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ドローの特訓から始まるヒーロー劇場
●√マスクドヒーロー
『フィルルルル……フィルルルル……』
秘密結社『プラグマ』の大首領に忠誠を誓う「悪の組織」の怪人は、ひとり薄暗い部屋で映画を見ていた。
『オレの力。上映銃シネマグナムに相応しきムービーフィルム。これを創造するには、熱い情熱パワーが必要』
彼の名前はフィルム・アクセプター『シネマプラグマ』。
映画の力を持った悪の怪人である。
『力を得るための参考として見ていたが……素晴らしいぞ!』
そして彼が今見ていた映画は……カードバトルで世界を救うようなアニメであった。
『熱き闘い。逆転につぐ逆転。そして……奇跡のドロー!!これだ!!』
カードバトルにおいてなんやかんや必要となったのは、最終的にドロー力!
シネマプラグマはそう結論づいていた。
『そうだ!最も熱き、ドロー力を誇るもの!それを、攫い、オレの映画の材料としてやろう!』
シネマプラグマはカード型のムービーフィルムを、己の銃、上映銃シネマグナムにセットするとガチャコン!
空に向かって放つと、そこにはムービーフィルムに封じられていた彼の配下が召喚される。
『そうと決まれば、こい!配下ども!強いドロー力を持つものたちを、攫ってくるのだ!』
『イーじゃーん!』
●ゾディアックサイン
「少年少女諸君。ドローの特訓をしようじゃないか」
アーマリア・アマクサ(人間災厄「カタリナカタリ」お姉さん・h01673)が唐突にそんな事を言ってきた。
説明しよう!
皆さん当然ご存知かと思うが√マスクド・ヒーローでは今絶賛大流行中のカードゲームが存在する。
そんなカードゲームを利用する悪の組織の怪人が現れようというのである。
「彼の名前はフィルム・アクセプター『シネマプラグマ』。映画の能力を持っているようだね」
自身の力を強化するために、ドロー力を持った子供を攫い、武装化するつもりのようだ。
どういった理屈なのかは分からないが実際に予知されているのでそうなってしまう。
「放っておけば、一般人のカードゲームの強い子供たちが攫われてしまう……そこで、お姉さんは考えたのさ」
子供たちよりも、ドロー力を鍛え上げれば、シネマプラグマの配下は√能力者の元へ来るのではないか。
彼らはどういった理屈かは分からないが、なんかドロー力の強い人の元へやってくるのだ。
よって、ドロー力を鍛え上げておけば、勝手に敵がこちらに来るのである。
「敵が来たら、君達を攫ってムービーフィルムにしようとしてくるから、撃退して欲しい」
周囲は暴れても大丈夫な場所で修行してもらうことになる。
好きに戦って欲しい。
ある程度撃退に成功すれば、シネマプラグマ本人もやってくる。
「シネマプラグマも当然君達を狙ってくるから、逆に反撃して倒してくれたまえ」
召喚された配下などは本体であるシネマプラグマを倒せば全て消える。
全力で倒して欲しい。
「カードゲームを悪用するなんていけすかないね。少年少女諸君。君達ならやれるだろう。頑張ってくれたまえ」
さあドローの修行をしないと!
これまでのお話
第1章 日常 『ドローの練習』

●
「ほうほう。ドロー力を鍛えるためにドローの修行な……ってなんやねんそれ!?」
片町・真澄(爆音むらさき・h01324)は表情を変える事なく、星詠みからの依頼にノリツッコミしていた。
「え、と……どろーの、練習なの?」
ゾフィー・ゾルガー(月下に潜む・h07620)も同じく殆ど表情を変えることなくコトン、と首を傾げる。
ついでに自身に良く似たアンティークビスクドールも一緒にコテン、していた。
今回の依頼は、√マスクドヒーロー。
何故かこの世界の怪人のひとりが、ドロー力の強い子供を攫うことで己の武装をパワーアップさせようと画策したのだ。
それを阻止するには、√能力者がドロー力を鍛えあげ、囮になるしかないのである!
「せやから、ドロー力ってなんやねん!」
真澄がスパンと裏手ツッコミを空に打つ。
「カード、いっぱい、ある、ね?」
ゾフィーは修行用に星詠みが用意していたカードの束をめくっていく。
しっかり修行できるように1000枚以上ありそうであった。
しかしこれも全てはいたいけな少年少女たちを守るため。
一般人に被害が出ないようにするための影ながらの努力のための支援なのだ。
「せやな。子供の未来を守るためや。いっちょ人肌脱いでやろか!」
「う、ん。ワタシも、がんばる、ね」
そして二人は『ドローの練習』を始めるのであった。
「……って、なんで滝行やねーん!!!ドロー!!!」
真澄は水着に着替えると、滝に打たれながらカードをドロー!!
「人肌脱ぐってこういうことやないやろ!ドロー!!」
心の迷いを打ち払うため、大量の水を被りながら、ドロー!!
カードで水を切るつもりで、激しくドロー!!
身体を動かさないでいるとガチで体温が奪われてしまうのでとにかくドロー!!
意識があることを示すためにもドローの掛け声も毎回しっかりはっきりドロー!!
「ドロー!!!」
真澄は滝行ドローをこなしていくのであった。
「……ど、どろー」
ゾフィーはと言えば、心眼ドローの特訓をしていた。
どういうことかと言えば、目隠しをした状態で、カードをドローするのである。
意味があるのかどうか分からない。
だが、少なくともドロー!とやって手を伸ばすたびに、アンティークビスクドールがすっとカードの束を動かしていた。
「ど、どろー」
慣れない動きにぎこちなくなりながらもゾフィーは着実にドロー力をなんか呪いとか含めて鍛えるのであった。
●
「はあ。かーどげーむ、ですか?」
モラレル・ラウランコ(ら抜き狩り・h08148)は依頼内容を聞いてなんだそりゃと言うような声を出す。
「人間界の遊戯には詳しくありませんが、やれと仰るなら従うまでです」
人間災厄「言堕魔」としては、カードゲームなど特に興味がなかったが、それはそれ。
依頼で必要と言う事ならばやってやらないことはない。
「まずはゲームの基本ルールを覚えるところから始めましょう」
そして余り読まれる事のないルールブックを手に取り、熟読していく。
「ドロー力とは何ぞや、という疑問もあるのですが、まずは基礎を学びませんと……」
ひとまずルールブックの手順に従って山札から1枚ドロー。
引いたカードに書かれた効果を読み上げる。
「……なになに、『このカードを使うと、相手の手札を一枚見れる』……?」
ポン、ポン、ポン、チーン!
「『見れる』ではなくて『見られる』でしょう!!」
ババーン!と突如激しく声を荒げるモラレル。
そうモラレル。彼女は「ら抜き言葉」を撲滅する強い意思を持つ悪魔の災厄なのである!
「……は、いけません、危うくお借りしたカードを握りつぶすところでした」
握り潰しはしなかったが盤面に叩きつけてしまってはいた。
「こんな所にもら抜き言葉……人間界の言葉の乱れは嘆かわしいものです」
ら抜き言葉。
こんなものがどんどん流行って流行って、らを抜くのがいつの間にか当たり前になってしまったら?
もしもら抜きが標準になった場合、己の名前は大変なことになってしまうのではないか?
