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⚡️オーラム逆侵攻〜戦いの羅針を回せ〜
●今回の作戦の内容
「攻撃は最大の防御、ということでこちらから敵の拠点に攻めていきましょう!」
そう言うと真心・観千流(真心家長女にして生態型情報移民船壱番艦・h00289)は巨大なスクリーンに川崎市・川崎臨海部周辺の地図を映し出すと、√能力者達に向き直る。
「統率官ゼーロットが王劍を求めて√EDENへの侵攻を企んでいる、そんな予兆が見えたのは皆さん記憶に新しいと思います。しかし内に潜んだスパイの影響でまだまだ準備は整っていない御様子、そこで先んじて襲撃をかけることで逆に相手の戦力を削ってしまおうというのが今回の作戦です!」
そう言うと観千流は地図の一部を拡大し、今回の作戦で使う侵入経路を分かりやすいように着色する。
「今回は線路を利用して敵の重要拠点へと向かいます。具体的に言うと京浜東北線の品川駅を入り口として真っ直ぐ乗り込む感じですが……まあ、細かいことは土地勘のある人だけ分かってもらえれば大丈夫です。始めは線路に沿うだけなので」
ですがここで問題が一つ、と観千流が手元の端末を弄ると、ちょうど線路と川が交差する地点でドクロマークが表示される。
「この辺りでこちら側に侵攻してくる戦闘機械との戦闘が予知されています。敵はアドニス・ウェルテル、分身にカウンター、強力なチャージ攻撃を持つ厄介な相手ですが放置すれば√EDENに被害が出ます、必ず撃破してください」
ここまではOKですか?と観千流は√能力者達に向き直る。つまりは線路を使っての突入中に発生する戦闘が、この作戦の始まりということだ。
「そしてアドニスを撃破した先ですが……これは、皆さんに方針を決めてもらいます」
さらに観千流が端末を操作すると、地図上に複数の作戦目標と共に敵の拠点の位置が表示される。
作戦1:統率官『ゼーロット』の撃破
統率官『ゼーロット』を奇襲し、これを撃破する。
作戦2:オーラム派機械群の壊滅
レリギオス・オーラムの戦闘機械群と積極的に戦闘を行い、敵戦力を減らす。
作戦3:大黒ジャンクションの破壊
√EDENに通じる巨大通路となっている「大黒ジャンクション」の破壊。
作戦4:√能力者の解放
扇島地下監獄に幽閉されている√能力者の解放
作戦5:カテドラル・グロンバインの破壊
謎の簒奪者、合体ロボット『グロンバイン』の拠点を襲撃。
「皆さんにはこれら五つの作戦の内、一つに従事してもらいます。この依頼中で『五つの作戦を同時並行して行うことは不可能』です、入念に話し合った上で作戦を開始してください」
そこまで言うと観千流は一度息を整え、改めて√能力者達の瞳を見つめる。
「かつて無い大規模作戦、かつ今までに例のない戦いです!皆さん慎重かつ大胆に!臨機応変に挑みましょう!」
これまでのお話
マスターより

●マスターコメント
※※※※注意※※※※
本シナリオは『参加者の皆様で作戦方針を決める』大規模シナリオとなります。
希望する作戦のある方は一言雑談で相談を行い、第2章以降の作戦目的を決めてください。
また相談の内容によっては自身の希望する作戦内容にならない可能性もあります、ご了承ください。
※※※※注意※※※※
オープニングをご覧いただきありがとうございます、今回シナリオを執筆させていただくマウス富士山と申します。
今回はオーラム逆侵攻シナリオ、再三予告している通り参加者の皆様の相談内容によって第二章以降の内容が決定します。
希望する作戦目的がある方はオープニングで定義された五つの作戦の内一つ選び、一言雑談にて【作戦1】というように発言してください。最終的に最も多くの方が希望した作戦が開始されます。
その為7/25(金)20:00までを相談、及び作戦投票期間とします。
それに伴いプレイングの受付も7/26(土)の8:30からとなります、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
62
第1章 ボス戦 『アドニス・ウェルテル』

POW
ヴォイドクォーク・スクリームコラプサー
60秒間【両手の車輪を回転させる】事で【無限の熱量】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【圧縮された超新星爆発】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
60秒間【両手の車輪を回転させる】事で【無限の熱量】をチャージした直後にのみ、近接範囲の敵に威力18倍の【圧縮された超新星爆発】を放つ。自身がチャージ中に受けたダメージは全てチャージ後に適用される。
SPD
タイムクォーク・アドバンスシャドウ
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【必ず手元に戻る二本の投剣】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【攻撃を受ける度同様の反撃を行い】、【残像】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
自身を攻撃しようとした対象を、装備する【必ず手元に戻る二本の投剣】の射程まで跳躍した後先制攻撃する。その後、自身は【攻撃を受ける度同様の反撃を行い】、【残像】を纏い隠密状態になる(この一連の動作は行動を消費しない)。
WIZ
パラレルクォーク・ラウンズドップラー
【同時に攻撃を受けない限り無傷な十二の分身】を召喚し、攻撃技「【防御無視の量子分解剣による連携攻撃】」か回復技「【本体の傷を分身に移すことによる無効化】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[同時に攻撃を受けない限り無傷な十二の分身]と共に消滅死亡する。
【同時に攻撃を受けない限り無傷な十二の分身】を召喚し、攻撃技「【防御無視の量子分解剣による連携攻撃】」か回復技「【本体の傷を分身に移すことによる無効化】」、あるいは「敵との融合」を指示できる。融合された敵はダメージの代わりに行動力が低下し、0になると[同時に攻撃を受けない限り無傷な十二の分身]と共に消滅死亡する。

