヴァリフなれば、死んだ命がいなくとも仔を一つ二つ産みだすのは容易だ。生まれたばかりの仔をかき抱けば溶け合い混じり合い、未知なる存在に至った。
 それから、女神はその|腕《触手》を二人へと向けた。無数に広がる波のように、青いうねりが押し寄せてくる。同時にクヴァリフの周囲が揺らぎ、新たな仔が現れようとする気配がした。
 さらに周囲からも押し寄せる触手を捌きながら、氷月はふと気づいたように紫遠に笑いかけた。
「ねえねえシバジロウ、今更だけどコレって一歩間違えれば触手プレ……」
「ちょっと変な事言わないでよ」
 紫遠は鳥肌立った腕を、眉を寄せたしかめ面を氷月に向ける。
「うーわ鳥肌立った。見てよこれ、手に力入んなくなったらひーちゃんのせいだから」
「あっはは、ごめんごめーん」
 寄せてきた触手が届くより前に、そう軽く笑った氷月の姿が消える。銀片がひらりひらりと触手の波を切り裂いて、静かに地面を動かない肉片で満たしていた。
「ならタゲは僕が貰って動きやすくしよう」
 氷月の狙いをすぐに理解した紫遠は、クヴァリフとの距離を詰める。予想通りに、氷月は女神の傍らから現れた。
「あは! ほらほら、俺と遊ぼう!」
 銀片を翻して切りつけて、浮かぶ眼球ごと女神の肌を切り裂いて。反撃の触手を躱したならば、追撃は紫遠が受け止める。
「アリスさん、手伝って」
 自分でもっと頑張れるでしょう、なんて辛辣なことを言うかもしれないが、もちろんアリスは手伝ってくれた。衝撃を殺せる位置を示し、煙雨で牽制して数を減らし。
「行くよシバジロウ!」
「OK、ひーちゃん」
 再び現れた氷月と呼吸を合わせ、銀片と無銘【香煙】の斬撃が一際大きな触手をまた肉へと変えていく。
「十秒なんて待つわけないじゃん」
「だよね!」
 氷月がいくらでも自由に動けるよう、瞑想するクヴァリフの邪魔をするように紫遠は動く。紫遠がクヴァリフを、触手を一度に二度切り裂くのを見ながら、氷月は笑ってまた現れて、女神を気ままに切り裂き消えた。
 それは、女神がこの地から消え去るまで繰り返されるのだった。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

桔梗・守
連携アドリブ大歓迎だよう!

うーん、今のままでも十分足りてるからねえ
それに、ぼくは桔梗ちゃんの手の中のが好きだよう
※桔梗ちゃん、以前の持ち主で主人だった清楚な少女

おっきな触手、あれたこさんかなぁ?
じゃあ、たこぱだあ!
旅団による「たこぱ」発言からの擦り込みで
もうそれにしか見えないんだよう

気づいたらあっちからこっちから触手がはえてるぅ!?
伸びてくる触手を交わす様に√能力を発動
狙いをつけ辛くする様に敵をぶるぶる震わせちゃうんだよう
その隙を掻い潜って特攻、当たりそうになったら
触手の大きさにあわせて大きくなあ~れぇ!って
詠唱錬成刀剣で武器受けしながら流して突き進むよう
危なそうなら触手をぶすり刺したり、切り落としながら
たこさんの分体を探す様に触手の先端から根元に向かって行くよう

見つけたら、大きく振り被ってえいっ!
早乙女・伽羅
とにかく向こうの手数が無限大と言ってよいほどなのが厄介だな
居合わせた味方とは協力しあって対処したいところだ

√仮初で己の肖像画を呼び出し、もう一人の自分を出現させる
二人分の手数で絶え間なく攻め立て、瞑想するクヴァリフの妨害に徹する
召喚後は『仔』の速やかな撃破のためにサーベルを振るう

なるほど、『愛情深き母』ではあるのだろうね
――君は、自分の仔がこうして狩られてゆくのを見てなんとも思わないのか?
多産ゆえに一匹一匹の命運などには関心がないのならば、それもまた生命の在り様だろうが
…君たちが養分とした人々にも皆、母たる誰かがいたはずなのだ
もちろん、俺にも
そしてそれは、けっして君ではないのだよ