そう気づいたモラレルにとって、ら抜き言葉は許されない事なのだ。
「き、気を取り直してもう一枚ドローです……『このモンスターはバトルに出れない』!?」
ババーン!!
「『出られない」」じゃないんですか!!」
思わず再びカードを盤面に叩きつけて召喚してしまうモラレル。
余りの激しさに肩で息をしてしまう。
「こ、こんな乱れた言葉が印刷されたカードを子供たちに売るだなんて、恥ずかしくないんですかっ!?」
うわーっ!と頭に手を置きながら仰け反り、日本語の乱れを嘆くモラレル。
カードゲームの文章は、独自言語と言われる程に難解なのだ!
「はあ、はあ……カードを焼き払いたくなる衝動を抑えるのに苦労します」
それでも一度引き受けた仕事だからとドローするモラレル。
「はぁ!?『対象にとれない』ではなく『対象にとられない』でしょう!!」
ババーン!!
「はぁ、はぁ、こ、こんな苦行をあと何十枚ぶん繰り返せば良いのでしょう……否が応でもドロー力が鍛えられそうです……」
なおここにはドロー練習用に1000枚程度のカードが用意されているのであった。
●
「ドロー?ドローじゃと?」
中村・無砂糖(自称仙人・h05327)はカードを前に細くて見えない目に光を灯す。
「それはまさに!!デュエル(決闘)のお決まりのアレじゃ!」
無砂糖の魂に眠るデュエリストの血が沸騰する!
「それを聞いてはボサッとはしておられん!『仙術、超仙人モード』じゃ!」
無砂糖は超スーパー仙人モード3に変身!!!
気を高めてパワーと跳躍力と賢さと勇気とケツ(決)意を2倍にすると、決気刀を尻に挟み込み、走り出す!
いやなんで決気刀を挟んだ!?
「子供を攫おうとする悪い大人は仙人のこのわしのデュエル(決闘)で仕留めてやるのじゃー!」
なお、決気刀を掴んでいるので、当然バックステップ。
後ろに向かって前進だ!
やたらと早い速度でランニングしながら、ひたすら己のMyカードデッキからゲームカードをドロー!!
「運命のドロー力を高めようぞ!ドロー!!」
気力とか運命力とかなんかそういうものが光輝きながら、カードをドローする!
よくわかんないけど多分ドロー力は鍛えあげられていっている気がしなくもない気がする!
「子供を攫おうとする悪い大人は仙人のこのわしのデュエル(決闘)で仕留めてやるのじゃー!」
やる気満々の無砂糖のドローの練習を行うのであった。
なお、ドローし過ぎてもカード自体は傷つかないようにカードは全部しっかりスリーブに収めてあった。
ちゃんとカードも大切にするデュエリストなのであった。
●
「あー、ドロー力でゴザルかぁー」
ムーナイン・フワ(お嬢様のお世話係・h01413)は依頼の内容を聞くとだらしない感じの声のままに言葉を発する。
「分かる分かるー。こう言うのはねぇ、波砕け散る海辺とかでひたすらドローしてたら上がるものなのでゴザル」
どうやらムーナインもフィルム・アクセプター『シネマプラグマ』の見ていたようなカードバトルで世界を救うようなアニメを知っていたらしい。
妙にテンションを上げて語り始める。
「拙者は詳しいんだ!」
ドロー力が低い内はせっかく組んだデッキが回らず、フィニッシャーがダブったりデッキ圧縮の為に入れたドローソースを使ったらまた同じカードが来てイラッとしたりするのでゴザルよ、知らんけど。
因みにデレ期とツン期もあるぞ!
「後はやっぱり基礎筋力も重要でゴザルよね」
ドロー筋を鍛えて淀みなくカードを扱えるようにしなければならぬでゴザルと語るムーナイン。
やはり筋力。
全て筋力が解決する。
デュエルマッスルはドロー力にも通ずるのだ!
「そこでこのドロー力増強ギプス。生半可なドロー力ではデッキに触れる事も出来ない負荷で追い込むでゴザルよぉ!」
これを装備してドローの練習をすれば、例え左腕になんか重い機械を装備したままでも長時間の決闘にも耐えられるはず!
ただひとつ問題があるとすれば……それは、これを装着したムーナインはそもそもデッキに触れられないのである!
「んーーっ!!ど、どろー、したいでゴザルぅ!!」
めっちゃびきびきしながらドローの動作を頑張るムーナイン。
なんとか力を込めて1ドローに成功する。
「シネマプラグマ、早く拙者を攫いにいらっしゃーい!」
彼女のドローの修行はまだまだ続きそうであった。
●
「カードを悪用しようとするのならば、許すわけにはいきませんね!」
己もまた、カードによって戦う力を持つアクセロナイズ・コードアンサー(変身する決闘戦士・h05153)。
カードを用いて悪行を成そうとしている怪人がいるのならばと依頼に参加して来てくれた。
「そしてドローの力はカードゲーマ―の骨子! 自分も邁進せねば!」
ということで滝に打たれながら一万回のドロー修行である!
何故か?それは今回の敵が、ドロー力の強い人を攫って|武装《カード》に変えてしまおうとしているからである。
普通にドロー力の強い少年少女たちが狙われてしまう前に、√能力者がドローの練習をしてドロー力を鍛え上げる事で未然に事件を防ぐのだ。
「吹っ飛び耐性を得ているのでどれだけ大きな滝、強い水流でもへっちゃらです!ドロー!!」
そんな訳でアクセロナイズは滝に打たれながら渾身のドロー!!
しかしドローは1日にしてならず!
ドロー力を鍛えるためにアクセロナイズはひたすらにドローを繰り返す。
「ドロー!!ドロー!!ドロー!!」
無心の領域でカードに感謝し、瞑目し、引く。
唯々、これを、繰り返す。
「ドローっ!!……ドローっ!!……ドローっ!!」
大量の水を被りながらもアクセロナイズは滝行ドローを止めることはない。
例え、流木が落ちてこようがカードをドロー! 落石が降ろうがカードをドロー!
何時しか、日が沈み、そして再び昇り始めるまで修行は続いていた。
「自分では日が沈んでギリ一万回終われる程度ですが、まだまだ上はいますからね。常に向上心を持たなければ」
アクセロナイズのドローへの、カードへの拘りはものすごいものであった。
「え、カードを水に浸けても大丈夫かって? まさか、当然素振りですよ。湿気は大敵ですから、ええ!」
●
「カードゲームは√EDENでも人気ですよ。携帯怪獣的なやつとか」
大海原・藍生(リメンバーミー・h02520)もまた11歳の少年らしく、カードゲームを嗜んでいるらしい。
「ドロー力はデュエリストの戦闘力って聞いたことありますが、そういう子供を攫うのがあちらの趣旨ならこちらだってその気なのです!」
√の違う世界ではあるが、同じカードゲームを愛するものとして藍生は事件解決のために行動する。
具体的には……まずはカードの準備からだ!
「ドロー力を鍛えるためにも、まずはカードを描きますよ!」
未熟な絵筆と自覚しつつも夢のため。
将来TCGで描くような神絵師になれたらいいなと思いつつ、ドロー練習のために己でカードの絵を描いて作る。
「いつかはこういうカードを自作したいな」
ふつふつと己の中の何かを。形容しがたいが、まあ中二くらいになるとなんか発病するようなそんなノリで藍生は己の世界を具現化していく!
