シナリオ

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さくら、お花見、春灯祭

#√妖怪百鬼夜行 #シナリオ50♡ #第2章受付:4/12(土)朝8:30~16(水)23:59迄 #プレイング受付前 #第2章断章、体調不良のため11日掲載になります、すみません

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 #√妖怪百鬼夜行
 #シナリオ50♡
 #第2章受付:4/12(土)朝8:30~16(水)23:59迄
 #プレイング受付前
 #第2章断章、体調不良のため11日掲載になります、すみません

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 はらり、ひらり、くるくると。
 舞い踊るひとひらたちが染め上げるのは、この時期だけの特別な春の色。
 √妖怪百鬼夜行の世界にある公園は、一足先に桜が満開に咲き綻んでいる。
 だって……ほら、今年も桜を咲かせようか。ほれほれ、見事な桜だろう? って。
 花咲か妖怪たちが待ちきれずに、公園中の桜を満開に咲かせたから。
 でも、それは悪戯ではなくて。何せ今宵開かれるのは、桜の祭りなのだから。
 麗らかな春の陽を浴びてのどかに咲く、昼の桜。
 灯された光と月に照らされて美しく幻想的に浮かび上がる、夜の桜。
 今日はそのどちらも満喫できる、絶好のお花見日和。

 桜が咲き誇る公園内は、十分に広いけれど。
 その中でもより良い場所を、日中からばっちり確保しておいたり。
 青空の下、昼の桜を眺めながらのお花見も勿論楽しめるし、公園の中央にある広場には昼から屋台も並んでいる。
 そして、公園の近くにある妖怪百貨店も、今だけ満開の春色。
 日中は『桜フェア』が行われている百貨店巡りをしてから、夜に開かれる『春灯祭』に赴いてもいいだろう。
 妖怪百貨店の今の目玉は、美味しさも爛漫な花見弁当や桜スイーツが買える、春グルメの催事。それにいわゆるデパ地下でも、桜にちなんだものや妖怪世界ならではな、食べ物や飲み物などを調達したり味わえたりもできるし。成人していれば、春らしい酒類も買えるだろう。
 あとは、√コレクションも近いから、春ものの服や桜の装飾を見たりだとか。本屋や文房具屋や雑貨屋などで、桜の栞やブックマーク、文具や日用品等を見てみてもいいし。春限定の桜コスメを買ったり、桜デパコスでプロの妖怪化粧師に春メイクやネイルをして貰うのもまた気分が変わって良いかもしれない。

 それから夜になれば、はじまるのは『春灯祭』。
 日が落ちた頃、妖怪たちが、仄かな灯火を数え切れないほどたくさん燈して。
 柔く降る月光と共に満開桜を照らしては、春の夜に美しく浮かび上がらせるという。
 そんな光を纏う幻想的な桜を愛でながら、夜桜の花見を存分に楽しめるし。
 公園の広場には屋台もずらりと並ぶから、花より団子のグルメ三昧も堪能できる。
 この祭り限定の屋台や妖怪グルメが楽しめるもあるようなので、要チェック。
 勿論、手作り弁当や購入品を持ち込むこともできるし、屋台並ぶ広場で現地もできるというわけだ。

 だが、そんな桜咲く祭りに潜むのは――人を化かす存在と、化かされた存在。
 化かす存在は、上手に夜桜に紛れているようだけれど。
 決して、機が訪れるまでは気づかれないように。
 でもしっかりと、その尻尾をつかまえて、こらしめるためにも。
 桜咲く中で密かにはじまるのはそう、化かし合いのかくれんぼ。

●桜尽くしな一日
「すっかり春めいてきたな。ということで早速だが、春のお出かけなどどうだろうか」
 楪葉・伶央(Fearless・h00412)は穏やかな笑みで皆を迎え、礼を告げてから。
 星詠みの内容を語り始める。
「今回皆に赴いてもらうのは、√妖怪百鬼夜行だ。凶暴で他者の血肉を喰らう危険な「古妖」の封印は、√妖怪百鬼夜行の各地に存在するが。「情念」を抱えた人がこの封印に引き寄せられ、その願いを叶えるという約束と引き換えに、古妖を封印から解き放ってしまったようだ」
 解き放たれた古妖を自由にのさばらせておく訳には当然いかないし。
 封印を解いてしまった人も、また同じ過ちを犯してしまいかねないから。見つけられれば、何らかのフォローをしてあげられるといいかもしれないし。
 また、古妖や人々に怪しまれぬよう、春のお出かけを目一杯満喫している一般人のフリをすることも必要だろう。
 そして時が来れば、解き放たれた古妖を倒す――これが今回の依頼である。

 それから伶央は、詳細を説明する。
「古妖を解き放った人は、大学合格を約束すると古妖にそそのかされたようだ。そして結局は結果も出せずに、自責の念に駆られ、「自分の願いの為には必要だった」と自分にいい聞かせるように、祭りがおこなわれる公園や妖怪百貨店で春グルメをやけ食いしたり、桜を呆けたように眺めたりしているらしい。そして解き放たれた古妖は、巧妙に次にそそのかすターゲットを探しつつ人に紛れ、満開桜咲く祭りの会場にいるという。だが祭りは夜なので、日中は自由に過ごしてもらって構わないし。夜の桜祭りでも、敵に怪しまれないように、花見や屋台巡りを楽しんでいる客を装う役割を担う人も必要だろうし。古妖を解き放ってしまった人に声をかけたりなど、色々と行動できる時間は十分にある」
 敵が尻尾を見せるのは、夜に公園で催される『春灯祭』が終わる頃の時間。
 なので、それまでは自由に過ごせるというから。
 敵に怪しまれぬよう一般人を装うべく、公園の桜や百貨店や花見を楽しむも良し。封印を解いた人を探してみてフォローしてみるのもまた良し。
 他にもやれることをできる時間は伶央も言うように、十分なほどにある。
 そして、解き放たれた古妖が尻尾を見せれば、機を逃さずに倒して欲しいというのが、今回の依頼内容である。

 そこまで星詠みの説明した後、皆を見回して。
「古妖を退治するのが一番の目的だが、時間までは自由に過ごして貰って構わないし。桜咲く春を目一杯楽しめば、敵を欺くことにもなる。それに、妖怪世界ならではな珍しいものもあるだろうし、燈される灯りと夜桜も美しいのだろうな」
 だから、折角なのでお出かけも楽しんできてくれ、と伶央は小さく笑んだ後。
 改めて、よろしくお願いする、と丁寧に頭を下げて皆を送り出すのだった。
これまでのお話

第2章 冒険 『見ざる、言わざる、聞かざる』


POW 喧騒に紛れ込む
SPD いつでも動けるよう準備しておく
WIZ 戦術を組み立てておく
√妖怪百鬼夜行 普通7