【作戦3】
超新星の兆しを帯びるのを、環境耐性と野生の勘、聞き耳で見逃さない。音の振幅、振動の深さ。その臨界を、嗅ぎ取る。
回せば回すほど、喰らい甲斐があるな
跳躍と同時にフェイントをかけ、斜角から踏み込み、奴の超新星をこの掌で黙らせる。
だが終わらぬ。無力化された今こそ、捕える刻。
両腕を広げ、甲殻籠手と殻喰鉤で挟み込む。グラップルの技能で敵の腕ごと締め上げ、重心を崩す。さらに重量攻撃の踏み込みで床へ叩き伏せ、逃さぬまま毒使いの技を込めた鉤を敵の装甲の継ぎ目へ食い込ませる。
「まだ足掻くか。では、毒もくれてやろう」
接触面から毒を流し込む。継戦能力と毒使いを活かした一撃。斥殻紐で脚を縛れば、もう動くまい。

※アドリブ・連携歓迎
神速でアドニスを倒してやるべきことを済ませましょう。
アドニスと接敵したら片手の操り糸で切断攻撃を仕掛けながら、もう片方の手で|罠を張る《罠使い+捕縛》。罠を張り終わったらNo.713で生成した神経・出血の混合毒が鋭利な形で凝固した|固形毒《毒使い》を投擲する。アドニスからの攻撃は霊的防護と念動力で防御。
アドニスが能力を使いだしたらチャージ中にNo.1861を|大量に撃ち込む《乱れ撃ち+誘導弾》。チャージが完了して攻撃を放とうとするタイミングでNo.1941を発動。攻撃の出かかりを潰した上で拘束、最後は鋏で息の根を止めてあげましょう。

MHF軍事部…。人類共生派の私もしっかりと動かないと!
しれっと配備していたMHFの軍事用戦術自動人形を指揮して戦闘を開始します。配備した武器はSFAレーザーライフル。私は同時にレーザービルダーを使用します。
製造するのは小型戦闘機です。
戦術自動人形を用いてメインの作戦までの囮とできるように残存勢力を残すように戦います。
ちなみに口調はプレイングの中なのでかしこまってるだけです。
「MHFは神座派閥。そして人類を護る派閥よ。」
「特異点が私の答え。心を理解するために!」
「そもそも、派閥争いはWZの宿命!」
●開戦
線路の上を疾走していたアドニスは、不意に鋭く目を細めると足元から火花を散らして急停止する。直後、その眼前で甲高い音を立てて弾けるように線路が斬り裂かれた。
「あら、今ので終わってくれれば早かったのだけれど」
冷静な声でそう呟きながら線路の上に降り立った飛鳥井・合歓(災厄の継承者・h00415)は、目の前に立つ敵が一瞬だけ自分から視線を外したのを見て、既に罠はバレていると悟る。
高架に張り巡らされた細い糸、怪異由来の素材でできたそれは今見せたように金属すら破壊する硬度を持っている。その対処法を考える暇を与えないように、合歓はダーツのような形状で生成した固形毒をアドニスに向かって投擲した。
その攻撃に対するアドニスの対応は、両手の車輪を回転させての突進。放たれた毒を短剣で弾いたアドニスは、自らの身体に糸が絡まるのも気にせず合歓の懐へと踏み出す。
当然合歓もその様子を呆然と見ているだけではなく、怪魚の群れを放ち迎撃するが、アドニスは怯む事すらなく彼女の喉笛へと短剣を突き出し……上空から放たれた光線によって、その刃を弾かれた。
「人類共生派MHF所属ソフィア・テルノーバ 、その使命を果たす為介入するわ!」
高らかに名乗り上げながら、ソフィア・テルノーバ(使命は人類防衛・h01917)は大量の自動人形達と共に戦闘機から降下する。爆装を施した拠点攻撃用の戦闘機はそのまま大黒ジャンクション方面へと向かって行くが、アドニスはそちらに視線を向ける事すらなく二本目の短剣をソフィアへ投擲した。
「……っ!?」
傍に立つ自動人形が咄嗟に掌で短剣を受け止め、冷たい人口血液がソフィアの顔に掛かる。拠点に敵が向かったというのにアドニスからはそちらに戻ろうという気配が一切感じられない、そして自分達を睨むアドニスの瞳からは強い執着心のようなものが見えた。それはソフィアが人間の心を理解する事を目標とする少女人形だからわかった事だろう。
(よくわからない固体だけど、主力部隊が狙われないのは行幸!)
人形小隊による支援射撃は糸に絡まれ鈍ったアドニスの動きを完全に止め、その隙に合歓は敵から距離を取る。後はこのまま遠距離から削り切ると二人が攻撃の姿勢に移った瞬間、彼の脚元が橋ごと切り裂かれた。
(逃走……違う、水蒸気爆発!)
高架下に隠された川を目にした合歓は、アドニスの目的が圧倒的な熱量で水を爆発させての広範囲攻撃と悟る。それを防ぐために彼女が糸を手繰るよりも早く、漆黒の影がアドニスの身体を捕らえ線路に抑えつけた。
「なるほど、喰らい甲斐がある」
感心しながら和紋・蜚廉(現世の遺骸・h07277)は臨界に達した車輪を自らの掌で抑えつけ、放たれる寸前だった超新星を消滅させる。そして研ぎ澄まされた蜚廉の感覚は、回転し続けるもう一つの車輪の存在を捕らえた。
「左右で独立するか、では毒もくれてやろう」
動揺することなく味方にそう伝えた蜚廉は自らの両腕と鉤爪でアドニスの身体を締め上げ、装甲の隙間に鉤を突き刺し毒を浸透させる。機敏な動きに反して重量のある蜚廉に押しつぶされるように拘束されたアドニスは、ゆっくりと自らを蝕む攻撃から逃れる事はできなかった。
「すぐには効かぬだろうが安心しろ、汝の相手は我らだけではない」
熱量を溜めている今でこそアドニスはダメージを無視して動くことができるが、それが終われば蓄積していた負傷は一気に解放される。どれだけ強力な一撃を持っていたとしても、それを放つ肉体が限界を迎えていては恐れることはない。
「……そうか」
淡々としたアドニスの返事を聞いた蜚廉は、臨界を感じ取り敵の身体を黒い糸で縛り付けて離脱する。そこに合歓の放った縫針が直撃し、傷口から生える追加の糸によって繭のように拘束されると同時に、振り下ろされた鋏がその生命を断ち切った。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功