「いい感じのカードが来るか願いつつ……ドロー!!の、イメトレ!!」
祈りや幸運を信じて元気にドロー!!
そんな姿を思い浮かべながら藍生はカードを描くのであった。
「実戦だと便利なカードで組めたりしないとですよね?「見切り」で要るカードかどうか見極めようと」
だが、今回の戦う相手は映画の力を具現化する敵だ。
果たして実践的なものだけが強いのかどうか。それはまた別の話だろう。
藍生はカードを確認しながら、作りながら、ドロー力を鍛えるのであった。
●
「TCGにおけるドロー力はとても重要な要素ではあるけれど、その力を補助するデッキ構築も大切よねってことで!」
見た目は子供だが、実年齢はしっかり成人女性の一ノ宮・和沙(あさきゆめみし人の災・h08153)。
彼女は生粋のカードゲーマーだったらしく、カードゲームを使って悪事を行う事件と聞いてやってきてくれた。
「自前の!キャントリップをふんだんに盛り込んだ古のゼロックス理論で殴り込みですっ!」
よくわかんないかもしれないが、ようはあれである。
ドローするカードを一杯いれれば、デッキ構築段階で、デッキ比率のセオリーは無視できると言っているのだ。
そうつまり、ドロー力が試されるデッキなのである!!!
「一回の対戦で相手よりも多くドローすることで必然的にドロー力も高まるというもの……!」
ドローは脳内アドレナリンがやばいことになっちゃうからね。
仕方ないね。
「ドロー力特訓とはいえ、やっぱり対戦しつつの方が楽しいし実戦的よねってことで出来れば誰かと対戦したりできると嬉しい……けど流石に都合よくはいなかったわね」
ふふふ……。
なんか多分ね、今参加のメンバーはこう、カードの年代というかジャンルが違うんじゃないかなぁとか思うんだ。
お姉さんが参加できたらやったのだけどね、まあ仕方ないね。
あとドロー力の特訓だから、1人だけ鍛えるようになったらあんまり意味はないからね。
「仕方ないからここは一人回しでドロー力特訓よ!」
実践を想定し、カードの効果で追加ドローを繰り返していく。
これもまた、ドロー力を鍛えることができるはずだ!たぶん!
「通します通します通りませんドロー!」
仮想敵を脳内で組み上げながら、和沙はドロ―加速してデッキを回していく。
きっとこの特訓を終えたころ、彼女の右手は光ったり光らなかったりするかもしれない。
「ところで、ドロー力は当然ドローちからって読むのよね?」
地域差があります。
●
「今回の事象は、とても興味深いからね。調査のついでだ、手伝うよ」
御子神・充(蕃神の観察者・h07801)はそう言って依頼に参加してくれた。
汎神解剖機関の研究者である彼は、√マスクドヒーローの怪人の能力についても興味をそそられたらしい。
何しろ映画にまつわる事柄を戦闘に転用するのだ。
今回はドロー力である。
中々、他では考えずらい現象が起きていると言えるだろう。
「とは言っても、たいした事はできないかな。愚直にドロー力?というのを鍛えてみるか」
兎にも角にもその異能の力を実際に見るには敵を誘い出さなくてはいけない。
相手の狙いは、ドロー力の高い人間を攫って武装にしてしまおうというものだ。
ここは、充自身がドローの特訓を行い、高まったドロー力を探知した敵をおびき寄せるのが一番だ。
「よし……ドロー!!お、このカード、かわいいな。もしかして娘もやってたりしないかな」
充は気合を込めてドロー!
そしてチラリと見たカードのイラストが女児向けであったことから溺愛する娘を連想しにへらと脱力する。
「ああ、いけないね。ドローの特訓中だった。それじゃ改めて、ドロー!!……お、このカードもかわいいな。貰って行っていい?ダメかぁ」
マイペースな感じながらもドローの特訓は進むのであった。
●
「ドローの特訓、ですか」
涙壺の付喪神、ルイ・ラクリマトイオ(涙壺の付喪神・h05291)は事件の内容を聞いて興味深げな様子を見せる。
今回の事件は、ドロー力の高い子供を攫おうとしている怪人がいるというものだ。
敵がどういう理屈か分からないが、なんかドロー力の高い人を探知できるらしい。
ここはその探知能力を逆手にとって、人気のいない暴れても大丈夫な場所でドローの特訓をすることで、ドロー力を高ぶらせ、敵を誘い出すのである。
「こういったことはやったことがないのですが、これも経験でしょう」
付喪神であるが、ヒトの身を得てからの年数が浅いルイは色々なことに興味津々だ。
今回のドローの特訓と言うのもやってみようと積極的に協力してくれることになった。
何より彼は誰かの力になりたい、という思いも強い。
子供たちの身を守るために行動することに迷いはなかった。
「滝に打たれながらのドローですか。これは確かにやったことがありませんね」
ルイの選んだ修行方法は滝行ドロー!
濡れてもよい服に着替えると冷たい水を一身に浴びながら、精神を統一し……ドロー!!
「ドロー!!……ふむ。これは身が引き締まる思いです」
綺麗な所作で水を切るようにドロー!
ただその動作を繰り返すだけだが、それ故に心に磨きが掛かり、己を研磨していける。
ルイは滝行ドローの奥深さを感じ取ったのであった。
「これもまた修行……ドロー!!」
こうして確実にこの場のドロー力は高まっていくのであった。
●心眼ドロー!
今回の事件は、√マスクドヒーローの怪人が「ドロー力の高い人間」を攫うと言うものである。
何もしないと、カードゲーマーの子供が怪人に攫われ、武装の材料にされてしまうのだ。
これを防ぐためには、ドローの特訓をすることで、この場のドロー力を強化!!
敵が「ドロー力の高い人の多い場所」を探知し、やってくるのを逆手にとり、一般人の誰もいないこの場所に誘い出そうというのだ。
「あらぁ、こういうのならおばあちゃんも得意なのよ?」
ユッカ・アーエージュ(レディ・ヒッコリー・h00092)もこの作戦に協力しようとおっとりした口調のままに少し自慢げな態度で微笑む。
長命種エルフの彼女は時に色々な経験をしてきたようだ。
そう、例えばカードを使った占星術だとか。
「何が出来るか分からないけど、おばあちゃんもお手伝いするわねぇ」
ユッカはカードの束を机の上に広げると、目を瞑ったまま両手でぐるぐるとかき混ぜるようにしてシャッフルする。
「ドロー力って言うのはおばあちゃんにはよくわからないけれど、でも、はっきりしていることはあるわ」
そしてまとめあげ整えてから、するりと1枚のカードを選ぶ。
「カードをめくる時、『ときめき』や『わくわく』があるわよね」
そうして楽し気にユッカはドローの特訓に参加するのであった。
●
「ごきげんよう!私はレナ・マイヤー。√ウォーゾーンの学徒動員兵です」
レナ・マイヤー(設計された子供・h00030)は友好的な笑みを浮かべながらこの依頼に参加しに来てくれた。
「レギオン達と一緒に、任務をお手伝いさせて頂きます。精一杯、がんばりますね!」
学徒動員兵 × ジェネラルレギオンのレナは超小型ドローン群「レギオン」を支配下に置いている。
小型だが、多数を発揮できるレギオンは彼女の力である。
「とはいっても、私自身はそんなにできることがなくて……だいたいのことは、レギオン頼りになっちゃうんですよね」
レナは少しだけ視線を下げて申告する。
しかしすぐに、レギオンを浮かばせながら顔を上げる。
「逆に言えば、レギオンができることはだいたいなんとかできます!偵察とか、情報収集とか、失せ物探しとか……そんな感じで、レギオンが役に立つ状況なら、私達にお任せください!」
自信満々に、共に浮かぶレギオンも支持するように浮かびながら、レナは言う。
「どんなことをしたらいいでしょうか!?」
そして説明される事件の内容。
「……え、と。ドローの、練習?」
今回の依頼は、カードを己の力にする√マスクドヒーローの怪人が起こす事件!