 大きな触手、長い触手、短い触手がうねうねと、青色に、吸盤くっつけペタペタと、大学キャンパスのあちらこちらにそちらも、とたっぷりと埋め尽くす。
 そんな光景に桔梗・守(付喪神・h05300)は小さな首をこてんと傾げ、サーベルをすらりと抜いた早乙女・伽羅(元警察官の画廊店主・h00414)へ話しかけた。
「ねえねえ伽羅の旦那、おっきな触手、あれたこさんかなぁ?」
「タコそのものではないが、近しい類だろうね」
 滑らかに先に行くほど細くなり、丸い吸盤が幾つも連なるそれは確かにタコ足っぽく見える。頷いた伽羅の言葉に、守はぽんと小さな手を合わせ、ぱあっと明るい雰囲気になった。
「じゃあ、たこぱだあ!」
「うむ、タコぱだ」
 旅団での会話もあってか、もはやそれにしか見えなくなった守と、むしろその勢いで駆逐したい伽羅であった。
 二人のどこかほのぼのした発言に、あっちこっちの触手が何故か一瞬ぞわりと震えたように見える。
 しかしながらこのタコ足は怪異の|腕《かいな》に近しいものでもある、ただまな板の上のタコのように大人しくはしてくれない。うぞりうねりと蠢いて、守と伽羅に狙いを定めぐねりとたわんでから伸びてきた。何なら追加で生えて押し寄せてくる。
「わぁっ、気づいたらあっちからこっちから触手がはえてくるぅ!?」
「む、いかんな」
「えいっ、とうっ」
 むちむちした触手を、守は慌ててぴょいっと飛び避けて、伽羅も細めの触手がわらっとくるのをすたんと身軽く飛び退り。四方八方押し寄せる青をまたかわし、クヴァリフめがけて進んでいく。
「とにかく向こうの手数が無限大と言ってよいほどなのが厄介だな」
「伽羅の旦那、ぼくにお任せだよう! ぶるぶるさせるよう!」
 むんと守が雰囲気を張り切らせ、きゅっと手足を縮めてからぱっと大きく広げる。途端、小さな守から放たれるのはとても大きな霊能振動の波。ぐらんぐらんととても立っていられないほどの揺れは触手だけをひたすら揺らし、彼らの動きも狙いも阻害していく。
「すごいなぁ。ありがとう、守」
「どういたしましてだよう!」