「侵攻に一人とは……余程の実力者、期待されているようですね
――なら、最初から全力でやらせて頂き全力で――倒させてもらいます」
……どうにも攻撃を受けるのは良くない気配がしますね。……となればここは避けましょう。(戦闘知識による直感)
敵の分身による攻撃をダッシュで見切りながら避けて、銀の靴によるカウンターの攻撃を試します
「――成る程、そういうタイプですか。それなら――」
敵の√能力を学習力で判断、敵を攻略法を閃き、それを行う為に行動します
敵にこちらの狙いが気付かれないよう、フェイントや時間稼ぎしつつ、敵を一ヶ所に集め、そこで早業、クイックドロウで銀蛇を構え√能力を発動、範囲攻撃、なぎ払いで攻撃します

早速強敵との戦いか。
かなり厄介な√能力……これはこちらも相応の準備をしないとかな。
【自在錬金術】で『錬金術』、錬金フラスコをばら撒き割って行こう。
同時に攻撃を受けない限り無傷、か。つまり、無傷でも相応にフィードバックを受けるってことかな。
あなたへの調合は……これで良さそうだ。
錬金フラスコの中身は、空気に触れるとトリモチのように超粘性を持つ物質に変わる液体だ。
でも、それだけじゃ決定打にかけるだろう。
体に触れるだけで腐蝕毒と麻痺毒に蝕まれる強毒性の成分も含んでてね。(毒使い)
腐蝕と麻痺で、動きが鈍れば良いんだけど……。
あとはみんなに任せるよ。
連携アドリブ歓迎
●銀の盾と黒の矛
(並の相手であれば決着がついてもおかしくはない連携でしたが……)
先陣を切った√能力者達の攻撃を受けたアドニスの様子を見ていたシルバー・ヒューレー(銀色の|シスター《聖堂騎士》・h00187)は、彼が分身を作り出しながら立ち上がるのを見て油断なく武器を構える。
「傷が回復している、厄介な√能力みたいだね」
「侵攻を一人で任されるだけある実力者、という事ですね」
同じく敵の様子を観察していた黒辻・彗(|黒蓮《ブラック・ロータス》・h00741)の言葉にシルバーは小さく頷くと、前衛は私がと臆する事無くアドニスとその分身へと接近する。
(量子分解、それが本当なら相手の剣は物体もエネルギーも斬り裂ける。防御はできないと考えた方が良いね)
事前に彗から聞いていたアドバイスを思い出しながら、シルバーは複数の方向から繰り出される斬撃を身を捻って回避すると、そのまま回し蹴りの要領で一体の分身を銀の靴で蹴りつける。
(……なるほど、そういうタイプですか)
蹴りつけた足の感覚、そして敵の傷が治る様子からその特性を瞬時に理解したシルバーはハンドサインで彗に合図を送る。
(実体はある、傷は修復するのではなくそもそも発生しない、だけど衝撃など直接ダメージにならない現象は受け付ける……)
シルバーから与えられた情報を元に、彗は錬金フラスコでアドニスに対して最適な調合を開始する。恐らく攻撃を無効化しているわけではなく、無傷な分身いればその状態に自らを同期させる事で回復する仕組みなのだろう。しかしその同期と回復速度が圧倒的なため、傷を受けている時間が0になっているのがダメージを受けない絡繰りだ。
(これ、攻撃はオマケだね。本当に恐ろしいのは分身が居る限り本体の傷が全て無効化される回復能力)
一人で侵攻を任されたのはこの驚異的継戦能力も理由の一つだろう、そう思考を巡らせつつ調合を終えた彗はシルバーへ向かって錬金フラスコを投擲する。彼女が敵を引き付けてくれた事で彗は邪魔される事なく調合ができたが、その代償として12体の連携攻撃を一身に受けた彼女は全身に傷を負っていた。
だがそれ故に、アドニス達は投げられたフラスコがこちらを攻撃する為のものなのかシルバーを回復させる為のものなのか判断しようと隙が生まれる。それを突き素早く銀蛇を引き抜いたシルバーは鞭のようにしなる刀身で迷いなくフラスコを切り裂いた。
溢れ出す薬液は空気に触れた瞬間トリモチのように固まり、シルバー諸共アドニス達を拘束する。その行動に彗が驚いて目を見開いている間に、シルバーは手首のスナップで銀蛇の刀身を操り分身と同時に自らを拘束するトリモチを切り裂いた。
「……これは、効きますね」
「動かないで、すぐ解毒する」
半ば転がるようにアドニスから距離を取ったシルバーに、彗はフラスコで調合した解毒薬を飲ませる。彼が放った薬液は相手を拘束するだけではなく、攻撃のための腐蝕毒と麻痺毒も含まれていた。その強力さを示すように拘束された分身は限界を迎えトリモチを残し消滅するのであった。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

【アドリブ連携歓迎】【作戦3】
反抗作戦、ついに始まりましたか
発令された作戦プランは5つ、自分はどの作戦に従事するのやら
合流ポイントまで急ぎましょう
まずは目の前の相手の排除からですね
この手の技巧派な相手は本当に厄介この上ない
故に先人に倣いましょう、技相手には魔法です
なにもオカルティックなものだけがマジックではありません
<地形の利用>で閉所へ誘導
<エネルギーバリア><継戦能力><盾受け>などで<時間稼ぎ>
その間に周囲に<破壊工作><メカニック>で爆薬を仕掛ける
ここぞのタイミングで<覚悟>きめて【トランプカード】発動
|頭《本体》を射出させながらまとめて<爆破>します
これを開戦の狼煙としましょう