ドロー力の高い子供を攫って、カードにしようとしている怪人と止めるため、ドロー力を鍛える必要があるのだ!!
「ど、ドロー!!」
どういう理屈か分からないが、怪人たちがドロー力の高い人を探知できるらしいので、一般の子供よりもドロー力を高めるために、レナはドローの特訓をする!
「ど、ドロー!!」
レギオンたちが用意してあったカードの束をいそいそとレナの手元に持ってきて引きやすい位置に置いてくれる。
それをレナはひたすら、気合を込めてドローする。
「ドロー!!」
これも全ては√マスクドヒーローの子供たちのため。
レナはひたすら、ドローを繰り返すのであった。
「ドロー!!」
●
「ドローの特訓だと!?」
プレジデント・クロノス(PR会社オリュンポスの最高経営責任者・h01907)は気付いたらなんか周りがドロードロー言っているこんな場所にやってきてしまっていた。
エンターテイメント系大企業、PR会社『オリュンポス』のCEO。
彼は本来ならば重要顧客との取引や会議が待っているはずだったのだが……。
「成程な。我がオリュンポスも遂にカードゲームの波に乗る時が来たようだな」
ここで盛大に己の会社でカードを売り出すための事前研究とかそういうものだと勝手に勘違いした!
「しかし安易な参入は身を亡ぼす……成程な、絵柄やカードのルールではなく、まずはカードの質感から調査か!やるではないか!」
1000枚とかの単位で用意されたカードの束を見て、プレジデントはそう結論付ける。
同じカードと言っても千差万別。
内容が違うだけではなく、カード1枚1枚の大きさ、厚み、紙の種類。
デッキにした際には何枚くらいがよいのか。
カードをドローする際はどういった向き、ドローの仕方がよいのか。
深く探るべきところは多数あるのである。
「それを知るには、やはり数!ドローを繰り返すことでこそ、見える世界がある!」
プレジデントは勝手に何か真理っぽいものに辿り着いていた。
「ならばCEOたる私が率先してカードに触れなくてはならないだろう!いくぞ!ドローぉぉぉ!!!」
そしてプレジデントは滝行ドローに率先して参加してくれるのであった。
第2章 集団戦 『クマぐるみ怪人』

●第二章 集団戦 『クマぐるみ怪人』
『くっまま、くままー。ドロー力の強い人間の反応をキャッチしたくまー!』
『シネマプラグマ様のために、攫ってくるくまー!』
どこからともなくやってきたのは、ファンシーなくまのぬいぐるみの姿をした怪人『クマぐるみ怪人』 であった!!
可愛さに全振りなこのクマさんは、戦闘能力は低いが、とにかく可愛い!!!!
その√能力によって「ドロー力の強い子供」を攫おうと意気揚々とやってきたのである!!!
『くっまま、くままー。ドロー力の強い人間と言えば、大体は子供だと相場は決まっているくまー』
『子供たちならくまーたちでも余裕で攫っていけるくまー』
『大丈夫くま。カードゲーマーはカードで負けたら何でも言う事を聞くくま』
『くっまま、くままー。くまーたちの力、見せてやるくま!』
しかし彼らはまだ知らなかった。
この場は、このクマぐるみ達を誘い出すために用意した場所!
攫うべき子供たちなど存在しない!
依頼参加者たちがドローの特訓をすることで、局所的にドロー力を高めていたのである!
ここなら周囲の被害を気にする事はない!
人を攫う悪の怪人を凝らしめてやってほしい!
なお、彼らの上位存在であるボスのシネマプラグマが倒されれば、くまぐるみは同時に消滅するので生き残らせたりする必要はない。
逆に言えば、ここで無理して倒す必要もない。
いい感じに倒すのだ!
※クマぐるみ怪人は可愛さ全振りで戦闘能力は低めです。あとノリがいいです。
※普通に戦っても大丈夫ですが、なんか高まったドロー力を上手く使うと何故か戦いが有利になるような気がします。
Q:ドロー力を上手く使うって?
A:ああ!!
●
「見せてあげるよ!ウチのヒーローデッキ【闘志戦隊ファンダーズ】を!」
黄羽・瑠美奈(メイドイエロー・h05439)はメイド服姿のままどこからともなくカードデッキを取り出すと構える。
『くっままくままー!お前がドロー力の強いカードゲーマーくま?一緒に来て貰うくま!』
クマぐるみ怪人は瑠美奈のことを、なんか普通にカードの強い一般人だと思って勝負に応じていた。
実際、瑠美奈は√能力者ではなくankerである。
「ウチをナンパしたいなら、相応な態度を示してよね!?」
『カードゲーマーは、カードで負けたら言う事を聞くと、シネマプラグマ様の元で学んだくま!』
そして始まる謎のカードゲーム対決!因みにカードで負けたら言う事を聞くとか言うのは、特に能力とか使っていないのでただ、クマぐるみ怪人が言っているだけである。
シネマプラグマと一緒に見たカードゲームアニメの映画の設定だろう。
「デュエルだよ☆」
『デュエルくま!』
ここで、クマぐるみ怪人は√能力、カワイイ悪巧み会議を発動!
先陣を切るこの依頼で【カワイイ仕草】と共に登場したことで、その能力が3倍に膨れ上がる!!!
『くっまま、くまま!全ての能力と技能が3倍になったくまーは無敵!この勝負、貰ったくまー!!』
可愛い顔のまま悪い表情を浮かべるクマぐるみ怪人。
やはりこのクマも悪い怪人なのだ!
「ウチは、負けない!!」
だが瑠美奈も決して負けるつもりはない。
闘志戦隊ファンダーズの一員として、例えどんな逆境でもくじけることなどなく戦い続けるのだ!
そして……。
『ま、負けたくま……!!???』
「あれ?なんか弱い……?」
瑠美奈の圧勝。
クマぐるみ怪人は惨敗であった。
例え、能力が全て3倍になろうとも、雑魚は雑魚!!!
現役中学生の瑠美奈に勝てるはずがなかったのだ!