 二人は触手を掻い潜り、群れの密度の濃い方へ、悍ましい気配のより濃くなる方へと進んでいき。
 うねる触手のその中に、どこか美しく、そして悍ましい笑みを浮かべた青白い肌の女神を見つけ出した。
「汝らにも祝福を、幸いを。愛しい仔らよ、生まれておいで」
 母なるクヴァリフは守へと細い腕を伸ばした。同時に眼球が取り囲むように飛び出し、触手はクヴァリフの方へと小さな守を飛ばしてしまおうと大きく振りかぶる。
 しかし守がそれを受け入れることはない。
「祝福、幸い……うーん、今のままでも十分足りてるからねえ」
 日々是幸い、不安や驚きがあってもそれもまたよいのかも、とあとから思えればいいのだ。ぴょんぴょんひょいっと飛び来る眼球を避けて、触手の強撃も潜り抜けて守は言う。
「それに、ぼくは桔梗ちゃんの手の中のが好きだよう」
 彼女の優しく繊細な手の中で、本体たる鏡がそっと支えられ、のぞき込んだ鮮やかな笑みを映し出すのが好きだったから。今出会えたならば、付喪神となった守のこともきっと桔梗は同じように抱きしめてくれるだろうから。
 捕まらないよう、とむんっと大きくなった守は女神の|腕《触手》を詠唱錬成刀剣ですぱりと切り落とし、ぶすりと刺して縫いとめてから通り過ぎ。
「だからご遠慮するねえ!」
 ととと、と駆け寄ったその先、女神の人の形の腕もくぐり抜け、大きく振りかぶった鏡のような刀身の剣ですぱりと切ってから触手を躱すべく飛び退いた。
「ああ、今は拒むか。けれども幸いを、祝福を。汝らに良き姿を見せようぞ」
 腕を引き寄せた女神は目を閉じる。ゆらりと彼女の周囲が歪み、新たな怪異が現れる予兆が見えた。
「今再び、君に|見《まみ》えよう。……いつもありがとう、此度もよろしく」
 伽羅は己の画廊に収めた作品の一つ、過日に妻の描いた肖像画を喚び出した。軽く頭を下げて挨拶すれば、絵よりもう一人の『伽羅』が現れる。視線だけでやり取り交わし、すぐに二振りのサーベルが触手を切り裂いた。
 目を閉じるクヴァリフの邪魔をするように、すぱりすぱりと触手を切り裂き女神を切る。傷は浅くとも瞑想は続かず、女神はやや苛立たしそうに伽羅を見た。
「煩わし……けれどそれもまた汝の選択であるならば。いっそうの、祝福を」
 ぶわりと触手の波が伽羅に寄る。咄嗟に離れた二人の伽羅のサーベルが届かなくなって十秒、現れたのは異形の仔。大きくのたうつ触手を優しく撫でてやり、クヴァリフはその手で伽羅を指し示す。
「なるほど、『愛情深き母』ではあるのだろうね」
 確かに巨大だ、そのまま倒すには難儀するだろう。眼球も触手も尽きずに迫るこの戦場ならなおさらに。クヴァリフ自身の抱擁もまた迫りくる。
 けれどここには伽羅だけではない。
「させないよう! 伽羅の旦那、今だよう」
 大きくなった守が眼球も触手も右の手のひらで受け止めた。ぽんと触れれば彼女の腕は力を失い、触手も眼球もふるりと力をなくして落ちていく。
 消えたそこをサーベルが銀を描く。呼び出された仔は二振りの息のあった演舞に切り裂かれ、何も無せずに消えていった。伽羅はその勢いのままクヴァリフへと迫る。
「——君は、自分の仔がこうして狩られてゆくのを見てなんとも思わないのか?」
 今までも仔を奪われたことがあっただろう。他に使われて利用されたこともあっただろうに。
 犠牲や淘汰すら組み込まれた上での多産ゆえに一匹一匹の命運などには関心がないのならば、それもまた生命の在り様だとしても、何か思わないのかと伽羅が問えば。
 母たる女神は優しく、けれど人にも狂人にも理解しようのない笑みを浮かべていた。
「全ては巡り、仔は満ちていく。世界はいずれ仔で埋まるかもしれない。そうならぬとしても、その一時を楽しむも一興。愛しい仔らの望みを見守るも、母の喜びよ。けれど幸いを望むがゆえに、どうか愛しい仔らとして生まれておいで、と言祝ごう」
 これはこの分体の言葉なのだろう。本体そのものがそう、願っているのかもわからない。
 確かにわかるのは、相容れないということだけだ。
「……君たちが養分とした人々にも皆、母たる誰かがいたはずなのだ」
 伽羅のサーベルがクヴァリフへと吸い込まれる。
「もちろん、俺にも。——そしてそれは、けっして君ではないのだよ」
 いつかの昔、伽羅の小さな体を受け止めた愛を思い出す。それは、異形の母の愛ではなかった。
 クヴァリフの抱擁はいらない。異形の愛も不要。ただ、退去を望み、伽羅はその腕を振り払った。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

雪月・らぴか
むむむ、わざわざ大学占拠して出産準備とか大胆なことするよね!王劍戦争のどさくさにまぎれて√EDENの侵略でもするのかな?ま、何企んでるか知らないけど、倒して追い出すだけだよ!

触手がどんだけ伸びるかわかんないし、迂闊に近づくもの危なそうだし、[霊雪心気らぴかれいき]飛ばして凍らせながら進むよ!

クヴァリフと触手の同時戦闘はやばそうだし、クヴァリフ見つけたらいきなり【霊雪叫襲ホーンテッドスコール】で触手だけでも倒しちゃおう!
残ったクヴァリフは攻撃が単調になんないように、れいき飛ばしと拳で殴ったりで間合いを変えながら攻撃するよ!
√能力でもう一体くるとやばいし、瞑想はじまったらめっちゃ殴って止めるよ!