『あそこ落とされたら相手は困るだろうから、警戒レベルは最高だろうね』
『大黒ジャンクションまでの距離は視界内にマーカー出しておくから、先ずは目の前の敵の排除だよ、レイ』
こっちの攻撃認識した瞬間に先制入れてくるけど...確か後出しジャンケンだっけ
『調整サボった対戦CPUあるあるだよ、機械細胞の【リミッター解除】、此方の処理【パフォーマンス】向上、ノンセンチメンタリズム無効化で処理負荷(ジャミング)増幅により広範囲に『処理落ち』発生』
高負荷で強引に遅くするってゴリ押しが過ぎる!
『攻撃は【ジャストガード】で防いで、隠密は【ジャミング】で妨害、即ペネトレイターで【カウンター】を入れろ、それの繰り返し!』
●戦いの狼煙を上げよ
「反抗作戦、ついに始まりましたか」
トンネルの中で遠くから聞こえる戦闘音をセンサーに捕らえながら、ボーア・シー(ValiantOnemanREbelCyborg・h06389)は平坦ながらどこか感慨深く呟く。
√能力者達の投票によって選ばれた作戦プランは大黒ジャンクションの破壊、単純な戦闘力は勿論拠点攻撃能力も必要となる作戦だ。大掛かりな戦いになる事は間違いないが、その前に目の前の敵を排除しなければならない。
「向こうはかなりのクソゲーを押し付けてくるみたいだけど……とりあえず、こっちで対処できるよ」
そんな彼の隣でレイ・イクス・ドッペルノイン(人生という名のクソゲー・h02896)は微妙に嫌そうな顔をしながら愛剣ペネトレイターを構える。攻撃を認識した瞬間確実に先手を取り、それを無限に繰り返す敵の√能力……自らのAnkerからその攻略法は受け取っているが正直、いやかなりしんどいので早々に決められるなら決めて欲しいのが素直な感想だ。
「問題ありません、完璧な狼煙を上げてみせましょう」
「……ちょっと嫌な予感がするなぁ」
ボーアの物言いに少し不安を感じつつも、トンネル内に敵の足音が響くのを聞いたレイが手にした剣に力を込めた瞬間、その眼前に白い人影が出現した。
「っ……!」
影が両腕を振り上げると同時に、剣を盾に頭部を守るレイだったが、放たれた短剣はその守りを避け彼女の両足に深々と突き刺さる。鋭い痛みに歯を食い縛りながらもレイはアドニスに反撃しようとするが、目の前のアドニスから気配が消え新たに自らの背後に出現する。
「カバーします」
しかし放たれた短剣はボーアが展開したエネルギーシールドが防ぎ、しかし彼は反撃せずレイを抱えて後退する。確かに攻撃の意志を見せなければ跳躍の反撃は発生しない、ならば直接切り裂くのみとアドニスが両手に短剣を持ち、前に踏み出そうとした瞬間、その身体が不自然に固まった。
「……過負荷をかけたか」
「うわ、理解できるんだその現象」
世界そのものに処理負荷をかけるレイの√能力、常識的に考えれば理解不能な現象を理解したアドニスに若干引いているレイを抱えてボーアは距離を取り続け、不意にその首に短剣が突き刺さった。
「ここを爆破しようとしたな、残念ながらそれも俺への攻撃だ」
油の切れた機械のように断続的な動きにも関わらず、一瞬で投剣の攻撃範囲に跳躍したアドニスは二本目の剣をボーアの背に突き立てる。前後からの脊髄破壊、まともな生命なら二度と動けなくなる致命傷を受けた瞬間、ボーアのボディが眩く輝いた。
「ええ攻撃です、何せその跳躍は回避には使えないでしょうから」
瞬間ボーアの頭が身体から飛び出し、首から伸びたケーブルがレイの身体を捕らえるとそのまま彼女を引き摺りながらトンネルの外へと離脱する。カウンターを利用し攻撃範囲に引き込まれた事をアドニスが悟ると同時に、トンネル内で連続的な爆発が発生し黒煙が空高く舞い上がった。
🔵🔵🔵🔵🔴🔴 成功

ちッ。
大目的前の前哨戦……にしちゃあ、中々の戦力じゃねェの。
手数、反撃、申し分ない攻撃手段まで取り揃えてるたァ、贅沢なモンだ。
真面目に厄介だ。だから……今更手は抜かねェよ。
本気で潰してやる。
|炎を齎す者《ミニオンズ・オブ・クトゥグア》、蠢き瞬け。抱擁せよ。
分身一体につき二体、挟み込むように接近させて抱き着かせる。24体……オレが今呼べるほぼ限界数を費やし、敵の分身を相殺するぜ。
残り一体を壁役にしてオレも敵本体に【切り込み】、【居合】の構えから【クイックドロウ】。ド派手に【切断】してやらァ。
多少の攻撃はダメージ【覚悟】で強引に突破だ。
さァて……次は地点破壊か。厄災として腕が鳴るぜ。
けひひっ。

やはり、最終的にはシンプルな能力が勝つね
気温の操作を応用した熱自在操作能力を応用し、範囲攻撃にして二階攻撃を執行
分身を放とうが、量子を分解しようが……絶対零度までに低下させた極低温
それは分子運動は完全に停止する世界……即ち、量子の揺らぎすら停止する
まぁ、あちらは量子を分解する√能力を持つが……本命は分身諸共『凍結』させる事
本体の凍結を分身を凍結――『コールドスリープ状態』という『傷付けず保護する状態』で分身を無力化
そのまま十二の分身を『凍結保存』し、最後に残った本体を凍結保存する
何事も、最後はシンプルな√能力が強いものだね