『くまーっ!?そんなバカなくまーっ!?』
「うーん、とりあえずこれで終わりだよ!光線銃『ウイングシューター』」
『くまーっ!?』
カードゲームに負けてショックで隙だらけになっているクマぐるみ怪人に瑠美奈は武器を構えると発射。
無防備なクマぐるみ怪人にクリティカルヒットし、撃破するのであった。
●
『くっまま、くまま!子供を攫ってシネマプラグマ様にほめて貰うクマー!』
クマぐるみ怪人はカードゲームのドロー力の強い子供を攫って武装にしようとしていた。
正確にはドロー力の高い人を探り当てる力でやってきたのだが、まあ彼らの常識の中では、ドロー力の高いのは子供だと相場は決まっているらしいのだ。
『くまま!発見くま!ここはドロー力の高い人が多いと分かってるクマ!さあ、デュエルで勝ったら一緒にきてもらぐまぁぁぁ!!?!?』
「子供を攫おうとする怪人は許さない!!」
クマぐるみ怪人はそうして見かけた少女にカードゲームの勝負を挑もうとして……。
リリンドラ・ガルガレルドヴァリス(ドラゴンプロトコルの屠竜戦乙女《ドラゴンヴァルキリー》・h03436)に物理でぶっとばされていた。
『ぐまま!?こ、ここにはドロー力の高い子供がいるはずではなかったのかくま!?』
クマぐるみ怪人が驚くのも無理はない。
怪人たちの野望を察知した星詠みによって、|事前に《一章で》ドロー力の特訓をし、一般人のいない、戦闘に適した場所におびき寄せていたのだ。
完全に一般人を攫うだけだと油断していたクマぐるみ怪人に、そんなもん知るかと√能力者の一撃がクリーンヒットする。
「カードとかドローとか分からないけど、子供を攫おうとする悪を砕くのがわたしの正義!!」
全然事前情報とか全く知らないけど、とにかくやってきた怪人を倒せばいいと聞いていたリリンドラは正義の屠竜大剣を振りかぶる。
対ドラゴン戦闘に特化した形状の、無骨で巨大な剣型竜漿兵器。
つまりは、どう考えてもオーバーキルものの火力であった。
『く、くまーっ!?ファンシーフィールドくまー!』
危険を察知したクマぐるみ怪人は回復能力を発動する。
ファンシー力がべらぼうにあがり、これなら倒されない限りは回復できる。
うん、倒されない限りは。
「わたしのとっておき!|正義顕正《アクノシュユ 》!!」
リリンドラは【屠竜大剣】を【真紅の光】に輝く【巨大な光刃】に変化させると、防御を捨てた絶大な攻撃を繰り出す!
『くまーっ!!???』
その強烈な一撃は回復する隙も与えず、クマぐるみ怪人を撃ち滅ぼすのであった。
●
「カワイイクマちゃんだと!?そんな餌に拙者が釣られクマー!」
『なんか勝手に来たクマ!?』
ムーナイン・フワ(お嬢様のお世話係・h01413)は何処からともなくやってきたクマぐるみ怪人を迎え撃つ。
『クマ!?というかなんでこんなでっかい人間がいるクマ!?ドロー力の強い人間と言えば、少年少女じゃないのかクマ!?』
クマぐるみ怪人は思ったよりも大きいって言うかなんか普通に、色々大きいムーナインを見上げる。
「むしろクマの方が釣られたクマねぇ」
だがこれはこちらの作戦勝ちだとう。
怪人たちがドロー力の強い人間を探知してやってくることを逆手に取り、ドロー力を鍛えることでこの場に誘き寄せたのである!
『な、なんだってクマーっ!?』
「ドロー力が強いのが子供だけだなんて誰が決めたのでゴザルか?」
ムーナインはここぞとばかりに全力で煽りにいく。
クマぐるみ怪人があんまり強くないからって!
「大人もいるでしょー、なんかバイクとか自分の足で走りながらデュエルするようなのがさぁ」
『クママ……!そういえば映画で見たのもそういうのがいたクマ!』
「その面子で例えるなら、拙者は生活力の無いイケメンに貢ぐ系大人ヒロイン枠でゴザルよ!」
な、なんだってー!?ってことはムーナインは闇堕ちとかしたら、隠していた目は出してしまうし、へそだし脇だし太もも出しの露出マシマシのマシな格好になって、エロかっこいいスタイルで翻弄し、夢は御輿でわっしょいわっしょいになってしまうというのか!?
「それはさておき拙者のターン!ドロー!」
『くまっ!?』
先行は貰った!と先に言った方が先行になる、みんな知ってるね。そうだね。
「これだけドロー力鍛えておけばデッキが勝手に勝利に導いてくれるってもんでゴザルよ」
修行の成果が出たのかムーナインはふんふんと鼻歌まじりにカードをプレイ!
圧倒的制圧感!
『くまーっ!!???その展開力はどういうことクマー!?』
「この手札だけでもイケるイケる、目指すはワンターンスリーキル!纏めてかかって来い!そんなルールあるのか知らんけど!」
ノリノリでカードで勝利して、意気消沈しているクマぐるみ怪人をばしゅんと撃破するムーナインであった。
●
「ドロー力の強い人間、つまりわしのことじゃな?!」
中村・無砂糖(自称仙人・h05327)は謎のポーズでクマぐるみ怪人を迎え撃つ!
『クマ!?知ってるクマ!謎のカード仙人とかいうのがこんなのクマ!』
やってきたクマぐるみ怪人は無砂糖を前に騒ぎ出す。
カードアニメの映画の登場人物が彼らのドロー力についての比較対象なので、無砂糖の雰囲気に勝手に納得しているようだ。
『仙人を使ってムービーフィルムを作れば強力な武器なるに違いないクマ!攫うクマー!』
「可愛くても見た目には騙されぬぞ!この悪の手先な邪悪なクマさん達メェ!」
だが彼ら怪人の狙いは、ドロー力の強いものを攫って武器の材料にすること。
そんなことを許す訳にはいかない。
「ならばさっそく!わしの高まったドロー力を味わうがよい……ドローじゃ!!」
素早くカードをドローする無砂糖!
『クマー!』
何故か受けて立つクマぐるみ怪人。
そう、カードアニメの映画に影響を諸に受けているクマぐるみ怪人は、カードゲーマーならカードで倒せば言うこと聞くはずと思っているのだ。
そのためカードバトルを仕掛けられたらむしろ望むところだと受けて立つのである。
なお、別にこのカードバトルに負けても特になんのペナルティもない。
「ゆくぞ!カードから発動!仙術・忘却術じゃー!ってことで『仙術、全て忘れろ』じゃ!!」
ともかく無砂糖はカードを発動。
己のハゲ頭をピカピカフラッシュしてクマぐるみ怪人の忘却に対する抵抗率を……。
「はて?わしはいったいなにを??」
『クマ???ここはどこクマ???』
自分諸共、全て忘却させていた。
「はっ!」
『くまっ!』
そして互いに見つめ、己の状況を思い立つ二人!
丁度いい感じの距離間、互いの腕にセットされたデッキ。
手に持っている手札。
そう、これは明らかに……デュエルの最中!
「とりあえずデュエルじゃー!!」
『クマーッ!!』
何も思い出せないがノリでデュエルを再開する二人!
「くらうのじゃー!」
『クマーッ!?』
決闘用のリボルバー銃をクマさんに向けて乱れ撃ちしてからまたドロー!