 雪月・らぴか(霊術闘士らぴか・h00312)は触手の間を駆け抜けていた。
「むむむ、わざわざ大学占拠して出産準備とか大胆なことするよね!」
 迫ってくる触手を[霊雪心気らぴかれいき]を伸ばして払い除け、らぴかはクヴァリフの意図を考えてみる。
 「王劍戦争のどさくさにまぎれて√EDENの侵略でもするのかな? ま、何企んでるか知らないけど、倒して追い出すだけだよ!」
 この地はちゃんと√EDENの人類へと返してもらうのだ。纏う霊気もいっそう力強く、らぴかは近づかないようにしながら進む先の触手を凍りつかせていく。
 そうして群れの中を駆け抜けて、らぴかはクヴァリフを見つけ出した。
 女神が微笑み口を開くより早く、らぴかは杖を握って声を張り上げた。
「本日の天気はーっ」
 急に周囲の気温が下がっていく。空はいっそう暗くなり、吐く息が白くなる。冷たい暴風が吹いてきた。
「霊と雪が降ってぇ、風が強いでしょー!!」
 らぴかを中心に、暴風に乗って雪と霊が降り注ぐ。クヴァリフの周囲の触手が、周囲に浮いていた眼球が、存在を芯から凍てつかせる霊風雪によって凍りつき、砕けて小さな欠片になっていく。
「霊雪叫襲ホーンテッドスコール!」
 残るはクヴァリフ本体と、彼女自身の手足たるほんの僅かな触手のみ。
「ああ、母を拒むか。なれど汝にも新たな『仔』となるべく、祝福を。かつての『仔』を招こうぞ」
「させないよ!」
 らぴかは一気に距離を詰め、れいきを纏わせた拳を振り抜いて、瞑想に入ろうとするクヴァリフを殴り飛ばした。もう一体、新しい『仔』を呼び出されてはたまらない。手足替わりの触手をいなし、クヴァリフ本体を思い切り殴って彼女の集中を乱し続ける。
 この地からクヴァリフが退去するまで、その分体を倒すまで。ぐっと握った拳のキレは落ちることなく、れいきもふわりとピンクの輝きを増していくのだった。
🔵​🔵​🔵​ 大成功

神薙・ウツロ
一人死んだら、二十八体産まれる……ねぇ?
古事記にも書いてある伊邪那美と伊邪那岐のレスバ合戦でもあるまいに。
それにしても『二十八』っていうこの半端な数字、どんな縛り条件の――おっと。考え込むのは後だね!


●触手をかわし戦う
・護霊の玄武を召喚し、足元に落とし【玄武:陸仟弐佰壱式】発動
・友軍支援の為、効果圏内で持続的に触手の動作不全を強い続ける狙い

ここが仔を産む肚の中だっていうなら、こいつで陰気へゴリッと寄せてバランスを崩してやって……と。胎といえば満つる水、羊水。水気に湧いて出られちゃおちおち拒めやしないでしょ。
ハーイみんなー! うざったい触手はこっちでもある程度縛っとくからぶちかましてやってー!
御兎丸・絶兎
他のとこで何が起きてるかは――いまは知らない!
誰かがいっしょーけんめい戦ってる、それを信じて戦うだけだっ!
「どんだけだって倒してやる! オレさまが、さいきょームテキのゼットさまだっ!」

触手は攻撃しない! 【ジャンプ】と【ダッシュ】で掻い潜って、クヴァリフのとこに向かうぞ!
あ、ただ避けてるわけじゃないぞ! その動きで|加速《・・》してるんだ!
スピードを上げ続けながら、クヴァリフのところへ!
狙ってるのは、稲・妻・兎だ!
チャージがいる技だけど、クヴァリフのとこへ向かう中で始めちゃえば、見つけてすぐに発動できるからな!
引き寄せられるんなら、それもオレさまは利用する!
懐に飛び込んで、全力の連続攻撃だっ!
橋本・凌充郎
――――――余計なお世話も甚だしい。貴様等の祝福は、我等人間にとっての呪詛となんら変わりはない。新たな目覚め、穏やかな眠りと言えば聞こえはいいが。その実、人であることを捨て、安らかな死を迎える事への侮辱にほかならぬ。

――――――捨て置けん。赦されん。死は絶対であり、死は平等であり…そして、人を澱み、腐りへ沈めていく事はどこまでも度し難く、忌々しい。

―――――故に。殺す。

【クイックドロウ】からの【制圧射撃】により、迫り来る無数の眼球を弾丸を叩き込んでいき、女神の抱擁を【殺気】と共に【怪力】と【重量攻撃】で弾き飛ばす。【限界突破】した腕力で襲い来る触手は【切断】し、引きちぎり、女神への攻撃を集中させる。