√ウォーゾーンが無力な√EDENの侵略を果たせば、その被害は甚大なものとなるでしょう
人類の存続を脅かす事態です。必ず止めてみせます
敵が作り出す分身は同時に攻撃しなければ消えないようですね
≪ダイダロスユニット≫で空を飛び、地上を俯瞰して全分身を捕捉
『複数目標追尾システム』で12体をマルチロックし、同時に着弾するように≪神経接続型浮遊砲台≫の[レーザー射撃]を放射
敵の攻撃技や分身による融合に対しては、[空中ダッシュ]で急速に距離を取って回避を試みましょう
簡単に狙いを合わせられないようにユニットのスラスターを制御し、今飛んでいる方向とは別方向に急激に切り返したり、高度を大きく変える動きも織り交ぜます
●凍てつく灯火
「既に結構な人数にやられてるはずだが……中々の戦力じゃねェの」
煙を上げるトンネルから出てくるアドニスを見て、凍雲・灰那(Embers・h00159)は呆れたように愚痴る。多少傷は負っているもののどれも致命傷には程遠い、回復能力持ちはこれだから厄介だ。
「とは言え完全回復とはいかないようだ、畳みかければ勝機はある」
「同時攻撃は必須です、タイミングにご注意を」
攻撃の準備を始める真紅・イサク(生きるとは何かを定義するモノ・h01287)
に合わせ、深雪・モルゲンシュテルン(明星、白く燃えて・h02863)も上空に飛ぶ。それを見て灰那も焔の精を召喚すると、爆炎を靡かせながらアドニスが飛び出した。
──36体の分身を連れて。
「話と違ェぞ!?」
事前情報の三倍の数の分身に灰那は思わず叫ぶが、生きた焔を通じて分身を感知する事でその絡繰りに気が付く。36体の分身は同じ熱量の三つのグループに分けることができる、つまりこちらの人数に合わせて√能力を三連射してきたにすぎない。
「一人当たり12体ずつか、いけるかい?」
「全員でも」
イサクの問いかけに深雪は更に高度を上げるとアドニスの分身をまとめてロックする。その狙いを感知したのか数体の分身が深雪の元へ跳躍しようとするが、灰那の焔の精が両脇から挟み込むようにしてその動きを抑え込んだ。
「そんじゃあオレはあっちを抑えさせて貰おうかァ!」
強い意志を込めた叫びと共に無銘を引き抜いた灰那は、そのまま熱量感知で見抜いていたアドニス本体に向かって斬りかかる。当然その動きを止めようと分身が彼女を取り囲むが、複数の分身が灰那に募った瞬間、分身達の身体が純白に凍り付く。
「傷はつかなくても、表面を凍らせれば動けなくなるか……ところでその剣は絶対零度の世界を砕くことはできるのかな?」
辺りの熱量を操作し分身を凍らせたイサクはアドニスに問いかけるが、彼は応えず不愉快そうに目を細めながら灰那の刀を交差した短剣で受け、バターのように易々とその刀身を切り裂く。
宙を舞う無銘の刀身、しかしアドニスが振り抜いた剣を構え直すよりも早く、灰那が逆手で新たな刀を引き抜いた。
「ッ……!」
急ぎ身を引くアドニスだが、灰那の切っ先は彼を逃さずその右目を切り裂く。そして一瞬の攻防でアドニスの足が止まったのを、上空の深雪は見逃さなかった。
より多くの敵を巻き込むために彼女は急激に高度を下げて自身の照準を広げる。無論その動きを止めようとアドニスの分身が彼女に殺到するが、イサクの放つ二度目の熱量操作が彼らをまとめて物言わぬ氷像に変えた。
「そちらは何か難しい理屈を使っているみたいだけど……なんてことはない、シンプルに温度を下げるだけで量子の揺らぎは停止する」
「……随分とお喋りだな」
「そちらは喋る余裕があるのですか?」
上空から飛来する深雪の声にアドニスは最後の抵抗で手にした短剣を返すが、彼女は上空で鋭角に軌道を変え攻撃を避けながら超低空で静止する。
「掃射を開始します」
焔の精が抑えた12体、イサクの凍らせた24体、そして灰那が隙を作り出した本体を深雪はまとめてレーザー射撃で掃討する。遠目から見ればその光景は、地上で花火が上がったかのようであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴 成功

さーて大きい作戦やけど、みんなで力合わせるんなら百人力やねぇ
アクセプターにヴェイプ・シガーを挟み、必殺技【スモークリキッド『リヴァイヴフォトン』】を発動
相手のチャージ中に紫煙の不死鳥からのビームの攻撃と自分も素手での連携攻撃
相手が攻撃してくるようなら紫煙を纏ったオーラ防御、エネルギーバリアを貼りつつ不死鳥と自分の息のあった攻撃を矢継ぎ早に
チャージが終わりそうになったら不死鳥を残しつつ、空中ジャンプしつつダッシュで範囲外へ
不死鳥は最後までフォトンブラスターを与え続ける!
こっちはでっかい仕事の前なんや!
前哨戦も勝たせてもらうで?