「仙術・忘却術発動じゃー! はて?わしは一体なにを……?」
『クマ???ここはどこクマ???』
ん?無限ループ入ったなこれ。
「くらうのじゃー!」
『クマーッ!?』
「仙術・忘却術発動じゃー! はて?わしは一体なにを……?」
『クマ???ここはどこクマ???』
「くらうのじゃー!」
『クマーッ!?』
「仙術・忘却術発動じゃー! はて?わしは一体なにを……?」
『クマ???ここはどこクマ???』
「くらうのじゃー!」
『クマーッ!?』
「仙術・忘却術発動じゃー! はて?わしは一体なにを……?」
『クマ???ここはどこクマ???』
なんやかんやあって、無砂糖はクマぐるみ怪人を無事に撃退するのであった。
「仙術・忘却術発動じゃー! はて?わしは一体なにを……?」
●
「ふふふ、ドロー力を鍛えるついでにここで流行っているTCGもばっちり把握したので、即興デッキを作ってクマーを迎え撃つわっ」
「愛らしい者たちですが、怪人となれば見逃すことはできない。しかし物理的に殴る蹴るで相手をするのは些かヒーローらしくない」
一ノ宮・和沙(あさきゆめみし人の災・h08153)とアクセロナイズ・コードアンサー(変身する決闘戦士・h05153)はやってきた怪人を迎え撃つ。
『くっまま、くままー。ドロー力の強い人間の反応をキャッチしたくまー!』
『クッママ、クママ!ドロー力の強い人間を攫ってムービーフィルムの材料にするクマ!』
やってきたのは可愛らしい外見のクマのぬいぐるみ。
クマぐるみ怪人である!
彼らは可愛い顔して普通に悪事を働く怪人だ!
ここで倒さなくてはいけないだろう!
「「ならばやるべきことは――デュエル!」」
『『デュエルくま!!』』
カードゲームアニメに影響を受けまくったクマぐるみ怪人は、デュエルを挑まれたら断らない!
むしろドロー力の強い人間は、デュエルで勝てば言う事を聞くだろうと思っている節がある。
あながち間違いではないかもしれない……。(なお、√能力者は完全に無視して攻撃してもいい)
だがひとまず和沙とアクセロナイズは普通にカードバトルに興じる。
「普段はコントロールとかランプ気質のプレイングをするのだけれど、今回はTCGを悪用しようとする輩に対する怒りを力に変えて――スーサイドブラックを組んでみたわっ」
説明しよう!
スーサイドブラックとは!?
要は自傷ダメージや反動など気にせず、コストに見合わないパワーを持つが、その分、やべーデメリット持ちカードばかりで組んで一気に盤面を制しそのままゲームエンドまで持っていくデッキだ!
「ライフは1点までかすり傷よっ!」
『クマーッ!?なんでいきなりそんな強いのが出て来るクマー!?』
己のライフが削れることすらいとわない猛攻にクマぐるみ怪人はあっさり追い詰められていく。
「ドロー! モンスターカード! 普段は変身用に用いる私のお気に入りカードたちを実体化! 動物相手にはこちらも生物で相手をします!」
そしてアクセロナイズは普段の戦闘に用いるカードを使ってカードバトル!
慣れ親しんだカードたちを華麗に召喚していく。
「赤龍帝カーマインは強大な紅きドラゴン。炎を見せつけぬいぐるみを威圧! 白氷狩獣・管狐はウシャンカを被り銃を抱えた白いオコジョ。可愛い見た目と渋いムーブで格の違いを判らせる! そして……爆運金虎は彼らの苦労をずっと見ていたそうです。よく頑張りましたね。最後に優しさを見せて彼らを懐柔。これで決まりです!」
『くまぁぁぁ!!?!?』
なんか色々あったけど最終的には手に持ったカードやデッキを散らばしながら吹っ飛ぶクマぐるみ怪人。
クマぐるみ怪人は、可愛さ全振りなので、意気揚々とやってきたけどカードバトルも弱かったのである。
というか実体化能力は√能力なので普通にダメージが入っていた。
「あ、勝者の言うことは絶対というのなら……一度は言ってみたい台詞があったのよね」
『く、くま……!?』
なんとか生き残ったとういか普通にカードバトルしかしてなかった和沙の相手のクマぐるみ怪人が膝を付きながら彼女を見上げる。
「勝者が命じる。自害しろ、クマー!」
『くまーっ!!???……ってカードバトルで命をかけるはずがないクマ!』
「まあそうよね。歪みの国のアリス」
『くまっ!?』
まあそれはそれとしてカードバトルによる敗北で精神的に屈していたクマぐるみ怪人は抵抗力が激減。
和沙の√能力に簡単に囚われて視覚を失う。
「今です!認証《Scanning》完了!」
アクセロナイズの必殺技が発動し、クマぐるみ怪人を吹っ飛ばすのであった。
●
『くまーっ!?おかしいクマ!?ドロー力の強い人間を探知してきたはずなのに、おっきな大人ばっかりクマ!?これじゃ攫えないクマ!』
√能力者たちが待ち構えていた鍛錬所にやってきたクマぐるみ怪人たち。
彼らはドロー力の強い人間と言えば子供のはずだとカードバトルアニメの常識を引きずっており、そんな子供ならば簡単に攫えると思っていたようであった。
「ドロー力に優れているのは大人さんもなんです」
大海原・藍生(リメンバーミー・h02520)はそんなクマぐるみ怪人の前に出る。
「まあ俺も今度12歳でそろそろ子供じゃないんですけど」
(ふんす)と鼻で息を出して胸を張る藍生。
『あ、子供発見クマ!』
「俺は大人です!子供さんを狙うやつらは俺達がバタンキューにするのです!」
クマぐるみ怪人はやっと見つけた攫いやすそうな子供だと意気揚々とやってくる。
藍生はそんなクマぐるみ怪人の評価に不服な顔で勝負を挑む。
『カードバトルで勝負クマ!カードバトル使いは大体がカードバトルで勝ったら言うことを聞くはずクマ!』
「まさかこの自作カードを使う事になるのです?もう少し本番はちゃんとしたカードを使いたかったんですが……」
クマぐるみ怪人はカードバトルアニメの世界の常識でカードバトルを展開してきた。
別にこのカードバトルにわざわざ乗らなくてもいいのだが、人がいい藍生は勝負を受けてくれる。
『「カードバトル!!」くま!』
「使えるのならちゃんとしたカードを使いたいのですが……見せます!俺の、遺伝子モンスターを!」
『くま!?』
藍生は己の自作のカードで勝負!
拙い画力で描いたやつ、とは言っているがそこに込められた想いは本物!
鍛えたドロー力でカードバトルを有利に進める!
『くまーぁっ!?』
「【The brave song.】シネマといえば大迫力の爆音!カードバトルも、クライマックスは盛り上げていきます!」
そして一度流れを掴んでしまえば、可愛さだけに全振りなクマぐるみ怪人など敵ではない。
藍生はカードバトルも、√能力バトルも華麗に勝利するのであった。
●
『くっまま、くままー!ドロー力の強い人間を感知したクマ!攫ってムービーフィルムの材料にするクマー!』
悪の秘密結社プラグマの構成員。
可愛い顔してるがやることはちゃんと悪いヤツ、クマぐるみ怪人がやってきた!
クマの狙いはドロー力の強い人間を攫うこと!
そしてその人間を材料にして強い武器を作る事であった。
「おじいちゃんが言っていました。札遊びもまた不忍術、と」
『くま!?』
そんなクマぐるみ怪人の目の前に不忍・ちるは(ちるあうと・h01839)は突如現れる。
『に、ニンジャくまー!!』
顔を半分隠しつつも何だが和風っぽい衣装。
露出がやたらと多い気がするが、それはそれでなんかそれっぽい。
そう、忍び装束だ!