―――――鏖殺連合が代表、橋本凌充郎である。

―――――ここに楽園はない。ここに命が芽吹くことは無い。安穏も、平穏も、静謐も、何もかもがここにはない。貴様がもたらすそれは、ただひたすらに人を深淵に引き摺り込む奈落の陥穽にほかならぬ。

―――――故に。鏖殺である。
凍雲・灰那
まーほっといたら絶対碌でも無い事になりそうだもんな。
さっさと片付けるが吉ってこった。

この蠢け触手の森を抜けるのはちょっとどころじゃなく面倒そうだが……
頑張るしかないだろうな。この悪趣味なアスレチックを。
ダッシュで駆け抜けつつ、絡み付こうとする触手は斬撃で斬り払うか焼却して排除。
なるべく上半身には絡み付かれないよう注意しつつクヴァリフの元に。
下半身は良いのかって?別に構わねェぜ。まァ拘束されないのが一番だが。
下半身を狙われたら、|伽藍胴《ウァクウス》で切り離し加速。勢いのままクヴァリフの懐に飛び込んで斬撃お見舞いしてやらァ。
その上で何処か絡まれたら其処を切り離して再攻撃だ。
どっちが化物なんだか。


「一人死んだら、二十八体産まれる……ねぇ? 古事記にも書いてある伊邪那美と伊邪那岐のレスバ合戦でもあるまいに」
 千人殺すなら千五百人産もうと言う神話の場面を軽薄に的確に現代風に置き換えながら、を思い浮かべ、神薙・ウツロ(護法異聞・h01438)は星詠みから聞いた話を検討していた。
 見通す『眼』で周囲を見れば、ひとの理解を拒むような、理解しては、もう「ひと」ではいられなくなるような気配が満ちている。
「それにしても『二十八』っていうこの半端な数字、どんな縛り条件の……それとも縛ることで難易度下げてる? 案外、このキャンパスっていう地の条件とかも組み合わさって……」
 それでも探究心が止まらないという風情で、一人考え込むウツロを追い越して行く影がある。
「ウツロ、先行くぞー! オレさまがぜーんぶ倒しちゃうからな!」
 御兎丸・絶兎(碧雷ジャックラビット・h00199)が、まさに稲妻のように飛び跳ねていく。
(他のとこで何が起きてるかは——いまは知らない!)
 他の戦場でも激しい戦いがあるだろう。怪我する人も、もしかしたら命を落とす人もいるのかもしれない。
(でも、誰かがいっしょーけんめい戦ってる、それを信じて戦うだけだっ!)
 そんな悲しいことが起きないように頑張る人がいるから、絶兎も迷うことなく真っ直ぐに進んでいくのだ。この戦場にも、平穏を連れてくるために。
「どんだけだって倒してやる! オレさまが、さいきょームテキのゼットさまだっ!」
 押し寄せる触手をぴょんと飛び越えて、うねる触手をダッシュでくぐり抜け、絶兎は前へ前へと跳ねていく。ひたすらひたすら、|加速《・・》しながら。
 橋本・凌充郎(鏖殺連合代表・h00303)も、立ち止まっていたウツロの隣を通り過ぎた。
「————余裕だな、神薙ウツロ。何、そのままそこで見ているがいい。お前が動く前に終わらせてやろう」
 銃を片手に言い捨てて、迫る触手は銃撃で薙ぎ払い。怪異の大本めがけ、鏖殺連合代表は一直線に進みゆく。
 もう一つ、ウツロを追い越す姿があった。
「まーほっといたら絶対碌でも無い事になりそうだもんな。さっさと片付けるが吉ってこった。じゃ、ウツロちゃん、俺も先行くわ」
 凍雲・灰那(Embers・h00159)は数打ち・無銘の鞘を払い、刀を手にして駆けていく。
「この蠢け触手の森を抜けるのはちょっとどころじゃなく面倒そうだが……ま、頑張るしかないだろうな」
 悪趣味なアスレチックめがけて地を蹴って、前から迫る触手をよく切れる刃で切り払い。腕に絡みつこうと伸びた触手を一つ睨んで炎で焼き尽くす。邪魔をするなら容赦はしない、邪魔をしなくても、灰那の道行きの邪魔であればそれは切り払い、燃やしてしまえ。
 彼女は上半身を重点的にかばいながら、触手を超えて走っていく。
「——おっと。考え込むのは後だね!」
 考察は後ですればいい、異様な術式は覚えられるところは覚えたのだから。ウツロもしなる触手を最小限の動きかわしつつ、仲間のあとを追いかけて、クヴァリフめがけて走っていく。