SPD
アドリブ・連携歓迎
強敵を相手にする同時に、ダンジョンを破壊する、っと
やれやれ、一筋じゃ行かない作戦だな
けど、皆と一緒にやると出来る。
「それじゃデカい花火を打ち上げてっと行きますか!」
こういう相手だと無傷は不可能、覚悟を決めるしかない
デザイアバリアを展開し、ダメージを食らう覚悟をする。
そしてそのまま、一発ぶちかませていくぜ!
例え隠れているとしても、範囲攻撃じゃあ、行けるだろ。
「行くぜ。」
『FINAL BOOST!VULPES GRAND FINALE』
●川崎大戦2025
「強敵を相手にすると同時にダンジョンを破壊する……やれやれ、一筋縄じゃいかない作戦だな」
「まあでも気張っていくしかないやろ?みんなで力合わせるんなら百人力や」
難しそうに眉を顰める八神・英守(|不屈の白狐《アームドライダー・ウルペース》・h01046)に対して、ルーシー・チルタイムダブルエクスクラメーション(チルタイム!!ショータイム!!・h01895)は背筋を伸ばしながらのんびりと答える。対照的な態度の二人だったが、味方の包囲網を抜けてこちらに向かってくるアドニスを見て共にアクセプターを構えた。
【Smo-KING!】
『Set,Ready?』
アクセプターから待機音が流れると同時に英守は手でキツネの形を作り、ルーシーはアクセプターを通じて肺に紫煙を溜め込む。そして示し合わせたかのように同じ単語を叫んだ。
「「変身!」」
『Alright!Get ready for Vulpes!』
【Never changes,Vaping Cigar!】
雄々しい音声と共に力を纏う二人、言葉を交わすことはなくまずはルーシーが前に出る。
【REVIVE PHOTON!! Not Without Risks】
ルーシーの操作によってアクセプターが呼び出すのは紫煙の不死鳥、それが翼を羽ばたかせると舞い散る羽根が光弾となりアドニスに降り注ぐ。
「そんで、私もやるでぇ!」
間髪いれずルーシーが拳を振り下ろし、アドニスに挟撃を仕掛ける。しかし彼は目だけを動かして周囲を確認すると、不意にその姿が消えた。
「後ろだ!」
英守の声に咄嗟にルーシーが後方に紫煙の障壁を作ると、火花と共に短剣が弾ける。アドニスの持つカウンター能力、その対象にルーシーを選んだのだろう。加えてアドニスの両手の車輪は回転を始めており確実に仕留める用意を重ねている。
しかしそれは、英守が完全にフリーになっている事を示していた。
「それじゃ、デカい花火を打ち上げて行きますか!」
そう言って英守が指笛を鳴らすと、彼の愛車であるマグナムストライカーがやってくる。そちらの迎撃に出ようとするアドニスだったが、ルーシーの猛攻が彼を逃がす事は無い。
その隙に英守はマグナムストライカーの車輪を蹴るようにして跳躍し、前転と同時にその身が炎に包まれる。
「離脱するべきなんやけど……多分後悔するなぁ!」
英守の跳躍を見て、ルーシーは自らも紫煙の不死鳥を背に宿し跳躍する。容赦なく飛んでくる短剣をバリアと降下の勢いで弾きながら、二人はアドニスに向かって必殺の一撃を繰り出す。
『FINAL BOOST!VULPES GRAND FINALE』
「さぁ、チルタイムの時間やでぇ!」
紫煙と炎の蹴りが超新星の光を砕き、無数の残像を巻き込みながら炸裂する。立ち上る爆炎を背に、二人のヒーローは互いの拳を打ち付けるのであった。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

作戦目標は大黒ジャンクション……ですが、先んじてはこのアドニスを撃墜しなければ……この作戦恐ろしい事だらけですけど、見知った方も多くいますし頑張らないと……!いつもの狩猟と思えば大丈夫……!
アドニスの攻撃はかなり厄介なのでそれへ対策を打ち出しながら後手対応で戦う方針。反撃を行うタイムウォーク、分身を使うパラレルウォークへはあちらの射程に入らぬ程度の距離を取り√能力で周囲を爆破して打ち返し距離を取って狙撃。ヴォイドウォークを始めたら集中狙撃でチャージ中を狙い撃ちし、近接範囲には入らないようにします。

※連携&アドリブ歓迎
√ウォーゾーンからの大規模侵攻計画があったとはね。
幸い逆侵攻の好機も掴めたからエデンの護り手たる役目を果たそう。
一見すると人型っぽい外見だけどアンドロイド?
分身を駆使して此方を翻弄してくる相手とは非常に厄介だよね。
投擲された双剣は殺気や風切り音とかに気を配り軌道を見切ろうか。
最悪は勘。
上手く最初の攻撃を乗り越えたら此方も反撃だね。
打つべき手は【Freeze!】で相手の動きを止めること。
足止めしてる間は此方も動けなくなるけど此れは一対一の勝負じゃないんだよ。
ほらボクに気を取られてると・・・
障害を突破したら目標の大黒ジャンクションへと向かおう。