カードバトルアニメの影響を受けたクマぐるみ怪人ならば、ニンジャなカードプレイヤーは当然のことのように受け入れる。
「札遊び、勝負です」
ちるはは真面目な顔でやってきたクマぐるみ怪人へとカードバトルを申し込む。
『まさか、ニンジャを引き当てるとは思わなかったクマ……しかしカードバトルプレイヤーはカードバトルで負ければ大体言う事を聞くものクマ!やってやるクマ!』
クマぐるみ怪人はちるはのただならぬ気配におののきながらも勝負を受ける。
なお、√能力とかでは一切ないのでこのカードバトルの勝敗で連れ去られりすることはない。
『「カードバトル」クマ!』
そして。
『そんなばかなくまーっ!?くまーの、くまーのファンシーコンボが破られたクマー……!』
「危ないところでした。しかし、私のかわいいネコちゃんデッキの可愛さには及びません」
ファンシー全振りなクマぐるみ怪人などちるはの敵ではなかった。
『ま、負けた、くま……!!!』
「なむさん、です」
カードゲームに負けてショックで隙だらけになっているクマぐるみ怪人にちるはは武器を構えるとすとん。
無防備なクマぐるみ怪人へクリティカルヒットさせ、撃破するのであった。
●
「ウェーイw悪党ども見てるぅ?wwここからはオレが相手だ──変身!!」
茶来・優志郎(人間(√EDEN)のカード・アクセプター・h04369)はカード・アクセプター×ヴィークル・ライダーである。
ノリノリチャランポランな雰囲気であるが、その実、ちゃんとオタク文化にも理解がある。
つまり!
『「カードバトル」クマ!』
やってきたクマぐるみ怪人とまともにカードバトルで勝負を決する!
『クマーのファンシーデッキの力を見せてやるくまー!』
「オタクくん、お前の力、借りるぜ!」
可愛さ全振りなだけのクマぐるみ怪人に対して、優志郎は親友のオタクくんのカードを取り出す。
想いを胸に、奇跡のドロー!
『お、重いくまぁーっ!?』
「ウェーイw最初からフルスロットルでいっちゃうぜぇw」
オタクくんによってチェーンナップされたカードを駆使して優志郎は展開!
クマぐるみ怪人をカードバトルで圧倒するのであった。
『く、くま……!?負けた、くま……!!』
「ウェーイwそれじゃしっかり後始末しちまおうぜ……ライダー・キック!」
カードバトルで敗北し、精神的に打ちのめされたクマぐるみ怪人が無防備になっているところに優志郎は√能力を発動。
必殺技で怪人を倒すのであった。
●
『くっまま、くまま!子供を攫ってシネマプラグマ様にほめて貰うクマー!』
クマぐるみ怪人はカードゲームのドロー力の強い子供を攫って武装にしようとしていた。
正確にはドロー力の高い人を探り当てる力でやってきたのだが、まあ彼らの常識の中では、ドロー力の高いのは子供だと相場は決まっているらしいのだ。
『くまま!発見くま!ここはドロー力の高い人が多いと分かってるクマ!さあ、カードバトルで勝ったら一緒にきてもらぐまぁぁぁ!!?!?』
「いや、何でカードバトルでどうにかなると思ってたんだ?」
そんなクマぐるみ怪人の横っ面をおもくっそ槍で殴り飛ばしたヤツがいた。
白神・明日斗(歩み続けるもの・h02596)であった。
『ぐまま!?こ、ここにはドロー力の高い子供がいるはずではなかったのかくま!?』
クマぐるみ怪人が驚くのも無理はない。
怪人たちの野望を察知した星詠みによって、事前にドロー力の特訓をし、一般人のいない、戦闘に適した場所におびき寄せていたのだ。
完全に一般人を攫うだけだと油断していたクマぐるみ怪人に、そんなもん知るかと√能力者の一撃がクリーンヒットする。
「ドロー力とかはちょっと分からないが、悪事を働こうとしてるなら、倒すまでだ」
『くまーっ!!!!???』
槍を構える明日斗にクマぐるみ怪人は完全にビビると背を向けて逃げ出してしまう。
『こ、こんなところにいられるかクマ!クマーは帰らせて貰うくまー!くまっ!?』
しかしそんなクマぐるみ怪人にもふっと何かに正面からぶつかった。
「ふむ。逃げるもまた生存への道。我はその選択を否定しない。むしろその判断の早さに称賛する」
『くま!?』
そこに立っていたのは、和紋・蜚廉(現世の遺骸・h07277)であった。
めっちゃゴッキー的な見た目の蜚廉であった。
クマーはもう悲鳴を上げるしかなかった。
『くまーーーーっ!!!!』
「なれど、それ故に。生き延びてきたことを誇りとする我には汝の動きは読めていた」
蜚廉はそんなクマぐるみ怪人になんの容赦もなく、墳ッ!と小掌を叩きこみ、逃亡を阻止。
明日斗の元へと強制的にノックバックさせる。
「シミュレート完了。これが貴様をぶち抜き、潰すためだけに生まれた一振りの槍だ」
そして明日斗は準備していた戦闘錬金術・重力破砕槍を発動。
【手持ちの武装】を、視界内の対象1体にのみダメージ2倍+状態異常【過重力による圧壊】を付与する【重力破砕槍】に変形させる。
「廻りて帰るは、斥けし環の軌」
蜚廉は塵尾連閃を発動。【塵技「穢纏塵撃」】を用いた通常攻撃が、2回攻撃へと変化する。
「子供を攫おうなんてことだけは許せない。ありとあらゆるものを使って、理不尽を叩き潰すだけだ」
「逃れれると思うなよ」
そして重力破砕槍の投擲と、甲殻籠手がクマぐるみ怪人に迫る。。
『くまーっ!!!!???』
可愛い全振りなクマぐるみ怪人は耐える事などできるはずもなく、一撃で粉砕されるのであった。
●
『くっまま、くまま!子供を攫ってシネマプラグマ様にほめて貰うクマー!』
クマぐるみ怪人はカードゲームのドロー力の強い子供を攫って武装にしようとしていた。
正確にはドロー力の高い人を探り当てる力でやってきたのだが、まあ彼らの常識の中では、ドロー力の高いのは子供だと相場は決まっているらしいのだ。
『くまま!発見くま!ここはドロー力の高い人が多いと分かってるクマ!さあ、カードバトルで勝ったら一緒にきてもらぐまぁぁぁ!!?!?』
「え、と。いけませんでしたか」
そんな訳で見た目も幼い少女の姿の半人半妖のウィスカ・グレイシア(さくらもち・h00847)の元に来たクマぐるみ怪人であったが、当のウィスカにおもくっそ√能力で攻撃されていた。
「ん?んー?いやいいんじゃない?」
そこに玖珂津・胡々乃香(正体不明な妖怪探偵・h02098)が割と雑に許可を出していた。
まあそう。別に敵がカードで勝負を申し込んできたところで、全然、この依頼ではそれに乗る必要はない。
というか本当にカード勝負の勝敗とか全く判定に影響しない。
『くまぁぁぁ、おかしいクマ。ドロー力が高い人間は、カードバトルを挑まれたら断れないはずぐまぁぁぁ!!!???』