 四者四様、各々得手と狙いをもって触手の群れの奥へと進めば、そこに美しくも悍ましい存在は待っていた。
 青白い肌に薄絹のような衣を纏い、慈しみと狂気の笑みを浮かべ。細腕には、一人で産み落とした新たな仔をかき抱き。愛しさと悍ましさを眼球から、触手から、その唇から、存在全てから溢れさせる怪異の母、仔産みの女神クヴァリフが。
「ああ、汝らにも祝福を、幸いを。新たなる愛しい仔らよ」
 女神は抱いた仔をまた己に混ぜてゆく。ずるりと大きな触手が新たに生まれ、未知たる存在に昇華したそれは、愛し仔を迎え入れようと伸びて迫ってきた。浮かぶ眼球は惑わし追い込もうと、触手は女神の元へと弾き飛ばそうとしなり、女神自身の|腕《かいな》は抱きしめ、その内へと導こうと広げられる。更には、もともとキャンパスに満ちて蠢く触手が押し寄せてくるのだ。
 その中で、ウツロは護霊・|玄武《クロ》を呼び出し、わざと女神の足元に落とした。当てることなく落ちた|玄武《クロ》は、その場で滔々と水の|気《け》を湧き出している。
「ここが仔を産む肚の中だっていうなら、こいつで陰気へゴリッと寄せてバランスを崩してやって……と」
 女はもとより陰なれば、それに近しい形のクヴァリフもまた陰である。そして仔産みの肚であれば、そこに水は、羊水は満ちているものだ。ならばこそ、溢れだす水を拒むことなど出来はしまい。
「よしオッケー」
 ウツロの見立てのまま、紐付けられるまま、満ちたる水の|気《け》は触手の動きを鈍くする。この地はすでにウツロの治める水の場であり、その中心はウツロなのだから。
「ハーイみんなー! うざったい触手はこっちでもある程度縛っとくからぶちかましてやってー!」
「おー! さすがウツロ! よーしいっくぞー!」
 鈍くなった触手の中を増々速度を増しながら、走り飛んでいく絶兎は朗らかに笑う。
 とうに六十秒、ひたすらに跳ねて駆けて速度を増し続け準備もチャージも完了済み。今やその速度はまさに雷の如く、鈍った触手をいっそ足場にして、引き寄せの大きな触手へと飛んでいき。
「オレさまのとっておき! 必殺・連続・アライズ・アップ!」
 思うまま、願うまま、碧い雷が|奔《はし》り翻る。引き寄せられるままに女神の側へと加速した絶兎の手からナイフが現れ突き刺さる。流れるように短槍が間近の腕を突き刺した。マジックハンドが雷纏って拳で殴り、シルフィードが覆う足が蹴りを入れて再び距離を取る。
「めちゃ速めちゃ強レンゲキ、どーだ!」
「いいじゃん、絶兎君」
「すごいぞ絶兎」
「よい連撃だ」
「だろー!」
 後でちょっと痛いかもしれないけれど、今はまだ大丈夫。負った傷に顔をしかめたクヴァリフに、仲間の声に絶兎はふふんと胸張って、もう一度加速をするため走り出した。
 それをカバーするように、灰那もまた駆け込んでいく。ひたすらに押し寄せる触手を切っては払い、焼いては塵にして、真っ直ぐにクヴァリフめがけて、走っていく。
 けれど上半身を重点的に守ったためか、その足首に触手が絡みつく。そのまま押しつぶしながら女神の元へと引き寄せるそれに、灰那は刀を振るうこともなく。
「き、ひ」
 ただ口の端を釣り上げ、笑った。
「きひゃはははははッ!!!!」
 哄笑と共に吹き出るは、焔。全て凍りつかせ砕く極地の冷気、アフーム=ザーのその余燼、そのものである。 縛られた足首が引きずられる勢いすら推進力に利用して、灰那は上半身だけで飛んでいく。勢い増すまま断面より焔を吹き上げて、クヴァリフに迫り、通り過ぎざまにその身を刀で切り裂いた。引き止めようと触手が腕を捉えたならば、そこも切り離して吹き出た焔で周囲の触手ごと凍らせ、砕き、全て薙ぎ払う。
「ひゃはははは! 燃えろ凍れ、全て全て全てぇ!」
「すごいな、灰那!」