囚われの能力者として参加
アドリブ連携歓迎 WIZ
私の武器の一つは断片的未来の幻視
これを使って、扇島から能力者を支援します
|観測《<視力><聞き耳><第六感>》できた情報を元に
|端的な結論のみの予言《【究極の回答】》を作成し
もっともリスクを冒した方にテレパシーで伝えて助けようとします
予言は大体、私自身にもよくわからないものですし
受け取る方も困るような内容だったり
本当にまったく役に立たないこともありますけど
それが、役立つときは役立つんですよ?ふふん。
●戦う場所は一つでなく
「来たみたいです……!」
「了解、下がっておいて」
線路上で敵を待ち構えていた土方・ユル(ホロケウカムイ・h00104)は、遠くから駆けてくるアドニスの姿を見て魔花伏木・斑猫(ネコソギスクラッパー・h00651)を下がらせる。別に自分を囮に仲間を先に行かせたわけではない、これからする作戦において彼女は後方に居てもらった方が都合が良いのだ。
深く息を吸い、迫るアドニスに向かってユルは攻撃の意志を向ける。その瞬間、目の前から敵の姿が消え背後から風切り音が響いた。
「……ッ!」
迫る死の気配に、ユルは横に飛びながら素早く背後を振り返る。煌めく刃が頬を斬り、赤い雫が舞う中彼女は跳躍した敵の姿を捕らえた。
「警察だ!」
その叫びと共に、アドニスは一瞬だけ身を跳ねさせて硬直する。√能力により麻痺した彼はもはや跳躍も分身もできない、これで準備は整った。
「ユルさん……!」
チェーンマインを引き出し攻撃の隙を伺っていた斑猫は、しかしその様子を見て声を上げる。ユルとアドニスの距離が近すぎる、ここで地雷を炸裂させれば確実に彼女を巻き込んでしまうだろう。
しかしユルを逃がそうとすればアドニスは拘束を抜け出し、分身を呼び出しての反撃に移る、そうすれば状況は一気にこっちの不利に傾いてしまう。
「うー……っ!!!!」
この手で知人を爆破する恐怖に唸りながらも、斑猫の腕は一切鈍ることなく地雷の鎖を投擲する。同じ風切り音でありながら低く重い音を立てて宙を舞うそれはアドニスの身体に絡みつくと、内臓を殴りつけるような衝撃と共に盛大に爆発した。
数百の爆炎はアドニスの側にいたユルの身体も飲み込み、二人の立っていた高架を容赦なく崩壊させる。咄嗟に追撃用のライフルを掴んだ斑猫は、そのスコープで爆破地点を覗いた。
アドニスは一瞬だけこちらに視線を向けたが、これ以上の戦闘は難しいと判断したのかそのまま隠れるように川に潜り戦場を離脱する。ならばユルは、と斑猫は息を止めてスコープを覗き続けた。
「痛っ……!」
ノイズと共に脳裏に過った映像に、星越・イサ(狂者の確信・h06387)は思わず蟀谷を抑える。
扇島、√能力者達を閉じ込める地下監獄、その中に囚人として侵入していた彼女だったが不意にやって来た予言に顔を歪めた。
「こっちは忙しいのですが……」
見えたのは青空の下に架かる橋、場所はどこかの川の上で、入道雲の代わりに上がる盛大な爆炎、危機的状況なのは確かだが薄暗い牢獄からはどう考えても遠く離れた場所だ。
しかしそれが見えてしまった以上、予言はイサに対処をしろと命令している、そんな確信が彼女の胸にあった。
どうしたものかとリサは手の中で宝物を弄ぶ。そんな事をしていたからか、ふと彼女の脳裏にある種冒涜的なアイデアが思い浮かんだ。
「私自身が対処できなくても、私を通じて誰かに対処してもらえばいいんですね」
──35.51491863329799, 139.67877334922
唐突にイサの脳裏に過った数列が座標だと気が付いたのは、彼女の職業ゆえだろう。
それに確信めいたものを感じたイサは会敵場所を大きく下げ、鶴見川での戦闘を選んだ。敵の拠点二つを間に挟む危険な場所だが、この作戦を行っているのは自分達だけではない、川崎市中心部は既に他の√能力者が襲撃を行っておりこちらに戦力を裂く余裕はなかった。
ライフルでこちらを探す斑猫の姿を見つけたユルは、軽く霊光気を光らせて無事を伝える。このまま川を下れば大黒ジャンクションはすぐ近くだ。
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 大成功

アドリブ・アレンジ歓迎。
【琴瑟】
心情
…目の前の敵を倒さないと…目的には…着けない。
…なら、片付けるしか…ないの、です。
…僕は、貴方様に恨みは有りませんが…でも、|半身《辰巳様》が…望むなら…僕はこの身を捨てても…撃破するの、です。
…僕は、辰巳様を…信じております…。
行動
辰巳様より先に行動。
√能力【風の軌跡の果てに】を使用。
知らない言葉、知識…でも知ってる。
√能力【見えない怪物達の天泣】を使用して、例え複数居ようが、避けられなけば一緒です。相手のWIZを封殺を狙う為連続で使い続けます。
その後は、率先して辰巳の援護に回る。
但し、ラスト攻撃の60秒は辰巳を庇います。
おびき寄せで敵を寄せて|盾《タンク》を。
位置取りは遠距離を。
通常攻撃は、タロットで行い、隙を見て攻撃をします。
出来るだけ相手に攻撃をさせずに辰巳に攻撃の手段を成功させるように。
近接を要求された場合は、深海の捕食者で不意打ちや、受け流しからのカウンターを。
防御は、第六感を使用してジャストガードを。
回復はインビジブル融合と生命力吸収で。