「いやドロー特訓してたの、私らじゃないしね」
胡々乃香は長い脚でクマぐるみの顔を蹴り抜く。
クマぐるみ怪人がドロー力を計測して攫いに来るのを察知していたので、皆でドロー特訓をしていたのは確かだ。
だがここに呼び込んだのは、ここならどれだけ暴れても周囲に被害が出ないからであり、戦闘要員として待機していたウィスカと胡々乃香は全く関係ない。
ここで会ったが百年目。というヤツなのである。
『こ、ここは、くまくま行進曲でくまーの脱走する時間を稼ぐクマ!』
命の危険を感じ取ったクマぐるみ怪人はここは退却すべくと、歌声をリアルタイムで聞いた全ての非√能力者の傍らに【対象を誘うミニクマ】を出現させる√能力を発動する。
『くっまま、くままー♪……おかしいくま!なんでミニクマが出てこないくま!?』
しかしここはこちらが戦場に選んだ誰も他にいない場所である。
√能力者以外がいないのでミニクマ召喚はされなかった。
というわけで。
「来たれ氷神、巡れ雪神、愛し童の舞う華神楽に一度の祝福を授け給へ。神帰月・雪見氷霜神楽」
「疾駆する刃は翻す燕が如く。妖流抜刀術《燕返し》」
ウィスカは【氷雪】属性の弾丸を射出しクマぐるみ怪人を凍傷状態にさせながらダメージを与え、胡々乃香の【妖刀《山茶牙》】による2連斬撃がクマぐるみ怪人を滅するのであった。
●
『くっまま、くまま!子供を攫ってシネマプラグマ様にほめて貰うクマー!』
クマぐるみ怪人はカードゲームのドロー力の強い子供を攫って武装にしようとしていた。
正確にはドロー力の高い人を探り当てる力でやってきたのだが、まあ彼らの常識の中では、ドロー力の高いのは子供だと相場は決まっているらしいのだ。
『くまま!発見くま!』
「ん……。くまさん、いらっしゃい」
そこに待ち構えていたのは、ゾフィー・ゾルガー(月下に潜む・h07620)であった。
心眼ドローの特訓によって高まりきったドロー力は、見事にクマぐるみ怪人を引き寄せることに成功したのである。
『くままま!人形持ちの少女くま!これはド定番っぽいくま!クマーとの相性も悪くないはずくまー!』
カードバトルアニメの映画を履修し思考がカードバトルで染まっているクマぐるみ怪人は、ゾフィーの見た目から当たりを引いたと喜ぶ。
連れて帰れば、きっと強力なムービーフィルムの素材となるだろう。
……連れて帰れればの話である。
「ん……。お人形さんたち、行って、らっしゃい……」
『さあカードバトルくま!カードバトラーはカードで負けたら大体言う事を聞くと相場が決まっているく、くま!?人形がひとりでに動てるクマ!?』
カードバトルを申し込もうとしていたクマぐるみ怪人であったが、まあゾフィーはそんなものを受ける理由はない。
ドロー力の特訓は、敵を誘き寄せるためにやっただけなのだ。
「死霊人形の葬送行進曲」
【インビジブルを憑依させた人形の群れ】を放つと、ゾフィーはクマぐるみ怪人を集団で襲わせる。
かわいい全振りだったクマぐるみ怪人は戦闘能力は低め。
わーわー言いながらも人形から逃れられずに倒されるのであった。
『く、くまー……』
第3章 ボス戦 『フィルム・アクセプター『シネマプラグマ』』

●第三章 ボス戦 フィルム・アクセプター『シネマプラグマ』
『フィルルルル……フィルルルル……クマぐるみ怪人たちは上手く子供たちを誘拐できたか』
√能力者たちがクマぐるみ怪人を軒並み撃退してところに、更なる新手が現れた。
『オレの力。上映銃シネマグナムに相応しきムービーフィルム。これを創造するには、熱い情熱パワーが必要』
彼の名前はフィルム・アクセプター『シネマプラグマ』。
映画の力を持った悪の怪人である。
『力を得るための参考として見ていたが……素晴らしいぞ!』
そして彼が今見ていた映画は……カードバトルで世界を救うようなアニメであった。
『故に!ドロー力の高い子供を攫い、我がムービーフィルムの材料としてやろうというのだ!』
彼の目的は、偶然ハマったカードバトルアニメの情熱を、悪用しようとしていたのだ!
放っておけば、無垢の子供たちが攫われ、犠牲になっていたに違いない。
『フィルルル……フィルル?なんだか様子が変だな?』
……が、シネマプラグマがやってきた場所に待ち構えていたのは√能力者であった。
「貴方の野望は阻止させてもらいました」
鳳・楸(源流滅壊者・h00145)がシネマプラグマの前に現れる。
『な、なにぃ!?ドロー力の強い子供はっ!?どこに!?』
シネマプラグマはドロー力を測定する能力があったらしい。
そしてドロー力の強い存在のいる場所に転移してきたのだが……。
それを逆手にとって、事前に√能力者たちがドロー力の特訓をしていたのだ!
ここは、他に一般人が誰もいない、戦闘に支障のない自然の中!
悪の怪人を倒すために、√能力者たちが待ち構えていた場所だったのだ。
『く、くそ、ドロー力の高い子供はどこに!?妖械大戦争をセット、探せぇ!』
シネマプラグマは己の銃にカードをセットするとそれを発射。
機械の見た目の怪人が召喚されると、それに索敵を命じる。
もちろん、周辺には√能力者しかいないのだが。
「ー」
フェイクショット。
楸はそんな機械に密かに近づくと、【密接状態からの至近距離銃撃】を発射。
強烈な一撃で敵の身体を破壊する。
『ぐおぉぉぉ!!オレの力がぁ!!』
召喚された機械を破壊しただけだが、シネマプラグマの銃に装填されていたカードが燃え尽きた。
どうやらシネマプラグマ自身を倒してもいいが、シネマプラグマの召喚する怪人たちにも残数があるようだ。
「悪事を働こうというのであれば、私たちが止めてみせます」
こうして、ドロー力の強い子供を攫う計画を立てた敵の黒幕との戦いが始まったのだった。
※3章は事件の黒幕『シネマプラグマ』戦です。
やっぱり敵が転移して来て、ドロー力の高い皆さんを攫うつもりで来ます。
彼は劇場パワーを持っており、なんやかんや劇場や映画っぽい力を使います。
どうやら基本的にはカードを装填した銃から、配下を召喚するようです。
この戦闘では、映画や物語りっぽい雰囲気を上手く利用するか、高まったドロー力を上手く使うとなんやかんやで戦いが有利になります。
(修行を実際にしてなくてもこの場のドロー力が高まっています)
因みにシネマプラグマは、普通のカードバトルは特に受けてくれません。
クマぐるみ怪人は単純だったのと、出来るだけ攫う時に傷つけたくないと思っていたのと、バトルに負けた精神的ショックで隙が出来ていただけです。
でもシネマプラグマ君って実はプラグマの中では若い新人でそこまで戦闘能力は高くないみたいです。
普通に戦っても倒せます。
それでは素敵なプレイングをお待ちしております。