「うーん、楽しそうだねぇ」
 上半身だけで笑う灰那はまさに人間災厄らしいのだろう。新たに向かってくる触手を炎と焔で消し飛ばすその姿に、絶兎とウツロもなんとなく笑い。
「——全く。どちらが化物だ」
 凌充郎は少しだけ、嘆息した。
 そんな彼にも触手は迫る、動きが鈍ったとはいえ強大な怪異の勢いが全て落ちるということもなく。
 無数の眼球が彼の動きを狭めようと寄ってくる。触手が巻き付きねじり上げ、女神の元へと押しやろうと迫ってくる。
 そして女神は、クヴァリフは、彼を抱きしめようと腕を広げているのだ。
「愛しい仔へと生まれるとよい。その眠りは甘やかに、安らかに。母の腕で眠るうち、新たな生を得るだろう。そこに苦しみはなく、悲しみもなく、痛むこともない。ただ幸いあるのみ」
 慈愛に満ちた、けれど背筋を震わせ、目を背けて耳を塞ぎたくなるような声が凌充郎を招く。ただその身を委ね、眠るといいと謳う。
「———————余計なお世話も甚だしい」
 けれど、凌充郎が揺るぐことなどありえない。
 女神の謳う祝福とは、女神とその仔らのもの、怪異のもの。それが人にも当てはまるかといえば、全く以て否である。
 迫りくる眼球を、抜き撃ちの故絶やしの拳銃から飛び出した銃弾が撃ち落とす。迫るも退くも残さずに、皆々全て撃ち落とす。残さず余さず、皆全て。
「貴様等の祝福は、我等人間にとっての呪詛となんら変わりはない。新たな目覚め、穏やかな眠りと言えば聞こえはいいが。その実、人であることを捨て、安らかな死を迎える事への侮辱にほかならぬ」
 それはあまりも残酷で、救いがなくて。優しい祝福などではない、慈愛に満ちた幸いなどではないのだから。ただ、姿形を変えて腐らせていくだけなのだから。
 伸ばされた腕は殺気を込めて払いのける。その細腕から想像できない膂力であろうとも、それを超える力を込めた腕が払い落とす。決して受け入れることなどない。
「———————捨て置けん。赦されん。死は絶対であり、死は平等であり……そして、人を澱み、腐りへ沈めていく事はどこまでも度し難く、忌々しい」
 この世界はすでに腐りで満ち満ちているのに、さらにそれを増やそうなど許し難い、許せない。
 女神の元へと弾き飛ばそうとする触手を故殺しの回転ノコギリが切り裂き、引きちぎり、肉塊に変えて地に落とした。
「——————故に。殺す」
 間近に迫った女神にバケツの奥より目を据えて、静かに、しかし地の果てまでも通る声で以て、凌充郎は名乗りを上げる。
「——————鏖殺連合が代表、橋本凌充郎である」
 朗々と地の底より深くから響くかのような声で。
「——————ここに楽園はない。ここに命が芽吹くことは無い。安穏も、平穏も、静謐も、何もかもがここにはない。貴様がもたらすそれは、ただひたすらに人を深淵に引き摺り込む奈落の陥穽にほかならぬ」
 溢れて溺れさせるほどの殺意を込めて。
「——————故に。鏖殺である」
 増し増した膂力が、引き抜いた果殺しの葬刃を振り下ろす。
 女神の形も肉も、祈りも言祝も、皆殺す。その存在を、腐りを、全て全て殺し尽くす。その意志を以て振り下ろされた刃は、目の前の女神を確かに切り裂いた。
 死に損なうことなど許さない、全て殺して潰して砕こう。たとえ一度で終わらないとしても、終えるまで繰り返せばいいのだから。
 背中など気にすることもない、気のおけない仲間がそこにがいる。頼まずとも手を貸してくれるような彼らがそこにいる。

 女神を退去させ、その身を完全に砕ききるまで、皆それぞれに戦うのだから。
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​ 大成功

挿絵申請あり!

挿絵申請がありました! 承認/却下を選んでください。

挿絵イラスト