アドリブアレンジ歓迎
【琴瑟】
WZの決死戦ではまるで力になれなかった、力が欠けていたけど、それでも
『幾つもの夜を超えてきた』
悪いな
ジャイアントキリングはいつもの事でな
退いてもらうぞ完膚なきまでに
僕の|榴《半身》、力を貸してくれ
統合情報端末で連携
生死の境で相手を黄泉平坂に取り込み街への被害を軽減しつつ蘇生を確保
逃がさないが、こちらは自由に動ける状況
何回投剣されようが関係ない
疫病神もといイザナミが死の呪いで攻撃するんだ
大地を殺しきれるならどうぞ
呪腕で自身と榴を転移させながら半身の安全を確保しつつ立ち回る
榴の能力範囲内に空間引き寄せで集めてアシスト
二人で攻め手を潰しながら、POW行動を誘う。
チャージに入ったら空間引き寄せで目の前に。雷、海淵流、火雷を浴びせダメージを与えて待つ
榴、信じて
わざと超新星爆発を食らいながら此方彼方で黄泉に落ち飛散を防ぐ
どれだけ強い攻撃でも殺せる命は一つだけだ
平坂から蘇生し回帰せよ神の星槍
敵の全部を空間引き寄せで集めて威力18倍、速度31倍、必中の圧縮超新星爆発をぶち込む
●星が瞬く夜に
逃れていた川から上がったアドニスが見たのは燦然と輝く星空。
陽が落ちるにはまだ早い、だとすれば既に敵の術中に入っているという事だろう。
「焦らないんだな」
そんなアドニスに対し、和田・辰巳(ただの人間・h02649)は警戒をしながら声をかける。その背後に控える四之宮・榴(虚ろな繭|〈Frei Kokon〉《ファリィ ココーン》・h01965)は何時でも√能力を撃てる様構えていた。
「……」
投げかけられた質問には答えずアドニスは双剣を抜き放つ、それと同時に榴の頭上を覆う様に半透明の影が現れた。
「貴方様に恨みは有りませんが…」
消え入るようでありながら、芯の入った声を上げて榴はアドニスを見据える。
「辰巳様が…望むなら…僕はこの身を捨てても…撃破するの、です」
決意と共に、透明な白鯨がアドニスに向かって降りかかる。それに対して彼は24の分身を呼び出して対抗するも、広大な攻撃範囲は本体ごと分身の群れを叩き潰した。
「退いてもらうぞ、完膚なきまでに」
榴が敵を抑えている間に辰巳は祝詞を唱えようとして、不意に鯨の群れの間に光るものを見た。それは彼がその正体を確かめる前に横合いから飛んできたカードと衝突し、硬質な音を立てて空中で弾ける。
「辰巳様…っ」
「ッ……!地の底の女神に請い願うッ!」
心配するような榴の声に返すよりも早く、場を整えなければ不味いと判断した辰巳は祝詞を唱え終える。榴のカードが弾いたのはアドニスの投剣、宙を舞う刃が消滅するのと辰巳の√能力が発動するのは殆ど同時であった。
冷たい星空の世界が更に冷徹な空気を纏う、黄泉比良坂そのものとなったこの空間は死の呪いに溢れ術者とその仲間以外を容赦なく地の底に引き寄せる。榴の必中の攻撃と合わせどんな強力な相手だろうと抜け出す事はできない。
「居ない……?」
はずだった。
驚愕する榴を咄嗟に辰巳が引き寄せると、星空の上から無数の短剣が降り注ぎ先程まで榴が立っていた場所に突き刺さる。
「そうか、大地に剣が刺さる距離に居るなら出現位置は自由か……」
「その通り、上空50m……足元の星空というのも懐かしいものだ」
苦々しい辰巳の呟きに返すように上空から声が響くと、剣の流星が再び二人に降りかかる。呪腕の空間引き寄せで自分達の位置をずらす事で攻撃を躱しつつ、大地全体に満ちる死の呪いでアドニスを引き寄せようとするが、呪いがその身体に触れる度に彼は剣を返しながら跳躍し上空を保ち続ける。
「辰巳様……」
辰巳の腕の中で、榴が口を開く。
「僕は、|半身《辰巳様》を…信じております…」
それが自分を守り切ってくれる、という意味でない事を、辰巳は理解した。
「……僕の|榴《半身》、力を貸してくれ」
その言葉に榴が小さく頷くのを見て、辰巳は呪腕と死の呪いを彼女に浴びせる。絶え間ない呪いの攻撃が止んだことにアドニスが警戒を強めた瞬間、足元の星空が急激に彼へ迫って来た。
それが使用者を上空に引き寄せたのだと気が付いた時には、既にアドニスは星空に飲み込まれ再び必中となった鯨に地面に叩き落される。しかしまだ手はあるという様に彼の両手の車輪が回転を始めた。
「通しません…」
甲高い風切り音と共に鯨の攻撃を無視して動き始めたアドニスの前に榴が立ちはだかるが、同じようにダメージを無視して動き出した分身に瞬く間に取り囲まれてしまう。
「……!」
白鯨や影から呼び出した深海の捕食者で攻撃を受け流しながら、榴は咄嗟に辰巳を見る。彼はその視線を受けて、穏やかに笑いながら一言だけ呟いた。
「信じて」
そう言って彼は迫るアドニスに海淵流を浴びせ、立て続けに雷と神力の弾丸を撃ち込む。その身体には傷一つ付くことは無いが、圧力や衝撃は受けるのかアドニスはその場で動きを止めた。
「悪いな、ジャイアントキリングはいつもの事だ」
「そうか」
60秒、打ち付けるようにアドニスが双剣を交差させるとその中心に眩い輝きが生まれる。命を終えた星が見せる最期の輝き、その熱量に身を焼かれながら、辰巳は同じ輝きを握りしめた。
「もう少し、死なせておくべきだったか」
敗北を悟ったアドニスの胸に辰巳の放った光槍が突き刺さる。放たれた二つの超新星爆発は死の夜空を焼き尽くし、辰巳と榴を現実の世界に引き戻した。
「……心配はしてくれないんだね」
次の戦闘に向けて淡々とこちらを治療する榴に辰巳は少しだけ口を尖らせるが、彼女は穏やかな微笑みを返した。
「だって…信じてましたから…」
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴 成功
第2章 冒険 『砲弾の嵐を駆け抜けろ!』

POW
装甲を頼りに最短距離を駆け抜ける!
SPD
機動性を活かして巧みに攻撃を躱す!
WIZ
光学迷彩やジャミングによって撹乱する!
√ウォーゾーン 普通7
●幕間
「なんだアイツぅぅ!?」
大黒ジャンクションへ向う航空戦力を一切足止めせず√能力者との戦闘を続けたた上に、物の見事に撃破されたアドニスを見てゼーロットは悲鳴に近い声を上げる。
「クソッ、これだから派閥に属さない野良犬は!だが、完璧な吾輩はセカンドプランを用意してある!」
そう言ってゼーロットが見つめるのは大国ジャンクション……の手前にある生麦ジャンクション。捻じ曲がる所狭しと砲台が並べられており、遠くから見れば鋼の針鼠のようにも見えた。
「この要塞ジャンクションの一斉砲撃なら奴らも一溜まりもあるまい!さあ行け吾輩の自動砲台達!愚かな生肉共を擂り潰すのだ!!!!」
大国ジャンクションへと向かう君達√能力者に砲弾、ミサイル、誘導レーザー砲などありとあらゆる砲撃が襲い掛かる。しかし後の作戦を考えるなら、この要塞化した生麦ジャンクションを無視することはできない。どうにかして砲撃を躱しながら生麦ジャンクションの戦力を削ぎ落すのだ。